JP2003342269A - タキサン類の還元方法 - Google Patents
タキサン類の還元方法Info
- Publication number
- JP2003342269A JP2003342269A JP2002153449A JP2002153449A JP2003342269A JP 2003342269 A JP2003342269 A JP 2003342269A JP 2002153449 A JP2002153449 A JP 2002153449A JP 2002153449 A JP2002153449 A JP 2002153449A JP 2003342269 A JP2003342269 A JP 2003342269A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- group
- iii
- organic acid
- hydroxy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Epoxy Compounds (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
キサン類の9位オキソ基を還元して9β−ヒドロキシ基
を有する10−デアセチル−9β−ヒドロキシ−9−デ
オキソバッカチン(III)などの化合物を効率的に製造す
る方法を提供する。 【解決手段】 タキサン類の9位オキソ基を還元して9
β−ヒドロキシ基に変換する方法であって、マロン酸な
どの有機酸の存在下でアルカリ金属ボロハイドライド又
はテトラアルキルアンモニウムボロハイドライドなどの
金属水素化ホウ素化合物により還元を行うことを特徴と
する方法。
Description
キソ基を還元して9β−ヒドロキシ基に変換する方法に
関する。
抽出される特異な4環構造を有する抗腫瘍性化合物であ
り、卵巣癌、乳癌などに対して非常に有効な抗腫瘍剤と
して注目されている。また、タキソテル(taxotere)など
のタキサン類はタキソールよりもさらに高い活性を有す
ると報告されている(米国特許第4814470号明細
書)。これらのタキソールの4環構造の9位のオキソ基
を還元して得られる9β−ヒドロキシ化合物も水溶性が
高められた抗腫瘍剤として有望である。
どのタキサン類の9位オキソ基を還元して9β−ヒドロ
キシ基に変換する方法としては国際公開WO94/20
485に記載された方法が知られている。この公報に
は、バッカチン(III)とn−Bu4NBH4とを塩化メチ
レン中で反応させることにより9−デスオキソ−9β−
ヒドロキシバッカチン(III)が得られることが記載され
ており、同公報の実施例1には10−デアセチルバッカ
チン(III)を塩化メチレン中でn−Bu4NBH4で還元
することにより10−デアセチル−9β−ヒドロキシ−
9−デオキソバッカチン(III)が得られることが記載さ
れている(n−Buはノルマルブチル基を示す)。この
実施例で得られる目的物の収率は85%であることが示
されているが、本発明者らが追試を行ったところ、この
方法で得られる目的物には多量の不純物が含有されてお
り、工業的な利用には適しない低品質なものであること
が判明した。
サン類の9位オキソ基を効率的に9β−ヒドロキシ基に
変換して高純度の9β−ヒドロキシ化合物を製造する方
法を提供することにある。本発明の課題の一例は、例え
ば、タキサン類の製造用中間体として有用な高純度の1
0−デアセチル−9β−ヒドロキシ−9−デオキソバッ
カチン(III)を10−デアセチルバッカチン(III)から高
純度かつ高収率に製造する方法を提供することである。
を解決すべく鋭意研究を行った結果、タキサン類の9位
オキソ基をn−Bu4NBH4などの還元剤で処理して9
β−ヒドロキシ基に変換するにあたり、反応混合物に有
機酸類を添加することにより不純物の生成を顕著に抑制
でき、還元生成物を高純度かつ高収率に製造できること
を見出した。また、10−デアセチルバッカチン(III)
の9位オキソ基を還元して10−デアセチル−9β−ヒ
ドロキシ−9−デオキソバッカチン(III)を製造するに
際して上記の方法を適用することにより、極めて高純度
な目的物を高収率に製造できることを見出した。本発明
は上記の知見を基にして完成されたものである。
キソ基を還元して9β−ヒドロキシ基に変換する方法で
あって、有機酸の存在下で金属水素化ホウ素化合物によ
り還元を行うことを特徴とする方法を提供するものであ
る。本発明の好ましい態様によれば、タキサン類が10
