JP2003328049A - 四塩化炭素含有アンモニア水を用いた銅抽出法 - Google Patents

四塩化炭素含有アンモニア水を用いた銅抽出法

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化鉱に限らず一次硫化鉱,二次硫化鉱等の
銅鉱石からも高い溶解効率で銅を抽出する。 【構成】 四塩化炭素を添加したアンモニア水に銅鉱石
を浸し、銅を選択溶解させる。銅の溶解・抽出に先立っ
て、水素化ホウ素ナトリウムで銅鉱石を前処理すると
き、銅溶解率が一層向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化鉱,一次硫化鉱,
二次硫化鉱等、種々の銅鉱石から高い溶解効率で銅を選
択溶解させる銅抽出法に関する。
【0002】
【従来の技術】銅鉱石には、孔雀石(主成分はCu2
3(OH)2),赤銅鉱(Cu2O)等の酸化鉱,黄銅鉱
(CuFeS2),斑銅鉱(Cu5FeS4)等の一次硫
化鉱,輝銅鉱(Cu2S),銅藍(CuS)等の二次硫
化鉱に分類される。従来の銅製錬では、精鉱を溶錬して
得られる粗銅を電解して銅地金にする乾式精錬が主流で
ある。乾式製錬では、酸化鉱や硫化鉱が対象鉱にされて
いる。たとえば、CuFeS2を主成分とする黄銅鉱を
原料にする場合、コークス,石灰石と共に黄銅鉱を強加
熱すると硫化銅(I)になる。次いで、硫化銅(I)を転炉
に装入し、空気を吹き込みながら反応させると粗銅が得
られる。
【0003】硫化銅(I)が粗銅になる反応は2Cu2
+3O2→2Cu2O+2SO2,2Cu2O+Cu2S→
6Cu+SO2であるが、粗銅が得られるまでの過程で
酸性雨の原因物質・二酸化硫黄が多量に排出される。更
に、粗銅を原料とする電解精錬では多量の電力が消費さ
れる。環境に有害な排ガスの多量発生や電力の多量消費
を考慮すると、従来の銅を電解精錬する方法は、環境保
全や省エネルギーが重視される二十一世紀型の工業技術
理念に逆行している。環境に及ぼす影響や省エネルギー
の観点から、溶錬を必要とする乾式製錬に代わる技術と
して溶媒抽出の一つである湿式製錬が急速に採用され始
めている。銅鉱石の湿式製錬に使用される溶媒は硫酸が
主流を占めているため、湿式製錬では硫酸で簡単に溶け
る酸化鉱に対象鉱が限られている。硫化鉱は硫酸にほと
んど溶けず、硫酸を用いた硫化鉱の湿式製錬はほとんど
応用されておらず、応用する場合にも何らかの前処理が
必要になる。アンモニアによる抽出も一部で採用されて
いるが、アンモニア抽出法の対象鉱も輝銅鉱に限られ
る。
【0004】硫酸やアンモニアによる抽出の対象外にな
っている一次硫化鉱,二次硫化鉱等の銅鉱石に対して
は、バクテリアリーチングが採用されている。たとえ
ば、鉄細菌(チオバチルス・フェルオキシダンス)を使
用すると、鉱石中の硫黄が酸化されて硫酸が生成し、結
果として鉱石中の銅が硫酸銅(II)として溶出する。しか
し,バクテリアリーチング法は、バクテリアの活性に依
存することから、抽出に長時間を要することが欠点であ
る。銅資源の中で、硫化鉱に比較して酸化鉱の鉱量は一
般的に少なく、従来より乾式製錬で処理していた硫化鉱
への湿式製錬の適用が盛んに検討されている。しかし、
乾式製錬は環境調和の観点から望ましくない方法であ
り、硫酸,アンモニア,バクテリア等を用いた湿式製錬
はそれぞれに欠点や限界がある。すなわち、従来から採
用されている各種製錬法には個々に一長一短があり、酸
化鉱,硫化鉱の双方に適用可能で、且つ短時間で高い抽
出効率を示す製錬法の開発が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】鉱石原料から有価金属
