JP2003343401A - 多気筒エンジンの始動制御装置 - Google Patents

多気筒エンジンの始動制御装置

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JP2003343401A
JP2003343401A JP2002153895A JP2002153895A JP2003343401A JP 2003343401 A JP2003343401 A JP 2003343401A JP 2002153895 A JP2002153895 A JP 2002153895A JP 2002153895 A JP2002153895 A JP 2002153895A JP 2003343401 A JP2003343401 A JP 2003343401A
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cylinder
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signal
rotation angle
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Tomosuke Makino
友亮 牧野
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Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン始動時に回転変動が大きく不適切な
回転速度情報となってお各気筒に適切な点火など制御が
適切かつ正確にでき、スムーズなエンジン始動ができる
雪上車用に好適な多気筒エンジンの始動制御装置を提供
する。 【解決手段】 リコイルスタータ型多気筒エンジンにお
いて、特定のクランク軸の回転角に対応してクランク回
転角センサから信号を出力可能にする被検出構造をギヤ
に設け、エンジン始動時に、リラクタセンサの出力信号
に基き特定の気筒の点火制御を行うと共に、クランク回
転角センサの出力する被検出構造の検出信号に基き他の
気筒の点火制御を行うエンジン制御部を設けた多気筒エ
ンジンの始動制御装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雪上車(スノーモ
ービル)、船外機、汎用エンジン、芝刈り機、あるいは
水上バイク用エンジンなど2サイクル気筒内燃料噴射エ
ンジンの制御に好適な、多気筒エンジンの始動制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】雪上車は、レジャースポーツ用という商
品性から、エンジン構造が比較的簡単で、軽量コンパク
ト、ハイパワーという特性の2サイクルエンジンを搭載
するのが主流である。
【0003】雪上車のエンジンに、この2サイクルエン
ジンを用いたものにおいて、燃料噴射装置を採用してイ
ンジェクターからの噴射燃料を運転状況や走行状態に応
じて適切に制御しようとするものがある(例えば特開2
001−289134号、特開2001−289135
号参照)。この種の雪上車では、前記公報に記載される
ようにリコイルロープを引いて始動する、リコイルスタ
ータを搭載しているのが通常である。一方、雪上車に
は、エンジン始動用のスタータモータを設けた機種も有
るが、低温時の始動ではバッテリーの自己放電などが発
生する可能性があるため、スタータモータと共に手動で
エンジンンを起動できるリコイルスタータも装備してい
る。
【0004】そして、雪上車用のエンジンにおいては、
燃料噴射制御や点火時期制御等のエンジン制御に必要な
信号を検出するため、フライホイールの外周には、クラ
ンク角センサで検出するストライカーとしてのクランク
角検出ギヤが設置され、フライホイール回転の際の外面
通過軌跡に検出端が対面するようにセンサがクランクケ
ースに設置・固定される。
【0005】上記のような雪上車における電源システム
としては、軽量コンパクトという観点から、エンジン回
転によって発電機(マグネトーなど)で発電した電力
を、各電装部品(ECM(エンジン制御用電子制御モジ
ュール)、CDI(容量点火装置の電源)、インジェク
ター電源、ポンプ(低圧側ポンプ電源)、可変Preg
(プレッシャーレギュレータ:燃料圧制御用電源)な
ど)へ供給するバッテリーレスシステムとしている。
【0006】ここで、雪上車における始動時の制御は、
図8のフローチャートに示すように、キースイッチのオ
ン(ON)したときに(ステップS1)、リコイル(リ
コイルロープ)を引いて(リコイルコイルプーリを介し
