JP2003329552A - 大気中の花粉の捕集装置および測定装置並びに測定方法 - Google Patents

大気中の花粉の捕集装置および測定装置並びに測定方法

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    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N1/00Sampling; Preparing specimens for investigation
    • G01N1/02Devices for withdrawing samples
    • G01N1/22Devices for withdrawing samples in the gaseous state
    • G01N1/24Suction devices

Abstract

(57)【要約】 【課題】 風等の影響を受けることなく大気中に浮遊す
る花粉を確実に捕集することのできる捕集装置と、大気
中に浮遊する花粉の粒度分布を迅速かつ正確に測定する
ことのできる測定装置、および顕微鏡を用いて大気中の
花粉情報を正確に表すことのできる測定方法を提供す
る。 【解決手段】 捕集容器1内に放電電極3と集塵電極4
を配置し、その捕集容器1内にポンプ2で吸引した大気
中に含まれる花粉Pを帯電させ、集塵電極4上に捕集す
ることで、大気中に浮遊する花粉Pを迅速かつ正確にサ
ンプリングする。これとレーザ回折・散乱式粒度分布測
定装置を組み合わせることにより、大気中の花粉の粒度
分布を迅速かつ正確に測定することを可能とし、また、
上記の捕集装置10により捕集した花粉を顕微鏡で観察
することで、大気中の花粉の種類や個数等の情報を迅速
かつ正確に測定することを可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気中に浮遊する
花粉の捕集装置および測定装置、並びに測定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、各種花粉症の増加に伴い、大気中
に浮遊する花粉についての情報が重要となりつつある。
花粉症の原因は、おもにスギやヒノキの花粉であり、こ
れらの花粉は直径約30〜50μm程度でほぼ球形をし
ている。
【0003】大気中に浮遊する花粉を捕集して測定する
方法として、従来、スライドガラスの表面にワセリン等
の粘着物質を塗布したものを大気中に放置し、大気中の
花粉を自然沈降させてそのスライドガラスの表面に付着
させ、そのスライドガラス上に沈降させた花粉を顕微鏡
で観察してその形状、大きさ、個数および種類等を測定
する方法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、大気中に浮
遊する花粉を自然沈降させてスライドガラスの表面に付
着させてる従来の捕集方法では、その捕集に要する時間
が例えば24時間等と長時間となってしまうばかりでな
く、風等の影響によって単位時間当たりに捕集される量
が左右され、その捕集量は実際に大気中に存在する花粉
量を表す量とはならないという問題がある。
【0005】また、このようにして捕集した花粉を顕微
鏡で観察する方法では、その形状や種類の特定について
は容易であるが、上記したように、捕集される花粉が風
等の影響を受けるが故に、大気中に浮遊する花粉の全て
についての情報とはなり得ないという問題がある。更に
は、このように顕微鏡で観察して大きさや個数等を測定
する方法では、花粉の粒度分布を測定するためには個々
の花粉の径を測定して累計していく必要があり、煩雑で
あるという問題がある。
【0006】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、風等の影響を受けることなく大気中に浮遊する
花粉を確実に捕集することのできる捕集装置と、大気中
に浮遊する花粉の粒度分布を容易かつ正確に測定するこ
とのできる測定装置と、大気中に浮遊する花粉につい
て、その形状や種類あるいは個数等を風等の影響を受け
ることなく正確に測定することのできる測定方法の提供
を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の大気中の花粉の
捕集装置は、捕集容器と、その捕集容器内に大気を吸引
するポンプと、捕集容器内に配置され、単極イオンを発
生して当該容器内の花粉を帯電させる放電電極と、その
放電電極に対して電位差が与えられることにより捕集容
器内で帯電した花粉を引き寄せて捕集する集塵電極とを
備えていることによって特徴づけられる(請求項1)。
【0008】また、本発明の大気中の花粉の測定装置
は、請求項1に記載の捕集装置と、その捕集装置の集塵
電極に捕集された花粉を分散状態に維持する分散手段
