JP2003326449A - 希土類合金の切断方法 - Google Patents
希土類合金の切断方法Info
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Abstract
用いて希土類合金を切断する際のワイヤソーの寿命を長
くする。 【解決手段】 芯線22に砥粒24を樹脂層26によっ
て固着させたワイヤソー20を用いる希土類合金の切断
方法であって、希土類合金がワイヤソーによって切削さ
れる部分を25℃における表面張力が25mN/m〜6
0mN/mの範囲内にある水を主成分とする冷却液中に
浸漬した状態で、ワイヤソーを走行させることによって
希土類合金を切削する工程を包含し、ワイヤソーとし
て、長さ方向において互いに隣接する砥粒間の平均距離
が砥粒の平均粒径の150%以上400%未満の範囲内
にあり、砥粒が樹脂層の表面から突き出している部分の
平均高さが砥粒の平均粒径の70%以下であって、且
つ、樹脂層の芯線に対する偏肉率が40%以下であるワ
イヤソーを用いる。
Description
方法に関し、特に、芯線に砥粒を固着させたワイヤソー
を用いて希土類合金を切断する方法に関する。
として利用されている。希土類合金を着磁することによ
って得られる希土類磁石は、例えば、磁気記録装置の磁
気ヘッドの位置決めに用いられるボイスコイルモータ用
の磁石として好適に用いられている。
むものとする。)を切断する方法としては、従来から、
例えば回転するスライシングブレードを用いて希土類合
金材料をスライスする技術が採用されている。しかしな
がら、スライシングブレードで切断する方法によれば、
切断刃の厚さが比較的大きいため、削りしろが多くな
り、希土類合金材料の歩留まりが低く、希土類合金製品
(例えば希土類磁石)のコストを上昇させる要因となっ
ている。
ない切断方法として、ワイヤソーを用いた方法がある。
例えば、特許文献1は、高強度の芯線の周面上に超砥粒
をボンド層により固定したワイヤソー(「固定砥粒ワイ
ヤソー」という。)を用いて、シリコン、ガラス、ネオ
ジム、フェライト等の硬脆材料を切断できることを開示
している。
て、希土類合金材料から少ない削り代で所定厚さの板を
多数枚同時に作製することができれば、希土類磁石の製
造コストが大幅に低減される。しかしながら、固定砥粒
ワイヤソーを用いて希土類合金を量産レベルで切断した
との報告は未だに無い。
な原因として、希土類合金、特に、焼結法によって製造
された希土類合金(以下、「希土類焼結合金」を呼
ぶ。)の機械的な性質が、シリコン等と大きく異なるこ
とが挙げられる。具体的には、希土類焼結合金は、全体
として脆く、且つ、硬い主相(すなわちR2Fe14B結
晶粒)と、延性的な破壊を起こす粒界相とを有するの
で、シリコンに代表される硬脆材料と異なり、切削され
難い。すなわち、シリコン等の硬脆材料を切断する場合
に比べて、切削抵抗が高く、その結果、発熱量も多い。
また、希土類合金の比重は、約7.5とシリコン等の材
料に比べて大きく、切削によって生成される切削屑(ス
ラッジ)が切削部から排出され難い。
効率良く切削するためには、切削抵抗を十分に低下させ
るとともに、切削時に発生する熱を効率良く放熱する、
すなわち切削部を効率良く冷却する必要がある。また、
切削によって生成される切削屑を効率良く排出する必要
がある。
液」ともいう。)を希土類合金の切削部に十分に供給す
ることによって、切削抵抗を低下するとともに、切削時
に発生する熱を効率良く放散することができる。発明者
による実験の結果、油性の冷却液を用いて、ワイヤソー
を十分な量の冷却液で濡らしておけば、走行するワイヤ
ソーによって、狭い切削部に冷却液を十分に供給するこ
とができる。
冷却液には、環境破壊を起こさないように廃液を処理す
るためにコストがかかること、および、廃液中の切削屑
を分別することが困難であり、廃液や切削屑の再利用が
困難であるという問題がある。これらのことを考慮する
と、冷却液としては水(または水溶性の冷却液)が好ま
しいのであるが、水を冷却液として用いると、水は粘度
(1.0mm2/s)が低いので、走行するワイヤソー
に十分な量を付着させることができないので、ワイヤソ
ーを水で濡らしても切削部に十分な量の水を供給するこ
とができない。
ローする冷却液中にワイヤソーを走行させることによっ
て、固定砥粒ワイヤソーを高速(例えば2000m/m
in)で走行させる場合においても、冷却液をワイヤソ
ーに確実に付着させることができることを開示してい
る。しかしながら、本発明者の実験によると、オーバー
フローしている水の中にワイヤソー(例えば、特許文献
1に開示されている)を走行させながら希土類合金を切
削しても、砥粒の脱落や、樹脂層の剥離、さらにひどい
場合にはワイヤソーの断線が発生する。この不具合は、
ワイヤソーの走行速度が例えば800m/min程度で
も発生した。
であり、その主な目的は、ワイヤソー装置で水を主成分
とする冷却液を用いて希土類合金を切断する際のワイヤ
ソーの寿命を長くすることにある。
の切断方法は、芯線に砥粒を樹脂層によって固着させた
ワイヤソーを用いる希土類合金の切断方法であって、前
記希土類合金が前記ワイヤソーによって切削される部分
を25℃における表面張力が25mN/m〜60mN/
mの範囲内にある水を主成分とする冷却液中に浸漬した
状態で、前記ワイヤソーを走行させることによって前記
希土類合金を切削する工程を包含し、前記ワイヤソーと
して、長さ方向において互いに隣接する前記砥粒間の平
均距離が前記砥粒の平均粒径の150%以上400%未
満の範囲内にあり、前記砥粒が前記樹脂層の表面から突
き出している部分の平均高さが前記砥粒の平均粒径の7
0%以下であって、且つ、前記樹脂層の前記芯線に対す
る偏肉率が40%以下であるワイヤソーを用いることを
特徴とし、そのことによって上記目的が達成される。
られる水を主成分とする冷却液は、表面張力の代わりに
動摩擦係数によって特定することもでき、前記希土類合
金に対する25℃における動摩擦係数が0.1〜0.3
の範囲内にある冷却液を用いることを特徴とする。
60μmの関係を満足することが好ましい。
mm以下の範囲内にあることが好ましい。
ーを走行させる工程は、ワイヤソーを複数のローラの間
