JP2003328756A - エンジン温度制御装置 - Google Patents

エンジン温度制御装置

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JP2003328756A
JP2003328756A JP2002135577A JP2002135577A JP2003328756A JP 2003328756 A JP2003328756 A JP 2003328756A JP 2002135577 A JP2002135577 A JP 2002135577A JP 2002135577 A JP2002135577 A JP 2002135577A JP 2003328756 A JP2003328756 A JP 2003328756A
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engine
vehicle
temperature
coolant temperature
road surface
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JP2002135577A
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Masakatsu Kagawa
正勝 香川
Hirokazu Okuyama
宏和 奥山
Yuji Kobayashi
祐司 小林
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Hino Motors Ltd
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Hino Motors Ltd
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジン温度の過熱あるいは過冷却を防止す
る。最大積載量に対するエンジン容量を小さくする。 【解決手段】車載ナビゲーションシステムの検出出力か
ら、走行路面が長い上り坂あるいは長い下り坂になるこ
とが予測されると、坂道にさしかかる前から、あらかじ
めエンジン冷却液温度を予定制御して、エンジンの過熱
あるいは過冷却にたいする余裕を作っておくように制御
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジェータによる
エンジンの冷却液温度制御に関する。本発明は、利用の
形態にしたがって積み荷や搭乗者数が大きく変動する商
用車に実施するために開発された装置であるが、そのほ
かの自動車用エンジンの温度制御に広く実施することが
できる。本発明は、車載ナビゲーションシステムを装備
した自動車に実施する。本発明は、車載ナビゲーション
システムの検出出力から、これから走行する路面の勾配
およびその距離の情報を得て、この情報に基づいてエン
ジンの冷却液温度を予定制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】地球を周回する複数の衛星からの電波信
号を受信して、現在の自車位置を検出する車両ナビゲー
ションシステムが広く普及した。そして、検出される位
置情報を車両ナビゲーションシステムにあらかじめ蓄積
された地図情報と照合することにより、自車位置の検出
精度が著しく向上した。また車両ナビゲーションシステ
ムに蓄積された地図情報を利用して、車両運行の出発地
点から目的地点までの予定経路をあらかじめ入力してお
くことにより、走行を予定する道路についての地図情報
が、車両ナビゲーションシステムの画面に順次表示され
る装置が利用できるようになった。そしてその地図情報
には、海面からの標高情報を含むものが利用できるよう
になった。
【0003】一方、車両に搭載された走行用のエンジ
ン、特に内燃機関によるエンジンはその負荷の大きさに
したがって発熱するから、エンジン温度が走行中の全期
間を通じて所定の上限値および下限値の間にあり、所望
の効率で動力を取りだすことができるようにラジェータ
制御が行われる。一般にラジェータ制御は、エンジンの
冷却液温度を継続的に観測して、冷却液温度が上昇する
とラジェータに送る冷却風の風速を大きく制御し、冷却
液温度が降下するとラジェータに送る冷却風の風量を小
さくする、あるいはサーモスタットを用いて、ラジェー
タを経由する冷却液の流量を加減することにより制御さ
れる。
【0004】エンジン温度が所定の上限値を越えると、