を溶出させる場合、硫酸,塩酸,硝酸等の鉱酸が従来か
ら使用されている。しかし、鉱酸は取扱い上の危険性に
留意することが欠かせず、しかも大半の金属が鉱酸と反
応して溶解する際にSO2,H2,NO,NO2等の有毒
ガスや可燃ガスが排出される。また、鉱酸の廃液処理に
多大の負担がかかる。鉱酸を使用することなく、鉱石原
料から有価金属を溶出する方法も提案されている。たと
えば、極性有機溶媒であるジメチルスルホキシド(DMS
O)に四塩化炭素を配合した混合溶媒が温和な条件下で
銅粉末を溶解させることが報告されている(Y. Tezuka
et al., J. Chem. Soc., Chem. Commun. (1987) p.164
2)。ハロゲン−ハロゲン化物−有機溶媒の三元系混合
溶媒を金,銀,銅等の各種遷移金属の溶出に使用するこ
とも知られている(Y. Nakao, J. Chem. Res., (1991)
p.228, J. Chem. Soc., Chem. Commun. (1992) p.42
6)。三元系混合溶媒の有機溶媒にメタノールを使用す
ると銀が溶解しにくく、塩素−トリメチルアミン塩酸塩
−アセトニトリルの三元系では金に対する溶解能が王水
以上と報告されている。
【0006】これまでの報告内容を検討するとき、ハロ
ゲン化物及び有機溶媒が金属の溶解に重要な役割を果た
していることが判る。そこで、本発明者は、種々のハロ
ゲン化物及び有機溶媒が金属の溶解に及ぼす影響を調査
・検討した。その結果、四塩化炭素が銅の溶解に有効で
あり、溶出した金属銅がアンモニア水によりアンミン錯
体として安定化することを見出した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、この知見をベ
ースに完成されたものであり、銅の溶解に四塩化炭素
を、溶解した銅の錯体化及び錯体の安定化にアンモニア
水を使用することにより、環境に悪影響を及ぼす有害ガ
スを排出することなく、銅鉱石から効率よく銅を浸出・
分離することを目的とする。
【0008】本発明の銅抽出法は、その目的を達成する
ため、四塩化炭素を添加したアンモニア水に銅鉱石を浸
し、銅を選択溶解させることを特徴とする。銅の溶解・
抽出に先立って、水素化ホウ素ナトリウムで銅鉱石を前
処理することもできる。四塩化炭素,アンモニア水の混
合溶媒は、好ましくは銅1g(15.7mモル)に対し
四塩化炭素濃度:20〜30mモル,アンモニア濃度:
0.18〜0.24モル(12Mアンモニア水で15〜2
0ml)に調製される。水素化ホウ素ナトリウムは、濃
度45〜80mモルの水溶液として使用される。
【0009】
【作用】四塩化炭素は、ハロゲン化物の中でも容易に入
手でき、金属とも比較的容易に反応する。四塩化炭素を
含むアンモニア水に金属銅が溶解される機構は、以下に
掲げる反応に示されるように、金属銅の溶解に伴って四
塩化炭素が分解し、ジクロロカルベン(:CCl2)と称
される特殊な化学種が中間体として発生し、この不安定
な化学種によって金属銅の溶解が促進されるものと推察
される。因みに、ジクロロカルベンが生じない、或いは
生じても極少量の場合、金属銅の溶解が円滑に進行しな
い。この点、種々あるハロゲン化炭化水素化合物の中で
も、四塩化炭素やクロロホルムが最適である。
【0010】有望な銅資源には種々の銅鉱石があるが、
主成分の大半が塩基性炭酸銅(II),酸化銅(II),硫酸銅
(II)である。したがって、溶解した銅を安定化させるた
めには銅(II)と錯体を形成しやすく、しかも形成された
錯体が安定であることが重要である。錯体形成能及び錯
体の安定化から、アンモニア水が溶媒として効果的であ
る。銅(II)イオンは、水溶液中でアンモニアと次のよう