と、その分散状態の花粉にレーザ光を照射する照射光学
系と、そのレーザ光の花粉による回折・散乱光の空間強
度分布を測定する測定光学系と、その測定結果から上記
集塵電極上に捕集された花粉の粒度分布を算出する演算
手段を備えていることによって特徴づけられる(請求項
2)。
【0009】更に、本発明の大気中の花粉の測定方法
は、請求項1に記載の捕集装置により捕集した花粉を、
顕微鏡で観察してその個数、形状および/または種類を
測定することによって特徴づけられる(請求項3)。
【0010】本発明は、大気中の花粉を電気的に捕集す
ることにより、風等の影響を受けることなく、ポンプに
より容器内に吸引した大気中に含まれる花粉のほぼ全量
を短時間のうちに捕集することを可能とし(請求項
1)、この捕集装置の特性と、レーザ回折・散乱式粒度
分布測定装置の特性を活かして、大気中に浮遊する花粉
の粒度分布を正確かつ迅速に測定することを可能とし
(請求項2)、同じく本発明の捕集装置の特性を活かし
て、大気中に浮遊している花粉の種類や形状あるいは個
数等を正確に測定することを可能とする(請求項3)も
のである。
【0011】すなわち、請求項1に係る発明の捕集装置
において、ポンプにより大気を捕集容器内に吸引し、そ
の捕集容器内に配置された放電電極から単極イオンを発
生させると、大気中に含まれている花粉が帯電する。こ
の帯電した花粉は、捕集容器内で放電電極に対して電位
差が与えられている集塵電極へと向かい、集塵電極上に
捕集される。このように捕集容器内で花粉を帯電させて
集塵電極上に捕集することにより、捕集容器内に吸引し
た大気中に含まれている花粉のほぼ全量を捕集すること
ができ、その捕集結果は、風等の影響を受けることな
く、捕集容器内に吸引した大気の量との関係において、
実際に単位体積当たりの大気中に存在する花粉の量を表
す量となり得る。
【0012】また、請求項2に係る発明の花粉の測定装
置は、以上の請求項1に係る発明の捕集装置と、レーザ
回折・散乱式の粒度分布測定装置とを組み合わせたもの
であって、捕集容器内に吸引した大気中に含まれる花粉
のほぼ全量を捕集することによって、大気中に浮遊する
花粉の粒度分布を正確に測定することができる。
【0013】ここで、レーザ回折・散乱式粒度分布測定
装置は、分散状態の被測定粒子群にレーザ光を照射した
ときに得られる回折・散乱光の空間強度分布を測定し、
その光強度分布がミーの散乱理論ないしはフラウンホー
ファの回折理論に則ることを利用し、回折・散乱光の空
間強度分布の測定結果からミーの散乱理論ないしはフラ
ウンホーファの回折理論に基づく演算によって被測定粒
子群の粒度分布を求める。このレーザ回折・散乱式粒度
分布測定装置によれば、被測定粒子群の分散媒中での濃
度を適正範囲とすることによって、前記した各種花粉に
見られる直径30〜50μmを含む広い粒径範囲におい
て高い分解能で迅速かつ正確に粒度分布を求めることが
できる。
【0014】しかしながら、大気中に自然状態で浮遊し
ている花粉に直接的にレーザ光を照射して回折・散乱光
を測定しようとしても、その濃度が低すぎる関係上、粒
度分布を求めるに十分な回折・散乱光を得ることができ
ない。
【0015】そこで、請求項2に係る発明においては、
請求項1に係る発明の捕集装置を用いて大気中に浮遊し
ている花粉を電気的に捕集し、その捕集した花粉をレー
ザ回折・散乱式の粒度分布測定に適した濃度範囲のもと
に分散させてレーザ光を照射して回折・散乱光の空間強
度分布を測定する。これにより、各種花粉の粒度分布を
広い粒径範囲で高い分解能のもとに正確に粒度分布を測
定することができる。
【0016】この請求項2における分散手段としては、
捕集した花粉を媒液中に分散させるための分散槽と攪拌
装置や超音波振動子の組み合わせとして、その媒液中に
分散している花粉にレーザ光を照射するほか、捕集装置
における集塵電極を透明部材によって構成し、その表面
に捕集されて分散状態で載っている花粉を落下させない
ように当該集塵電極の上面に被せるガラス板の組み合わ
せとして、その集塵電極およびガラス板の間に挟み込ま
れている花粉に直接的にレーザ光を照射してもよい。
【0017】請求項3に係る発明の測定方法は、請求項
1に記載の捕集装置により捕集された花粉を顕微鏡で観
察して形状や個数、種類などを測定する方法であって、
請求項1に係る発明の捕集装置の特性に基づき、大気中
に浮遊している花粉の風等による捕集のしやすさ/しに
くさの別なく、大気中に浮遊している全ての花粉を代表
するサンプルを捕集して観察に供することができ、その
観察結果は大気中の全ての花粉についての情報となり得
る。
【0018】この場合においても、集塵電極として透明
部材により構成されたものを用いることにより、表面に
花粉を捕集した集塵電極をそのまま顕微鏡の観察に供す
