JP2003343583A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

Info

Publication number
JP2003343583A
JP2003343583A JP2002150484A JP2002150484A JP2003343583A JP 2003343583 A JP2003343583 A JP 2003343583A JP 2002150484 A JP2002150484 A JP 2002150484A JP 2002150484 A JP2002150484 A JP 2002150484A JP 2003343583 A JP2003343583 A JP 2003343583A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pocket
cage
grease
fatty acid
spherical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002150484A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Yamamoto
雅雄 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2002150484A priority Critical patent/JP2003343583A/ja
Publication of JP2003343583A publication Critical patent/JP2003343583A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/38Ball cages
    • F16C33/42Ball cages made from wire or sheet metal strips
    • F16C33/422Ball cages made from wire or sheet metal strips made from sheet metal
    • F16C33/427Ball cages made from wire or sheet metal strips made from sheet metal from two parts, e.g. ribbon cages with two corrugated annular parts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/38Ball cages
    • F16C33/3887Details of individual pockets, e.g. shape or ball retaining means
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/04Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly
    • F16C19/06Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly with a single row or balls
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2380/00Electrical apparatus
    • F16C2380/26Dynamo-electric machines or combinations therewith, e.g. electro-motors and generators

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に低温時における保持器音及び高温下での
軸受音響性能を改善し、高速回転から低速回転まで広い
回転条件における音響特性の長寿命化が図られ、かつ安
価な転がり軸受を提供する。 【解決手段】 内輪と外輪との間に、保持器により転動
自在に保持される複数の転動体を備え、グリースが封入
された転がり軸受において、前記保持器が、特定のポケ
ット形状を有する波形プレス保持器であり、かつ、前記
グリースが、40℃における動粘度が30〜150mm2
/sでかつエステル油を必須成分として含む基油と、水
酸基を含まない脂肪酸のリチウム塩、水酸基を含む脂肪
酸のリチウム塩及びこれらの混合物から選択される少な
くとも1つの増ちょう剤とを含んでいることを特徴する
転がり軸受。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は波形プレス保持器を
備え、グリースを封止してなる転がり軸受に関し、特に
低温時における保持器音及び高温下での軸受音響性能を
