JP2003343471A - 気体圧縮機 - Google Patents

気体圧縮機

Info

Publication number
JP2003343471A
JP2003343471A JP2002159772A JP2002159772A JP2003343471A JP 2003343471 A JP2003343471 A JP 2003343471A JP 2002159772 A JP2002159772 A JP 2002159772A JP 2002159772 A JP2002159772 A JP 2002159772A JP 2003343471 A JP2003343471 A JP 2003343471A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
suction
front side
chamber
rotor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002159772A
Other languages
English (en)
Inventor
Nagatake Toki
永偉 時
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Priority to JP2002159772A priority Critical patent/JP2003343471A/ja
Publication of JP2003343471A publication Critical patent/JP2003343471A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フロン系冷媒の10倍の高圧に圧縮する炭酸
ガス冷媒に好適な耐圧性に優れた気体圧縮機を提供す
る。 【解決手段】 圧縮室10へ吸入冷媒ガスを供給する圧
縮機本体内の気体吸入路32〜37の断面積を小さくし
て、圧縮機本体の構成部品3、4の剛性を上げ、高圧圧
縮された圧縮室10や吐出室通路13からやや低圧の他
の圧縮室や吸入冷媒ガス供給路へ冷媒ガスがリークする
のを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、二酸化炭素や炭
化水素等の自然冷媒の圧縮に好適な気体圧縮機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ハイドロフルオロカーボン系のH
FC−134a等のフロン系冷媒に代わる冷媒として、
地球温暖化係数が比較的小さい二酸化炭素や炭化水素等
の自然冷媒が注目され、自然冷媒冷凍システムの研究が
盛んになっている。
【0003】しかし、二酸化炭素等を冷凍サイクルに使
用するには、従来のHFC−134aよりも遥かに高圧
の圧縮を必要とする。すなわち、その高圧側圧力はHF
C−134aの約10倍、高圧側圧力と低圧側圧力との
差は、HFC−134aの約8倍となる。このため、従
来のHFC−134a用の気体圧縮機を使用すると、そ
の内部部品に加わる圧力差による変形が大きくなり、強
度上、剛性上の問題が発生するおそれがある。
【0004】図4〜図6を参照して、従来のHFC−1
34a冷媒用気体圧縮機を説明する。図4は、従来の気
体圧縮機の圧縮機本体を示し、図5は、図4のV−V断
面、図6は、図4のVI−VI断面を示している。
【0005】図4〜図6において、1は気体圧縮機のロ
ータ、2はシリンダブロック、3はフロントサイドブロ
ック、4はリアサイドブロック、5はベーン、6はロー
タ軸である。
【0006】上記ロータ1は、シリンダブロック2内に
収容され、ロータ軸6に固着されている。上記シリンダ
ブロック2の内周断面はほぼ楕円形で、この楕円内周面
2aはロータの回転軸中心Cからの距離がなめらかに増
減する円筒カム面となっている。円筒カム面2aの内側
空間はシリンダ室7が形成されている。円筒カム面2a
の最小径(シリンダ室7の最小径)はロータ径とほぼ等
しくなっている。
【0007】シリンダブロック2の両端面には、上記フ
ロントサイドブロック3、リアサイドブロック4がボル
ト8および9により結合され、上記シリンダ室7を囲っ
ている。
【0008】上記ロータ1には、ほぼロータ半径方向に
設けられたベーン溝1aが複数設けられていて、上記ベ
ーン5はそれぞれのベーン溝1aに挿入され、各ベーン
5は、ロータの回転に伴い、その先端が円筒カム面2a
