JP2003322549A - 投影型エンコーダおよび発光ダイオードランプ - Google Patents

投影型エンコーダおよび発光ダイオードランプ

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JP2003322549A
JP2003322549A JP2003049122A JP2003049122A JP2003322549A JP 2003322549 A JP2003322549 A JP 2003322549A JP 2003049122 A JP2003049122 A JP 2003049122A JP 2003049122 A JP2003049122 A JP 2003049122A JP 2003322549 A JP2003322549 A JP 2003322549A
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grating
light receiving
convex lens
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Yoshinori Ito
善規 伊藤
Muneo Mitamura
宗雄 見田村
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Harmonic Drive Systems Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源であるLEDランプからの射出光の利用
効率の高い3枚格子の理論による投影型エンコーダを実
現すること。 【解決手段】 投影型リニアエンコーダ1の移動格子板
6には、LEDランプ2に対峙した中央部分に透過格子
群3が一定のピッチで形成され、この上下にホトダイオ
ード群4が同一方向に配列されている。LEDレンズ2
3のレンズ面は上下に配列した2つの凸レンズ面23
3、234から形成されており、各凸レンズ面233、
234はホトダイオード群4の配列方向に長い横長とさ
れ当該方向のレンズ面曲率は直交方向のレンズ面曲率よ
りも小さい。LEDレンズの側面部分232は発散光を
全反射可能な傾斜角度に定められている。このLEDレ
ンズ23を備えたLEDランプ2は効率良く発散光を射
出光として前方に射出でき、反射格子6で反射された射
出光は上下のホトダイオード群4の位置に横長の最大光
量分布領域を形成する。よってホトダイオード群4によ
る受光量を増加でき精度の高い検出を行うことが可能に
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透過格子および受光
素子が形成された半導体基板などの基板を用いた3枚格
子の理論に基づく投影型エンコーダに関し、特に、その
光源として用いる発光ダイオードからの射出光を効率良
く利用可能な投影型エンコーダに関するものである。ま
た、この投影型エンコーダの光源として用いるのに適し
た発光ダイオードランプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者等は先に、3枚格子の理論に基
づく投影型エンコーダを提案している(下記の特許文献
参照)。図8にはかかる投影型エンコーダの検出部分の
一般的な構成を示してある。この図に示すように、投影
型エンコーダ100は、光源としての発光ダイオードラ
ンプ(LEDランプ)102と、一定のピッチで透過格
子103および受光素子104が作り込まれている半導
体基板からなる移動板105と、一定のピッチで反射格
子106が形成されている反射格子板107とを備えて
おり、LEDランプ102と反射格子板107の間に移
動板105が配置された構成となっている。
【0003】移動板105においては、LEDランプ1
02に対峙する位置に横方向に一定のピッチで透過格子
103が形成され、この透過格子103の上下に受光素
子104が配列されている。すなわち、一定のピッチで
上側ホトダイオード群104および下側ホトダイオード
群104が配列されている。
【0004】この構成の投影型エンコーダでは、移動板
105を測定対象物と一体化させて、LEDランプ10
2からの射出光の光軸に直交する方向に沿って、透過格
子103およびホトダイオード群104の配列方向に移
動させる。LEDランプ102からの射出光は、まず、
移動板105の背面を照射し、当該移動板105に形成
されている透過格子103を通過して反射格子板107
の表面を格子縞状に照射する。反射格子板107にも一
定のピッチで反射格子106が形成されているので、当