改善し、高速回転から低速回転まで広い回転条件におけ
る音響特性の長寿命化を図った転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、空気調整装置(エアーコンデショ
ナー)は、その高性能化や多機能化が進み、例えば高速
運転による急速冷却で短時間で室内温度を下げた後は、
低速運転で一定温度に維持することが行われている。ま
た、低速運転時には、空気の吹き出し音やモータの回転
音等を抑えた低騒音運転が要求されている。しかし、低
速運転時には装置内部の冷却効率が低下して、モータに
組み込まれた軸受の温度は100〜120℃前後まで上
昇することがある。その結果、軸受に適用されているグ
リース組成物が劣化して、騒音を引き起こすことにな
る。
【0003】従来より、空気調整装置の軸受用グリース
組成物として、増ちょう剤にリチウム石けん、基油にジ
オクチルセバケート(DOS)やペンタエリスリトール
(PET)等からなり、粘度が80mm2/s(40
℃)未満のエステル系グリース組成物が使用されてい
る。このグリース組成物は、初期や低温時における音響
特性に優れるという利点を有するが、反面、高温下での
音響特性が早期に劣化するという問題があった。
【0004】このような背景から、本出願人も、特開平
8−209176号公報にて、水酸基を含まない脂肪酸
のリチウム塩と、水酸基を含む脂肪酸のリチウム塩とを
特定の割合で混合した増ちょう剤と、エステル油を必須
成分として含み、40℃における動粘度が80〜300
mm2/sの基油とを特定の割合で配合してなるグリー
ス組成物を提案している。
【0005】しかし、近年では、省電力化の要求が厳し
くなり、軸受にも低トルクが要求されてきているが、上
記グリースの基油動粘度の下限である80mm2/s未
満の基油を用いても、低トルク化の要求に対応できない
場合も増えてきている。基油の動粘度を低くすることに
より、低トルク化を図ることができるものの、今度は高
温での音響特性が低下するという問題が生じる。
【0006】このように、グリースのみの対応たけで
は、低トルク化と高温音響特性とを両立することは難し
く、軸受の構造面からの改善も必要になっている。本出
願人も。特開平11−125256号公報において、転
動体を保持するボケット面の形状を特定して保持器音の
低減を図った保持器を提案している。しかし、保持器音
以外の音響特性や耐久性についての総合的な改善につい
ては、未だ知見が得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑みてなされたものであり、特に低温時における保
持器音及び高温下での軸受音響性能を改善し、高速回転
から低速回転まで広い回転条件における音響特性の長寿
命化が図られ、かつ安価な転がり軸受を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は,下記に示す転がり軸受を提供する。 (1)内輪と外輪との間に、保持器により転動自在に保
持される複数の転動体を備え、グリースが封入された転
がり軸受において、前記保持器が、全体が円環状若しく
は円筒状で、複数のポケットを円周方向に亙り間欠的に
形成してなり、かつ各ポケットの内面を、これら各ポケ
ットの内面のほぼ全長に亙って形成した、当該ポケット
内に保持する転動体の転動面の曲率半径よりも僅かに大
きな曲率半径を有する球状凹面である球面部と、この球
面部の端縁から連続して各ポケットの開口端縁部にまで
達する、各ポケットの内面のほぼ全長に亙って形成した
円筒面部とにより構成された波形プレス保持器であり、
前記グリースが、40℃における動粘度が30〜150
mm2/sでかつエステル油を必須成分として含む基油
と、水酸基を含まない脂肪酸のリチウム塩、水酸基を含
む脂肪酸のリチウム塩及びこれらの混合物から選択され
る少なくとも1つの増ちょう剤とを含んでいる、 ことを特徴する転がり軸受。 (2)内輪と外輪との間に、保持器により転動自在に保
持される複数の転動体を備え、グリースが封入された転
がり軸受において、前記保持器が、全体が円環状若しく
は円筒状で、複数のポケットを円周方向に亙り間欠的に
形成してなり、かつ各ポケットの内面を、これら各ポケ
ットの内面のほぼ全長に亙って形成した、当該ポケット
内に保持する転動体の転動面の曲率半径よりも僅かに大
きな曲率半径を有する球状凹面である球面部と、この球
面部の端縁から連続して各ポケットの開口端縁部にまで
達する、球面部よりも大きな曲率半径を有し、この球面
部の端縁から各ポケットの開口側に向けて滑らかに連続
する曲面部とにより構成された波形プレス保持器であ
り、前記グリースが、40℃における動粘度が30〜1
50mm2/sでかつエステル油を必須成分として含む基
油と、水酸基を含まない脂肪酸のリチウム塩、水酸基を
含む脂肪酸のリチウム塩及びこれらの混合物から選択さ
れる少なくとも1つの増ちょう剤とを含んでいる、こと
