JP2003327904A - 多孔質基材用プライマー及び多孔質基材のプライマー処理方法 - Google Patents

多孔質基材用プライマー及び多孔質基材のプライマー処理方法

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JP2003327904A
JP2003327904A JP2002137713A JP2002137713A JP2003327904A JP 2003327904 A JP2003327904 A JP 2003327904A JP 2002137713 A JP2002137713 A JP 2002137713A JP 2002137713 A JP2002137713 A JP 2002137713A JP 2003327904 A JP2003327904 A JP 2003327904A
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Motomu Kita
求 喜多
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気汚染を防止し、作業性の向上を図るとと
もに有機溶剤を使用することなく十分な含浸性を備えた
多孔質基材用プライマー、及び多孔質基材のプライマー
処理方法を提供する。 【解決手段】 脂肪族ジイソシアネートから合成される
アロファネート変性ポリイソシアネートを含有し、実質
的に有機溶剤及び有機ジイソシアネートを含有せず、2
5℃の粘度が500mPa・s以下の多孔質基材用プラ
イマーにより解決する。なお、前記プライマーは脂肪族
ジイソシアネートのイソシアヌレート変性ポリイソシア
ネートを更に含有するものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質基材用プラ
イマー及び多孔質基材のプライマー処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多孔質基材として、石綿及び無石綿スレ
ート板、硅酸カルシウム板、石膏系無機質板等の無機系
基材、木材、紙、不織布、織物、プラスチックフォーム
等の有機系基材等、種々のものがある。無機系基材は、
多孔質で脆く、表面は粉状に取れ易く、また塩基性物質
であるため被塗面にアルカリ物質が溶解、溶出しやすい
特性がある。一方、有機系基材は、軟らかく柔軟性があ
り、釘や接着剤等により容易に接合させることができる
反面、機械的強度は弱いという特性がある。
【0003】これらの多孔質基材にプライマー処理なし
で塗装すると、無機系基材の場合は、塗膜が養生テープ
除去時や経時での水侵入又は凍結融解で剥がれたり、更
には、塗膜表面が基材中のアルカリ物質の溶解、溶出等
による白化現象で、塗膜外観を著しく損ったりする。一
方、有機系基材の場合は、基材自身が吸湿・乾燥するこ
とにより、基材の膨潤・収縮が起こり、このため塗膜が
物理変化に追従できずに剥がれることがある。
【0004】このため、多孔質基材の下地処理としての
プライマーの検討がなされている。例えば、特開平6−
92756号公報では、乳化性親水基含有イソシアネー
トプレポリマーの水乳化液を無機系多孔質基材の下地処
理に用いている。また、特開平11−76929号公報
では、低粘度のプライマーを木材に含浸させた後、塗装
する技術が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の水に乳
化させたポリイソシアネートのポットライフは不十分で
あり、使用する度に水乳化液を調製する必要があった。
また、無溶剤では粘度が高く多孔質基材への含浸性が悪
いものであった。一方、有機溶剤で希釈したものは、大
気を汚染するばかりでなく、塗装作業者の人体にも悪影
響を及ぼし、更には火災の危険性もあった。
【0006】そこで、本発明の目的は、大気汚染を防止
し、作業性の向上を図るとともに有機溶剤を使用するこ
となく十分な含浸性を備えた多孔質基材用プライマー、
及び多孔質基材のプライマー処理方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、脂肪族ジ
イソシアネートから合成されるアロファネート変性ポリ
イソシアネートを用いた多孔質基材用プライマーが、上
記課題を解決できることを見出し本発明を完成させるに
至った。
【0008】すなわち、本発明は以下の(1)〜(6)
に示されるものである。 (1) 実質的に有機溶剤及び有機ジイソシアネートを
含有せず、25℃の粘度が500mPa・s以下の多孔
質基材用プライマーであって、該プライマーが脂肪族ジ
イソシアネートから合成されるアロファネート変性ポリ
イソシアネート(A)を含有することを特徴とする、前
記多孔質基材用プライマー。
【0009】(2) アロファネート変性ポリイソシア
ネート(A)が、アロファネート化触媒としてカルボン
酸ジルコニウム塩を用いて合成されたものであることを
特徴とする、前記(1)の多孔質基材用プライマー。
【0010】(3) 脂肪族ジイソシアネートから合成
される非自己乳化性イソシアヌレート変性ポリイソシア
ネート(B)を更に含有することを特徴とする、前記
(1)、(2)の多孔質基材用プライマー。
