JP2003331763A - 電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法 - Google Patents

電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法

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JP2003331763A JP2002139941A JP2002139941A JP2003331763A JP 2003331763 A JP2003331763 A JP 2003331763A JP 2002139941 A JP2002139941 A JP 2002139941A JP 2002139941 A JP2002139941 A JP 2002139941A JP 2003331763 A JP2003331763 A JP 2003331763A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピクセル時間を短くし、試料の評価を短時間
で行う。 【解決手段】 カソード22と、ウェーネルト24と、
アノード26とを有する電子銃10と、電子銃から放出
される一次電子ビーム12を細く成形し、一次電子ビー
ムを試料16に照射し且つ試料面上を走査する照射系1
4と、試料から放出された二次電子18を検出する検出
系20と、検出系で検出された二次電子を画像処理する
画像形成装置86と、アノードをアースから絶縁する絶
縁体46と、アノードに変化する電圧を与える電圧供給
装置56とを備え、電圧供給装置によりアノードに与え
る電圧を変化させたときの、画像形成装置からの出力に
基づいて、カソード及びウェーネルトとアノードとの間
の軸合せを評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、表面が絶縁膜付
きの試料を帯電(charge up)させることな
く、あるいは、帯電の影響が少い状態でその試料を評価
する電子線装置に関する。またそのような電子線装置を
用いてプロセス途中のウェーハの評価を行うデバイス製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の技術分野において、FE(フィ
ールドエミッション)電子銃あるいはショットキーカソ
ード電子銃を用いた電子線装置では、欠陥検査を正確に
行うために、1ピクセル当りの二次電子の検出数は40
50個以上必要である。そのため、大きな値の一次電子
ビームを試料面に照射する必要があった。しかしなが
ら、大きな値の一次電子ビームを用いた場合、試料表面
にSi2や窒化シリコン等の絶縁膜が付いた試料の欠陥
を検査する際、その絶縁膜が帯電してしまい、忠実な二
次電子画像を得ることができなかった。そこで、従来技
術においては、フラッドガン等で電子シャワーを試料表
面に与えて帯電状態を解消してから試料の欠陥を評価し
ていた。
【0003】さらに、試料台と電子光学系の相対位置を
測定するのにレーザー干渉計がもっぱら使われていた。
そのため、ウェーハ等の試料を評価する前にレジストレ
ーションとかアライメント操作を行いその後評価に移る
プロセスが取られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来から言われている
ように、1ピクセル当りの二次電子検出数が4050個
以上必要な場合、一次ビーム電流値を大きくし、しかも
ピクセル時間(1ピクセル当たりに一次電子線を照射す
る時間)を長くする必要があったので、評価に長時間を
要するという問題があった。
【0005】さらに、電子シャワーを必要とする装置で
は構造が複雑になると共に、実際の効果はあまり思わし
くないという問題があった。また、レーザ干渉計は非常
に高価であり、取り付け、調整に長時間を要する問題が
あった。さらに、レーザ干渉計を用いた場合、レジスト
レーションやアライメントに長時間を要し、試料表面の
狭い面積のみ評価する場合、レジストレーションやアラ
イメントに要する時間が、評価時間を上回るという問題
もあった。
【0006】本願発明は、上記問題点に鑑みてなされた
もので、ショット雑音の低減を図ることにより、試料面
に照射する一次電子ビームの電流値が小さくても、1ピ
クセル当たりの二次電子検出数を必要個数(4050Γ
2(Γ2<1))以上確保できるようにすることにより、
ピクセル時間を短くし、試料の評価を短時間で行うこと
ができる電子線装置を提供することを目的とする。
【0007】また、試料面に照射する一次電子ビームの
ドーズ(電流値×照射時間)が小さくて済むことから、
試料面上の絶縁膜に電子が帯電する可能性が低くなり、
これによって、電子シャワーの必要性がなくなる装置を
提供することを目的とする。
【0008】さらに、安価で取り付け・調整が容易なス
テージ位置測定器を選び、非常に簡単な測定のみで評価
を開始できる装置を提供する事を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本願発明で
は、試料からの二次電子を検出して試料の評価を行う電
子線装置であって、熱電子放出カソードと、当該熱電子
放出カソードの周囲に配置されたウェーネルトと、熱電
子放出カソードの下流側に配置されたアノードとを有す
る電子銃と、前記電子銃から放出される一次電子ビーム
をレンズ系で細く成形し、当該成形された一次電子ビー
ムを試料に照射し且つ前記一次電子ビームで試料面上を
走査する照射系と、前記試料から放出された二次電子を
検出する検出系と、前記試料の欠陥を検査するために、
前記検出系で検出された二次電子を画像処理する画像形
成装置と、前記アノードをアースから絶縁する絶縁体
と、前記アノードに、変化する電圧を与える電圧供給装
置とを備え、前記電圧供給装置により前記アノードに与
える電圧を変化させたときの、前記画像形成装置からの
出力に基づいて、前記カソード及びウェーネルトと前記
アノードとの間の軸合せを評価するようにした電子線装
置を提供するものである。
【0010】前記電子線装置において、さらに、前記ウ
