JP2003325193A - 抗菌活性物質の製造方法 - Google Patents
抗菌活性物質の製造方法Info
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Abstract
造法の提供。 【解決手段】 抗菌活性物質生産性の乳酸菌を大豆抽出
物および/またはスキムミルクを含む培地で培養するこ
とを含んでなる、抗菌活性物質の製造法。
Description
の添加が可能で、安全かつ高い抗菌活性を有する乳酸菌
発酵生産物の製造方法に関する。 【0002】背景技術 乳酸菌のある種のものはバクテリオシンと呼ばれる抗菌
活性物質を生産する。これらは発酵食品に含まれて、昔
から食品の保存性を高めていることがよく知られてお
り、長い食経験上からも安全性が評価されている。中で
もナイシンは熱に安定で100℃、15分間の加熱でも
分解せず、食品や飲料でも使用しやすく、通常のタンパ
ク質分解酵素例えば胃の消化酵素で容易に分解されるこ
とがわかっており安全性が証明されている(森地敏樹ら
編「バイオプリザベーション」(2000)幸書房)。 【0003】バクテリオシンを生産する乳酸菌は、例え
ば、乳製品由来でナイシンを生産するLactococcucs lac
tis のグループが有名である。しかし、乳酸菌研究集談
会編「乳酸菌の科学と技術」学会出版センター(1996)に
記載されるように、乳酸菌は一般に独特の香味、例えば
乳酸に代表される酸味やダイアセチルやアルデヒド等の
異臭を生産して発酵物に呈する。これら香味は特定の発
酵食品には重要な風味を形成するが、一方このような発
酵物が含むバクテリオシンを飲料や惣菜等の食品の汚染
菌抑制に使用のため添加すると、その風味やテクスチャ
ーに影響を与える。また、これを避けるために、風味に
影響のない低い添加量では、含まれるバクテリオシンの
濃度は低く充分な抗菌活性は得られなかった。 【0004】このため、高い抗菌活性(以下「静菌活
性」を含む意味で用いられる)を得て添加濃度を低くす
るため、特開平5−268975号に記載のような、コ
ーンスティープリカーや酵母エキスの窒素源とバレイシ
ョ成分の糖源を組み合わせた培地による培養方法が提案
されている。しかし、この発酵物は、例えばスープ等の
ような香味の濃厚な食品では欠点が現れにくいが、香味
が濃厚でない清涼飲料等で期待する抗菌効果を得るため
の量を添加すると香味上の問題が発生し、依然として香
味上の問題点は解決されていない。 【0005】一方、中野政弘編「発酵食品」光琳全書2
1(1967)に記載されているように、豆乳を乳酸菌
等で発酵させ、食品として利用する方法は良く知られ、
いずれもその目的は、栄養的に改善したり、新しい乳製
品風飲料や食品であった。前者の具体例としては、特開
2001−340059号に記載の、生体に有用な大豆
イソフラボンをアグリコンとする例がある。また、後者
の具体例としては特開2002−51720号に、豆乳
に乳酸菌の資化しやすい糖質や甘味料を加え、風味を改
善した発酵豆乳の例がある。これら技術は、豆乳の乳酸
菌発酵により香味的や栄養的に優れたものを生産する方
法であり、これらの発酵物は本発明によるものとは利用
目的が全く異なるものである。更に、使用している乳酸
菌も、例えば乳酸菌研究集談会編「乳酸菌の科学と技
術」学会出版センター(1996)や中野政弘編「発酵
食品」光琳全書21(1967)で記載されているよう
に、Lactobacillus bulgaricusやStreptococcus属等で
これらはナイシン等のバクテリオシンを生産しない。 【0006】 【発明の概要】一般に乳酸菌の増殖に適した基本培地
は、乳酸菌研究集談会編「乳酸菌の科学と技術」学会出
版センター(1996)に記載されている脱脂乳、乳成
分ホエータンパク質、トマト果汁、麦芽エキス、酵母エ
キスと糖の混合等多くのものが挙げられる。しかしこれ
らの培地はいずれも不快な香味成分を生じさせた。例え
ば、これらの培地を発酵させた培養液の上澄液について
ブライドによる官能検査(パネル数8名)を実施したと
ころ、いずれの培養液について全てのパネルがダイアセ
チル様の不快な香味を指摘し、しかも高い抗菌活性も得
られなかった。 【0007】このような背景のもと本発明者等は、意外