を特徴する転がり軸受。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して図面を参照
して詳細に説明する。
【0010】図1は本発明の転がり軸受の一例である玉
軸受の全体構成を示す一部欠切斜視図であるが、図示さ
れるように、外周面に内輪軌道1を有する内輪2と内周
面に外輪軌道3を有する外輪4とを同心に配置し、内輪
軌道1と外輪軌道3との間に、複数個の玉5、5を転動
自在に設けてなる。図示の例の場合、内輪軌道1と外輪
軌道3とは、共に深溝型としている。また、複数個の玉
5、5は、保持器6に設けたポケット7、7内に、転動
自在に保持している。
【0011】保持器6は、波形プレス保持器と呼ばれる
もので、それぞれが金属板材をプレス成形する事により
造られる、波形で円環状に形成された1対の素子8、8
を組み合わせてなる。これら両素子8、8は、それぞれ
の円周方向複数個所に、各ポケット7、7を構成するた
めの略半円筒状の凹部9、9を形成している。そして、
この1対の素子8、8同士をこれら各凹部9、9から外
れた部分で突き合わせ、これら各部分を複数のリベット
10により結合固定して、円環状で円周方向複数個所に
ポケット7、7を有する保持器6としている。このよう
な波形プレス保持器は、金属板の打ち抜きにより容易に
得られ、一般にプラスチック製保持器よりも安価である
とともに、強度的にも勝るという利点を有する。
【0012】また、保持器6は、図2に各ポケット7の
拡大図で示すように、各ポケット7の内面形状を、これ
ら各ポケット7の幅方向(保持器の直径方向)中間部に
設けた球面部15と、それぞれがこの球面部の幅方向両
端縁から滑らかに連続する1対の曲面部18、18とに
より構成されている。球面部15は、各ポケット7の内
面のほぼ全長に亙って形成したもので、ポケット7内に
転動自在に保持する玉5の転動面の曲率半径R5 よりも
少し大きな曲率半径R15を有する球状凹面である。ま
た、各曲面部18、18は、球面部15の幅方向両端縁
から連続して、各ポケット7の開口端縁部にまで達する
もので、球面部15よりも大きな曲率半径R18(R18
15>R5 )を有する。
【0013】このような各曲面部18、18の内端縁と
球面部15の幅方向端縁とは、滑らかに連続している。
即ち、この球面部15の両端縁に於ける接線方向と、各
曲面部18、18の内端縁に於ける接線方向とを互いに
一致させている。尚、球面部15及び各曲面部18、1
8の円弧長さL15、L18は、設計的に定めるが、例えば
次の様な範囲内に規制する事が好ましい。 L15=R15・θ15=2R5 ×(5〜15%) L18=R18・θ18=2R5 ×(5〜15%)
【0014】また、各ポケット7を保持器6の径方向か
ら見た形状は、図3に誇張して示す様に、円形よりもラ
グビーボール状に少し潰れた形状としている。即ち、各
ポケット7の深さD7 を、上記曲面部15の曲率半径R
15よりも小さくしている。特に本発明の場合には、これ
らD7と曲率半径R15との差(R15−D7 )を、従来構
造の場合よりも大きくしている。従って、各ポケット7
を構成する球面部15と玉5の転動面とが摺接する点P
1 が、図示されるように、ポケット7の幅方向中央部か
ら幅方向端部に向けて比較的大きくずれた位置に存在す
る。即ち、接点角度α(玉5の中心と点P1 とを結ぶ直
線と保持器6の円周方向を表す線との交差角度)が、従
来構造の場合よりも大きい。尚、この接点角度αは、保
持器6を組み込む玉軸受の接触角(通常10〜20°)
よりも大きい値とする(最大90°)。従って、各玉5
の転走面と、玉5を保持したポケット7の内面との間に
は、図示されるように、比較的大きな隙間19が存在す
ることになる。
【0015】上述のように構成され保持器6の場合、各
ポケット7の内周面と玉5の転動面とは、球面部15部
分でのみ擦れ合い、曲面部18、18部分では擦れ合わ
ない。従って、各ポケット7の内周面と玉5の転動面と
の摩擦面積が減少し、保持器6と玉5との滑り接触部分
で発生する摩擦振動が低減されて、振動や騒音が減少す
る。また、球面部15を挟む状態で形成した1対の曲面
部18、18と玉5の転動面との間には、くさび状隙間
17a、17aが存在する(図2)。そのため、この保
持器6を組み込んだ玉軸受の運転時に、玉5の転動面に
付着した潤滑剤は、くさび状隙間17a、17aから球
面部15と転動面との間に存在する隙間部分に円滑に取
り込まれる。しかも、曲面部18、18は、各ポケット
7の内径側、外径側、両開口部の全長に亙って設けてお
り、くさび状空間17a、17aも、これら両開口部の
全長に亙って存在するので、球面部15と転動面との間
に存在する隙間部分への潤滑剤の取り込みは効果的に行
なえる。これらにより、保持器6と玉5との滑り接触部
分に作用する摩擦を低減し、この滑り接触部分で発生す
る摩擦振動を低減して、振動や騒音の減少を図れる。
