JP2003336909A

JP2003336909A - 静止型集光装置

Info

Publication number: JP2003336909A
Application number: JP2002139843A
Authority: JP
Inventors: Yozo Oko; 洋三大古
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2002-05-15
Filing date: 2002-05-15
Publication date: 2003-11-28

Abstract

(57)【要約】【課題】複雑な移動機構を必要とせず、簡易な構成
で廉価な静止型の集光装置を提供する。【解決手段】略漏斗状の透明で、内面および外面とも
に内方に膨出湾曲させ、上端開口部から入射した太陽光
線を内部で全反射させながら伝送して集光し、下端から
出射させる集光レンズ１と、前記集光レンズ１の外側に
設けられ、内面に反射膜２ｃを有し、該集光レンズ１を
透過した光線を反射させると共に、該集光レンズ１を保
護するレンズカバー２と、前記集光レンズ１の上端部に
設けられ、入射する光線を該集光レンズ１の下部に向け
て反射させる集光プリズム３と、前記集光レンズ１と集
光プリズム３との間に設けられ、入射する光線を該集光
レンズ１または集光プリズム３に向けて反射させる両面
反射鏡４とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、静止状態で設置
して多方向から入射する太陽光線を集光し、その光エネ
ルギーを光電変換器または光熱変換器によって電気エネ
ルギーや熱エネルギーに変換して有効利用できるように
するための静止型集光装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】太陽光線の光エネルギーを、光電変換
器や光熱変換器によって電気エネルギーや熱エネルギー
に変換して利用すべく、太陽光を収集するための集光装
置が存在する。従来、この集光装置としては、レンズや
反射鏡を利用したものや、太陽電池パネルを利用したも
のがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、レンズや反
射鏡を利用した集光装置は、太陽光を一定の角度で正確
に入射させる必要があるため、光線追尾装置等の複雑な
移動機構が必要であり、高価なものとなっている。ま
た、この集光装置は、曇天時において、太陽光線の入射
方向が不明確な場合は集光効率が低下するという問題も
ある。

【０００４】また、太陽電池パネルを利用したものは、
多方向から入射する太陽光線を集光することができるも
のの、受光面積に等しい太陽電池を必要とするため、高
価である。

【０００５】本発明はこうした問題に鑑み創案されたも
ので、複雑な移動機構を必要とせず、簡易な構成で廉価
な静止型の集光装置を提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】図面を参照して説明す
る。第一の発明は、静止状態で設置する集光装置であっ
て、略漏斗状の透明で、内面および外面ともに内方に膨
出湾曲させ、上端開口部から入射した太陽光線を内部で
全反射させながら伝送して集光し、下端から出射させる
集光レンズ１と、前記集光レンズ１の外側に設けられ、
内面に反射膜２ｃを有し、該集光レンズ１を透過した光
線を反射させると共に、該集光レンズ１を保護するレン
ズカバー２とからなる。

【０００７】第二の発明は、静止状態で設置する型集光
装置であって、略漏斗状の透明で、内面および外面とも
に内方に膨出湾曲させ、上端開口部から入射した太陽光
線を内部で全反射させながら伝送して集光し、下端から
出射させる集光レンズ１と、前記集光レンズ１の外側に
設けられ、内面に反射膜２ｃを有し、該集光レンズ１を
透過した光線を反射させると共に、該集光レンズ１を保
護するレンズカバー２と、前記集光レンズ１の上端部に
設けられ、入射する光線を該集光レンズ１の下部に向け
て反射させる集光プリズム３とからなる。

【０００８】第三の発明は、静止状態で設置する集光装
置であって、略漏斗状の透明で、内面および外面ともに
内方に膨出湾曲させ、上端開口部から入射した太陽光線
を内部で全反射させながら伝送して集光し、下端から出
射させる集光レンズ１と、前記集光レンズ１の外側に設
けられ、内面に反射膜２ｃを有し、該集光レンズ１を透
過した光線を反射させると共に、該集光レンズ１を保護
するレンズカバー２と、前記集光レンズ１の上端部に設
けられ、入射する光線を該集光レンズ１の下部に向けて
反射させる集光プリズム３と、前記集光レンズ１と集光
プリズム３との間に設けられ、入射する光線を該集光レ
ンズ１または集光プリズム３に向けて反射させる両面反
射鏡４とからなる。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明に係る静止型集光装置の
実施形態を、図１乃至図４に示す。この集光装置は、移
動機構を持たず、静止状態で設置するものであり、集光
レンズ１、レンズカバー２、集光プリズム３および両面
反射鏡４で構成される。これら各部材の寸法は、集光量
に応じて任意に設定する。