−デアセチルバッカチン(III)であり、還元生成物が1
0−デアセチル−9β−ヒドロキシ−9−デオキソバッ
カチン(III)である上記方法が提供される。また、別の
観点からは、9β−ヒドロキシ基を有するタキサン類の
製造方法であって、タキサン類の9位オキソ基を有機酸
の存在下で金属水素化ホウ素化合物により還元を行う工
程を含む方法が本発明により提供される。この発明の好
ましい態様によれば、タキサン類が10−デアセチルバ
ッカチン(III)であり、9β−ヒドロキシ基を有するタ
キサン類が10−デアセチル−9β−ヒドロキシ−9−
デオキソバッカチン(III)である上記方法が提供され
る。
化ホウ素化合物がアルカリ金属ボロハイドライド及びテ
トラアルキルアンモニウムボロハイドライドからなる群
から選ばれる金属水素化ホウ素化合物である上記の方
法;金属水素化ホウ素化合物がNaBH4、(n−C
4H9)4NBH4、(CH3)4NBH4、及び(C2H5)4NB
H4からなる群から選ばれる金属水素化ホウ素化合物で
ある上記の方法;金属水素化ホウ素化合物が(n−C4H
9)4NBH4である上記の方法;溶媒としてエステル系溶
媒、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒、ケトン系溶媒、エ
ーテル系溶媒、芳香族炭化水素類、及びアルカン類から
なる群から選ばれる溶媒を用いる上記の方法;溶媒がエ
ステル系溶媒である上記の方法;溶媒が酢酸アルキル類
である上記の方法;溶媒が酢酸メチルである上記の方
法;有機酸がマロン酸、クエン酸、アスパラギン酸、及
びp−アミノベンゼンスルホン酸(スルファニル酸)か
らなる群から選ばれる酸である上記の方法;及び有機酸
がマロン酸である上記の方法が提供される。
剤の溶液を、有機酸の一部を含む反応混合物内に滴下し
た後、有機酸の残部を溶液の状態で反応系に滴下する工
程を含む上記方法が提供される。また、別の好ましい態
様によれば、タキサン類が10−デアセチルバッカチン
(III)であり、還元生成物が10−デアセチル−9β−
ヒドロキシ−9−デオキソバッカチン(III)であり、金
属水素化ホウ素化合物が(n−C4H9)4NBH4であり、
溶媒が酢酸メチルであり、有機酸がマロン酸である上記
方法;並びに、酢酸メチル中に10−デアセチルバッカ
チン(III)及びマロン酸を含む混合物に(n−C4H9)4N
BH4の酢酸メチル溶液を滴下し、該滴下終了後、さら
にマロン酸の酢酸メチル溶液を滴下する工程を含む10
−デアセチル−9β−ヒドロキシ−9−デオキソバッカ
チン(III)の製造方法が提供される。
キソ基が9β−ヒドロキシ基に変換された化合物の製造
方法であって、有機酸の存在下で金属水素化ホウ素化合
物により還元を行うことを特徴とする方法が提供され
る。
位オキソ基を還元して9β−ヒドロキシ基に変換するに
あたり、有機酸の存在下で金属水素化ホウ素化合物によ
り還元を行うことを特徴としている。
キソール、タキソテール、及びバッカチンなどを含め、
これらに共通する4環構造を有する化合物を包含する意
味で用いる。タキソールの構造式は下記に示す通りであ
り(式中、Phはフェニル基、Acはアセチル基を意味
する)、本明細書において「9位オキソ基」という用語
は、下記に示す4環構造に存在するオキソ基のことであ
る。この番号付けは当業界で通常用いられるものであ
り、タキソール、タキソテール、及びバッカチンなどの
タキサン類について共通する番号付けとして当業者に理
解されている(例えば国際公開WO94/20485を
参照)。もっとも、他の番号付けによるタキサン類につ
いては上記の番号付けに読み替えて本発明を適用するこ
とができ、当業者にはこのような番号付けの読み替えは
自明である。
ては9位にオキソ基を有するものであれば特に限定され
ず、天然由来の化合物のほか、半合成的又は合成的に得
られる化合物なども適用対象である。タキサン類は、目
的の反応時において不活性な官能基である限り、いかな
る官能基を有するものであってもよい。また、反応時に
おいて活性な官能基については、適宜の保護基を用いて
保護しておくことにより、本発明の方法を提供すること
ができる。保護基の種類は反応時において不活性であ
り、反応後に適宜の手段で脱離させることができるもの
であれば特に限定されないが、例えば、プロテクティブ
・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Prot
ective Groups in Organic Synthesis)、グリーン(T.
W. Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・
インコーポレイテッド(John Wiley &Sons Inc.)(198
1)などを参照することにより当業者は適宜の保護基を
容易に選択することが可能である。
基が9β−ヒドロキシ基に変換されるが、その方法の一
例として、タキサン類が10−デアセチルバッカチン(I
II)であり、その9位オキソ基を9β−ヒドロキシ基に
変換して10−デアセチル−9β−ヒドロキシ−9−デ
オキソバッカチン(III)を製造する工程を下記に示す。
反応原料として用いる10−デアセチルバッカチン(II
I)は容易に入手できる。もっとも、本発明の方法は10
−デアセチルバッカチン(III)を用いる特定の方法に限
定されることはない。スキーム中、Acはアセチル基、
Bzはベンジル基を示す。
化合物の種類は特に限定されないが、例えば、NaBH
4、(n−C4H9)4NBH4、(CH3)4NBH4、(C2H5)
4NBH4、(CH3)4NBH(OOCCH3)3、NaBH
(OOCCH3)3など好ましく用いることができるが、こ
れらに限定されることはない。好ましくは、アルカリ金
属ボロハイドライド及びテトラアルキルアンモニウムボ
ロハイドライドからなる群から選ばれる金属水素化ホウ
素化合物を用いることが好ましい。より具体的には、N
aBH4、(n−C4H9)4NBH4、(CH3)4NBH4、
(C2H5)4NBH4からなる群から選ばれる金属水素化ホ
ウ素化合物が好ましい。有機溶媒、特に本発明の方法に
おいて好ましく用いられる酢酸エステル系有機溶媒への
溶解度及び収率などの観点から、(n−C4H9)4NBH4
を用いることが好ましい。還元剤の量は溶媒の種類や反
応温度などの条件に応じて適宜選択でき、特に限定され
ることはないが、例えばタキサン類に対して1〜10倍
モル、好ましくは2〜6倍モル程度である。
ができる。溶媒の種類は特に限定されず、例えば、エス
テル系溶媒(ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸プロピル、酢酸n−ブチル、炭酸ジエチルなど)、ケ
トン系溶媒(ジエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、メチルイソプロピルケトン、ジシクロプロピルケト
ン、アセトンなど)、アルカン類(n−ヘキサンな
ど)、アルコール類(メタノール、n−プロピルアルコ
ール、シクロヘキサノールなど)、ニトリル系溶媒(プ
ロピオニトリル、アジポニトリル、n−ブチロニトリ
ル、n−カプロニトリル、アセトニトリルなど)、アミ
ド系溶媒(ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジエ
チルプロピオンアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチル
メタクリルアミドなど)、アルデヒド類(プロピオンア
ルデヒド、n−ブチルアルデヒドなど)、ジオール類
(1,4−ブタンジオールなど)、エーテル系溶媒(ジ
メトキシメタン、ジメトキシエタン、イソプロピルエー
テル、テトラヒドロフランなど)、ハロゲン系溶媒
(1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタンなど)、芳
香族炭化水素系溶媒(トルエンなど)、ジメチルスルホ
キシドなどを用いることができるが、これらのうち、エ
ステル系溶媒、アミド系溶媒、及びハロゲン系溶媒が好
ましい。2種以上の溶媒を組み合わせて用いてもよい。
ロゲン含有溶媒よりエステル系溶媒又はアミド系溶媒を
用いることが好ましく、より好ましくは酢酸メチルなど
の酢酸アルキル類、N,N−ジエチルホルムアミド又は
N,N−ジエチルアセトアミドなどのアミド系溶媒を用
いることができる。特に好ましいのは酢酸メチルであ
る。溶媒の量は特に限定されず、タキサン類の種類や還
元剤の種類及び使用量などに応じて当業者が適宜選択可
能であるが、通常はタキサン類1gに対して10ml〜
100ml程度である。
又は不活性であれば特に限定されず、一塩基酸又は多塩
基酸のいずれを用いてもよい。光学活性の有機酸又はそ
の任意の混合物、あるいはラセミ体である有機酸を用い
てもよい。例えば、クエン酸、マロン酸、リンゴ酸、グ
ルタミン酸、コハク酸、アジピン酸などのほか、アスパ
ラギン酸やグリシンなどのアミノ酸又はp−アミノベン
ゼンスルホン酸などを用いてもよい。本明細書において
用いられる「有機酸」という用語は1又は2以上の同一
又は異なる酸性官能基、好ましくはカルボキシル基を有
する低分子有機化合物を意味しているが、いかなる意味
においてもこの用語を限定的に解釈してはならず、最も
広義に解釈する必要がある。有機酸として、好ましく
は、マロン酸、クエン酸、アスパラギン酸、及びスルフ
ァニル酸からなる群から選ばれる有機酸を用いることが
でき、特に好ましくはマロン酸を用いることができる。
有機酸の使用量は特に限定されないが、一般的には、例
えば還元剤と当倍モル程度を用いることができるが、タ
キサン類に対して1〜5倍モル程度を用いることが好ま
しい。必要以上に多量の有機酸を反応系に添加したり、
一時に大量の有機酸を反応系に添加すると、反応速度の
低下や不純物の増加などが認められる場合がある。な
お、有機酸は、反応終了後は必要に応じて塩基水溶液で
除去することができる。
キサン類、有機酸、及び還元剤の添加順序、反応温度、
反応時間などは特に限定されず、当業者が適宜選択可能
である。反応温度及び反応時間は、通常は室温〜溶媒の