【0016】しかも、玉5の転走面と、玉5を保持した
ポケット7の内面との間に、比較的大きな隙間19が存
在する(図3)。そのため、玉5の転動面のうち、特に
転走面に付着した潤滑剤は、この隙間19を通過して殆
ど掻き取られる事なく、この転走面と内輪軌道1及び外
輪軌道3(図1)との当接部に送り込まれる。このた
め、この当接部に十分な量の潤滑剤を送り込んで、玉軸
受の潤滑性を良好にし、この玉軸受の耐久性向上を図れ
る。
【0017】また、保持器6は、図4に示されるよう
に、ポケット7の内面を構成すべく、球面部15の両側
に設けた1対の曲面部18、18の断面形状を直線状と
していもよい。即ち、これら各曲面部18、18を円錐
状凹面とし、断面形状の曲率半径を無限大としている。
その他の構成及び作用は、図2及び図3に示した保持器
6と同様である。
【0018】上記の如く特定の保持器6を備える玉軸受
には、以下に詳述されるグリースが封入される。
【0019】グリースの基油は、エステル油を必須成分
とする。このエステル油は特に限定されないが、二塩基
酸と分枝アルコールとの反応から得られるジエステル
油、芳香族系三塩基酸と分枝アルコールとの反応から得
られる芳香族エステル油、多価アルコールと一塩基酸と
の反応から得られるヒンダードエステル油が好適に用い
られる。耐熱性を考慮すると、芳香族エステル油、ヒン
ダードエステル油の中から選択され、単独または混合し
て用いるのが特に好ましい。
【0020】ジエステル油としては、ジオクチルアジペ
ート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIB
A)、ジブチルアジペート(DBA)、ジオクチルアゼ
レート(DOZ)、ジブチルセバケート(DBS)、ジ
オクチルセバケート(DOS)、メチル・アセチルリシ
ノレート(MAR−N)等が挙げられる。
【0021】芳香族エステル油としては、トリオクチル
トリメリテート(TOTM)、トリデシルトリメリテー
ト、テトラオクチルピロメリテート等が挙げられる。
【0022】ヒンダードエステル油としては、以下に示
す多価アルコールと一塩基酸とを適宜反応させて得られ
るものが挙げられる。多価アルコールに反応させる一塩
基酸は単独でもいいし、複数用いてもよい。さらに、多
価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオ
リゴエステルであるコンプレックスエステルとして用い
ても良い。多価アルコールとしては、トリメチロールプ
ロパン(TMP)、ペンタエリスリトール(PE)、ジ
ペンタエリスリトール(DPE)、ネオペンチルプリコ
ール(NPG)、2−メチル−2−プロピル−1,3−
プロパンジオール(MPPD)等が挙げられる。一塩基
酸としては、主にC4〜C18の一価脂肪酸が用いられ
る。具体的には、例えば酪酸、吉草酸、カプロン酸、カ
プリル酸、エナント酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウ
ンデカン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン
酸、牛脂脂肪酸、スレアリン酸、カプロレイン酸、ウン
デシレン酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、ミ
リストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、
オレイン酸、エライジン酸、アスクレピン酸、バクセン
酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、サビニン
酸、リシノール酸等がある。
【0023】以上のエステル油は、基油全量の少なくと
も50重量%であることが望ましい。エステル油が50
重量%未満では、特に低速時における高温耐久性が十分
得られない。
【0024】エステル油以外の基油成分として合成炭化
水素油、エーテル油を配合することができる。合成炭化
水素油としては、ポリ−α−オレフィン油、α−オレフ
ィンとエチレンとのコオリゴマー合成油等がある。エー
テル油としては、ジフェニル、トリフェニル、テトラフ
ェニルのC12〜C20の(ジ)アルキル鎖が誘導された、
フェニルエーテル油がある。特に高温高速耐久性を考慮
すれば、(ジ)アルキルポリフェニルエーテル油が好ま
しい。これらの配合割合は、50重量%以内である。
【0025】基油粘度は、40℃動粘度が30〜150
mm2/sの範囲であるが、特に40〜150mm2/s
が好ましい。前記動粘度が30mm2/s未満では、特
に低速回転時に成膜性が十分でなく、150mm2/s
以上の高粘度になるとモータに負荷がかかりすぎ、軸受
トルクが高くなり、保持器音も発生しやすくなるため好
ましくない。本発明では、上記の如く保持器6が特定形
状を有していることから、80mm2/sよりも低粘度