て)エンジンを回すと(S2)、マグネトーから発電す
る。このマグネトーから各電装部品(前記ECMなど)
に電源を供給する(S3)。そして、フライホイール外
周に設置したリラクタの抜き側信号によって気筒判別す
る(S4)。判別後フライホイールの外周に設置された
クランクギヤ信号(例えば30歯のクランク回転角度検
出用ギヤ歯であり、クランク軸1回転で30回の信号に
なる)を検知し、この検知したクランクギヤ信号から回
転速度情報を検出し、各気筒のクランク角度位置を検出
する(S5)。次いで、これらのクランクギヤ信号に基
き、要求された噴射タイミングに来たならば(S6:Y
es)、噴射し(S7)、クランクギヤ信号に基き、要
求された点火時期に来たならば(S8:Yes)、点火
する(S9)。
【0007】上記構成の制御信号検出装置において、気
筒判別・各気筒毎のクランク位置を検出し、電子制御モ
ジュール(ECM)に通信するようにしている。ここ
で、要求された位置での点火・噴射を行うための回転速
度情報は、クランクギヤ30歯の一部の固定区間を利用
して取得する。始動時の制御は、いかに正確に回転速度
情報を得るかが重要になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エンジ
ン始動時には、回転変動が大きいため、回転速度情報が
適切とはならず、要求通りの点火・噴射ができない場合
が多く、また、不正燃焼の原因になりやすい。特に、多
気筒エンジンにおいて燃料を直接的に気筒内に噴射する
形式の気筒内噴射タイプにおいては、気筒判別が完了す
るまで燃料噴射を実行することが困難である(特開平1
1−62681号公報参照)。上記始動時の問題の対策
として、前記の電子制御モジュールからの信号によらず
にクランク軸の回転位置を検出したセンサ信号を用いて
クランク回転角度に応じて直接的に点火・噴射制御を行
うハード点火・ハード噴射の制御を行うことが考えられ
るが多気筒例えば2気筒の筒内噴射のエンジンでは、気
筒毎に独立点火・独立噴射にて制御することが望まし
い。よって、気筒判別用のリラクタを気筒毎に設置する
ことが考えられる(各々をクランク回転角方向に180
゜対向した位置に設置する)が、逆に気筒判別できなく
なる問題点が生じる。また1つのリラクタに気筒毎のパ
ルサコイルを設置して制御することは、部品点数が増え
てコストアップするばかりか、制御が複雑化してソフト
的・ハード的に工数増加の原因になる。
【0009】なお、4サイクルエンジンにおいて、噴射
タイミングの基準として用いる基準角度信号のうちの一
つを気筒判別用とし、エンジン停止直前に判別された気
筒を記憶し、エンジン始動時に検出されたクランク角度
と記憶された気筒判別結果から、ピストンクランク角を
検出する技術(特開平11−159390号)や、気筒
判別結果と共に運転状態をイグニッションスイッチオフ
直前に記憶し、それらの記憶値からクランク軸の停止位
置を推定する技術(特開平11−107823号)が有
る。
【0010】しかしながら、これらの技術は気筒判別結
果あるいは運転状態を記憶するのみであり、上記のよう
な始動時の問題点を解消できないものである。
【0011】しかも、上記特開平11−159390号
や特開平11−107823号の技術では自動車用等の
給排気弁開閉用のカム軸を有する等4サイクルエンジン
の制御を主眼としたものであり、雪上車のようにリコイ
ルスタートの2サイクルエンジンのように始動回転速度
が遅くなかなか所要のセンサ出力が得られないエンジン
には適用しがたいものである。
【0012】本発明は、エンジン始動時に回転変動が大
きく不適切な回転速度情報となっても、各気筒に適切な
点火など制御が適切かつ正確にでき、スムーズなエンジ
ン始動ができる雪上車用に好適な多気筒エンジンの始動
制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、リコイルスタ
ータ型多気筒エンジンにおいて、クランク軸と同時に回
転する被検出用のリラクタおよびギヤと、前記リラクタ
の検出により気筒判別用の信号を出力するリラクタセン
サと、前記ギヤの検出によりクランク軸の回転角信号を
出力するクランク回転角センサとを備え、特定のクラン
ク軸の回転角に対応してクランク回転角センサから信号
を出力可能にする被検出構造をギヤに設け、エンジン始
動時に、リラクタセンサ出力の信号に基き特定の気筒の
点火制御を行うと共に、クランク回転角センサが出力す
る前記被検出構造の検出信号に基き他の気筒の点火制御
を行うエンジン制御部を設けたことを特徴とする多気筒
エンジンの始動制御装置である。本発明において、エン
ジンは、複数の気筒に対応して設けられ各気筒内に独立