還流温度、好ましくは室温〜60℃程度、より好ましく
は30〜50℃程度の反応温度で数分〜数日程度、好ま
しくは30分〜15時間程度の間で適宜選択できる。
定されず、例えば、タキサン類、有機酸、及び還元剤を
溶媒に一時に添加して反応を行ってもよく、又はタキサ
ン類及び有機酸を溶媒に溶解しておき、その溶液に還元
剤を一時に、又は徐々に添加してもよい。あるいは、タ
キサン類と還元剤とを溶媒中に添加しておき、有機酸を
反応の進行に合わせて徐々に添加してもよい。還元剤又
は有機酸を反応系に添加するに際しては、そのままで添
加してもよいが、溶媒に溶解して滴下してもよい。例え
ば、タキサン類及び1倍モル程度の有機酸を溶媒中に添
加した後、還元剤を添加し、さらに1ないし数倍モルの
有機酸を反応混合物に添加する方法を採用することがで
きる。この方法は不純物の生成を抑制するために好まし
く用いられるが、還元剤の添加及びその後に行う有機酸
の添加は、それぞれ反応溶媒と同じ有機溶媒に溶解した
溶液を滴下することにより行うことが望ましい。好まし
くは、反応混合物のpHが6、好ましくは7を下回らな
いように反応の進行に合わせて有機酸を徐々に添加する
ことができる。反応液のpHが5.5を下回ると転位体
の生成が増加し、目的物の収率及び純度が低下する場合
がある。
基を有する化合物の精製は、有機合成化学で常用される
方法、例えば濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、結晶化、
各種クロマトグラフィー等を適宜組み合わせて行うこと
ができる。
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。 例1(比較例) ジクロルメタン(50ml)、10−デアセチルバッカ
チン(III)(300mg、0.55ミリモル)およびn
−Bu4NBH4(709mg、2.76ミリモル)の混
合物を室温で12時間攪拌した。得られた混合物を酢酸
エチルで希釈し、NaHCO3水溶液と共に20分間攪
拌して反応を停止した。有機相をNaHCO3水溶液お
よび塩水で洗い、Na2SO4で乾燥した。この有機相を
濃縮して得た残渣をフラッシュクロマトグラフィーによ
り精製し、酢酸エチル−メタノール(50:1)で溶出
して10−デアセチル−9β−ヒドロキシ−9−デオキ
ソバッカチン(III)260mg(収率87%、純度2
2.6%)を得た。
チン(III)(300mg、0.55ミリモル)、および
マロン酸(114.7mg、1.10ミリモル)の混合
物を40℃で攪拌し、n−Bu4NBH4(709mg、
2.76ミリモル)をCH2Cl2(10ml)に溶解し
て滴下した、次いでマロン酸(172.1mg、1.6
5ミリモル)を2時間かけて滴下した。得られた混合物
を酢酸エチルで希釈し、NaHCO3水溶液と共に20
分間攪拌することによって反応を停止した。有機相をN
aHCO3水溶液および塩水で洗い、Na2SO4で乾燥
した。有機相を濃縮して得た残渣をフラッシュクロマト
グラフィーにより精製し、酢酸エチル−メタノール(5
0:1)で溶出して10−デアセチル−9β−ヒドロキ
シ−9−デオキソバッカチン(III)270mg(収率9
0%、純度89.9%)を得た。
ン(III)(10g、10.82ミリモル)、およびマロ
ン酸(1.9g、18.26ミリモル)の混合物を40
℃で攪拌し、n−Bu4NBH4(11.7g、45.5
7ミリモル)を酢酸メチル(30ml)に溶解して滴下
した。次いでマロン酸(2.85g、27.39ミリモ
ル)を酢酸メチル(30ml)に溶解して2時間かけて
滴下し、さらに水(10ml)を加えて反応を停止し
た。反応液を濃縮した後に、酢酸エチル(200ml)
を加え析出してくる固形物を濾去した。濾液を水(80
ml)で6回洗浄し、さらに0.2N塩酸とNaHCO
3水溶液で洗浄してMgSO4で乾燥した。有機相を濃縮
して、得られた濃縮物をメタノール(18ml)と酢酸
エチル(18ml)の混合物に溶解し、この溶液にアセ
トニトリル(54ml)を加えることにより結晶を析出
させた。析出した結晶をろ過して10−デアセチル−9
β−ヒドロキシ−9−デオキソバッカチン(III)7.0
g(収率70%、純度91.5%)を得た。
キソ基を効率的に9β−ヒドロキシ基に変換して高純度
の目的物を製造することができる。
Claims (10)
- 【請求項1】 タキサン類の9位オキソ基を還元して9
β−ヒドロキシ基に変換する方法であって、有機酸の存
在下で金属水素化ホウ素化合物により還元を行うことを
特徴とする方法。 - 【請求項2】 タキサン類が10−デアセチルバッカチ
ン(III)であり、還元生成物が10−デアセチル−9β
−ヒドロキシ−9−デオキソバッカチン(III)である請
求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 金属水素化ホウ素化合物がアルカリ金属
ボロハイドライド及びテトラアルキルアンモニウムボロ
ハイドライドからなる群から選ばれる金属水素化ホウ素
化合物である請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項4】 金属水素化ホウ素化合物が(n−C4H9)
4NBH4である請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項5】 エステル系溶媒中で還元を行う請求項1
ないし4のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項6】 エステル系溶媒が酢酸メチルである請求
