JP2003341042A - 記録媒体巻取り装置及び記録媒体乾燥方法 - Google Patents

記録媒体巻取り装置及び記録媒体乾燥方法

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JP2003341042A
JP2003341042A JP2002155286A JP2002155286A JP2003341042A JP 2003341042 A JP2003341042 A JP 2003341042A JP 2002155286 A JP2002155286 A JP 2002155286A JP 2002155286 A JP2002155286 A JP 2002155286A JP 2003341042 A JP2003341042 A JP 2003341042A
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cloth
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JP2002155286A
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English (en)
Inventor
Kunimitsu Sugiura
邦充 杉浦
Tatsuo Yajima
達男 矢島
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易的な設備で、容易に且つ確実に、布帛同
士の転写、若しくは、介在させた紙と布帛との転写を防
止することのできる記録媒体巻取り装置及びその記録媒
体乾燥方法を提供する。 【解決手段】 インクジェットプリンタ20によりプリ
ントされた布帛Pを巻き取る記録媒体巻取り装置10
に、布帛Pを送風により大気と平衡する状態以上に乾燥
させる乾燥手段11を備える。この乾燥部11は、当該
記録媒体巻取り装置10の上面に設けられ、布帛Pをイ
ンクジェットプリンタ20と当該記録媒体巻取り装置1
0との間でカールさせている部分において、送風によ
り、これを大気と水分平衡となる状態以上に乾燥させ
る。乾燥後の布帛Pは、介在部13の紙ローラ13aか
ら繰り出される介在紙Qと共に、巻取り部12において
巻取りローラ12aに巻き取られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット方
式により記録された記録媒体を巻き取る記録媒体巻取り
装置及びその記録媒体乾燥方法に関し、より詳しくは、
前記記録媒体を巻き取る際に、これを送風により乾燥さ
せる乾燥手段を備える記録媒体巻取り装置及びその記録
媒体乾燥方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、インクジェットプリンタにより
プリントされた記録媒体は、それがロール状のものであ
る場合には、隣接する巻取り装置によって、再び、ロー
ル状に巻き取られることが多い。
【0003】しかしながら、インクジェット方式により
プリントされた記録媒体、特に、布帛は、プリントされ
た直後に巻き取ってしまうと、布帛同士が接触しインク
が転写して、記録媒体やプリントされた画像が汚れてし
まう問題がある。
【0004】そこで、従来の巻取り装置の中には、布帛
同士の接触を防ぐために、これらの間に紙を介在させ
て、これにインクを吸収させるものがある。
【0005】しかしながら、このように布帛間に紙を介
在させるものにあっては、巻き取った布帛を引き出す際
に、介在させた紙が邪魔になることや、この紙に付着し
たインクが、再度、布帛に転写して、布帛や画像が汚れ
てしまう問題が発生する。
【0006】また、従来の巻取り装置の中には、プリン
ト後、記録媒体を湿度70%RH以下の条件で24時間
放置しておくことで、記録媒体上のインクが大気と水分
平衡の状態となるまで乾燥させた後、これを巻き取るこ
とでインクの転写を防止するものがある。
【0007】しかしながら、このようなものにおいて
は、プリント後、記録媒体を少なくとも24時間放置す
る必要があるため、工程にロスを生じる問題がある。
【0008】さらに、従来の巻取り装置の中には、特開
