JP2003338431A - 電解コンデンサの駆動用電解液 - Google Patents
電解コンデンサの駆動用電解液Info
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Abstract
可能な電解コンデンサの駆動用電解液を提供する。 【解決手段】 エチレングリコールを主成分とする溶媒
に、アジピン酸、セバシン酸等の高級二塩基酸またはそ
のアンモニウム、ジメチルアミン等の塩と、3,3’,
4’−トリヒドロキシ−6,7−ジカルボキシフラボン
(化1)および/または3,2’,4’−トリヒドロキ
シ−6,7−ジカルボキシフラボン(化2)とを0.1
0〜5.00wt%溶解することで、電解液と電極箔と
の化学反応を抑制し、電解液の耐電圧を向上することが
できる。 【化1】 【化2】
Description
駆動用電解液(以下、電解液と称す)の改良に関するも
のであり、特に耐電圧を改善した電解液に関するもので
ある。
ンサ用の電解液は、エチレングリコール等の溶媒に、高
級二塩基酸またはそのアンモニウム塩、ホウ酸またはそ
のアンモニウム塩およびマンニトール等の多価アルコー
ル類を溶解していた。ホウ酸と多価アルコール類とはエ
ステル化合物を形成し、その構造的な特性により電解液
の耐電圧が向上することが知られている。さらに合成高
分子であるポリビニルアルコールを添加すると、電解液
の耐電圧を一層向上させることが可能であった。
が6程度のマンニトール、ソルビトール等は添加量を増
加させても電解液の耐電圧の向上が緩慢であり、耐電圧
を大幅に向上させるには、比抵抗の顕著な上昇を伴う。
一方、ポリビニルアルコールは少量の添加で電解液の耐
電圧向上が図れるが、エチレングリコールを主成分とす
る溶媒に対して溶解性が著しく低いため多量に添加がで
きない上、電解液の加熱と攪拌が長時間必要になるとい
う問題がある。また、多価アルコール類は主溶質である
高級二塩基酸ともエステル反応を起こすことがあるた
め、電解液自身の特性変化が大きくなるという問題があ
った。本発明は上記課題を解決し、電解液の比抵抗の上
昇を抑制しつつ、耐電圧の上昇を図ることが可能な電解
コンデンサ用の電解液を提供するものである。
−6,7−ジカルボキシフラボンがキノン骨格とカルボ
キシル基とを有することに着目し、この構造により電解
液の比抵抗の上昇を抑制しつつ耐電圧の上昇を図ろうと
するものである。すなわち、エチレングリコールを主成
分とする溶媒に、高級二塩基酸またはその塩と、3,
3’,4’−トリヒドロキシ−6,7−ジカルボキシフ
ラボン(化3)および/または3,2’,4’−トリヒ
ドロキシ−6,7−ジカルボキシフラボン(化4)とを
溶解することを特徴とする電解コンデンサの駆動用電解
液である。
シ−6,7−ジカルボキシフラボンまたは3,2’,
4’−トリヒドロキシ−6,7−ジカルボキシフラボン
の溶解量が、0.10〜5.00wt%であることを特
徴とする電解コンデンサの駆動用電解液である。
酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,6−デカンジカル
ボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、7−ビニルヘキ
サデセン−1,16−ジカルボン酸等を例示することが
できる。
モニウム塩の他、メチルアミン、エチルアミン、t−ブ
チルアミン等の一級アミン塩、ジメチルアミン、エチル
メチルアミン、ジエチルアミン等の二級アミン塩、トリ
メチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルジメチル
アミン、トリエチルアミン等の三級アミン塩、テトラメ
チルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テ
トラエチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩、イミ
ダゾリニウム塩等を例示することができる。
プロピレングリコール等のグリコール類、γ−ブチロラ
クトン、N−メチル−2−ピロリドン等のラクトン類、
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルム
アミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルア
セトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチ
ルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等の
アミド類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、イソブチレンカーボネート等の炭酸類、アセトニ
トリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド等のオキ
シド類、エーテル類、ケトン類、エステル類、スルホラ
ン、スルホラン誘導体、水等を例示することができる。
ボキシフラボンは、金属酸化物と反応し耐水性の皮膜を
形成するため、電極箔のアルミニウム酸化皮膜に耐水性
の皮膜を形成することで、電解液と電極箔との化学反応
を抑え、電解液の耐電圧を向上できる。また、カルボキ
シル基を有しているため、トリヒドロキシ−6,7−ジ
カルボキシフラボンの溶解による比抵抗の上昇を抑制す
ることができる。
する。表1の組成で電解液を調合し、30℃における電
解液の比抵抗と85℃における火花発生電圧(電解液の
耐電圧)を測定し、表1,2の結果を得た。
ロキシ−6,7−ジカルボキシフラボンまたは3,
2’,4’−トリヒドロキシ−6,7−ジカルボキシフ
ラボンを溶解した実施例は、従来例より比抵抗の上昇を
抑えながら耐電圧を向上していることが分かる。トリヒ
ドロキシ−6,7−ジカルボキシフラボンの溶解量が
0.10wt%未満では耐電圧向上の効果が十分でな
く、5.00wt%を超えると比抵抗が高くなり過ぎ低
比抵抗用途に不向きとなる。よって、トリヒドロキシ−
6,7−ジカルボキシフラボンの溶解量は、0.10〜
5.00wt%の範囲が好ましい。
−ジカルボキシフラボンおよび/または3,2’,4’
−トリヒドロキシ−6,7−ジカルボキシフラボンを溶
解した電解液の効果は、実施例に限られるものではな
く、先に例示した各種薬品を単独または組み合わせて使
用しても、実施例と同等の効果がある。
4’−トリヒドロキシ−6,7−ジカルボキシフラボン
および/または3,2’,4’−トリヒドロキシ−6,
7−ジカルボキシフラボンを溶解した電解液を用いるこ
とで、比抵抗の上昇を抑えながら耐電圧の向上を図るこ
とができ、熱安定性に優れるため高温下での製品の信頼
性を高めることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 エチレングリコールを主成分とする溶媒
に、高級二塩基酸またはその塩と、3,3’,4’−ト
リヒドロキシ−6,7−ジカルボキシフラボン(化1)
および/または3,2’,4’−トリヒドロキシ−6,
7−ジカルボキシフラボン(化2)とを溶解することを
特徴とする電解コンデンサの駆動用電解液。 【化1】 【化2】 - 【請求項2】 請求項1記載の3,3’,4’−トリヒ
ドロキシ−6,7−ジカルボキシフラボンまたは3,
2’,4’−トリヒドロキシ−6,7−ジカルボキシフ
ラボンの溶解量が、0.10〜5.00wt%であるこ
とを特徴とする電解コンデンサの駆動用電解液。
Priority Applications (1)
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JP2002147000A JP3963775B2 (ja) | 2002-05-22 | 2002-05-22 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
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JP (1) | JP3963775B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006332266A (ja) * | 2005-05-25 | 2006-12-07 | Nichicon Corp | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
JP2007005570A (ja) * | 2005-06-24 | 2007-01-11 | Nichicon Corp | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
-
2002
- 2002-05-22 JP JP2002147000A patent/JP3963775B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2006332266A (ja) * | 2005-05-25 | 2006-12-07 | Nichicon Corp | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
JP4541230B2 (ja) * | 2005-05-25 | 2010-09-08 | ニチコン株式会社 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
JP2007005570A (ja) * | 2005-06-24 | 2007-01-11 | Nichicon Corp | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
JP4641458B2 (ja) * | 2005-06-24 | 2011-03-02 | ニチコン株式会社 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
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