JP2003340852A - 成形型用マットコートフィルム及びこれを用いたマットシート - Google Patents

成形型用マットコートフィルム及びこれを用いたマットシート

Info

Publication number
JP2003340852A
JP2003340852A JP2002150157A JP2002150157A JP2003340852A JP 2003340852 A JP2003340852 A JP 2003340852A JP 2002150157 A JP2002150157 A JP 2002150157A JP 2002150157 A JP2002150157 A JP 2002150157A JP 2003340852 A JP2003340852 A JP 2003340852A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mat
sheet
coat film
matte
matting agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002150157A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Kawashima
康司 川島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Keiwa Inc
Original Assignee
Keiwa Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Keiwa Inc filed Critical Keiwa Inc
Priority to JP2002150157A priority Critical patent/JP2003340852A/ja
Publication of JP2003340852A publication Critical patent/JP2003340852A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 同一基材のケミカルマットシート等に比べて
全光線透過率が高いマットシートが製造でき、かつ、そ
のマットシートのヘーズ、光沢度及び表面粗度の制御が
容易かつ確実に行える成形型用マットコートフィルム及
びこれを用いたマットシートの提供を目的とするもので
ある。 【解決手段】 マットシートを成形するための成形型用
マットコートフィルム1であって、合成樹脂製の基材層
2とこの基材層2に積層されるマットコート層3とを備
えており、このマットコート層3が基材ポリマーとマッ
ト剤とを含有する塗工用樹脂組成物から形成されている
ことを特徴とするものである。上記マット剤としては無
機フィラー(特にシリカ)を用いるとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マットシートを成
形するために用いる成形型用マットコートフィルム及び
これを用いたマットシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】表面にマット形状、つまり微細な凹凸形
状を有するマットシートは、今日、例えば液晶表示装置
のバックライトユニットに装着される光拡散シート、モ
ニター等の反射を低減するノングレアシート、照明器具
に装着されるランプイメージの防幻シートなどに用いら
れている。
【0003】かかるマットシートとしては、従来、
(a)合成樹脂製の基材層からなり、この基材層の表面
にサンドブラスト処理、エンボス加工処理等によって微
細な凹凸形状が形成されたもの、(b)合成樹脂製の基
材層とマットコート層とが積層されたものが使用されて
いる。このマットコート層は、一般的には、基材ポリマ
ーとマット剤とを含有する塗工用樹脂組成物から形成さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のマットシー
トは、基材層のシート成形に加えてサンドブラスト処理
やマットコート層の塗工処理などが必要であるため、そ
の付加工程の分だけ生産性が低下する。また、上記
(a)のマットシートは、マット面をサンドブラスト処
理等の機械加工により形成するため、表面の凹凸形状の
制御が困難であり、その結果、光拡散性等の性能の調整
が容易ではない。さらに、上記(b)のマットシート
は、マットコート層中に含有する無機フィラー等のマッ
ト剤によってマット性、光拡散性等を発現するため、マ
ット性等を高めるためにマット剤の配合量を増加する
と、全光線透過率が低下してしまう。
【0005】本発明はこれらの不都合に鑑みてなされた
ものであり、同一基材のケミカルマットシート等に比べ
て全光線透過率が高いマットシートが製造でき、かつ、
そのマットシートのヘーズ、光沢度及び表面粗度の制御
が容易かつ確実に行える成形型用マットコートフィルム
及びこれを用いたマットシートの提供を目的とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた発明は、マットシートを成形するための成形