平6−270401公報に開示されているように、イン
クジェット方式にてプリントされた記録媒体、即ち、布
帛を水分率3〜30%まで乾燥させるものがある。
【0009】このようなものによれば、インクの滲みを
防止することはできるのだが、布帛同士の転写を防止す
る場合には、ここまでの乾燥は必要条件ではなく、ま
た、このような乾燥を実現するためには、装置が大規模
になってしまう等の問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、
インクジェットによりプリントされた布帛を巻き取る巻
取り装置に、布帛を送風により大気と平衡する状態以上
に乾燥させる乾燥手段を備えることで、大掛かりな設備
によることなく、容易に且つ確実に、布帛同士の転写、
若しくは、介在させた紙と布帛との転写を防止すること
のできる記録媒体巻取り装置及びその記録媒体乾燥方法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の記録媒体巻取り装置は、インクジェ
ット方式により記録された記録媒体を送風により大気と
水分平衡となる状態以上に乾燥させる乾燥部を備えたこ
とを特徴とする。
【0012】上記課題を解決するために、請求項2記載
の記録媒体巻取り装置は、前記大気と水分平衡となる状
態は、前記記録媒体からの水分の蒸発質量が毎分0.0
004グラム以下となる状態であることを特徴とする。
【0013】上記課題を解決するために、請求項3記載
の記録媒体巻取り装置は、前記乾燥部は、前記送風の送
風時間をt秒、送風速度をvメートル/毎秒としたと
き、t×v>348を満たすようにこれらの制御を行う
制御手段を有することを特徴とする。
【0014】上記課題を解決するために、請求項4記載
の記録媒体巻取り装置は、前記乾燥部は、前記送風の送
風方向を調整する調整手段を有することを特徴とする。
【0015】上記課題を解決するために、請求項5記載
の記録媒体巻取り装置は、前記乾燥部は、当該乾燥部を
前記記録媒体巻取り装置に着脱自在に固定する固定部を
有することを特徴とする。
【0016】上記課題を解決するために、請求項6記載
の記録媒体巻取り装置は、前記記録媒体は、布帛である
ことを特徴とする。
【0017】上記課題を解決するために、請求項7記載
の記録媒体乾燥方法は、インクジェット方式により記録
された記録媒体を、送風により大気と水分平衡となる状
態以上に乾燥させることを特徴とする。
【0018】上記課題を解決するために、請求項8記載
の記録媒体乾燥方法は、前記大気と水分平衡となる状態
は、布帛からの水分の蒸発質量が毎分0.0004グラ
ム以下となる状態であることを特徴とする。
【0019】上記課題を解決するために、請求項9記載
の記録媒体乾燥方法は、前記送風の条件は、送風時間を
t秒、送風速度をvメートル/毎秒としたとき、t×v
>348を満たすことを特徴とする。
【0020】上記課題を解決するために、請求項10記
載の記録媒体乾燥方法は、前記記録媒体は、布帛である
ことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る記録媒体巻取
り装置及び記録媒体乾燥方法の一実施形態について、図
面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】[記録媒体巻取り装置の構成]図1に、本
実施形態における記録媒体巻取り装置10の全体構成を
表す側面図を示す。同図に示すように、当該記録媒体巻
取り装置10は、インクジェット方式により記録を行う
インクジェットプリンタ20と共に用いられるものであ
って、インクジェットプリンタ20により記録された記
録媒体、即ち、布帛Pを巻き取るべく、インクジェット
プリンタ20と隣接する位置に配置される。
【0023】記録媒体巻取り装置10の上面には、イン
クジェットプリンタ20により記録された布帛Pに生じ
る皺を解放するために、これをインクジェットプリンタ
20と当該記録媒体巻取り装置10との間でカールさせ
ている部分(図における斜線部分)において、送風によ
り、これを大気と水分平衡となる状態以上に乾燥させる
手段である乾燥部11が設けられている。