該反射格子板107を照射した光のうちの各反射格子1
06に照射した成分のみが反射される。反射格子像は再
び移動板105を照射し、一定のピッチおよび一定幅で
形成されている縦縞状のホトダイオード群104によっ
て受光される。
【0005】移動板105に形成された縦縞状の透過格
子103とホトダイオード群104とが2枚の格子板と
して機能する。従って、反射格子106を用いた3枚格
子の理論に基づき、ホトダイオード群104の受光量
は、反射格子板107と移動板105の相対移動に対応
して正弦波状に変化する。よって、ホトダイオード群1
04の光電流に基づき相対移動速度に対応したパルス信
号を得ることができ、当該パルス信号のパルスレートに
基づき相対移動速度を演算できる。
【0006】また、90度位相の異なるA相信号および
B相信号が得られるように、ホトダイオード群104を
配列しておけば、これらの2相の信号に基づき、移動板
105の移動方向も判別できる。
【0007】この構成の投影型エンコーダにおいては、
透過格子および受光素子を半導体製造技術により製作し
ているので、微小ピッチの格子を製造することができ、
高分解能のエンコーダを実現できる。また、一定ピッチ
で縦縞状に形成された受光素子が格子として機能し、し
かも、当該格子自体がレンズ効果を持つので、レンズ光
学系を用いる必要が無く、装置の小型化を達成できる。
さらには、3枚格子の理論により、反射格子と透過格子
の隙間の広狭および、当該隙間の変動が分解能に悪影響
を及ぼすことがないので、これらが形成されている部材
の取り付け精度を確保するための調整作業を簡略化で
き、また、取り付け場所の制約が少なくなる。これに加
えて、反射格子と透過格子の間隔を広くできるので、例
えば反射格子の側を保護ケース等に収納して耐環境性を
高めることも可能となる等の利点がある。
【0008】
【特許文献】特開2000−321097号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示す構成の投影型エンコーダにおいては、LEDランプ
102からの射出光の利用効率が悪いという問題点があ
る。すなわち、一般的に使用される市販のLEDランプ
102は、図9に示すように、半導体基板上に作り込ま
れたチップLED121と、これを覆っているほぼ半球
状の凸レンズ面122を備えたレンズ123とから構成
されている。チップLED121は所定の発散角で発光
するので、所定の広がりのある配光特性Dを示す。
【0010】上述のように、移動板105には、LED
ランプ102に対峙する位置に透過格子103が形成さ
れ、その上下にホトダイオード群104が配列されてい
る。従って、LEDランプ102からの射出光における
中心光軸L近傍の光量分布が最大の光束部分が利用され
ず、その外周側部分の光束部分のみが反射されてホトダ
イオード群104によって受光される。一般に、LED
ランプ102から透過格子103を通過して反射格子1
06に向かう透過光の光量はLEDランプ102の射出
光の光量の約50%であり、反射格子106で反射して
ホトダイオード群104において受光される光量はLE
Dランプ102の射出光の光量の30%程度と少ない。
【0011】LED102の出力を増加させることな
く、ホトダイオード104の出力を高めるためには、L
EDランプ102の射出光の利用効率を高める必要があ
る。
【0012】本発明の課題は、この点に鑑みて、ホトダ
イオード群での受光量が増加するようにLEDランプ射
出光の利用効率を高めることのできる投影型エンコーダ
を提案することにある。また、本発明はかかる投影型エ
ンコーダの光源として用いる発光ダイオードランプを提
案することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、光源と、一定のピッチで配列された所
定形状の反射格子と、一定のピッチで配列された所定形
状の透過格子と、前記光源から出射され前記透過格子を
透過して前記反射格子で反射された反射光像を受光する
受光素子とを有し、前記受光素子から得られる検出信号
に基づき、少なくとも、前記反射格子および前記透過格
子の相対移動位置を検出する投影型エンコーダであっ
て、前記受光素子は、前記光源からの射出光の中心光軸
に対して上下あるいは左右にずれた位置に配列された第
1の受光素子あるいは受光素子群および第2の受光素子
あるいは受光素子群を含み、前記光源は、発光ダイオー
ドおよび当該発光ダイオードの発散光を前方に射出する
ためのレンズとを備えた発光ダイオードランプであり、
前記レンズにおける射出側レンズ面は、射出光を前記第
1および第2の受光素子あるいは受光素子群に集光でき