して燃料噴射を行う燃料噴射部を有し、前記エンジン制
御部は、エンジン始動時に、リラクタセンサが出力する
気筒判別用の信号に基き特定の気筒の燃料噴射制御を行
うと共に、クランク回転角センサが出力する前記被検出
構造の検出信号に基き他の気筒の燃料噴射制御を行うも
のであることが好適である。また、本発明において、被
検出構造は、ギヤの特定のギヤ歯を他のギヤ歯と大きさ
を異ならせたことが好適である。本発明において、被検
出構造は、ギヤ歯被検出部の特定のギヤ歯の径方向の大
きさまたは軸方向の幅を他のギヤ歯と異ならせたことが
好適である。また、本発明において、エンジンに設置さ
れるマグネトーがフライホイールとステイター巻き線と
を有するものであり、リラクタおよびギヤは、マグネト
ーフライホイールの外周面に設けられ、それらの検出セ
ンサはフライホイールの周囲に位置してクランクケース
に設けられたことが好適である。本発明において、リラ
クタセンサとクランク回転角センサは、クランク軸を挟
んで反対側に位置して設けられたことが好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図1は2サイクルエンジンを搭載し
たスノーモービルの全体側面図、図2は該スノーモービ
ルの全体平面図を示す。また、図3はスノーモービルに
搭載されたエンジン10のリコイルスタータ付近の側面
図、図4は図3のIV−IV線に沿う断面図、図5
(a)、(b)はギヤ40の部分詳細図、図6はエンジ
ン始動制御のフローチャート、図7はエンジン始動時の
エンジン回転速度とクランク回転角センサとリラクタセ
ンサの出力レベルの説明図をそれぞれ示す。
【0015】図1および図2に示すように、スノーモー
ビルは、車体長さが車体幅よりも長く形成されており、
車体8の前部8aが後部8bよりも幅広く形成されてい
る。この車体前部8aのエンジンルーム12内にエンジ
ン10が収容・搭載されており、また、車体前部8aの
下部には、左右対の操舵用スキー14aがハンドル14
の操舵で左右揺動可能に設けられている。また、車体後
部8bには、上部に搭乗員着席用のシート16が設けら
れ、下部に走行駆動用のクローラ18が設けられる。前
記車体の中央部であってシート16の前側の上部には、
ハンドル14を覆ってウインドシールド20が立設して
いる。ウインドシールド20の内部には、電源メインス
イッチであるキースイッチが設けられ、エンジンルーム
内に電源であるバッテリーが収容される。
【0016】前記エンジンルーム12内に搭載されたエ
ンジン10は、2気筒の2サイクルエンジンであって、
エンジン10のクランクケース10bの下部後部にエア
クリーナ22aの設けられた給気通路22bの吸気系2
2がリード弁を介して繋がり、また、エンジン10のシ
リンダー10a前部には、排気マニホールド24a、エ
キスパンションチャンバー24bおよびマフラ24cの
排気系(前方から車体右後側へ曲る弧状を呈している)
が繋がる。エンジン10でシリンダー10a上部にはシ
リンダー10a燃焼室内(気筒内)に燃料を噴射するイ
ンジェクターが設けられ、各気筒の気筒内に直接かつ独
立して燃料を噴射するようになっている。
【0017】前記エンジン10は、クランク軸28がス
ノーモービルの車体幅方向に沿って設置されたものであ
って、このエンジン10右側部にリコイルスタータ26
(始動用リコイルロープ26a付き)が設けられる。
【0018】詳細には図4に示すように、エンジン10
のクランク軸28軸端部(第1シリンダの右側)には、
エンジン10および車両に必要な電力を発生するマグネ
トー30の回転子のフライホイール30aと、その外側
に位置して前記のリコイルスタータ26のリコイルプー
リ26bとが設置されている。マグネトー30では、固
定子であるステイター巻き線30bが前記回転子である
椀状のフライホイール30aの内周部に位置して設置さ
れている。また、リコイルスタータ26は、このフライ
ホイール30aより先方(車体幅方向右側先方)に配設
されたリコイルスタータプーリ26bの周囲に設置され
ている。前記リコイルスタータ26の始動機構では、ロ
ープ26aをユーザが手で引っ張ることにより、リコイ
ルスタータの回転部にあるラチェット(図示省略)が飛
び出しリコイルスタータプーリ26b周縁部の孔26c
と噛合い、エンジン10のクランク軸28が回転してエ
ンジン10を運転始動させる。
【0019】なお、図1〜図4のエンジン10は、燃料
噴射式のものであって、符号32で示す高圧燃料ポンプ
が設けられており、そのポンプ32のプーリ(ドリブン
プーリ)32aとクランク軸端部(マグネトー30とリ
