JP2003330511A - シーラー塗布装置 - Google Patents

シーラー塗布装置

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JP2003330511A
JP2003330511A JP2002141650A JP2002141650A JP2003330511A JP 2003330511 A JP2003330511 A JP 2003330511A JP 2002141650 A JP2002141650 A JP 2002141650A JP 2002141650 A JP2002141650 A JP 2002141650A JP 2003330511 A JP2003330511 A JP 2003330511A
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JP2002141650A
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Hitoshi Kubota
整 久保田
Katsuichi Ono
勝一 小野
Kengo Shibata
健吾 柴田
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Suzuki Motor Corp
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Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な作業用治具や段取り作業を必要とせ
ず、また、作業用治具に対するワークのセッティング作
業が一様に行われない場合でも、シーラーの塗布作業を
的確に行うことができるシーラー塗布装置を提供する。 【解決手段】 作業用治具3にセッティングされたウイ
ンドガラス101をステレオカメラ4で撮影してウイン
ドガラス101の3次元形状データ24を求め、このウ
インドガラス101の設計上の3次元形状データ21を
セッティング完了時の3次元形状データ24に写像する
ためのアフィン変換行列〔M〕を算出する。更に、設計
上の3次元形状データ21に対応して設定されたシーラ
ー供給装置104の移動軌跡座標Q1〜Qnにアフィン
変換行列〔M〕を乗じることによってセッティング完了
時のウインドガラス101の位置および姿勢に適した移
動軌跡座標P1〜Pnを再演算し、この移動軌跡座標P
1〜Pnに沿ってシーラーの塗布作業を行うように産業
用ロボット105を駆動制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のウインド
ガラス等を始めとするワークの外周部にシーラーを塗布
するシーラー塗布装置の改良、特に、塗布作業の前処理
として必要とされるワークのセッティング作業の容易化
と塗布作業の最適化を実現するための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ウインドガラス等のワークにシーラーを
塗布する作業を自動化するためには、予め、作業対象ワ
ークを作業用治具に取り付けて固定した状態で産業用ロ
ボットを手動操作し、シーラー供給装置の先端をワーク
の外周部に沿って移動させながら要所要所でティーチン
グ操作を行うことによって、コンピュータシステムに産
業用ロボットの移動軌跡座標を記憶させておく必要があ
る。
【0003】そして、生産ラインにおける実際のシーラ
ーの塗布作業は、コンピュータシステムがプレイバック
モードの処理で前述の移動軌跡座標に沿って産業用ロボ
ットを駆動制御することにより達成される。
【0004】従って、ティーチング操作の場合とプレイ
バックモードの場合で産業用ロボットに対するワークの
位置や姿勢に変化が生じていると、ティーチング操作が
適切で、かつ、教示された動作を産業用ロボットが的確
に再現したとしても、ワークと産業用ロボットの相対的
な位置関係の変化のために、シーラー供給装置の先端が
ワークの外周部に倣って的確に移動しなくなるといった
問題が発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、この種の問題を
解決するためには、ワークの位置や姿勢を常に一定の状
態に保持する必要があり、この目的を達成するため、例
えば、図16に示されるような作業用治具100が提案
されている。
【0006】この作業用治具100は、ワークとなるウ
インドガラス101を移送するためのパレット102
と、パレット102上の任意位置に立設可能な複数のス
テイ103とによって構成され、各ステイ103の先端
部には先細りのテーパ状の縮径部が形成されている。
【0007】つまり、複数のステイ103をウインドガ
ラス101に外接させた状態でパレット102上に立設
し、テーパ状の縮径部でウインドガラス101の外周部
を支えることによってウインドガラス101の位置と姿
勢を正しい状態に規制しようとするものである。
【0008】しかしながら、この種の従来技術では、作
業用治具100にウインドガラス101をセッティング
する際の力加減等によってウインドガラス101の上下
位置に変動が生じる場合があり、シーラー供給装置10
4の先端とウインドガラス101の表面との間のギャッ
プが変動してしまう可能性がある。また、ウインドガラ
ス101の形状によっては、ウインドガラス101が様
々な姿勢でステイ103に内接してしまう場合があり、
ウインドガラス101の位置や姿勢の特定が困難になる
といった問題が生じることもある。
【0009】これに対し、特開平10−211458号
等では、シーラー供給装置104の先端とウインドガラ
ス101との離間距離を測定して補正を行うことでギャ
ップを一定化する技術が提案されているが、このような
技術では、前述した問題のうち、単純な上下位置の変動
にしか対処することができない。
【0010】また、図16のような作業用治具100の
構成では、様々な種類(形状)のウインドガラス101
を同一の生産ラインで取り扱う場合、ウインドガラス1
01の種類を変える度にステイ103のセッティングを
変更して動作プログラムの設定を変えなければならず、
段取りが煩雑となる欠点がある。
【0011】段取りの変更回数を減らしたければ、例え
ば、図16に示すように、大きさや形状の異なるウイン
ドガラス101に対処するためのステイ103の組を内
外に重合させてパレット102上に立設することも可能
ではあるが、このような方法で対処できるのは数種類ま
でが限度であり、また、多数のステイ103を立設する
ことで干渉領域が生じ、産業用ロボット105の動作が
拘束されるといった弊害も発生する。
【0012】更に、図16のように複数種のウインドガ
ラス101に対してシーラーの塗布作業を行う場合に
は、ティーチング操作もウインドガラス101の種類毎
に行わなければならず、ティーチング操作が煩わしくな
るといった問題がある。
【0013】生産ライン毎に多数の産業用ロボット10
5を配備して作業を行うような場合では、理論上、他の
産業用ロボット105の教示データを移植してティーチ
ング操作を省略するといったことも可能であるが、実際
には、各生産ライン毎に産業用ロボット105の設置状
況が相違するため、例え、同種のウインドガラス101
にシーラーの塗布作業を行っている別の産業用ロボット
105が既に存在したとしても、産業用ロボット105
毎にティーチング操作を行うことが必要である。
【0014】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、前記従来技術
の欠点を解消し、複雑な作業用治具や段取り作業を必要
とせず、また、作業用治具に対するワークのセッティン
グ作業が一様に行われないような場合であっても、シー
ラーの塗布作業を的確に行うことができるシーラー塗布
装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、3以上の自由
度を備えた産業用ロボットと、産業用ロボットに装着さ
れるシーラー供給装置と、産業用ロボットおよびシーラ
ー供給装置を駆動制御するコンピュータシステムと、作
業対象ワークを保持するための作業用治具とを備えたシ
ーラー塗布装置であり、前記目的を達成するため、特
に、作業用治具に保持された作業対象ワークを撮影する
ステレオカメラを配備すると共に、前記コンピュータシ
ステムには、作業対象ワークの設計上の3次元形状デー