のグリースでもポケット7と玉5との隙間17aに入り
やすく、高温時の音響長寿命化を図ることができる。
【0026】一方、増ちょう剤は、水酸基を含まない脂
肪酸のリチウム塩と、水酸基を含む脂肪酸のリチウム塩
とを、それぞれ単独で、もしくは混合して使用される。
水酸機を含む脂肪酸リチウム塩は、構造中に含まれる水
酸基の作用により基油との親和性が高く、分散性が良好
で、グリースを適用した軸受の音響特性を向上させるこ
とができる。また、水酸基を含まない脂肪酸リチウム塩
を併用することで、石けん構造がより安定し、緻密な石
けん構造が得られ、高温条件下での耐久性を改善する。
【0027】水酸基を含まない脂肪酸リチウム塩と、水
酸基を含む脂肪酸リチウム塩とを混合して用いる場合、
水酸基を含まない脂肪酸リチウム塩が0〜70重量%で
あり、水酸基を含む脂肪酸リチウム塩が30〜100重
量の範囲となるように配合することが好ましい。特に、
水酸基を含まない脂肪酸リチウム塩が0〜60重量%で
あり、水酸基を含む脂肪酸リチウム塩が40〜100重
量の範囲となるように配合することが好ましい。
【0028】また、前記増ちょう剤は、グリース中に5
重量%以上で20重量%未満、好ましくは5〜18重量
%含有される。増ちょう剤が5重量%未満では、ちょう
度が大きくなり、グリースが軟化して軸受からのグリー
ス漏れを生じ、十分な音響特性が得られない。20重量
%以上ではトルク及び高温時における音響特性に劣る。
【0029】水酸基を含まない脂肪酸リチウム塩として
は、特に限定されないが、ラウリン酸(C12)リチウ
ム、ミスチリン酸(C14)リチウム、パルミチン酸(C
16)リチウム、マルガリン酸(C17)リチウム、ステア
リン酸(C18)リチウム、アラキジン酸(C20)リチウ
ム、ベヘン酸(C22)リチウム、リグノセリン酸
(C24)リチウム、牛脂脂肪酸リチウム等が挙げられ、
望ましくはステアリン酸リチウム及び牛脂脂肪酸リチウ
ムである。
【0030】水酸基を含む脂肪酸リチウム塩としては、
特に限定されないが、9−ヒドロキシステアリン酸リチ
ウム、10−ヒドロキシステアリン酸リチウム、12−
ヒドロキシステアリン酸リチウム、9,10−ジヒドロ
キシステアリン酸リチウム、リシノール酸リチウム、リ
シノエライジン酸リチウム等が挙げられ、望ましくは1
2−ヒドロキシステアリン酸リチウムである。
【0031】また、上記グリースには、その好ましい特
性を損なわない限り、基油と増ちょう剤以外に、防錆
剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、極圧剤、摩耗防止
剤、粘度指数向上剤等を単独または2種以上を組み合わ
せて添加することができる。これらは何れも公知のもの
で舞わない。例えば、リチウム以外の金属塩からなる金
属石けん、ベントンやシリカゲル等の他の増ちょう剤;
アミン系、フェノール系、イオウ系、ジチオリン酸亜鉛
等の酸化防止剤;塩素系、イオウ系、リン系、ジチオリ
ン酸亜鉛、有機モリブデン等の極圧剤;脂肪酸、植物油
等の油性剤;石油スルホネート、ジノニルナフタレンス
ルホネート、ソルビタンエステル等の防錆剤;ベンゾト
リアゾールや亜硝酸ソーダ等の金属不活性化剤;ポリメ
タクリレート、ポリイソブチレン、ポリスチレン等の粘
度指数向上剤等を、単独または2種以上組み合わせて添
加することができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に
説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるも
のではない。
【0033】〔実施例1〜6、比較例 1〜6〕表1及
び表2に示すような増ちょう剤と基油の配合で、各試験
グリースを作成した。尚、ステアリン酸リチウム、12
−ヒドロキシステアリン酸(表中、12−OHステアリ
ン酸リチウムと記載)及び基油の総量は950gであ
り、これに酸化防止剤、錆止め剤、金属不活性化剤を総
量で50g加え、総量1000gのグリースとした。ま
た、基油粘度(40℃)を同表に併記した。そして、各
試験グリースを試験軸受に適用し、(1)軸受音響耐久
試験及び(2)軸受保持器音測定に供した。
【0034】(1)軸受音響耐久試験 試験軸受として、石油ベンジンで回転洗浄を2回行い、
室温放置して乾燥させて完全脱脂した内径10mm、外
径30mm、幅9mmで、下記に示す保持器を備える玉
軸受を用いた。保持器は、実施例1〜6及び比較例1〜
2については、ポケット部分が下記に示す形状の波形
プレス保持器を用い、比較例3〜6については、ポケッ
ト部分が下記に示す形状の波形プレス保持器を用い
た。 形状:ポケット内に保持する転動体の転動面の曲率半
径よりも僅かに大きな曲率半径を有する球状凹面である
球面部と、この球面部の端縁から連続して各ポケットの
開口端縁部にまで達する、各ポケットの内面のほぼ全長