で走行させる工程であって、前記複数のローラのそれぞ
れは、案内溝が形成された高分子層を有し、前記案内溝
は、少なくとも一方の斜面が前記ローラの半径方向に対
して25°以上45°未満の角度を成す一対の斜面を有
し、前記ワイヤは前記一対の斜面の間を走行させられ
る。
樹脂またはポリイミド樹脂から形成されていることが好
ましい。
金は、R−Fe−B系希土類焼結合金であり、Nd−F
e−B系希土類焼結合金であってもよい。
金の切断方法は、芯線(典型的にはピアノ線)に砥粒
(典型的にはダイヤモンド砥粒)を樹脂層によって固着
させたワイヤソーを用い、希土類合金がワイヤソーによ
って切削される部分を25℃における表面張力が25m
N/m〜60mN/mの範囲内にある水を主成分とする
冷却液中に浸漬した状態で、ワイヤソーを走行させるこ
とによって希土類合金を切削する工程を包含し、ワイヤ
ソーとして、長さ方向(すなわち、ワイヤソーの走行方
向)において互いに隣接する砥粒間の平均距離が砥粒の
平均粒径の150%以上400%未満の範囲内にあり、
砥粒が樹脂層の表面から突き出している部分の平均高さ
が砥粒の平均粒径の70%以下であって、且つ、樹脂層
の芯線に対する偏肉率が40%以下であるワイヤソーを
用いる。なお、冷却液として、希土類合金に対する25
℃における動摩擦係数が0.1〜0.3のものを用いて
もよい。
方法において、希土類合金を固定砥粒ワイヤソーを用い
て切削する工程は、25℃における表面張力が25mN
/m〜60mN/m(約25dyn/cm〜約60dy
n/cm)の範囲内にある冷却液に切削部が浸漬された
状態で実行されるので、ワイヤソーを効率良く冷却する
ことができる。上記の範囲内の表面張力を有する冷却液
は、水に比べて、希土類合金および/またはワイヤソー
に対する濡れ性(またはなじみ)が優れるので、切削部
(希土類合金とワイヤソーとが互いに接触し、希土類合
金が切削される部分。切削溝ともいう。)に冷却液が効
率よく浸透するためと考えられる。勿論、水を主成分と
する冷却液は、油性冷却液(例えば鉱油)に比べ比熱が
高いので、冷却効率が高い。なお、本明細書において、
「水を主成分とする冷却液」とは、全体の70重量%以
上が水である冷却液をいう。
適に用いられる冷却液は、上記希土類合金に対する動摩
擦係数によって選別することも可能で、25℃における
上記動摩擦係数が約0.1〜約0.3の範囲内にある冷
却液は、上記の範囲内の表面張力を有する冷却液と同等
の作用・効果を発揮し得る。表面張力が切削部に対する
冷却液の浸透性を示す指標と考えられるのに対し、動摩
擦係数は切削部に対して冷却液が与える潤滑性の指標と
考えられる。なお、表面張力と動摩擦係数との間に、定
性的な相関関係があることが知られている。
ュヌイ表面張力計を用いて測定される。また、希土類合
金に対する冷却液の動的摩擦係数は、日本で基礎的な試
験機として多用されている増田式「四球式摩擦試験機」
を用いて測定される。本明細書においては、表面張力お
よび動摩擦係数のいずれについても、25℃における値
を、冷却液を特徴付ける値として採用する。
鉄球を用いて四球式摩擦試験機で求めた値である。実施
例で例示するR−Fe−B系希土類合金(RはYを含む
希土類元素で、例えば、Nd2Fe14B金属間化合物を
主相とする合金)は、鉄の含有量が成分元素の中で最も
多いので、鉄球を用いて求めた冷却液の動摩擦係数は、
良い近似で、希土類合金に対する動摩擦係数として採用
することができる。このことは実験的に確かめた。希土
類磁石として好適に用いられる希土類合金の組成および
製造方法は、例えば、米国特許第4,770,723号
および米国特許第4,792,368号に記載されてい
る。R−Fe−B系希土類合金の典型的な組成では、R
としてNdまたはPrが主に用いられ、Feは部分的に
遷移元素(例えばCo)に部分的に置換されてもよく、
BはCによって置換されてもよい。
を用いて、本発明の切断方法で用いられる冷却液を特定
したが、実際に使用する際の冷却液の温度は、25℃に
限られない。但し、本発明の効果を得るためには、15
℃〜35℃の範囲内に温度制御された冷却液を用いるこ
とが好ましく、20℃〜30℃の範囲内にあることがさ
らに好ましく、23℃〜28℃の範囲内にあることがさ
らに好ましい。よく知られているように、冷却液の表面
張力や動摩擦係数は温度に依存するので、実際に使用す
る冷却液の温度が上記の温度範囲からあまり外れると、
冷却液の表面張力や動摩擦係数がそれぞれ上記の数値範
囲から外れた状態と良く似た状態となり、冷却効率また
は切削効率が低下する。
「シンセティック(Synthetic)」と呼ばれる
合成潤滑剤を水に添加することによって調製される。種
類や添加量を調整することによって、所定の表面張力や
動摩擦係数を得ることができる。また、水を主成分とす
る冷却液を用いると、比較的粘度が低いので、切削によ
って生成したスラッジから磁石を用いて希土類合金の切
削屑を容易に分別することが可能で、冷却液を再利用す
ることができる。また、冷却液の廃棄処理によって自然
環境に悪影響を及ぼすことを防止することができる。ま
た、スラッジ中に含まれる炭素の量を減らすことがで
き、スラッジから回収された切削屑を原料とする磁石の
磁気特性を向上することができる。
行うと、冷却液が発泡し、冷却効率が低下することがあ
る。消泡剤を含む冷却液を用いることによって、冷却液
の発泡による冷却効率の低下を抑制することができる。
さらに、PHが8〜11の範囲内にある冷却液を用いる
ことによって、希土類合金の腐食を抑制することができ
る。PHが9以上の冷却液を用いることがさらに好まし
い。また、防錆剤を含む冷却液を用いることによって、
希土類合金の酸化を抑制することができる。これらは、
希土類合金の種類や切断条件等を考慮して、適宜調整す
ればよい。
を樹脂層で固着したものが好適に用いられる。すなわ
ち、芯線(典型的にはピアノ線)の外周面にダイヤモン
ド系砥粒を樹脂を用いて固着したワイヤソーを好適に用
いることができる。そのなかでも、樹脂としてフェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂またはポリイミド樹脂を用いるこ
とが好ましい。これらの樹脂は、ピアノ線(硬鋼線)の