タと、該設計上の3次元形状データに対応して設定され
たシーラー供給装置の複数の移動軌跡座標とを記憶する
記憶手段と、前記ステレオカメラによって撮影された作
業対象ワークの画像データに基いて該作業対象ワークの
3次元形状データを求める3次元形状データ演算手段
と、前記記憶手段に予め記憶されている3次元形状デー
タと前記3次元形状データ演算手段によって求められた
3次元形状データとに基いて、前記記憶手段に記憶され
ている3次元形状データを前記3次元形状データ演算手
段によって求められた3次元形状データに写像するため
のアフィン変換行列を算出する行列演算手段と、前記行
列演算手段によって算出されたアフィン変換行列に前記
移動軌跡座標の各々を乗じて前記作業用治具に保持され
た作業対象ワークの現在の位置および姿勢に応じたシー
ラー供給装置の複数の移動軌跡座標を算出する移動軌跡
座標再演算手段と、前記産業用ロボットの駆動制御に際
し、前記記憶手段に予め記憶されている各移動軌跡座標
に代えて前記移動軌跡座標再演算手段によって算出され
た移動軌跡座標の各々を駆動制御上の最終的な移動目標
位置として出力するシーラー移動軌跡補正手段とを配備
したことを特徴とする構成を有する。
【0016】以上の構成により、予め、作業対象ワーク
の設計上の3次元形状データ(CADデータ等)と、該
設計上の3次元形状データに対応して設定されたシーラ
ー供給装置の複数の移動軌跡座標とを記憶手段に記憶さ
せておく。シーラーの塗布作業に際しては、まず、作業
用治具に保持された作業対象ワークがステレオカメラで
撮影される。3次元形状データ演算手段は、ステレオカ
メラによって複数視点から観測された複数の画像データ
の組を分析し、作業対象ワークの3次元形状データを求
める。具体的には、CAD等で一般的に使われている境
界表現を用いたステレオ法等で作業対象ワークの3次元
形状データを記述することが可能である。また、行列演
算手段は、設計上の3次元形状データを3次元形状デー
タ演算手段によって求められた3次元形状データに写像
するためのアフィン変換行列を算出する。そして、移動
軌跡座標再演算手段が、前述のアフィン変換行列に前記
移動軌跡座標の各々を乗じ、作業用治具に保持された作
業対象ワークの現在の位置および姿勢に応じたシーラー
供給装置の複数の移動軌跡座標を改めて算出する。産業
用ロボットの駆動制御に際しては、記憶手段に予め記憶
されている各移動軌跡座標に代えて、シーラー移動軌跡
補正手段が、移動軌跡座標再演算手段によって算出され
た移動軌跡座標の各々を駆動制御上の最終的な移動目標
位置として出力する。作業用治具に保持された作業対象
ワークと移動軌跡座標再演算手段によって算出された移
動軌跡座標との相対的な対応関係は、作業対象ワークの
設計上の3次元形状データと記憶手段に記憶されたシー
ラー供給装置の移動軌跡座標との対応関係と全く同一と
なるため、どのような位置や姿勢で作業対象ワークが作
業用治具に保持されているかとは全く無関係に、作業用
治具に保持された作業対象ワークの形状に倣ってシーラ
ーの塗布作業を的確に行うことができるようになる。こ
の結果、作業用治具は、単に、作業対象ワークを移動不
能に固定するだけのものでよく、作業対象ワークの位置
および姿勢を産業用ロボットに対して一定に保持するた
めの機構や複雑な段取り作業は一切不要となる。また、
基本となるシーラー供給装置の複数の移動軌跡座標は、
作業対象ワークの設計上の3次元形状データで示される
輪郭線から所定量だけ内側にオフセットされた位置に設
定すればよいので、オフセット量と移動軌跡座標の設定
間隔さえ予め決めておけば、産業用ロボットを駆動制御
するコンピュータシステムに簡単なプログラムを追加す
るか、あるいは、CADデータに基いて産業用ロボット
の動作プログラム(APT文等)を生成する自動プログ
ラミング装置等(CAD/CAM)を利用することで、
実際のティーチング操作を行わなくても、基本となるシ
ーラー供給装置の移動軌跡座標を記憶手段に容易に設定
することが可能である。
【0017】また、前記記憶手段に、作業対象となる可
能性のある複数のワークの設計上の3次元形状データ
と、該複数のワークの設計上の3次元形状データの各々
に対応して設定されたシーラー供給装置の複数の移動軌
跡座標とを記憶させ、前記行列演算手段には、記憶手段
に予め記憶されている複数の3次元形状データと前記3
次元形状データ演算手段によって求められた3次元形状
データとを比較し、3次元形状データ演算手段によって
求められた3次元形状データに最も近似する設計上の3
次元形状データを前記予め記憶されている3次元形状デ
ータとして選択する作業対象ワーク特定機能を併設する
ことができる。
【0018】3次元形状データ演算手段によって求めら
れた3次元形状データに近似する設計上の3次元形状デ
ータを同定することは、例えば、線分情報をもとにした
ステレオ法によって求めた線分データ同士の一致度を比
較することにより可能である。このように、作業対象と
なる可能性のある複数のワークの設計上の3次元形状デ
ータと、該複数のワークの設計上の3次元形状データの
各々に対応して設定されたシーラー供給装置の複数の移
動軌跡座標とを記憶手段に記憶させておき、その時点で
作業対象となっているワークを特定して写像に必要とさ
れるアフィン変換行列を算出することにより、同一の生
産ライン上に形状の異なる複数種のワークを混在させた
ような場合でも、段取りの変更や動作プログラムの再選
択操作を行うことなくシーラーの塗布作業を継続するこ
とができるようになる。
【0019】移動軌跡座標再演算手段によって算出され
た移動軌跡座標の各々を最終的な移動目標位置として行
われる最も簡単な駆動制御の態様は、最終的な移動目標
位置に基いて産業用ロボットを直線補間で駆動するPo
int to Pointの制御である。
【0020】この場合、コンピュータシステムは、移動
軌跡座標再演算手段によって算出された移動軌跡座標の
間で産業用ロボットの先端部を直線移動させることにな
るので、ワークの外形に円弧状の部分があるような場合
には、設計上の3次元形状データに対応して複数の移動
軌跡座標を設定する段階で、予め、曲率の急な部分の移
動軌跡座標の設定間隔を直線部分に比べて細か目に設定
し、シーラーの塗布軌跡を滑らかにすることが望まし
い。
【0021】一方、補間形式の宣言と移動速度および移
動軌跡座標の指定とシーラー供給装置のオン・オフ制御
に用いる動作指令とを含む動作プログラム(APT文
等)によって産業用ロボットを駆動制御するコンピュー
タシステムを利用する場合においては、設計上の3次元
形状データに対応して設定されたシーラー供給装置の複
数の移動軌跡座標を動作プログラム中の移動目標位置と
して記述することで記憶手段に記憶させる。また、シー
ラー移動軌跡補正手段は、動作プログラム中で予め設定
されている移動軌跡座標に代えて移動軌跡座標再演算手
段によって算出された移動軌跡座標の各々を動作プログ
ラムに再設定することで、移動軌跡座標再演算手段によ
って算出された移動軌跡座標の各々を駆動制御上の最終
的な移動目標位置として出力するように構成する。
【0022】このような構成を適用した場合、動作プロ
グラム中のパラメータである移動軌跡座標の値を書き替
えるだけの簡単な処理で、コンピュータシステムに予め
実装されている直線および円弧等の補間機能や移動速度
の設定、更には、周辺装置の一種であるシーラー供給装
置のオン・オフ制御等も自由に行うことができるように
なり、特に、Point to Pointの単純な直
線補間のみでは困難な複雑な形状のワークに対しても、
シーラーの塗布作業を的確に行うことができるようにな
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の幾つかについて説明する。図1は本発明を適用
した一実施形態のシーラー塗布装置の主用な構成要素に
ついて示した機能ブロック図である。
【0024】この実施形態のシーラー塗布装置1は、概
略において、産業用ロボット105とシーラー供給装置
104、および、産業用ロボット105とシーラー供給
装置104を駆動制御するコンピュータシステム2、な
らびに、ワークとなるウインドガラス101を保持する
ための作業用治具3と、この作業用治具3によって保持
されたウインドガラス101を撮影するためのステレオ
カメラ4によって構成される。
【0025】次に、各構成要素について簡単に説明す
る。まず、産業用ロボット105には3以上の自由度、
具体的にいえば、空間内で上下,左右,前後の各方向に