【0024】図2(a)、(b)に、この乾燥部11の
構成を表す側面図を示す。同図(a)、(b)に示すよ
うに、当該乾燥部11は、送風手段であるファンモータ
11aと、このファンモータ11aを支持すると共に、
自身が支持軸Oを中心として回転移動を行うことで(同
図(b)参照のこと)、ファンモータ11aによる送風
方向を調節可能に構成された風向調整部11bと、これ
らを支持すると共に、当該乾燥部11を記録媒体巻取り
装置10の本体に対して着脱可能とする(同図(a)参
照のこと)ための取付け部11cと、さらに、ファンモ
ータ11aに供給される電力量を制御することで、ファ
ンモータ11aによる送風速度を制御する制御部11d
とから構成されている。尚、当該乾燥部11は、取付け
部11cを記録媒体巻取り装置10の本体にボルトを用
いて締結することによって、記録媒体巻取り装置10の
本体に対して着脱可能に固定される。
【0025】このような構成において、当該乾燥部11
の送風方向は、風向調整部11bにて調整される。ま
た、当該乾燥部11の送風速度は、制御部11dのファ
ンモータ11aに供給される電力量の制御によって調整
される。
【0026】図1に戻って、乾燥部11の布帛P搬送方
向下流位置には、さらに、乾燥後の布帛Pを巻き取るた
めの巻取り部12と、この巻取り部12によって巻き取
られる布帛P間に紙Qを介在させるための介在部13と
が設けられている。巻取り部12は、乾燥後の布帛Pを
巻き取るための巻取りローラ12aと、この巻取りロー
ラ12aを所定の速度にて回転させる駆動モータ12b
とから構成され、介在部13は、介在させる紙(以下、
介在紙と称する)Qを巻回する紙ローラ13aから構成
されている。
【0027】このような構成において、布帛Pを巻き取
る手段である巻取り部12の駆動モータ12bの回転制
御は、その制御手段である制御部12cによってインク
ジェットプリンタ20のプリント動作に同期して行われ
る。さらに、この制御部12cによって駆動モータ12
bの回転制御がなされることで、布帛Pが乾燥部11に
よる送風範囲(図における斜線範囲)を通過する時間、
即ち、乾燥部11による乾燥時間が調整される。
【0028】尚、当該記録媒体巻取り装置10において
は、布帛Pを大気と水分平衡となる状態以上に乾燥させ
るために、乾燥部11は、ファンモータ11aによる送
風速度v[m/sec]と送風時間t[sec]とを乗
じた値が348を超える条件で布帛Pの乾燥を行うもの
とする。即ち、制御部12cと制御部11dは、このv
[m/sec]×t[sec]>348の条件を満たす
べく、それぞれ駆動モータ12bの回転制御とファンモ
ータ11aに供給される電力量の制御を行う。尚、この
根拠については後述する。
【0029】以上に説明した構成において、インクジェ
ットプリンタ20により記録された布帛Pは、これに生
じる皺を解放するために、インクジェットプリンタ20
と当該記録媒体巻取り装置10との間でカールされる部
分において、記録媒体巻取り装置10の乾燥部11から
の送風により、大気と水分平衡となる状態以上に乾燥さ
れた後、巻取り部12の介在部13から繰り出される介
在紙Qと共に、巻取りローラ12aに巻き取られること
になる。
【0030】ところで、当該記録媒体巻取り装置10に
おいては、プリント後の布帛Pに介在紙Qを介在させる
ことになるが、布帛Pを乾燥部11によって十分に乾燥
させた後に、これに介在紙Qを介在部13にて介在させ
て、これらを巻取り部12にて巻き取ることとなるた
め、布帛上のインクが介在紙に付着して、これが布帛や
画像に転写して、これらを汚してしまうといった問題を
回避することができる。
【0031】尚、本発明に係る記録媒体巻取り装置は、
本実施形態に示す記録媒体巻取り装置10の構成に限定
されるものではなく、他の形態を採るものであっても良
い。具体的には、これを構成する乾燥部11の機械構
成、この乾燥部11における送風時間や送風速度の制御
方法、介在部13の設置の有無等に関して、他の形態を
採るものであっても良い。
【0032】[乾燥条件の根拠]次に、当該記録媒体巻
取り装置10において、布帛Pを大気と水分平衡となる
状態以上に乾燥させるために、乾燥部11にて、ファン