コイルプーリ26bの間に設けられる)の高圧燃料ポン
プ駆動用プーリ(ドライブプーリ)34との間にタイミ
ングベルト36が巻き掛けられて駆動するようになって
いる。
【0020】ここで、エンジン始動時に、リラクタ38
の検出用パルサーコイル(リラクタセンサ)の出力信号
に基き第1気筒(特定の気筒の例)の点火制御・燃料噴
射制御を行うと共に、ギヤ検出用クランク回転角センサ
の出力する被検出構造の検出信号に基き第2気筒(他の
気筒の例)の点火制御・燃料噴射制御を行うエンジン制
御モジュール(エンジン制御部):ECMを有してい
る。すなわち、始動からエンジン制御に必要な信号を検
出するための構造・手段として、前記フライホイール3
0aの外周には、周方向にある程度の長さで板状に板の
厚さ分フライホイール周面よりも突出したリラクタ38
と複数歯(実施形態では30歯)のあるギヤ40が設置
され、フライホイール30a回転の際のリラクタ38と
ギヤ40の外面通過軌跡に検出端が対面するように気筒
判別用パルサーコイル42とクランク軸回転角検出用パ
ルサーコイル44がそれぞれクランクケース10bに設
置・固定される。前記ギヤ40の複数歯のうちの一つ
は、パルサーコイル44に対応した被検出用の構造の一
例として、図5(a)に示すように、ギヤ40の特定の
2個の歯40aは他の28個の歯40bよりもギヤ径方
向の高さが高く(実施形態ではδ高く)または、図5
(b)に示すように、特定の2個の歯40cの幅W1は
他の28個の歯40dの幅W0よりもギヤ軸方向の幅が
大きく(W1>W0)なっている。また、各パルサーコ
イル42、44は、クランク軸28を挟んで反対側に配
置されており、設置、点検作業の容易化を図っている。
これら各パルサーコイル42、44の出力信号は、エン
ジン制御用の電子制御モジュール(ECM)に入力され
る。
【0021】マグネトー30のフライホイール30a
は、クランク軸28の一回転で一回転し、そのクランク
軸28の一回転毎にパルサーコイル42がリラクタ38
を一回検出する。リラクタ38はクランク軸28の所定
回転角度位置に対応して設置されているので、ECUで
はそれを基準にしてクランク角度位置すなわち各気筒の
サイクル動作位置を判別する。この場合に、別のパルサ
ーコイル44ではクランク軸の所定角度毎に形成された
前記ギヤ40の歯を検出して、検出歯数に基づきクラン
ク軸の回転角度を知ることができるようになっている。
エンジン制御ユニットは、図示しないが、前記各パルサ
ーコイル42,44の信号の他エンジン冷却水温や吸気
管負圧など種々の検出信号が入力され、また、点火制御
ユニット(CDIユニット)や燃料噴射ユニットその他
の補機に駆動信号を出力するなど周知の構成を有してい
る。各制御ユニットやアクチュエータの電源はバッテリ
ーよりキースイッチを介して供給される。
【0022】実施形態に係るエンジンの始動制御の具体
的なフローを図6に示しており、図において各ステップ
をS〜等と示す。また、図7の各パルサーコイル42、
44の信号出力をエンジン回転速度と共に示している。
この場合の制御は、図7に示すように、リラクタ38
(クランク1回転で1回の信号であるが、マグネトーフ
ライホイール30aの周方向にある程度の長さがあるの
で、パルサーコイル42の出力信号にはリラクタ入り側
と出側が判別できる)とクランクギヤ40(クランク1
回転で30回の信号)の信号を利用する。ただし、始動
時に下記するようにセンサ信号に点火(ハード点火)・
噴射(ハード噴射)を行い、最適な始動を可能にする。
また、エンジンの回転変動が少ない領域になった時点で
(実施形態では1000rpm)、回転速度情報を通常
の制御(一般的な制御)に切り換える。
【0023】1番気筒のハード点火、ハード噴射はクラ
ンク1回転に1回のリラクタ信号を利用する。この場
合、リラクタ信号の入り側を利用してハード噴射し、ま
た、気筒判別用に利用する。また、リラクタ信号の出側
を利用してハード点火する。2番気筒のハード噴射・ハ
ード点火は、クランクギヤ40の30歯のうちでハード
点火・ハード噴射する2歯の外径を大きくして(パルサ
ーコイル44とのエアギャップを少なくし特定の歯を検
出したときのコイル出力電圧を高くする)、若しくは、
ギヤ歯の幅を大きくし、その歯を検出したときのパルサ
ーコイル44の出力電圧を上昇させて、クランク低回転
からギヤ検出を可能にする。これにより、始動時の定款
店のみ検出される気筒判別後のクランクギヤ信号を1発
目をハード噴射、2発目をハード点火としている。ま
た、エンジンが始動後に十分に回転し始めて、クランク
ギヤ40の他の歯(28個の歯)も前記パルサーコイル
44でクランクギヤ検出可能となる回転数に上昇した時
