JP2003332020A - スパークプラグの製造方法 - Google Patents

スパークプラグの製造方法

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JP2003332020A
JP2003332020A JP2002141114A JP2002141114A JP2003332020A JP 2003332020 A JP2003332020 A JP 2003332020A JP 2002141114 A JP2002141114 A JP 2002141114A JP 2002141114 A JP2002141114 A JP 2002141114A JP 2003332020 A JP2003332020 A JP 2003332020A
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electrode
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JP2002141114A
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Wataru Matsutani
渉 松谷
Osamu Yoshimoto
修 吉本
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極チップを、原料粉を成形・焼結すること
により作製する際に、得られる電極チップに割れやクラ
ックが発生しにくいスパークプラグの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 電極チップ31’となる成形体33を、
BNにて構成される溶着防止材35が懸濁された溶媒3
4中に浸漬させて、該成形体33の表面に溶着防止材3
5を付着させる。ついで、溶着防止材35が付着した成
形体33’を、複数の成形体33’が互いに接触する状
態で熱処理炉内に配置し、成形体33’を焼結させて電
極チップ31’を得る。得られた電極チップ31’の表
面に付着する溶着防止材35を、電極チップ31’の表
面を洗浄することにより除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパークプラグの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スパークプラグの発火部における耐久性
を向上させるために、中心電極及び接地電極の少なくと
も一方に、例えば、IrあるいはIr合金等の貴金属あ
るいは貴金属合金(以下、貴金属に含まれるものとす
る)にてなる電極チップを固着させて発火部とするもの
がある。このような電極チップは、例えば、貴金属にて
なる線材を所定の長さに切断したり、板状部材から貴金
属をチップ形状に打ち抜いたりして形成される。しか
し、これらの方法においては、貴金属の融点が比較的高
いので、切断あるいは打ち抜き前の線材や板状部材への
加工の際に、高温で行なわなければならず、その加工が
困難であったり、複雑な形状の電極チップを形成するこ
とが困難であったりする。また、切断あるいは打ち抜く
際、電極チップに割れやクラックが生じ易い。そこで、
電極チップを構成する貴金属の原料粉を、例えば混合・
圧縮してチップ形状に成形し、得られる成形体を焼結す
ることにより、電極チップを作製する方法が採用される
場合もある。以下、該方法を粉末焼結法ともいう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電極チ
ップを上記粉末焼結法により作製する場合、複数の成形
体を、成形体同士が互いに接触する状態で焼結すること
があるが、粉末焼結法では、ある程度の焼結密度を実現
するために、貴金属の融点の約80%程度の焼結温度ま
で上げる必要があるので、個々の成形体がお互いに溶着
してしまうことがある。そのため、焼結後に溶着した電
極チップを個々に分離する必要があり、その際に、電極
チップに割れやクラックが発生し、電極チップの歩留ま
りが低下してしまう。また、外見上では、割れやクラッ
クが識別できなくても、表面に微小なクラックが発生し
ていたり、あるいは内部にクラックが発生したりする場
合がある。このような電極チップを用いてスパークプラ
グを製造すると、中心電極あるいは接地電極との溶接時
やスパークプラグの使用時に、電極チップに内在するク
ラックが進展して、電極チップが脱落する場合もある。
【0004】本発明は、上記のような問題を解決するた
めに為されたものであり、原料粉を成形し、成形体を焼
結することにより電極チップを作製する際に、電極チッ
プに割れやクラックが発生しにくいスパークプラグの製
造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記課題
を解決するために、本発明のスパークプラグの製造方法
は、電極チップの原料粉を成形し、得られる複数の成形
体を、該成形体が互いに接触する状態で焼結させて、電
極チップを形成する工程と、中心電極及び接地電極の少
なくとも一方に、電極チップを固着する工程とを含むス
パークプラグの製造方法において、成形体の表面に、該
成形体同士の溶着を防止するための溶着防止材を付着さ
せ、その上で該成形体を焼結させて電極チップを形成す
ることを特徴とする。
【0006】このように、原料粉を成形してなる成形体
に、成形体同士の溶着を防止する溶着防止材を付着させ