【００１０】集光レンズ１は、略漏斗状の透明で、内面
および外面ともに内方に膨出湾曲させ、上端開口部から
入射した太陽光線を内部で全反射させながら伝送して集
光し、下端から出射させて、光電変換器や光熱変換器に
供給する。この集光レンズ１の内面および外面の膨出湾
曲は、入射した光線を可能な限りその中で全反射させな
がら下端部まで伝送できる出射口に伝達できる形状に設
定している。

【００１１】レンズカバー２は、集光レンズ１の外側に
設けられた同じく略漏斗状のカバー本体２ａと、当該カ
バー本体２ａの上端開口部を密閉する蓋体２ｂで構成さ
れる。カバー本体２ａの内面には蒸着加工によって反射
膜２ｃを設けており、集光レンズ１を透過した光線を反
射させるはたらきと、集光レンズ１を保護するはたらき
を持つ。反射膜２ｃは、光線の入射角が小さく集光レン
ズ１で全反射ができない場合に当該光線を反射させ、通
過損失の低減を図るのに役立つ。このレンズカバー２
は、カバー本体２ａを球面状の蓋体２ｂによって密封し
ており、集光レンズ１や反射膜２ｃが、水分、有害ガス
あるいは塵埃などで汚れたり損傷しないように、また屋
外に設置した場合に上部に積る塵埃を降雨により除去で
きるようにしている。従って、このレンズカバー２は、
高い機械的強度と耐候性を備えている。また、合成樹脂
のように、安価で加工性の良い材料で形成している。

【００１２】集光プリズム３は、集光レンズ１の上端部
に設けられ、入射する光線を集光レンズ１の下部に向け
て反射させる。この集光プリズム３は、図４に示すよう
に、正面三角形状で側面六角形状とし、左右に対向して
二つ設けることができる。

【００１３】こうした形状の集光プリズム３において、
例えば、右側の集光プリズム３の外面３ａ上部に入射し
た光線は、光線Ｌのようにその入射角が大きいと、内面
３ｂに臨界角以上で当たって全反射し、方向転換して下
方へ伝送される。逆に、光線Ｍのように入射角が小さい
と、内面３ｂには臨界角以下で当たるのでこれを通過
し、左側の集光プリズム３に入射する。この場合、光線
は右側の集光プリズム３を通過した際に、下方に方向変
換されているので、左側の集光プリズム３内では全反射
する。このようにして、複数の集光プリズム３によって
受光角の拡大を図ることができる。なお、集光プリズム
３の寸法および頂角の大きさは、受光角が最大になるよ
うに設定する。また、この集光プリズム３は水平方向の
入射光線に対しても、その受光角を拡大する効果があ
る。

【００１４】そして、両面反射鏡４は、集光レンズ１と
集光プリズム３との間に設けられ、入射する光線を集光
レンズ１または集光プリズム３に向けて反射させる機能
を有する。この両面反射鏡４は、高反射率を有するアク
リル樹脂やポリカーボネートあるいは金属で構成し、多
方向から入射した光線が反射して集光レンズ１または集
光プリズム３で全反射を起こし易いような角度で入射す
るような形態で設定する。この両面反射鏡４は、水平方
向の入射光線についても、その受光角を拡大するはたら
きを持つ。

【００１５】この静止型集光装置の作用を、図１を参照
しながら、入射角度の小さい光線Ａから入射角度の大き
い光線Ｅまでを例にとって説明する。

【００１６】最も入射角度の小さい光線Ａの場合は、蓋
体２ｂを通過後、入射角度が小さいので集光レンズ１を
通過して、カバー本体２ａの内面に設けた反射膜２ｃで
反射する。反射した光線Ａは、再び集光レンズ１に入射
するが、入射角が大きいため通過せず、集光レンズ１内
で全反射を繰り返しながら下端部に達し、そこから出射
する。光線Ａとほぼ同じ入射角で入射する光線は、同様
の経路をたどって下端部から出射する。

【００１７】やや入射角の大きな光線Ｂの場合は、蓋体
２ｂを通過後、集光プリズム３に入射し、その中で全反
射を繰り返しながら方向変換した後出射した後、集光レ
ンズ１に入射する。そして、集光レンズ１内で全反射し
た後、その下端部から出射する。

【００１８】さらに入射角の大きな光線Ｃの場合は、蓋
体２ｂを通過後、両面反射鏡４で反射した後、集光プリ
ズム３に入射する。そして、集光プリズム３内で全反射
した後、集光レンズ１を通過してその下端部から出射す
る。