項5に記載の方法。 - 【請求項7】 有機酸がマロン酸、クエン酸、アスパラ
ギン酸、及びp−アミノベンゼンスルホン酸からなる群
から選ばれる有機酸である請求項1ないし6のいずれか
1項に記載の方法。 - 【請求項8】 有機酸がマロン酸である請求項1ないし
6のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項9】 タキサン類が10−デアセチルバッカチ
ン(III)であり、還元生成物が10−デアセチル−9β
−ヒドロキシ−9−デオキソバッカチン(III)であり、
金属水素化ホウ素化合物が(n−C4H9)4NBH4であ
り、溶媒が酢酸メチルであり、有機酸がマロン酸である
請求項1に記載の方法。 - 【請求項10】 タキサン類の9位オキソ基が9β−ヒ
ドロキシ基に変換された化合物の製造方法であって、有
機酸の存在下で金属水素化ホウ素化合物により還元を行
うことを特徴とする方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002153449A JP4270485B2 (ja) | 2002-05-28 | 2002-05-28 | タキサン類の還元方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002153449A JP4270485B2 (ja) | 2002-05-28 | 2002-05-28 | タキサン類の還元方法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003342269A true JP2003342269A (ja) | 2003-12-03 |
JP2003342269A5 JP2003342269A5 (ja) | 2005-09-29 |
JP4270485B2 JP4270485B2 (ja) | 2009-06-03 |
Family
ID=29770488
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002153449A Expired - Fee Related JP4270485B2 (ja) | 2002-05-28 | 2002-05-28 | タキサン類の還元方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4270485B2 (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007111211A1 (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-04 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | タキサン類の高分子結合体 |
US8188222B2 (en) | 2006-11-08 | 2012-05-29 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | High molecular weight derivative of nucleic acid antimetabolite |
US8334364B2 (en) | 2006-11-06 | 2012-12-18 | Nipon Kayaku Kabushiki Kaisha | High-molecular weight derivative of nucleic acid antimetabolite |
US8703878B2 (en) | 2007-09-28 | 2014-04-22 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | High-molecular weight conjugate of steroids |
US8808749B2 (en) | 2009-05-15 | 2014-08-19 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Polymer conjugate of bioactive substance having hydroxy group |
US8920788B2 (en) | 2008-03-18 | 2014-12-30 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | High-molecular weight conjugate of physiologically active substances |
US8940332B2 (en) | 2006-05-18 | 2015-01-27 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | High-molecular weight conjugate of podophyllotoxins |
US9018323B2 (en) | 2010-11-17 | 2015-04-28 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Polymer derivative of cytidine metabolic antagonist |
US9149540B2 (en) | 2008-05-08 | 2015-10-06 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Polymer conjugate of folic acid or folic acid derivative |