に亙って形成した円筒面部とにより構成された波形プレ
ス保持器 形状:ポケット内に保持する転動体の転動面の曲率半
径よりも僅かに大きな曲率半径を有する球状凹面である
球面部を有する波形プレス保持器
【0035】そして、この試験軸受に注射器を用いて各
試験グリースを0.25g封入し、非接触金属シールド
板(Z形)で密封した。試験は、試験軸受を各試験グリ
ース毎に16個ずつ用意し、図5及び図6に示すグリー
ス寿命試験機に装着した。このグリース寿命試験機は、
ハウジング21内に入れた試験軸受を、ゴムベルト22
及びプーリ23を介してモータ24の動力にて回転させ
るものである。そして、グリース寿命試験機を120℃
に調整された恒温槽中に収納し、内輪を300rpm及
び5600rpm(いずれもアキシアル荷重2kgf)
で1000時間回転させた。1000時間後、試験軸受
を取り出し、下記の評価基準により軸受の音響特性を調
べた。
【0036】試験軸受の音響測定はアンデロンメータを
用いて行い、試験グリースを封入した直後の試験軸受の
アンデロン値と、1000時間回転後の試験軸受のアン
デロン値とを比較して音響特性の判定を行った。判定結
果を、音響特性の低下なし「○」、低下やや有り「△」
及び低下有り「×」として、表1及び表2に示した。
【0037】(2)軸受保持器音測定 上記の軸受音響耐久試験に用いた試験軸受と同様の試験
軸受を各試験グリース毎に5個ずつ用意し、内輪を18
00rpmで回転させ、周波数分析器を用いて0℃及び
−10℃における保持器音を測定した。判定結果を、保
持器音の発生なし「○」、保持器音やや有り「△」及び
保持器音大きい「×」として、表1及び表2に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】表1及び表2に示されるように、本発明に
従う特定形状の保持器を備え、かつ40℃における動粘
度が30〜150mm2/sでエステル油を必須成分とし
て含む基油と、水酸基を含まない脂肪酸リチウム塩、水
酸基を含む脂肪酸リチウム塩及びこれらの混合物から選
択される少なくとも1つの増ちょう剤とを含むグリース
を封入した各実施例の試験軸受は、音響特性及び保持器
音ともに優れた結果が得られている。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の転がり軸
受は、保持器のポケット部分が特定の形状を有している
ためグリースのポケット内への流入が良好となり、しか
も高温での耐久性に優れるグリースを封入することによ
り、低温から高温まで広い温度範囲において音響特性が
改善され、さらに高速から低速まで広い回転域において
音響特性の長寿命化が図られ、さらには低温下における
保持器音の発生を抑えることができる。また、保持器は
プレス等による打ち抜きにより容易に製造できるため、
安価でもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転がり軸受の一例を示す玉軸受の全体
構成を示す一部欠切斜視図である。
【図2】本発明において好ましい保持器の一実施形態
(請求項1対応)を示す拡大断面図である。
【図3】図2のDD断面図である。
【図4】本発明において好ましい保持器の他の実施形態
(請求項2対応)を示す拡大断面図である。
【図5】実施例において、軸受音響耐久試験に用いた試
験装置の概略図である。
【図6】図5に示した試験装置の回転機構を説明するた
めの腰部断面図である。
【符号の説明】
1 内輪軌道 2 内輪 3 外輪軌道 4 外輪 5 玉 6 保持器 7 ポケット 15 球面部 17a くさび状隙間 18 曲面部 19 隙間 21 ハウジング 22 ゴムベルト 23 プーリ 24 モータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪と外輪との間に、保持器により転動
    自在に保持される複数の転動体を備え、グリースが封入
    された転がり軸受において、 前記保持器が、全体が円環状若しくは円筒状で、複数の
    ポケットを円周方向に亙り間欠的に形成してなり、かつ
    各ポケットの内面を、これら各ポケットの内面のほぼ全
    長に亙って形成した、当該ポケット内に保持する転動体
    の転動面の曲率半径よりも僅かに大きな曲率半径を有す
    る球状凹面である球面部と、この球面部の端縁から連続
    して各ポケットの開口端縁部にまで達する、各ポケット
    の内面のほぼ全長に亙って形成した円筒面部とにより構
    成された波形プレス保持器であり、 前記グリースが、40℃における動粘度が30〜150
    mm2/sでかつエステル油を必須成分として含む基油
    と、水酸基を含まない脂肪酸のリチウム塩、水酸基を含
    む脂肪酸のリチウム塩及びこれらの混合物から選択され
    る少なくとも1つの増ちょう剤とを含んでいる、ことを
    特徴する転がり軸受。