外周面への接着強度が高く、また後述する冷却液に対す
る濡れ性(浸透性)にも優れる。樹脂には必要に応じて
フィラー(例えばSiCやAl2O3)を添加してもよい
(例えば、特許第3078020号公報参照)。また、
砥粒を樹脂層で固着したワイヤソーは、電着法を用いて
製造されるワイヤソーよりも安価であり、希土類合金の
切断にかかるコストを低減することができる。なお、ワ
イヤソーの芯線は、ピアノ線に限られず、Ni−Crや
Fe−Ni等の合金、WやMo等の高融点金属から形成
されたもの、またはナイロン繊維などの高強度繊維を束
ねたものから形成されていても良い。また、砥粒の材料
はダイヤモンドに限定されず、SiC、B、C、CBN
(Cubic Boron Nitride)等であっ
てもよい。
を用いる場合よりも、切削工程におけるワイヤソーの温
度の異常上昇を抑制することができるので、砥粒の異常
脱粒、樹脂層の剥離やワイヤソーの断線を抑制すること
ができる。本発明の実施形態による希土類合金の切断方
法においては、冷却液の選定に加えて、ワイヤソーを限
定することによって、さらに長い期間に亘ってワイヤソ
ーを使用することが可能となり、製造コストをさらに低
減する。後に実験例を示して説明するように、ワイヤソ
ーとして、長さ方向(走行方向)において互いに隣接す
る砥粒間の平均距離が砥粒の平均粒径Dの150%以上
400%未満の範囲内にあり、砥粒が樹脂層の表面から
突き出している部分の平均高さが砥粒の平均粒径Dの7
0%以下であって、且つ、樹脂層の芯線に対する偏肉率
が40%以下であるワイヤソーを用いることによって、
異常脱粒、樹脂層の剥離や断線を低減することができ
る。
検討した結果、上述のように芯線の外周に樹脂層によっ
て固着された砥粒のワイヤソーの長さ方向における密度
および砥粒が樹脂層から突き出している部分の平均高さ
(突き出し率)を調節するとともに樹脂層の芯線に対す
る偏肉率を調整することによって、切削屑(スラッジ)
の排出性を良好な範囲に保ちつつ、切削時に個々の砥粒
に掛かる負荷が均一化される結果、異常脱粒、樹脂層の
剥離や断線が低減されるものと推察される。
ながら、本発明による実施形態の切断方法に用いられる
ワイヤソーを特徴付ける突き出し率Prおよび偏肉率T
dの定義を説明する。
は、芯線22の外周面に砥粒24が樹脂層26によって
固着されている。砥粒24の平均粒径をDとし、砥粒2
4が樹脂層26から突き出ている部分の高さ(突き出し
量)をPとしたとき、突き出し量Pの平均粒径Dに対す
る割合を突き出し率Pr(%)とする。すなわち、Pr
=(P/D)×100で表される。突き出し率Prは、
例えば、ワイヤソー20の断面の光学顕微鏡写真から求
めることができる。
020号公報に記載されているように、エナメル法と呼
ばれる方法などを用いて、砥粒を分散した樹脂(必要に
応じて溶剤が混入される)を芯線の外周に塗布すること
によって製造される。このときに樹脂層の厚さの調整が
十分になされないと、図1(b)に模式的に示したよう
に、ワイヤソー20(芯線22)の直径を含む断面にお
いて、樹脂層26の厚さが芯線22に対して均一でなく
なることがある。このような樹脂層26の厚さの偏りを
定量的に評価するために、偏肉率Td(%)を以下のよ
うに定義する。
の最小値をTrl、最大値をTrhとして、偏肉率Td
を(Trh−Trl)/{(Trh+Trl)/2}と
する。なお、分母の(Trh+Trl)/2は樹脂層2
6の平均厚さとしてもよい。偏肉率Tdは、芯線22の
半径Rw、樹脂層26の厚さの最小値Trlおよび最大
値Trhを実測することによって求められる。樹脂層2
6の厚さは、例えば、ワイヤソー20の断面の光学顕微
鏡写真から求められる。勿論、理想的な樹脂層26の偏
肉率は0%である。
0は、例えば特許第3078020号公報に開示されて
いるように、エナメル法による樹脂の塗布工程において
浮きダイスを用いて樹脂層の厚さを制御することによっ
て製造される。このようなワイヤソー20は、上記の仕
様を指定すれば一般のワイヤソーの製造業者(例えば、
株式会社アライドマテリアル)から供給され得る。
は、ワイヤソー20の外径は、0.3mm以下が好まし
く、0.25mm以下であることがさらに好ましい。ワ
イヤソー20の外径の下限値は十分な強度が得られるよ
うに設定され、且つ、所定の大きさの砥粒を十分な強度
で固着するために、0.12mm〜0.20mm、より
好ましくは0.15mm〜0.20mm程度の直径の芯
線22が用いられる。
から、20μm≦D≦60μmの関係を満足することが
好ましく、30μm≦D≦60μmの関係を満足するこ
とがさらに好ましく、特に、40μm≦D≦60μmの
関係を満足することが好ましい。
用いると、良好な切削効率が実現でき、且つ、切削屑の
排出性にも優れるので、比較的高い走行速度(例えば1
000m/min)で切削できるとともに、従来よりも
長期間に亘って使用することができる。また、上記の冷
却液によって効率良く冷却されるので、良好な加工精度
で、長期間に亘って安定に希土類合金を切削することが
できる。水を主成分とする冷却液を用いると、油性の冷
却液を用いる場合よりも、走行速度を20〜30%程度
速く(例えば、1100m/min〜1200m/mi
n)設定することによって、切削効率を最適化できる。
水を主成分とする冷却液は、粘度が低い(動粘度が約1
mm2/s)ので、切削屑の排出性が油性の冷却液(一
般に動粘度は5mm2/s以上)よりも低い。そこで、
切削屑の排出性を高めるために、切削工程において、切
削部が槽内に収容された冷却液に浸漬された状態に維持
され、且つ、冷却液は、槽の底部から槽内に供給される
とともに、槽の開口部から供給されることによって、槽
の開口部から溢れ出る状態に維持されることが好まし
い。
は、容易に沈降し、槽の開口部付近に浮遊する切削屑は
僅かである。切削部を冷却液中に浸漬した状態で切削す
るためには、ワイヤソーは槽の開口部付近の冷却液中を
走行するように配置されるので、ワイヤソーは切削屑の
少ない冷却液中を走行し、切削部には切削屑の少ない冷
却液が供給される。特に、槽の開口部からも冷却液を供
給し、開口部から溢れる状態に維持することによって、
切削部に供給される冷却液中の切削屑の量を低下させる