ることができて好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について説明する。図1は本発明の実施の形
態の構成図であり、光学的並びに機械的構成を表す模式
図と、電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図
である。
【0020】開閉自在の蓋1aを備えた捕集容器1に
は、大気の流入口1bと、ポンプ(捕集用圧縮機)2の
吸引口への連通口1cが形成されており、蓋1aを閉じ
た状態でポンプ2の駆動により流入口1bを介して大気
が捕集容器1内に吸引される。この捕集容器1内には、
その上部に放電電極3が設けられているとともに、その
放電電極3に対向してその下部には集塵電極4が配置さ
れている。放電電極3には高圧電源5によって高電圧が
印加され、これによって放電電極3の近傍の空気が電離
し、単極イオンが発生する。
【0021】一方、集塵電極4はこの例において接地電
位6に接続され、この集塵電極4と放電電極3の電位差
により、単極イオンは集塵電極4に向けて移動し、その
過程で捕集容器1内の大気中に含まれている花粉Pと接
触してこれを帯電させる。帯電した花粉Pは、同じく放
電電極3と集塵電極4との電位差によって集塵電極4に
向けて移動し、集塵電極4上に捕集される。
【0022】以上の捕集容器1、ポンプ2、放電電極3
高圧電源5、および集塵電極4と接地電位6によって、
花粉Pの捕集装置10を構成している。この捕集装置1
0によると、風等の影響を受けることなく、捕集容器1
内に吸引した大気中に含まれる花粉Pのほぼ全量を効率
よく集塵電極4上に捕集することができる。
【0023】集塵電極4上に捕集された花粉Pは、例え
ば蒸留水もしくは有機溶媒、またはこれらに界面活性剤
等の分散剤を添加した液体からなる媒液Lを収容した分
散槽11内に分散される。この花粉Pの分散槽11内へ
の分散は、人手により捕集容器1内の集塵電極4を蓋1
aを外して外部に取り出し、分散槽11内に浸漬してこ
の集塵電極4に付着している花粉Pを媒液L内に移行さ
せるか、あるいは、図2に要部構成図を示すように、集
塵電極4の表面に導電性材料からなるシャーレ状の捕集
具4aを搭載し、その捕集具4a内に媒液Lと同じ媒液
Lを収容しておき、花粉Pがこの捕集具4a内の媒液L
中に捕集されるようにし、この花粉Pが含まれる捕集具
4a内の媒液Lを、ポンプ(図示せず)により分散槽1
1内に導くか、あるいは人手により分散槽11内に投入
するようにしてもよい。
【0024】分散槽11は、攪拌機12および超音波振
動子13を備えているとともに、その底部には循環用配
管14の一端が連通しており、この循環用配管14は循
環用ポンプ15を介してレーザ回折・散乱式粒度分布測
定装置20のフローセル21の入口に連通し、更にその
フローセル21の出口から分散槽11の上方にまで至っ
て開口している。また、分散槽11の底部には、内容物
を排出するための排出バルブ11aが設けられている。
【0025】分散槽11内の媒液L中に花粉Pが投入さ
れた状態で、攪拌機12および超音波振動子13を駆動
することによって、花粉Pは媒液L中に均等に分散する
とともに、媒液L中に含まれている気泡が取り除かれ
る。
【0026】媒液Lおよびそこに分散している花粉P
は、循環用ポンプ15の駆動により循環用配管14を介
してフローセル21内を流れた後、分散槽11内に戻さ
れる。レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置20は、上
記したフローセル21と、そのフローセル21に対して
レーザ光を照射する照射光学系22と、その照射光学系
22からのレーザ光の回折・散乱光の空間強度分布を測
定する測定光学系23と、その測定光学系23の出力を
サンプリングするデータサンプリング回路24、および
そのデータサンプリング回路24によりサンプリングさ
れた回折・散乱光の空間強度分布データを用いて、媒液
L中に含まれる粒子群の粒度分布を算出するコンピュー
タ25を主体として構成されている。
【0027】照射光学系22は、レーザ光源22a、集
光レンズ22b、空間フィルタ22c、コリメートレン
ズ22dによって構成され、レーザ光源22aから出力
されたレーザ光を平行光束としてフローセル21に照射
する。このフローセル21に照射されたレーザ光は、そ
の内部を流れる媒液L中の花粉Pにより回折・散乱を受
ける。この回折・散乱光の空間強度分布は測定光学系2
3によって測定される。
【0028】測定光学系23は、照射光学系22の光軸
上にフローセル21を挟んで配置された集光レンズ23
aおよびリングディテクタ23bと、その外側に配置さ
れた前方広角度散乱光センサ群23cと、フローセル2
1の側方および後方(照射光学系22側)に配置された