ェーネルト、前記アノード、あるいは前記カソードとウ
ェーネルトの組のいずれかを、電子線装置の光軸と直交
する方向に微調整可能である調整装置を備えることがで
きる。
【0011】前記アノードは、前記カソードから放出さ
れる一次電子ビームの通過を許容するアノード穴を有し
ており、前記アノード穴の径は、そこでの一次電子ビー
ム径の4倍以上の寸法を有していることが好ましい。あ
るいは、アノード穴の径は、前記アノードに流れる電子
銃電流がほとんど0となるように寸法決めされているこ
とが好ましい。
【0012】又、本願発明は、電子銃の動作条件を空間
電荷制限条件とし、試料に流れる試料電流をIbとした
とき、試料電流が持つショット雑音電流
【0013】
【0014】が
【0015】
【0016】但し、e=1.6×10-19c Γ<1、 Δf=ショット雑音を測定する周波数帯域 で表される電子線装置を提供するものである。
【0017】また、本願発明は、電子銃から放出された
一次電子ビームをレンズ系で細く絞って細く絞られた一
次電子ビームを形成し、該細く絞られた一次電子ビーム
で前記試料面上を走査し、前記試料から放出される二次
電子を検出して試料面を評価する電子線装置において、
前記試料を支持する試料台に設けられたマグネスケール
あるいはレーザースケールと、前記マグネスケールある
いはレーザースケールからの信号に基づいて、前記一次
電子線で走査されている試料の位置を算出する制御装置
とを備えている電子線装置を提供するものである。
【0018】また、本願発明は、電子銃から放出された
一次電子ビームをレンズ系で細く絞って細く絞られた一
次電子ビームを形成し、該細く絞られた一次電子ビーム
で前記試料面上を走査し、前記試料から放出される二次
電子を検出して試料面を評価する電子線装置において、
前記試料を支持する試料台の周囲に配置された少なくと
も3つの静電容量センサーと、前記静電容量センサーか
らの出力値に基づいて、前記試料の中心位置の基準値か
らのずれ値と前記試料の回転姿勢の基準値からのずれ値
とを算出する制御部と、前記試料の中心位置と回転姿勢
が較正されるように、前記制御部からのずれ値に基づい
て前記試料台を移動させる移動装置とを備えている電子
線装置を提供するものである。前記試料の回転姿勢の基
準値からのずれ値は、前記試料の周辺部に形成された切
欠きを、少なくとも1つの静電容量センサーにより検出
することができる。前記電子線装置において、さらに、
試料から放出された二次電子を検出する検出系と、検出
系で検出された前記試料の任意の位置の1つのダイのパ
ターンと、他のダイのパターンとの座標位置のずれを整
合させる整合ソフトウェア又は装置と、整合ソフトウェ
ア又は装置により整合された1つのダイのパターンと他
のダイのパターンとを比較することにより、試料の欠陥
を検査する検査装置とを備えることができる。
【0019】また、本願発明は、前記電子線装置を使用
してプロセス途中のウェハの評価を行うデバイス製造方
法を提供するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の一実施態様を添
付図面を参照して説明する。図1に示された、本願発明
の一実施態様に係る電子線装置は、電子銃10からの一
次電子ビーム12を照射系14を通して試料16に照射
し、試料16からの二次電子18を検出系20で検出し
て試料16の評価を行うものである。
【0021】なお、図1において、紙面は、x軸とz軸
とから構成される面と平行になっており、y軸は紙面と
垂直になっている。電子線装置は、一次電子ビーム12
を放出する電子銃10を備えている。電子銃10は、電
子放出材としてのカソードを加熱することにより電子を
放出する熱電子源タイプとなっており、空間電荷制限条
件(カソードの温度をある一定以上に高めて、電子線の
放出量がカソードの温度にほとんど影響されない条件)
で動作させることが好ましい。
【0022】電子銃10は、熱電子放出型のカソード2
2と、当該カソード22の周囲に配置されたウェーネル
ト24と、カソード22の下流側に配置されたアノード
26とを備えている。カソード22の両側には、カソー
ド22を加熱するための一対のヒータ28が配置されて
いる。カソード22及びヒータ28に通電を許容し且つ
カソード22及びヒータ28を支持するための一対の柱
状の電極30が、ウェーネルト24内に設けられた絶縁
スペーサ32に取り付けられている。
【0023】カソード22は、そのコーン角度が90°
となっており、先端の曲率半径が30μmRとなってい
る。カソード22は、ランタンヘキサボライド(LaB
6)単結晶から構成されている。
【0024】電子銃10には、環状の形状をした複数の
シールド34が設けられている。このようなシールドが
設けられないと、電子銃のアノード26より上流側に配
置された絶縁物(例えば、絶縁スペーサ32や後述する
碍子36)が帯電されて雑音源となり、本来のショット
雑音よりはるかに大きい雑音が発生する恐れがあるから
である。
【0025】ウェーネルト24は、ウェーネルト24の
周囲に取り付けられた碍子36を介して、電子銃室側壁
38から電子銃室内に延びた支持部分40に取り付けら
れている。電子銃室側壁38には、対向する位置に一対
のねじ42、44が螺合されている。ねじ42、44
は、それぞれの先端42a、44aが電子銃室内に突出
しており、先端42a、44aでウェーネルト24を挟
持している。また、ねじ42、44により、アノード2
6に対するカソード22の傾きを微調整できるようにな
っている。例えば、ねじ42の突出量を減らし、ねじ4
4の突出量を増やすことにより、ウェーネルトの上流端
24aを図1中右側に移動させ、ウェーネルトの下流端
24bを図1中左側に移動させることができる。このよ
うに、ねじ42、44でカソード22の傾きを微調整す
ることにより、カソード22から放出される一次電子ビ
ームを基準中心軸線(換言すれば、光軸)に整合させる
ことができる。
【0026】アノード26は、カソード22から放出さ
れる一次電子ビーム12の通過を許容するアノード穴2
7を有しており、絶縁体46を介して電子銃室底壁48
に取り付けられている。これによって、アノード26