ことができる。さらに、槽の開口部から供給される冷却
液の流れによって、ワイヤソーに付着した切削屑を機械
的に洗い流す効果も得られる。冷却液が1分間に溢れ出
る量は、槽の容積の50%以上であることが好ましい。
また、開口部から供給される冷却液の量は、槽の底部か
ら供給される冷却液の量よりも多いことが好ましい。
向と交差する辺上に、カーテン状の冷却液流(または気
流)を形成することによって、冷却液が槽の開口部から
溢れ出るのを抑制することによって、溢れ出る冷却液の
液面を槽の壁よりも高くすると、より多くの冷却液が切
削部の周囲に供給されることになるので、冷却液中の切
削屑の量をさらに低下させることができる。冷却液流を
形成するための吐出圧は、0.2MPa(2kgf/c
m2)〜1.0MPa(10kgf/cm2)の範囲内に
あることが好ましく、0.4MPa(4kgf/c
m2)〜0.6MPa(6kgf/cm2)の範囲内にあ
ることがさらに好ましい。この範囲よりも吐出圧が低い
と充分な効果が得られないことがあり、この範囲よりも
高いとワイヤソーがたわみ、加工精度が低下することが
ある。
られるメインローラのうち、槽の両側に配置され、ワイ
ヤソーの走行位置を規制する一対のメインローラにも冷
却液を吐出することが好ましい。これらのメインローラ
に冷却液を吐出することによって、メインローラの表面
に設けられている、ワイヤソーを案内するための溝を有
する高分子層(例えばウレタンゴム層などの有機高分子
層)の温度上昇を抑制するとともに、ワイヤソーまたは
案内溝に付着または滞留した切削屑(またはスラッジ)
を洗い流すことによって、ワイヤソーの走行位置がずれ
たり、ワイヤソーが溝から外れたりするのを防止するこ
とができる。
の切削屑を含むスラッジと冷却液とからなるダーティ液
を回収し、スラッジのなかから希土類合金の切削屑を磁
石を用いて分別することによって、冷却液を再利用(例
えば、循環的に使用)することができる。上述したよう
に、水を主成分とする冷却液は粘度が低いので、切削屑
を容易に分別することができる。また、希土類合金の切
削屑を分別することによって、冷却液の廃液処理を容易
に且つ環境にダメージを与えないように実施することが
できる。さらに、R−Fe−B系合金(RはYを含む希
土類元素)から容易に分離できない炭素を少なくできる
ために、切削屑を希土類合金の再生原料として利用する
こともできる。冷却液は水を主成分とするので、切削屑
から再生された希土類合金に含まれる炭素の量を低くす
ることが容易なので、希土類磁石の材料として用いられ
る原料を得ることができる。スラッジからの切削屑の分
別方法は、例えば、本願出願人が特開2002−361
13号に開示した方法を用いることができる。
ると、希土類合金を高精度で且つ効率良く切断できるの
で、例えば、磁気ヘッドの位置決めに用いられるボイス
コイルモータ用の小さな希土類磁石(例えば、厚さが
0.5mm〜3.0mm)を高精度で且つ効率良く製造
することができる。
希土類合金の切断方法の実施形態をさらに具体的に説明
する。本実施形態では、上述のネオジム磁石の製造に用
いられるネオジム磁石焼結体の切断方法を説明する。
作製する方法を簡単に説明する。なお、磁石材料として
の希土類合金を作製する方法は、例えば、上述の米国特
許第4,770,723号明細書およびに米国特許第
4,792,368号明細書に詳細に開示されている。
量した後、真空またはアルゴンガス雰囲気で高周波溶解
炉にて原料金属を溶解する。溶解した原料金属を水冷の
鋳型に鋳込み、所定の組成の原料合金を形成する。この
原料合金を粉砕し、平均粒径3〜4μm程度の微粉末を
作製する。この微粉末を金型に入れ、磁界中でプレス成
形する。このとき必要に応じて微粉末を潤滑剤と混合し
てからプレス成形を行う。次に、約1000℃〜約12
00℃程度の焼結工程を行えばネオジム磁石焼結体を作
製することができる。この後、磁石の保磁力を向上させ
るために約600℃での時効処理を実行し、希土類磁石
焼結体の作製を完了する。焼結体のサイズは、例えば3
0mm×50mm×50mmである。
から切断した複数の薄板(基板またはウェハと称される
場合がある)を形成する。得られた焼結体の薄板のそれ
ぞれに対して研磨による仕上げ加工を行い、寸法と形状
を整えた後、長期的な信頼性を向上させるため、表面処
理を施す。この後、着磁工程を実行した後、検査工程を
経てネオジム焼結磁石が完成する。なお、着磁工程を切
断工程の前に行ってもよい。
図2から図5を参照しながら更に詳細に説明する。
金の切断方法を実行するために好適に用いられるワイヤ
ソー装置100を示す概略構成図である。
ーラ10a、10bおよび10cと、一対のリールボビ
ン40aおよび40bとを有している。冷却液を収容す
る槽30の下部に設けられているメインローラ10aが
駆動ローラで、槽30の両側に設けられているメインロ
ーラ10bおよび10cは従動ローラである。ワイヤソ
ー20は、往復走行しながら、例えば、一方のリールボ
ビン40aから他方のリールボビン40bに巻き取られ
る(いわゆる、往復駆動法)。このとき、リールボビン
の40aの巻き取り時間を他方のリールボビン40bの
巻き取り時間よりも長くすることによって、ワイヤソー
20を往復走行させながら、リールボビン40a側に新
しいワイヤソー20を供給することができる。ワイヤソ
ー20の走行速度は、例えば、600m/minから1
500m/minの範囲であり、新線を供給する速度
は、例えば、1m/min〜5m/minの範囲であ
る。
の間には、ワイヤソー20が例えば150列に張設され
る。ワイヤソー20の走行位置を決めるために、メイン
ローラ10a、10bおよび10cの表面には、ワイヤ
ソー20を案内するための溝(例えば深さ約0.6m
m、不図示)を有する高分子層(例えばウレタンゴム層
などの有機高分子層)が設けられている。ワイヤソー2
0の列間の間隔は、この案内溝のピッチによって決めら
れる。案内溝のピッチは、ワークピースから切り出すべ
き板の厚さに応じて設定される。高分子層としては、シ
リコーン系エラストマ等から形成された無機高分子層を
用いることもできる。
は、巻き取り位置を調整するためのトラバーサ42aお
よび42bがそれぞれ設けられている。リールボビン4