複合的に移動できるだけの自由度が必要である。この実
施形態では、ウインドガラス101の表面にシーラー供
給装置104の先端部を直交させた状態でシーラー供給
装置104を移動させながらシーラーの塗布作業を行う
ことが望ましいとの観点から傾斜制御が可能な多関節型
の産業用ロボット105を利用しているが、これに限定
されるものではない。
【0026】シーラー供給装置104は産業用ロボット
105の先端部にアタッチメントとして装着されてお
り、外部からのオン・オフ指令に基いて先端部からのシ
ーラーの送出をオン・オフ制御できるようになってい
る。
【0027】また、ステレオカメラ4は、異なった視点
から3次元空間中のウインドガラス101を撮影して各
カメラの位置関係と画像点の対応関係から撮影対象の形
状を復元するためのもので、最低でも2つのカメラユニ
ットを備える。本実施形態においては、撮影対象物とな
るウインドガラス101が比較的扁平であって撮影時に
死角が生じにくいことを前提とし、3つのカメラユニッ
ト4a,4b,4cをL字型に配備しているが、ワーク
形状が複雑で立体的な場合には、+またはX字型の5
眼、更には、格子状の9眼等の態様で多数のカメラユニ
ットをステレオカメラ4に設置する場合もある。ステレ
オカメラ4は数値制御装置6からの指令で画像を取込
み、撮影した画像のデータを数値制御装置6に転送す
る。
【0028】ステレオカメラ4を構成するカメラユニッ
ト4a,4b,4cで撮影された視点の異なる3つの画
像の一例を図8に示す。
【0029】産業用ロボット105およびシーラー供給
装置104とステレオカメラ4を駆動制御するコンピュ
ータシステム2は、産業用ロボット105に付属するロ
ボット制御装置5と汎用の数値制御装置6とによって構
成され、このうち、ロボット制御装置5は専ら産業用ロ
ボット105の駆動制御に、また、数値制御装置6は、
画像処理等を始めとする付加機能の実現のために使用さ
れ、両者間はデータ転送可能に接続されている。
【0030】なお、この実施形態では市販のロボット制
御装置5に改造を加えずに利用することを前提とし、画
像処理等の付加機能を実現するための数値制御装置6を
ロボット制御装置5に追加してコンピュータシステム2
としているが、画像処理等の付加機能を実装することを
含めてロボット制御装置5を始めから設計し直すような
場合には、単体のロボット制御装置5それ自体をコンピ
ュータシステム2とすることも可能である。また、これ
とは逆に数値制御装置6に産業用ロボット105の駆動
制御機能を実装し、単体の数値制御装置6をコンピュー
タシステム2としてもよい。
【0031】このように、コンピュータシステム2に構
成上の格別の制限はないが、ここでは、一例としてロボ
ット制御装置5と数値制御装置6でコンピュータシステ
ム2を構成した場合の構造について簡単に説明する。
【0032】コンピュータシステム2の一部を構成する
ロボット制御装置5は、図2に示されるように、直線補
間,円弧補間等の動作やティーチング操作等に必要とさ
れる基本的な制御プログラムを格納したROM7と、ユ
ーザがAPT文(Automatic Program
ming Tool)等を利用して作成した産業用ロボ
ット105のための動作プログラムを記憶するための不
揮発性メモリ8、および、不揮発性メモリ8に記憶され
た動作プログラムとROM7に格納されている制御プロ
グラムとに基いて各種の演算処理を実行するCPU9
と、演算過程のデータの一時記憶等に用いられるRAM
10、ならびに、CPU9からの指令に応じて産業用ロ
ボット105の各軸のサーボモータ(図示せず)を駆動
制御する軸制御回路11とを備える。
【0033】軸制御回路11はCPU9から与えられる
移動指令に基いて所定周期毎のパルス分配処理を実行
し、各軸のサーボモータを駆動して産業用ロボット10
5の先端位置および移動速度と駆動トルクを制御する。
【0034】表示装置付手動データ入力装置12は、自
動プログラミング装置等を使用しない場合の動作プログ
ラムの直接編集、あるいは、ティーチング操作等に使用
される。
【0035】入出力インターフェイス13はロボット制
御装置5と数値制御装置6とを接続してデータ転送を行
うためのもので、シーラー供給装置105へのオン・オ
フ指令の伝達にも利用される。また、工場内のセルコン
トローラ等と接続して動作プログラムの実行スケジュー
ル等を受け取る場合もある。
【0036】次に、数値制御装置6の構造の概略を図3
に示す。この数値制御装置6は、システムプログラムを
格納したROM14と、画像の解析や行列の演算に用い
られるアプリケーションプログラム等を記憶した不揮発
性メモリ15、および、画像の解析や行列の演算処理等
に用いられるCPU16と、演算過程のデータの一時記
憶等に用いられるRAM17、ならびに、表示装置付手
動データ入力装置18と、入出力インターフェイス1
9、更に、画像取込み用のフレームメモリ20によって
構成される。フレームメモリ20はRAM17の一部に
よって構成してもよい。
【0037】入出力インターフェイス19は数値制御装
置6とロボット制御装置5とを接続してデータ転送を行
うためのもので、ステレオカメラ4が有する3つのカメ
ラユニット4a,4b,4cで撮影された画像データ
も、入出力インターフェイス19を介してフレームメモ
リ20に送られるようになっている。
【0038】フレームメモリ20内のデータ配列の一例
を図9に示す。この実施形態では、640ドット×48
0ドットの3組の画素データを256階調の濃度で記憶
するようにしているが、解像度や階調等の画素の記憶条
件については、必要とされる分解能等に応じて適宜に決
めるものとする。
【0039】また、図1に示されるように、ベルトコン
ベア107の近傍には、このベルトコンベア107で次
々と搬送されてくるパレット102の位置を検出するた
めの定位置検出センサ108が設けられており、この定
位置検出センサ108からの信号も入出力インターフェ
イス19を介してCPU16に入力されるようになって
いる。
【0040】不揮発性メモリ15は、各種のウインドガ
ラス101の設計上の3次元形状データと、この3次元
形状データに対応して設定されたシーラー供給装置10
4の複数の移動軌跡座標とを記憶する記憶手段としても
機能する。
【0041】不揮発性メモリ15に記憶されるウインド
ガラス101の設計上の3次元形状データと、この3次
元形状データに対応して設定されたシーラー供給装置1
04の複数の移動軌跡座標との対応関係の一例を図15
の概念図を用いて説明する。
【0042】図15に示される符号21の部分がウイン
ドガラス101の設計上の3次元形状データである。C
ADを利用した設計作業では、直線,円弧,ベジェ曲線
等のベクトルデータを利用して製品の形状を決定してい
くので、このCADデータからなる3次元形状データを
自動プログラミング装置等で産業用ロボット105のプ
ログラミング言語(APT文等)に変換する際にオフセ
ット量Dと設定間隔Sさえ決めておけば、産業用ロボッ
ト105の先端の移動軌跡、つまり、シーラー供給装置
104の移動軌跡座標Q1〜Qnは、ティーチング操作
を行うことなく記憶手段としての不揮発性メモリ15に
容易に設定および記憶させることが可能である。
【0043】図15ではCADデータからなる3次元形
状データとシーラー供給装置104の移動軌跡座標の組
を一対のみ示しているが、実際には、作業対象となる可
能性のある複数のウインドガラス101の設計上の3次
元形状データ21と、各ウインドガラス101の設計上
の3次元形状データ21の各々に対応して設定されたシ
ーラー供給装置104の複数の移動軌跡座標の組が不揮
発性メモリ15に何組か記憶されている。
【0044】数値制御装置6の主要部を構成するCPU
16は、更に、ステレオカメラ4によって撮影されたウ
インドガラス101の画像データに基いて該ウインドガ
ラス101の3次元形状データを求める3次元形状デー
タ演算手段としての機能を備える。この機能は、例え
ば、一般的に使われている線分情報をもとにしたステレ
オ法等により作業対象ワークの3次元形状データを求め
る形状認識用のアプリケーションプログラムを不揮発性
メモリ15内にインストールしておき、このアプリケー
ションプログラムを読み出してCPU16でフレームメ
モリ20内の3組の画像データを処理することによって
実現することが可能である。具体的には、視点の異なる
3つのカメラユニット4a,4b,4cから取り込まれ