エンジン出力が低下するとともに、燃焼効率が悪くなる
その他の不都合な現象が発生する。このため、ラジェー
タを循環する冷却液の流量を最大値に制御し、冷却風の
風速を最大値に制御しても冷却液温度の上昇がつづくと
きには、そのエンジンに供給する燃料流量を自動的に制
限することにより、冷却液の温度上昇を小さく制御する
装置が知られている。エンジンに供給する燃料流量を制
限することは、そのエンジンの出力特性を十分に利用で
きないことである。またこのような燃料流量を制限する
装置が作動すると、運転者はエンジン出力の力感不足を
認識することになる。一方エンジン温度が所定の下限値
を下回り低くなると、エンジン効率が低下するとともに
これが燃料の不完全燃焼の原因にもなり、排ガスの中の
不燃焼成分が多くなるなどの不都合をきたすことにな
る。
【0005】一般に、エンジンの温度制御は車両が走行
する雰囲気の気温の影響を大きく受ける。またエンジン
の温度制御はエンジン負荷に関係するから、走行路面の
勾配および車両重量に大きく影響される。貨物車両など
の商用車は、積み荷あるいは搭乗人員などの積載荷重が
運行形態により大きく変化する。車両設計にあたり、エ
ンジンの大きさおよびラジェータの性能は、最大積載荷
重の状態で、真夏の気温の高いときに、相応の勾配であ
り相応の長い距離が継続する坂道を登坂走行できるよう
にして設定される。エンジンの発熱とラジェータによる
冷却能力との平衡が成立しているときには、長い上り坂
をどこまでも走行することができる。しかし設定された
条件を越える走行状態あるいは運用は、エンジンの発熱
がラジェータの冷却能力を越えることになり、上記平衡
状態が崩れエンジン冷却液の温度およびエンジン温度が
しだいに上昇し、設定された上限値を越えるとエンジン
のオーバーヒートとなって、エンジンの最大出力による
運行は不可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】許容されるエンジン温
度の上限値と下限値との間には相応の温度差がある。ま
た、エンジン冷却液は相応の体積があり、それに応じて
相応の熱容量がある。エンジン自体にも相応の熱容量が
ある。したがって、エンジンの発熱とラジェータの冷却
能力とのバランスが崩れて、エンジン冷却液の温度が上
昇しはじめても、ただちにエンジンが最大出力を発生す
ることができなくなるわけではない。すなわちエンジン
温度が上昇しはじめても、エンジンがオーバーヒートに
なるまでには相応の時間的な余裕がある。長い坂道を登
坂中の車両にしても、路面勾配は時々刻々と変動し、エ
ンジンがつねに最大出力を発生することになるわけでは
ない。登坂中といえども勾配が緩やかになっているとき
には、時間あたりのエンジン発熱量がラジェータの冷却
能力を下回り、一時的に冷却液の温度上昇が止まるある
いは温度降下の状態になることもある。ここにも相応の
余裕がある。下り勾配の路面を走行していて、エンジン
温度が降下しエンジン冷却液の温度が下限値になる場合
についても同様であり、冷却液の温度が降下していても
これがただちに下限値になるわけではなく、下限値に達
するあるいはエンジンが過冷却の状態になるには相応の
時間的な余裕がある。
【0007】これまでのエンジン温度の設計思想では、
上記のような余裕を十分有効に利用することができなか
った。たとえば、これから急な登坂路面にさしかかると
き、エンジン冷却液の温度がたまたま上限値に近いとこ
ろにあれば、余裕はないことになり、短い時間のうちに
冷却液温度が上限値を越えてしまう。これから急な登坂
路面になることが事前にわかっているなら、冷却液温度
をその下限値近くまで低く制御しておけば、登坂中に冷
却液温度があるていど上昇しても、それはあらかじめ余
裕を作り出したことになり、短い時間のうちに冷却液温
度が上限値を越えることはなくなる。また急な路面を登
坂中であり冷却液温度が上昇していても、その冷却液温
度が上限値に達する前に登坂路面が終わり、冷却液温度
の上昇が止まることがわかっているなら、その余裕を使
い尽くすように制御することも可能である。さらに、エ
ンジン冷却液の温度が上限値に近い状態にあっても、こ
れから後の路面が平坦路面あるいは下り勾配の路面であ
ることが事前にわかっているなら、エンジン冷却液の温
度が上限値に達する前に冷却液温度を急速に低くするよ
うな制御は必要なくなる。
【0008】本願発明者らは、車両ナビゲーションシス
テムにより走行路面の状態を予測することにより、エン
ジン温度の推移を予測し、エンジン温度を予定制御する