0aおよび40bからメインローラ10aに至るまでの
経路中には、それぞれの側に5つのガイドローラ44
と、1つのテンションローラ46とが設けられており、
ワイヤソー20を案内するとともに、その張力が調整さ
れる。ワイヤソー20の張力は、種々の条件(切削長、
切断速度、走行速度など)に応じて適宜変更され得る
が、例えば20N〜40Nの範囲に設定される。
クピース50は、以下の様にして、ワイヤソー装置10
0にセットされる。
シ系の接着剤(不図示)によって相互に固着され、複数
のブロックとして組み立てられた状態で、炭素ベースプ
レート52を間に介して、鉄製のワークプレート54に
固定される。ワークプレート54、ワークピース50の
各ブロックおよび炭素ベースプレート52も接着剤(不
図示)によって互いに固着されている。炭素ベースプレ
ート52は、ワークピース50の切断加工が終了した
後、ワークプレート54の下降動作が停止するまでワイ
ヤソー20による切断加工を受け、ワークプレート54
を保護するというダミーとして機能する。
向に沿って計測した各ブロックのサイズが100mm程
度になるように各ブロックの大きさを設計している。本
実施形態では上述のようにワークピース50を複数のブ
ロックに分割して配置しているが、ワイヤソー20の走
行方向におけるサイズをどの程度の大きさに設定すべき
かは、冷却液の表面張力や走行速度によっても変化す
る。また、各ワークピース50の大きさによって、ひと
つのブロックを構成するワークピース50の数や配置も
変化する。これらを考慮して、適宜最適なサイズのブロ
ックに分けてワークピース50を配置すればよい。
0は、モータ58を備える昇降装置によって下降され、
走行するワイヤソー20に押し付けられ、切削加工され
る。ワークピース50の下降速度は、種々の条件に応じ
て変化し得るが、例えば、20mm/hr〜50mm/
hrの範囲内に設定される。
は、吐出ポンプ62によって、配管63を介して圧送さ
れる。配管63は、途中で、下部配管64と上部配管6
6とに分岐されている。下部配管64および上部配管6
6には、それぞれへの冷却液の流量を調整するためのバ
ルブ63bおよび63aが設けられている。下部配管6
4は、切削部を浸漬するための槽30の底部に設けられ
た下部ノズル64aに接続されている。上部配管66
は、槽30の開口部から冷却液を供給するための上部ノ
ズル66a、66bおよび66cと、メインローラ10
bおよび10cをそれぞれ冷却するために設けられた上
部ノズル66dおよび66eとに接続されている。
よび66cと下部ノズル64aとから冷却液が供給さ
れ、少なくとも切削工程の間は、図2中に矢印Fで示し
たように、冷却液が槽30の開口部から溢れ出る状態に
維持される。槽30から溢れ出た冷却液は、槽30の下
方に設けられた回収用パン70によって回収タンク72
に導かれ、蓄積される。回収された冷却液は、例えば図
2に示したように、吐出ポンプ74によって循環用配管
76を介して、冷却液タンク60に送られる。循環用配
管76の途中には、フィルタ78が設けられており、回
収された冷却液中の切削屑が分別除去される。回収方法
は、これに限られず、磁力を利用して切削屑を分別する
機構を設けてもよい(例えば特開2002−36113
号参照)。
切断工程をさらに詳細に説明する。
差する側壁の開口部付近に補助壁32を有している。こ
の補助壁32は、プラスチック板(例えばアクリル板)
で形成されており、図3中に破線で示した無負荷のワイ
ヤソーの走行位置と近接するように設けられている。切
断するためにワークピース50を下降し、ワイヤソー2
0に接触させるとワイヤソー20はたわみ、図3中に実
線で示したように、槽30内の冷却液に切削部が浸漬さ
れた状態となる。このとき、ワイヤソー20がたわむに
連れて、ワイヤソー20は補助壁32を切削し、スリッ
トを形成する。ワイヤソー20による切削が定常状態に
なると、たわみ量は一定し、ワイヤソー20は補助壁3
2に形成されたスリット内を通過しながら、ワークピー
ス50を切削する。従って、補助壁32に形成されたス
リットは、ワイヤソー20の走行位置を規制するように
機能し、加工精度の安定にも寄与する。
容量を有しており、切削工程中は、下部ノズル64aか
ら約30L/minの流量で冷却液が供給され、上部ノ
ズル66a、66bおよび66cから約90L/min
の流量で冷却液が供給され、常に冷却液が開口部から溢
れ出る状態に維持される。ワイヤソー20に冷却液を供
給することだけを考えると、図2に示したように、切削
中はワイヤソー20がたわむので、冷却液を溢れさせる
必要は必ずしも無いが、例示するネオジム磁石焼結体で
は切削屑の排出性を向上するために、上記のような構成
を採用することが好ましい。
付近の冷却液内に含まれる切削屑の量を減らすことが有
効である。十分な排出性を得るためには、冷却液が1分
間に溢れ出る量は、槽の容積の50%以上であることが
好ましい。さらに、新鮮な冷却液は、槽30の底部より
も開口部から多く供給することが好ましい。水を主成分
とする粘度の低い冷却液を用いているので、冷却液中に
排出された切削屑は容易に沈降するので、槽30の底部
から多くの冷却液を供給すると、沈降した切削屑が切削
部近傍に浮遊する原因となるので好ましくない。
が占める割合を多くすることが好ましい。すなわち、槽
30の開口部からも冷却液を供給し、開口部から溢れる
状態に維持することによって、切削部に供給される冷却
液中の切削屑の量を低下させることができる。さらに、
槽30の開口部から供給される冷却液の流れによって、
ワイヤソー20に付着した切削屑を機械的に洗い流す効
果も得られる。
20によって形成されたスリット以外の部分は、槽30
の側壁として機能するので、冷却液の液面Sを高く保つ
ように機能する。さらに、槽30の開口部のワイヤソー
20の走行方向と交差する方向に、ノズル66bおよび
66eを用いて、カーテン状の冷却液流を形成し、冷却
液が槽30の開口部から溢れ出るのを抑制することによ
って、溢れ出る冷却液の液面Sを槽30の補助壁32よ
りも高くなるので、より多くの冷却液が切削部の周囲に
供給され、冷却液中の切削屑の量をさらに低下させるこ
とができる。冷却液流を形成するための吐出圧は、0.