たフレームメモリ20内の3組の画像のうち1つの画像
に対して、エッジの抽出,領域分割を行い、領域の境界
線を特徴点で線分に分割し、2次元の線分データ群を得
る。得られた線分データ群の各線分データをもとにし
て、残りの各画像に対してエピポーラ線上で線分データ
のステレオ対応候補を探索する。対応する線分データが
見つかった場合に、対となる線分データから3次元形状
データを求める。この処理を全ての線分データに対して
行うことにより、ウインドガラス101の3次元形状を
求める。
【0045】また、CPU16には、3次元形状データ
演算手段で求められたウインドガラス101の3次元形
状データと不揮発性メモリ15に予め記憶されている複
数の3次元形状データ21(図15参照)とを比較し、
3次元形状データ演算手段によって求められた3次元形
状データに最も近似する設計上の3次元形状データ21
を選択する作業対象ワーク特定機能が設けられている。
この機能は、不揮発性メモリ15内にインストールされ
た形状同定用のアプリケーションプログラムを起動する
ことによって実現することができる。形状を同定するた
めの手法としては、例えば、3次元形状データ演算手段
によって求められた3次元形状データの線分データと設
計上の3次元形状データの線分データとの一致度を比較
する手法がある。3次元形状データ演算手段によって求
められた3次元形状データのうちの任意の線分データに
対して、予め登録されている設計上の3次元形状データ
の全線分データとの組み合わせについて特徴点の一致度
を計算して、閾値以上の組み合わせを抽出する。抽出さ
れた線分データの各組み合わせに対して、隣の線分デー
タ同士で一致度を計算して、閾値以上の組み合わせを抽
出する。この処理を繰り返して線分データの組み合わせ
を絞り込むことにより、3次元形状データ演算手段によ
って求められた3次元形状データと設計上の3次元形状
データとの相関を求めることができる。以上の処理を、
記憶されている複数の3次元形状データ21に対して行
い、最も高い相関が得られた3次元形状データを、3次
元形状データ演算手段によって求められた3次元形状デ
ータに最も近似する設計上の3次元形状データ21とす
る。
【0046】作業用治具3は、ウインドガラス101を
移送するためのパレット102と、パレット102上の
中央部に立設された柱状のステイ22、および、ステイ
22の先端部に固設されたワーク保持部23からなる簡
単な構成である。ワーク保持部23としてはゴム等の弾
性体で形成された吸盤、あるいは、真空装置を利用した
吸着機構等を利用することができる。
【0047】ワーク保持部23に必要とされる機能は、
ワーク保持部23にセッティングされたウインドガラス
101の姿勢を保持できれば十分であり、ウインドガラ
ス101の取り付け姿勢を一様とするための機能は一切
必要ない。つまり、ウインドガラス101をどのような
姿勢で作業用治具3に取り付けるかは、表裏を反転する
といった極端な姿勢変更を行わない限り、完全に自由で
ある。但し、ウインドガラス101をワーク保持部23
に一旦セッティングした後は、その姿勢が取り付け時の
状態のままに保持されなければならない。
【0048】図4は数値制御装置6のCPU16によっ
て実行される移動軌跡座標再演算処理の概略を示したフ
ローチャート、また、図5はロボット制御装置5のCP
U9によって実行されるロボット制御の概略を示したフ
ローチャートである。
【0049】次に、図4〜図5を参照して、3次元形状
データ演算手段,行列演算手段,移動軌跡座標再演算手
段としてのCPU16の処理動作と、シーラー移動軌跡
補正手段としてのCPU9の処理動作、および、CPU
9による産業用ロボット105の駆動制御について説明
する。
【0050】まず、ベルトコンベア107に載ったパレ
ット102が図1の定位置に到達すると、定位置検出セ
ンサ108が作動してベルトコンベア107を停止さ
せ、同時に、この定位置検出センサ108からの立ち上
がり信号が、数値制御装置6の入出力インターフェイス
19を介してCPU16に入力される。
【0051】数値制御装置6のCPU16は、ステップ
a1の判定処理で立ち上がり信号の入力を検出し、ステ
レオカメラ4を作動させて画像の取込みを行い(ステッ
プa2)、3つのカメラユニット4a,4b,4cで撮
影された3組の画像をフレームメモリ20に一時記憶す
る(ステップa3)。
【0052】次いで、3次元形状データ演算手段として
機能するCPU16は、形状認識用のアプリケーション
プログラムを不揮発性メモリ15から読み込んで起動
し、フレームメモリ20に読み込まれているカメラユニ
ット4a,4b,4cの3組の画像データを分析し、作
業用治具3で保持されているウインドガラス101の3
次元形状データを求める(ステップa4)。この3次元
形状データは、空間内の座標のうちウインドガラス10
1の内部と表面に位置する座標のデータであるから、実
質的には、作業用治具3で保持されているウインドガラ
ス101の3次元形状の他、その位置および姿勢を表す
データでもある。
【0053】形状認識によって得られたウインドガラス
101の3次元形状データ24の一例を図10に示す。
【0054】次いで、作業対象ワーク特定機能実現手段
として機能するCPU16は、形状同定用のアプリケー
ションプログラムを不揮発性メモリ15から読み込んで
起動し、ステップa4の処理で求められた3次元形状デ
ータ24(図10参照)と不揮発性メモリ15に予め記
憶されている複数の3次元形状データ21(図15参
照)とを比較し、ステップa4の処理で求められた3次
元形状データ24に最も近似する設計上の3次元形状デ
ータ21を特定する(ステップa5)。
【0055】この実施形態では、作業対象となる種々の
ウインドガラス101の3次元形状データ21が全て不
揮発性メモリ15に記憶されており、また、未知の形状
のウインドガラス101が作業用治具3に取り付けられ
るということもないので、形状の同定が不能となるよう
な問題は発生しない。
【0056】そこで、行列演算手段として機能するCP
U16は、ステップa4の処理で求められた作業対象の
3次元形状データ24とステップa5の処理で特定され
た設計上の3次元形状データ21とに基き、図12に示
されるように、設計上の3次元形状データ21を作業対
象の3次元形状データ24に写像するためのアフィン変
換行列〔M〕を求める(ステップa6)。具体的には、
作業対象の3次元形状データ24の線分データ等の特徴
点群と設計上の3次元形状データ21の特徴点群との組
み合わせを求め、最小二乗法等により最も誤差が小さく
なるような行列を求めて変換行列〔M〕とする。
【0057】図12および図13に示されるように、設
計上の3次元形状データ21上の点Q(xq,yq,z
q)が作業対象の3次元形状データ24上で点P(x
p,yp,zp)に対応するとするなら、(xq,y
q,zq,1)を(xp,yp,zp,1)に変換する
行列〔M〕がアフィン変換行列、つまり、3次元空間中
の平行移動と回転移動とによって点(xq,yq,z
q)を点(xp,yp,zp)の位置に移動させる行列
である。
【0058】次いで、CPU16は、移動軌跡座標読出
指標iの値を零に初期化し(ステップa7)、該指標i
の値を1インクリメントする(ステップa8)。
【0059】次に、移動軌跡座標再演算手段として機能
するCPU16は、移動軌跡座標読出指標iの現在値に
基いて、ステップa5の処理で特定された設計上の3次
元形状データ21に対応して設定されているシーラー供
給装置104の複数の移動軌跡座標Q1〜Qn(図15
参照)のうちから第i番目の移動軌跡座標Qi(x
,yq,zq)の値を不揮発性メモリ15から
読み込み(ステップc9)、アフィン変換行列〔M〕に
(xq,yq,zq,1)を乗じて、作業対象の
3次元形状データ24に対する位置関係が、設計上の3
次元形状データ21に対する移動軌跡座標Qi(x
,yq,zq)の関係と同値となる移動軌跡座
標Pi(xp,yp,zp)の値を求め、この値
(xp,yp,zp)を駆動制御上の最終的な移
動目標位置Piとして記憶する(ステップa10)。
【0060】次いで、CPU16は、現時点で読み出さ
れている移動軌跡座標Qiが、設計上の3次元形状デー
タ21に対応して不揮発性メモリ15に設定されている
最後の移動軌跡座標であるか否かを判定する(ステップ
a11)。そして、ここで読み出されている移動軌跡座
標Qiが最後の移動軌跡座標でなければ、移動軌跡座標