モータ11aによる送風速度v[m/sec]と送風時
間t[sec]とを乗じた値が348を超える条件で乾
燥を行うことの根拠について、乾燥試験の結果と共に説
明する。
【0033】但し、以下においては、各種変数を次の通
りに定義する。 インク出射量[g/m]:m 送風時間[sec]:t 送風速度[m/sec]:v 湿度[%]:h インクに含まれる水分の蒸発質量[g]:m インクに含まれる水分が大気と平衡状態となるまでのイ
ンクに含まれる水分の蒸発質量[g]:m (但し、mは、インクに含まれる水分の蒸発質量が
0.0004[g/min]以下となるまでの水分蒸発
質量とする。)
【0034】また、これら各種変数は、次に示す評価装
置にて測定することとした。 蒸発質量[g]:m、m 評価装置:AG天秤(Mettler−Toledo社
製、AG204) 感度[g]:0.0001 送風速度[m/sec]:v 評価装置:風速計(testo社製、C−WT−405
−V1) 精度[%]:±5 湿度[%]:h 評価装置:温湿度計(セコニック社製、ST−100
V) 感度[%]:0.1
【0035】ここで、上記mについて説明すると、こ
のmは、布帛上のインクに含まれる水分が大気と平衡
する状態となるまでのインクに含まれる水分の蒸発質量
のことを指し、このインクに含まれる水分が大気と平衡
する状態とは、本発明においては、インクからの水分の
蒸発質量が0.0004[g/min]以下という条件
を満たした状態と定義する。通常、mは、時間の経過
と共に、徐々にその変化量が小さくなり、最終的には或
る一定の値に近づくため、本発明においては、インクか
らの水分の蒸発質量が0.0004[g/min]以下
という条件を満たした時をインクに含まれる水分が大気
と平衡した状態とし、これを定義した。尚、以下におい
ては、このmを平衡蒸発質量と称することとする。
【0036】例えば、表1及び図3、表2及び図4に示
すように、これら2例においては、プリント後の経過時
間が、それぞれ40分、15分に到達した時点で、イン
クからの1分間当りの水分の蒸発質量mが0.000
4[g/min]以下になることから、この時がインク
の水分が大気と平衡した状態となり、その時までのイン
クからの水分の蒸発質量m、即ち、0.0565
[g]、0.0161[g]がそれぞれの平衡蒸発質量
となる。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】再び説明に戻る。まず、本発明に係る記録
媒体巻取り装置及び記録媒体乾燥方法においては、布帛
Pを大気と水分平衡となる状態以上に乾燥することを目
的とすることから、mとmは、m<mを満たす
ことが条件となる。
【0040】ここで、mとmを、それぞれ以下の式
によって表すことにする。 m=k(m/h) m=k(m×t×v/h) 尚、上記2式が成立することの根拠は後述する。 これにより、m<mは、以下の通りに変形される。 k(m/h)<k(m×t×v/h) t×v>k/k=k・・・
【0041】ここで、まず平衡蒸発質量mが、m
(m/h)を満たすことの根拠について、実験結果
と共に説明する。
【0042】表3及び図5、表4及び図6に、それぞれ
インク出射量m[g/m]、湿度h[%]と平衡蒸発
質量m[g]との関係を表す実験結果を示す。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】表3及び図5、表4及び図6から明らかな
ように、これらの結果を、前記m=k(m/h)の
式に当てはめると、それぞれ以下の通りとなる。表3及
び図5から 0.0161=k(58/23.3)・・・k
0.00647 0.0597=k(147/23.3)・・・k
0.00946 表4及び図6から 0.0597=k(147/23.3)・・・k
0.00946 0.0565=k(147/25.8)・・・k
0.00992 0.0210=k(147/40.9)・・・k
0.00584
【0046】ここで、平衡蒸発質量mと(m/h)と
の関係をグラフに表すと、図7に示すようになる。同図
において、これらのプロット点を直線Yにて近似した際
に、その傾きの値がkであり、その値は、k=0.