点で(1000rpm以上)、前記の始動時ハード点火
・ハード噴射から、回転速度情報を用いて、ECMのメ
モリに記憶されたマップなどを用いてソフト点火・ソフ
ト噴射の通常のエンジン制御に切り換える。
【0024】図6のフローおよび図7の波形図に示すよ
うに、まずエンジン始動時停止時には、キースイッチを
オン(ON)し(S11)、ユーザーがリコイルスター
タのリコイルロープを引いてスタートしたならば(S1
2)、ECUそれ以外の部品・機器類(CDIの点火電
源、インジェクターの噴射電源、ポンプ、の低圧側ポン
プ電源、可変Pregの燃圧制御用の電源)に、マグネ
トーの発電電源を供給する(S13)。
【0025】そして、リラクタ38入り側信号を検出し
(S14)、このリラクタ入り信号から、気筒を判別
し、第1気筒(#1)のハード噴射制御をする(S1
5)。次いで、リラクタ38出側信号を検出して第1気
筒のハード点火制御をする。なお、リラクタ信号の入り
側あるいは出側の信号が検出されないときには、クラン
キング停止か否かを判断して(S18)、停止している
ならば(S18:Yes)、リコイルスタートを再度行
い(S12)、一方、クランキング停止していないなら
ば(S18:No)、再度リラクタ信号の検出を行う
(S14)。
【0026】そして、クランクギヤ信号1発目の信号を
検出し(S19)、第2気筒(#2)のハード噴射制御
をする(S20)。なお、ギヤ信号1発目を検出できな
いときは(S19:No)、S18に戻る。次いで、ク
ランクギヤ信号の2発目の信号を検出して(S21)、
第2気筒のハード点火制御をする(S22)。なお、ギ
ヤ信号2発目を検出できないときは(S21:No)、
S18に戻る。エンジン回転数Nが1000rpm以上
になるか否かを判断し(S23)、1000rpm以上
であるならば、リラクタ信号で気筒の判別を行う(S2
4)。一方、1000rpm以上で無いならば(S2
3:No)、S18に戻る。エンジン回転数が1000
rpm以上では各気筒に適したクランク角度位置を演算
し、噴射制御・点火制御を開始する(S25)。この噴
射点火制御は、前記図8に示したものと同等の制御を行
うことができる。
【0027】実施形態によれば、エンジン始動時に回転
変動が大きく不適切な回転速度情報となっても各気筒に
適切な点火制御・噴射制御が適切かつ正確にでき、スム
ーズなエンジン始動ができる。なお、本発明において
は、前記雪上車用のエンジンに限定されず、船外機用エ
ンジン、汎用エンジン、芝刈り機用エンジン、あるいは
水上バイク用エンジンの制御信号検出装置として採用す
ることもできる。また、点火制御と燃料噴射制御を行っ
ていたが、本発明では点火制御のみをする場合ももちろ
ん採用できる。また、筒内噴射2サイクルエンジンに適
用するのに好適であるが、他の種類のエンジン、例えば
4サイクルエンジンや吸気通路への噴射エンジンへも適
用可能である。
【0028】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、多
気筒エンジン始動時に回転変動が大きく不適切な回転速
度情報となっても、各気筒に適切な点火などの制御が適
切かつ正確にでき、スムーズなエンジン始動ができる。
リコイルスタータ側エンジンは、セルスタータエンジン
に比較して始動時のエンジン回転速度が変動しやすいの
で有効である。また、燃料噴射制御にも制御すれば適切
かつ正確にできる。また、ギヤの特定のギヤ歯を他のギ
ヤ歯と大きさを異ならせる被検構造とすれば、リラクタ
やセンサを増加させること無く、気筒判別が可能にな
り、独立点火でき、簡易な構成でコスト上昇を防止して
適切かつ最適な始動ができる。また、エンジンに設置さ
れるマグネトーがフライホイールとステイター巻き線と
を有するものであり、リラクタおよびギヤは、マグネト
ーフライホイールの外周面に設けられ、それらの検出セ
ンサはフライホイールの周囲に位置してクランクケース
に設けられたものにすれば、フライホイールにリラクタ
およびギヤを部組みして取り付けが可能であり、組立て
作業負荷を低減できる。また、リラクタセンサとクラン
ク回転角センサは、クランク軸を挟んで反対側に位置し
て設けられたものにすれば、各センサの取り付けにおい
てそれぞれが緩衝し合わないので、組立て作業負荷をさ
らに軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態にかかる2サイクルエンジンを搭載し
たスノーモービルの全体側面図である。
【図2】前記スノーモービルの全体平面図を示す。
【図3】前記スノーモービルに搭載されたエンジンのリ
コイルスタータ付近の側面図である。