に反応し、アンミン錯体を形成する。ただし、K1〜K4
は平衡定数であり、逐次安定度定数βとlogβn=logK1
・・・・Knの関係にある。
【0011】 平衡定数、逐次安定度定数βが大きいほど、錯体形成能
が大きく、生成した錯体も安定である。銅(II)イオンも
含めた代表的なアンミン錯体の安定度定数を示す表1か
らも明らかなように、それぞれの金属イオンの安定度定
数は異なり、銅(II)イオンはコバルト(III)イオンに次
いで大きい。
【0012】
【0013】孔雀石,赤銅鉱,黄銅鉱,斑銅鉱,輝銅
鉱,銅藍等の銅鉱石に含まれている銅以外の金属成分は
主として鉄である。ところが、鉄(II)イオンとアンモニ
アとの錯体の安定度定数は、銅(II)に比較すると大幅に
小さな1/4程度である。銅(II)と鉄(II)との間で安定
度定数が大きく異なることは、アンモニアを溶媒に使用
するとき銅(II)イオン,鉄(II)イオンが混在する系でも
銅(II)イオンが選択分離されることを意味する。したが
って、四塩化炭素含有アンモニア水を使用するとき、銅
鉱石から銅を溶出させ、選択的に分離できることが判
る。なお、混合溶媒の調製には、市販されている12〜
15Mのアンモニア水を希釈することなくそのまま使用
した。アンモニア水は、毒性がないもののアンモニア特
有の刺激臭があるので、使用量は可能な限り少量が好ま
しい。
【0014】四塩化炭素含有アンモニア水混合溶媒によ
る金属銅の溶解機構は、次の全反応式で表される。 当該反応式から、金属銅に対する四塩化炭素の化学量論
的な物質量の比はCu/CCl4=2と理解される。し
かし、実際には金属銅の溶解反応を円滑に進行させるた
め、Cu/CCl4のモル比を変化させることもでき
る。四塩化炭素含有アンモニア水混合溶媒に銅を溶解さ
せるに先立って、水素化ホウ素ナトリウムで銅鉱石を前
処理すると、銅の溶解反応が促進され、高い銅溶解率が
短時間で得られる。銅溶解反応の促進は、銅鉱石中の硫
化銅や塩基性炭酸銅等が四塩化炭素含有アンモニア水混
合溶媒に溶出しやすい金属銅や酸化銅(I)に還元される
結果である。前処理の効果は、水素化ホウ素ナトリウム
の濃度45mモル以上で顕著になる。
【0015】
【実施例1:基礎実験】アンモニア水を主溶媒にしたハ
ロゲン化物含有アンモニア水の金属銅に対する溶解能を
比較するため、種々のハロゲン化物をアンモニア水に添
加し、ハロゲン化物の種類が銅の溶解率に及ぼす影響を
調査した。使用したハロゲン化物は、次の9種類であ
る。
【0016】粉砕した金属銅粉末をハロゲン化物含有ア
ンモニア水に浸し、アンモニア水の濃度(12M),使
用量(50ml),粉末金属銅の使用量(2.54g,
40mモル),反応時間(3時間),反応温度(30
℃),ハロゲン化物添加量(20mモル)が一定の条件
下で銅を溶解させた。反応後に溶液中のCu2+を定量
し、溶解率(%)={(反応液中のCu2+のモル数)/
(出発金属銅のモル数)}×100として銅の溶解率を
算出した。銅溶解率は、表2の試験結果にみられるよう
にアンモニア水単独の場合に約15%であったが、ハロ
ゲン化物の添加によって上昇した。なかでも、四塩化炭
素を添加したアンモニア水で溶解させた場合に最も高い
銅溶解率が得られ、銅の溶解が促進されたことが理解さ
れる。具体的には、アンモニア水のモル数に対して1/
30、銅のモル数に対して1/2の四塩化炭素を添加す
ることにより、アンモニア水単独の場合に比較して6倍
以上の銅溶解率(95%)が得られた。
【0017】
【0018】次いで、四塩化炭素含有アンモニア水に銅
を溶解させる場合の温度依存性を調査した。本試験で
は、アンモニア濃度を12M,四塩化炭素濃度を20.