は、アースされている電子銃室底壁48から絶縁される
構成となっている。アノード26は、絶縁体46を通る
導線50を介して、アノード26に所望の電圧を付与す
る電圧源52に接続されている。さらに、この導線50
は、ウォブラー信号を供給するウォブラー信号供給装置
54が接続されている。このようにして、電圧源52と
ウォブラー信号供給装置54とから、アノード26に変
化する電圧を与える電圧供給装置56が構成され、アノ
ード26に周期的に変化する電圧を加えることができる
ようになっている。そして、電圧供給装置56によりア
ノード26に与える電圧を周期的に変化させたときの、
後述する画像形成装置86からの出力に基づいて、カソ
ード及びウェーネルトとアノードとの間の軸合せを評価
し、この軸合わせが好ましくない場合、上述したねじ4
2、44を用いることによってこの軸合わせを行うこと
ができるようになっている。
【0027】本実施形態においては、電子銃10は、空
間電荷制限条件すなわち空間電荷制限領域(カソードの
温度をある一定以上に高めて、電子線の放出量がカソー
ド温度に影響されない条件ないし領域)で使用されてい
る。したがって、カソード22の近傍では、当該カソー
ド22より0.数ミリメートル下流側に、バーチャルカ
ソード(カソード22より電位が低い電子障壁のこと
で、あたかも、この部位から一次電子が放出されている
ように見えることからバーチャルカソードと呼ばれてい
る)が形成されている。ショット雑音を低減するには、
このようなバーチャルカソードが形成されている必要が
ある。
【0028】絶縁スペーサ32や硝子36の表面が帯電
すると、バーチャルカソードに悪影響を与えてショット
雑音を低減することができない。上述したように、シー
ルド34を設けたので、絶縁スペーサ32や硝子36の
表面での帯電が防止され、バーチャルカソードに悪影響
を与えることもない。
【0029】電子線装置は、また、電子銃10から放出
される一次電子ビーム12をレンズ系で細く成形し、当
該成形された一次電子ビーム12を試料16に照射し且
つ一次電子ビーム12で試料面上を走査する照射系14
を備えている。
【0030】照射系14は、一次電子ビーム12を集束
させるためのコンデンサレンズ58と、コンデンサレン
ズ58に対して一次電子ビーム12の軸合わせを行う軸
合わせ偏向器60と、コンデンサレンズ58の下流側に
配置されたNA開口62と、NA開口62に対して一次
電子ビーム12の軸合わせを行う軸合わせ偏向器64
と、NA開口62の下流側に配置されたコンデンサレン
ズ66と、コンデンサレンズ66に対して一次電子ビー
ム12の軸合わせを行う軸合わせ偏向器68と、軸合わ
せ偏向器68の下流側に配置された静電偏向器70と、
静電偏向器70の下流側に配置されたE×B分離器72
と、E×B分離器72の下流側に配置され一次電子ビー
ム12を試料16上で結像させるための対物レンズ74
とを備えている。E×B分離器72は、内周側に配置さ
れた静電偏向器76と外周側に配置された電磁偏向器7
8とから構成されている。
【0031】試料16から放出された二次電子18を検
出する検出系20は、二次電子を増倍させるためのMC
P(マイクロチャンネルプレート)80と、増倍された
二次電子を吸収して電気信号に変換するためのアノード
82と、このアナログの電気信号をデジタル信号に変換
するA/D変換器84とを備えている。
【0032】検出系20は、さらに、試料の欠陥を検査
するために、検出系で検出された二次電子を画像処理す
る画像形成装置を備えている。画像形成装置としての画
像形成回路86は、A/D変換器84に接続されている
と共に、静電偏向器70及び76に走査信号を供給する
走査電源88に接続されている。走査電源88からの走
査信号が画像形成回路86に供給されることによって、
画像形成回路86で二次元図形の画像データが形成され
る。画像形成回路86には後述するCRTモニーター2
25が接続されており、CRTモニーター225は、二
次電子の信号により形成された二次元図形の画像を表示
することができるようになっている。また、走査電源8
8からの走査信号は、上述したように、静電偏向器7
0、76に供給されており、走査信号のタイミングに合
わせて、静電偏向器70、76は一次電子ビームや二次
電子を偏向させている。
【0033】検出系20は、さらに、画像形成回路86
とデータ通信可能に接続された制御装置220を備えて
いる。制御装置220は、図1に示されたように、一例
として汎用的なパーソナルコンピュータ等から構成する
ことができる。このコンピュータは、所定のプログラム
に従って各種制御、演算処理を実行する制御部221
と、前記所定のプログラムなどを記憶している記憶装置
222と、処理結果や二次電子画像227等を表示する
CRTモニーター225と、オペレータが命令を入力す
るためのキーボードやマウス等の入力部228とを備え
ている。勿論、欠陥検査装置専用のハードウェア、或い
は、ワークステーションなどから制御装置220を構成
してもよい。
【0034】制御装置220の制御部221は、CP
U、RAM、ROM、ビデオ基板等の各種制御基板等か
ら構成されている。制御部221には、記憶装置222
が接続されている。記憶装置222は、例えば、ハード
ディスクから構成することができる。記憶装置222上
には、画像形成回路86から受信した試料16の二次電
子画像データを記憶するための二次電子画像記憶領域2
24が割り当てられている。もっとも、予め欠陥の存在
しない試料の基準画像データを記憶しておく基準画像記
憶部223を割り当てるようにしてもよい。更に、記憶
装置222上には、電子線装置全体を制御する制御プロ
グラム、試料の評価プログラム、ウェーハの位置や姿勢
(回転状態)に関して、基準値との間にずれが生じてい
る場合に、当該ずれを較正ないしは修正するための制御
プログラム229が格納されている。このウェーハのず
れを較正する制御方法に関しては詳細を後述するが、当
該較正は試料の評価を行う前あるいは評価を行いながら
実行され、これによって、ウェーハの初期設定がなされ
る。
【0035】本実施形態においては、試料としてウェー
ハ16が用いられている。ウェーハ16は、試料台10