【0011】(4) 脂肪族ジイソシアネートから合成
される自己乳化性ポリイソシアネート(C)を更に含有
することを特徴とする、前記(1)、(2)の多孔質基
材用プライマー。
【0012】(5) 脂肪族ジイソシアネートが、ヘキ
サメチレンジイソシアネートであることを特徴とする、
前記(1)〜(4)の多孔質基材用プライマー。
【0013】(6) 前記(1)〜(5)の多孔質基材
用プライマーを多孔質基材に塗布することを特徴とす
る、多孔質基材のプライマー処理方法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のプライマーは、実質的に
有機溶剤及び有機ジイソシアネートを含有しないもので
ある。有機溶剤や有機ジイソシアネート(特に脂肪族ジ
イソシアネート)を実質的に含有する場合は、プライマ
ー処理時において、大気汚染や臭気の問題が起きやす
い。なお「実質的に有機溶剤及び有機ジイソシアネート
を含有しない」とは、有機溶剤及び有機ジイソシアネー
トの各々の含有量が1質量%未満であるということが好
ましい。
【0015】本発明のプライマーの25℃の粘度は、5
00mPa・s以下である。25℃の粘度が500mP
a・sを越える場合は、そのままの状態では塗布しにく
くなるので、有機溶剤による希釈や、加熱による粘度低
下工程が必要になる。また、500mPa・sを超える
プライマーを木材に用いると、プライマーの木材への含
浸が少なくなり、ポリウレア被膜剥離時に木材の破壊が
起こりやすくなる。
【0016】本発明のプライマーは、脂肪族ジイソシア
ネートから合成されるアロファネート変性ポリイソシア
ネート(A)を含有することを特徴とする。(A)の製
造方法は、特に制限はなく、脂肪族ジイソシアネートと
水酸基含有化合物を反応させて得られたイソシアネート
基末端プレポリマーにアロファネート化触媒の存在下で
アロファネート化反応を行い、所定の段階で触媒毒を添
加して反応を停止させる。その後、未反応の脂肪族ジイ
ソシアネートを除去して得られる。アロファネート化反
応の際、アロファネート化触媒としてカルボン酸ジルコ
ニウム塩を用いると、アロファネート化反応時における
副反応(ウレトジオン化反応やイソシアヌレート化反応
等)が少なく、得られるポリイソシアネートの粘度が低
くなるので好ましい。
【0017】前記水酸基含有化合物としては、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノ
ール、n−ブタノール、iso−ブタノール、t−ブタ
ノール、シクロヘキサノール等の低分子モノオール類、
これらを開始剤として、エチレンオキサイドやプロピレ
ノキサイド等のアルキレンオキサイドやε−カプロラク
トンやγ−バレロラクトン等の低分子環状エステルを開
環付加させたポリエーテルモノオールやポリエステルモ
ノオール類、エチレングリコール、1,2−プロパンジ
オール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−
メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,
5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,
8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロ
パンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−
プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−
ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオ
ール、2−n−ヘキサデカン−1,2−エチレングリコ
ール、2−n−エイコサン−1,2−エチレングリコー
ル、2−n−オクタコサン−1,2−エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジ
オール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、水素
添加ビスフェノールA、ビス(β−ヒドロキシエチル)
ベンゼン、あるいはビスフェノールAのエチレンオキサ
イド又はプロピレンオキサイド付加物、トリメチロール
プロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分
子ポリオール類、前記低分子ポリオール類、後述する低
分子ポリアミン類や低分子アミノアルコール類を開始剤
として、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等
の環状低分子エーテルを付加させて得られるポリエーテ
ルポリオール類、低分子ポリオール類、低分子ポリアミ
ン類や低分子アミノアルコール類を開始剤として、ε−
カプロラクトンやγ−バレロラクトン等の低分子環状エ
ステルを付加させて得られるポリエステルポリオール
類、低分子ポリオールとコハク酸、アジピン酸、フタル
酸等のポリカルボン酸との縮重合で得られるポリエステ
ルポリオール類等が挙げられる。本発明では、炭素数1
〜5の脂肪族低分子モノオールが、(A)の粘度が低い