7mモルに調製した四塩化炭素含有アンモニア水を使用
し、40mモルの金属銅粉末を四塩化炭素含有アンモニ
ア水の3時間浸した。図1の試験結果にみられるよう
に、銅溶解率は室温近傍の温度で最高値を示し、温度上
昇に従って減少した。更に、四塩化炭素含有アンモニア
水に亜鉛,銀,錫,鉛,鉄を浸し、前掲した銅溶解の場
合と同じ条件下で個々の金属の溶解させ、溶解率を測定
した。測定結果を銅溶解率と比較して表3に示す。表3
から明らかなように、Znの溶解率は約60%と銅の溶
解率に次いで高いが、銀,錫はほとんど溶解せず、鉛,
鉄は全く溶解しなかった。この対比から、四塩化炭素含
有アンモニア水は、銅に対して高い選択溶解能を示すこ
とが確認できる。
【0019】
【0020】更に、四塩化炭素含有アンモニア水の銅溶
解能を塩酸,硫酸,硝酸等の鉱酸と比較した。本試験で
は、アンモニア,鉱酸の濃度を1〜12Mの範囲で変化
させた抽出液を30℃に維持し、90mモルの金属銅粉
末を3時間浸漬した。なお、四塩化炭素含有アンモニア
水を抽出液に使用する場合には、アンモニア濃度に応じ
て四塩化炭素を増加し、アンモニア濃度12Mのときに
四塩化炭素濃度を45mモルに調製した。表4の調査結
果にみられるように、四塩化炭素含有アンモニア水の銅
溶解能は、12Mの高濃度では同じ濃度の硝酸に匹敵
し、1Mの低濃度では同じ濃度の全ての鉱酸より遥かに
高い銅溶解能を示した。
【0021】
【0022】以上の結果から、四塩化炭素含有アンモニ
ア水は既存の鉱酸に匹敵し、或いは凌駕する銅溶解能を
示し、銅溶解の選択性も高いことが判る。すなわち、四
塩化炭素含有アンモニア水は、銅鉱石から銅を抽出する
溶媒として使用できる。
【0023】
【実施例2:二次硫化鉱の溶解試験】天然の銅鉱石は酸
化鉱,一次硫化鉱,二次硫化鉱に分類される。そこで、
二次硫化鉱の主成分に相当し、市販試薬として入手容易
な硫化銅(II)を用い、実施例1の金属銅粉末の溶解と同
じ条件下で四塩化炭素含有アンモニア水混合溶媒に硫化
銅(II)を溶解させた。その結果、30℃の四塩化炭素含
有アンモニア水混合溶媒に硫化銅(II)を1時間浸したと
ころ、銅溶解率は約25%であった。硫化銅(II)の溶解
率に及ぼす四塩化炭素含有アンモニア水混合溶媒の温度
の影響を調査したところ、反応温度が高くなるほど硫化
銅(II)の溶解率が減少する傾向が示された(表5)。
【0024】
【0025】反応温度を変化させても硫化銅(II)の溶解
率が大きく増加しないため、四塩化炭素の添加量が銅溶
解率に及ぼす影響を調査した。銅溶解率は、硫化銅(II)
の物質量に対して過剰量の四塩化炭素を添加することに
より増加した(表6)。
【0026】
【0027】四塩化炭素の密度は1.59g/mlとア
ンモニア水の密度に比較して大きく、アンモニア水及び
四塩化炭素が互いに相溶性がないことから、あまりに過
剰量の四塩化炭素を添加すると四塩化炭素含有アンモニ
ア水が相分離し、却って銅溶解反応を妨げる虞がある。
そこで、四塩化炭素の物質量を硫化銅(II)の物質量に対
して2倍に設定し、反応時間の影響を再度調査した。そ
の結果、12時間の反応で、硫化銅(II)の溶解率を約8
6%に向上できた(表7)。
【0028】
【0029】
【実施例3:水素化ホウ素ナトリウムによる前処理】実
施例1,2の結果から一次硫化鉱,二次硫化鉱の主成分
に相当する硫化銅(II)は、四塩化炭素含有アンモニア水
混合溶媒を用い、四塩化炭素の物質量又は反応時間等の
反応条件を選択するとき、約30〜85%の収率で銅を
溶解できることが判った。しかし、四塩化炭素の過剰添
加は、未反応の四塩化炭素が反応後の抽出液に残存する
