JP2003338381A - 有機elインジウム調整層用インク、および有機el表示装置 - Google Patents

有機elインジウム調整層用インク、および有機el表示装置

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JP2003338381A
JP2003338381A JP2002146563A JP2002146563A JP2003338381A JP 2003338381 A JP2003338381 A JP 2003338381A JP 2002146563 A JP2002146563 A JP 2002146563A JP 2002146563 A JP2002146563 A JP 2002146563A JP 2003338381 A JP2003338381 A JP 2003338381A
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Shoji Kozuka
祥二 小塚
Yasushi Mori
寧 森
Katsuyuki Naito
勝之 内藤
Naoko Kihara
尚子 木原
Masaro Amano
昌朗 天野
Hiroko Imamura
裕子 今村
Kazue Yamamoto
和重 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長寿命で初期特性が高く、画素むらのなく、
大面積化が容易な有機EL素子を与える有機ELインジ
ウム調整層用インクを用いて有機EL表示装置を提供す
る。 【解決手段】 Inを含有するアノード(3)、前記アノ
ード上に直接配置されたインジウム調整層(5,6,7)、前
記インジウム調整層上に配置されたポリマー発光層(8.
9.10)、および前記ポリマー発光層上に配置されたカソ
ード(12)を有した画素を含む有機EL表示装置である。
前記インジウム調整層は、ポリチオフェンおよびその誘
導体を含むドナー性分子とポリスチレンスルホン酸およ
びその誘導体を含むアクセプタ性分子との会合体、およ
び10ng/g以上300ng/g以下のインジウムを含有し、膜厚1
0nm以上200nm以下の層であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高輝度、長寿命の
有機EL表示装置を作製するために用いられる有機EL
インジウム調整層用インク、および有機EL表示装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】最近、有機物の多層膜を用いたエレクト
ロルミネセンス(EL)素子が注目されている(例え
ば、特開昭63−264692号、特開昭63−295
695号、特開平1−243393号、特開平1−24
5087号)。有機EL素子には大きく分けて、低分子
を真空蒸着して作製する方法と、ポリマー溶液を塗布し
て作製する方法の二つがある。ポリマー溶液を塗布する
方法は大面積化が容易であり、特にインクジェットプロ
セスにより高精細、大画面のフルカラーディスプレイを
製造するのに適している。
【0003】ポリマー有機EL素子においては、印加電
圧を低くするために膜厚が数十nmの有機薄膜が要求さ
れる。しかも、素子内および素子間での膜厚の均一性
や、正孔注入層製膜時におけるITOからのInの溶出
制御が必要である。しかしながら、正孔注入層において
透明電極であるITOからInが溶出して、素子の初期
特性やライフに影響を与えるという問題があった。
【0004】画素内膜厚の均一性やInの溶出量は、画
素寿命に大きく影響を与える。また、これらは製膜時に
おけるITO膜との密着性やマイブレーション効果やイ
ンクジェット製膜時のノズルの劣化、つまりは、画面内
の画素むらにも大きく影響を与える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、長寿
命で初期特性が高く、画素むらのなく、大面積化が容易
な有機EL素子を与える有機ELインジウム調整層用イ
ンク、および有機EL表示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の一態様に係る有
機ELインジウム調整層用インクは、水中にポリチオフ
ェンおよびその誘導体を含むドナー性分子とポリスチレ
ンスルホン酸およびその誘導体を含むアクセプタ性分子
との会合体が分散し、pHが1.5以上2.5以下であ
り、溶液濃度が0.5wt%以上1.5wt%以下であ
ることを特徴とする。
【0007】本発明の他の態様に係る有機EL表示装置
は、Inを含有するアノード、前記アノード上に直接配
置されたインジウム調整層、前記インジウム調整層上に
配置されたポリマー発光層、および前記ポリマー発光層
上に配置されたカソードを有した画素を含み、前記イン
ジウム調整層は、ポリチオフェンおよびその誘導体を含
むドナー性分子とポリスチレンスルホン酸およびその誘
導体を含むアクセプタ性分子との会合体、および10n
g/g以上300ng/g以下のインジウムを含有し、