型用マットコートフィルムであって、合成樹脂製の基材
層とこの基材層に積層されるマットコート層とを備えて
おり、このマットコート層が基材ポリマーとマット剤と
を含有する塗工用樹脂組成物から形成されていることを
特徴とするものである。ここで、「マットシート」と
は、表面に微細な凹凸形状を有する所謂艶消しシートを
意味する。
【0007】当該成形型用マットコートフィルムは、基
材層の表面に積層されたマットコート層が基材ポリマー
とマット剤とを含有する塗工用樹脂組成物から形成され
ていることから、マットコート層の表面に微細な凹凸形
状が均一に形成されている。そのため、当該成形型用マ
ットコートフィルムのマット面(マットコート層の表
面)に合成樹脂をコーティング、押出ラミネート等の手
段で積層し、この積層した合成樹脂を当該成形型用マッ
トコートフィルムから剥離することで、表面に微細な凹
凸形状が転写されたマットシートを容易に量産すること
ができる。
【0008】また、当該成形型用マットコートフィルム
によれば、マットコート層を形成するための塗工用樹脂
組成物の塗工量、塗工用樹脂組成物中へのマット剤の含
有量又はマット剤の平均粒子径を調整することで、表面
の凹凸形状を容易かつ確実に制御することができ、その
結果、ヘーズ、光沢度及び表面粗度を任意に制御したマ
ットシートを容易かつ確実に製造することができる。
【0009】上記マット剤としては無機フィラーを用い
るとよい。無機フィラーには種々の形状及び平均粒子径
のものが存在するため、かかる無機フィラーをマット剤
として用いることで、当該成形型用マットコートフィル
ムの表面に形成される凹凸形状の制御可能範囲を広げる
ことができる。無機フィラーの中でも、形状及び粒子径
の種類が豊富なシリカが特に好ましい。
【0010】上記塗工用樹脂組成物中にメラミンを添加
するとよい。このように、メラミンが添加された塗工用
樹脂組成物を基材層の表面に塗工し、焼き付け処理を施
すことで、マットコート層の表面が硬質化し、マットシ
ート製造時における当該成形型用マットコートフィルム
表面の剥離性が向上する。
【0011】また、上記マットコート層の表面にコロナ
処理を施してもよい。このように、マットコート層表面
にコロナ処理を施すことで、当該成形型用マットコート
フィルム表面のぬれ性が向上し、表面の微細凹凸に隈無
く均一に樹脂を積層することができる。
【0012】上記塗工用樹脂組成物中のポリマー分10
0部に対するマット剤の含有量としては固形分換算で
0.1部以上30部以下が好ましく、塗工用樹脂組成物
の塗工量としては固形分換算で0.2g/m以上20
g/m以下が好ましい。ここで「部」で示す数値は質
量を基準とする比を意味する。このようにマット剤の含
有量と塗工用樹脂組成物の塗工量とを上記範囲で調整す
ることで、全光線透過率が70%〜98%、ヘーズが1
0%〜80%のマットシートが製造され、液晶表示装置
のバックライトユニットに装着される光拡散シートに好
適となる。
【0013】従って、当該成形型用マットコートフィル
ムを用いて製造されたマットシートは、内部にマット剤
を含有していないので、従来のマットシートのようなマ
ット剤による全光線透過率の低下を防止することができ
る。また、上述のように製造に用いられる当該成形型用
マットコートフィルムにおける塗工用樹脂組成物の塗工
量、塗工用樹脂組成物中へのマット剤の含有量又はマッ
ト剤の平均粒子径の調整によって当該マットシートのヘ
ーズ、光沢度及び表面粗度を容易かつ確実に制御するこ
とができ、その結果、例えば光拡散シート、ノングレア
シート、防幻シートなどの使用用途に合わせて機能(光
学的機能)や物性を容易に適合させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しつつ本発
明の実施の形態を詳説する。図1は本発明の一実施形態
に係る成形型用マットコートフィルムを示す模式的断面
図、図2(a)及び(b)は図1の成形型用マットコー
トフィルムを用いたマットシートの製造方法を説明する
模式的断面図である。
【0015】図1の成形型用マットコートフィルム1
は、基材層2と、この基材層2の表面に積層されるマッ
トコート層3とを備えている。
【0016】基材層2は合成樹脂から形成されている。
この基材層2に用いられる合成樹脂としては、特に限定
されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロー
スアセテート、耐候性塩化ビニル等が挙げられる。中で
も、強度が高いポリエチレンテレフタレートが好まし
く、撓み性能が改善されたポリエチレンテレフタレート
が特に好ましい。
【0017】基材層2の厚み(平均厚み)は、特には限
定されないが、例えば10μm以上500μm以下、好
ましくは35μm以上250μm以下、特に好ましくは
50μm以上188μm以下とされる。基材層2の厚み
が上記範囲未満であると、マットコート層3を形成する
ための塗工用樹脂組成物を塗工した際にカールが発生し
やすくなってしまう、マットシート製造時等において取
扱いが困難になる等の不都合が発生する。逆に、基材層
2の厚みが上記範囲を超えると、可撓性が低下し、マッ