て、焼結することにより、複数の成形体が接触する状態
にて同時に焼結したとしても、該成形体同士が溶着する
ことを防止することができる。したがって、焼結後の電
極チップを個々に分離する必要もなく、電極チップへの
割れやクラックの発生を抑制することができ、電極チッ
プの生産歩留まりを向上できる。また、電極チップの内
部にクラックが残留することもないので、電極チップを
中心電極あるいは接地電極に溶接して発火部を形成した
としても、溶接時やスパークプラグの使用時に、電極チ
ップが脱落することもない。
【0007】本発明に使用される溶着防止材として、成
形体の焼結温度において、原料粉の構成成分と固溶しな
い無機材料粉末を使用するのがよく、さらに、電極チッ
プの原料粉よりも融点の高いものを使用するのがよい。
焼結時において、成形体同士が溶着するのは、焼結温度
において、成形体の表面同士が一部固溶するからであ
る。そこで、成形体同士が直接接触しにくいように、溶
着防止材を付着させるのであるが、溶着防止材自体が成
形体と、該成形体の焼結時に固溶してしまっては意味が
ない。また、溶着防止材の融点が原料粉の融点よりも低
いと、焼結中に溶着防止材自体が融点近くまで、あるい
は融点以上まで加熱される結果、成形体と固溶し易くな
る。一方、溶着防止材の融点が原料粉の融点と同等であ
っても、成形体の焼結温度において、成形体と溶着防止
材との固溶を十分に抑制することが困難である。従っ
て、溶着防止材の融点は、原料粉融点よりも高くするの
がよい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を使用して、本
発明の実施の形態について述べる。図1は本発明の製造
方法により得られるスパークプラグ100の一例を示し
た縦断面図である。スパークプラグ100は、筒状の主
体金具1、先端部21が突出するようにその主体金具1
の内側に嵌め込まれた絶縁体2、先端に形成された発火
部31を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた
中心電極3、及び主体金具1に一端が溶接等により結合
されるとともに、他端側が側方に曲げ返されて、その側
面が中心電極3の発火部31と対向するように配置され
た接地電極4等を備えている。また、接地電極4には上
記発火部31に対向する発火部32が形成されており、
それら発火部31の放電面31aと発火部32の放電面
32aとに挟まれた隙間に火花放電ギャップgが形成さ
れる。
【0009】なお本明細書でいう「発火部」とは、接合
された電極チップのうち、溶接による組成変動の影響を
受けていない部分(例えば、溶接により接地電極ないし
中心電極の材料と合金化した部分を除く残余の部分)を
指すものとする。また、「主成分」(「主に〜構成され
る」あるいは「主体に〜構成される」等も同義)とは、
着目している材料中にて、最も質量含有率の高い成分を
意味する。さらに、「〜から選ばれる1種、又は2種以
上を主体に〜構成される」とは、選ばれる金属の合計含
有量が、着目している材料中にて、最も多いことを意味
する。
【0010】絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化
アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、そ
の内部には自身の軸方向に沿って中心電極3及び端子金
具8を嵌め込むための孔部6を有している。また、主体
金具1は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されて
おり、スパークプラグ100のハウジングを構成すると
ともに、その外周面には、プラグ100を図示しないエ
ンジンブロックに取り付けるためのねじ部7が形成され
ている。
【0011】なお、発火部32を省略する構成としても
よい。この場合には、発火部31と、発火部を有さない
接地電極4の側面との間で火花放電ギャップgが形成さ
れることとなる。なお、中心電極3の軸線方向先端側に
形成される発火部31は、例えば、レーザー溶接や抵抗
溶接等により、中心電極3の先端面に電極チップ31’
を重ね合わせて、該電極チップ31’と中心電極3の先
端面を構成する電極母材とを相互に溶融し、両者を溶接
することにより形成される。さらに、接地電極4側に発
火部32を形成する場合は、電極チップ31’と同様あ
るいは異なる組成の電極チップをレーザー溶接あるいは
抵抗溶接することにより発火部32とすることができ
る。
【0012】上記中心電極3(あるいは接地電極4)に
固着される電極チップ31’は、本発明にかかる方法に
より作製することができる。この場合、成形体に溶着防
止材を付着させるには、溶着防止材を溶媒に懸濁させ、
該溶媒を成形体に塗布することで行うのがよい。溶着防
止材35が懸濁された溶媒34を使用することで、溶着
防止材35の成形体33への付着が容易となる。具体的
には、例えば図2に示すように、溶着防止材35が懸濁
された溶媒34に、成形体33を浸漬し、該成形体33
の表面に溶着防止材35を付着させる。なお、溶媒34
は、成形体33に噴きつけることにより、成形体33に
塗布するようにしてもよい。以上により、溶着防止材3
5が表面に付着し、溶着防止材35が付着済みの成形体
33’となる。そして、図3に示すように、溶着防止材
35が付着済みの成形体33’を、図示しない加熱炉内
に配置して、ヒータ36により加熱することにより、成