膜厚10nm以上200nm以下の層であることを特徴
とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施形態を説明する。図1に本発明の一実施形態に
係る有機EL表示装置の1画素の概略断面図を示す。以
下においては図1を参照して説明するが、本発明の実施
形態に係る有機EL表示装置およびその製造方法はこれ
に限定されるものではない。
【0009】図1において、ガラスなどの絶縁性を有す
る透明基板1上に絶縁性材料からなる隔壁4が形成され
ている。隔壁4で分離された各セルは3種の発光色
(R、G、B)のうちいずれかの発光色を示す有機EL
素子で形成されている。すなわち、基板1表面にInを
含有するアノード3、In調整層5、6、7、ポリマー
発光層8、9または10、バッファ層11、カソード
(対向電極)12、銀電極13が順次形成された3つの
有機EL素子が隔壁4によって分離・形成されている。
なお、In調整層5、6、7は、いわゆる正孔注入層で
ある。ポリマー発光層8は発光中心の色素分子として赤
(R)の発光を示す材料が、ポリマー発光層9は発光中
心の色素分子として緑(G)の発光を示す材料が、ポリ
マー発光層10は発光中心の色素分子として青(B)の
発光を示す材料が使用されている。これらの有機EL素
子は、それぞれ基板1上に形成されたトランジスタ2と
接続されており、さらに最上層には封止膜14が形成さ
れている。
【0010】これらの3つの有機EL素子で形成された
3つのセルによって、1画素が形成されている。トラン
ジスタ2によって、適宜いずれかの有機EL素子のアノ
ード−カソード(対向電極)間に電圧を印加すること
で、ポリマー発光層8、9または10から所望の色を発
光させる。即ち、アノード3から供給された正孔はIn
調整層5、6、7を通してポリマー発光層8、9または
10へ、カソード12から供給された電子はバッファ層
11を通してポリマー発光層8、9または10へ達す
る。その結果、ポリマー発光層中で正孔と電子が再結合
することで発光が生じ、透明基板1側からこの所望の色
を観測することが可能になる。このような画素を2次元
的に配列することで、本発明の有機EL表示装置を作製
することができる。
【0011】In調整層5、6、7は、本発明の実施形
態にかかる有機ELインジウム調整層用インクを用いて
形成される。有機ELインジウム調整層用インクとして
は、水中にドナー性分子とアクセプタ性分子の会合体が
分散したインクが使用される。ドナー性分子はポリチオ
フェンおよびその誘導体であることが好ましく、アクセ
プタ性分子はポリスチレンスルホン酸およびその誘導体
であることが好ましい。具体的には、ドナー性分子とし
てはポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロールなど
の導電性高分子が好ましい。さらにドナー性分子として
は、可視域での光吸収が少ない、ポリ(3,4―ジアル
コキシチオフェン)がより好ましい。アクセプタ性分子
としてはポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸など
の酸性高分子が好ましい。
【0012】前述のドナー性分子およびアクセプタ性分
子が分散される水は、純水、イオン交換水、または蒸留
水とすることができる。さらに、メタノール、エタノー
ル、およびイソプロピルアルコールから選択される少な
くとも1種のアルコールが含有されてもよい。アルコー
ルが含有されることによって、低温での熱処理が可能と
なり、水の含有量を低減できる点からも好ましい。ただ
し、アルコールの含有量の上限は、全溶媒中の50wt
%程度とすることが望まれる。50wt%を越えると、
PEDOT・PSSインクの分散性が低下するおそれが
ある。
【0013】本発明の実施形態において、インジウム調
整層用インクのpHは、1.5以上2.5以下に制限さ
れる。pHが1.5未満の場合には、インクジェット・
プリンタを用いて成膜する際にインクジェット・プリン
タのノズル詰まりが生じる。一方、2.5を越えた場合
には、均一な膜質のIn調整層を成膜することが困難と
なる。また、In調整層用インクにおける溶液濃度は、
0.5wt%以上1.5wt%以下の範囲内に制限され
る。0.5wt%未満の場合には、In調整層の膜厚を
均一に塗布することが困難となる。一方、1.5wt%
を越えると、In調整層の膜厚が厚くなるため電気抵抗
値が大きくなり正孔注入量が低下するおそれがある。
【0014】In調整層用インクのpHおよび溶液濃度
は、例えば、PSSとPEDOTとを同時に添加するこ
とによって上述した範囲内とすることができる。この場
合、ナトリウム塩を用いてもよいが、ナトリウム塩の場
合、添加量にもよるが発泡したり、ナトリウムイオンが
増加することで特性に悪影響を与えるおそれがあること
を考慮すると、塩以外のPSSを用いることがより好ま
しい。さらに、添加されるPSSおよびPEDOTの少
なくとも一方として、分子量30,000〜800,0
00の高分子材料を用いると、インクジェットプリンタ