読出指標iの値をインクリメントしながら前記と同様に
してステップa8〜ステップa11の処理を繰り返し実
行し、設計上の3次元形状データ21に対応して不揮発
性メモリ15に設定されている移動軌跡座標Q1〜Qn
の全て(図15参照)に対して駆動制御上の最終的な移
動軌跡座標P1〜Pnの値を求め、これらの移動軌跡座
標P1〜Pnを入出力インターフェイス19,13を介
してロボット制御装置5のCPU9に転送した後(ステ
ップa12)、定位置検出センサ108からの立ち上が
り信号を待つ初期の待機状態に復帰する(ステップa
1)。
【0061】このようにして数値制御装置6から送出さ
れた移動軌跡座標P1〜Pnのデータは、ロボット制御
装置5のCPU9によってステップb1の判定処理で検
出される。
【0062】そして、データ入力を検出したCPU9
は、最終的な移動軌跡座標P1〜Pnの値を一時記憶し
(ステップb2)、移動軌跡座標読出指標jの値を零に
初期化してから(ステップb3)、該指標jの値を1イ
ンクリメントする(ステップb4)。
【0063】次いで、シーラー移動軌跡補正手段として
機能するCPU9は、移動軌跡座標読出指標jの現在値
に基いて、ステップb2の処理で記憶された第j番目の
最終的な移動軌跡座標Pjの値(xp,yp,zp
)の値を読み込み(ステップb5)、この値を駆動制
御上の次の目標位置として軸制御回路11に出力し、軸
制御回路11のパルス分配処理による産業用ロボット1
05の直線補間制御を開始させ(ステップb6)、同時
に、産業用ロボット105の各軸のパルスコーダからの
フィードバック信号に基いて産業用ロボット105の先
端の現在位置を求め、この位置が移動軌跡座標Pjのイ
ンポジション幅に入っているか否か、つまり、産業用ロ
ボット105の先端が移動軌跡座標Pjに達しているか
否かを判定するための張込処理を開始する(ステップb
7)。
【0064】図1に示されるように、シーラーの塗布作
業の開始時点では、産業用ロボット105の先端はウイ
ンドガラス101から上方に離間したアプローチポイン
トP0の位置に退避されているので、i=1の移動軌跡
座標P1を目標位置とする最初の直線補間制御では、ア
プローチポイントP0の位置から塗布開始点の移動軌跡
座標P1へと向かうPoint to Pointの直
線補間のためのパルス分配処理がステップb6〜ステッ
プb7の処理で繰り返し実行されることになる。
【0065】そして、産業用ロボット105の先端が移
動軌跡座標Pjのインポジション幅に入ったことがステ
ップb7の判定処理によって検出されると、CPU9
は、移動軌跡座標読出指標jの現在値が1であるか否
か、つまり、これまでの直線補間処理が、産業用ロボッ
ト105の先端をアプローチポイントP0から塗布開始
点の移動軌跡座標P1に移動させるためのものであった
か否かを判定する(ステップb8)。
【0066】そして、移動軌跡座標読出指標jの現在値
が1である場合、つまり、ステップb8の判定結果が真
となって産業用ロボット105の先端が塗布開始点の移
動軌跡座標P1に到達したと判定された場合に限り、C
PU9は、入出力インターフェイス13を介してシーラ
ー供給装置104に作動開始指令を出力し、シーラー供
給装置104からのシーラーの送出を開始させる(ステ
ップb9)。
【0067】従って、産業用ロボット105の先端がア
プローチポイントP0から塗布開始点の移動軌跡座標P
1に移動するまでの間に不用意にシーラー供給装置10
4が作動してシーラーが流出することはない。
【0068】一方、ステップステップb8の判定結果が
偽となった場合には、CPU9は、更に、移動軌跡座標
読出指標jの現在値がnであるか否か、つまり、これま
での直線補間処理が、産業用ロボット105の先端を塗
布終了点の1つ手前の移動軌跡座標Pn−1から塗布終
了点の移動軌跡座標Pnに移動させるためのものであっ
たか否かを判定する(ステップb10)。
【0069】ここで、ステップb10の判定結果が偽と
なった場合には、産業用ロボット105の先端が塗布開
始点の移動軌跡座標P1から塗布終了点の1つ手前の移
動軌跡座標Pn−1に至る何れかの1ブロックの区間の
直線補間処理が完了したことを意味する。
【0070】この場合、シーラー移動軌跡補正手段とし
て機能するCPU9は、1ブロック分の直線補間処理が
完了してステップb7の判定結果が真となる度に、移動
軌跡座標読出指標jの値を1インクリメントして前記と
同様にしてステップb4〜ステップb8およびステップ
b10の処理を繰り返し実行し、産業用ロボット105
の先端を移動軌跡座標P1,P2,P3,・・・,Pn
へと順に移動させていく。この間、シーラー供給装置1
04は作動状態に保持される。
【0071】前述した通り、作業対象の3次元形状デー
タ24に対する移動軌跡座標P1,P2,P3,・・
・,Pnの位置関係は、設計上の3次元形状データ21
に対する移動軌跡座標Q1,Q2,Q3,・・・,Qn
の位置関係と全く同じとなるから、作業用治具3に対す
るウインドガラス101の取り付けの際に生じる位置や
姿勢の相違、更には、パレット102のオーバートラベ
ルの有無等とは全く無関係に、その時点でのウインドガ
ラス101の位置と姿勢に応じ、ウインドガラス101
の外周部の表面に沿って的確にシーラーを塗布すること
ができる。
【0072】そして、最終的に、ステップb10の判定
処理が真となって産業用ロボット105の先端が塗布終
了点の移動軌跡座標Pnに達したことが確認されると、
CPU9は、入出力インターフェイス13を介してシー
ラー供給装置104に作動停止指令を出力してシーラー
供給装置104からのシーラーの送出を停止させた後
(ステップb11)、アプローチポイントP0を移動目
標位置とした直線補間処理と目標位置への到達を確認す
るための張込処理を開始する(ステップb12,ステッ
プb13)。
【0073】そして、最終的に、産業用ロボット105
の先端がアプローチポイントP0のインポジション幅に
入ったことがステップb13の判定処理によって検出さ
れると、CPU9は、1枚のウインドガラス101に対
するシーラーの塗布に必要とされる全ての処理を終了
し、数値制御装置6のCPU16から次のデータが入力
されるのを待つ初期の待機状態に復帰する(ステップb
1)。
【0074】その後、ベルトコンベア107に送りが掛
けられ、次の作業対象であるウインドガラス101をセ
ッティングしたパレット102が定位置に達すると、定
位置検出センサ108が再び立ち上がり信号を送出し、
前記と同様にして数値制御装置6側の処理とロボット制
御装置5側の処理が繰り返し実行され、次の作業対象で
あるウインドガラス101の形状とその時点でのウイン
ドガラス101の位置および姿勢に最適化された移動軌
跡座標P1〜Pnに沿ったシーラーの塗布作業が前記と
同様の処理手順で繰り返し実行されることになる。
【0075】以上は直線補間のみで産業用ロボット10
5を駆動制御する場合の処理動作の例である。
【0076】次に、他の実施形態として、補間形式と移
動速度および移動軌跡座標の指定が可能な動作プログラ
ムに基いて駆動制御される産業用ロボット105を用い
た場合の処理動作について簡単に説明する。
【0077】ここでは一例として、補間形式の指定にG
コマンド,送り速度の指定にFコマンド,周辺装置の動
作指令にTコマンドを利用したAPT文で動作プログラ
ムを作成した場合について説明する。
【0078】ロボット制御装置5にAPT文を翻訳する
機能が設けられている点を除き、産業用ロボット10
5,ロボット制御装置5,数値制御装置6の基本機能に
関しては図1〜図3に示したものと実質的に同様であ
る。
【0079】前述した実施形態の場合と同様、記憶手段
の一部を構成する数値制御装置6の不揮発性メモリ15
には、作業対象となる可能性のあるウインドガラス10
1の設計上の3次元形状データが全て記憶されているも
のとする。更に、本実施形態では、ロボット制御装置5
の不揮発性メモリ8に設けられたユーザプログラム記憶
領域に記憶された各ウインドガラス101毎の動作プロ
グラムに従って産業用ロボット105が駆動制御される
ようになっているので、数値制御装置6の不揮発性メモ
リ15には、作業対象となる可能性のあるウインドガラ
ス101の設計上の3次元形状データに対応させて、各
ウインドガラス101のシーラー塗布作業を実行する動
作プログラムを特定するためのプログラム番号が記憶さ
れている。前述した実施形態とは違い、この不揮発性メ
モリ15自体には、設計上の3次元形状データに対応し