るように、第1および第2の凸レンズ面を並べた輪郭形
状をしていることを特徴としている。
【0014】本発明では、発光ダイオードランプからの
射出光は、反射格子により反射されない中心光軸近傍の
光量が低減され、その周囲に二つの最大光量分布領域が
現れる光量分布になる。この結果、反射格子で反射され
て第1および第2の受光素子あるいは受光素子群で受光
される光量を増加させることができる。
【0015】ここで、発光ダイオードの発散光のうちレ
ンズ前面から射出されない周辺光成分を有効利用するた
めには、レンズの側面部分を、前記発光ダイオードの発
散光が臨界角よりも大きな角度で入射可能な傾斜角度に
設定することが望ましい。この構成によれば、発散光の
周辺光成分はレンズ側面で全反射され、凸レンズ面とさ
れているその射出側レンズ面を介して、射出光として前
方に射出される。よって、周辺光成分を有効利用できる
ので、その分、第1および第2の受光素子あるいは受光
素子群での受光量を増加できる。
【0016】また、前記第1および第2の受光素子群
は、その配列方向の長さが、直交する方向の長さよりも
長いので、配列方向の両端部分に位置している受光素子
にも充分に反射光を当てることができるようにするため
には、レンズの配光特性を、第1および第2の受光素子
群の配列方向に沿って長い横長の状態にすることが望ま
しい。このためには、前記第1および第2の凸レンズ面
を、前記第1および第2の受光素子群の配列方向に沿っ
た長さがこれに直交する方向の長さよりも長くなるよう
にし、当該配列方向の凸レンズ面曲率を小さくすること
が望ましい。
【0017】次に、前記第1の受光素子群が、位相が9
0度ずれたA相信号およびB相信号を生成するための受
光素子群を含むものである場合には、A相およびB相の
リサージュ波形をより真円に近いものとするために、拡
散光を用いることが望ましい。よって、これらを照明す
る前記第1の凸レンズ面は、前記第1の受光素子群の配
列方向および当該配列方向に直交する方向に拡散する拡
散光を生成する配光特性を備えていることが望ましい。
【0018】これに対して、前記第2の受光素子あるい
は受光素子群が、前記反射格子および前記透過格子の相
対移動位置を検出するための基準となる原点位置を検出
するために用いるZ相信号を生成するためのものである
場合には、前記第2の凸レンズ面は、前記第1の受光素
子の幅方向あるいは前記第1の受光素子群の配列方向に
は平行光を生成し、これに直交する方向には拡散光を生
成する配光特性を備えていることが望ましい。このよう
な光を用いると、拡散光を用いる場合に比べて、前記第
2の受光素子から比較的急峻な波形の信号を得ることが
できる。この結果、原点位置を精度良く検出可能にな
る。また、配光特性の異なるAB相用の光源およびZ相
用の光源を配置する場合には、設置スペースが増加する
という弊害、双方の光源ランプの寿命にばらつきができ
るという弊害、双方の光源ランプの温度特性などにばら
つきができるという弊害がある。よって、本発明のよう
に、レンズのレンズ面形状を工夫した場合の方が有利で
ある。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
を適用した3枚格子の理論に基づく投影型リニアエンコ
ーダの実施例を説明する。
【0020】図1は本例の投影型リニアエンコーダを示
す概略構成図である。この図に示すように、投影型リニ
アエンコーダ1は、光源としてのLEDランプ2と、透
過格子3およびホトダイオード群4を備えた移動板5
と、反射格子6が表面に形成されている反射格子板7
と、制御回路8から基本的に構成されている。移動板5
は複合板であり、透過格子3が形成されているガラス基
板9と、ホトダイオード群4が作り込まれているPDア
レイチップ11と、ホトダイオード群4が作り込まれて
いるPDアレイチップ12から構成されている。
【0021】LEDランプ2からの射出光は、移動板5
の透過格子3を透過して、反射格子板7の反射格子6を
照射する。この反射格子6で反射された反射光像がホト
ダイオード群4で受光され、各ホトダイオード群4の検
出信号が制御回路部8に供給される。
【0022】制御回路部8は、ホトダイオード群4の検
出信号に基づき1/4λだけ位相のずれたA相信号およ
びB相信号を形成する信号処理部9と、これらA相およ
びB相信号に基づき移動板5の移動速度、移動方向等の
移動情報を演算するための演算部10と、演算結果を表
示する表示部11と、LEDランプ2の駆動をフィード
バック制御するランプ駆動部12とを備えている。
【0023】図2は移動板5を示す斜視図であり、図3
はPDアレイチップ11、12に形成されているホトダ
イオード群4と透過格子3の配置関係を示す説明図であ
る。これらの図を参照して説明すると、移動板5を構成
しているガラス基板9は使用波長(LEDランプ2の射
出光の波長)に対して透明であり、その反射格子板7に
対峙している表面13には無反射コーティング(反射防
止膜)14が施されている。ガラス基板9の裏面15に
は細長い長方形状の領域にアルミニウムやクロムなどの
金属薄膜からなる遮光膜16が積層されており、この遮
光膜16を格子状にエッチングすることにより多数の透
過格子3が形成されている。本例では、各透過格子3は
移動板5の移動方向に直交する方向に細長い長方形をし
ており、移動板5の移動方向に向けて一定のピッチPで
配列されている。
【0024】ガラス基板9の裏面15における透過格子
3の上側部分にはPDアレイチップ11が貼り付けられ
ており、透過格子3の下側にはPDアレイチップ12が
貼り付けられている。これらのPDアレイチップ11、
12は同一構造であるので上側のPDアレイチップ11
についてのみ説明する。PDアレイチップ11は、横長
の長方形の半導体基板20に、4組のホトダイオード3
1A、31A’、31B、31B’が作り込まれた構成
となっている。各ホトダイオードは面状ホトダイオード
であり、これらのホトダイオードの受光面が対峙してい
るガラス基板裏面15の部分には、アルミニウム、クロ
ムなどの金属薄膜からなる遮光膜17Aが積層されてお
り、この遮光膜17Aを格子状にエッチングすることに
より一定のピッチPで移動板5の移動方向に配列された
多数の一定幅の縦長格子窓が形成されている。
【0025】ここで、ホトダイオード31Aの受光部分
を規定している遮光膜17Aに形成した格子窓33に対
して、ホトダイオード31A’の受光部分を規定してい
る遮光膜17Aに形成した格子窓33は、1/2ピッチ
位相がずれた位置関係にある。また、同様な構成によ
り、ホトダイオード31Bの受光面(格子窓)33は、
ホトダイオード31A’の受光面(格子窓)33に対し
て1/4ピッチ位相がずれた位置関係にある。さらに、
ホトダイオード31B’の受光面(格子窓)33は、ホ
トダイオード31Bの受光面(格子窓)33に対して1
/2ピッチ位相がずれた位置関係にある。
【0026】このように4組のホトダイオード31A、
31A’、31B、31B’の受光位置を規定すること
により、例えば、ホトダイオード31Aの検出信号に基
づきA相信号が得られ、ホトダイオード31A’の検出
信号に基づき位相が180度ずれたA相の反転信号が得
られ、ホトダイオード31Bの検出信号に基づきA相信
号とは位相が90度ずれたB相信号が得られ、ホトダイ
オード31B’の検出信号に基づきB相の反転信号が得
られる。A相およびその反転信号からこれらの差動信号
を生成し、B相およびその反転信号からこれらの差動信
号を生成し、これらの差動信号に基づき、移動板5の移
動方向および移動速度を検出できる。
【0027】なお、PDアレイチップ12が貼り付けら
れているガラス基板裏面15の部分においても同一構成
の遮光膜17Bが形成されている。
【0028】このように構成された本例の投影型リニア
エンコーダ1では、移動板5を測定対象物(図示せず)
と一体化させて、光軸Lに直交する平面内において、透
過格子3およびホトダイオード32の配列方向に移動さ
せる。LEDランプ2からの出射光は、まず、移動板5
の背面を照射し、当該移動板5に形成されている透過格
子3を透過して固定した位置に配置されている反射格子
板7を格子縞状に照射する。反射格子板7にも一定ピッ
チで同一幅の反射格子6が形成されているので、当該反
射格子板7を照射した光のうち各反射格子6に照射した
成分のみが反射される。反射格子像は再び移動板5を照
射し、ホトダイオード群4によって受光される。
【0029】このように、移動板5に形成された縦縞状
の透過格子3とホトダイオード群4とが2枚の格子板と
して機能する。従って、反射格子6を用いた3枚格子の
理論に基づき、ホトダイオード群4においては、固定側
の反射格子6と移動側の透過格子3の相対移動に対応し
て受光量が正弦波状に変化する。よって、ホトダイオー
ド群4の光電流に基づき相対移動速度に対応したパルス
信号を得ることができ、当該パルス信号のパルスレート
に基づき相対移動速度を演算できる。
【0030】(LEDランプのレンズの形状)図4はL
EDランプ2の構造および形状を模式的に示す説明図で
ある。本例のLEDランプ2は、図4(e)に示すよう
に、チップ型LED20と、LEDレンズ23から構成
されている。チップ型LED20は、図4(a)、
(b)に示すように、半導体基板20aと、この上に搭
載された発光チップ20bと、この発光チップ20bを
保護している樹脂製の保護層20cと、半導体基板20
aの裏面に形成された電極20dを備えている。このチ
ップ型LED20の保護層20cの平坦な表面に、図4
(c)、(d)に示す形状のLEDレンズ23が積層接
着されている。
【0031】次に、図5および図6を参照して、本例の
LEDランプ2のレンズ形状を詳細に説明する。LED
レンズ23は、LEDチップ20bの発光点20eから
の発散光を前方に射出するためのものであり、角錐台状
に前方に突出しているレンズ側面部分232と、このレ
ンズ側面部分232の前端に形成された一対の凸レンズ
面233、234とを備えている。一対の凸レンズ面2
33、234によってLEDレンズ23の射出側レンズ
面が規定されている。
【0032】これらの凸レンズ面233、234は、透
過格子群の配列方向、すなわちホトダイオード群の配列
方向に直交する方向に並んでいる。また、それぞれが当
該配列方向に沿って長いレンズ面とされている。さらに
は、図6(b)、(c)に示すように、当該配列方向に
直交する方向で切断した場合の凸レンズ面の曲率に比べ
て、これに直交する配列方向に沿って切断した場合の凸
レンズ面の曲率が小さくなっている。
【0033】図5に示すように、このように2つの凸レ
ンズ面233、234が形成されているLEDランプ2
からの射出光は、最大光量分布が2箇所に存在する配光
特性を示す。このように射出光の中心軸線近傍の光量を
低減させることにより、反射格子6で反射されてホトダ
イオード群4で受光される受光量を高めることができ
る。
【0034】また、図6に示すように、各凸レンズ面2
33、234はホトダイオード群4の配列方向に長い横
長の形状であり、しかもこの方向の曲率は直交する方向
に比べて小さいので、横長の楕円形状あるいは長円状の
光量分布を示す。従って、ホトダイオード群4の配列方
向の両端部分の受光面部分においても充分な光量の反射
光を受光でき、ホトダイオード群の配列方向の受光量分
布が均一化されると共に、ホトダイオード群の受光光量
も増加する。
【0035】さらに、本例では、図5に示すように、L
EDランプ2の側面部分232に入射する発散光の入射
角が臨界角θよりも大きくなるように、当該側面部分2
32の傾斜角度を定めている。この結果、LEDランプ
2のレンズ面を介して前方に射出されない発散光の光量
を低減できる。この結果、透過格子群3を透過して反射
格子群6に到る射出光の透過光量を増加できる。
【0036】本例のLEDランプ2を用いた場合には、
上記のように、LED射出光の利用効率を高めることが
できる。本発明者等の実験によれば、ホトダイオード群
4による受光量をLEDランプ2の射出光量の50%程
度まで増加できることが確認された。
【0037】従って、本例の投影型リニアエンコーダに
おいては、LEDランプ2の出力を高めることなく、ホ
トダイオード群4の受光量を増加させてS/N比の高い
検出信号を得ることができる。よって、精度の高い投影
型リニアエンコーダを実現できる。
【0038】(その他の実施の形態)次に、上記の例で
は、A相信号およびB相信号を得るようにしているが、
これに加えて、移動板5の原点位置を表すZ相信号を得
ることができるように構成することもできる。この構成
によれば、移動板の原点位置に基づき、移動板の絶対位
置を検出可能である。
【0039】この構成の場合には、例えば、図7
(a)、(b)に示すように、ガラス基板9に形成した
透過格子3の下側に、Z相用の透過格子3Zを形成す
る。また、ガラス基板9における透過格子3の上側に、
例えば図2に示すようにA、A’、B、B’相用のホト
ダイオードが作り込まれているPDアレイチップ11を
貼り付ける。さらに、ガラス基板9における透過格子3
Zの下側に、Z相検出信号を発生させるためのホトダイ
オード群31Zが作り込まれたPDアレイチップ12Z
を貼り付ける。また、反射格子板7には、A、B相用の
反射格子6の他に、その下側に、Z相用の反射格子6Z
を形成する。これ以外の構成は図1に示す場合と同様で
あるので、図7においては対応する部位には同一の符号
を付してある。
【0040】ここで、この場合に用いるのに適した光
は、A、B相用には縦(ホトダイオードの配列方向に直
交する方向)および横(ホトダイオードの配列方向)と
もに拡散光であることが望ましい。これに対して、Z相
用には縦方向には拡散光であり、横方向には平行光であ
ることが望ましい。
【0041】そのために、A、B相用のLED光源と、
Z相用のLED光源を配置することも考えられる。しか
し、複数の光源を配置すると、その分、設置スペースが