ことができることに気づいた。すなわち、これから走行
を予定する路面の状況によりエンジン温度が上昇するこ
とが予測される場合には、エンジン温度をあらかじめ標
準値より低く制御しておき、上記余裕を大きく設けてお
くことができる。またエンジン温度がほとんど上限値に
近づいている状態でも、これから走行を予定する路面が
下り勾配になるなど、余裕を設けておく必要がないとき
には、余裕を使い尽くしてしまうような温度制御を行う
ことができる。
【0009】本願出願人は、エンジン冷却液の温度をこ
れから走行する路面の状況に基づいて予定制御する、と
の技術思想に基づく従来技術は知られていないものと認
識している。予定制御を行うことにより、エンジン温度
制御に係る余裕を有効に利用することができるようにな
る。この余裕を利用して、最大車両重量に対してエンジ
ンを小型化する設計も可能になる。この余裕を利用し
て、エンジンを長時間にわたり高い能率で運用すること
も可能になる。この余裕を利用して、有害なエンジンの
排ガスを少なくすることも可能になる。
【0010】本発明はこのような思想を背景とするもの
であって、車載ナビゲーションシステムを利用して、車
両がこれから走行する路面の状態に合わせて、エンジン
冷却液温度の予定制御を行う装置を提供することを目的
とする。本発明は、車両の利用形態により車両の総重量
が大きく変化する場合に、車両の総重量が大きい場合で
も、エンジン冷却液温度を適正に制御することができる
装置を提供することを目的とする。本発明は、エンジン
を高い能率で長時間にわたり運転することができるよう
に、エンジンの温度を制御する装置を提供することを目
的とする。本発明は、最大積載量に対応するエンジン容
量を小さく設計することができる装置を提供することを
目的とする。本発明は、有害なエンジン排ガスを少なく
することができるエンジン温度の制御装置を提供するこ
とを目的とする。本発明は、エンジン冷却液の温度制御
によるエネルギの無駄を小さくすることができる装置を
提供することを目的とする。本発明はエンジンの燃料利
用効率を高くするための装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、車両がこれか
ら走行する路面の状況、とくにこれから走行する路面の
勾配の情報を車載ナビゲーションシステムから取り込
み、その情報にしたがってエンジンの冷却液温度を予定
制御することを最大の特徴とする。これを例示すると、
これから相応の上り勾配が相応の時間にわたり継続する
ことが予測されるときには、その上り勾配にさしかかる
前から、エンジンの冷却液温度をあらかじめ低くなるよ
うに予定制御しておく。これにより長い時間にわたりエ
ンジンを効率のよい温度条件で運転することができる。
また別の例示として、これから走行する路面が下り勾配
が長く続く予定であるときには、エンジンの冷却液温度
が過冷却にならないように、下り勾配の路面にさしかか
る前から冷却液温度を高い値に予定制御しておくことが
できる。さらに別の例示として、車両が上り勾配を走行
中であり、エンジン冷却液温度が上限値に近づいていて
も、まもなく上り勾配が終わることが予定されるときに
は、エンジンの最大出力を制限するような制御を行うこ
となく、上り勾配が終わるまでエンジンを最大効率で運
転することができる。
【0012】すなわち本発明は、車載ナビゲーションシ
ステムの出力に基づく現在の自車位置および走行を予定
する路面の勾配および距離を含む情報にしたがって走行
に必要なエンジン負荷を推定する手段と、この手段によ
り推定されたエンジン負荷および現時点のエンジンの冷
却液温度から目標とする時間の経過時にエンジン温度が
目標範囲内になるようにラジェータを予定制御する手段
とを備えたことを特徴とする。本発明は、前記走行を予
定する路面が上り勾配であるとき、前記予定制御する手
段は前記冷却液温度を標準値より低く制御する手段を含
む構成とすることができる。前記走行を予定する路面が
下り勾配であるとき、前記予定制御する手段は前記冷却
液温度を標準値より高く制御する手段を含む構成とする
ことができる。
【0013】本発明は、前記冷却液温度があらかじめ設
定された条件(温度または温度上昇率)を越えて上昇中
であるときに自動的に起動するエンジンに対する燃料噴
射量制限手段を備えたものであるとき、前記冷却液温度
が前記あらかじめ設定された条件を越えて上昇中であっ
ても、前記車載ナビゲーションシステムの出力から、そ
の冷却液温度が前記上限値に達する前に車両がその勾配