原因であり、環境保全上であまり望ましくない。また、
長い反応時間を要することは、生産性,省エネルギーの
面からも改善の余地がある。
【0030】そこで、四塩化炭素含有アンモニア水混合
溶媒による銅の溶解に先立つ銅鉱石の化学処理を検討し
た。四塩化炭素含有アンモニア水混合溶媒は、金属銅に
対し十分な溶解能を呈すが、硫化銅(II)に対しては十分
な溶解能が発現されない。金属銅,硫化銅(II)で溶解能
が異なる理由は、構造組成の相違に起因するものと考え
られる。すなわち、金属銅に比較して硫化銅(II)の四塩
化炭素含有アンモニア水に対する反応性が低いことは、
構成元素として硫化銅(II)に含まれる硫黄に原因がある
と推察される。かかる前提に立って、還元脱硫した硫化
銅(II)を四塩化炭素含有アンモニア水に浸し銅溶解率を
測定することにより、銅溶解能に及ぼす含有硫黄の影響
を調査した。
【0031】還元脱硫に水素化ホウ素ナトリウムを使用
し、2.0g(52.9mモル)の水素化ホウ素ナトリウ
ムを含む水溶液を調製した。1.06g(11.0mモ
ル)の硫化銅(II)を水溶液60mlと30℃で1時間反
応させた。反応後、沈殿物を濾過,洗浄し、乾燥させ
た。未反応の硫化銅(II)と乾燥後の反応生成物を比較検
討するため、X線回折分析した。分析の結果、硫化銅(I
I)を水素化ホウ素ナトリウムで処理することにより得ら
れた生成物のX線回折スペクトルが粉末X線回折データ
ファイル(Joint Committee of Powder Diffraction St
andards)にJCPDS5−667として掲げられている酸化銅
(I)と完全一致していた(図2)。X線回折スペクトル
の完全一致は、硫化銅(II)が水素化ホウ素ナトリウムで
還元され酸化銅(I)に変化したことを示している。
【0032】銅藍の主成分に相当する硫化銅(II)を水素
化ホウ素ナトリウムで処理することにより溶解率の高い
酸化銅(I)に改質できたので、他の銅鉱石についても同
様な処理を試みた。孔雀石,赤銅鉱,輝銅鉱それぞれの
主成分に相当するCu2CO3(OH)2,Cu2O,Cu2
Sを水素化ホウ素ナトリウムで処理し、生成物をX線回
折分析したところ、何れの場合も酸化銅(I)と金属銅と
の混合物に還元された(図3〜5)。すなわち、各種銅
鉱石の主成分に相当する銅化合物が水素化ホウ素ナトリ
ウム処理で酸化銅(I)又は酸化銅(I)と金属銅の混合物に
還元されることが確認される。
【0033】
【実施例4:前処理された銅化合物の溶解】各種銅化合
物を酸化銅(I)又は酸化銅(I)と金属銅との混合物に還元
する水素化ホウ素ナトリウム処理を、四塩化炭素含有ア
ンモニア水混合溶媒を用いた溶解反応に併用した。銅鉱
石の主成分に相当するCu2CO3(OH)2,Cu2O,C
2S,CuSを未処理のままで四塩化炭素含有アンモ
ニア水混合溶媒に溶かしても硫化銅(II)の25.0%を
除きおおむね良好な銅溶解率が得られたが、水素化ホウ
素ナトリウム処理された銅化合物では更に銅溶解率が上
昇した(表8)。硫化銅(II)では、処理後の銅溶解率が
約90%を示し、未処理の銅溶解率に比較して3.5倍
になった。硫化銅(II)(CuO)では、四塩化炭素含有
アンモニア水混合溶媒に対する銅溶解率が未処理で2.
7%、処理後に95%と飛躍的に増加した。
【0034】
【0035】
【実施例5:エルツベルグ銅鉱石からの銅抽出】黄銅鉱
(CuFeS2)を主成分とする銅鉱石で、実際の銅製
錬に使用されているエルツベルグ銅鉱石(Cu:29.
20%,Fe:24.09%,S:28.83%,SiO
2:8.89%,CaO:0.64%,Al23:2.61
%,MgO:0.45%,Pb:0.08%,Zn:0.