形体33’を焼結して電極チップ31’とする。なお、
溶媒34としては、例えばエタノール等が使用できる。
【0013】電極チップ31’の形成方法を、さらに具
体的に説明する。図4は、該電極チップ31’の形成工
程を説明するものである。まず、原料粉末混合工程に
て、電極チップ31’の原料となる原料粉を、構成成分
の含有量が所望の比率となるように混合する。電極チッ
プ31’としては、例えば、貴金属あるいは貴金属合金
を主体に構成されるものが使用されるので、原料粉は、
これら貴金属あるいは貴金属合金を主体に構成されるも
のとされる。そして、これらの原料粉末を、成形体形成
工程にて金型プレス成形、CIP成形、押出成形あるい
は射出成形等の成形法により成形し、成形体33とす
る。
【0014】なお、成形体形成工程において、成形体3
3は、原料粉末とバインダとを混合し、その混合物(コ
ンパウンド)を圧縮することにより得られるものとで
き、成形体形成工程後に成形体33に混合されたバイン
ダを除去する脱バインダ工程を行うのがよい。通常、該
成形体33を作製するにあたっては、原料粉末同士の結
合性及び成形体の形状への加工性をよくするために、原
料粉末にバインダを混合させる。使用されるバインダと
しては、公知の有機バインダ及び無機バインダが採用さ
れる。そのなかでも、原料粉末を構成する貴金属あるい
は貴金属合金の融点に対して、比較的低温にて分解・蒸
発するもの、具体的にはPVA系のバインダ等を使用す
るのが望ましい。このバインダが混合されたままの成形
体33を焼結すると、焼結時に多量のガスが熱処理炉内
に発生し、焼結雰囲気を安定して維持できないので好ま
しくない。そのため、バインダを含有する成形体33に
対して、該成形体を焼結する前に予め脱バインダ工程を
行う必要がある。そして、この脱バインダ工程を、電極
チップ31’の形成工程内で行う場合、該脱バインダ工
程の前に、成形体33に溶着防止材35を付着させる
(溶着防止材付着工程)のがよい。脱バインダ工程の前
では、成形体33にバインダが含まれているので、溶着
防止材35が付着しやすいという効果がある。
【0015】さらに、溶着防止材35を、図2に示すよ
うに溶媒34に懸濁させて成形体33に付着させる場合
には、特に脱バインダ工程を行う前に、成形体33に溶
媒34を塗布するのがよい。脱バインダ工程の前に、溶
媒34により溶着防止材35を成形体33に付着させる
と、成形体33の表面に溶着防止材35とともに付着す
る溶媒34が、脱バインダ工程により除去され易くな
る。すなわち、成形体33に含まれるバインダを除去す
ると同時に、成形体33の表面から溶媒34も除去する
ことができる。溶媒34には、成形体33の焼結時にお
ける溶着を直接防止する効果はなく、さらに、焼結時に
残存していると、焼結炉内におけるガスの発生の原因と
なるので、焼結前に除去しておくことに越したことはな
い。
【0016】また、脱バインダ工程の前に、溶媒34を
塗布することにより、成形体33に溶着防止材35を付
着させる場合、脱バインダ工程により溶媒34を効果的
に除去するには、該脱バインダ工程において、溶媒34
の沸点以上の温度に成形体33を加熱するのがよい。例
えば、脱バインダ工程は、500〜1000℃の温度に
て行うことができ、特に、約900℃程度の温度にて行
うことができる。なお、溶着防止材35の付着は、図5
のように脱バインダ工程の後に行っても、本発明の効果
は十分に発揮される。脱バインダ工程の後に、溶着防止
材35を成形体33に溶媒34とともに付着させる場
合、該溶媒34の乾燥工程を成形体33の焼結前に行う
ようにしてもよい。
【0017】成形体33に溶着防止材35を付着させ、
また、その後脱バインダ工程を行った後に、図3に示す
通り、本焼結工程にて成形体33’を焼結する。本発明
によれば、十分な焼結強度を実現しつつ、成形体33同
士が焼結中に溶着することを防止することができる。こ
れにより、割れやクラック等の発生が抑制された電極チ
ップ31’が形成されるので、電極チップ31’の歩留
まりが向上するとともに、溶接時やスパークプラグ10
0の使用時における電極チップ31’の脱落を防止する
ことができる。
【0018】さらに、本焼結工程にて電極チップ31’
を形成した後、該電極チップ31’の表面に残留する溶
着防止材35を、電極チップ31’の表面を洗浄するこ
とにより除去する溶着防止材洗浄工程を行うのがよい。
溶着防止材35が電極チップ31’の表面に残留してい
ると、電極チップ31’を中心電極3(あるいは接地電
極4)との間でレーザー溶接あるいは抵抗溶接等により
固着する際に、両者の溶接が十分に行なわれなかった
り、また、融点の高い溶着防止材35が、中心電極3
(あるいは接地電極4)と電極チップ31’との間の溶
接部に残存する結果、スパークプラグの使用中に電極チ
ップ31’が脱落する可能性もある。なお、洗浄方法と
しては、水が蓄えられたバレルに、焼結後の電極チップ
31’を投入し、該バレルを回転運動させることにより
行うことができる。また、焼結後の電極チップ31’に
ガスを吹き付けて、電極チップ31’表面に付着する溶
着防止材35を吹き飛ばすこともできる。そして、この
ように、溶着防止材35を焼結済みの電極チップ31’
から除去することで、最終的な電極チップ31’が作製
される。
【0019】電極チップ31’は、Ir、W、Re及び
Taから選ばれる1種又は2種以上を主体として構成さ
れ、さらに、溶着防止材35は、窒化ホウ素(BN)と