ものとなるので好ましい。
【0018】本発明のプライマーは、前述の(A)を必
須成分として、更に脂肪族ジイソシアネートから合成さ
れる非自己乳化性イソシアヌレート変性ポリイソシアネ
ート(B)、又は脂肪族ジイソシアネートから合成され
る自己乳化性ポリイソシアネート(C)を含有するも
の、すなわち(A)及び(B)の混合物、又は(A)及
び(C)の混合物とすると、塗膜の強度・耐候性等の向
上や、水性化が達成されるので好ましくなる。なお「自
己乳化性」とは、分散剤を用いることなくポリイソシア
ネート単独でで水に乳化する性能があるということであ
り、「非自己乳化性」とは、それ単独では水に分散する
性能がないということである。
【0019】(A)の好ましいイソシアネート含量は、
10〜25質量%である。また、好ましい粘度は、25
℃で300mPa・s以下である。
【0020】(B)は、公知の方法で得られるものであ
り、脂肪族ジイソシアネート、又は脂肪族ジイソシアネ
ートと活性水素基含有化合物を反応させて得られたイソ
シアネート基末端プレポリマーにイソシアヌレート化触
媒の存在下でイソシアヌレート化反応を行い、所定の段
階で触媒毒を添加して反応を停止させる。その後、未反
応の脂肪族ジイソシアネートを除去して得られる。
【0021】前記活性水素基含有化合物とは、前記の水
酸基含有化合物の他、、テトラメチレン字アミン、ヘキ
サメチレンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子ポ
リアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン
等の低分子アミノアルコール等が挙げられる。本発明で
は、側鎖アルキル基を有し、炭素数3〜10の脂肪族ジ
オール類が好ましい。
【0022】(B)の好ましいイソシアネート含量は、
10〜25質量%である。また、好ましい粘度は、25
℃で3,000mPa・s以下である。
【0023】(C)は、公知の反応で得られるものであ
り、好ましくは脂肪族ジイソシアネートから誘導される
ポリイソシアネートに活性水素基及びノニオン性親水基
含有化合物を反応させて得られるであり、特に好ましく
は前述の(B)に活性水素基及びノニオン性親水基含有
化合物を反応させて得られるものである。なお、「脂肪
族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネー
ト」とは、(B)の他に脂肪族ジイソシアネートのウレ
タン変性体、ビウレット変性体、ウレトジオン変性体、
カルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体等を総括
する概念である。
【0024】前記活性水素基及びノニオン性親水基含有
化合物を反応させて得られるものとしては、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノ
ール、n−ブタノール、iso−ブタノール、t−ブタ
ノール、シクロヘキサノール、フェノール、エチレング
リコール、プロピレングリコール、アニリン、トリメチ
ロールプロパン、グリセリン等を開始剤として、エチレ
ンオキサイドを有するアルキレンオキサイドを付加させ
て得られるポリエーテル類が挙げられる。本発明では、
炭素数1〜5の低分子モノオールを開始剤として、エチ
レンオキサイドを付加させて得られるポリエーテルモノ
オールが好ましい。
【0025】(C)の好ましいイソシアネート含量は、
10〜25質量%である。また、好ましい粘度は、25
℃で3,000mPa・s以下である。
【0026】(A)と、(B)又は(C)の混合比は、
質量比で(A):(B)又は(C)=2/8〜10/0
が好ましく、特に3/7〜9/1が好ましい。
【0027】(A)〜(C)における脂肪族ジイソシア
ネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(H
DI)、テトラメチレンジイソシアネート、デカメチレ
ンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−
ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシ
エチレンジイソシアネート等が挙げられる。本発明で好
ましい脂肪族ジイソシアネートはHDIである。
【0028】本発明の多孔質基材のプライマー処理方法
は、多孔質基材をプライマー処理するに際し、前述の多
孔質用プライマーを多孔質基材に塗布することを特徴と
するものである。
【0029】本発明に用いられる多孔質基材用プライマ
ーは、前述に記載されたものである。このプライマー
は、実質的に有機溶剤を含まないにもかかわらず、粘度
が25℃で500mPa・s以下と従来のものよりかな
り低いものである。このため、大気汚染等の問題が少な
い。また、自己乳化性ポリイソシアネート(C)を用い
る場合は、水中に乳化して使用してもよい。この場合に
おいて、粘度が低いので乳化工程が容易であり、かつ乳
化前より粘度が更に低くなるので、細かい孔まで目止め
できる。
【0030】アロファネート変性ポリイソシアネート
(A)及び自己乳化性ポリイソシアネート(C)の混合
物(AC混合物と略称する)の水乳化液を用いる場合、