用インクに適正な粘度を調整する点で有利である。
【0015】PSSおよびPEDOTを添加することに
よりpHおよび溶液濃度が調整されたIn調整層用イン
クは、必要に応じて、水、純水、イオン交換水、蒸留
水、メタノール、エタノール、またはイソプロピルアル
コール等を用いて適宜希釈してもよい。
【0016】In調整層用インクにおけるドナー性分子
の吸光度(Id)とアクセプタ性分子の吸光度(Ia)と
の比(Id/Ia)は、1/40以下1/60以上である
ことが好ましい。1/40以下とすることによって、ポ
リマー発光層の劣化を抑制する効果が高められ、素子の
寿命をよりいっそう延ばすことができ、1/60以上と
することによって、正孔注入層の機能が高められ、初期
輝度をさらに大きくすることができる。したがって、吸
光度比(Id/Ia)をこうした範囲内とすることによっ
て、得られる有機EL表示装置の輝度半減寿命および初
期輝度を、よりいっそう向上させることが可能となる。
【0017】強度比は、PEDOT・PSS溶液の透析
処理、あるいはPEDOT・PSS溶液にPSS溶液を
添加することによって調整することができる。
【0018】上述したようなインクをインクジェット方
式によって塗布することにより、正孔注入層としてのI
n調整層を形成することができる。インクジェット塗布
は、スピンコートなどと異なり、インク粘度に非常に敏
感である。インク中において成分の凝集などが起きると
インクの粘度が変化するため、塗布製膜の再現性が損な
われるし、ノズルの詰まりなど装置故障の原因にもな
る。したがって、成分が凝集しにくく、長期間安定なイ
ンクを用いてインクジェット方式によって塗布すること
ができれば、非常にメリットが大きい。
【0019】本発明の実施形態の有機EL表示装置にお
いて、In調整層の厚さは、10nm以上200nm以
下の範囲内に制限され、このIn調整層の厚さは、用い
るIn調整層用インクの溶液濃度に応じて決定される。
In調整層の厚さが10nm未満の場合には、均一な膜
質で成膜することが困難となって、素子毎の発光性にバ
ラツキが生じる。一方、200nmを越えると、In調
整層中での電子または正孔の失活が多くなり、ポリマー
発光層の発光効率が低減する。
【0020】また、In調整層におけるIn含有量は、
10ng/g以上300ng/g以下の範囲内に制限さ
れる。In調整層中のIn含有量は、用いられるIn調
整層用インクのpHに応じて決定されるものである。I
n調整層に含有されるIn量が300ng/gを越える
と、電子または正孔の失活が多くなるという不都合が生
じる。なお、ITOとIn調整層の密着性を高めるため
に、少なくとも10ng/gのInがIn調整層に含有
される。
【0021】In調整層には、Inに加えてSnが5〜
200ng/g程度含有されていてもよい。
【0022】上述したような厚さおよびIn含有量の条
件を満たしたIn調整層を備えた本発明の実施形態の有
機EL表示装置においては、ITOからなるアノード3
中のInおよびSnが溶解して、ITO表面とIn調整
層との界面にマイブレーション層が形成され、それによ
ってITOとIn調整層との密着性が高められる。こう
した有機EL表示素子では、正孔輸送効率および画素の
発光効率が向上して、初期特性が高くなるともに寿命が
長くなる。ITOから溶出したInおよびSnはIn調
整層で制御されるので、他の層(EL層や電極など)へ
のイオンや分子の移動を防ぐ効果があり、寿命や効率に
よい。このため、本発明の実施形態に係る有機EL表示
装置は、対角10インチ以上の大きな表示画面を持つも
のに特に有効である。しかも、In調整層の膜厚を制御
していることにより、正孔注入効率を向上させるという
優れた作用を持つ。
【0023】ポリマー発光層の厚さは約10nm〜20
0nmが望ましい。ポリマー発光層の厚さが200nm
よりも厚い場合には、駆動電圧を高くしなければなら
ず、また注入された電子または正孔が失活して電子−正
孔の再結合確率が低下し、ポリマー発光層の発光効率が
低下するおそれがある。一方、10nmよりも薄い場合
には、均一な製膜が困難となり、素子ごとの発光性にば
らつきが生じるおそれがある。
【0024】本発明の実施形態において、アノードには
Inを含有する透明導電性材料が使用され、カソードに
は導電性材料が使用される。有機EL素子が形成される
基板は特に限定されないが、基板側を発光面として使用
する場合、ガラスなどの透明性基板が使用される。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0026】実施例1 まず、In調整層を形成するためのインクとして、化学
式(1)で示されるPEDOT・PSS化合物を含むイ
ンク原料(バイエル社製、PEDOTインクCH800
0)を用意した。
【0027】
【化1】
【0028】このインクのpHおよび溶液濃度を、下記
表1に示されるように調整して、5種類のIn調整層用
インク(A1〜E1)を準備した。
【0029】
【表1】
【0030】なお、pHおよび濃度の調整は、PSSと