36%,As:0.004%,Sb<0.001%,B
i:0.004%,Hg:0.2%,Se:0.015
%,Te:0.001%,Cd:0.001%,Ni:
0.003%)を用い、銅を溶解抽出した。エルツベル
グ銅鉱石の溶解反応の最適条件を決定するため、抽出溶
媒に含まれる四塩化炭素の物質量の影響を調査した。銅
鉱石,アンモニア水の量が一定の条件下で、エルツベル
グ銅鉱石8.7gを30℃の四塩化炭素含有アンモニア
水混合溶媒に12時間浸し、溶出したCuを定量した。
銅鉱石に含まれるCuの物質量に対して3倍強の物質量
で四塩化炭素を使用すると銅溶解率が減少し始めるの
で、Cuの物質量に対して2倍量の四塩化炭素が妥当で
あった(表9,図6)。
【0036】
【0037】表9の結果を踏まえ、Cu/CCl4=2
のモル比一定条件下で溶解反応に及ぼす反応時間の影響
を調査した。エルツベルグ銅鉱石2.54gを温度30
℃の四塩化炭素含有アンモニア水混合溶媒(四塩化炭素
濃度:80mモル,アンモニア濃度:12M)に浸し、
所定の反応時間経過後に銅溶解率を測定した。その結
果、長時間反応で銅溶解率は向上したが、12時間を越
える溶解反応では銅溶解率がほぼ一定の値になった(表
10,図7)。表10,図7の結果から、四塩化炭素含
有アンモニア水混合溶媒でエルツベルグ銅鉱石からCu
を抽出する効率は、四塩化炭素の物質量に大きな影響を
受けることが判る。Cu/CCl4=0.5(モル比)の
とき、銅溶解率は30℃,1時間の処理で約20%であ
り、反応時間を12時間にすると約62%に上昇した。
【0038】
【0039】更に、四塩化炭素含有アンモニア水混合溶
媒で処理する前のエルツベルグ銅鉱石を水素化ホウ素ナ
トリウムで処理し、水素化ホウ素ナトリウムの物質量が
銅溶解率に及ぼす影響を調査した。本試験では、水素化
ホウ素ナトリウムによる処理時間を1時間に設定した。
水素化ホウ素ナトリウム処理されたエルツベルグ銅鉱石
0.62gを四塩化炭素含有アンモニア水混合溶媒(四
塩化炭素濃度:6mモル,アンモニア濃度:12M)に
浸し、30℃,1時間でCuを溶解させたところ、水素
化ホウ素ナトリウムをある程度過剰に使用すると銅溶解
率が多少向上したが、NaBH4/Cuのモル比が5倍
以上になると銅溶解率にほとんど差がみられなくなった
(表11,図8)。あまりに過剰な水素化ホウ素ナトリ
ウムの使用は未反応物の残存を意味するので、水素化ホ
ウ素ナトリウムの物質量はNaBH4/Cu=5(モル
比)が妥当と考えられる。
【0040】
【0041】更に、水素化ホウ素ナトリウム処理時間を
0.5〜12時間の範囲で変更し、処理時間が銅溶解率
に及ぼす影響を調査したが、処理時間による有意差は検
出されなかった。また、水素化ホウ素ナトリウム処理さ
れたエルツベルグ銅鉱石をX線回折分析したところ、回
折スペクトルは水素化ホウ素ナトリウム処理の前後でほ
とんど変わっていなかった(図9)。これらの結果は、
他の銅鉱石に含まれている銅化合物が水素化ホウ素ナト
リウム処理で酸化銅(I)や金属銅に還元されるのに対
し、エルツベルグ銅鉱石では還元困難なことを示してい
る。
【0042】以上の結果から、エルツベルグ銅鉱石を水
素化ホウ素ナトリウムで前処理した後、四塩化炭素含有
アンモニア水混合溶媒で銅を溶解する場合の最適条件は
次のとおりと理解される。 (1) 水素化ホウ素ナトリウムによるエルツベルグ銅鉱石
の前処理 エルツベルグ銅鉱石0.63g(銅含有量:3.0mモ
ル)に対し 水素化ホウ素ナトリウムの物質量:NaBH4/Cu=
5(モル比) 処理時間:30分 処理温度:30℃ (2) 前処理されたエルツベルグ銅鉱石からの銅溶解 12Mアンモニア水5ml(60mモル)に対し、 四塩化炭素の物質量:Cu/CCl4=2(モル比) 処理時間:1〜12時間 処理温度:30℃
【0043】四塩化炭素含有アンモニア水混合溶媒を用
いたエルツベルグ銅鉱石からの銅抽出を従来の硫酸抽出
法と比較するため、銅溶解率の経時変化を調査した。本
試験では、エルツベルグ銅鉱石0.63gを水素化ホウ
素ナトリウム15mモルで前処理した後、30℃の四塩
化炭素含有アンモニア水混合溶媒(四塩化炭素濃度:6
mモル,アンモニア濃度:12M,60mモル)に浸
し、所定時間経過後に銅溶解率を測定した。その結果、