に摺接しながらベーン溝1a内を摺動する。
【0009】上記シリンダブロック2、フロントサイド
ブロック3、リアサイドブロック4、ロータ1およびベ
ーン5によりシリンダ室7が分割されて画成された圧縮
室10は、ロータ1の回転とともにその容積が拡縮す
る。この圧縮室10の容積拡縮が、気体圧縮機の気体圧
縮の機能を持っている。圧縮室10の容積が増加し始め
る角度位置から圧縮室10内に吸気を始め、容積が減少
し始める角度位置に達すると吸気を終えて圧縮を始め、
圧縮した気体を吐出するのである。
【0010】圧縮室10内への吸気は、次の吸気通路構
成により行われる。
【0011】先ず、冷凍システムの配管を接続した気体
吸入ポート11aから吸入室11(図1参照、図4では
フロントサイドブロック3の右側)にHFC−134a
冷媒ガスを導入しておく。
【0012】フロントサイドブロック3には、吸入室1
1と圧縮室10の吸入角度範囲(吸入開始から終了まで
の角度範囲)とに開口して直結連通させる大きな断面積
のフロントサイド気体吸入孔201が設けられている。
なお、このフロントサイド気体吸入孔201の断面形状
を明確に示すために、図5の左上にその輪郭を別途示し
てある。
【0013】シリンダブロック2には、フロントサイド
ブロック3側からリアサイドブロック4側へ貫通するシ
リンダ気体吸入孔202が設けられ、このシリンダ気体
吸入孔202は上記フロントサイド気体吸入孔201と
連通している。
【0014】リアサイドブロック4には、上記シリンダ
気体吸入孔202と連通し、かつ、圧縮室10の吸入角
度範囲に開口する大きな断面積のリアサイド気体吸入窪
み部203が設けられている。なお、このリアサイド気
体吸入窪み部203の断面形状を明確に示すために、図
6の右上にその輪郭を別途示してある。
【0015】したがって、ロータ1の回転によって、圧
縮室10の容積が増加していくと、気体吸入ポート11
aから、吸入室11、フロントサイド気体吸入孔201
を経由してフロントサイドブロック側から、また、更
に、フロントサイド気体吸入孔201、シリンダ気体吸
入孔202、リアサイド気体吸入窪み部203を経由し
てリアサイドブロック側から、冷媒ガスが圧縮室10に
吸入される。
【0016】圧縮室10からの圧縮気体の吐出は、次の
吐出通路構成により行われる。
【0017】シリンダ室7の小径部の近くの円筒カム面
に吐出孔12が設けられている。この吐出孔12は、シ
リンダ室7とシリンダブロック吐出通路13とを連通さ
せている。そして、上記シリンダブロック吐出通路13
は、リアサイドブロック吐出通路14を経て吐出室15
(図1参照)に通じている。なお、上記シリンダブロッ
ク吐出通路13内の吐出孔12開口部には、圧縮された
気体のシリンダ室7への逆流を防ぐ吐出弁16が、ま
た、吐出室15内のリアサイドブロック吐出通路14開
口部には、圧縮気体中の潤滑油を分離するための油分離
器17が、それぞれ設けられている。吐出室15は、冷
凍システムの配管を接続した気体吐出ポート15aに通
じている。
【0018】ロータ1の回転に伴い容積が減少していく
圧縮室10が吐出孔12に至ると、圧縮室10内で圧縮
された気体は、吐出弁16を開いてシリンダブロック吐
出通路13に吐出され、リアサイドブロック吐出通路1
4を経て吐出室15へ送られ、気体吐出ポート15aか
ら冷凍システムの配管へ流れ出る。
【0019】ところで、ロータ1の回転によりリアサイ
ド気体吸入窪み部203から隔離された後の圧縮室10
は、その気体圧縮工程で急速に圧力が上昇する。また、
シリンダブロック吐出通路13、リアサイドブロック吐
出通路14、吐出室15も高圧になっている。その一方
で、吸入室11と、気体吸入中の圧縮室10は、圧力が
低い。このように、高圧部分と低圧部分が圧縮機内で隣
り合っているから、この間の高圧力差に耐えられるシー
ルが必要になり、圧縮機の部品の継ぎ目、摺動部には、
種々のシール手段が用いられている。
【0020】上記シール手段のうち、シリンダブロック
2とフロントサイドブロック3、シリンダブロック2と
リアサイドブロック4の各つなぎ目に隙間があると、圧
縮工程で高圧になっている圧縮室10、シリンダブロッ
ク吐出通路13、リアサイドブロック吐出通路14の圧
縮気体が、より低圧となっている他の圧縮室や気体吸入
孔201、202、気体吸入窪み部203等にリーク
し、圧縮性能が低下してしまう。したがって、シリンダ