側方/後方散乱光センサ群23dによって構成されてい
る。リングディテクタ23bは、互いに異なる半径のリ
ング状または1/2リング状もしくは1/4リング状の
受光面を有する光センサを同心上に配置した光センサア
レイであって、集光レンズ23aにより集光された前方
所定角度以内の回折・散乱光の強度分布を検出すること
ができる。従って、これらのセンサ群からなる測定光学
系23により、フローセル21内の媒液L中に分散して
いる花粉Pによる回折・散乱光の空間強度分布が、前方
微小角度から後方に至る広い範囲で測定される。
【0029】以上の測定光学系23による各回折・散乱
角度ごとの光強度検出信号は、それぞれのアンプ並びに
D−A変換器を有してなるデータサンプリング回路24
によって増幅された上でデジタル化され、回折・散乱光
の空間強度分布データとしてコンピュータ25に取り込
まれる。
【0030】コンピュータ25では、その回折・散乱光
の空間強度分布を用いて、レーザ回折・散乱式の粒度分
布測定において公知の、ミーの散乱理論およびフラウン
ホーファの回折理論に基づく演算手法により、レーザ光
が回折・散乱した原因粒子である花粉Pの粒度分布を算
出する。
【0031】以上の構成において、ポンプ2の単位時間
当たりの流量とその駆動時間から、捕集容器1内に送り
込んだ大気の総量を把握することができ、その捕集容器
1内に送り込む空気の総量を適宜に設定することによ
り、集塵電極4上に捕集した花粉Pを分散槽11内の媒
液L中に分散させたとき、その媒液L中の花粉Pの濃度
を、測定光学系22によって十分に回折・散乱光の空間
強度分布を測定できる程度とすることができる。これに
より、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置20により
広い粒径範囲において高い分解能で花粉Pの粒度分布を
測定することができる。
【0032】また、以上のように所定量の大気を捕集容
器1内に吸引して花粉Pを集塵電極4上に捕集し、その
捕集した花粉Pを分散槽11内の媒液Lに分散させてレ
ーザ光を照射し、その回折・散乱光の空間強度分布を測
定して粒度分布を求めた後、排出バルブ11aを開放し
て内部の液を排出し、新たに清浄な媒液Lを分散槽11
内に注入したうえで、捕集容器1内の集塵電極4上に新
たに捕集した花粉Pをその媒液L内に分散させ、次の回
折・散乱光の空間強度分布の測定動作を開始する、とい
う動作を一定時間ごとに繰り返し行えば、連続的に大気
中に浮遊する花粉の状況を監視することができる。
【0033】更に、各回の測定動作において捕集容器1
内に送り込む大気の総量を一定とすると、その各回の測
定において得られる回折・散乱光の絶対強度は、大気中
の花粉Pの濃度に相関するので、その絶対強度の変化か
ら大気中の花粉Pの濃度の経時的変化を監視することが
できる。
【0034】更にまた、媒液Lの単位体積中に含まれる
個数が既知の標準粒子を用いてキャリブレーションを行
っておけば、媒液L中に分散させた花粉Pを捕集するた
めに要した空気の総量と、そのときに得られた回折・散
乱光の絶対強度とから、単位体積の大気中に含まれる花
粉Pの粒度分布と、その各粒子径の花粉の個数との関係
を計算することもできる。
【0035】ここで、以上の実施の形態においては、捕
集容器1内の集塵電極4上に捕集した花粉Pを、分散槽
11内の媒液L中に分散させてレーザ光を照射し、その
ときに得られる回折・散乱光の空間強度分布から花粉P
の粒度分布を求めたが、本発明は、このようないわゆる
湿式測定によるレーザ回折・散乱式粒度分布測定のほ
か、媒液を使用しない、いわゆる乾式測定によるレーザ
回折・散乱式粒度分布測定を採用することもできる。
【0036】乾式測定を採用する場合、集塵電極4を透
明部材によって構成し、その透明の集塵電極4の表面に
付着した花粉Pに対してレーザ光を照射する方式を採用
することができる。すなわち、集塵電極4を、例えばガ
ラス板や透明樹脂板の少なくとも表面に透明電極をコー
ティングしたものとし、その透明電極を図1における接
地電位6に接続して、その表面に花粉Pを捕集する。こ
のとき、花粉Pは集塵電極4の表面に一様に分散した状
態で捕集される。そして、図3に乾式測定に用いるレー
ザ回折・散乱式粒度分布測定装置の要部構成図を示すよ
うに、図1の装置構成におけるフローセル21に代え
て、捕集容器1内で捕集した花粉Pが付着している透明
部材からなる集塵電極4を配置し、レーザ光を照射す
る。このとき、図3のように、集塵電極4の表面から花
粉Pが落下してしまうことを防止するために、必要に応
じてガラス等の透明板41を用いて花粉Pを挟み込んで
もよい。
【0037】以上の各実施の形態においては、捕集装置
10により捕集した花粉Pを粒度分布測定に供する例を
示したが、その花粉Pを顕微鏡で観察して個々の花粉P