て設定されたシーラー供給装置104の複数の移動軌跡
座標Q1〜Qnは記憶されない。
【0080】一方、本実施形態においては、ロボット制
御装置5の不揮発性メモリ8が、3次元形状データに対
応して設定されたシーラー供給装置104の複数の移動
軌跡座標Q1〜Qnを記憶するための記憶手段として機
能する。つまり、シーラー供給装置104の複数の移動
軌跡座標Q1〜Qnは、各ウインドガラス101のシー
ラー塗布作業を実行する動作プログラム中で移動目標位
置として設定されており、ロボット制御装置5の不揮発
性メモリ8は、各ウインドガラス101毎にユーザが作
成した動作プログラムを記憶することによってシーラー
供給装置104の複数の移動軌跡座標Q1〜Qnを記憶
することになる。
【0081】ここで、図11を参照して各ウインドガラ
ス101毎の動作プログラムの概要について説明する。
この実施形態では移動目標位置と補間形式を自由に指定
して産業用ロボット105の先端の移動軌跡を特定する
ことができるので、図15で示した実施形態のように移
動軌跡座標Q1〜Qnを数多く指定する必要はない。図
11に示されるようなウインドガラス101の場合で
は、例えば、移動軌跡座標Q1〜Q3の区間を直線補
間、また、移動軌跡座標Q4の周りを円弧補間とすれば
よい。ウインドガラス101毎の動作プログラムは、予
め作成されたCADデータを自動プログラミング装置に
入力してAPT分に変換することで簡単に生成すること
ができ、これらの動作プログラムをロボット制御装置5
に入力するだけで、移動軌跡座標Q1〜Qnは動作プロ
グラムの一部して自動的に不揮発性メモリ8のユーザプ
ログラム記憶領域に格納される。
【0082】仮に、設計上の3次元形状データに対応す
るアプローチポイントがQ0(xq ,yq,z
),塗布開始点の移動軌跡座標がQ1(xq,y
,zq)であって、最初の直線補間の完了点がQ
2(xq,yq,zq)であるとするなら、図1
1の3次元形状データ21に対応する動作プログラムの
先頭部分は、例えば、 G01 X xq,Y yq,Z zq (現在位置からQ0への直線補間 ) G01 X xq,Y yq,Z zq (Q0からQ1への直線補間) G01 X xq,Y yq,Z zq (Q1からQ2への直線補間) ・ ・ ・ となる。
【0083】但し、G01は直線補間を示すGコマンド
である。また、各行のステートメントの間にFコマンド
を入れて産業用ロボット105の移動速度を指定した
り、あるいは、Tコマンドを入れてシーラー供給装置1
04のオン・オフを制御することも可能である。例え
ば、アプローチポイントQ0から塗布開始点Q1までの
送りをFコマンドで高速のジョグ送りとし、産業用ロボ
ット105の先端が塗布開始点Q1に達した段階でTコ
マンドによってシーラー供給装置104の作動を開始さ
せ、それ以降の直線補間区間や円弧補間区間で必要とさ
れるシーラーの塗り幅等に応じて各区間毎にFコマンド
で送り速度を変更するといったことができる。
【0084】次に、図6〜図7を参照して、3次元形状
データ演算手段,行列演算手段,移動軌跡座標再演算手
段,シーラー移動軌跡補正手段としてのCPU16の処
理動作と、CPU9による産業用ロボット105の駆動
制御について説明する。
【0085】このうち数値制御装置6のCPU16によ
るステップc1〜ステップc6の処理は前述した実施形
態のステップa1〜ステップa6の処理と同様であるの
で説明を省略する。
【0086】ステップc6の処理でアフィン変換行列
〔M〕を求めたCPU16は、次いで、入出力インター
フェイス19,13を介してロボット制御装置5のCP
U9にアクセスし、ステップc5の処理で同定された設
計上の3次元形状データ21に対応する動作プログラム
のプログラム番号を指定してプログラム複製指令を送信
し(ステップc7)、ロボット制御装置5のCPU9か
ら複製完了信号が入力されるのを待つ待機状態に入る
(ステップc8)。
【0087】ロボット制御装置5のCPU9は、ステッ
プd1の判定処理でプログラム複製指令を検出し、指定
されたプログラム番号の動作プログラムを不揮発性メモ
リ8のユーザプログラム記憶領域から読み出して、この
動作プログラムを不揮発性メモリ8の実行対象プログラ
ム記憶領域に複製する(ステップd2)。そして、数値
制御装置6側のCPU16が不揮発性メモリ8の実行対
象プログラム記憶領域内でデータの書き替え操作を行う
ことを許容した後(ステップd3)、入出力インターフ
ェイス13,19を介して数値制御装置6のCPU16
に複製完了信号を送信し(ステップd4)、CPU16
からのプログラム実行指令の入力を待つ待機状態に入る
(ステップd5)。
【0088】この待機状態の間、CPU16は不揮発性
メモリ8の実行対象プログラム記憶領域にアクセスして
データの書き替えを行うことを許容される。
【0089】数値制御装置6のCPU16はステップc
8の判定処理で複製完了信号の入力を検出してステート
メント読出指標iの値を零に初期化した後(ステップc
9)、該指標iの値を1インクリメントし(ステップc
10)、ステートメント読出指標iの現在値に基いて、
ロボット制御装置5側の不揮発性メモリ8の実行対象プ
ログラム記憶領域に複製された動作プログラムから第i
番目のステートメントを読み込み(ステップc11)、
このステートメントがプログラムエンドを示すものであ
るか否かを判定する(ステップc12)。
【0090】動作プログラムのステートメントは、補間
形式の指定に用いるGコマンド,送り速度の指定に用い
るFコマンド,周辺装置(この場合はシーラー供給装置
104)の動作指令に用いるTコマンドの何れか、若し
くは、プログラムエンドコードによって構成されてい
る。
【0091】ここで、ステップc12の判定結果が偽と
なった場合には、CPU16は、更に、このステートメ
ントが補間形式を指定するGコマンドであるか否かを判
定する(ステップc13)。
【0092】そして、Gコマンドが検出された場合に
は、移動軌跡座標再演算手段およびシーラー移動軌跡補
正手段としてのCPU16が、このGコマンドで指定さ
れている移動軌跡座標Qi(xq,yq,zq
に従って、ステップc6の処理で求めたアフィン変換行
列〔M〕に(xq,yq,zq,1)を乗じ、作
業対象の3次元形状データ24に対する位置関係が、設
計上の3次元形状データ21に対する移動軌跡座標Qi
(xq,yq,zq)の関係と同値となる移動軌
跡座標Pi(xp,yp,zp)の値を求め、不
揮発性メモリ8の実行対象プログラム記憶領域の第i番
目のステートメントに設定されている移動軌跡座標Qi
(xq,yq,zq)の値を移動軌跡座標Pi
(xp,yp,zp)の値に書き替える(ステッ
プc14)。
【0093】一方、ステップc13の判定処理でGコマ
ンド以外のコマンド、例えば、FコマンドやTコマンド
が検出された場合には、何らの書き替え操作も行われな
いので、不揮発性メモリ8の実行対象プログラム記憶領
域の第i番目のステートメントはそのままの状態に保持
される。
【0094】CPU16は、プログラムエンドを示すス
テートメントが検出されるまでの間、ステートメント読
出指標iの値を1インクリメントしながら前記と同様に
してステップc10〜ステップc14の処理を繰り返し
実行し、設計上の3次元形状データ21に対応する動作
プログラムに設定されている移動軌跡座標Q1〜Qnの
全てに対して駆動制御上の最終的な移動軌跡座標P1〜
Pnを再演算して求め、不揮発性メモリ8の実行対象プ
ログラム記憶領域に設定されている移動軌跡座標Q1〜
Qnの内容をP1〜Pnの値に書き替える。
【0095】そして、最終的に、プログラムエンドを示
すステートメントが読み込まれてステップc12の判定
結果が真となり、不揮発性メモリ8の実行対象プログラ
ム記憶領域に設定されている移動軌跡座標Q1〜Qnの
内容の書き替えが全て終わったことが確認されると、C
PU16はロボット制御装置5のCPU9にプログラム
実行指令を送信して(ステップc15)、定位置検出セ
ンサ108からの立ち上がり信号を待つ初期の待機状態
に復帰する(ステップc1)。
【0096】この結果、例えば、図11の設計上の3次
元形状データ21に対応したウインドガラス101の動
作プログラムの先頭部分は、 G01 X xq,Y yq,Z zq (現在位置からQ0への直線補間 ) G01 X xq,Y yq,Z zq (Q0からQ1への直線補間) G01 X xq,Y yq,Z zq (Q1からQ2への直線補間) ・ ・ ・ の状態から、図14のような作業対象の3次元形状デー