2MPa(2kgf/cm2)〜1.0MPa(10k
gf/cm2)の範囲内にあることが好ましく、0.4
MPa(4kgf/cm2)〜0.6MPa(6kgf
/cm2)の範囲内にあることがさらに好ましい。この
範囲よりも吐出圧が低いと充分な効果が得られないこと
があり、この範囲よりも高いとワイヤソー20にぶれが
発生し、その結果、加工精度が低下することがある。
ー20の走行位置を規制する一対のメインローラ10b
および10cにも冷却液を吐出することが好ましい。こ
れらのメインローラ10bおよび10cに冷却液を吐出
することによって、メインローラ10bおよび10cの
表面に設けられている、ワイヤソー20を案内するため
の溝を有する高分子層(例えばウレタンゴム層)の温度
上昇を抑制するとともに、ワイヤソー20または案内溝
に付着または滞留した切削屑(またはスラッジ)を洗い
流すことができるので、ワイヤソー20の走行位置がず
れたり、ワイヤソー20が溝から外れたりするのを防止
することができる。
活性剤としては、アニオン系として、脂肪酸石鹸やナフ
テン酸石鹸等の脂肪酸誘導体、又は長鎖アルコール硫酸
エステルや動植物油の硫酸化油等の硫酸エステル型、又
は石油スルホン酸塩等のスルホン酸型、非イオン系とし
て、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルやポ
リオキシエチレンモノ脂肪酸エステル等のポリオキシエ
チレン系、ソルビタンモノ脂肪酸エステル等の多価アル
コール系、又は脂肪酸ジエタノールアミド等のアルキロ
ールアミド系を用いることができる。具体的には、ケミ
カルソリューションタイプのJP−0497N(カスト
ロール社製)を水に2重量%程度添加することによっ
て、表面張力および動摩擦係数を所定の範囲内に調整す
ることができる。
しては、シンセティック・ソリューションタイプ、シン
セティック・エマルションタイプおよびシンセティック
ソリュブルタイプを用いることができ、そのなかでも、
シンセティック・ソリューションタイプが好ましく、具
体的には、シンタイロ9954(カストロール社製)
や、#830および#870(ユシロ化学工業社製)を
挙げることができる。いずれも、水に2重量%〜10重
量%程度添加することによって、表面張力(または動摩
擦係数)を好適な範囲内に調整することができる。
類合金の腐食を防止することができる。特に、R−Fe
−B系希土類合金を切断する際には、PHを8〜11と
することが好ましく、PHは9以上であることがさらに
好ましい。錆止め剤としては、有機系として、オレイン
酸塩や安息香酸塩等のカルボン酸塩、又はトリエタノー
ルアミン等のアミン類、無機系として、りん酸塩、ホウ
酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、又は炭酸塩
を用いることができる。
ンズトリアゾール等の窒素化合物を、防腐剤としては、
ヘキサハイドロトリアジン等のホルムアルデヒド供与体
を用いることができる。
ョンを用いることができる。消泡剤を含有させること
で、冷却液の泡立ちを少なくし、冷却液の浸透性をよく
し、冷却効果を高め、ワイヤソー20の温度の異常上昇
や異常摩耗が起こりにくくなる。
がら、本実施形態で好適に用いられるワイヤソー20の
構造を説明する。なお、図4では、ワイヤソー20の一
点鎖線で示した中央線から下半分は簡略化している。
線)22の外周面にダイヤモンド砥粒24を樹脂層26
で固着したものが好適に用いられる。そのなかでも、樹
脂としてフェノール樹脂、エポキシ樹脂またはポリイミ
ド樹脂を用いることが好ましい。これらの樹脂は、ピア
ノ線(硬鋼線)22の外周面への接着強度が高く、また
上述した冷却液に対する濡れ性(浸透性)にも優れる。
直径が約0.18mmのピアノ線22の外周に平均粒径
が約40μmのダイヤモンド砥粒をフェノール樹脂層2
6で固着した外径が約0.24mmのワイヤソー20が
挙げられる。切削効率と切削屑(スラッジ)の排出効率
の観点から、ワイヤソー20の長さ方向(軸方向:図4
中の一点破線に平行な方向)における、互いに隣接する
砥粒26間の平均距離は、砥粒の平均粒径Dの150%
以上400%未満の範囲内にあるものが好ましい。
ように、ワイヤソー20の長さ方向の隣接砥粒間の平均
距離Lが砥粒の平均粒径Dの200%や300%の場合
には、個々の砥粒24に掛かる負荷が低減され、その結
果、砥粒24の異常脱粒や樹脂層26の剥離、ひいては
断線の発生が低減される。すなわち、隣接砥粒間の平均
距離Lが400%以上になると、砥粒24の分布密度が
疎になりすぎる結果、切削工程において個々の砥粒24
に掛かる負荷が大きくなりすぎ、異常脱粒を起こしてし
まう。一方、隣接砥粒間の平均距離Lが150%を下回
ると、砥粒24の分布密度が疎になりすぎる結果、後述
するチップポケットの容量が十分でなく、切削屑の排出
性が低下し、その結果、切削効率が低下する。
ソー20の外周面(長さ約1.6mm)を平面に引き伸
ばして、砥粒24が均一に分布した例を模式的に示した
が、実際には、砥粒24が不均一に分布する。しかしな
がら、隣接砥粒間の平均距離Lの違いによる砥粒の分布
密度に対する半定量的な影響はこれらの図から理解され
る。実際のワイヤソー20における隣接砥粒間の平均距
離Lは、例えば、光学顕微鏡写真から求めることができ
る。
の突き出し率は、70%以下であることが好ましい。突
き出し率が70%を超えると、砥粒22に掛かる負荷を
樹脂層26によって十分に支持できないため、異常脱粒
や樹脂層の剥離が発生しやすくなる。また、切削屑の排
出性の観点からは、砥粒の突き出し率は40%を超える
ことが好ましい。突き出し率が40%以下であると、砥
粒22間に形成される空間(チップポケット)28の容
積が十分でないため切削屑の排出性が低下し、その結
果、切削効率が低下することがある。チップポケット2
8の大きさは、上述した隣接砥粒間距離にも依存してい
ることは言うまでも無い。
層26の偏肉率が40%以下のワイヤソー20を用い
る。偏肉率が40%を超えると、砥粒24を固着してい
る樹脂層26に掛かる負荷が不均一となり、そのワイヤ
ソー20を用いて切断を行なうと、樹脂層26の局所的
な強度が不足する結果、砥粒24の異常脱粒や樹脂層2
6の剥離が発生しやすくなる。
の平均隣接間距離L、砥粒の突き出し率および偏肉率
と、樹脂層26の剥離や断線、および切断面の面精度
(うねり)との関係を説明する。
ブロック(走行方向長さ40mm、横方向長さ50m
m、厚さ30mm)を図2に示したワイヤソー装置10
0を用いて、上述の方法でブロックの横方向の辺を分断
するように切断した。冷却液としては、ユシロ化学工業
社製のWS−250Bを水(水道水)に添加することに