AC混合物に対して0.5〜7倍の量(質量比)の水で
乳化することが好ましく、特に1〜5倍が好ましい。乳
化後は、水とイソシアネート基が反応して、イソシアネ
ート基が消失するので、乳化してから12時間以内に使
い切るのがが好ましい。なお、(C)単独では、水乳化
後の可使時間は通常5〜7時間程度であるが、AC混合
物の水乳化後の可使時間は、10〜15時間と大幅に延
びることが判明した。
【0031】また、AC混合物と、アロファネート変性
ポリイソシアネート(A)及び非自己乳化性ポリイソシ
アネート(B)の混合物(AB混合物と略称する)をそ
のままプライマー処理に用いた場合、AC混合物のほう
が速く硬化するので好ましい。これは、AC混合物には
親水基が導入されているので、大気中の水分を素早く取
り込めるためと考えられる。
【0032】プライマーの塗布方法は、刷毛塗り、スプ
レー塗り、スポンジロールコーター塗り等、通常塗料を
塗布する方法が可能である。また、希釈や乳化しないで
塗布する場合は、カーテンフローコーターによる塗布も
適用できる。
【0033】プライマーの塗布量は固形分換算で、1m
2 当り10〜200g程度が好ましい。この塗布量が、
1m2 当り10g未満では強化の効果がなく、逆に20
0gを越えると、プライマーが流れたり含浸、浸透でき
ずに表面に残り、硬化が遅くなり中塗り塗料や上塗り塗
料の塗装に支障を来たすことになることがある。
【0034】塗布後のプライマーの乾燥方法は、多孔質
基材を塗布する前に、基材をプレヒートしてから塗布し
てもよく、基材を塗布後、加熱乾燥してもよい。又、そ
の両方でもよく、常温のまま乾燥してもよい。
【0035】
【発明の効果】本発明により、大気汚染を防止し、作業
性の向上を図るとともに塗膜の密着性等に優れた多孔質
基材用のプライマー、及び多孔質基材のプライマー処理
方法を提供することが可能となった。特に、本発明のプ
ライマーは、有機系の多孔質基材にも適用可能である。
【0036】
【実施例】本発明について、実施例、比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定され
るものではない。なお、実施例、比較例において「%」
は「質量%」を意味する。
【0037】〔アロファネート変性ポリイソシアネート
の製造〕 製造例1 攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容
量:2,000mlの反応器に、ヘキサメチレンジイソ
シアネート975gとメタノール25gを90℃で2時
間反応させた。次いで、2−エチルヘキサン酸ジルコニ
ウム0.2gを加えて110℃で3時間反応させた。次
いで、リン酸を0.1g仕込み50℃で1時間停止反応
を行った。停止反応後の反応生成物のイソシアネート含
量は42.1%であった。この反応生成物を130℃×
0.04kPaにて薄膜蒸留を行い、ポリイソシアネー
トP−1を得た。結果を表1に示す。P−1をFT−I
R及び13C−NMRにて分析したところ、ウレタン基は
確認されず、アロファネート基が確認された。
【0038】製造例2、3 表1に示す原料を用いる以外は、製造例1と同様にして
ポリイソシアネートP−2を得た。結果を表1に示す。
P−2をFT−IR及び13C−NMRにて分析したとこ
ろ、ウレタン基は確認されず、アロファネート基が確認
された。
【0039】〔非自己乳化性イソシアヌレート変性ポリ
イソシアネートの製造〕 製造例4 製造例1と同様な装置に、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート999gと1,3−ブタンジオール1gを90℃で
2時間反応させた。次いで、カプリン酸カリウムを0.
2g加えて50℃で3時間反応させた。次いで、リン酸
を0.1g仕込み50℃で1時間停止反応を行った。停
止反応後の反応生成物のイソシアネート含量は43.5
%であった。この反応生成物を130℃×0.04kP
aにて薄膜蒸留を行い、ポリイソシアネートP−3を得
た。結果を表1に示す。P−3をFT−IR及び13C−
NMRにて分析したところ、ウレタン基、イソシアヌレ
ート基が確認された。
【0040】製造例5 表1に示す原料を用いる以外は、製造例3と同様にして
ポリイソシアネートP−4を得た。結果を表1に示す。
P−4をFT−IR及び13C−NMRにて分析したとこ
ろ、ウレタン基、イソシアヌレート基が確認された。
【0041】
【表1】
【0042】〔自己乳化性イソシアヌレート変性ポリイ
ソシアネートの製造〕 製造例6〜8 製造例1と同様な装置に、表2に示す原料を仕込み、9
0℃で3時間ウレタン化反応させて、ポリイソシアネー
トP−6〜8を得た。結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】表1、2において HDI :ヘキサメチレンジイソシアネート Me−PEG:メタノールにエチレンオキサイドを付加
させたポリエーテルモノオール 数平均分子量=400
【0045】〔多孔質基材用プライマーの配合〕 実施例1〜14、比較例1〜4 表3〜5に示す割合でポリイソシアネートを混合又はそ
のまま用いて、多孔質基材用プライマーを調製した。