【図4】図3のエンジンのIV−IV線に沿う断面図で
ある。
【図5】(a)、(b)はギヤの特定歯の部分詳細図で
ある。
【図6】エンジン始動制御のフローチャートである。
【図7】エンジン始動時のエンジン回転速度とクランク
回転角センサとリラクタセンサの出力レベルの説明図で
ある。
【図8】一般的なエンジン制御時の制御フローチャート
を示す。
【符号の説明】
10 エンジン 24 排気系 26 リコイルスタート 26a リコイルロープ 26b リコイルプーリ 28 クランク軸 30 マグネトー 30a フライホイール 30b ステイター巻き線 32 高圧燃料ポンプ 38 気筒判別用リラクタ 40 クランク軸回転角度検出用ギヤ 40a、40c ギヤの特定の歯 42 リラクタ検出用パルサーコイル 44 ギヤ検出用パルサーコイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 F02D 45/00 362E F02N 11/08 F02N 11/08 Z F02P 5/15 F02P 5/15 E Fターム(参考) 3G022 AA02 BA03 CA01 FA09 GA01 GA02 3G084 AA03 AA06 BA11 BA16 BA28 CA01 DA09 EA11 EC02 FA33 FA36 FA38 FA39 3G301 HA01 HA06 JA03 KA01 LC00 MA00 PE01Z PE03Z PE05Z PF16Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リコイルスタータ型多気筒エンジンにお
    いて、 クランク軸と同時に回転する被検出用のリラクタおよび
    ギヤと、 前記リラクタの検出により気筒判別用の信号を出力する
    リラクタセンサと、 前記ギヤの検出によりクランク軸の回転角信号を出力す
    るクランク回転角センサとを備え、 特定のクランク軸の回転角に対応してクランク回転角セ
    ンサから信号を出力可能にする被検出構造をギヤに設
    け、 エンジン始動時に、リラクタセンサの出力信号に基き特
    定の気筒の点火制御を行うと共に、クランク回転角セン
    サの出力する被検出構造の検出信号に基き他の気筒の点
    火制御を行うエンジン制御部を設けたことを特徴とする
    多気筒エンジンの始動制御装置。
  2. 【請求項2】 エンジンは、複数の気筒に対応して設け
    られ各気筒内に独立して燃料噴射を行う燃料噴射部を有
    し、前記エンジン制御部は、エンジン始動時に、リラク
    タセンサが出力する気筒判別用の信号に基き特定の気筒
    の燃料噴射制御を行うと共に、クランク回転角センサが
    出力する前記被検出構造の検出信号に基き他の気筒の燃
    料噴射制御を行うものであることを特徴とする請求項1
    に記載の多気筒エンジンの始動制御装置。
  3. 【請求項3】 被検出構造は、ギヤの特定のギヤ歯を他
    のギヤ歯の大きさとを異ならせるものにしたことを特徴
    とする請求項1または2に記載の多気筒エンジンの始動
    制御装置。
  4. 【請求項4】 被検出構造は、ギヤの特定のギヤ歯の径
    方向の大きさまたは軸方向の幅を他のギヤ歯と異ならせ
    たことを特徴とする請求項3に記載の多気筒エンジンの
    始動制御装置。
  5. 【請求項5】 エンジンに設置されるマグネトーがフラ
    イホイールとステイター巻き線とを有するものであり、
    リラクタおよびギヤは、マグネトーフライホイールの外
    周面に設けられ、それらの検出センサはフライホイール
    の周囲に位置してクランクケースに設けられたことを特
    徴とする請求項1ないし4のうちのいずれか1項に記載
    の多気筒エンジンの始動制御装置。
  6. 【請求項6】 リラクタセンサとクランク回転角センサ
    は、クランク軸を挟んで反対側に位置して設けられたこ
    とを特徴とする請求項1ないし5のうちの1項に記載の
    多気筒エンジンの始動制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013199851A (ja) * 2012-03-23 2013-10-03 Suzuki Motor Corp 記憶制御装置、記憶制御方法およびプログラム
JP2020125706A (ja) * 2019-02-04 2020-08-20 株式会社Subaru 回転角検出装置

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