の頂上付近に達する見込みであるときには、前記燃料噴
射量制限手段の起動を禁止する手段を含む構成とするこ
とができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明実施例装置の入力情
報および出力情報を示す電気系のブロック構成図であ
る。制御装置1は本発明のエンジン温度制御装置であ
る。これは半導体チップにより構成された演算制御用の
ディジタル電子回路に、必要なソフトウエアをインスト
ールしたものであり、このディジタル電子回路に入出力
インターフエイスを介して、入力情報を与え出力情報を
とりだすことができるように構成される。この実施例で
は、本発明の制御装置は、エンジン制御用の電子制御装
置の内部に組み込むようにして配置された。
【0015】この制御装置1には車載ナビゲーションシ
ステム2から、これからこの車両が走行を予定する路面
に関する情報が入力する。車載ナビゲーションシステム
2には、上述のように地図情報が入力されている。さら
に車載ナビゲーションシステム2には、運転者が走行を
予定する目的地までの道路をあらかじめ入力設定するこ
とができる。このようにあらかじめ走行予定道路が入力
されていると、目的地に向かって車両が進行中には、順
次自動的にその予定道路を含む地図情報が画面に表示さ
れるように構成されている。そしてこの地図情報には平
面距離の情報とともに海抜高の等高線情報が含まれ、こ
れから走行を予定する道路の勾配情報を演算することが
できる。
【0016】この制御装置1には冷却液温度センサ3か
ら冷却液温度情報が入力する。冷却液温度センサ3はこ
の図面では一つのみ表示されているが、エンジンの冷却
液送出口、ラジェータの冷却液入口付近に設けられたサ
ーモスタットの冷却液流入口、ラジェータの冷却液送出
口その他冷却液が循環する複数の位置の温度情報を接続
し、これらを同時にあるいは順次切り替えて制御装置1
に取り込むことができる。
【0017】この制御装置1には外気温センサ4から外
気温の情報が入力する。また、エンジン冷却液を冷却す
るためのラジェータ流入口には、ラジェータに流入する
冷却液とラジェータをバイパスする冷却液の分配流量を
加減するためのサーモスタット弁が設けられている。こ
のサーモスタットの弁開度を表すサーモスタット弁開度
センサ5からの情報が制御装置1に入力する。またこの
制御装置1には車両重量センサ7から車両重量の情報が
入力する。車両重量の情報は、シャシを車軸に支持する
エアスプリングの空気圧センサの出力情報を利用するこ
とができる。あるいは車両重量の情報は、何らかのハー
ドウエアにより車両重量を計測するセンサからの情報で
はなく、運転者が車両の走行を開始するときに、操作に
より積載重量の大略値(3段階〜5段階程度)をスイッ
チにより設定入力する方式が知られているが、このよう
な方式による情報を利用することもできる。さらに制御
装置1にはエンジン回転センサ6の出力情報が入力す
る。
【0018】この制御装置1の出力信号は、冷却ファン
クラッチ8の制御信号として、およびサーモスタット弁
9の制御信号として送出される。冷却ファンクラッチ8
は、エンジンの回転軸、またはエンジンの回転軸に架け
渡されたベルトにより駆動されるプーリと冷却ファンと
の間に設けられた電磁クラッチである。
【0019】図2に本発明実施例の予定制御を行う場合
の制御フローチャートを示す。この例は予定制御により
あらかじめ冷却液温度を低く制御しておく場合の例であ
る。すなわち、これから走行を予定する路面の勾配が上
り勾配であるとき、その勾配情報と、その勾配の路面を
走行する距離の情報とを車載ナビゲーションシステム2
から取り込む。そして現在の車速を維持してその距離を
走行するものとして、その上り勾配の路面を走行する時
間を演算する。その時間にわたりエンジンで発生する熱
量をあらかじめ設定されているエンジン特性を参照して
演算する。一方、あらかじめ設定されているこの車両の
ラジェータの冷却能力特性を参照して、この時間にわた
り冷却液温度が設定された上限値を越えるか否かを予測
演算する。
【0020】この予測演算された冷却液温度が上限値以
下であるなら問題ないが、この予測演算された冷却液温
度が上限値を越えることが識別されると、予定される上
り勾配の路面にさしかかる前から、ラジェータを作動さ
せて冷却液温度が標準値より低くなるように予定制御を
実行する。すなわち、上記上り勾配の路面を走行する前
にどの程度まで冷却液温度を下げておくべきかの目標温
度を演算し、この目標温度になるようにラジェータの冷