  2. 【請求項2】 内輪と外輪との間に、保持器により転動
    自在に保持される複数の転動体を備え、グリースが封入
    された転がり軸受において、 前記保持器が、全体が円環状若しくは円筒状で、複数の
    ポケットを円周方向に亙り間欠的に形成してなり、かつ
    各ポケットの内面を、これら各ポケットの内面のほぼ全
    長に亙って形成した、当該ポケット内に保持する転動体
    の転動面の曲率半径よりも僅かに大きな曲率半径を有す
    る球状凹面である球面部と、この球面部の端縁から連続
    して各ポケットの開口端縁部にまで達する、球面部より
    も大きな曲率半径を有し、この球面部の端縁から各ポケ
    ットの開口側に向けて滑らかに連続する曲面部とにより
    構成された波形プレス保持器であり、 前記グリースが、40℃における動粘度が30〜150
    mm2/sでかつエステル油を必須成分として含む基油
    と、水酸基を含まない脂肪酸のリチウム塩、水酸基を含
    む脂肪酸のリチウム塩及びこれらの混合物から選択され
    る少なくとも1つの増ちょう剤とを含んでいる、ことを
    特徴する転がり軸受。
JP2002150484A 2002-05-24 2002-05-24 転がり軸受 Pending JP2003343583A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002150484A JP2003343583A (ja) 2002-05-24 2002-05-24 転がり軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002150484A JP2003343583A (ja) 2002-05-24 2002-05-24 転がり軸受

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003343583A true JP2003343583A (ja) 2003-12-03

Family

ID=29768332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002150484A Pending JP2003343583A (ja) 2002-05-24 2002-05-24 転がり軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003343583A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014088006A1 (ja) * 2012-12-04 2014-06-12 日本精工株式会社 転動装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014088006A1 (ja) * 2012-12-04 2014-06-12 日本精工株式会社 転動装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009063154A (ja) 転動装置
JP5729590B2 (ja) グリース組成物、グリース封入軸受、自在継手および直動装置
JP4809793B2 (ja) グリース組成物及び機械部材
US7135441B2 (en) Lubricating grease composition and rolling apparatus
US6682223B2 (en) Ball bearing
WO2016002739A1 (ja) 潤滑剤組成物および潤滑剤組成物封入軸受
JP5521320B2 (ja) 潤滑剤組成物及び転動装置
JP2000120708A (ja) 転がり軸受
JP2008069882A (ja) グリース封入密封型転がり軸受
JP2021063166A (ja) 潤滑剤組成物および転がり軸受
JP3356194B2 (ja) グリース組成物
JPH09217752A (ja) 転がり軸受
JP2005097514A (ja) 転動装置用潤滑剤及び転動装置
JP2003343583A (ja) 転がり軸受
JP2008045100A (ja) グリース組成物及び転動装置
JP2007211874A (ja) 電動式リニアアクチュエータ
JP5189273B2 (ja) 一方向クラッチ
JP2008127404A (ja) 転がり軸受
JP2003201492A (ja) グリース組成物及び転動装置
JP4348996B2 (ja) 潤滑剤およびこれを使用した転がり支持装置
JPH11201169A (ja) 転がり軸受
JP2007056938A (ja) 転がり軸受
JP2004108440A (ja) 直動装置
JP2000120700A (ja) 電気掃除機のモータ用玉軸受
JP2002235759A (ja) 転がり軸受