US9346923B2 (en) | 2011-09-11 | 2016-05-24 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Method for manufacturing block copolymer |
US9434822B2 (en) | 2004-09-22 | 2016-09-06 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Block copolymer, micelle preparation, and anticancer agent containing the same as active ingredient |
-
2002
- 2002-05-28 JP JP2002153449A patent/JP4270485B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9434822B2 (en) | 2004-09-22 | 2016-09-06 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Block copolymer, micelle preparation, and anticancer agent containing the same as active ingredient |
US8323669B2 (en) | 2006-03-28 | 2012-12-04 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Polymer conjugate of taxane |
WO2007111211A1 (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-04 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | タキサン類の高分子結合体 |
US8940332B2 (en) | 2006-05-18 | 2015-01-27 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | High-molecular weight conjugate of podophyllotoxins |
US8334364B2 (en) | 2006-11-06 | 2012-12-18 | Nipon Kayaku Kabushiki Kaisha | High-molecular weight derivative of nucleic acid antimetabolite |
US8188222B2 (en) | 2006-11-08 | 2012-05-29 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | High molecular weight derivative of nucleic acid antimetabolite |
US8703878B2 (en) | 2007-09-28 | 2014-04-22 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | High-molecular weight conjugate of steroids |
USRE46190E1 (en) | 2007-09-28 | 2016-11-01 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | High-molecular weight conjugate of steroids |
US8920788B2 (en) | 2008-03-18 | 2014-12-30 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | High-molecular weight conjugate of physiologically active substances |
US9149540B2 (en) | 2008-05-08 | 2015-10-06 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Polymer conjugate of folic acid or folic acid derivative |
US8808749B2 (en) | 2009-05-15 | 2014-08-19 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Polymer conjugate of bioactive substance having hydroxy group |
US9018323B2 (en) | 2010-11-17 | 2015-04-28 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Polymer derivative of cytidine metabolic antagonist |