0によって支持されている。試料台100は、ウェーハ
16を平坦に固定する静電チャック102と、ウェーハ
16を回転させるθステージ230と、ウェーハ16を
x方向に移動させるためのx方向ステージ104と、ウ
ェーハ16をy方向に移動させるためのy方向ステージ
106とを備えている。静電チャック102は、x方向
ステージ104に対してウェーハ16と一緒に回転でき
るようになっているθステージ230に載せられてい
る。x方向ステージ104は、ウェーハ16、静電チャ
ック102及びθステージ230と一緒に、y方向ステ
ージ106に対してx方向に移動することができるよう
になっている。y方向ステージ106は、固定されたベ
ース108に対して、ウェーハ16、静電チャック10
2、θステージ230及びx方向ステージ104と一緒
にy方向に移動することができるようになっている。
【0036】x方向ステージ104の周面には、x方向
用のマグネスケール110が形成されている。このマグ
ネスケール用のセンサー112が、y方向ステージ10
6から上方に向けて垂直に突出して設けられている。マ
グネスケール用のセンサー112は、x方向ステージ1
04の周面に形成されたマグネスケール110から所定
の間隔をあけて配置されている。x方向ステージ104
が移動したとき、マグネスケール用のセンサー112
は、当該センサーを通過したマグネスケール110の数
をカウントし、x方向ステージの位置を測定することが
できるようになっている。114は、y方向ステージ1
04の周面に形成されたy方向用のマグネスケールを示
している。116は、ベース108から上方に向けて垂
直に突出して設けられたマグネスケール用のセンサーで
ある。マグネスケール用のセンサー116は、y方向ス
テージ106の周面に形成されたマグネスケール114
から所定の間隔をあけて配置されている。y方向ステー
ジ106が移動したとき、マグネスケール用のセンサー
116は、当該センサーを通過したマグネスケール11
4の数をカウントし、y方向ステージの位置を測定する
ことができるようになっている。これらのマグネスケー
ルの代りにレザースケールを用いてもよい。
【0037】以上のように本実施形態によれば、レーザ
干渉計に代えて、マグネスケール及びマグネスケール用
のセンサーを用いるようにしたので、より安価な評価装
置を構成することができる。
【0038】なお、ウェーハ16の周辺には後述する静
電容量式位置センサが配置されているが、図1では省略
されている。図1の参照符号25は、一次ビームの主光
線の軌道を示している。
【0039】次ぎに、電子線装置の全体的な作動を以下
に説明する。電子銃10から放出された一次電子ビーム
は、コンデンサレンズ58、66と対物レンズ74とで
カソード1の後方に形成された虚のクロスオーバを3段
階に縮小し、ウェーハ16に合焦させる。
【0040】一次電子ビームは、図1に示されるように
−y方向に少しオフセットされた位置で、ウェーハ16
に合焦される。そして、静電偏向器70、76によりx
方向に平行な細長い視野を上記オフセットされた一次電
子線で走査する。このように−y方向にオフセットした
位置でウェーハ16に合焦させるようにしたのは、後述
のように二次電子線がMCP18に案内されるのを容易
にするためにである。
【0041】ウェーハ16から放出された二次電子は、
ウェーハ16に−4kVが印加されていることと、対物
レンズ74の中央電極に正の高電圧が印加されているこ
とから、対物レンズ74の方向に加速、集束され、細い
ビームとなる(なお、対物レンズ74は、上部電極と中
央電極と下部電極から構成されているが、図1ではこれ
らの電極の詳細を省略して表している)。そして、一次
電子線がオフセットされているため、二次電子は、光軸
から−y方向に離れた位置で対物レンズ74に入射し、
対物レンズ74で曲げられ、さらに電磁偏向器78で曲
げられ、MCP(マイクロチャンネルプレート)18に
案内される。
【0042】MCP18に入射した二次電子は、MCP
18で増倍され、検出器(例えば、アノードなどから構
成する)82に出力される。検出器82は、受け取った
二次電子をその強度を表す電流信号に変換し、その電流
信号は、抵抗(例えば、50(の抵抗)90で電圧信号
に変換され、図示しない増幅器で増幅され後、A/D変
換器84でデジタル信号に変えられ、画像形成回路86
に入力される。画像形成回路86は、走査電源88から
の走査信号を入力しており、この走査信号と前記デジタ
ル信号に基づいて、ウェーハ16の被走査面を表す二次
元図形の画像を形成する。この二次元図形の画像は、C
RTモニーター225により表示される。このようにし
て、ウェーハ16の被走査面を表す二次元図形の画像を
用いて、ダイ対ダイあるいはセル対セルの比較によって
欠陥検査を行う。
【0043】次ぎに、カソード22とウェーネルト24
を、電子線装置の光軸と直交する方向に微調整する方法
について説明する。この微調整は、装置立上げ時に1回
行いその後は1年間に1回程度行えばよい。
【0044】まず、軸合せ偏向器64により一次電子ビ
ーム12でNA開口62を走査し、NA開口62を通過
した電子線12をウェーハ16に入射させ、MCP8
2、アノード82、A/D変換器84及び画像形成回路
86を通して二次電子から形成された信号(すなわち、
二次電子信号)をCRTモニーター225に入力し、こ
れによりNA開口62の像をCRTモニーター225に
表示させる。次ぎに、ウォブラー信号供給装置54を作
動させて導線50にウォブラー信号を供給する。導線5
0にウォブラ−信号が入力されると、電圧源52から導
線50を介してアノード26に付与されているアノード
電圧にウォブラ−信号が重畳され、アノード電圧値が周
期的に変化する。アノード26が静電レンズ作用をなす
ことから、アノード電圧値が周期的に変化した際、カソ
ード22及びウェーネルト24とアノード3との間の中
心軸がずれていると、NA開口像はCRTモニーター2
25上で移動することになる。このNA開口像の移動量
が最小になるように、一方のねじ42と他方のねじ44
を締めたり緩めたりすることによって、アノード26に
対するカソード22及びウェーネルト24の傾き位置を