トコート層3の連続した積層が困難になり、同様にマッ
トシートの連続した製造も困難になる。
【0018】マットコート層3は、いわゆるケミカルマ
ットコーティングにより形成され、具体的には基材層2
の表面に塗工用樹脂組成物を塗工することで形成され
る。この塗工用樹脂組成物は、基材ポリマーとマット剤
とを含有しており、その他に可塑剤、分散剤、帯電防止
剤、各種レベリング剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、粘性
改質剤、潤滑剤、光安定化剤等が適宜配合されてもよ
い。この塗工用樹脂組成物を基材層2の表面に塗工し、
硬化(架橋硬化等)させることで、表面に微細な凹凸形
状を有するマットコート層3が形成される。
【0019】この基材ポリマーとしては、特に限定され
るものではなく、例えばアクリル系樹脂、ポリウレタ
ン、ポリエステル、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、
ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、紫外線硬化型樹脂等
が用いられる。
【0020】マット剤としては、無機フィラーと有機フ
ィラーとに大別されるが、透明性が必要とされないこ
と、粒子径や形状の種類が豊富で微細な凹凸形状の制御
幅が大きいこと等の利点がある無機フィラーが好まし
い。
【0021】この無機フィラーを構成する無機物として
は、特に限定されるものではなく、無機酸化物が好まし
い。この無機酸化物は、金属元素が主に酸素原子との結
合を介して3次元のネットワークを構成した種々の含酸
素金属化合物と定義される。また無機酸化物を構成する
金属元素としては、たとえば、元素周期律表II〜VI族か
ら選ばれる元素が好ましく、元素周期律表III〜V族か
ら選ばれる元素がさらに好ましい。その中でも、Si、
Al、Ti及びZrから選択される元素が特に好まし
く、金属元素がSiであるシリカが、マット剤として最
も好ましい。
【0022】また、マット剤の形状は、球状、針状、板
状、鱗片状、破砕状等の任意の粒子形状でよく、要求さ
れる微細な凹凸形状が形成可能な形状を適宜選定するこ
とができる。
【0023】なお、当該成形型用マットコートフィルム
1は、文字通り成形型として使用されるものであるた
め、基材層2に用いられる合成樹脂及びマットコート層
3の基材ポリマーは透明である必要はなく、素材自体の
強度、耐久性、耐薬品性等の物性やマットシート製造作
業の便を考慮して有色のものでもよい。
【0024】上記構造の成形型用マットコートフィルム
1の製造方法としては、基材層2を作製する工程と、こ
の基材層2の表面に上記塗工用樹脂組成物を塗工してマ
ットコート層3を積層する工程とからなる。この基材層
2の作製手段としては、一般的なシート成形が挙げら
れ、例えばTダイ法等の押出し法やカレンダー法などが
採用される。塗工用樹脂組成物の塗工手段としては、既
知の各種手段を採用することができ、例えばキスロール
コーター、バーコーター、ロールコーター、ブレードコ
ーター、グラビアロールコーター等により塗布すればよ
い。
【0025】当該成形型用マットコートフィルム1の表
面、つまりマットコート層3の表面には、微細な凹凸形
状、つまりマット面が形成される。このように成形型用
マットコートフィルム1の表面に形成される凹凸形状
は、マット剤の平均粒子径、マット剤の添加量及び塗工
用樹脂組成物の塗工量により任意に調整することができ
る。従って、かかるマット剤の平均粒子径等のパラメー
タを調整することで、当該成形型用マットコートフィル
ム1で製造されるマットシートのヘーズ、光沢度及び表
面粗度を容易かつ確実に制御することができる。
【0026】マット剤の平均粒子径の下限としては、5
nmが好ましく、10nmが特に好ましい。一方、マッ
ト剤の平均粒子径の上限としては50μmが好ましく、
20μmが特に好ましい。これは、マット剤の平均粒子
径が上記範囲未満では、表面エネルギーが高くなり、凝
集等が起こりやすくなるためであり、逆に、平均粒子径
が上記範囲を超えると、製造されるマットシートの凹凸
形状が粗くなり、ひいては均一光拡散性の低下や品質の
低下を招来するおそれがあるためである。
【0027】塗工用樹脂組成物におけるポリマー分10
0部に対するマット剤の固形分換算の含有量(無機物成
分のみの含有量)の下限としては0.1部が好ましく、
10部が特に好ましい。一方、マット剤の含有量の上限
としては30部が好ましく、20部が特に好ましい。こ
れは、マット剤の含有量が上記範囲未満であると、成形
型用マットコートフィルム1表面に形成される凹凸形状
が小さく、ひいては製造されるマットシートのマット性
が小さくなるおそれがあることからであり、逆に、含有
量が上記範囲を越えると、塗工用樹脂組成物中への配合
や塗工用樹脂組成物の塗工が困難になり、またこれ以上
配合してもマット性にはあまり寄与しないことからであ
る。
【0028】塗工用樹脂組成物の固形分換算の塗工量の
下限としては0.2g/mが好ましく、0.5g/m
が特に好ましい。一方、上記塗工量の上限としては2