タ24に対応するウインドガラス101の動作プログラ
ム、つまり、 G01 X xp,Y yp,Z zp (現在位置からP0への直線補間 ) G01 X xp,Y yp,Z zp (P0からP1への直線補間) G01 X xp,Y yp,Z zp (P1からP2への直線補間) ・ ・ ・ に書き替えられることになる。
【0097】但し、図11の設計上の3次元形状データ
21に対応したウインドガラス101の動作プログラム
はそのままの状態で不揮発性メモリ8のユーザプログラ
ム記憶領域に保存されており、書き替えが行われるの
は、不揮発性メモリ8の実行対象プログラム記憶領域に
複製された動作ブログラムのみである。
【0098】ロボット制御装置5のCPU9は、ステッ
プd5の判定処理でプログラム実行指令を検出し、不揮
発性メモリ8の実行対象プログラム記憶領域から1ブロ
ック分のステートメントを読み込み(ステップd6)、
このステートメントがプログラムエンドを示すものであ
るか否かを判定する(ステップd7)。
【0099】ステップd7の判定結果が偽となった場合
には、CPU9は、更に、このステートメントが補間形
式を指定するGコマンドであるのか(ステップd8)、
周辺装置の動作に関連したTコマンドであるのか(ステ
ップd11)、送り速度の指定に関連したFコマンドで
あるのか(ステップd16)を判定する。
【0100】そして、ステップd8の判定結果が真とな
った場合、つまり、読み込んだステートメントがGコマ
ンドであった場合には、CPU9は、このGコマンドで
指定されている移動軌跡座標を駆動制御上の次の目標位
置として軸制御回路11に出力し、軸制御回路11のパ
ルス分配処理による直線補間または円弧補間の駆動制御
を開始させ(ステップd9)、同時に、産業用ロボット
105の各軸のパルスコーダからのフィードバック信号
に基いて産業用ロボット105の先端の現在位置を求
め、この位置が移動軌跡座標のインポジション幅に入っ
ているか否かを判定するための張込処理を開始する(ス
テップd10)。
【0101】また、ステップd8の判定結果が偽、か
つ、ステップd11の判定結果が真となった場合、つま
り、読み込んだステートメントがTコマンドであった場
合には、CPU9は、このTコマンドがシーラー供給装
置104の作動開始指令であるのか作動停止指令である
のかを判定し、作動開始指令であればシーラー供給装置
104に作動開始信号を出力してシーラーの送出を開始
させる一方、作動停止指令であった場合には、シーラー
供給装置104に作動停止信号を出力してシーラーの送
出を停止させる(ステップd12〜ステップd15)。
【0102】更に、ステップd8およびステップd11
の判定結果が偽、かつ、ステップd16の判定結果が真
となった場合、つまり、読み込んだステートメントがF
コマンドであった場合には、CPU9は、このFコマン
ドで指定された送り速度に従って各軸に対する単位時間
当たりの分配パルス量を調整し、あるいは、電流ループ
におけるトルクリミット値(電流制限値)を調整して、
産業ロボット105の先端の移動経路を変えることなく
移動速度を指定された送り速度に合わせる(ステップd
17)。
【0103】このようにして、1ブロック分のステート
メントを実行したCPU9は再びステップd6の処理に
移行して不揮発性メモリ8の実行対象プログラム記憶領
域から次の1ブロック分のステートメントを読み込み、
最終的に、ステップd7の判定結果が真となって動作プ
ログラムのプログラムエンドが検出されるまでの間、前
記と同様にしてステップd6〜ステップd17の処理を
繰り返し実行する。そして、ステップd7の判定結果が
真となり、1枚のウインドガラス101に対するシーラ
ーの塗布に必要とされる全ての処理が完了すると、数値
制御装置6のCPU16から次のプログラム複製指令が
入力されるのを待つ初期の待機状態に復帰する(ステッ
プd1)。
【0104】その後、ベルトコンベア107に送りが掛
けられ、次の作業対象であるウインドガラス101をセ
ッティングしたパレット102が定位置に達すると、前
記と同様にして数値制御装置6側の処理とロボット制御
装置5側の処理が繰り返し実行され、次の作業対象であ
るウインドガラス101の形状とその時点での位置およ
び姿勢に最適化された移動軌跡座標P1〜Pnに沿った
シーラーの塗布作業が前記と同様の処理手順で繰り返し
実行されることになる。
【0105】この実施形態では、数値制御装置6のCP
U16がアフィン変換行列〔M〕を求め、不揮発性メモ
リ8のユーザプログラム記憶領域内の動作プログラム中
で設計上の3次元形状データ21に対応して設定されて
いる移動軌跡座標Q1〜Qnをアフィン変換行列〔M〕
に乗じて作業対象の3次元形状データ24に対応する移
動軌跡座標P1〜Pnを求め、動作プログラム中の移動
軌跡座標Q1〜Qnを移動軌跡座標P1〜Pnに置き換
えて実行対象プログラム記憶領域に最適化された動作プ
ログラムを生成し、この動作プログラムに従って産業用
ロボット105を駆動制御するようにしている。この
際、移動経路を決めるための補間形式(Gコマンド)や
移動速度(Fコマンド)およびシーラー供給装置104
のオン・オフ制御(Tコマンド)等に関しては、設計上
の3次元形状データ21に基いて作成されたユーザプロ
グラム記憶領域内の動作プログラムをそのまま利用する
ことができるので、ロボット制御装置5に標準装備され
ている円弧補間等の様々な機能を活用して円滑にシーラ
ーの塗布作業を行うことができるメリットがある。
【0106】
【発明の効果】本発明のシーラー塗布装置は、セッティ
ングが完了した作業対象ワークをステレオカメラで撮影
して作業対象ワークの3次元形状データを求め、このワ
ークの設計上の3次元形状データをセッティング完了時
の作業対象ワークの3次元形状データに写像するための
アフィン変換行列を算出し、設計上の3次元形状データ
に対応して設定されたシーラー供給装置の移動軌跡座標
にアフィン変換行列を乗じることによってセッティング
完了時の作業対象ワークに対して最適な移動軌跡座標を
求め、この移動軌跡座標に沿って産業用ロボットの先端
を移動させてシーラーを塗布するようにしたので、どの
ような位置や姿勢で作業対象ワークが作業用治具に保持
されているかとは全く無関係に、作業用治具に保持され
た作業対象ワークの形状に倣ってシーラーの塗布作業を
的確に行うことができる。このため、作業用治具は、単
に、作業対象ワークを移動不能に固定するだけのもので
よく、作業対象ワークの位置および姿勢を産業用ロボッ
トに対して一定に保持するための機構や複雑な段取り作
業は一切不要となり、また、シーラーの塗布作業の前工
程で行われるワークのセッティング作業も大まかで済む
ので、オートメーション作業の連携も容易化される。ま
た、作業対象の位置や姿勢が変化するたびにティーチン
グ操作を行って適切な移動軌跡座標を指定するといった
操作上の煩わしさからも開放される。
【0107】更に、作業対象となる可能性のある複数の
ワークの設計上の3次元形状データと、該複数のワーク
の設計上の3次元形状データの各々に対応して設定され
たシーラー供給装置の移動軌跡座標とを記憶手段に記憶
させておき、その時点で作業対象となっているワークを
特定して写像に必要とされるアフィン変換行列を算出す
るようにしたので、同一の生産ライン上に形状の異なる
複数種のワークを混在させたような場合でも、段取りの
変更や動作プログラムの再選択操作を行うことなくシー
ラーの塗布作業を継続することができるようになった。
【0108】このように、セッティング完了時の作業対
象ワークに対して最適な移動軌跡座標が予め求められる
ため、Point to Pointの直線補間を主体
とした廉価な産業用ロボットを利用した場合であって
も、産業用ロボットの先端やシーラー供給装置を不用意
に作業対象ワークに干渉させることなく、シーラーの塗
布作業を的確に実施することができる。
【0109】また、補間形式の宣言,移動速度および移
動軌跡座標の指定,周辺装置の制御に用いる動作指令等
を取り扱えるような高機能の産業用ロボットを利用した
場合では、産業用ロボットの移動経路を特定する動作プ
ログラム中のパラメータである移動軌跡座標の値を書き
替えるだけの簡単な処理で、コンピュータシステムに予
め実装されている直線および円弧等の補間機能や移動速
度の設定、更には、周辺装置であるシーラー供給装置の