微調整する。これによって、カソード及びウェーネルト
とアノードとの間の軸合せを行うことができる。このよ
うに、電子銃の各電極間のセンタリング、すなわち、カ
ソード22、ウェーネルト24及びアノード26間の中
心決めを正しく調整でき、電子線装置の光軸方向に整合
させることができるようにしたので、一次電子ビーム1
2の軌道のズレが評価され修正される。この結果、一次
電子ビーム12がアノード穴27を正確に通過すること
となって、一次電子ビーム12がアノード自体に入射す
ることがなくなる。これによって、アノード26から電
子が後方散乱してカソード22又はバーチャルカソード
に悪影響を与えることがほぼなくなり、ショット雑音を
低減することができる。
【0045】本実施形態においては、カソード22及び
ウェーネルト24の傾きをアノード26に対して微調整
できるようにしたが、カソード単独、あるいは、ウェー
ネルト単独を光軸に直角な方向(xy方向)に微動させ
るようにしてもよい。また、アノードのみをxy方向に
微調整できるようにしてもよい。
【0046】カソード付近にできているバーチャルカソ
ードを乱す原因として、上述したようにアノード26に
入射した一次電子ビーム12が後方散乱されバーチャル
カソードに戻ることが原因と考えられる。これを防止す
るために、上記のようなカソード電極、ウェーネルト電
極及びアノード電極間のセンタリングのほかに、あるい
はアノード穴27を十分大きくするようにしてもよい。
このように、アノード穴27を十分大きくすることによ
り、一次電子ビーム全てがアノード穴27を通過し、一
次電子ビームがアノードに当たりそこから後方散乱され
たビームがバーチャルカソードに戻ることがなくなり、
アノードに流れる一次電子ビーム電流をほぼ0にするこ
とができる。アノードに流れる一次電子ビーム電流をほ
ぼ0にするために、アノード穴の径は、そこでの一次電
子ビーム径の4倍以上の寸法を有していることが好まし
い。
【0047】カソード付近にできているバーチャルカソ
ードを乱す原因としては、さらに、NA開口62に入射
した一次電子ビームがやはり後方散乱され、バーチャル
カソードに戻ることが考えられる。これを防止するため
に、NA開口の電子銃側にはレンズ(例えば、本実施形
態のようなコンデンサレンズ58)を少くとも1段設け
ることにより、後方散乱されたビームを曲げ、カソード
に戻らないようにした。これによって、バーチャルカソ
ードは乱されることがなくなり、ショット雑音をさらに
小さい値にすることができる。
【0048】本実施形態によれば、以上のようにアノー
ドに入射するビーム電流をほとんどなくせるので、アノ
ードから後方散乱した電子がバーチャルカソードに悪影
響を及ぼすことがなくなりショット雑音を著しく低減す
ることができる。
【0049】以上の構成により電子銃電流のショット雑
音が(倍に小さくなるとする。しかしながら、途中のN
A開口等で一次電子ビームの大部分を除くことにより、
ウェーハ上に届くビーム電流ははるかに小さい値になる
ことから、ウェーハ上に届くビーム電流に入る分配雑音
(二つ以上の電極間に電子ビームを分配するとき電子線
装置内で発生する雑音)を考慮する必要が生じる。カソ
ード上でのショット雑音電流は次のように算出できる。
【0050】
【数1】
【0051】この[数1]は、電子銃電流(すなわち、
カソードから放出される電流)I0のショット雑音が(倍
に小さくなるとした場合の、従来から知られているショ
ット雑音の式である。この式をさらに分配雑音を含めて
書くと、下記の[数2]のようになる(「電子ビームテ
スティングハンドブック 第7巻」64頁(昭和62年
発行)を参照)。[数2]の第2項が、分配雑音(part
ition noise)を示しており、第1項が電子銃電流のシ
ョット雑音の透過した寄与を与えている。
【0052】
【数2】
【0053】
【数3】
【0054】
【数4】
【0055】
【数5】
【0056】ここで、in 2は、試料としてのウェーハ上
でのショット雑音電流の二乗平均値、I0は、カソード
から放出される電流値(即ち、カソード電流、電子銃電
流)Ibは、試料面としてのウェーハ面を流れるビーム
電流値(即ち、試料電流)、 e=1.6×10-19c、 Γ<1、 Δf=ショット雑音を測定する周波数帯域である。
【0057】式(5)は、式(1)のI0をIbに変えた
式である。即ち試料電流で考えてもショット雑音は(倍
に減少する事になる。以上のように、本実施形態によれ
ば、カソード電流のみでなく、試料電流に含まれるショ
ット雑音も小さくすることができる。
【0058】次ぎに、本願発明に係るウェーハの位置と
回転姿勢を較正するための較正装置について説明する。
本願発明の一実施形態に係る較正装置は、粗調整装置と
微調整装置とを備えている。
【0059】粗調整装置は、図2に示されているよう
に、試料としてのウェーハ16の位置と回転姿勢を測定
する静電容量センサーを用いた測定装置120を備えて
いる。測定装置120は、ウェーハの周辺部に等間隔に
配置された3個の静電容量式位置センサ122、12
4、126を備えている。3個の静電容量式位置センサ
122、124、126は、周方向に互いに対して12
0°の間隔をあけて配置されている。静電容量式位置セ
ンサの電極面は、図3に示されているように、その縦断
面において、ウェーハの周方向側面(換言すれば、エッ
ジ面)17とほぼ同じ曲率を持たせてあり、これによっ
て、ウェーハとの距離を正確に計測できるようになって
いる。静電容量式位置センサは、その平面においても、
ウェーハの周方向側面とほぼ同じ曲率を持たせることが
できる。静電容量式位置センサとウェーハとの間の距離
が小さくなると、静電容量が大きくなり、静電容量式位
置センサとウェーハとの間の距離が大きくなると、静電
容量が小さくなる。この原理に基づいて、3個の静電容
量式位置センサの各々は、ウェーハ17のエッジ面17
とのそれぞれの距離を測定する。このようにして、3個
の静電容量式位置センサの各々とウェーハのエッジ面1
7とのそれぞれの距離が測定されると、制御装置220
は、これら3箇所の距離からウェーハの中心45の位置
を計算により求める。以上のようにして、ウェーハの中
