JP2003327276A - 保冷箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境に優しい保冷箱を提供する。 【解決手段】 開閉蓋２を有する紙製の外箱３内に、耐
水紙で形成したトレイ４を収納し、該トレイ４の内面５
に高吸水性を有するシート材６を敷設することによっ
て、要冷蔵物と共に収納した氷等の融解水をトレイ４上
のシート材６に吸収させ、外箱３の軟化・変形を防止す
ると共に、氷で内部の温度を低く維持する

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、生鮮食料品等の要
冷蔵物を梱包するのに用いる紙製の保冷箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、生鮮食料品等の要冷蔵物を梱包搬
送する際は、発泡スチロール製の容器が広く利用されて
いる。発泡スチロール製の容器は、軽量で而も耐水性及
び断熱性に優れているため、これに要冷蔵物と氷を収納
しておけば、内部を長時間にわたって低温状態に保つこ
とができ、冷蔵容器として最適である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、発泡スチロ
ール等の樹脂類は、焼却処分時に有毒ガスを発生して大
気を汚染するだけでなく、土中に埋めても、有害成分を
溶出して土壌を汚染してしまうため、近い将来その使用
が規制されることは必至である。そこで、廃棄処分して
も環境に対する影響が少ない紙製の容器、例えば段ボー
ル箱の利用が検討されている。しかし、紙製容器は耐水
性及び断熱性が低く、これだけで要冷蔵物を梱包搬送す
るには不十分であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
に基づく、環境に優しい紙製容器だけで要冷蔵物を梱包
搬送することが困難な課題に鑑み、開閉蓋を有する紙製
の外箱内に、耐水紙で形成したトレイを収納し、該トレ
イの内面に高吸水性を有するシート材を敷設することに
よって、要冷蔵物と共に収納した氷等の融解水をトレイ
上のシート材に吸収させ、外箱の軟化・変形を防止する
と共に、氷で内部の温度を低く維持する様にして、上記
課題を解決する。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下本発明の一実施例を図面に基
づいて説明する。図１〜３は本発明に係る保冷箱を示す
図であり、図１は外箱内に挿嵌する内枠の一部を破断し
た分解斜視図、図２は要冷蔵物と氷を収納した状態の縦
断面図、図３は同上横断面図である。本発明に係る保冷
箱１は、図１〜３に示す様に、開閉蓋２を有する紙製の
外箱３内に、該外箱３より浅く平たい盆状のトレイ４を
収納し、該トレイ４の内面５（少なくとも底面）に高吸
水性を有するシート材６を敷設し、更に中空側壁７から
成る角型筒状の内枠８を外箱３内に挿嵌し、該内枠８の
下端部を前記トレイ４内に差込む一方、内枠８の上端面
９（中空側壁７の天面）に天板10を載置している。

【０００６】外箱３は、要冷蔵物Ｗの梱包搬送に耐え得
る強度が有れば良く、例えば通常の段ボール箱でも良
い。トレイ４及び内枠８は、水に濡れても通水・変質し
ない耐水紙で形成したものでなければならず、耐水紙と
しては、紙材中に合成樹脂の微粉を混入させたもの、通
常紙の表面に耐水性塗料を塗布したもの等が挙げられ
る。シート材６は、高吸水性を有する合成繊維（例え
ば、東洋紡績株式会社より市販のランシールＦ（登録商
標））を混入させて形成した不織布で、このシート材６
は水に接触すると膨張しながら多量の水を吸収し、又吸
水後に圧力を加えても殆ど離水しない。

【０００７】尚、保冷箱１の外形は特に限定されず、円
柱状の外箱３に円筒状のトレイ４及び内枠８を組合わせ
て丸型容器としても良い。又、外箱３及び天板10を耐水
紙で形成して、保冷箱１全体に耐水性を持たせる様にし
ても良い。

【０００８】次に本発明に係る保冷箱１の使用方法につ
いて説明する。先ず、トレイ４の底面５に高吸水性を有
するシート材６を敷き、かかるトレイ４を外箱３内に収
納する。次に、内枠８を外箱３内に挿嵌すると共に、下
端部をトレイ４内に差込み、内枠８の下端面11でトレイ
４上のシート材６を押さえ付ける。そして、トレイ４上
に適量の氷Ｉを載せ、その上に要冷蔵物Ｗを載置して内
枠８内に要冷蔵物Ｗを収納し、内枠８上に天板10を載置
した後に、外箱３の開閉蓋２を閉じ、粘着テープ等を利
用して密封する。すると、要冷蔵物Ｗは、氷Ｉとの接触
による熱伝導、並びに氷Ｉによる外箱３内冷気の対流で
冷却される。又、内枠８の中空側壁７内に密閉されてい
る空気は、中空側壁７内の空間が狭く、外箱３内（内枠
８で囲繞された空間）の空気の様に活発に対流しないた
め、熱伝達効率が低く、中空側壁７内の空気が断熱層と
なって、外箱３外からの熱の流入を抑止する。又、時間
の経過と共に、氷Ｉや要冷蔵物Ｗ（冷凍したものの場
合）から融解水が滴下するが、かかる融解水は、耐水性
を有するトレイ４上のシート材６に吸収されて外箱３ま
で到達しないため、外箱３に滲み込まない。

【０００９】

【発明の効果】要するに本発明は、開閉蓋２を有する紙
製の外箱３内に、耐水紙で形成したトレイ４を収納し、
該トレイ４の内面５に高吸水性を有するシート材６を敷
設したので、外箱３内に収納した氷Ｉ等の融解水をトレ
イ４上のシート材６に吸収させて、融解水による外箱３
の軟化・変形、並びに融解水の外箱３外への漏出を防止
できるため、この紙材主体の保冷箱１で要冷蔵物Ｗを梱
包すれば、要冷蔵物Ｗを傷めてしまうことなく遠方まで
搬送することが出来る。従って、合成樹脂が主体の保冷
容器は不要となり、膨大な量の樹脂類を廃棄処分するこ
とによる自然破壊を防止して、環境保全に貢献すること
が出来る。

【００１０】耐水紙で形成した中空側壁７から成る筒状
の内枠８を外箱３内に挿嵌したので、中空側壁７内の空
気が断熱層となり、外部からの熱流入を抑止できるた
め、外箱３内の温度を長時間にわたって低く維持し、要
冷蔵物Ｗの鮮度低下を防止することが出来る。

【００１１】外箱３を耐水紙で形成したので、例えば搬
送中に転倒して、外箱３の内面が収納した氷Ｉ等の融解
水で濡れてしまっても、外箱３は軟化・変形せず、又融
解水が外箱３外に漏出することもなく、又外箱３の内
部、トレイ４及び内枠８を清掃し、シート材６を交換す
れば幾度も使用することが出来る等その実用的効果甚だ
大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る保冷箱の分解斜視図である。

【図２】本発明に係る保冷箱の使用状態を示す縦断面図
である。

【図３】同上横断面図である。

【符号の説明】

１ 保冷箱 ２ 開閉蓋 ３ 外箱 ４ トレイ ５ 内面 ６ シート材 ７ 中空側壁 ８ 内枠

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 開閉蓋を有する紙製の外箱内に、耐水紙
   で形成したトレイを収納し、該トレイの内面に高吸水性
   を有するシート材を敷設したことを特徴とする保冷箱。
2. 【請求項２】 耐水紙で形成した中空側壁から成る筒状
   の内枠を外箱内に挿嵌したことを特徴とする請求項１記
   載の保冷箱。
3. 【請求項３】 外箱を耐水紙で形成したことを特徴とす
   る請求項１又は２記載の保冷箱。