することができる。スパークプラグ100の発火部31
(あるいは発火部32)としては、上記のように、融点
の比較的高い金属が使用される。特に、IrあるいはI
r合金等の貴金属、あるいは貴金属合金にて構成される
電極チップ31’を発火部31として使用するものが、
スパークプラグ100の耐久性を向上させる目的で、近
年広く使用されている。本発明者らが、検討したとこ
ろ、上記のような元素を主体に構成される電極チップ3
1’を、粉末焼結法により作製する場合、溶着防止材3
5としては、BNが好適に使用されることがわかった。
BNは、その融点も約3000℃と、電極チップ31’
を構成する上記のような金属よりもかなり高いので、溶
着防止材35としての機能を十分に果たすものである。
また、BN以外にも、電極チップ31’を構成する金属
よりも融点の高いセラミックスが溶着防止材35とし
て、効果的に使用されるものと推測される。
【0020】なお、前述のような金属にて電極チップ3
1を構成する場合、成形体33を1800℃以上の焼結
温度にて焼結することにより電極チップ31’を形成す
るのがよい。さらに具体的には、1850〜1950℃
で0.5〜1時間の条件で焼結させるのがよい。焼結温
度を1800℃以上とすることにより、前述の金属にて
なる原料粉により構成される成形体33を、十分な焼結
強度に焼結することが可能となる。さらに、溶着防止材
35として、BNを使用した場合に、溶着防止材35に
より成形体33同士の溶着が防止される。
【0021】
【実施例】本発明の効果を調べるために、以下の実験を
行った。まず、形成後の電極チップが、Irを主体と
し、約1質量%のRhを含有するように、電極チップと
なる原料粉を混合した。そして、混合された原料粉に、
PVA系のバインダをさらに混合した後、金型プレス成
形により、電極チップに対応する形状の成形体とした。
そして、実施例として成形体に溶着防止材としてBNを
付着させたものを用意し、比較例として何も塗布しない
ものを用意した。BNは、溶媒としてのエタノールに懸
濁し、該溶媒に成形体を浸漬することにより付着させ
た。そして、これらの成形体において、800℃にて脱
バインダ工程を行った後、1900℃で本焼結してそれ
ぞれ電極チップを作製した。電極チップの形状は、直径
0.6mm、長さ0.8mmの円柱状とした。なお、本
焼結は、実施例においては、BNが付着した成形体同士
が互いに接触する状態にて行い、比較例においては、な
にも塗布されていない成形体同士が互いに接触する状態
にて行った。このようにして得られた電極チップに対し
て、焼結直後におけるクラック及び割れの発生頻度を比
較した。また、焼結後にクラック及び割れが外観上観察
されなかった電極チップを、中心電極にレーザー溶接し
た後において、同様にクラック及び割れの発生頻度を比
較した。クラック及び割れの観察は、倍率50倍の実体
顕微鏡により行った。結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】表1により、比較例においては、焼結直後
におけるクラック及び割れの発生がすくなからず発生し
ていることがわかる。さらに、外観上問題ない電極チッ
プであっても、レーザー溶接によりクラック及び割れが
発生したものが存在した。一方、成形体の表面にBNを
付着させて焼結した本発明の方法においては、焼結直後
及びレーザー溶接後においても、クラック及び割れの発
生はみられなかった。
【0024】さらに、それぞれの方法により作製された
電極チップを中心電極にレーザー溶接してスパークプラ
グを製造した。そして、得られたスパークプラグを試験
用エンジンに取り付けて、全開耐久試験を行った。試験
条件としては、回転数を1分間5000rpmにしたの
ち、1分間アイドリングを行う作業を100時間繰り返
し行った。そして、電極チップの状態を観察した。そし
て、本実施例に基づくスパークプラグ、比較例に基づく
もののうちレーザー溶接後の電極チップの外観が良好で
あるスパークプラグ及び比較例に基づくもののうちレー
ザー溶接後に電極チップにクラックが生じたスパークプ
ラグにおいて、クラックの発生頻度及び電極チップの脱
落の発生頻度を比較した。結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】表2に示すように、比較例においては、レ
ーザー溶接後における電極チップの外観が良好であって
も、前述の耐久試験により、電極チップにクラックが発
生したスパークプラグが存在する。また、比較例のうち
レーザー溶接後の外観にクラックが生じていたものにつ
いては、前述の耐久試験により、チップの脱落が起こる
ものがあった。一方、本発明により製造されたスパーク
プラグにおいては、前述の耐久試験を行っても電極チッ
プ、ひいては発火部において、クラックの発生や、チッ
プ脱落等の問題は起こらなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造されるスパークプラグを示す
縦断面図。
【図2】成形体に溶着防止材を付着させる工程の一形態
を説明する図。
【図3】成形体を焼結する工程を説明する図。
【図4】本発明にかかる方法により電極チップを作製す
るための過程を説明する図。
【図5】本発明にかかる方法により電極チップを作製す
るための図4とは異なる過程を説明する図。
【符号の説明】