にも、Lactococcus lactis やEnterococcus faecalis
などの乳酸球菌類および Lactobacillus plantarumなど
の乳酸桿菌を、大豆抽出物を主成分とする培地やスキム
ミルクを含有する培地で培養したところ、ナイシン様の
抗菌活性物質が高濃度で製造でき、かつ培養物が香味に
影響を与えないことを見出した。本発明はこの知見に基
づくものである。 【0008】本発明は、飲料や食品の香味に影響を及ぼ
さず、低濃度の添加が可能で、安全かつ高い抗菌活性を
有する乳酸菌発酵生産物の製造方法の提供をその目的と
する。 【0009】本発明による抗菌活性物質の製造法は、抗
菌活性物質生産性の乳酸菌を大豆抽出物および/または
スキムミルクを含む培地で培養することを含んでなる方
法である。 【0010】 【発明の具体的説明】以下、本発明を具体的に説明す
る。 【0011】1.乳酸菌 本発明に用いることのできる抗菌活性物質生産性の乳酸
菌は、ナイシン等の抗菌活性物質を生産する乳酸菌であ
れば特に限定されるものではないが、例えば、森地敏樹
ら編「バイオプリザベーション」(2000)幸書房に
記載のバクテリオシンを生産する属種の中から選抜する
ことができる。乳酸菌は、例えば、対照区をMRS培地
(DIFCO)やコーンスティープ培地(特開平5−2
68975号)とし、さらに試験区を豆乳培地やスキム
ミルク培地として試験菌を培養し、そのそれぞれの培養
液をMayr-Harting.A.,et al.”Methods in Microbiolog
y7A.,Methods for studying Bacteriocins”(1976)p.32
7. Academic Press.に基づいたペーパーディスク法を
実施することにより選抜できる。ペーパーディスク法
は、培養液50μLをΦ6mmのペーパーディスクに染
み込ませ、このディスクをStaphylococcus aureus FD
A 209P(ATCC 6538P)を指標菌にして
接種した標準寒天培地(栄研)表面に乗せて35℃、4
8時間培養することによってコロニー周辺のハロー(増
殖阻止円)を形成するか否かを調べることにより、およ
びそのハローの大きさが対照区より大きいか否かを調べ
ることにより実施することができる。 【0012】抗菌活性物質生産性の乳酸菌の好ましい例
としては、乳酸球菌のLactococcuslactis subsp. lacti
s IFO 12007、Lactococcus lactis subsp. lactis ATCC
19435、Enterococcus faecalis IFO 3938、Enterococc
us faecalis ATCC 23655 、並びに乳酸桿菌のLactobaci
llus plantarum ATCC 8014 、Lactobacillus plantarum
ATCC 14917、Lactobacillus plantarum JCM 1057、La
ctobacillus plantarum JCM 1149、Lactobacillus pla
ntarum JCM 1551が挙げられる。これらの菌株は、発酵
研究所(IFO)やアメリカンタイプカルチャコレクシ
ョン(ATCC)および理化学研究所(JCM)から容
易に入手できる。 【0013】2.培地 培養に当たっては、大豆抽出物やスキムミルクを、単独
であるいは組み合わせて、培地として使用することがで
きる。 【0014】大豆抽出物を培地に使用する場合には、常
法により得られるものでも市販されているもののいずれ
をも用いることができる。例えば、乾燥大豆や脱脂大豆
をそのまま粉砕して水を加えたり或いは水浸漬して含水
状態で摩砕したりしたものを濾過し、不溶性画分を除去
したものや、市販されている無調製のもの(大豆成分以
外のものを使用していないもの;例えば、豆乳)を培地
として使用できる。 【0015】大豆抽出物の濃度は、大豆固形分2%以
上、好ましくは4%以上、さらに好ましくは5%以上1
5%以下、最も好ましくは8%以上12%以下であるこ
とができる。ここで大豆固形分濃度は、日本農林規格
(JAS)で定義された、乾燥により水分を蒸発させて