【００１９】それよりさらに入射角大きな光線Ｄの場合
は、上部カバーを通過後、集光プリズム３を通過した
後、両面反射鏡４に達し、そこで反射する。そして、再
び集光プリズム３に入射して通過し、他方の集光プリズ
ム３を通過した後、さらに集光レンズ１を通過してレン
ズカバー２の反射膜２ｃで反射する。反射した光線Ｄは
再び集光レンズ１に入射し、その内部で全反射した後、
下端部から出射する。

【００２０】入射角が大きく集光レンズ１の周辺部に入
射した光線Ｅの場合は、蓋体２ｂを通過後、両面反射鏡
４で反射した後、集光レンズ１を通過し、反射膜２ｃで
反射する。そして、再び集光レンズ１に入射した後、そ
の中で全反射を繰り返した後、下端部から出射する。

【００２１】なお、本発明に係る静止型集光装置は、直
接入射する光線のみでなく、その周辺で反射した光線も
効率良く集光することができる。また、この集光装置
は、軽量で、加工性および耐候性に優れるアクリル樹脂
やポリカーボネート等のみで制作することが可能であ
り、これにより廉価な製品を容易に量産することができ
る。また、この集光装置を太陽電池と組合わせて高価な
太陽電池の量を低減することによって、低廉な太陽光発
電装置を製造することもできる。

【００２２】また、本発明に係る静止型集光装置は、あ
らゆる方向から入射した光線を全て一定方向に出射する
ので、当該出射光線を光ファイバーに接続して伝送して
光として使用することができる。さらに、本集光装置を
多数設置して、それらに接続した光ファイバーで集めた
光線エネルギーで光熱変換器を駆動することもできる。

【００２３】

【発明の効果】請求項１に記載の静止型集光装置は、
集光レンズ１とレンズカバー２とで構成し、複雑な移動
機構を不要としているので、構成が簡易で廉価であり、
かつ効果的に集光することができる。

【００２４】請求項２に記載の静止型集光装置は、集光
レンズ１、レンズカバー２および集光プリズム３で構成
しているので、簡易かつ廉価であり、より効果的に集光
することができる。

【００２５】請求項３に記載の静止型集光装置は、集光
レンズ１、レンズカバー２、集光プリズム３および両面
反射鏡４で構成しているので、簡易かつ廉価であり、さ
らに効果的に集光することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る静止型集光装置の実施形態を示
す正面断面図である。

【図２】図１に示す集光装置の平面図である。

【図３】図１に示す集光装置の底面図である。

【図４】本発明における集光プリズムの実施形態を示
すもので、（ａ）は正面図、（ｂ）は側面図、（ｃ）は
平面図である。

【符号の説明】

１集光レンズ２レンズカバー２ａカバー本体２ｂ蓋体２ｃ反射膜３集光プリズム３ａ外面３ｂ内面４両面反射鏡Ａ〜Ｅ太陽光線Ｌ，Ｍ太陽光線

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】静止状態で設置する集光装置であって、略漏斗状の透明で，内面および外面ともに内方に膨出湾
曲させ，上端開口部から入射した太陽光線を内部で全反
射させながら伝送して集光し，下端から出射させる集光
レンズ（１）と、前記集光レンズの外側に設けられ，内面に反射膜（２
ｃ）を有し，該集光レンズを透過した光線を反射させる
と共に，該集光レンズを保護するレンズカバー（２）と
からなる静止型集光装置。
【請求項２】静止状態で設置する集光装置であって、略漏斗状の透明で，内面および外面ともに内方に膨出湾
曲させ，上端開口部から入射した太陽光線を内部で全反
射させながら伝送して集光し，下端から出射させる集光
レンズ（１）と、前記集光レンズの外側に設けられ，内面に反射膜（２
ｃ）を有し，該集光レンズを透過した光線を反射させる
と共に，該集光レンズを保護するレンズカバー（２）
と、前記集光レンズの上端部に設けられ，入射する光線を該
集光レンズの下部に向けて反射させる集光プリズム
（３）とからなる静止型集光装置。
【請求項３】静止状態で設置する集光装置であって、略漏斗状の透明で，内面および外面ともに内方に膨出湾
曲させ，上端開口部から入射した太陽光線を内部で全反
射させながら伝送して集光し，下端から出射させる集光
レンズ（１）と、前記集光レンズの外側に設けられ，内面に反射膜（２
ｃ）を有し，該集光レンズを透過した光線を反射させる
と共に，該集光レンズを保護するレンズカバー（２）
と、前記集光レンズの上端部に設けられ，入射する光線を該
集光レンズの下部に向けて反射させる集光プリズム
（３）と、前記集光レンズと集光プリズムとの間に設けられ，入射
する光線を該集光レンズまたは集光プリズムに向けて反
射させる両面反射鏡（４）とからなる静止型集光装置。