の形状、種類、個数などを測定することができる。この
場合、集塵電極4として上記と同様に透明部材によって
構成したものを用いれば、そのまま顕微鏡の観察に供す
ることができる。そして、捕集装置10の集塵電極4上
には、捕集容器1内に吸引された大気中に含まれる花粉
Pをほぼ余すところなく捕集しているため、顕微鏡によ
る観察結果は、大気中に浮遊している花粉Pの全体の情
報を正確に表すものとなる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明の大気中の花粉の
捕集装置によれば、放電電極と集塵電極が配置された捕
集容器内に大気を吸引し、その大気に含まれている花粉
を帯電させて集塵電極上に捕集するので、自然落下によ
りガラス板上に捕集する従来の捕集手法に比して、迅速
に、かつ、風等の影響を受けることなく、常に安定して
大気中に浮遊している花粉を代表するサンプリングを行
うことができる。
【0039】また、本発明の大気中の花粉の測定装置に
よると、以上の捕集装置とレーザ回折・散乱式粒度分布
測定装置との組み合わせにより、迅速かつ正確に大気中
に浮遊している花粉の粒度分布を測定することができ
る。
【0040】更に、本発明の大気中の花粉の測定方法に
よると、以上の捕集装置により捕集した花粉を顕微鏡で
観察するため、大気中に浮遊している花粉の形状や種
類、個数等を迅速かつ正確に測定することができ、大気
中に浮遊する花粉の種類や個数の経時的推移なども知る
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成図で、機械的構成を
表す模式図と電気的構成を表すブロック図とを併記して
示す図である。
【図2】本発明の他の実施の形態の要部構成図であり、
集塵電極によって花粉を捕集具内の媒液中に捕集する場
合の例を示す模式図である。
【図3】本発明の更に他の実施の形態の要部構成を示す
模式図であり、透明部材からなる集塵電極を用いて、乾
式のレーザ回折・散乱式粒度分布測定を行う場合の例の
説明図である。
【符号の説明】
1 捕集容器 2 ポンプ 3 放電電極 4 集塵電極 5 高圧電源 6 接地電位 10 捕集装置 11 分散槽 12 攪拌機 13 超音波振動子 14 循環用配管 15 循環用ポンプ 20 レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置 21 フローセル 22 照射光学系 23 測定光学系 24 データサンプリング回路 25 コンピュータ L 媒液 P 花粉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G052 AA01 AA37 AC02 AD04 AD24 AD49 BA05 BA14 BA21 CA02 CA03 CA04 CA12 DA13 DA22 FB02 FB07 FB10 GA11 GA32 JA07 JA08 JA09 2G057 AA02 AB04 AB07 AC01 AD02 AD07 AD17 BA05 DC07 JA08 2G059 AA05 BB02 CC19 DD12 DD13 EE02 GG01 JJ11 KK04 MM01 MM09 MM10 NN10 PP01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気中に浮遊する花粉を捕集する装置で
    あって、捕集容器と、その捕集容器内に大気を吸引する
    ポンプと、捕集容器内に配置され、単極イオンを発生し
    て当該容器内の花粉を帯電させる放電電極と、その放電
    電極に対して電位差が与えられることにより捕集容器内
    で帯電した花粉を引き寄せて捕集する集塵電極とを備え
    ていることを特徴とする大気中の花粉の捕集装置。
  2. 【請求項2】 大気中に浮遊する花粉を測定する装置で
    あって、請求項1に記載の捕集装置と、その捕集装置の
    集塵電極に捕集された花粉を分散状態に維持する分散手
    段と、その分散状態の花粉にレーザ光を照射する照射光
    学系と、そのレーザ光の花粉による回折・散乱光の空間
    強度分布を測定する測定光学系と、その測定結果から上
    記集塵電極上に捕集された花粉の粒度分布を算出する演
    算手段を備えていることを特徴とする大気中の花粉の測
    定装置。
  3. 【請求項3】 大気中に浮遊する花粉を測定する方法で
    あって、請求項1に記載の捕集装置により捕集した花粉
    を、顕微鏡で観察してその個数、形状および/または種
    類を測定することを特徴とする大気中の花粉の測定方
    法。
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