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】〔木材への適用評価〕 実施例15〜28、比較例7〜12 ラワン板の表面に、前述の調製した多孔質基材用プライ
マーを塗布量:20g/m2 (ドライ)になるように刷
毛塗りし、常温で30分放置した。その後、バーノック
13−438(大日本インキ化学工業製アルキド樹脂)
とコロネートL(日本ポリウレタン工業製芳香族系ポリ
イソシアネート)をイソシアネート基と水酸基との比が
当量になるように混合して、固形分50%になるように
酢酸ブチルで希釈して、塗布量:100g/m2 (ウエ
ット)になるように刷毛塗りし、常温で7日間静置し
て、塗装サンプルを得た。結果を表6〜8に示す。
【0050】〔ケイ酸カルシウム板への適用評価〕 実施例29〜35、比較例13〜15 プライマーを水に、プライマー/水=1/4(質量比)
の割合で配合・乳化させてから、塗布量:100g/m
2 (ウエット)になるように刷毛塗りし、常温で30分
放置してから熱風乾燥機にて60℃で10分間乾燥させ
た。その後、アクリディックA−801(大日本インキ
化学工業製アクリルポリオール)とコロネートHX(日
本ポリウレタン工業製脂肪族系ポリイソシアネート)を
イソシアネート基と水酸基との比が当量になるように混
合して、固形分45%になるように酢酸ブチルで希釈し
て、塗布量:100g/m2 (ウエット)になるように
刷毛塗りし、常温で7日間静置して、塗装サンプルを得
た。結果を表9〜10に示す。 ※バーノック :大日本インキ化学工業株式会社の登
録商標 ※アクリディック:大日本インキ化学工業株式会社の登
録商標 ※コロネート :日本ポリウレタン工業株式会社の登
録商標
【0051】評価項目及び評価は以下の通り。 臭気 :プライマー塗布直後における試験板の溶
剤臭の有無を判定する。 ○:なし ×:あり 含浸性 :プライマー塗布から30分放置後の試験
板の断面を観察する。 ○:1mm以上の含浸が認められる ×:1mm以上の含浸が認められない 密着性 :重ね塗りした試験板の塗装面を2mm間
隔、25マス目、クロスカットし、その後セロハンテー
プを圧着剥離して評価する。残存マス目/全マス目で表
示する。ポットライフ:プライマーを水に分散させてか
ら、1時間毎にイソシアネート含量を測定し、イソシア
ネート含量が0%になった時点をポットライフとする。
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】
【表8】
【0055】
【表9】
【0056】
【表10】
【0057】表6〜8に示されるように、本発明のプラ
イマーは、優れた性能を示した。一方、有機溶剤を用い
た比較例は、塗膜性能は良好であったが、臭気があり大
気汚染や作業環境の問題があるものであった。また、そ
の他の比較例は、粘度が高すぎるため、基材への含浸が
不十分となり、十分な塗膜性能を発揮できなかった。
【0058】また、表9〜10に示されるように、本発
明のプライマーを水に乳化させても従来のものと変わら
ず良好な性能を示し、なおかつポットライフも非常に長
いものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 CA13 DB11 DB18 DB21 DB31 DC01 DC05 EA07 EA41 EB38 EB52 EC37 4J034 AA04 HB06 RA07 4J038 DG271 DG29 JA43 KA04 PC01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に有機溶剤及び有機ジイソシアネ
    ートを含有せず、25℃の粘度が500mPa・s以下
    の多孔質基材用プライマーであって、該プライマーが脂
    肪族ジイソシアネートから合成されるアロファネート変
    性ポリイソシアネート(A)を含有することを特徴とす
    る、前記多孔質基材用プライマー。
  2. 【請求項2】 アロファネート変性ポリイソシアネート
    (A)が、アロファネート化触媒としてカルボン酸ジル
    コニウム塩を用いて合成されたものであることを特徴と
    する、請求項1記載の多孔質基材用プライマー。
  3. 【請求項3】 脂肪族ジイソシアネートから合成される
    非自己乳化性イソシアヌレート変性ポリイソシアネート
    (B)を更に含有することを特徴とする、請求項1又は
    2に記載の多孔質基材用プライマー。
  4. 【請求項4】 脂肪族ジイソシアネートから合成される
    自己乳化性ポリイソシアネート(C)を更に含有するこ
    とを特徴とする、請求項1又は2に記載の多孔質基材用
    プライマー。
  5. 【請求項5】 脂肪族ジイソシアネートが、ヘキサメチ
    レンジイソシアネートであることを特徴とする、請求項
    1から4のいずれかに記載の多孔質基材用プライマー。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかの多孔質基材
    用プライマーを多孔質基材に塗布することを特徴とす
    る、多孔質基材のプライマー処理方法。
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