残った固形物残渣濃度で示す。 【0016】スキムミルクを培地に使用する場合には、
常法により得られるものでも市販されているもののいず
れをも用いることができる。例えば、粉体の脱脂乳をそ
のまま水に溶解させたものをスキムミルク培地として用
いることができる。 【0017】スキムミルク培地の濃度は5%以上、20
%以下、さらに好ましくは7%以上15%以下が望まし
い。 【0018】必要であれば、乳酸菌の生育を助けるよう
な成分を培地に添加してもよい。添加成分は飲食品に添
加した場合にその香味を損なわなわず、かつ食品として
安全な成分が好ましい。 【0019】3.培養条件 大豆抽出物を培地として用いる場合には、培地を通常の
熱処理或いは濾過等で滅菌し、水を加え、必要な場合に
は、常法によりpH調整する。pHは乳酸菌の生育でき
る3以上9以下であればよく、好ましくは4以上8以下
である。pH調整された培地に前培養した乳酸菌を添加
し、20〜40℃、好ましくは25〜35℃、より好ま
しくは28〜32℃で、6〜48時間、好ましくは9〜
48時間、培養することによって抗菌活性の高い培養物
を得ることができる。 【0020】スキムミルクを培地として用いる場合に
は、上記と同様に熱処理或いは濾過等で滅菌することが
できる。通常、スキムミルクは乳酸菌の生育に適してい
るのでpHは調整する必要はないが、必要に応じて、上
記大豆抽出物の場合と同様にpH調整すればよい。前培
養した当該乳酸菌を準備した培地に添加し、20〜40
℃、好ましくは25〜35℃、より好ましくは28〜3
2℃で、6〜48時間、好ましくは9〜48時間、培養
することによって抗菌活性の高い培養物を得ることがで
きる。 【0021】培養の終了はいずれの培地を用いた場合で
も、10〜36時間を目処とすることができ、この時点
で抗菌活性物質濃度が最も高くなる。具体的には、抗菌
活性物質濃度は12,000〜20,000I.U./
g(ナイシン換算)になる。抗菌活性物質濃度の値がこ
の範囲内にある時点を培養終了の目安とすることができ
る。なお、培養物をベースにした飲食品の種類等によっ
ては、例えば抗菌活性物質濃度としてより低い3000
〜12000I.U./g(ナイシン換算)であっても
十分にその抗菌活性を発揮することができ、この場合に
は10〜24時間で培養を終了させることも可能であ
る。 【0022】培養物は森地敏樹ら編「バイオプリザベー
ション」(2000)幸書房)に記載のように耐熱性
で、60〜121℃の加熱処理や殺菌処理を行うことも
可能であり、加熱することにより抗菌活性を保持したま
ま乳酸菌の増殖を停止させ培養を終了させることもでき
る。 【0023】4.培養物および抗菌活性物質並びにそれ
らの用途 本発明による培養物に含まれる抗菌活性物質は、優れた
抗菌活性を有し、特に、飲料で問題となるBacillus 属
やAlicyclobacillus 属やレトルト食品で問題となるBac
illus 属やClostridium 属等の耐熱性芽胞性菌に対して
優れた効果を有する。従って、本発明による培養物およ
びその上澄み液は飲食品への抗菌用添加物として、ある
いは抗菌製剤として用いることができる。 【0024】培養物およびその上澄み液は、そのまま飲
食品に添加しても、培養物中の抗菌活性物質のみを取り
出して飲食品に添加してもよい。また、得られた培養物
およびその上澄み液は、そのまま、あるいは抗菌活性物
質のみを取り出して、抗菌製剤として提供することもで
きる。抗菌活性物質の単離・精製は、例えば、培養物を
分取HPLCに供することにより行うことができる。こ
のような方法は周知であり、当業者であれば抗菌活性物
質の分離・精製方法は自明であろう。抗菌活性物質の精
製に当たっては、例えば、森地敏樹ら編「バイオプリザ
ベーション」(2000)幸書房を参照をすることがで
きる。 【0025】本発明による方法により得られる培養物は
抗菌活性物質濃度が高いことから、飲食品への添加に当
たっては、例えば特開平5−268975号記載の従来
の培養物の約10分の1相当の量で抗菌効果を得ること
ができる。具体的には、ナイシン換算で1I.U/g以
上、好ましくは5〜300I.U/g、より好ましくは
1〜100I.U/gの抗菌活性となるように飲食品に
添加することができる。ナイシン換算の抗菌活性(I.