ブロック2とフロントサイドブロック3、シリンダブロ
ック2とリアサイドブロック4の各当接面は気密性よく
密着するように精密に仕上げられ、ボルト8および9に
より強固に結合されている。
【0021】HFC−134a冷媒を使用する気体圧縮
機ならば、このような気密構造でリークが起こらず、充
分な圧縮性能を維持することができる。
【0022】また、一方、HFC−134a冷媒を使用
する気体圧縮機では、圧縮室10への気体の吸入抵抗が
大きいと圧縮性能を低下させるので、気体吸入孔20
1、202、気体吸入窪み部203の断面積はできるだ
け大きくし、特にフロントサイド気体吸入孔201は、
図4および図5に示したように、大きな台形状の貫通孔
にして吸入室11と直結させ、気体吸入窪み部203も
大きな台形状の窪み部としている。このようにして両サ
イドブロック3、4の肉圧が部分的に減少しても、両サ
イドブロック3、4は、圧縮気体の圧力に対して充分な
強度と剛性があり、変形したリークが発生するおそれは
なかった。
【0023】この発明が狙う二酸化炭素冷凍サイクルに
使用する気体圧縮機では、上述のように、HFC−13
4a冷媒に比べて、高圧側圧力が約10倍、高圧側圧力
と低圧側圧力との差が、約8倍となるため、両サイドブ
ロック3、4に強度上、剛性上の問題が発生し、両サイ
ドブロック3、4が変形してリークを生じるおそれがあ
る、という問題があった。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述の問
題点を解決し、高圧の圧縮に対して充分な強度、剛性を
有して変形によるリークを発生せず、二酸化炭素等の高
圧圧縮に好適な気体圧縮機を提供するものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、この発明の気体圧縮機は、ロータと、上記ロータ
を収容し、ロータの回転軸中心からの距離がなめらかに
増減する円筒カム面を内周に形成して内側空間をシリン
ダ室とするシリンダブロックと、上記シリンダブロック
の両端面に結合され、上記シリンダ室を囲うフロントサ
イドブロックおよびリアサイドブロックと、上記ロータ
にほぼロータ半径方向に設けられたベーン溝に挿入さ
れ、ロータの回転中、先端が上記円筒カム面に摺接しな
がらベーン溝内を摺動するベーンと、上記シリンダブロ
ック、フロントサイドブロック、リアサイドブロック、
ロータおよびベーンによりシリンダ室が分割画成され、
ロータの回転とともに容積が拡縮する圧縮室と、上記圧
縮室の吸入角度範囲内に上記フロントサイドブロックに
形成されて、上記圧縮室に開口するフロントサイド気体
吸入窪み部と、上記フロントサイド気体吸入窪み部と圧
縮機の気体吸入ポートとを連通するフロントサイド気体
通路とを具備することを特徴とする。
【0026】また、上記気体圧縮機において、フロント
サイド気体通路が、気体吸入ポート側に設けられた吸入
室と圧縮室の吸入角度範囲のうちの吸入開始位置とを直
結する吸入開始位置直結孔を有し、更に、上記圧縮室の
吸入角度範囲内に上記リアサイドブロックに形成され
て、上記圧縮室に開口する幅の狭いリアサイド気体吸入
窪み部と、上記リアサイド気体吸入窪み部と圧縮機の気
体吸入ポートとを連通するリアサイド気体通路とを具備
したり、フロントサイド気体通路が、気体吸入ポート側
に設けられた吸入室と圧縮室の吸入角度範囲のうちの吸
入終了位置とを直結する吸入終了位置直結孔を有するよ
うにする。
【0027】上記したこの発明の気体圧縮機では、圧縮
室への気体通路、気体吸入孔や圧縮室に開口する気体吸
入窪み部、すなわち、気体吸入路の断面積が、HFC−
134a冷媒用の気体圧縮機に比べて小さく、その分、
両サイドブロックの肉薄部分の厚みが増し、強度と剛性
が向上し、二酸化炭素の10MPa程度の圧縮圧力、8
倍程度の高圧/低圧圧力差に充分耐え、高圧力による変
形、気体リークを避けることができる。
【0028】一方、気体吸入路の断面積が小さいと吸入
気体に対する気体吸入路の抵抗が増加し、圧縮性能が低
下することが懸念されるが、発明者が理論的、実験的に
検証した結果、このための抵抗増加はなく、圧縮性能低
下のおそれもないことを確認した。圧縮機通常運転時の
HFC−134aの動粘度が7.54×10-72 /s
程度に対し、二酸化炭素の動粘度は1.55×10-7
2 /s程度と動粘度が低く、単純に計算しても、二酸化
炭素用の気体吸入路断面積は、HFC−134a用の3