0g/mが好ましく、15g/mが特に好ましい。
これは、塗工用樹脂組成物の塗工量が上記下限より小さ
いと、マットコート層3表面に均一に凹凸形状を形成す
ることが困難になり、逆に、塗工量が上記上限を超えて
も、マットコート層3表面の微細な凹凸形状の成形性に
あまり寄与しないことからである。
【0029】特に、当該成形型用マットコートフィルム
1を液晶表示装置のバックライトユニットに装備される
光拡散シートやモニター等の反射防止に用いられるノン
グレアシートなどの製造に使用する場合、マット剤とし
て平均粒子径が5nm以上20μm以下のシリカを用
い、塗工用樹脂組成物中のマット剤の含有量を2.5部
以上20部以下、塗工用樹脂組成物の塗工量を2g/m
以上10g/m以下とするとよい。かかる範囲のマ
ット剤の平均粒子径、含有量及び塗工量とすることで、
光拡散シート等に要求されるヘーズ、光沢度及び表面粗
度を備えるマットシートを製造することができる。
【0030】また、塗工用樹脂組成物中にメラミンを添
加するとよい。このように、メラミンが添加された塗工
用樹脂組成物を基材層2の表面に塗工し、焼き付け処理
を施すことで、マットコート層3の表面が硬質化し、マ
ットシート製造時における当該成形型用マットコートフ
ィルム1表面の剥離性が向上する。
【0031】また、マットコート層3の表面にコロナ処
理を施すとよい。かかるコロナ処理が施されたマットコ
ート層3の表面のぬれ性が向上するため、マットシート
製造時において、成形型用マットコートフィルム1表面
の微細凹凸に樹脂を隈無く充填でき、また成形型用マッ
トコートフィルム1表面に樹脂を均一に積層することが
できる。
【0032】マット剤に用いられる無機フィラーとして
は、その表面に有機ポリマーが固定されたものを用いる
とよい。このように有機ポリマー固定無機フィラーを用
いることで、塗工用樹脂組成物中での分散性や基材ポリ
マーとの親和性の向上が図られる。この有機ポリマーに
ついては、その分子量、形状、組成、官能基の有無等に
関して特に限定はなく、任意の有機ポリマーを使用する
ことができる。また有機ポリマーの形状については、直
鎖状、分枝状、架橋構造等の任意の形状のものを使用す
ることができる。
【0033】かかる有機ポリマーを構成する具体的な樹
脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチ
レン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンやポリプロピレン
等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルお
よびこれらの共重合体やアミノ基、エポキシ基、ヒドロ
キシル基、カルボキシル基等の官能基で一部変性した樹
脂等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂、
(メタ)アクリル−スチレン系樹脂、(メタ)アクリル
−ポリエステル系樹脂等の(メタ)アクリル単位を含む
有機ポリマーを必須成分とするものが被膜形成能を有し
好適である。他方、上記塗工用樹脂組成物の基材ポリマ
ーと相溶性を有する樹脂が好ましく、従って基材ポリマ
ーと同じ組成であるものが最も好ましい。
【0034】なお、上記無機フィラーは、微粒子内に有
機ポリマーを包含していてもよい。このことにより、無
機フィラーのコアである無機物に適度な軟度および靱性
を付与することができる。
【0035】上記有機ポリマーにはアルコキシ基を含有
するものを用いるとよく、その含有量としては有機ポリ
マーを固定したマット剤1g当たり0.01mmol以
上50mmol以下が好ましい。かかるアルコキシ基に
より、塗工用樹脂組成物を構成するマトリックス樹脂と
の親和性や、塗工用樹脂組成物中での分散性を向上させ
ることができる。
【0036】ここでいうアルコキシ基は、微粒子骨格を
形成する金属元素に結合したRO基を示す。このRは置
換されていてもよいアルキル基であり、微粒子中のRO
基は同一であっても異なっていてもよい。Rの具体例と
しては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル等が挙げられる。マット剤の無機フィラ
ーを構成する金属と同一の金属アルコキシ基を用いるの
が好ましく、マット剤がシリカである場合には、シリコ
ンを金属とするアルコキシ基を用いるのが好ましい。
【0037】有機ポリマーを固定した無機フィラー中の
有機ポリマーの含有率については、特に制限されるもの
ではないが、無機フィラーを基準にして0.5質量%以
上50質量%以下が好ましい。
【0038】上述のように無機フィラーに固定する有機
ポリマーとして水酸基を有するものを用い、マットコー
ト層3を構成する塗工用樹脂組成物中に水酸基と反応す
るような官能基を2個以上有する多官能イソシアネート
化合物、メラミン化合物およびアミノプラスト樹脂から
選ばれる少なくとも1種のものを含有するとよい。これ
により、マット剤とマットコート層3のマトリックス樹
脂とが架橋構造で結合され、保存安定性、耐汚染性、可
撓性、耐候性、保存安定性等が良好になり、さらに得ら
れる被膜が光沢を有するものとなる。