US9346923B2 (en) | 2011-09-11 | 2016-05-24 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Method for manufacturing block copolymer |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4270485B2 (ja) | 2009-06-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3394284B2 (ja) | 金属アルコキシド及びオキサジノンを用いたタキサン誘導体の半合成 | |
JPH0686441B2 (ja) | バカチン111および10―デアセチルバカチン111の誘導体を調製する方法 | |
JP5593342B2 (ja) | ドセタキセルの製造方法 | |
JP2015518821A (ja) | リシン−グルタミン酸ジペプチド誘導体 | |
US5679807A (en) | Preparation of taxol and docetaxel through primary amines | |
JP4270485B2 (ja) | タキサン類の還元方法 | |
JP2010523647A (ja) | 安定した無水結晶形ドセタキセル及びその製造方法 | |
HUT68255A (en) | Process for the preparation of beta-phenylisoserine derivatives and use thereof | |
HU209615B (en) | Process for preparing derivatives of beta-phenylisoserine | |
CN106632594B (zh) | 一种匹多莫德的合成方法 | |
EP1749816A1 (en) | Production method of optically active diphenylalanine compounds | |
JPH0461867B2 (ja) | ||
CN111848423B (zh) | 3-氧代环丁基氨基甲酸叔丁酯的制备方法 | |
CA2679159C (en) | Process for the preparation of (2r,3s)-3-phenylisoserine methyl ester acetate salt | |
JP3233632B2 (ja) | (2R,3S)−β−フェニルイソセリン、その塩、その製造及びその利用 | |
US5684168A (en) | β-phenylisoserine-(2R,3S), salts, preparation and use thereof | |
CZ283290B6 (cs) | Způsob stereoselektivní přípravy derivátu beta-fenylisoserinu a jeho použití pro přípravu derivátů taxanu | |
CN113651715B (zh) | 一种一锅法合成香豆酰多巴胺的方法 | |
JP2011057619A (ja) | 光学活性アミン化合物の製造方法、並びに、ジアステレオマー塩及びその製造方法 | |
KR101117512B1 (ko) | 4,10β?디아세톡시?2α?벤조일옥시?5β,20?에폭시?1,13α?디하이드록시?9?옥소?19?노르사이클로프로파[g]탁스?11?엔의 제조 방법 | |
JP2825608B2 (ja) | 光学活性トレオ―3―アミノ―2―ヒドロキシペンタン酸及びその製造法 | |
JP2007063267A (ja) | 光学活性なジフェニルアラニン化合物の製造方法 | |
JP5649170B2 (ja) | テトラヒドロ−β−カルボリン誘導体及びその製造方法 | |
JP2015518014A (ja) | アミノ酸のデーン塩を使用することによるジアミドゲル化剤の合成 | |
JPH07502538A (ja) | 3(s)−メチルヘプタン酸の製造方法およびその中間体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050428 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050428 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081118 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090116 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20090116 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20090119 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090217 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090220 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4270485 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130306 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130306 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140306 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |