JP2003325646A - 滅菌レベル測定装置及び滅菌レベル測定方法 - Google Patents

滅菌レベル測定装置及び滅菌レベル測定方法

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JP2003325646A
JP2003325646A JP2002141071A JP2002141071A JP2003325646A JP 2003325646 A JP2003325646 A JP 2003325646A JP 2002141071 A JP2002141071 A JP 2002141071A JP 2002141071 A JP2002141071 A JP 2002141071A JP 2003325646 A JP2003325646 A JP 2003325646A
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colorimetric
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sterilization level
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Toshiki Fujisawa
俊樹 藤澤
Norihiro Yamaguchi
範博 山口
Hiroshi Inoue
浩 井上
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Sakura Color Products Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インジケータの色の変化を確実に判断し、滅
菌レベルの測定を間違えることのない、滅菌レベル測定
装置及び滅菌レベル測定方法の提供。 【解決手段】 色差等の測色値が測定可能な測色部を有
する装置で、インジケータの変色部の測色値を測定し
て、その測定値を滅菌レベルに変換して、滅菌レベルを
測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、滅菌レベルの測定
に用いられる装置に関するものであり、また、インジケ
ータを用いて滅菌処理する際の滅菌レベルを測定する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】病院、研究所などにおいて使用される器
具、器材などは滅菌処理などが行われている。そして、
前記処理の具体的方法としては、酸化エチレンガス滅菌
処理、高圧蒸気滅菌処理、過酸化水素低温ガスプラズマ
滅菌処理、乾熱滅菌処理、γ線滅菌処理、電子線滅菌処
理、オゾンガス滅菌処理、紫外線滅菌処理等がある。な
お本願明細書でいう「滅菌」は、学術用語とは多少異な
る。すなわち日本薬局方では、「滅菌」とはすべての微
生物を殺滅させるか除去すること、「殺菌」とは微生物
を死滅させること、「消毒」とは人畜に対して有害な微
生物又は目的とする対象微生物だけを殺滅することと定
義している。そして、学術的や業界的に使用される場合
には、「滅菌」とは微生物を完全に死滅させることであ
り、「殺菌」とは微生物の数を激減させることという意
味に使用され、「滅菌」、「殺菌」、「消毒」で別の意
味に用いられている。しかしながら、滅菌処理、殺菌処
理及び消毒処理は、菌の殺滅の程度等に違いがあるが、
菌を殺滅させる処理であり、本願においては、これらの
菌を殺滅させる処理をすべて「滅菌処理」と記載して説
明する。
【0003】器具等は医療用具などに使用されるので滅
菌処理が確実に行われているかを確認する必要がある
が、滅菌処理の程度が直接的に測定できない。すなわ
ち、滅菌処理の前後で、器具や器材等の滅菌対象の外観
には変化がないので目視では滅菌処理の程度が確認でき
ず、また滅菌処理後、実際に器具等に有害な菌が付着し
ているかどうかを顕微鏡などにより直接確認するのは困
難であるからである。
【0004】そして、滅菌処理の際には、滅菌処理状態
の確認用のケミカルインジケータや、滅菌処理状態の確
認用のバイオロジカルインジケータなどを用いて滅菌処
理の状態を間接的に確認されている。すなわち、上記の
インジケータを、器具等の滅菌対象に貼り付けるなど
し、ほぼ同条件で滅菌処理し、インジケータの変化によ
り、滅菌対象の滅菌レベルを確認するものである。本出
願においては、滅菌処理状態の確認用のインジケータを
単にインジケータと記載して説明する。ケミカルインジ
ケータは、滅菌処理などにより化学反応する部分を有す
るものであり、滅菌処理後に化学反応の状態によって、
滅菌レベルを判断するものである。また、バイオロジカ
ルインジケータは、菌が用いられ、滅菌処理後に菌を培
養して、菌の生存数を確認して滅菌レベルを判断するも
のである。ケミカルインジケータは、菌を培養する必要
が無いため、バイオロジカルインジケータに比べて、滅
菌処理後に短時間で滅菌レベルがわかるので広く用いら
れている。
【0005】そして、インジケータには、滅菌処理後の
滅菌レベルの判断を、色の変化によって判断するものが
ある。すなわち、インジケータには変色部が設けられ、
滅菌処理されると、その滅菌レベルによって色が変わる
ものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、インジケータの
変色部の色の変化の確認は、目視で行われていた。具体
的には、滅菌レベルの色の変化を示した色標準と、イン
ジケータを滅菌処理した後の変色部の色とを目視により
比較して、滅菌レベルを確認していた。
【0007】このため、色標準と、インジケータの滅菌
処理した後の色との比較の際、光の加減などで色を間違
えるおそれがあった。また、滅菌レベルの判断の際に測
定者の主観が入るため、滅菌レベルを間違えるおそれが
あった。特に、医療用の器具の滅菌処理は重要であり、
仮に、滅菌レベルを間違えて不十分な滅菌処理をした医
療用具を用いた場合には、事故につながるおそれがあ
る。
【0008】そこで、インジケータの色の変化を確実に
判断して、滅菌レベルの測定を間違えることのない、滅
菌レベル測定装置及び滅菌レベル測定方法を提供するこ
とを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そして、上記した目的を
達成するための請求項1の発明は、測色機能を有する本
体部と、変換図表を有し、変色部を有するインジケータ
によって滅菌レベルを測定する際に用いられる滅菌レベ
ル測定装置であって、前記本体部は、前記インジケータ
の変色部の測色値を測定するための光を検知する測色部
と、測色部が検知した光に基づいて測色値を演算する演
算部と、測色値を表示する測色値表示部が設けられてお
り、前記変換図表は、インジケータの変色部の測色値を
滅菌レベルに変換することが可能な図表であることを特
徴とする滅菌レベル測定装置である。ここで、測色値と
は、色に関する値であり、XYZ表色系の値、Lab色
空間の値、L* * * 色空間の値、L* * * 色空
間の値や、各色空間における一定の標準色との色差等で
ある。また、滅菌レベルとは、滅菌の状況を表すもので
あれば良く、菌の生存力や滅菌の処理能力を表わす指標
であり、菌数が1/10となる滅菌処理単位であるD値
(decimal reduction value)
と対応させて滅菌レベルをランク付けしたものでもよ
く、「OK」、「NG」など一定の基準を満たしている
かどうかを判断できるようなものでもよい。そして、測
色値表示部は、液晶表示などで数値を直接表示してもよ
く、また、数値を示した表示部にランプなどを点灯させ
るなどによって表示してもよい。さらに、変換図表は、
図や表などによって測色値と滅菌レベルとの関係を示し
たものであり、例えば一覧表、グラフなどである。
【0010】請求項1に記載の発明によれば、インジケ
ータにより滅菌レベルを確認する際に、主観が入ること
が無く、滅菌レベルを間違えることがない。また、変換
図表は容易に作成できるので、滅菌レベル測定装置を容
易に作製することができる。なお前記した様に、本願明
細書でいう「滅菌」は、学術用語とは多少異なり、「殺
菌」及び「消毒」を含む概念である。
【0011】請求項2の発明は、変色部を有するインジ
ケータによって滅菌レベルを測定する際に用いられる滅
菌レベル測定装置であって、測色機能を有する本体部を
有し、前記本体部は、前記インジケータの変色部の測色
値を測定するための光を検知する測色部と、測色部が検
知した光に基づいて測色値に関する演算を行なう演算部
と、前記測色値に関する演算値を滅菌レベルに変換する
ことが可能な変換部と、変換部によって変換された滅菌
レベルの表示を行う滅菌レベル表示部を有することを特
徴とする滅菌レベル測定装置である。
【0012】請求項2に記載の発明によれば、滅菌レベ
ル表示部に表示された滅菌レベルにより、主観が入るこ
とが無く、滅菌レベルを間違えることがない。
【0013】請求項3の発明は、前記測色値は、XYZ
表色系のX値、Y値、Z値、又は、前記X値、Y値及び
Z値の選択される1又は2以上の値より導出される値で
あることを特徴とする請求項1又は2に記載の滅菌レベ
ル測定装置である。ここで、「X値、Y値及びZ値の選
択される1又は2以上の値より導出される値」には、L
ab色空間の値、L* * * 色空間の値、L* *
* 色空間の値等がある。
【0014】請求項3に記載の発明によれば、測色値
は、XYZ表色系のX値、Y値、Z値、又は、前記X
値、Y値及びZ値の選択される1又は2以上の値より導
出される値であり、標準化された値を用いることができ
るので、既に実用化されている測色計を用いることがで
きる。
【0015】請求項4の発明は、前記測色値は、インジ
ケータの変色部の色と、基準色との色差であることを特
徴とする請求項1又は2に記載の滅菌レベル測定装置で
ある。ここで、基準色とは、インジケータの基準となる
場合における変色部の色であり、例えば、滅菌前の変色
部の色や、10-6以下の無菌性保障水準(SAL)を満
たす滅菌処理を行った場合における変色部の色などであ
る。また、色差には、Lab色空間、L* * * 色空
間、L* * * 色空間の値等の色空間における色差を
含むものであり、変色部の色と基準色の、色空間の距離
となるものである。
【0016】請求項4に記載の発明によれば、色差値は
色差であるので、目視による差が数値の大小と相関する
のでより滅菌レベルを確認しやすい。
【0017】請求項5の発明は、測色部の、測色値を測
定するのために必要な対象となる測色対象の面積は1m
2 〜10000mm2 であることを特徴とする請求項
1〜4のいずれかに記載の滅菌レベル測定装置である。
【0018】請求項5に記載の発明によれば、測色部
の、測色値を測定するのために必要な対象となる測色対
象の面積は1mm2 〜10000mm2 であり、測色値
の測定が容易である。特に、測色対象の面積が1mm2
〜100mm2 である場合には、部分的に測定が可能で
あり、滅菌処理の場所による差を確認することで滅菌処
理の偏りなどを調べることができる。また、測色対象の
面積が100mm2 〜10000mm2 である場合に
は、装置の測色部の構造が単純なものを採用することが
でき、測定装置を小さくするとともに、安価に測定装置
を製作することができ、さらに、インジケータの変色部
の大きいものでも測定可能である。
【0019】請求項6に記載の発明は、本体部は分光測
色機能を有し、測色部の測定波長は380〜780nm
であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
の滅菌レベル測定装置である。
【0020】請求項6に記載の発明によれば、測色部の
測定波長は380〜780nmであるので、可視光域の
みを測定して、他の領域の波長を測定することがないの
で、測定時間を短縮でき、また安価な装置によって測定
することができる。また、目視と同様な条件で測定でき
るので、目視による確認と併用することによってより確
実に滅菌レベルを測定することができる。
【0021】請求項7に記載の発明は、本体部は直読式
測色機能を有することを特徴とする請求項1〜5のいず
れかに記載の滅菌レベル測定装置である。直読式測色機
能とは、分光式ではなく、測色部に用いられるフィルタ
や受光器を選択し、一定の分布の光の強さを直接測定し
て測色する機能である。
【0022】請求項7に記載の発明によれば、本体部は
直読式測色機能を有するので、滅菌レベルを短時間で測
定することができる。
【0023】請求項8の発明は、光を伝送可能なケーブ
ルが設けられ、前記ケーブルの一方の端部に測色部が設
けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
に記載の滅菌レベル測定装置である。
【0024】請求項8に記載の発明によれば、光を伝送
可能なケーブルの端部を滅菌容器の内部に入れることに
より、ケーブルの一方の端部に接続されている測色部で
測色値を測定できるので、滅菌処理しながら滅菌レベル
を測定することができる。
【0025】請求項9に記載の発明は、インジケータ
と、請求項1,3〜8のいずれかに記載の滅菌レベル測
定装置を用いる滅菌レベル測定方法であって、前記イン
ジケータは、滅菌処理されると変色する変色部が設けら
れ、変色部は滅菌処理条件により変色度合が変化するも
のであり、前記インジケータを滅菌対象と共に滅菌手段
により滅菌し、その後、インジケータの変色部の測色値
を測定して、インジケータの変色部の測色値を測色値表
示部にて表示し、さらに変換図表により測色値を滅菌レ
ベルに変換することにより、滅菌レベルを測定すること
を特徴とする滅菌レベル測定方法である。
【0026】請求項9に記載の発明によれば、滅菌後の
インジケータの変色部の測色値を測定して、インジケー
タの変色部の測色値を測色値表示部にて表示し、さらに
変換図表により測色値を滅菌レベルに変換することによ
り、滅菌レベルを測定するので確実に滅菌レベルを測定
することができる。
【0027】請求項10に記載の発明は、インジケータ
と請求項2〜8のいずれかに記載の滅菌レベル測定装置
を用いる滅菌レベル測定方法であって、前記インジケー
タは、滅菌処理されると変色する変色部が設けられ、変
色部は滅菌処理条件により変色度合が変化するものであ
り、前記インジケータを滅菌対象と共に滅菌手段により
滅菌し、その後、インジケータの変色部の測色値を測定
し、変換機能により変換された滅菌レベルが滅菌レベル
表示部に表示されることにより、滅菌レベルを測定する
ことを特徴とする滅菌レベル測定方法である。
【0028】請求項10に記載の発明によれば、滅菌後
のインジケータの変色部の測色値を測定し、変換機能に
より変換された滅菌レベルが滅菌レベル表示部に表示さ
れることにより、滅菌レベルを測定するので、確実に滅
菌レベルを測定することができる。
【0029】請求項11に記載の発明は、前記滅菌処理
は、酸化エチレンガス滅菌処理、高圧蒸気滅菌処理、プ
ラズマ滅菌処理、乾熱滅菌処理、γ線滅菌処理、電子線
滅菌処理、オゾンガス滅菌処理及び紫外線滅菌処理のい
ずれかであることを特徴とする請求項9又は10に記載
の滅菌レベル測定方法である。ここで、酸化エチレンガ
ス滅菌処理とは酸化エチレンガスを用いて行われる滅菌
処理であり、高圧蒸気滅菌処理とは高圧蒸気を用いて行
われる滅菌処理であり、プラズマ滅菌処理とは過酸化水
素等の酸化性ガス中でプラズマを発生させて行われる滅
菌処理であり、乾熱滅菌処理とは加熱乾燥空気により行
われる滅菌処理であり、γ線滅菌処理とはγ線照射によ
り行われる滅菌処理のことであり、電子線滅菌処理とは
電子線照射により行われる滅菌処理であり、オゾンガス
滅菌処理とはオゾンガスを用いて行われる滅菌処理であ
り、紫外線滅菌処理とは紫外線照射により行われる滅菌
処理である。
【0030】請求項11に記載の発明によれば、前記滅
菌処理は、酸化エチレンガス滅菌処理、高圧蒸気滅菌処
理、プラズマ滅菌処理、乾熱滅菌処理、γ線滅菌処理、
電子線滅菌処理、オゾンガス滅菌処理及び紫外線滅菌処
理のいずれかであり、汎用的に用いられる滅菌処理の滅
菌レベル測定に用いることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下さらに本発明の具体的実施例
について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に
おける滅菌レベル測定装置を示した斜視図である。図2
は、本発明の滅菌レベル測定方法に使用されるインジケ
ータの正面図である。図3は、滅菌対象にインジケータ
を取り付けた状態の斜視図である。図4は本発明の第2
の実施形態における滅菌レベル測定装置を示した斜視図
である。図5は本発明の第3の実施形態における滅菌レ
ベル測定装置と滅菌容器を示した正面図である。図6は
本発明の第4の実施形態における滅菌レベル測定装置を
示した斜視図である。図7は本発明の第5の実施形態に
おける滅菌レベル測定装置を示した斜視図である。図8
は本発明の第6の実施形態における滅菌レベル測定装置
を示した斜視図である。図9は本発明の第7の実施形態
における滅菌レベル測定装置を示した斜視図である。図
10は本発明の第8の実施形態における滅菌レベル測定
装置を示した斜視図である。図11は、酸化エチレンガ
ス滅菌処理したときの指標菌の生存曲線および高圧蒸気
滅菌処理したときの指標菌の生存曲線を示すグラフであ
る。
【0032】本発明の第1の実施形態における滅菌レベ
ル測定装置1は本体部5を有する装置であり、図1に示
されるように、本体部5には、測色部13と、測色部1
3の下側で対向している位置に設けられた試料台12
と、演算変換部14を有している。また、滅菌レベル測
定装置1の上側には、滅菌レベル表示部15が設けられ
ており、滅菌レベル表示部15は外部から確認できる場
所に位置している。
【0033】試料台12は水平な台であり、滅菌レベル
測定装置1の下側に位置している。そして、試料台12
上に測色対象を置いて、前記測色対象の表面の反射する
光を測色部13により測定することができる。測色部1
3は、試料台12の上に置かれた測色対象の測色値を測
定するする部分である。測色部13は、図示しない発光
部と受光部を有し、発光部から標準光が発光され、測色
対象に照射し反射した光を受光部で受けて各波長におけ
る光の強度を測定する。また、測色部13は分光方式で
あり、その反射光を分光器により分光し、測色値の測定
を行うものである。また、測色部13の分光分布の測定
範囲の測定波長は380〜780nmである。なお、本
実施形態では、測色部13は、測色対象の表面の反射す
る光により、測色値を測定するものであったが、透過光
を用いてもよい。さらに、測色部13は分光方式であっ
たが、直読式測色機能を有するものでもよい。
【0034】また、測色部13では、XYZ表色系のX
値、Y値、Z値が測定可能である。さらに、前記X値、
Y値、Z値から、導出が可能であるLab色空間の値、
** * 色空間の値、L* * * 色空間の値や、
前記値と標準色との色差(ΔE)等の測色値も、測色部
13で測定可能である。そして、測色部13の、測色値
を測定するのために必要な測色対象の面積は1mm2
10000mm2 である。したがって、測色対象の面積
が100mm2〜10000mm2 の面積を有する比較
的大きな試料の測定が可能である。また、測色対象の面
積が1mm2 〜100mm2 と小さいものでも、測色す
ることができる。
【0035】滅菌レベル表示部15は、滅菌レベルを表
示するものである。また、滅菌レベル測定装置1の内部
には演算変換部14が設けられている。演算変換部14
は、測色部13が検知した光に基づいて測色値を演算す
る演算部(図示せず)と、前記測色値を滅菌レベルに変
換することが可能な変換部(図示せず)を有しており、
測色部13が検知した光を滅菌レベルに変換するもので
ある。そして、本実施形態においては、測色値が一定以
上の値の時は滅菌レベル表示部15が「OK」と表示
し、一定以下の値の時は「NG」と表示する。なお、演
算変換部14は、インジケータ10の種類や滅菌手段に
より、切り替え可能となっている。
【0036】インジケータ10は、図2に示されるよう
に長方形のシート状であり、変色部20を有し、本発明
の滅菌レベル測定に使用されるものである。変色部20
は、所定の滅菌処理を一定の条件で行うと、変色する薬
剤や塗料などが塗布されている。そして、滅菌処理の度
合によって、変色部20が変色するものであり、その変
色の前後で測色値が変化する。なお、変色部20の変色
は、測色値が変化すればどのような変化でも良く、色そ
のものが変化する場合だけでなく、色の明るさのみが変
化してもよい。
【0037】インジケータ10の変色部20に使用され
る薬剤や塗料として、滅菌処理の種類に応じて以下のも
のが使用できる。また、インジケータ10の変色部20
に薬剤や塗料を塗布させる場合には、シルクスクリーン
印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等の公知の方法によ
り行われる。酸化エチレン滅菌処理の場合には、ヘキサ
メチレンテトラミン及び塩基性染料を含むもの、一般式
A−N=N−Bで表される色素(Aはアルキル基が附加
されていない窒素原子を含むピリジン環、キノリン環、
イソキノリン環、トリアゾール環、テトラゾール環、イ
ンダゾール環及びチアゾール環の群より選ばれた複素環
式化合物残基であり、該残基は非解離性置換基を有して
いてもよい、Bは通常のカップリング成分を示す)を含
む薬品等を用いることができる。蒸気滅菌処理の場合に
は、メチン系染料を含む薬品、シアニン系染料を含む薬
品、銅又は鉛の水酸化物又は炭酸塩あるいは炭酸ニッケ
ルとアルカリ金属の水酸化物又は炭酸塩との混合物等の
熱変色性薬品を用いることができる。プラズマ滅菌処理
の場合には、第1アミノ基及び第2アミノ基の少なくと
も1種のアミノ基を有するアントラキノン系染料を含有
する薬品や、前記アントラキノン系染料に4級アンモニ
ウム塩型のカチオン系界面活性剤を含む薬品等を用いる
ことができる。オゾンガス滅菌処理の場合には、第1ア
ミノ基及び第2アミノ基の少なくとも1種のアミノ基を
有するアントラキノン系染料を含有する薬品を用いるこ
とができる。
【0038】次に、本発明の第1の滅菌レベル測定方法
について説明する。第1の滅菌レベル測定方法は、滅菌
レベル測定装置1及びインジケータ10を用いて、滅菌
レベルを測定する方法である。本願の滅菌対象30は図
3に示される箱状のものであるが、滅菌対象はこのよう
なものに限られず、どのようなものでもよい。
【0039】まず、図3に示すように、インジケータ1
0を滅菌対象30に取り付ける。この取付位置はどこで
もよいが、より確実に滅菌処理をされたか否かを確認す
るため、滅菌がされにくい位置に設けることが望まし
い。
【0040】次に、インジケータ10を取り付けた状態
のまま、滅菌対象30を滅菌処理する。滅菌処理は、従
来と同様に行われるものであり、例えば、滅菌用の容器
の中に滅菌対象30を入れ、その後所定のガスを導入し
て、さらに必要な場合には加熱・加圧やその他の処理を
して所定の時間行われる。本実施形態では、プラズマ滅
菌処理であり、過酸化水素を滅菌用の容器に入れてプラ
ズマを発生させて行われる。そして、インジケータ10
はプラズマ滅菌処理によって、変色するものであり、具
体的にはアントラキノン系染料(「ミケトンファストレ
ッドバイオレットR」三井東圧化学社製)が用いられ、
滅菌処理前には紫色であり、滅菌処理すると染料の色が
消失する。
【0041】そして、滅菌対象30を取り出し、取り付
けたインジケータ10をはずして、滅菌レベル測定装置
1によって、滅菌レベルの測定を行い、滅菌レベル表示
部15に「OK」又は「NG」の表示をさせる。具体的
には、滅菌処理後のインジケータ10を試料台12に載
せ、測色部13により測色値の測定を行い、表示部15
に「OK」又は「NG」の表示をさせる。本実施形態に
おいては、インジケータ10の未滅菌状態における変色
部20の色(紫色)を基準色とし、さらに、前記の測定
された色との色差(ΔE* ab)を測色値としている。
また、他の測色値も用いることができる。
【0042】さらに、前記測色値を演算変換部14によ
り滅菌レベルに変換し、「OK」又は「NG」の表示を
滅菌レベル表示部15にさせる。この表示は、測色値が
一定以上でありインジケータ10が所定の滅菌処理を受
けた時は「OK」と、また、測色値が一定以下でありイ
ンジケータ10が所定の滅菌処理を受けていない時は
「NG」と表示するものである。さらに、後述するよう
な、滅菌レベルに応じて「レベル1」、「レベル2」等
と表示させてもよい。
【0043】したがって、本発明の第1の実施形態にお
ける滅菌レベル測定装置1を用いて、本発明の第1の滅
菌レベル測定方法により、滅菌レベルを測定すると、滅
菌処理後のインジケータ10を測定するだけで、滅菌レ
ベルを間違いなく判断することができる。
【0044】本発明の第2の実施形態における滅菌レベ
ル測定装置2は、図4に示され、本体部6と変換表7が
設けられている。そして、本体部6は、第1の実施形態
の本体部5と同様に、試料台12、測色部13が設けら
れており、また、演算変換部14の代わりに演算部21
が設けられている。さらに、外部から確認できる位置に
測色値表示部25が設けられている。
【0045】本体部6の試料台12及び測色部13は、
第1の実施形態の滅菌レベル測定装置1と同様であり、
測色対象が試料台12の上に置かれて、測色対象の測色
値が測定可能である。
【0046】本体部6の測色値表示部25は、インジケ
ータ10の測色値を表示するものである。また、演算部
21は、第1の実施形態の本体部5に設けられている変
換機能部14の演算部と同様に、測色部13が検知した
光に基づいて測色値を演算する。
【0047】また、滅菌レベル測定装置2には、変換表
7が設けられている。変換表7は、インジケータ10の
測色値と、そのインジケータ10の測色値における滅菌
レベルを対比した表である。変換表7は、インジケータ
10の種類や滅菌手段によって違うものを用いる必要が
あるので、その都度取り替え、あるいは、ロータリー式
の切り替え器によって表示を切り替えることができる。
【0048】次に、本発明の第2の滅菌レベル測定方法
について説明する。第2の滅菌レベル測定方法は、滅菌
レベル測定装置2及びインジケータ10を用いて行われ
る。第2の滅菌レベル測定方法においても、先に説明し
た本発明の第1の滅菌レベル測定方法と同様に、インジ
ケータ10を測定対象である滅菌対象30に取り付け、
さらに、インジケータ10を取り付けた状態のままで滅
菌処理し、滅菌対象30を取り出し、取り付けたインジ
ケータ10を外す。
【0049】そして、本体部6によって、測色値を測定
する。測色値の測定は、第1の滅菌レベル測定方法と同
様であり、試料台12に滅菌処理後のインジケータ10
を載せて測定部13によって測定される。さらに、測定
された測色値は測色値表示部25によって表示される。
この測色値表示部25に表示された色差の測定値を変換
表7によって、滅菌レベルに変換して滅菌レベルを測定
する。
【0050】本発明の第2の実施形態における滅菌レベ
ル測定装置2を用いて、滅菌レベルを測定すると、数値
化された測色値を用いて滅菌レベルを判断するので、判
断を誤ることがない。また、滅菌レベル測定装置2は従
来技術の色差計の転用が容易であり、安価に製造可能で
ある。また、滅菌対象の変更やインジケータ10の変更
によって、測色値から滅菌レベルへの変換内容が変更さ
れた場合でも、容易に切り替えが可能である。
【0051】本発明の第3の実施形態における滅菌レベ
ル測定装置3は、本発明の第1の実施形態における滅菌
レベル測定装置1に、検知部27及びケーブル28が設
けられたものである。そして、測色部13と検知部27
は、ケーブル28によって接続されている。ケーブル2
8は一方の端部の光を他方の端部に伝送することが可能
なケーブルであり、具体的には光ファイバーケーブルで
あり、検知部27から得られる色に関する情報をケーブ
ル28を通じて、測色部13に伝達することができる。
そして、図5のように滅菌の際には、検知部27は滅菌
容器26の内部に設置することができ、ケーブル28は
滅菌容器26の内部と外部をつなぎ、滅菌容器26の外
部に設置された測色部13とつながる。
【0052】滅菌レベル測定装置3を用い、滅菌レベル
を測定する場合は、以下のように行われる。まず、滅菌
対象30を滅菌容器26内に入れる。また、インジケー
タ10を検知部27に取り付ける。このとき、インジケ
ータ10の変色部20の色に関する情報が検知部27か
らケーブル28を通じて測色部13に伝達されるように
設置する。
【0053】次に、従来技術と同様に、滅菌容器26内
に滅菌用のガスを入れるなどして滅菌処理を行う。滅菌
レベル測定装置3を用い、滅菌レベルを測定する場合に
は、測色部13により測定された、滅菌レベルを確認し
ながら滅菌処理を行うことができる。すなわち、滅菌処
理中でも、インジケータ10の変色部20の変色度合
は、検知部27からケーブル28を通じて測色部13に
伝達され、測色部13で光を検知して測色値を測定し、
滅菌レベル表示部15により滅菌レベルが表示されて、
間違えることなく滅菌レベルを確認できる。また、滅菌
処理を行いながら滅菌レベルを確認できるので、滅菌処
理を終了する時期を間違えることがない。
【0054】滅菌レベル測定装置3では、第1の実施形
態における滅菌レベル測定装置1を利用したものであっ
たが、第2の実施形態における滅菌レベル測定装置2を
利用したものでもよい。すなわち上記した実施形態で
は、光ファイバーケーブルを備え、検知部27から得ら
れる色に関する情報をケーブル28を通じて、測色部1
3に伝達し、滅菌レベル表示部15に直接「OK」、
「NG」などの表示を行なわしめる構成を例示したが、
光ファイバーケーブルを通じて得た情報に基づいて測色
値表示部25に測色値を表示させ、変換表7によって滅
菌レベルを知る構成を採用してもよい。
【0055】また、上記した実施形態では、滅菌処理の
例としてプラズマ滅菌処理を紹介したが、これに限ら
ず、酸化エチレンガス滅菌処理、高圧蒸気滅菌処理、乾
熱滅菌処理、γ線滅菌処理、電子線滅菌処理、オゾンガ
ス滅菌処理、紫外線滅菌処理などの滅菌処理でもよく、
公知のあらゆる滅菌処理を用いることができる。さら
に、消毒液などによる滅菌処理にも用いることができ
る。
【0056】滅菌レベル測定装置は、上記したものに限
られず、図6〜図10に示されるような形態でもよい。
図6に示される滅菌レベル測定装置44は、測色部13
が下側に向いて設けられている。測色部13の下側は空
間となっており、測定の際には前記空間にインジケータ
10を置いて行われる。滅菌レベル測定装置4の滅菌レ
ベル表示部15は上側に設けられ確認が容易である。図
7に示される滅菌レベル測定装置45は、測色部13が
下側に向いて設けられている。滅菌レベル測定装置45
は支持台50を有して、支持台50によって全体が支え
られて測色部13の下側は空間となっており、測定の際
には前記空間にインジケータ10を置いて行われる。ま
た、滅菌レベル測定装置45の滅菌レベル表示部15は
上側に設けられている。図8(a)に示される滅菌レベ
ル測定装置46は、測色部13を側方に有しており、測
定の際には図8(b)に示されるように、押さえ部材5
2によってインジケータ10を押さえながら測定する。
また、透過光により測定する場合は、開閉部53を開け
て行うことができる。滅菌レベル測定装置6の滅菌レベ
ル表示部(図示せず)は、電線55により接続されてい
る。図9に示される滅菌レベル測定装置47は、測色部
13を内部に有しており、開閉部53を開けて測定が行
われる。滅菌レベル表示部15が大きく見やすい。さら
に、ロール紙から成る記録部56により、記録すること
もできる。図10に示される滅菌レベル測定装置48
は、手で持ち運びができる大きさである。そして、透明
な窓部58を有する位置合わせ部材により、測定の際に
変色部20の位置を容易に合わせて測定することができ
る。
【0057】次に、滅菌レベル表示部15の表示方法お
よび、変換表7の表示方法についての設計指針を述べ
る。前記した実施形態では、滅菌レベル表示部15の表
示方法として、「OK」、「NG」といった二段階表示
を紹介したが、レベル1、レベル2といった3以上のレ
ベル表示をすれば、滅菌状態をより把握しやすい。ここ
でレベル1、レベル2をどの様に区分するかであるが、
例えばD値に対応して区分することが考えられる。なお
D値とは、菌の生存力や滅菌の処理能力を表わす指標で
あり、滅菌前の菌数を基準として、これが1/10に減
少するまでの時間をいう。
【0058】そこで例えば図11のグラフの様に、生存
菌数が、元の菌数の10-3に減少する程度に滅菌された
と考えられる状況をレベル1とし、以下、10-6 に減
少する程度に滅菌されたと考えられる状況をレベル2、
10-9をレベル3、10-12をレベル4、10-15 をレ
ベル5とする。そしてこれらのレベルに滅菌された場合
におけるインジケータ10の色差等を予め測定してお
く。さらに滅菌レベル測定装置内のメモリー等に当該各
レベルにおける色差を予め記憶させておき、調整後の滅
菌レベル測定装置によって検知されたインジケータの色
差が各レベルに相当する数値であった場合に、滅菌レベ
ル表示部15に該当するレベルを表示させる。
【0059】ここで、滅菌を行なう場合における生存菌
数と、滅菌時間との関係は、図11の通りとなる。すな
わち生存菌数を対数表示し、時間軸に関するグラフを描
くと、図11の様に直線となる。図11で明らかなよう
に、所定の滅菌条件が保たれる場合は、一定の時間が経
過すると一定割合の菌が死滅する。なお図11は、酸化
エチレンガス滅菌と、高圧蒸気滅菌を行なった場合のグ
ラフである。酸化エチレンガス滅菌の滅菌条件は、酸化
エチレンガス濃度が500mg/l、温度が54℃、相
対湿度が30〜50%である。指標菌は、B.subt
ilis ver nigerである。高圧蒸気滅菌
は、温度が121℃で行なった場合を示している。指標
菌は、B.stearothermophilusであ
る。
【0060】そこで、滅菌レベル測定装置を製作する場
合には、所定の滅菌環境を作り、その中に、インジケー
タ10を滅菌レベルに相当する時間だけさらす。先の例
で説明すると、3Dに相当する時間、6Dに相当する時
間、9Dに相当する時間、12Dに相当する時間および
15Dに相当する時間だけインジケータ10を滅菌環境
に置き、インジケータ10の色差等を測定して滅菌レベ
ル測定装置のメモリーに記憶させる。より具体的には、
酸化エチレンガス滅菌を採用する場合では、酸化エチレ
ンガスに反応して変色するインジケータを用いる。そし
て、このインジケータとしては、例えば株式会社サクラ
クレパス社製、商品名「ネスコスI.CカードE」を採
用することができ、このインジケータは表1に示される
ような、滅菌時間と色差の関係がある。そして、「ネス
コスI.CカードE」を滅菌環境に10.5分間さら
し、これを取り出して色差等を測定し、この値を「レベ
ル1の値」として滅菌レベル測定装置のメモリーに記憶
する。同様に「ネスコスI.CカードE」を滅菌環境に
21分間さらし、これを取り出して色差等を測定し、こ
の値を「レベル2の値」として記憶する。さらに同様の
手法によって、レベル3〜レベル5の値を記憶させる。
【0061】
【表1】
【0062】こうして滅菌レベル測定装置のレベル調整
を終える。そして調整後の滅菌レベル測定装置を使用し
て、実際の滅菌時において滅菌対象に取り付けられてい
たインジケータの色差等を計り、その値が、各レベルに
相当する値であった場合は、滅菌レベル表示部15に該
当するレベルを表示させる。
【0063】滅菌手段として、高圧蒸気滅菌を採用する
場合も同様であり、インジケータとして例えば、株式会
社サクラクレパス社製、商品名「ネスコスI.Cカード
S」を採用することができ、このインジケータは表2に
示されるような滅菌時間と色差の関係がある。そして
「ネスコスI.CカードS」を滅菌環境に4.5分間さ
らし、これを取り出して色差等を測定し、この値を「レ
ベル1の値」として記憶する。同様に「ネスコスI.C
カードS」を滅菌環境に9分間さらし、これを取り出し
て色差等を測定し、この値を「レベル2の値」として記
憶する。さらに同様の手法によって、レベル3〜レベル
5の値を記憶させる。
【0064】
【表2】
【0065】そして滅菌レベル測定装置でインジケータ
の色差等を計り、その値が、各レベルに相当する値であ
った場合は、滅菌レベル表示部15に該当するレベルを
表示させる。
【0066】滅菌レベル、各滅菌手段における色差、お
よびD値の関係を表にまとめると次の通りである。
【0067】
【表3】
【0068】上記した指針に従って製作・調整した滅菌
レベル測定装置1の使用方法は、前述した通りであり、
滅菌処理後のインジケータの色差を測定すると、この測
定された色差の値が変換部14によって滅菌レベルに変
換され、滅菌レベル表示部15に表示される。例えば、
酸化エチレンガス滅菌を採用する場合では、滅菌環境に
10.5分間さらしたインジケータの色差と同等の色差
が測定された場合には「レベル1」に変換され、表示部
15に「レベル1」が表示される。本実施例による方法
によって滅菌レベルを繰り返し行ったが、同条件で行っ
た場合には表示に差が無く、また、処理条件を変えた場
合にも、精度良く滅菌レベルを測定することができた。
【0069】上記したように、本実施例の方法により滅
菌レベルを測定した場合には、「レベル1」等と表示さ
れるので、素早く測定できる。また、滅菌ガスの濃度等
の滅菌処理の条件が違う場合には、滅菌条件に対応して
インジケータが変色するので、滅菌レベルを正確に測定
することができる。また、上記した指針を変換表7に応
用し、色差と「レベル1」、「レベル2」などの滅菌レ
ベルを一覧表とした変換表7を用いることも推奨され
る。
【0070】
【発明の効果】本発明は、上述の通り構成されているの
で、インジケータの色の変化を確実に判断して、滅菌レ
ベルの測定を間違えることのない、滅菌レベル測定装置
及び滅菌レベル測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における滅菌レベル測
定装置を示した斜視図である。
【図2】本発明の滅菌レベル測定方法に使用されるイン
ジケータの正面図である。
【図3】滅菌対象にインジケータを取り付けた状態の斜
視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態における滅菌レベル測
定装置を示した斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施形態における滅菌レベル測
定装置と滅菌容器を示した正面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態における滅菌レベル測
定装置を示した斜視図である。
【図7】本発明の第5の実施形態における滅菌レベル測
定装置を示した斜視図である。
【図8】本発明の第6の実施形態における滅菌レベル測
定装置を示した斜視図である。
【図9】本発明の第7の実施形態における滅菌レベル測
定装置を示した斜視図である。
【図10】本発明の第8の実施形態における滅菌レベル
測定装置を示した斜視図である。
【図11】酸化エチレンガス滅菌処理したときの指標菌
の生存曲線および高圧蒸気滅菌処理したときの指標菌の