よって、表面張力を34.6mN/m、動摩擦係数を
0.13に調節したものを用いた。ワイヤソー20の走
行速度は、1100m/分、切断速度(厚さ方向)は4
0mm/時間とした。
直径は0.18mm、砥粒(ダイヤモンド砥粒)24の
平均粒径は42μmとした。樹脂としては、フェノール
樹脂を用い、樹脂層26の平均厚さ(理想的な厚さ)が
20μmのものを用いた。ワイヤソー20の平均隣接間
距離L、砥粒の突き出し率および偏肉率は、光学顕微鏡
写真から求めた。なお、偏肉率は、長さ500mm間隔
で約10箇所の断面について測定した結果を用いた。樹
脂層26の剥がれは、ネオジム磁石焼結体のブロックを
4時間加工した後のワイヤソー20の外観を目視で観察
することによって評価した。例えば、ワイヤソー20の
長さが200mの場合、長さが5mm以上の剥がれが累
積で10m以上あれば剥がれ発生とし、剥がれの長さの
累積が10m以上60m以下を「少量発生」とし、60
m超の場合を「全面発生」とした。また、「少量発生」
のうち、隣接する剥がれ箇所の間隔が20m以上の場合
を「断続発生」とした。また、切断面の面精度を接触式
の粗さ計を用いて測定し、約25mmの幅内の最大うね
りを代表値として用いて評価した。
粒間平均距離Lの影響を調べた結果を表1に示す。
距離Lが砥粒の平均粒径の150%以上400%未満の
範囲では樹脂層26の剥がれは発生せず、また、切断面
の面精度も約8μm未満で良好であった。それに対し、
隣接砥粒間平均距離Lが平均粒径の150%未満では切
削効率が低く、40mm/時間の切断速度を実現するこ
とは難しかった。また、隣接砥粒間平均距離Lが平均粒
径の400%以上になると樹脂層26の剥がれが発生
し、600%以上になるとワイヤソー20の全面に亘っ
て樹脂層26が剥離し、断線するものもあった。また、
隣接砥粒間平均距離Lが平均粒径の400%以上になる
と、切断面の面精度が8μm以上の大きな値となった。
これらのことから、ワイヤソー20の隣接砥粒間平均距
離Lは砥粒の平均粒径の150%以上400%未満の範
囲内に設定することによって、ワイヤソー20の寿命を
長くできるとともに、十分な切断面の面精度が得られる
ことが分かる。
た結果を表2に示す。
%以上のワイヤソー20を用いると、樹脂層26の剥が
れが発生し始め、突き出し率が83%を超えるワイヤソ
ー20を用いると断線が発生した。また、突き出し率が
71%以上のワイヤソー20を用いると、切断面の面精
度(うねり)が10μm以上となった。突き出し率が6
0%以下のワイヤソー20を用いると、切断面の面精度
を8μm以下に抑制することができるので更に好まし
い。但し、突き出し率が40%以下のワイヤソーを用い
ると、樹脂層の剥がれは発生せず、且つ、十分な切断面
の面精度が得られる反面、切削効率が低下することがあ
る。従って、突き出し率は40%以上であることが好ま
しい。
結果を表3に示す。
以上のワイヤソー20を用いると樹脂層26の剥がれが
発生し、偏肉率が100%以上のワイヤソー20を用い
ると断線が発生した。これに対し偏肉率が40%以下の
ワイヤソー20を用いると樹脂層26の剥がれは発生せ
ず、且つ、切断面の面精度が4μm以下の小さな値とな
った。偏肉率は30%以下であることがさらに好ましい
が、40%以下でも十分量産に使用できる。
れや断線の発生は、ローラ間を走行させられるワイヤソ
ー20の張力にも依存する。上述の結果は、ワイヤソー
20の張力を30Nとした場合の結果であり、ワイヤソ
ーの張力が25N以上35N以下である場合にほぼ同様
の結果を得ることができる。
ー装置100のメインローラ10a、10bおよび10
cの好ましい構造を説明する。
の冷却液を用いた場合よりもワイヤソーの断線率が増加
(すなわち、より短い時間で断線)するとともに、加工
精度が低下するという問題が発生する。本発明者が種々
検討した結果、図7に模式的に示すように、ローラ10
a、10bおよび10cの高分子層10Pに形成された
案内溝10Gの断面形状を、案内溝10Gが有する一対
の斜面10Sがローラ10aの半径方向10Rに対して
25°以上45°未満の角度(以下、「傾斜角(α)」
という。)を成す構成を採用することによって、ワイヤ
ソー20の断線の発生をさらに抑制するとともに、十分
な加工精度を得ることができることがわかった。傾斜角
は、30°以上35°以下であることがさらに好まし
い。
する一対の斜面10Sの両方がローラ10aの半径方向
10Rに対して上記の範囲の傾斜角を有することが好ま
しいが、一対の斜面10Sの内の少なくとも一方が上記
の範囲の傾斜角を有していれば、断線の発生を抑制する
効果および十分な加工精度を得ることができる。
10Gの斜面10Sがローラの半径方向10Rに対して
45°以上の傾斜角を成す構造を採用していた。これ
は、案内溝10Gから効率よくスラッジを十分に排出さ
せるためであり、特に、希土類合金は脆性的な破壊を起
こす主相と延性的な破壊を起こす粒界相とを有するため
に切削抵抗が高く、且つ、比重が大きいのでスラッジの
排出性が悪いため、スラッジの排出性を高めるために、
傾斜角を45°超としていた。
斜面10Sの傾斜角を45°よりも大きくすると、断線
発生率はそれほど低下せず、むしろ、加工精度が低下す
るという問題が発生することがわかった。以下に、図8
を参照しながら、この現象を説明する。ワイヤソー20
は、図2を参照しながら説明したように、ローラ10
a、10bおよび10cの間に互いに平行な複数の走行
線の列を形成するように多条に掛けられる。走行線の列
を形成するワイヤソー20の位置は、ローラ10a、1
0bおよび10cのそれぞれの高分子層10Pに形成さ
れた案内溝10Gによって規定されるので、ある走行線
から隣の走行線に移る際に、ワイヤソー20は案内溝1
0Gに斜めに掛けられる。この斜めに掛けられたワイヤ
ソー20が案内溝10Gの斜面10Sから捻回力を受け
る。また、ワイヤソー20が斜めになるほどより大きな
捻回力を受けることになる。
斜角とワイヤソーの捻れ角との関係を示すグラフであ
る。捻れ角Ωは、ワイヤソー20がロールから受ける捻
回力に比例し、捻れ角Ω=360°のときワイヤソーが
一回捻回されていることを示す。なお、図8に示した結
果は、以下で説明する構成についての力学的なモデル計
算から求めた。なお、斜面10Sの傾斜角は、両側の斜
面で等しいとした。結果を示している。
対のローラ(図1のローラ10bと10d)直径170
mm)の間に、ワイヤソー20を張力30N(3kg
f)で200条配設する。新線供給量は2m/分で、1
20秒サイクルで往復走行させる。このとき、ワイヤソ
ー20は、約190回往復走行された後、ローラから脱
出することになる。
50mm)の間でワイヤソーが5回(Ω=1800°)
捻回する力を受けると、ワイヤソー20が200条分走
行する間に、約500回捻回した。すなわち、200条
×5回=1000回分捻回する力を受けたとき、その約
50%分が実際の捻回として蓄積された。そこで、図8
における縦軸の捻れ角Ωは、力学的なモデル計算から求
められる捻回力に対応する捻れ角に0.5を乗じた値を
示している。また、静的な捻れ破断強度試験から、ワイ
ヤソー20に実際に蓄積される捻れ角が1800°(5
回捻回)となったときに、10%の確率でワイヤソーが
破断すると見積もった。
は、溝10Gの傾斜角αが大きくなるにつれて単調に減
少する。単純に捻回力のみよるワイヤソー20の破断を
考えると、ワイヤソー20が細い場合(直径d=0.1
9mm)には傾斜角を10°以上、太い場合(直径が
0.25mm)でも傾斜角を25°以上とすれば、ワイ
ヤソー20の破断を抑制できることになる。
イヤソー20を用いた場合も、傾斜角が45°以上にな
ると、断線発生率があまり低下しなかった。また、傾斜
角が45°以上になると加工精度が低下するという問題
が発生した。
0Gの幅10W(図6参照)が大きくなり、ワイヤソー
20が案内溝10G内で振れたり、更には、隣接する案
内溝10Gに飛び移ったりするため、ワイヤソー20に
掛かる張力や捻回力が不均一となり、局所的に大きな応
力が発生する結果、ワイヤソー20の断線が発生するも
のと考えられる。また、ワイヤソー20が案内溝10G
内を安定に走行しない結果、加工精度が低下するものと
考えられる。なお、実験には、高分子層10Pとしてウ
レタンゴム層を用い、冷却液としてはユシロ化学工業社
製#830の約10%水溶液を用いた。また、上記の実
験例と同じ希土類焼結磁石のワークピースを切断した。
Sの傾斜角は、25°以上45°未満であることが好ま
しい。なお、ワイヤソー20の断線をなるべく抑制する
ためには、捻回力が低下するように、傾斜角を30°以
上とすることが好ましく、高い加工精度を得るためには
傾斜角を35°以下とすることが好ましい。また、な
お、案内溝10Gの底部10Bは、ワイヤソー20の半
径よりもやや小さめの曲率半径に加工しておくことが好
ましい。
と、上述の実施形態のワイヤソー20を用いることによ
る効果と相まって、ワイヤソー20の寿命を更に長くす
ることができる。特に、ローラ間距離が短い場合のよう
に、比較的大きな捻回力が発生する場合に、本実施形態
の効果が大きい。
実施形態を説明したが、本発明はこれに限られず、単一
のリールボビンを用いるエンドレス型のワイヤソー装置
(例えば特開平11−198018号公報参照)に適用
することができる。
主成分とする冷却液を用いて希土類合金を切断する際の
ワイヤソーの寿命を長くすることが可能になる。従っ
て、水を主成分とする環境にやさしい冷却液を用いて、
例えば、ボイスコイルモータに用いられる希土類焼結磁
石用の希土類焼結合金を効率良く切断することが可能と
なる。すなわち、希土類焼結磁石の製造コストを低減す
ることができる。
説明するための模式的な断面図であり、(b)はワイヤ
ソーの偏肉率の定義を説明するための模式的な断面図で
ある。
を実行するために好適に用いられるワイヤソー装置10
0を示す模式図である。
傍の構成を示す模式図である。
を実行するために好適に用いられるワイヤソー20の断
面構造を模式的に示す図である。
の希土類合金の切断方法を実行するために好適に用いら
れるワイヤソー20における砥粒分布を模式的に示すで
あり、(a)は隣接砥粒間平均距離Lが砥粒の平均粒径
の200%、(b)は300%の場合を示している。
いられるローラの断面構造を模式的に示す図である。
る。
ソー捻れ角との関係を示すグラフである。
Claims (8)
- 【請求項1】 芯線に砥粒を樹脂層によって固着させた
ワイヤソーを用いる希土類合金の切断方法であって、 前記希土類合金が前記ワイヤソーによって切削される部
分を25℃における表面張力が25mN/m〜60mN
/mの範囲内にある水を主成分とする冷却液中に浸漬し
た状態で、前記ワイヤソーを走行させることによって前
記希土類合金を切削する工程を包含し、 前記ワイヤソーとして、長さ方向において互いに隣接す
る前記砥粒間の平均距離が前記砥粒の平均粒径の150
%以上400%未満の範囲内にあり、前記砥粒が前記樹
脂層の表面から突き出している部分の平均高さが前記砥
粒の平均粒径の70%以下であって、且つ、前記樹脂層
の前記芯線に対する偏肉率が40%以下であるワイヤソ
ーを用いる、希土類合金の切断方法。 - 【請求項2】 芯線に砥粒を樹脂層によって固着させた
ワイヤソーを用いる希土類合金の切断方法であって、 前記希土類合金が前記ワイヤソーによって切削される部
分を前記希土類合金に対する25℃における動摩擦係数
が0.1〜0.3の範囲内にある水を主成分とする冷却
液中に浸漬した状態で、前記ワイヤソーを走行させるこ
とによって前記希土類合金を切削する工程を包含し、 前記ワイヤソーとして、長さ方向において互いに隣接す
る前記砥粒間の平均距離が前記砥粒の平均粒径の150
%以上400%未満の範囲内にあり、前記砥粒が前記樹
脂層の表面から突き出している部分の平均高さが前記砥
粒の平均粒径の70%以下であって、且つ、前記樹脂層
の前記芯線に対する偏肉率が40%以下であるワイヤソ
ーを用いる、希土類合金の切断方法。 - 【請求項3】 前記砥粒の平均粒径Dは、20μm≦D
≦60μmの関係を満足する、請求項1または2に記載
の希土類合金の切断方法。 - 【請求項4】 前記芯線の直径は0.12mm以上0.
2mm以下の範囲内にある、請求項1から3のいずれか
に記載の希土類合金の切断方法。 - 【請求項5】 前記樹脂層は、フェノール樹脂、エポキ
シ樹脂またはポリイミド樹脂から形成されている、請求
項1から4のいずれかに記載の希土類合金の切断方法。 - 【請求項6】 前記ワイヤソーを走行させる工程は、ワ
イヤソーを複数のローラの間で走行させる工程であっ
て、 前記複数のローラのそれぞれは、案内溝が形成された高
分子層を有し、前記案内溝は、少なくとも一方の斜面が
前記ローラの半径方向に対して25°以上45°未満の
角度を成す一対の斜面を有し、前記ワイヤは前記一対の
斜面の間を走行させられる、請求項1から5のいずれか
に記載の希土類合金の切断方法。 - 【請求項7】 前記希土類合金は、R−Fe−B系希土
類焼結合金である請求項1から6のいずれかに記載の希
土類合金の切断方法。 - 【請求項8】 前記希土類合金は、Nd−Fe−B系希
土類焼結合金である請求項7に記載の希土類合金の切断
方法。
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