【0039】上記多官能イソシアネート化合物として
は、脂肪族、脂環族、芳香族及びその他の多官能イソシ
アネート化合物やこれらの変性化合物を挙げることがで
きる。多官能イソシアネート化合物の具体例としては、
例えばトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル
ヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサ
ンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシ
アネートのビウレット体、イソシアヌレート体等の3量
体等;これらの多官能イソシアネート類とプロパンジオ
ール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ト
リメチロールプロパン等の多価アルコールとの反応によ
り生成される2個以上のイソシアネート基が残存する化
合物;これらの多官能イソシアネート化合物をエタノー
ル、ヘキサノール等のアルコール類、フェノール、クレ
ゾール等のフェノール性水酸基を有する化合物、アセト
オキシム、メチルエチルケトキシム等のオキシム類、ε
−カプロラクタム、γ−カプロラクタム等のラクタム類
等のブロック剤で封鎖したブロックド多官能イソシアネ
ート化合物などを挙げることができる。なお、上記多官
能イソシアネート化合物は1種又は2種以上混合して使
用できる。中でも、被膜の黄変色を防止するために、芳
香環に直接結合したイソシアネート基を有しない無黄変
性多官能イソシアネート化合物が好ましい。
【0040】上記メラミン化合物としては、例えばジメ
チロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメ
チロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサ
メチロールメラミン、イソブチルエーテル型メラミン、
n−ブチルエーテル型メラミン、ブチル化ベンゾグアナ
ミン等を挙げることができる。
【0041】上記アミノプラスト樹脂としては、例えば
アルキルエーテル化メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグ
アナミン樹脂等が挙げられ、これらのアミノプラスト樹
脂の単体又は2種以上の混合物もしくは共縮合物を使用
できる。このアルキルエーテル化メラミン樹脂とは、ア
ミノトリアジンをメチロール化し、シクロヘキサノール
または炭素数1〜6のアルカノールでアルキルエーテル
化して得られるものであり、ブチルエーテル化メラミン
樹脂、メチルエーテル化メラミン樹脂、メチルブチル混
合メラミン樹脂が代表的なものである。また、硬化を促
進させるためのスルホン酸系触媒、たとえば、パラトル
エンスルホン酸およびそのアミン塩等を使用することが
できる。
【0042】次に、当該成形型用マットコートフィルム
1を用いたマットシートの製造方法について図2に従っ
て説明する。まず、図2(a)に示すように、成形型用
マットコートフィルム1の表面に合成樹脂4をシート状
に積層する。この合成樹脂4の積層方法としては、特に
限定されるものではなく、例えばコーティング、押出ラ
ミネート等が採用される。また、この合成樹脂4として
は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透
明の合成樹脂が好適であり、具体的にはポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹
脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィ
ン、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル等が挙げ
られる。中でも、透明性に優れ、強度が高いポリエチレ
ンテレフタレートが好ましく、撓み性能が改善されたポ
リエチレンテレフタレートが特に好ましい。
【0043】その後、成形型用マットコートフィルム1
から合成樹脂4を剥離することで、図2(b)に示すよ
うに、成形型用マットコートフィルム1表面の微細な凹
凸形状が表面に転写されたマットシート5が製造され
る。このマットシート5は、内部にマット剤を含有して
いないので、従来のマットシートのようなマット剤によ
る全光線透過率の低下を防止することができる。また、
上述のように製造に用いられる当該成形型用マットコー
トフィルム1におけるマット剤の平均粒子径、含有量及
び塗工用樹脂組成物の塗工量の調整によってマットシー
ト5のヘーズ、光沢度及び表面粗度を容易かつ確実に制
御することができ、その結果、例えば光拡散シート、ノ
ングレアシート、防幻シートなどの使用用途に合わせて
機能(光学的機能)や物性を容易に適合させることがで
きる。
【0044】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、
この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈され
るものではない。