0087となった。
【0047】即ち、平衡蒸発質量mが、m=k
(m/h)を満たすと仮定した場合、k=0.00
87とすれば、インク射出量m[g/m]や、湿度h
[%]の値に関わらず、常にこれが満たされることが分
かった。尚、このような関係は布帛の材質がニット、或
いは、ポリエステル等であっても同様に満たされること
が確認されている。
【0048】このような実験結果から、m=k(m
/h)、但し、k=0.0087は満たされることが
明らかとなった。
【0049】次に、インクに含まれる水分の蒸発質量m
が、m=k(m×t×v/h)を満たすことの根
拠について、実験結果と共に説明する。
【0050】表5及び図8、表6及び図9に、表7及び
図10、表8及び図11に、それぞれ、インク出射量m
[g/m]、送風時間t[sec]、送風速度v[m
/sec]、湿度h[%]と蒸発質量m[g]との関
係を表す実験結果を示す。
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】
【表8】
【0055】表5及び図8、表6及び図9に、表7及び
図10、表8及び図11から明らかなように、これらの
結果を、前記m=k(m×t×v/h)の式に当て
はめると、それぞれ以下の通りとなる。表5及び図8か
ら 0.0512=k(147×330×0.96/2
3.6)・・・k=2.59×10−5 0.0194=k(58×330×0.96/23.
6)・・・k=2.49×10−5 表6及び図9から 0.0327=k(147×180×0.96/1
7.6)・・・k=2.27×10−5 0.0375=k(147×240×0.96/1
7.6)・・・k=1.95×10−5 0.0381=k(147×360×0.96/1
7.6)・・・k=1.32×10−5 0.0398=k(147×420×0.96/1
7.6)・・・k=1.18×10−5 表7及び図10から 0.0434=k(147×330×1.08/2
2.0)・・・k=1.82×10−5 0.0438=k(147×330×1.05/2
2.0)・・・k=1.89×10−5 0.0410=k(147×330×1.02/2
2.0)・・・k=1.82×10−5 0.0362=k(147×330×0.96/2
2.0)・・・k=1.71×10−5 0.0350=k(147×330×0.90/2
2.0)・・・k=1.76×10−5 表8及び図11から 0.0396=k(147×330×0.96/1
7.5)・・・k=1.49×10−5 0.0362=k(147×330×0.96/2
2.0)・・・k=1.71×10−5 0.0244=k(147×330×0.96/4
2.8)・・・k=2.24×10−5
【0056】ここで、蒸発質量mと(m×t×v/
h)との関係をグラフに表すと、図12に示すようにな
る。同図において、これらのプロット点を直線Yにて近
似した際に、その傾きの値がkであり、その値は、k
=2.5×10−5となった。
【0057】即ち、インクに含まれる水分の蒸発質量m
が、m=k(m×t×v/h)を満たすことを仮
定した場合、k=2.5×10−5とすれば、インク
射出量m[g/m]、送風時間t[sec]、送風速
度v[m/sec]、湿度h[%]の値に関わらず、常
にこれが満たされることが分かった。尚、このような関
係は布帛の材質がニット、或いは、ポリエステル等であ
っても同様に満たされることが確認されている。
【0058】このような実験結果から、m=k(m
×t×v/h)、但し、k=2.5×10−5は満た
されることが明らかとなった。
【0059】ここで、式に戻って、式にk=0.