心45の位置が求められると、制御装置は、記憶装置に
記憶されている基準中心位置と比較し、この位置が基準
中心位置からずれていた場合、XYステージを移動させ
て、ウェーハ17の中心19の位置の較正を行う。な
お、3個の静電容量式位置センサにより、ウェーハ17
のエッジ面17との距離を測定する際、後述するウェー
ハ16に形成されたノッチ19が静電容量式位置センサ
に対向する位置に配置されると正確に距離が計れなくな
るので、ノッチ19が、静電容量式位置センサの非対向
位置に位置決めされるようにウェーハの位置を事前に調
整する必要がある。
【0060】上述したように、ウェーハ16のエッジ面
17には、ノッチ21が形成されており、図2に示され
ている状態では、ノッチ21は、静電容量式位置センサ
126の近傍にあるが、静電容量式位置センサ126の
非対向位置にある。制御装置220は、θステージ10
2に指令を与えてθステージ102を回転させながら、
静電容量式位置センサ126とノッチ21との距離を測
定することによって、すなわち、ノッチ21が静電容量
式位置センサ126の対向位置にきた際に生じる静電容
量式位置センサ126からの出力の変化を検出すること
によって、ウェーハの回転ずれ(θ方向のずれ)を測定
するようになっている。θ方向にずれがあった場合、制
御装置は、上述のようにθステージ230を稼働させる
ことにより、自動的にウェーハの回転ずれの較正を行
う。ウェーハ16の欠陥検査等の評価を行うときは、ウ
ェーハ中心19とノッチ21を結んだ線に平行に(すな
わち、y方向に)y方向ステージを連続移動させながら
評価を行うことができる。
【0061】3個の静電容量式位置センサ122、12
4、126によって、ウェーハの中心の位置ずれの較正
とウェーハの回転ずれの較正を行うことによって粗調整
を行った後、微調整装置による微調整を行う。微調整装
置は、制御装置220の制御部221や記憶装置222
などから構成されており、図4に示されているようなパ
ターンマッチングを用いてウェーハの位置の較正を行
う。
【0062】図4の実線のパターンは、電子線装置によ
り検出されたウェーハ16の1個目のダイ(例えば、図
2の200)でのパターンであり、点線は2個目のダイ
(例えば、図2の202)でのパターンとする。まず、
欠陥検査を行う前に、パターンマッチングによって点線
のパターンの座標と実線のパターンの座標との差Δx及
びΔyを求める。その後、差Δx及びΔyが0になるよ
うに点線のパターンの座標を実線のパターンの座標に、
あるいは、実線のパターンの座標に合わせる。次いで、
互いの座標が一致した1個目のダイでのパターンと2個
目のダイでのパターンとを比較することによって欠陥を
検査する。すなわち、上記差ΔxとΔyを考慮すること
により、x方向及びy方向の微調整が行われたことにな
る。このように本実施形態によれば、実線のパターンと
点線のパターンのようにずれがあっても、相関演算する
等によってパターンマッチングを行って欠陥検査を行う
ようにしたので、従来測定前に行われていたレジストレ
ーション(図4の実線のパターンのy方向のダイ寸法だ
け位置をずらしてほぼ点線のパターンに重なる様にステ
ージを移動させ、ビーム照射位置を微調整すること)を
行って検出画像を合わせる必要がないので、スループッ
トを大きくすることができる。
【0063】次ぎに、θ方向の微調整について説明す
る。電子線装置でウェーハの欠陥を検査する際、例え
ば、ダイ200の検査が終了するとその隣のダイ202
を検査するように、y方向ステージを順次移動させなが
らダイ200、202、204、206、208、21
0の順番で第1列の検査が行われる(図2参照)。第1
列の検査が終了した時点で、1個目のダイ200でのパ
ターンとこれより遠い6個目のダイ210とのパターン
マッチングとを比較することによって、図3に示される
δ方向のずれを検出することができる。すなわち、この
ずれδは、それぞれのダイに形成されたパターンの方向
と、先に測定したウェーハの中心とノッチを結んだ線を
y軸とした座標との角度差、換言すれば、ウェーハの回
転方向θのずれを意味している。1個目のダイ200と
6個目のダイ210とのx方向の距離の差をLとし、1
個目のダイ200のパターンの座標と6個目のダイ21
0のパターンの座標との差がΔxであった場合、δ=Δ
x/Lとみなすことができる。δ方向のずれが検出され
た場合、制御装置220はθステージ102を稼働させ
て(が0となるように補正を行う。このように、δ方向
のずれを考慮することによって、ウェーハの回転方向θ
のずれの微調整を行う。
【0064】このように、本実施形態によれば、粗調整
と微調整とを行うことにより、ウェーハの位置ずれを正
確に較正することができる。次に図6及び図7を参照し
て、上記実施形態で示した電子線装置により半導体デバ
イスを製造する方法の実施態様を説明する。
【0065】図6は、本願発明による半導体デバイスの
製造方法の一実施例を示すフローチャートである。この
実施例の製造工程は以下の主工程を含んでいる。 (1)ウェーハを製造するウェーハ製造工程(又はウェ
ーハを準備するウェーハ準備工程)(ステップ400) (2)露光に使用するマスクを製造するマスク製造工程
(又はマスクを準備するマスク準備工程)(ステップ4
01) (3)ウェーハに必要な加工処理を行うウェーハプロセ
ッシング工程(ステップ402) (4)ウェーハ上に形成されたチップを1個ずつ切り出
し、動作可能にならしめるチップ組立工程(ステップ4
03) (5)組み立てられたチップを検査するチップ検査工程
(ステップ404)なお、上記のそれぞれの主工程は更
に幾つかのサブ工程からなっている。
【0066】これらの主工程中の中で、半導体デバイス
の性能に決定的な影響を及ぼすのが(3)のウェーハプ
ロセッシング工程である。この工程では、設計された回
路パターンをウェーハ上に順次積層し、メモリやMPU
として動作するチップを多数形成する。このウェーハプ
ロセッシング工程は以下の各工程を含んでいる。 (A)絶縁層となる誘電体薄膜や配線部、或いは電極部
を形成する金属薄膜等を形成する薄膜形成工程(CVD