【0045】[実施例1]二液硬化性アクリル系樹脂
(基材ポリマー)100部と平均粒子径が3μmのシリ
カ(マット剤)2部とを含有する塗工用樹脂組成物を作
製し、この塗工用樹脂組成物を厚さ100μmのポリエ
ステル製の基材層の表面に固形分換算で2g/m塗工
することで実施例1の成形型用マットコートフィルムを
得た。
【0046】[実施例2]シリカの含有量を6部とした
以外は上記実施例1と同様にして実施例2の成形型用マ
ットコートフィルムを得た。
【0047】[実施例3]シリカの含有量を12部とし
た以外は上記実施例1と同様にして実施例3の成形型用
マットコートフィルムを得た。
【0048】[実施例4]塗工用樹脂組成物の塗工量を
4g/mとした以外は上記実施例1と同様にして実施
例4の成形型用マットコートフィルムを得た。
【0049】[特性の評価]上記実施例1〜4の成形型
用マットコートフィルムを用い、これらの成形型用マッ
トコートフィルムの表面にアクリルウレタン樹脂を平均
厚さ100μmとなるようコーティングし、硬化後にこ
のアクリルウレタン樹脂を成形型用マットコートフィル
ムから剥離することでマットシートを製造した。これら
のマットシートの全光線透過率、ヘーズ及び60°光沢
度を測定した。その結果を下記表1に示す。なお、この
全光線透過率、ヘーズ及び60°光沢度の測定は、それ
ぞれJIS−K−7361−1、JIS−K−713
6、JIS−K−7105に規定の方法を用いた。
【0050】
【表1】
【0051】上記表1に示すように、シリカの含有量及
び塗工用樹脂組成物の塗工量を調整することで、製造さ
れるマットシートのヘーズ及び60°光沢度を任意に制
御することができる。また、製造されるマットシートに
はマット剤が含まれていないので、全光線透過率の低下
を防止することができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の成形型用
マットコートフィルムによれば、同一基材のケミカルマ
ットシート等に比べて全光線透過率が高いマットシート
が製造でき、かつ、そのマットシートのヘーズ、光沢度
及び表面粗度を容易かつ確実に制御することができる。
従って、当該成形型用マットコートフィルムにより製造
されたマットシートは、品質が高く、かつ、例えば液晶
表示装置のバックライトユニットに装着される光拡散シ
ート等の種々の光学的シートに好適となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る成形型用マットコー
トフィルムを示す模式的断面図である。
【図2】(a)及び(b)は図1の成形型用マットコー
トフィルムを用いたマットシートの製造方法を説明する
模式的断面図である。
【符号の説明】
1 成形型用マットコートフィルム 2 基材層 3 マットコート層 4 合成樹脂 5 マットシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA01B AA20B AA20H AK01A AK36B AL05B AT00A BA02 CA23 DD07B EJ55 EJ552 JK14 JM02B JN30 YY00B 4F202 AF01 AG01 AH33 AJ03 AJ06 AJ09 CA03 CB01 CD22 CD30 4F205 AF15 AG01 AH73 GA06 GB01 GC06 GN28

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マットシートを成形するための成形型用
    マットコートフィルムであって、 合成樹脂製の基材層と、この基材層に積層されるマット
    コート層とを備えており、 このマットコート層が、基材ポリマーとマット剤とを含
    有する塗工用樹脂組成物から形成されていることを特徴
    とする成形型用マットコートフィルム。
  2. 【請求項2】 上記マット剤として無機フィラーが用い
    られている請求項1に記載の成形型用マットコートフィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 上記無機フィラーがシリカである請求項
    2に記載の成形型用マットコートフィルム。
  4. 【請求項4】 上記塗工用樹脂組成物中にメラミンが添
    加されている上記請求項1、請求項2又は請求項3に記
    載の成形型用マットコートフィルム。
  5. 【請求項5】 上記マットコート層の表面にコロナ処理
    が施されている請求項1から請求項4のいずれか1項に
    記載の成形型用マットコートフィルム。
  6. 【請求項6】 上記塗工用樹脂組成物中のポリマー分1
    00部に対するマット剤の含有量が固形分換算で0.1
    部以上30部以下、塗工用樹脂組成物の塗工量が固形分
    換算で0.2g/m以上20g/m以下である請求
    項1から請求項5のいずれか1項に記載の成形型用マッ
    トコートフィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれか1項に
    記載の成形型用マットコートフィルムを用いて製造され