0087、k=2.5×10−5を代入すると、t×
v>k/k=0.0087/2.5×10−5=3
48となる。
【0060】即ち、インク射出量m[g/m]、送風
時間t[sec]、送風速度v[m/sec]、湿度h
[%]の値に関わらず、t[sec]×v[m/se
c]>348を満たせば、常にm<mが満たされる
ことになるので、常に布帛Pを大気と水分平衡となる状
態以上に乾燥することができる。
【0061】[乾燥試験の結果]次に、当該記録媒体巻
取り装置10の乾燥部11によって布帛Pを乾燥した場
合の布帛Pの乾燥状態について、乾燥試験の結果と共に
説明する。
【0062】図13に、当該記録媒体巻取り装置10の
乾燥部11による布帛Pの乾燥試験の試験結果を示す。
本試験は、布帛Pを当該記録媒体巻取り装置10の乾燥
部11にて乾燥させた場合(図における■)と、強制的
な乾燥は行わず、これを放置した場合(図における◆)
のインクに含まれる水分の蒸発質量m[g]とプリン
ト後の時間経過t[min]との関係を比較するもので
ある。
【0063】尚、本試験における各種条件は、以下の通
りであった。インク:分散染料、記録媒体:ニット、湿
度:30%、プリント寸法:縦30mm×横50mm、
送風時間:10分、送風速度0.6m/s当然のことな
がら、本試験においても、送風時間t[sec]×送風
速度v[m/sec]>348は、600[sec]×
0.6[m/sec]=360>348となり満たされ
ている。
【0064】同図に示すように、強制的な乾燥は行わ
ず、布帛Pを放置した場合(図における◆)において
は、プリント後の経過時間が40分に到達した以降は、
インクからの水分の蒸発質量mの上昇度合いが緩くな
ることが分かる。これは、インクに含まれる水分が大気
と平衡の状態に近づいて、蒸発しづらくなるからであ
る。この後、プリント後の経過時間が24時間に到達す
るまでインクからの水分の蒸発質量mは緩やかに上昇
していく。一方、布帛Pを当該記録媒体巻取り装置10
の乾燥部11を用いて乾燥させた場合(図における■)
においては、プリント後、ただちに乾燥を行うものとし
て、プリント後の経過時間が10分に到達した時点で、
既に、インクからの水分の蒸発質量mは、前記布帛P
を放置した場合(図における◆)における、プリント後
の経過時間が40分に到達した時点のインクからの水分
の蒸発質量mを超え、布帛Pは大気と水分平衡の状態
以上に乾燥されていることが確認できる。
【0065】従って、当該巻取り装置10においては、
乾燥部11による布帛Pの乾燥条件が、送風時間t[s
ec]×送風速度v[m/sec]>348を満たして
いることから、布帛Pをそのまま放置した場合と比較し
て、1/4程度の時間で布帛Pを大気と水分平衡の状態
以上に乾燥することができることが確認できた。よっ
て、プリント後の布帛Pをただちに巻き取る場合であっ
ても、送風時間を10分間程度採れば、確実に、布帛P
同士の転写、若しくは、介在させた紙Qと布帛Pとの転
写を防止することができることが確認できた。
【0066】尚、本試験においては、布帛としてニット
を用いた場合を示したが、布帛の材質の違いによる乾燥
度の変化は小さく、布帛は、ポリエステル等、他のもの
であっても良い。このような場合であっても、同様の結
果が得られることは確認されている。
【0067】以上に説明したように、本発明に係る記録
媒体巻取り装置及び記録媒体乾燥方法においては、イン
クジェットによりプリントされた布帛を巻き取る巻取り
装置に、布帛を送風により大気と平衡する状態以上に乾
燥させる乾燥手段を備えて、布帛を、この乾燥手段によ
り充分に乾燥した後に巻き取るので、プリント後の布帛
をただちに巻き取るような場合であっても、さらに、布
帛間に紙を介在させるような場合であっても、特に大掛
かりな設備を設けることなく、容易に且つ確実に、布帛
同士の転写、若しくは、介在させた紙と布帛との転写を
防止することができる。
【0068】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る記
録媒体巻取り装置及び記録媒体乾燥方法によれば、イン
クジェットによりプリントされた布帛を巻き取る巻取り
装置に、布帛を送風により大気と平衡する状態以上に乾
燥させる乾燥手段が備えられ、布帛は、この乾燥手段に
より充分に乾燥された後に巻き取られるので、プリント
後に布帛をただちに巻き取るような場合であっても、さ
らに、布帛間に紙を介在させるような場合であっても、
特に大掛かりな設備を設けることなく、容易に且つ確実