やスパッタリング等を用いる) (B)この薄膜層やウェーハ基板を酸化する酸化工程 (C)薄膜層やウェーハ基板等を選択的に加工するため
にマスク(レチクル)を用いてレジストパターンを形成
するリソグラフィー工程 (D)レジストパターンに従って薄膜層や基板を加工す
るエッチング工程(例えばドライエッチング技術を用い
る) (E)イオン・不純物注入拡散工程 (F)レジスト剥離工程 (G)加工されたウェーハを検査する工程 なお、ウェーハプロセッシング工程は必要な層数だけ繰
り返し行い、設計通り動作する半導体デバイスを製造す
る。
【0067】図7は、上記ウェーハプロセッシング工程
の中核をなすリソグラフィー工程を示すフローチャート
である。このリソグラフィー工程は以下の各工程を含
む。 (a)前段の工程で回路パターンが形成されたウェーハ
上にレジストをコートするレジスト塗布工程(ステップ
500) (b)レジストを露光する工程(ステップ501) (c)露光されたレジストを現像してレジストのパター
ンを得る現像工程(ステップ502) (d)現像されたレジストパターンを安定化するための
アニール工程(ステップ503) 上記の半導体デバイス製造工程、ウェーハプロセッシン
グ工程、リソグラフィー工程については、周知のもので
ありこれ以上の説明を要しないであろう。
【0068】上記(G)の検査工程に本願発明に係る欠
陥検査方法、欠陥検査装置を用いると、微細なパターン
を有する半導体デバイスでも、スループット良く検査で
きるので、全数検査が可能となり、製品の歩留まりの向
上、欠陥製品の出荷防止が可能と成る。
【0069】以上が、本願発明の各実施形態であるが、
本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0070】
【発明の効果】以上のように本願発明によれば、電圧供
給装置によりアノードに与える電圧を変化させ、画像形
成装置からの出力に基づいて、カソード及びウェーネル
トとアノードとの間の軸合せを評価し、必要であれば、
ウェーネルト、アノード、あるいはカソードとウェーネ
ルトの組のいずれかを、電子線装置の光軸方向に整合さ
せることができるようにしたので、一次電子ビームがア
ノード穴を正確に通過することとなって、一次電子ビー
ムがアノードに入射することがなくなる。これによっ
て、アノードから電子が後方散乱してカソードに悪影響
を与えることがほぼなくなり、ショット雑音が低減さ
れ、試料面に照射する一次電子ビームの電流値が小さく
ても、1ピクセル当たりの二次電子検出数を必要個数以
上確保することができ、試料の欠陥検査を正確に行うこ
とができる。しかも、ピクセル時間を長くする必要がな
くなり、試料を短時間で評価できる。さらに、試料面に
照射する一次電子ビームの照射量が小さくて済むことか
ら、試料面上の絶縁膜に電子が帯電する可能性が低くな
り、これによって、電子シャワーの必要性がなくなる。
【0071】また、本願発明によれば、マグネスケール
あるいはレーザースケールからの信号に基づいて、一次
電子線で走査されている試料の位置を算出するようにし
たので、従来のようなレーザ干渉計と比較して、短時間
で、前記スケールの取り付け及び調整を行うことができ
る。
【0072】さらに、試料を支持する試料台の周囲に配
置された少なくとも3つの静電容量センサーを用いて試
料の中心位置の基準値からのずれ値と試料の回転姿勢の
基準値からのずれ値とを算出すると共に、このずれ値を
較正するようにしたので、欠陥の評価を正確に行うこと
ができる。また、試料の任意の位置の1つのダイのパタ
ーンと、他のダイのパターンとの座標位置のずれを整合
させてから、試料の欠陥を検査するようにしたので、欠
陥の評価をより正確に行うことができる。
【0073】さらに、パターンマッチングを行うので、
レジストレーションを行う必要がなく、また、測定前に
レジストレーションを行う必要が無いのでスループット
を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本願発明の実施形態に係る電子線装置
の概略図である。
【図2】図2は、電子線装置をウェーハの上方からみた
ときの概略平面図である。
【図3】図3は、図2の一部を破断した部分概略縦断面
図である。
【図4】図4は、ウェーハ位置測定方法とパターンマッ
チングの説明図である。
【図5】図5は、半導体デバイスの製造方法の一実施例
を示すフローチャートである。
【図6】図6は、図5の半導体デバイスの製造方法のう
ちリソグラフィー工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 電子銃 12 一次電子ビ
ーム 14 照射系 16 試料 18 二次電子 20 検出系 22 カソード 24 ウェーネル
ト 26 アノード 28 ヒータ 30 一対の柱状の電極 32 絶縁スペー
サ 34 シールド 36 碍子 38 電子銃室側壁 40 支持部分 42 ねじ 44 ねじ 42a ねじの先端 44a ねじの先
端 46 絶縁体 48 電子銃室底
壁 50 導線 52 電圧源 54 ウォブラー信号供給装置 56 電圧供給装
置 58 コンデンサレンズ 60 軸合わせ偏
向器 62 NA開口 64 軸合わせ偏
向器 66 コンデンサレンズ 68 軸合わせ偏
向器 70 静電偏向器 72 E×B分離
器 74 対物レンズ 76 静電偏向器 78 電磁偏向器 80 MCP(マイクロチャンネルプレート) 82 アノード 84 A/D変換
器 86 画像形成装置としての画像形成回路 88 走査電源 100 試料台 102 静電チャック(θ方向ステージ) 104 x方向ステージ 106 y方向
ステージ 108 ベース 110 x方向
用のマグネスケール 112 マグネスケール用のセンサー 114 y方向
用のマグネスケール 116 マグネスケール用のセンサー 120 測定装
置 122 静電容量式位置センサ 124 静電容
量式位置センサ 126 静電容量式位置センサ 200 ダイ 202 ダイ 204 ダイ 206 ダイ 208 ダイ 210 ダイ 220 制御装
置 221 制御部 222 記憶装
置 223 基準画像記憶部 224 二次電
子画像記憶領域 225 CRTモニーター 227 二次電