5〜50%でよいことになるのである。
【0029】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を、以下、
図面を参照して説明する。
【0030】図1は、この発明の一実施の形態を示す縦
断面図、図2は、図1のII−II断面図、図3は、図
1のIII−III断面図である。なお、図2および図
3では、気体圧縮機のケーシングを省略し、圧縮機本体
部分のみを示している。また、図5、図6同様、フロン
トサイド気体吸入孔付近、リアサイド気体吸入窪み部を
明確に示すために、それぞれ図2の左上および図3の上
側にその輪郭を別途示してある。
【0031】この発明の特徴部分は、フロントサイドブ
ロック3、リアサイドブロック4の気体吸入窪み部およ
びこの窪み部への気体通路にあり、他の部分の構成、作
用は、従来の技術で説明した図4〜図6の気体圧縮機と
同様である。図1〜図3において、図4〜図6と同一部
分については、同一の符号を付して、その説明を省略す
る。
【0032】図1において、18はフロントヘッド、1
9はケーシング、20は電磁クラッチである。
【0033】上記フロントヘッド18とケーシング19
は、図示省略のボルトにより密着結合され、その中に、
圧縮機本体(ロータ1、シリンダブロック2、フロント
サイドブロック3、リアサイドブロック4等)と油分離
器17が収められている。
【0034】上記圧縮機本体のシリンダブロック2、フ
ロントサイドブロック3およびリアサイドブロック4
は、ボルト8、9により一体に密着結合され、フロント
ヘッド18とケーシング19に固定されている。
【0035】そして、フロントヘッド18とフロントサ
イドブロック3との間の空間が、吸入室11を形成し、
ケーシング19とリアサイドブロック4との間の空間
が、吐出室15を形成している。吐出室15の下部は、
潤滑油を蓄える油溜まり15bとなっている。
【0036】この潤滑油は、圧縮機本体の摺動部分、例
えば、両サイドブロック3、4のロータ1を回転自在に
保持するラジアル軸受け、カム面2aとベーン5の先
端、ロータ1両端面と両サイドブロック3、4の端面と
の摺動面等の潤滑とシールと、ベーン5のカム面2aへ
の押し出し力付与のために圧縮機本体に供給され、圧縮
気体に混入した状態で油分離器17により回収されて、
油溜まり15bに戻り、循環使用される。
【0037】上記電磁クラッチ20は、フロントヘッド
18の正面外周部に取り付けられ、原動側のプーリ20
aが図示省略のベルトを介してエンジン等の原動軸プー
リと連結され、従動側20bは、フロントヘッド18の
正面に突き出したロータ軸6に固定され、クラッチが励
磁されているときに、上記原動軸プーリの回転動力をロ
ータ軸6に伝え、ロータ1を回転駆動するようになって
いる。
【0038】フロントサイドブロック3には、フロント
サイド気体吸入窪み部31、フロントサイド主気体通路
32、吸入開始位置直結孔33および吸入終了位置直結
孔34が穿設されている。
【0039】上記フロントサイド気体吸入窪み部31
は、圧縮室10に面して開口し、吸入室11と圧縮室1
0の吸入角度範囲(図3に示す吸入開始角度位置αから
終了角度位置βまでの角度範囲)に、シリンダブロック
2の最大径Dmax からロータ径dまでの範囲内に形成さ
れた幅の狭い円弧状の窪み部である。
【0040】上記フロントサイド主気体通路32は、フ
ロントサイドブロック3を軸線方向に貫通し、上記フロ
ントサイド気体吸入窪み部31と圧縮機の気体吸入ポー
ト11aとを連通するとともに、シリンダブロック2を
軸線方向に貫通するシリンダ気体吸入孔35に連通して
いる。
【0041】上記吸入開始位置直結孔33は、上記フロ
ントサイド気体吸入窪み部31と吸入室11とを貫通し
ていて、吸入室11と圧縮室10の吸入角度範囲のうち
の吸入開始位置とを直結する。
【0042】上記吸入終了位置直結孔34は、上記フロ
ントサイド気体吸入窪み部31と吸入室11とを貫通し
ている短い円弧状の長孔形状で、吸入室11と圧縮室1
0の吸入角度範囲のうちの吸入終了位置とを直結する。
【0043】上記吸入開始位置直結孔33と吸入終了位
置直結孔34は、フロントサイド主気体通路32と平行
な配置となっている。
【0044】リアサイドブロック4には、リアサイド気
体吸入窪み部36とリアサイド気体通路37が穿設され
ている。
【0045】上記リアサイド気体吸入窪み部36は、圧
縮室10に面して開口し、上記圧縮室10の吸入角度範