に、布帛同士の転写、若しくは、介在させた紙と布帛と
の転写が防止されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録媒体巻取り装置の全体構成を
表す側断面図である。
【図2】図1に示す記録媒体巻取り装置の乾燥部の全体
構成を表す斜視図である。
【図3】プリント後の経過時間と布帛上のインクの蒸発
質量とに関する試験結果を表すグラフである。
【図4】プリント後の経過時間と布帛上のインクの蒸発
質量とに関する試験結果を表すグラフである。
【図5】インク出射量とインクの平衡状態における蒸発
質量とに関する試験結果を表すグラフである。
【図6】湿度とインクの平衡状態における蒸発質量とに
関する試験結果を表すグラフである。
【図7】インクの平衡状態における蒸発質量と(インク
の平衡状態における蒸発質量/湿度)とに関する試験結
果を表すグラフである。
【図8】インク出射量とインクの平衡状態における蒸発
質量とに関する試験結果を表すグラフである。
【図9】送風時間とインクの平衡状態における蒸発質量
とに関する試験結果を表すグラフである。
【図10】風速とインクの平衡状態における蒸発質量と
に関する試験結果を表すグラフである。
【図11】湿度とインクの平衡状態における蒸発質量と
に関する試験結果を表すグラフである。
【図12】インクの平衡状態における蒸発質量と(イン
クの平衡状態における蒸発質量×送風時間×送風速度/
湿度)とに関する試験結果を表すグラフである。
【図13】図1に示す記録媒体巻取り装置の乾燥部によ
る布帛の乾燥効果を表すグラフである。
【符号の説明】
10…記録媒体巻取り装置 11…乾燥部 12…巻取り部 12a…巻取りローラ 12b…駆動モータ 12c…制御部 13…介在部 13a…紙ローラ O…中心軸 P…布帛 Q…介在紙

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット方式により記録された記
    録媒体を送風により大気と水分平衡となる状態以上に乾
    燥させる乾燥部を備えたことを特徴とする記録媒体巻取
    り装置。
  2. 【請求項2】 前記大気と水分平衡となる状態は、前記
    記録媒体からの水分の蒸発質量が毎分0.0004グラ
    ム以下となる状態であることを特徴とする請求項1記載
    の記録媒体巻取り装置。
  3. 【請求項3】 前記乾燥部は、前記送風の送風時間をt
    秒、送風速度をvメートル/毎秒としたとき、t×v>
    348を満たすようにこれらの制御を行う制御手段を有
    することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記
    録媒体巻取り装置。
  4. 【請求項4】 前記乾燥部は、前記送風の送風方向を調
    整する調整手段を有することを特徴とする請求項1乃至
    請求項3の何れか一項に記載の記録媒体巻取り装置。
  5. 【請求項5】 前記乾燥部は、当該乾燥部を前記記録媒
    体巻取り装置に着脱自在に固定する固定部を有すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載
    の記録媒体巻取り装置。
  6. 【請求項6】 前記記録媒体は、布帛であることを特徴
    とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の記録
    媒体巻取り装置。
  7. 【請求項7】 インクジェット方式により記録された記
    録媒体を、送風により大気と水分平衡となる状態以上に
    乾燥させることを特徴とする記録媒体乾燥方法。
  8. 【請求項8】 前記大気と水分平衡となる状態は、布帛
    からの水分の蒸発質量が毎分0.0004グラム以下と
    なる状態であることを特徴とする請求項7記載の記録媒
    体乾燥方法。
  9. 【請求項9】 前記送風の条件は、送風時間をt秒、送
    風速度をvメートル/毎秒としたとき、t×v>348
    を満たすことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載
    の記録媒体乾燥方法。
  10. 【請求項10】 前記記録媒体は、布帛であることを特
    徴とする請求項7乃至請求項9の何れか一項に記載の記
    録媒体乾燥方法。
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