U.)は、抗菌活性物質であるナイシン標準物質(シグ
マ社製、4%含有)の活性、1mg/kg=40I.U
/gに換算した値を用いた。ここで「I.U.」は抗菌
活性を表す国際単位であり、International Unitの略で
ある(森池敏樹ら編「バイオプリザベーション」(20
00)幸書房)。 【0026】本発明による培養物は使用対象によりその
まま懸濁した状態で、あるいは遠心分離などの固液分離
を行い上澄液部分を回収して使用することができる。ま
た、前述のように耐熱性であるのでさらにこれらに凍結
乾燥やスプレードライ等の加工を施して使用することも
可能である。 【0027】本発明による培養物が添加できる飲食品は
特に限定されるものではないが、例えば、果汁飲料、野
菜飲料、果汁と野菜の混合飲料、ニアウオーター飲料等
の非アルコール飲料;麦酒、発泡酒、チューハイ、発泡
性ワイン等のアルコール飲料;各種スープ、カレー、シ
チュー、和洋中華の各惣菜類、農水産加工食品、乳製
品、食肉加工食品等の食品;マヨネーズ、ドレッシン
グ、ソース、ケチャプ等の調味料が挙げられる。 【0028】本発明による培養物はほぼ無味無臭である
ため、添加した飲料や食品の本来の風味に影響はないの
で、商品設計上の制限が小さくなり、商品開発の面での
メリットも大きい。即ち、飲食品本来が有する独特の風
味を損なわない新しい発酵商品の設計が可能となる。 【0029】本発明による培養物はまた、抗菌活性物質
濃度が高いので、重量比率でいえば、例えば1%以下、
さらには0.1%程度の小さな添加率で使用することが
できる。更に、それ自体無味無臭に近いので添加対象と
なる飲料や食品に不快な香味や品質上の問題点を与える
影響が小さい。例えば、果汁を用いた飲料の場合には、
耐熱性芽胞菌による汚染を防ぐため必要に応じて加熱処
理がなされているが、加熱により加熱臭が生じ、品質の
低下が懸念される。この点、本発明による培養物を添加
すれば抗菌効果と同時に加熱殺菌の低減や省略により品
質の劣化防止という大きな効果が期待できる。 【0030】 【実施例】本発明を下記例により更に詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0031】実施例1 豆乳培地(大豆固形分8%の市販豆乳(名酪)1L)、
MRS培地(DIFCO)、コーンスティープ培地(特
開平5−268975号に記載の組成の培地:グルコー
ス1%、マッシュドポテト1%、コーンスティープリカ
ー1%、酵母エキス1%を含む1L培地)および10%
スキムミルク培地(DIFCO、1L培地)それぞれ
に、Lactococcus lactis subsp. lactis IFO 12007を、
前培養液の添加率が0.5v/v%になるように接種
し、30℃で12時間静置培養した。得られた培養液を
80℃、20分間加熱処理後、遠心分離によって得られ
た上澄液をMayr-Harting.A. et al.,”Methods in Micr
obiology 7A.,Methods for studying Bacteriocins”(1
976)p.327. Academic Press.に基づいたペーパーディ
スク法、即ち、培養液50μLをΦ6mmのペーパーデ
ィスクに染み込ませこれをよりStaphylococcus aureus
FDA 209P(ATCC 6538P)を指標菌にして接
種した標準寒天培地(栄研)表面に乗せて35℃、48
時間培養し、これによって形成されるコロニー周辺のハ
ロー(増殖阻止円)の大きさから、標準ナイシンの濃度
とハローの大きさで検量線を書き、これに基づいてその
抗菌活性物質濃度を、ナイシン(シグマ製)を対照とし
て、ナイシン当りに換算したところ、スキムミルク培地
で12,000I.U./gの、豆乳培地で20,00
0I.U./gの高い生産濃度を示した(表1)。 【0032】 【表1】【0033】また他の乳酸菌株8種(Lactococcus lact
is subsp. lactis ATCC 19435、Enterococcus faecali
s IFO 3938、 Enterococcus faecalis ATCC 23655、L
actobacillus plantarum ATCC 8014、Lactobacillus pl
antarum ATCC 14917、Lactobacillus plantarum JCM 10
57、Lactobacillus plantarum JCM 1149、およびLacto
bacillus plantarum JCM 1551)についても同様の試験
を行った。試験条件はコーンスティープ培地を用いなか
ったこと以外実施例1に準じた。結果は表2に記載の通
りである。 【0034】 【表2】 【0035】いずれの菌株においても対照区のMRS培
地に比べて10%スキムミルク培地や豆乳培地を用いた
場合により高い抗菌活性物質濃度を示した。 【0036】尚、表1と表2から明らかなようにいずれ
の菌株を用いた場合でも培地の種別では豆乳培地を用い
た場合により高い濃度の抗菌活性物質が生産された。 【0037】実施例2 実施例1のLactococcus lactis subsp. lactis IFO
12007株を用いて、豆乳培地中の大豆固形分濃度:
4%、5%、8%、10%、12%、15%、或いはス
キムミルク培地中のスキムミルク濃度:5%、7%、1
0%、15%、20%と抗菌活性物質生産濃度との関係
につき、試験を行った。該株を上記培地の種類と濃度を
別々に設定し、30℃、24時間静置培養した。他の培
養条件及び試験方法は実施例1に準じた。 【0038】その結果、豆乳培地中の大豆固形分濃度が
8〜12%の時に最大の抗菌活性物質生産濃度:20,
000I.U./gを示し(表3)、スキムミルク培地
中のスキムミルク濃度が7〜15%の時に最大の抗菌活
性物質生産濃度:12,000I.U./gを示した
(表4)。 【0039】 【表3】 【0040】 【表4】 【0041】実施例3 実施例1で調製した乳酸菌株9種の豆乳培養物の上澄液
をそれぞれ1w/w%で、オレンジ果汁に添加した添加
区(添加区)と上澄液を添加しない対照区(対照区)を
設け、ブラインドによる12名のトライアングル試飲試
験を行った。その結果、添加区と対照区とでオレンジ果
汁の香味差を認めたのは各菌株ともコーンスティープリ
カー培地の培養物の上澄液を用いた場合であった。 【0042】一方、豆乳の発酵物を用いた場合にはオレ
ンジ果汁の香味差はないと10名以上が回答したことか
ら、添加区と対照区とで有意な香味上の差は認められな
かった。同様の実験を各乳酸菌株9種のスキムミルク培
養物の上澄液で行ったところ、Enterococcusの2株の上
澄液で差がないと回答したのが9名で、それ以外は10
名以上が差がないと回答した。これらも同様に有意な香
味上の差は認めらなかった。 【0043】実施例4 実施例1で調製した乳酸菌株9種の豆乳培養物の上澄液
をそれぞれ1w/w%で、オレンジ果汁に添加し、果汁
の汚染菌として知られているAlicyclobacillusacidoter
restris DSM 3923を103細胞/mlになるように接種
し、45℃で培養したところ3日後にはいずれの乳酸菌
株の培養物の上澄液添加区でも生菌数は0細胞/mlと
なり抗菌効果を示した。しかし、上澄液を添加しなかっ
た対照区ではいずれも108細胞/mlに増殖してい
た。 【0044】実施例5 実施例1で調製した乳酸菌株9種のスキムミルクおよび
豆乳の培養物をそれぞれ1w/w%、市販のレトルトカ
レーに添加し、これに汚染耐熱指標細菌であるBacillus
coagulans 1106(日本缶詰協会分譲株)を104細胞
/mlになるように接種し、35℃で培養したところ3
日後にはいずれの乳酸菌株の培養物の上澄液添加区でも
生菌数は0細胞/mlとなり抗菌効果を示した。しか
し、上澄液を添加しなかった対照区では109細胞/m
lに増殖していた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】抗菌活性物質生産性の乳酸菌を大豆抽出物
および/またはスキムミルクを含む培地で培養すること
を含んでなる、抗菌活性物質の製造法。
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- 2002-05-10 JP JP2002135266A patent/JP4101553B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP7462868B2 (ja) | 2018-10-26 | 2024-04-08 | 炭プラスラボ株式会社 | 乳酸菌生産物質含有組成物、エクオール生成方法および乳酸菌生産物質含有組成物の製造方法 |
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