    たマットシート。
JP2002150157A 2002-05-24 2002-05-24 成形型用マットコートフィルム及びこれを用いたマットシート Pending JP2003340852A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002150157A JP2003340852A (ja) 2002-05-24 2002-05-24 成形型用マットコートフィルム及びこれを用いたマットシート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002150157A JP2003340852A (ja) 2002-05-24 2002-05-24 成形型用マットコートフィルム及びこれを用いたマットシート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003340852A true JP2003340852A (ja) 2003-12-02

Family

ID=29768077

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002150157A Pending JP2003340852A (ja) 2002-05-24 2002-05-24 成形型用マットコートフィルム及びこれを用いたマットシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003340852A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011018035A (ja) * 2009-06-10 2011-01-27 Mitsubishi Rayon Co Ltd 鋳型用フィルム及び防眩性樹脂板の製造方法
JP2019034468A (ja) * 2017-08-16 2019-03-07 凸版印刷株式会社 フィルム状モールド及びこれを用いた撥水性フィルムの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011018035A (ja) * 2009-06-10 2011-01-27 Mitsubishi Rayon Co Ltd 鋳型用フィルム及び防眩性樹脂板の製造方法
JP2019034468A (ja) * 2017-08-16 2019-03-07 凸版印刷株式会社 フィルム状モールド及びこれを用いた撥水性フィルムの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101167231B1 (ko) 직하형 액정표시장치용 광학 시트 및 백라이트 유닛
TWI550001B (zh) Optical continuum
US6929846B2 (en) Decorative sheet
TWI802657B (zh) 聚酯膜
JP3268784B2 (ja) 離形フィルム
JP2017159649A (ja) 加飾成形品、加飾成形品の製造方法及び転写シート
JP5739783B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
EP3590712B1 (en) White laminated film and recording material
KR101777578B1 (ko) 도포 필름
JP5443255B2 (ja) 離型フィルム
JP2013129077A (ja) インモールド転写箔用積層ポリエステルフィルム
JP2003340852A (ja) 成形型用マットコートフィルム及びこれを用いたマットシート
JP2016064517A (ja) 積層フィルム
WO2019198406A1 (ja) 積層ポリエステルフィルムおよびその製造方法
JP2012161966A (ja) 樹脂フィルム、及び照明用カバー
JP5985563B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP5795032B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2005077445A (ja) 光拡散シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP2021138071A (ja) 積層フィルムおよびその製造方法
JP5830208B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2013176973A (ja) 積層ポリエステルフィルム
WO2023120548A1 (ja) ポリエステルフィルム及び積層ポリエステルフィルム
JP2017159650A (ja) 加飾成形品、転写シート及び加飾成形品の製造方法
JP5342631B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2008096499A (ja) 凹凸表面を有する機能性熱可塑性樹脂シートおよびその製造方法、ならびに転写フィルム