PEDOTとを同時に添加することにより行なった。さ
らに、透析、イオン交換水による希釈、イオン交換水で
希釈したPSSを添加することによりpHの微調整を行
ない、イオン交換水による希釈および濃縮操作(例え
ば、限外濾過法等)、またはイオン交換水で希釈したP
SSを添加することにより濃度の微調整を行なった。
【0031】In調整層用インクA1〜E1を用いて、
ITOおよびPEDOT・PSS膜が順次形成されたガ
ラス基板上にインクジェット・プリンタによりIn調整
層を成膜した。In調整層の状態および印刷時のインク
ジェットプリンタノズル詰まり状態を調べ、得られた結
果を下記表2にまとめる。
【0032】
【表2】
【0033】表2から明らかなように、pHを1.5以
上2.5以下に調整するとともに、溶液濃度を0.5w
t%以上1.5wt%以下に調整したIn調整用インク
(A1〜C1)を用いることによって、インクジェット
・プリンタを用いた印刷による製膜時に製膜開始から終
了まで膜質の均一性を高めることができる。さらに、イ
ンクジェット・プリンタのノズル詰まりを軽減させる、
あるいは、ノズル詰まりを生じさせないことが確認でき
た。
【0034】pHの範囲が1.5未満または2.5を越
える場合(D1、E1)には、いずれも均一な膜質でI
n調整層を成膜することができない。
【0035】実施例2 単色の有機EL素子で3色の画素(1画素のサイズは1
00μm四方)を形成し、図1に示す2.5インチ四方
の有機EL表示装置を作製した例について説明する。
【0036】ガラス基板1上に、常法によりTFT2を
形成し、アノード3として透明性導電材料であるITO
(インジウム−チン−オキサイド)を膜厚50nmで製
膜した。また、フォトレジストプロセスにより隔壁4を
格子状に形成した。次に、正孔注入層としてのIn調整
層5および6には、前記化学式(1)に示したPEDO
T・PSS化合物を用い、正孔注入層としてのIn調整
層7には、実施例1で調製したインクA1〜E1のいず
れかのインクを用いて、それぞれインクジェット方式に
より20nmの膜厚に製膜した。なお、インクA1〜E
1は、In調整層7に限らず、In調整層5、6に用い
ることもできる。
【0037】ポリマー発光層8の材料としては、下記化
学式(2)で示される赤色に発光するポリ(3−アルキ
ルチオフェン)(poly[3−alkylthiop
hene]:PAT)を用い、インクジェット方式によ
ってポリマー発光層8を製膜した。
【0038】
【化2】
【0039】ポリマー発光層9の材料としてホスト分子
である化学式(3)で示される化合物中に、発光中心の
色素分子である化学式(4)で示される化合物を0.5
wt%のドーピングしたものを用い、インクジェット方
式によって緑色発光のポリマー発光層9を製膜した。
【0040】
【化3】
【0041】ポリマー発光層10の材料として化学式
(5)で示される青色に発光するポリ(9,9’−ジア
ルキルフルオレン)(poly[9,9’−dialk
ylfluorene]:PDAF)を用い、インクジ
ェット方式によって青色発光のポリマー発光層10を製
膜した。
【0042】
【化4】
【0043】いずれのポリマー発光層も、膜厚は80n
mとした。
【0044】バッファ層11として厚さ約3nmのLi
Fをスパッタリングにより形成した。その上に、カソー
ド12として厚さ約100nmのCa(カルシウム)を
形成し、さらにその上に厚さ約300nmの銀電極13
を形成した。最表面に封止膜14を形成して各画素を封
止した。
【0045】この有機EL表示装置を20mA/cm2
の電流密度で駆動させて、初期輝度および輝度半減寿命
を測定した。得られた結果を、In調整層中のIn量と
ともに下記表3にまとめる。
【0046】
【表3】
【0047】表3から明らかなように、pHおよび溶液
濃度が本発明の実施形態の範囲内であるIn調整層用イ
ンク(A1〜C1)を用いた場合には、形成されるIn
調整層におけるIn含有量は10ng/g〜300ng
/gの範囲内である。こうしたIn調整層を備えた有機
EL表示装置は、いずれも10000時間以上の半減寿
命を有し、初期輝度も600cd/m2以上であること
がわかった。
【0048】これに対し、pHの範囲が1.5未満また
は2.5を越えるインク(D1、E1)を用いた場合に
は、In調整層中のIn含有量を10ng/g〜300
ng/gの範囲内に抑えることができない。しかも、輝
度半減寿命が1000時間にも達せず短寿命であり、初
期輝度も本発明の実施形態より劣っていることが確認さ
れた。
【0049】実施例3 前述の実施例2で調整したインク(B1)において、ド
ナー性分子であるPEDOTの吸光度(Id)とアクセ
プタ性分子であるPSSの吸光度(Ia)との比(Id
a)を変化させて、A2〜E2の5種類のIn調整層
用インクを調製した。インクの強度比は、PEDOT・
PSS溶液の透析処理、あるいはPEDOT・PSS溶
液にPSS溶液を添加することによって、PEDOT・
PSS化合物におけるそれぞれの吸収スペクトルを表4
に示す値に調整した。