子画像 228 入力部 229 制御プ
ログラム 230 θステージ
フロントページの続き (72)発明者 佐竹 徹 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 曽布川 拓司 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 4M106 AA01 BA02 CA38 DB05 5C030 AA06 AB02 BB02 BB05 BB06 BB07 BC03 BC06 5C033 UU03 UU04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料からの二次電子を検出して試料の評
    価を行う電子線装置であって、 熱電子放出カソードと、当該熱電子放出カソードの周囲
    に配置されたウェーネルトと、熱電子放出カソードの下
    流側に配置されたアノードとを有する電子銃と、 前記電子銃から放出される一次電子ビームをレンズ系で
    細く成形し、当該成形された一次電子ビームを試料に照
    射し且つ前記一次電子ビームで試料面上を走査する照射
    系と、 前記試料から放出された二次電子を検出する検出系と、 前記試料の欠陥を検査するために、前記検出系で検出さ
    れた二次電子を画像処理する画像形成装置と、 前記アノードをアースから絶縁する絶縁体と、 前記アノードに、変化する電圧を与える電圧供給装置と
    を備え、 前記電圧供給装置により前記アノードに与える電圧を変
    化させたときの、前記画像形成装置からの出力に基づい
    て、前記カソード及びウェーネルトと前記アノードとの
    間の軸合せを評価するようにしたことを特徴とする電子
    線装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子線装置において、 さらに、前記ウェーネルト、前記アノード、あるいは前
    記カソードとウェーネルトの組のいずれかを、電子線装
    置の光軸と直交する方向に微調整可能である調整装置を
    備えたことを特徴とする電子線装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の電子線装置において、 前記アノードは、前記カソードから放出される一次電子
    ビームの通過を許容するアノード穴を有しており、 前記アノード穴の径は、そこでの一次電子ビーム径の4
    倍以上の寸法を有していることを特徴とする電子線装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の電子線装置において、 前記アノードは、前記カソードから放出される一次電子
    ビームの通過を許容するアノード穴を有しており、 前記アノード穴の径は、前記一次電子ビームの影響によ
    り前記アノードに流れる電子銃電流がほとんど0となる
    ように寸法決めされていることを特徴とする電子線装
    置。
  5. 【請求項5】 電子銃の動作条件を空間電荷制限条件と
    し、試料に流れる試料電流をIbとしたとき、試料電流
    が持つショット雑音電流 但し、e=1.6×10-19c Γ<1、 Δf=ショット雑音を測定する周波数帯域 で表されることを特徴とする電子線装置。
  6. 【請求項6】 電子銃から放出された一次電子ビームを
    レンズ系で細く絞って細く絞られた一次電子ビームを形
    成し、該細く絞られた一次電子ビームで前記試料面上を
    走査し、前記試料から放出される二次電子を検出して試
    料面を評価する電子線装置において、 前記試料を支持する試料台に設けられたマグネスケール
    あるいはレーザースケールと、 前記マグネスケールあるいはレーザースケールからの信
    号に基づいて、前記一次電子線で走査されている試料の
    位置を算出する制御装置とを備えていることを特徴とす
    る電子線装置。
  7. 【請求項7】 電子銃から放出された一次電子ビームを
    レンズ系で細く絞って細く絞られた一次電子ビームを形
    成し、該細く絞られた一次電子ビームで前記試料面上を
    走査し、前記試料から放出される二次電子を検出して試
    料面を評価する電子線装置において、 前記試料を支持する試料台の周囲に配置された少なくと
    も3つの静電容量センサーと、 前記静電容量センサーからの出力値に基づいて、前記試
    料の中心位置の基準値からのずれ値と前記試料の回転姿
    勢の基準値からのずれ値とを算出する制御部と、 前記試料の中心位置と回転姿勢が較正されるように、前
    記制御部からのずれ値に基づいて前記試料台を移動させ
    る移動装置とを備えていることを特徴とする電子線装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の電子線装置において、 前記試料の回転姿勢の基準値からのずれ値は、前記試料
    の周辺部に形成された切欠きを、少なくとも1つの静電
    容量センサーにより検出することにより求めることを特
    徴とする電子線装置。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の電子線装置において、 さらに、 前記試料から放出された二次電子を検出する検出系と、 前記検出系で検出された前記試料の任意の位置の1つの
    ダイのパターンと、他のダイのパターンとの座標位置の
    ずれを整合させる整合ソフトウェア又は装置と、 前記整合ソフトウェア又は装置により整合された1つの
    ダイのパターンと他のダイのパターンとを比較すること
    により、試料の欠陥を検査する検査装置とを備えている
    ことを特徴とする電子線装置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか1項に記
    載の電子線装置を使用してプロセス途中のウェハの評価
    を行うことを特徴とする、デバイス製造方法。
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