却能力を大きくするように制御する。
【0021】図3を参照してこのときのエンジン冷却液
温度の時間変化を説明する。図3は横軸に時間の経過を
とり、縦軸に冷却液温度をとり、実線の曲線「本発明」
が本発明実施例装置による温度変化特性を示す。実線の
曲線「従来例」は本発明を実施しない場合の温度変化特
性である。
【0022】図3に示す時間軸上の時刻t0で、車載ナ
ビゲーションシステムにより、これからこの車両が走行
する予定の路面に長い上り勾配があることが予測され
た。この時点では冷却液温度は適温範囲内にある。従来
例装置であれば、この冷却液温度はそのまま維持される
ようにラジェータが制御されるが、本発明実施例装置で
は、上り勾配がはじまる時刻t1までに冷却液温度を予
定制御して適温範囲の下限値付近まで冷却液温度をさげ
ておく。そして本発明実施例装置では、上り勾配の路面
にさしかかっても、ラジェータの冷却能力を最大能力に
維持して、この上り勾配の路面が終わる見込みの時刻t
2 経過するまで、冷却液温度が通常のエンジン能力で運
転できるように維持される。
【0023】これに対して従来例装置の場合には、時刻
1から冷却液水温が上昇しはじめ、ラジェータの能力
が大きくなると一時的にその温度上昇は小さくなるもの
の、ラジェータの冷却能力は予測が立たないからその時
点の冷却液温度の上昇にしたがって変動する。時間の経
過とともに冷却液温度はさらに上昇し、時刻t3ではエ
ンジンに供給する燃料噴射量を制限する噴射制限の領域
にはいり、自動的に燃料噴射量が制限されてエンジン出
力は小さくなる。さらに上り勾配の路面が続き冷却液温
度が上昇すると、時刻t4ではオーバーヒート温度に達
し、出力パワーはさらに小さくなる。
【0024】ここで上記説明では、あらかじめ設定され
ているエンジン特性、あるいはあらかじめ設定されてい
るラジェータの冷却能力特性を利用するように説明した
が、これらはエンジンの型式ごとに測定された特性をマ
ップとして、利用しやすい形に整理して制御回路の中に
保持しておく構成とすることがよい。さらに制御回路の
中に保持されたマップについて、走行に伴うエンジンお
よびラジェータの振る舞いから、エンジンおよびラジェ
ータの特性について学習効果を蓄積するように構成する
ことができる。このような構成によりかなり精度の高い
制御を実行することができる。
【0025】図4に本発明実施例装置において、温度が
高くなる方向に予定制御を行う場合の制御フローチャー
トを示す。これは長い下り勾配の路面を走行する場合
に、冷却液温度が過冷却になり、エンジン効率が低下す
ることを回避するための予定制御である。すなわち、車
載ナビゲーションシステムの出力および車両の走行予定
路面から、長い下り勾配の路面を走行することが予定さ
れるに場合には、その長い下り勾配の路面を走行中にエ
ンジンから発生する熱量を演算する。一方、その長い下
り勾配の路面を走行中にラジェータの冷却能力を予測演
算する。そして長い下り勾配を走行中に冷却液温度が低
くなりすぎる可能性が予測されるとき、その下り勾配の
路面にさしかかる前から、エンジンの冷却液温度を標準
値より高くするように、ラジェータの能力を下げ、ある
いはラジェータの作動を一時的に停止させるように制御
する。これによりエンジンの冷却液温度にあらかじめ余
裕をもたせておく。このように予定制御を実行すること
により、車両が実際に長い下り坂を走行することになっ
たときに、冷却液温度が下限値を越えて低下し、これに
伴いエンジン効率が低下し、あるいは燃焼効率が低下す
るなどの不都合な現象が発生することを回避することが
できる。またこのような予定制御を行うことにより、排
ガス中の有害成分が増大するなどの現象を回避すること
ができる。
【0026】図5は本発明による予定制御についてさら
に別の実施例を説明するための図である。図5の上図は
従来例装置による制御特性を示し、下図は本発明による
制御特性を示す。それぞれ横軸に時間をとり、縦軸に冷
却液温度をとる。従来例装置の場合には、上り勾配を走
行して冷却液温度が上昇し、噴射制限温度T1 に達する
と、エンジンのオーバーヒートを回避するためにエンジ
ンに供給する燃料噴射量を自動的に制限する制御が作動
する。しかし本発明実施例装置では、車載ナビゲーショ
ンシステムの検出出力により、噴射制限温度T1 に達し
てもまもなく路面が下り勾配になることが識別されてい
るから、噴射制限を行う制御を禁止して、そのままの状
態で走行を継続させることができる。これにより、坂の