【0050】なお、PEDOTおよびPSSの最大吸収
波長は、荷電状態の違い等により若干異なることがある
が、概ねそれぞれ、850nmおよび225nmであ
る。このとき、PEDOTとPSSとのモル吸光係数の
違いから、850nmにおける吸光度は50倍希釈した
溶液にて、225nmにおける吸光度は1000倍希釈
した溶液にて測定を行なった。
【0051】得られたインクを用いてIn調整層7を成
膜した以外は、前述の実施例2と同様の手法により、図
1に示す3色の有機EL表示装置を作製した。
【0052】この有機EL表示装置を20mA/cm2
の電流密度で駆動させて、初期輝度および輝度半減寿命
を測定し、得られた結果を下記表4にまとめる。
【0053】
【表4】
【0054】表4から明らかなように、ドナー性分子の
吸光度(Id)とアクセプタ性分子の吸光度(Ia)との
比(Id/Ia)を1/40以下1/60以上の範囲内と
することによって、輝度半減寿命および初期輝度が、よ
りいっそう向上することが確認された。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、長
寿命で初期特性が高く、画素むらのなく、大面積化が容
易な有機EL素子を与える有機ELインジウム調整層用
インク、および有機EL表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる有機EL表示装置
を示す断面図。
【符号の説明】
1・・・基板 2・・・トランジスタ 3・・・アノード(ITO) 4・・・隔壁 5・・・正孔注入層 6・・・正孔注入層 7・・・正孔注入層 8・・・ポリマー発光層(R) 9・・・ポリマー発光層(G) 10・・・ポリマー発光層(B) 11・・・バッファ層 12・・・カソード 13・・・銀電極 14・・・封止膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 寧 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 内藤 勝之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 木原 尚子 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番地2 株式 会社東芝深谷工場内 (72)発明者 天野 昌朗 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 今村 裕子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 山本 和重 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番地2 株式 会社東芝深谷工場内 Fターム(参考) 3K007 AB01 AB02 AB11 DB03 FA01 4J039 AD03 AE13 BC07 BE12 CA06 EA27 FA04 GA24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中にポリチオフェンおよびその誘導体
    を含むドナー性分子とポリスチレンスルホン酸およびそ
    の誘導体を含むアクセプタ性分子との会合体が分散し、
    pHが1.5以上2.5以下であり、溶液濃度が0.5
    wt%以上1.5wt%以下であることを特徴とする有
    機ELインジウム調整層用インク。
  2. 【請求項2】 前記ドナー性分子の吸光度(Id)と前
    記アクセプタ性分子の吸光度(Ia)との比(Id
    a)は、1/40以下1/60以上であることを特徴
    とする請求項1に記載の有機ELインジウム調整層用イ
    ンク。
  3. 【請求項3】 Inを含有するアノード、 前記アノード上に直接配置されたインジウム調整層、 前記インジウム調整層上に配置されたポリマー発光層、
    および前記ポリマー発光層上に配置されたカソードを有
    した画素を含み、 前記インジウム調整層は、ポリチオフェンおよびその誘
    導体を含むドナー性分子とポリスチレンスルホン酸およ
    びその誘導体を含むアクセプタ性分子との会合体、およ
    び10ng/g以上300ng/g以下のインジウムを
    含有し、膜厚10nm以上200nm以下の層であるこ
    とを特徴とする有機EL表示装置。
  4. 【請求項4】 前記ドナー性分子の吸光度(Id)と前
    記アクセプタ性分子の吸光度(Ia)との比(Id
    a)は、1/40以下1/60以上であることを特徴
    とする請求項3に記載の有機EL表示装置。
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WO2022134810A1 (zh) * 2020-12-24 2022-06-30 京东方科技集团股份有限公司 光电器件

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