反応開始直後から50%を超える高い銅溶解率が示され
た。他方、水素化ホウ素ナトリウムで処理していないエ
ルツベルグ銅鉱石では、反応開始から5時間経過した時
点で銅溶解率が約50%に達した。これに対し、30℃
又は100℃の硫酸にエルツベルグ銅鉱石を浸した従来
の硫酸抽出法では、15時間以上経過しても銅溶解率が
40%に達しなかった。(図10) この対比から明らかなように、四塩化炭素含有アンモニ
ア水混合溶媒を用いてエルツベルグ銅鉱石から銅を溶解
させると、従来の硫酸抽出に比較して高い銅溶解率で銅
を抽出できることが判る。また、水素化ホウ素ナトリウ
ムで前処理すると、初期溶解速度が一段と速くなり、短
時間処理でも一層高い溶解効率の達成が実証された。
【0044】
【発明の効果】以上に説明したように、銅鉱石を四塩化
炭素含有アンモニア水混合溶媒で処理するとき、高い溶
解効率で銅が溶解・抽出される。この湿式製錬は、溶錬
を必要とする従来の乾式製錬に比較して、環境に有害な
排ガスの排出がなく、省エネルギーの面でも優れてい
る。しかも、従来の湿式製錬が酸化鉱に限られていたの
に対し、酸化鉱は勿論、一次硫化鉱や二次硫化鉱にも適
用でき、高い溶解効率で銅が抽出される。また、対象鉱
を水素化ホウ素ナトリウムで前処理することにより、反
応開始直後から銅の溶解が促進され、銅溶解率が更に向
上する。このようにして、本発明によるとき、環境保全
や省エネルギーに適した銅製錬プロセスが確立される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 四塩化炭素含有アンモニア水に浸した金属銅
粉末から溶解する銅の溶解率の温度依存性を示すグラフ
【図2】 硫化銅(II)を水素化ホウ素ナトリウム前処理
したとき、硫化銅(II)が酸化銅(I)に還元されることを
示す回折スペクトル
【図3】 Cu2CO3(OH)2が水素化ホウ素ナトリウ
ム前処理で酸化銅(I),金属銅に還元されることを示す
回折スペクトル
【図4】 Cu2Oが水素化ホウ素ナトリウム前処理で
酸化銅(I),金属銅に還元されることを示す回折スペク
トル
【図5】 Cu2Sが水素化ホウ素ナトリウム前処理で
酸化銅(I),金属銅に還元されることを示す回折スペク
トル
【図6】 エルツベルグ銅鉱石から溶解する銅の溶解率
に及ぼすCu/CCl4モル比の影響を表したグラフ
【図7】 エルツベルグ銅鉱石から溶解する銅の溶解率
に及ぼす反応時間の影響を表したグラフ
【図8】 水素化ホウ素ナトリウムで前処理したエルツ
ベルグ銅鉱石から溶解する銅の溶解率に及ぼすNaBH
4/Cuモル比の影響を表したグラフ
【図9】 水素化ホウ素ナトリウム前処理でエルツベル
グ銅鉱石の構成成分に実質的な変化がないことを示す回
折スペクトル
【図10】 四塩化炭素含有アンモニア水混合溶媒でエ
ルツベルグ銅鉱石を処理したとき及び水素化ホウ素ナト
リウム前処理後に四塩化炭素含有アンモニア水混合溶媒
でエルツベルグ銅鉱石を処理したときの銅溶解率を従来
の硫酸抽出法と比較したグラフ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四塩化炭素を添加したアンモニア水に銅
    鉱石を浸し、銅を選択溶解させることを特徴とする四塩
    化炭素含有アンモニア水混合溶媒を用いた銅抽出法。
  2. 【請求項2】 水素化ホウ素ナトリウムで銅鉱石を前処
    理した後、四塩化炭素を添加したアンモニア水に浸す請
    求項1記載の銅抽出法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008156687A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 製錬ダストからの不純物金属の分離方法
JP2011033377A (ja) * 2009-07-30 2011-02-17 Autonetworks Technologies Ltd Sn酸化物の定量方法およびフラックスの評価方法
JP7368802B2 (ja) 2019-09-04 2023-10-25 国立研究開発法人産業技術総合研究所 重金属分離方法および金属回収方法

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