囲(β−α)および上記シリンダブロックの最大径Dma
xからロータ径dまでの範囲内に形成された幅の狭い円
弧状の窪み部である。
【0046】上記リアサイド気体通路37は、上記シリ
ンダ気体吸入孔35とリアサイド気体吸入窪み部36と
を連通する幅の狭い通路である。
【0047】上記フロントサイド気体吸入窪み部31と
リアサイド気体吸入窪み部36とは、共にHFC−13
4a用の気体圧縮機のフロントサイド気体吸入孔20
1、気体吸入窪み部203の各断面積よりも小さい断面
積の幅の狭い窪みとしてあり、窪み付近の両サイドブロ
ック3、4の肉厚を厚くして強度、剛性を上げている。
【0048】上記フロントサイド主気体通路32、吸入
開始位置直結孔33および吸入終了位置直結孔34は、
いずれも小径の孔で、その総断面積は、HFC−134
a用の気体圧縮機のフロントサイド気体吸入孔201の
断面積よりも小さくしてあり、これらフロントサイド気
体通路付近のフロントサイドブロック3の肉厚を厚くし
て強度、剛性を上げている。
【0049】なお、圧縮室10への気体吸入が損失少な
く行われればよいのであるから、フロントサイド気体通
路を、3個に分けることは必ずしも必要でなく、1個に
まとめたり、多数の孔に分割してもよいが、この実施形
態のように、シリンダ気体吸入孔35にストレートに連
通するフロントサイド主気体通路32を設ければ、リア
サイド側への気体の流入が、乱流を起こす等のことがな
く、よりスムーズになり、吸入開始位置直結孔33を設
ければ、圧縮室10の気体吸入開始時の吸入がよりスム
ーズになり、また、吸入終了位置直結孔34を設けれ
ば、圧縮室10の気体吸入終了時の吸入がよりスムーズ
になって、損失少なく充分な吸入が行われる。
【0050】このように構成された気体圧縮機の気体吸
入状況を、次に説明する。なお、圧縮された気体の吐出
状況等、他の作動状況は、従来の気体圧縮機と同様であ
る。
【0051】ロータ1の回転に伴う容積増加過程の圧縮
室10の吸引力により、低圧側の気体は、吸入ポート1
1aから吸入室11とフロントサイドブロックのフロン
トサイド気体通路を通過して、両サイド気体吸入窪み部
31、36から圧縮室10に吸入される。
【0052】フロントサイド気体通路は、互いに平行配
置されたフロントサイド主気体通路32、吸入開始位置
直結孔33および吸入終了位置直結孔34からなってい
るから、吸入気体は、これら3個の孔を平行して通過す
る。これら3個の孔の総断面積は、図4〜図6に示した
HFC−134a用のフロントサイド気体吸入孔201
の断面積よりも小さく、また、両サイド気体吸入窪み部
31、36の各断面積もHFC−134a用の大きな台
形状の貫通孔201、気体吸入窪み部203よりも小さ
くなっているから、両サイドブロック3、4の強度、剛
性は、二酸化炭素の高い圧縮圧力に耐え、変形がほとん
ど起こらず、高圧側圧縮室10、吐出室通路13等から
低圧側圧縮室10や吸入気体の通路へ気体がリークして
圧縮性能を低下させることがない。また、吸入気体が二
酸化炭素のような動粘度の低い気体であるから、気体通
路断面積減少による吸入気体の気体通路の抵抗は増える
ことなく、この面からの圧縮性能低下も起こらない。
【0053】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明
は、フロントサイドブロックの圧縮室の吸入角度範囲内
に、圧縮室に開口するフロントサイド気体吸入窪み部を
形成し、このフロントサイド気体吸入窪み部と圧縮機の
気体吸入ポートとを連通するフロントサイド気体通路と
を具備し、あるいは、更に、フロントサイド気体通路と
して、気体吸入ポート側に設けられた吸入室と圧縮室の
吸入角度範囲のうちの吸入開始位置とを直結する吸入開
始位置直結孔を有するようにしたから、フロントサイド
ブロックの強度、剛性が上がり、二酸化炭素のような冷
媒ガスを高圧に圧縮しても、その圧力でフロントサイド
ブロックが変形して圧縮した高圧気体が低圧側にリーク
することがなく、気体圧縮機の充分な圧縮性能維持、向
上が実現できる。
【0054】また、更に、リアサイドブロックの圧縮室
の吸入角度範囲内に、圧縮室に開口する幅の狭いリアサ
イド気体吸入窪み部を形成し、このリアサイド気体吸入
窪み部と圧縮機の気体吸入ポート、フロントサイド気体
通路を連通するリアサイド気体通路を具備すれば、リア
サイドブロックの強度、剛性も上がり、二酸化炭素のよ