3 中心電極。 4 接地電極 31’ 電極チップ 33 成形体 34 溶媒 35 溶着防止材 100 スパークプラグ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極チップ(31’)の原料粉を成形
    し、得られる複数の成形体(33)を、該成形体(3
    3)が互いに接触する状態で焼結させて、前記電極チッ
    プ(31’)を形成する工程と、 中心電極(3)及び接地電極(4)の少なくとも一方
    に、前記電極チップ(31’)を固着する工程とを含む
    スパークプラグ(100)の製造方法において、前記成
    形体(33)の表面に、該成形体(33)同士の溶着を
    防止するための溶着防止材(35)を付着させ、その上
    で前記成形体(33)を焼結させて前記電極チップ(3
    1’)を形成することを特徴とするスパークプラグ(1
    00)の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記溶着防止材は、前記成形体の焼結温
    度において、前記原料粉と固溶しない無機材料粉末であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記溶着防止材は、前記原料粉よりも融
    点の高いことを特徴とする請求項1又は2に記載のスパ
    ークプラグの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記溶着防止材を溶媒に懸濁させ、該溶
    媒を前記成形体に塗布して、該成形体の表面に前記溶着
    防止材を付着させることを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記成形体は、前記原料粉とバインダと
    を混合し、圧縮することにより形成されるものであっ
    て、前記成形体に混合された前記バインダを除去する脱
    バインダ工程の前に、前記成形体に前記溶着防止材を付
    着させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    1項に記載のスパークプラグの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記成形体は、前記原料粉とバインダと
    を混合し、圧縮することにより形成されるものであり、 前記溶着防止材は、該溶着防止材を溶媒に懸濁させ、該
    溶媒を前記成形体に塗布することにより、前記成形体の
    表面に付着されるものであって、 前記成形体に混合された前記バインダを除去する脱バイ
    ンダ工程の前に、前記成形体に前記溶媒を塗布して前記
    溶着防止材を付着させるとともに、 該脱バインダ工程は、前記溶媒の沸点以上の温度に前記
    成形体を加熱することを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記電極チップの形成後、該電極チップ
    の表面に付着した前記溶着防止材を、前記電極チップの
    表面を洗浄することにより除去することを特徴とする請
    求項1ないし6のいずれか1項に記載のスパークプラグ
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記電極チップは、Ir、W、Re及び
    Taから選ばれる1種又は2種以上を主体として構成さ
    れるものであることを特徴とする請求項1ないし7のい
    ずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記溶着防止材は、BNとされることを
    特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のス
    パークプラグの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記成形体を1800℃以上の焼結温
    度にて焼結することにより前記電極チップを形成するこ
    とを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載
    のスパークプラグの製造方法。
JP2002141114A 2002-05-16 2002-05-16 スパークプラグの製造方法 Pending JP2003332020A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007091538A1 (ja) 2006-02-08 2007-08-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 車両用温熱刺激装置
WO2014177169A1 (en) * 2013-05-02 2014-11-06 Caterpillar Energy Solutions Gmbh Method for manufacturing an ignition electrode
US9698576B2 (en) 2015-09-17 2017-07-04 Federal-Mogul Ignition Gmbh Method for manufacturing an ignition electrode for spark plugs and spark plug manufactured therewith

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