生存曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
1,2,3,44,45,46,47,48 滅菌レベ
ル測定装置 5,6 本体部 7 変換表 10 インジケータ 13 測色部 14 演算変換部 15 滅菌レベル表示部 20 変色部 21 演算部 25 測色値表示部 27 検知部 28 ケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 浩 大阪市中央区森ノ宮中央1丁目6番20号 株式会社サクラクレパス内 Fターム(参考) 4C058 AA12 BB04 BB05 BB06 BB07 DD14 JJ14 JJ15 KK02 KK03 KK06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測色機能を有する本体部と、変換図表を
    有し、変色部を有するインジケータによって滅菌レベル
    を測定する際に用いられる滅菌レベル測定装置であっ
    て、前記本体部は、前記インジケータの変色部の測色値
    を測定するための光を検知する測色部と、測色部が検知
    した光に基づいて測色値を演算する演算部と、測色値を
    表示する測色値表示部が設けられており、前記変換図表
    は、インジケータの変色部の測色値を滅菌レベルに変換
    することが可能な図表であることを特徴とする滅菌レベ
    ル測定装置。
  2. 【請求項2】 変色部を有するインジケータによって滅
    菌レベルを測定する際に用いられる滅菌レベル測定装置
    であって、測色機能を有する本体部を有し、前記本体部
    は、前記インジケータの変色部の測色値を測定するため
    の光を検知する測色部と、測色部が検知した光に基づい
    て測色値に関する演算を行なう演算部と、前記測色値に
    関する演算値を滅菌レベルに変換することが可能な変換
    部と、変換部によって変換された滅菌レベルの表示を行
    う滅菌レベル表示部を有することを特徴とする滅菌レベ
    ル測定装置。
  3. 【請求項3】 前記測色値は、XYZ表色系のX値、Y
    値、Z値、又は、前記X値、Y値及びZ値の選択される
    1又は2以上の値より導出される値であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の滅菌レベル測定装置。
  4. 【請求項4】 前記測色値は、インジケータの変色部の
    色と、基準色との色差であることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の滅菌レベル測定装置。
  5. 【請求項5】 測色部の、測色値を測定するために必要
    な対象となる測色対象の面積は1mm2 〜10000m
    2 であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の滅菌レベル測定装置。
  6. 【請求項6】 本体部は分光測色機能を有し、測色部の
    測定波長は380〜780nmであることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれかに記載の滅菌レベル測定装置。
  7. 【請求項7】 本体部は直読式測色機能を有することを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の滅菌レベル
    測定装置。
  8. 【請求項8】 光を伝送可能なケーブルが設けられ、前
    記ケーブルの一方の端部に測色部が設けられていること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の滅菌レベ
    ル測定装置。
  9. 【請求項9】 インジケータと、請求項1,3〜8のい
    ずれかに記載の滅菌レベル測定装置を用いる滅菌レベル
    測定方法であって、前記インジケータは、滅菌処理され
    ると変色する変色部が設けられ、変色部は滅菌処理条件
    により変色度合が変化するものであり、前記インジケー
    タを滅菌対象と共に滅菌手段により滅菌し、その後、イ
    ンジケータの変色部の測色値を測定して、インジケータ
    の変色部の測色値を測色値表示部にて表示し、さらに変
    換図表により測色値を滅菌レベルに変換することによ
    り、滅菌レベルを測定することを特徴とする滅菌レベル
    測定方法。
  10. 【請求項10】 インジケータと請求項2〜8のいずれ
    かに記載の滅菌レベル測定装置を用いる滅菌レベル測定
    方法であって、前記インジケータは、滅菌処理されると
    変色する変色部が設けられ、変色部は滅菌処理条件によ
    り変色度合が変化するものであり、前記インジケータを
    滅菌対象と共に滅菌手段により滅菌し、その後、インジ
    ケータの変色部の測色値を測定し、変換機能により変換
    された滅菌レベルが滅菌レベル表示部に表示されること
    により、滅菌レベルを測定することを特徴とする滅菌レ
    ベル測定方法。
  11. 【請求項11】 前記滅菌処理は、酸化エチレンガス滅
    菌処理、高圧蒸気滅菌処理、プラズマ滅菌処理、乾熱滅
    菌処理、γ線滅菌処理、電子線滅菌処理、オゾンガス滅
    菌処理及び紫外線滅菌処理のいずれかであることを特徴
    とする請求項9又は10に記載の滅菌レベル測定方法。
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