うな冷媒ガスを高圧に圧縮しても、その圧力でリアサイ
ドブロックが変形して圧縮した高圧気体が低圧側にリー
クすることもなく、圧縮性能維持に寄与する。
【0055】また、更に、フロントサイド気体通路が、
気体吸入ポート側に設けられた吸入室と圧縮室の吸入角
度範囲のうちの吸入終了位置とを直結する吸入終了位置
直結孔を有するようにすれば、フロントサイド気体通路
の総断面積が増加し、特に、吸入工程終了近くの圧縮室
位置での流体抵抗が減少して、充分な気体吸入が行わ
れ、圧縮性能維持に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す縦断面図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】図1のIII−III断面図。
【図4】従来の気体圧縮機の圧縮機本体を示す縦断面
図。
【図5】図4のV−V断面図。
【図6】図4のVI−VI断面図。
【符号の説明】
1 ロータ 1a ベーン溝 2 シリンダブロック 2a 円筒カム面(楕円内周面) 3 フロントサイドブロック 4 リアサイドブロック 5 ベーン 6 ロータ軸 7 シリンダ室 8、9 ボルト 10 圧縮室 11 吸入室 11a 気体吸入ポート 12 吐出孔 13 シリンダブロック吐出通路 14 リアサイドブロック吐出通路 15 吐出室 15a 気体吐出ポート 16 吐出弁 17 油分離器 31 フロントサイド気体吸入窪み部 32 フロントサイド主気体通路 33 吸入開始位置直結孔 34 吸入終了位置直結孔 35 シリンダ気体吸入孔 36 リアサイド気体吸入窪み部 37 リアサイド気体通路 201 フロントサイド気体吸入孔 202 シリンダ気体吸入孔 203 リアサイド気体吸入窪み部 C ロータ回転軸中心 Dmax シリンダブロックの最大径 d ロータ径 α 吸入開始角度位置 β 吸入終了角度位置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータと、 上記ロータを収容し、ロータの回転軸中心からの距離が
    なめらかに増減する円筒カム面を内周に形成して内側空
    間をシリンダ室とするシリンダブロックと、 上記シリンダブロックの両端面に結合され、上記シリン
    ダ室を囲うフロントサイドブロックおよびリアサイドブ
    ロックと、 上記ロータにほぼロータ半径方向に設けられたベーン溝
    に挿入され、ロータの回転中、先端が上記円筒カム面に
    摺接しながらベーン溝内を摺動するベーンと、 上記シリンダブロック、フロントサイドブロック、リア
    サイドブロック、ロータおよびベーンによりシリンダ室
    が分割画成され、ロータの回転とともに容積が拡縮する
    圧縮室と、 上記圧縮室の吸入角度範囲内に上記フロントサイドブロ
    ックに形成されて、上記圧縮室に開口するフロントサイ
    ド気体吸入窪み部と、 上記フロントサイド気体吸入窪み部と圧縮機の気体吸入
    ポートとを連通するフロントサイド気体通路とを具備す
    ることを特徴とする気体圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の気体圧縮機において、 フロントサイド気体通路が、気体吸入ポート側に設けら
    れた吸入室と圧縮室の吸入角度範囲のうちの吸入開始位
    置とを直結する吸入開始位置直結孔を有する気体圧縮
    機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の気体圧縮機に
    おいて、 上記圧縮室の吸入角度範囲内に上記リアサイドブロック
    に形成されて、上記圧縮室に開口する幅の狭いリアサイ
    ド気体吸入窪み部と、 上記リアサイド気体吸入窪み部と圧縮機の気体吸入ポー
    トとを連通するリアサイド気体通路とを更に具備する気
    体圧縮機。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3に記載の気体圧縮
    機において、 フロントサイド気体通路が、気体吸入ポート側に設けら
    れた吸入室と圧縮室の吸入角度範囲のうちの吸入終了位
    置とを直結する吸入終了位置直結孔を有する気体圧縮
    機。