頂上付近で発生した力感ダウンを回避することができ
る。
【0027】
【発明の効果】本発明はこのように、車載ナビゲーショ
ンシステムの出力情報を利用して、車両がこれから走行
する路面の状態に合わせて、エンジン冷却液温度の予定
制御を行うことができる。本発明は、とくに車両の利用
形態により車両の総重量が大きく変化する場合に有効で
あり、車両の総重量が大きい場合でも、エンジン冷却液
温度を適正に制御することができる。本発明により、エ
ンジンが過熱されることがなく、過冷却されることがな
く、エンジンを高い能率で長時間にわたり運転すること
ができるようになる。本発明により、エンジン温度が適
正に制御されるので、最大積載量に対応するエンジン容
量を小さく設計することができることになる。本発明に
より、走行中のエンジン温度が所望の範囲に維持される
から、エンジン温度の低下または上昇に伴う有害な排ガ
スを少なくすることができる。本発明により、エンジン
冷却液の温度制御によるエネルギの無駄を小さくするこ
とができるから、エンジンの燃料効率を高くすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例装置のブロック構成図。
【図2】本発明実施例装置の制御フローチャート(長い
上り坂を走行するとき)。
【図3】本発明実施例装置の冷却液温度の変化を説明す
るための図。
【図4】本発明実施例装置の制御フローチャート(長い
下り坂を走行するとき)。
【図5】本発明実施例装置および従来例装置について噴
射量制限による力感変化を説明するための図。
【符号の説明】
1 制御装置 2 車載ナビゲーションシステム 3 冷却液温度センサ 4 外気温センサ 5 サーモスタット弁開度センサ 6 エンジン回転センサ 7 車両重量センサ 8 冷却ファンクラッチ 9 サーモスタット弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 F02D 45/00 310Q 376 376H (72)発明者 小林 祐司 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G084 BA13 BA30 DA02 DA04 DA07 DA13 DA37 EA11 EB06 EB09 EB12 FA00 FA02 FA04 FA05 FA20 FA33 3G301 JA02 JA32 KB07 MA11 NA07 NC04 NE06 PA10Z PE01Z PE08Z PF01Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車載ナビゲーションシステムの出力に基づ
    く現在の自車位置および走行を予定する路面の勾配およ
    び距離を含む情報にしたがって走行に必要なエンジン負
    荷を推定する手段と、この手段により推定されたエンジ
    ン負荷および現時点のエンジンの冷却液温度から目標と
    する時間の経過時にエンジン温度が目標範囲内になるよ
    うにラジェータを予定制御する手段とを備えたことを特
    徴とするエンジン温度制御装置。
  2. 【請求項2】前記走行を予定する路面が上り勾配である
    とき、前記予定制御する手段は前記冷却液温度を標準値
    より低く制御する手段を含む請求項1記載のエンジン温
    度制御装置。
  3. 【請求項3】前記走行を予定する路面が下り勾配である
    とき、前記予定制御する手段は前記冷却液温度を標準値
    より高く制御する手段を含む請求項1記載のエンジン温
    度制御装置。
  4. 【請求項4】前記冷却液温度があらかじめ設定された条
    件を越えて上昇中であるときに自動的に起動するエンジ
    ンに対する燃料噴射量制限手段を備え、前記冷却液温度
    が前記あらかじめ設定された条件を越えて上昇中であっ
    ても、前記車載ナビゲーションシステムの出力から、そ
    の冷却液温度が前記上限値に達する前に車両がその勾配
    の頂上付近に達する見込みであるときには、前記燃料噴
    射量制限手段の起動を禁止する手段を含む請求項1記載
    のエンジン温度制御装置。
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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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