オン・オフ制御等も自由に行うことができるようにな
り、特に、Point to Pointの単純な直線
補間のみでは困難な複雑な形状のワークに対しても、シ
ーラーの塗布作業を的確に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施形態のシーラー塗布装
置の主用な構成要素について示した機能ブロック図であ
る。
【図2】コンピュータシステムの一部を構成するロボッ
ト制御装置の構成の概略ついて示した機能ブロック図で
ある。
【図3】コンピュータシステムの一部を構成する数値制
御装置の構成の概略ついて示した機能ブロック図であ
る。
【図4】数値制御装置のCPUによって実行される移動
軌跡座標再演算処理の概略を示したフローチャートであ
る。
【図5】ロボット制御装置のCPUによって実行される
ロボット制御の概略を示したフローチャートである。
【図6】数値制御装置のCPUによって実行される移動
軌跡座標再演算処理の概略を示したフローチャートであ
る(他の実施形態)。
【図7】ロボット制御装置のCPUによって実行される
ロボット制御の概略を示したフローチャートである(他
の実施形態)。
【図8】ステレオカメラを構成する各カメラユニットで
撮影された視点の異なる3つの画像の一例を示した概念
図である。
【図9】フレームメモリ内のデータ配列の一例を示した
概念図である。
【図10】作業用治具で保持されているウインドガラス
を示す3次元形状データの一例を示した概念図である。
【図11】補間形式と移動軌跡座標を指定した動作プロ
グラムによる動作経路の一例を示した概念図である。
【図12】設計上の3次元形状データを作業対象の3次
元形状データに写像するためのアフィン変換行列の作用
について示した概念図である。
【図13】設計上の3次元形状データを作業対象の3次
元形状データに写像するためのアフィン変換行列につい
て示した図である。
【図14】ワークの位置および姿勢に応じて動作経路を
書き替えられた動作プログラムによる動作経路の一例を
示した概念図である。
【図15】作業対象ワークの設計上の3次元形状データ
と、この3次元形状データに対応して設定されたシーラ
ー供給装置の複数の移動軌跡座標との対応関係の一例に
ついて示した概念図である。
【図16】従来型のシーラー塗布装置を利用したシーラ
ーの塗布作業について示した概念図である。
【符号の説明】
1 シーラー塗布装置 2 コンピュータシステム 3 作業用治具 4 ステレオカメラ 4a,4b,4c カメラユニット 5 ロボット制御装置(コンピュータシステムの一部) 6 数値制御装置(コンピュータシステムの一部) 7 ROM 8 不揮発性メモリ 9 CPU(シーラー移動軌跡補正手段) 10 RAM 11 軸制御回路 12 表示装置付手動データ入力装置 13 入出力インターフェイス 14 ROM 15 不揮発性メモリ(記憶手段) 16 CPU(3次元形状データ演算手段,行列演算手
段,移動軌跡座標再演算手段,シーラー移動軌跡補正手
段) 17 RAM 18 表示装置付手動データ入力装置 19 入出力インターフェイス 20 フレームメモリ 21 設計上の3次元形状データ 22 ステイ 23 ワーク保持部 24 作業用治具で保持されているウインドガラスの3
次元形状データ 100 作業用治具 101 ウインドガラス(ワーク) 102 パレット 103 ステイ 104 シーラー供給装置 105 産業用ロボット 106 ロボット制御装置(コンピュータシステム) 107 ベルトコンベア 108 定位置検出センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 健吾 神奈川県横浜市都筑区桜並木2番1号 ス ズキ株式会社横浜研究所内 Fターム(参考) 3C007 AS13 KS07 KT03 KT06 LS05 LS09 LS14 LS15 MT01 NS21 4F041 AA02 AA07 AB01 BA23 4F042 AA02 AA09 BA08 BA10 CB24 5H269 AB33 BB07 CC09 EE03 NN18 SA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3以上の自由度を備えた産業用ロボット
    と、前記産業用ロボットに装着されるシーラー供給装置
    と、前記産業用ロボットおよびシーラー供給装置を駆動
    制御するコンピュータシステムと、作業対象ワークを保
    持するための作業用治具とを備えたシーラー塗布装置に
    おいて、 前記作業用治具に保持された作業対象ワークを撮影する
    ステレオカメラを配備すると共に、 前記コンピュータシステムには、前記作業対象ワークの
    設計上の3次元形状データと、該設計上の3次元形状デ
    ータに対応して設定されたシーラー供給装置の複数の移
    動軌跡座標とを記憶する記憶手段と、 前記ステレオカメラによって撮影された作業対象ワーク
    の画像データに基いて該作業対象ワークの3次元形状デ
    ータを求める3次元形状データ演算手段と、 前記記憶手段に予め記憶されている3次元形状データと
    前記3次元形状データ演算手段によって求められた3次
    元形状データとに基いて、前記記憶手段に記憶されてい
    る3次元形状データを前記3次元形状データ演算手段に
    よって求められた3次元形状データに写像するためのア
    フィン変換行列を算出する行列演算手段と、 前記行列演算手段によって算出されたアフィン変換行列
    に前記移動軌跡座標の各々を乗じて前記作業用治具に保
    持された作業対象ワークの現在の位置および姿勢に応じ
    たシーラー供給装置の複数の移動軌跡座標を算出する移
    動軌跡座標再演算手段と、 前記産業用ロボットの駆動制御に際し、前記記憶手段に
    予め記憶されている各移動軌跡座標に代えて前記移動軌
    跡座標再演算手段によって算出された移動軌跡座標の各
    々を駆動制御上の最終的な移動目標位置として出力する
    シーラー移動軌跡補正手段とを配備したことを特徴とす
    るシーラー塗布装置。
  2. 【請求項2】 前記記憶手段は、作業対象となる可能性
    のある複数のワークの設計上の3次元形状データと該複
    数のワークの設計上の3次元形状データの各々に対応し
    て設定されたシーラー供給装置の複数の移動軌跡座標と
    を記憶し、 前記行列演算手段には、前記記憶手段に予め記憶されて
    いる複数の3次元形状データと前記3次元形状データ演
    算手段によって求められた3次元形状データとを比較
    し、前記3次元形状データ演算手段によって求められた
    3次元形状データに最も近似する設計上の3次元形状デ
    ータを前記予め記憶されている3次元形状データとして
    選択する作業対象ワーク特定機能が併設されていること
    を特徴とする請求項1記載のシーラー塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記コンピュータシステムは、前記最終
    的な移動目標位置に基いて産業用ロボットを直線補間で
    駆動制御するように構成されていることを特徴とする請
    求項1または請求項2記載のシーラー塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記コンピュータシステムは、補間形式
    の宣言と移動速度および移動軌跡座標の指定とシーラー
    供給装置のオン・オフ制御に用いる動作指令とを含む動
    作プログラムによって前記産業用ロボットを駆動制御す
    るように構成され、 前記記憶手段は、前記動作プログラムを介して前記シー
    ラー供給装置の複数の移動軌跡座標を記憶し、 前記シーラー移動軌跡補正手段は、前記動作プログラム
    中で予め設定されている移動軌跡座標に代えて前記移動
    軌跡座標再演算手段によって算出された移動軌跡座標の
    各々を前記動作プログラムに再設定することで、前記移
    動軌跡座標再演算手段によって算出された移動軌跡座標
    の各々を駆動制御上の最終的な移動目標位置として出力
    するように構成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載のシーラー塗布装置。
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