JP2002159772A 2002-05-31 2002-05-31 気体圧縮機 Withdrawn JP2003343471A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002159772A JP2003343471A (ja) 2002-05-31 2002-05-31 気体圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002159772A JP2003343471A (ja) 2002-05-31 2002-05-31 気体圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003343471A true JP2003343471A (ja) 2003-12-03

Family

ID=29773971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002159772A Withdrawn JP2003343471A (ja) 2002-05-31 2002-05-31 気体圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003343471A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006233785A (ja) * 2005-02-23 2006-09-07 Hitachi Ltd ベーンポンプ
JP2006250072A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Hitachi Ltd ベーンポンプ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006233785A (ja) * 2005-02-23 2006-09-07 Hitachi Ltd ベーンポンプ
JP4643301B2 (ja) * 2005-02-23 2011-03-02 日立オートモティブシステムズ株式会社 ベーンポンプ
JP2006250072A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Hitachi Ltd ベーンポンプ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2243958B1 (en) Compressor and refrigerating apparatus having the same
JP3874013B2 (ja) 回転式圧縮機
KR100861646B1 (ko) 용적형 팽창기
JP2005330962A (ja) 回転式流体機械
JPS63179190A (ja) 回転圧縮機
JPH07145785A (ja) トロコイド型冷媒圧縮機
KR100793001B1 (ko) 스크롤 압축기
KR19980063888A (ko) 토출 챔버 압력 해제 홈을 갖는 회전식 압축기
JP2003148366A (ja) 多段気体圧縮機
WO2005108794A1 (ja) 回転式流体機械
JP4989269B2 (ja) 流体機械および冷凍サイクル装置
JP2008088854A (ja) スクロール型膨張機
CN113939655A (zh) 涡旋式压缩机
CN113966439A (zh) 涡旋式压缩机
CN113646536A (zh) 涡旋式压缩机
JP2003343471A (ja) 気体圧縮機
KR100624374B1 (ko) 선회베인 압축기
JP3114667B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP4854633B2 (ja) ロータリ型流体機械および冷凍サイクル装置
WO2017146167A1 (ja) 揺動ピストン式圧縮機
KR100286714B1 (ko) 베어링부에 흡입구조를 가지는 로터리 압축기
KR101587165B1 (ko) 스크롤 압축기 및 이를 적용한 냉동기기
KR101587166B1 (ko) 스크롤 압축기 및 이를 적용한 냉동기기
JP2010031734A (ja) ロータリ圧縮機
JP3988818B2 (ja) 気体圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20040617

A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050802