必要となるので、装置の大型化、高コスト化を招いてし
まう。また、各光源間において寿命のばらつき、温度特
性などのばらつきが生ずる可能性もある。
【0042】よって、この場合においても、図7(b)
に示すように、単一のLEDランプ2Aを用いると共
に、そのレンズ23Aのレンズ面に上下2つの凸レンズ
面23a、23bを形成し、それぞれの凸レンズ面形状
を工夫することにより、上側の凸レンズ面23aからは
A、B相に適した光を照射でき、下側の凸レンズ面23
bからはZ相に適した光を照射できるようにすることが
望ましい。
【0043】すなわち、図7(c)に示すように、上側
の凸レンズ面23aを介して射出してA、B相用の透過
格子3を透過した光L1は、縦方向および横方向共に拡
散光であるので、縦横に拡大した状態で反射格子板7の
反射格子6を照射する。また、反射格子6の反射光も縦
横に拡大してA、B相用のホトダイオード31A、31
Bなどを照射する。
【0044】これに対して、下側の凸レンズ面23bを
介して射出してZ相用の透過格子3Zを透過した光L2
は、縦方向には拡散光であり、横方向には平行光である
ので、縦方向にのみ広がって反射格子板7のZ相用の反
射格子6Zを照射する。また、反射格子6Zの反射光も
縦方向にのみ拡大して、Z相用のホトダイオード31Z
を照射する。
【0045】このような配光特性が得られるように、発
光ダイオードランプ2Aのレンズ23Aのレンズ面23
a、23bを規定することにより、単一の光源によって
異なる配光特性の光を照射できる。また、精度良く、各
相の検出信号を生成することができる。
【0046】次に、上記の各例では、反射格子が形成さ
れている反射格子板を固定側としてあるが、当該反射格
子板の側を移動側とし、移動板の側を固定側としてもよ
い。
【0047】また、移動板が、ガラス基板にPD基板を
積層した複合構造となっているが、半導体基板に透過格
子およびホトダイオードを作り込む構成とすることも可
能である。
【0048】次に、上記の例はリニアエンコーダに関す
るものであるが、ロータリーエンコーダに対しても本発
明を同様に適用可能である。この場合には、光透過格子
とホトダイオードを、円周方向に向けて一定の角度間隔
で形成すればよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、3枚格
子の理論に基づき、反射格子と透過格子を用いてこれら
の相対移動に関する情報を検出可能な反射格子像を受光
素子で受光させるようにした投影型エンコーダにおい
て、光源であるLEDランプのレンズ面形状を2つの凸
レンズ面から形成し、最大光量分布が2箇所に現れるよ
うにLEDランプ射出光の配光特性を設定している。こ
の構成によれば、LEDランプの対峙位置の上下あるい
は左右にずれた位置に配列されている受光素子群による
受光量を増加させることができるので、射出光の利用効
率を高めることができる。
【0050】また、本発明では、LEDレンズ側面部分
でLED発散光が全反射するように当該レンズ側面部分
の傾斜角度を定めてあるので、射出光として前方に射出
されて透過格子を介して反射格子を照射する透過光の光
量を増加できる。この構成によっても、受光素子群によ
る受光量を増加させることができるので、LED射出光
の利用効率を高めることができる。
【0051】さらに、本発明では、LEDレンズ面に形
成されている2つの凸レンズ面を、受光素子群の配列方
向に長くすると共に、当該配列方向の凸面の曲率を直交
方向の曲率よりも小さくしてある。この構成によれば、
LED射出光の光量分布を二列に配列された受光素子群
に沿って延びる横長の楕円状あるいは長円状の分布にで
きるので、配列方向の両端部分に位置する受光素子にお
ける受光量を充分なものとすることができるので、全体
として受光量の均一化および受光量の増加を図ることが
できる。よって、LED射出光の利用効率を高めること
ができる。
【0052】一方、本発明では、LEDレンズ面を工夫
することにより、A、B相用に適した配光特性の光と、
Z相用に適した配光特性の光を、単一の光源から射出す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した投影型リニアエンコーダの一
例を示す概略構成図、および移動板および反射格子板を
示す構成図である。
【図2】図1の移動板を示す斜視図である。
【図3】図1の移動板のPDアレイチップに形成されて
いるホトダイオード群と透過格子の配置関係を示す説明
図である。
【図4】図1のLEDランプの構造、形状を模式的に示
す説明図である。
【図5】図1のLEDランプの配光特性を示す説明図で
ある。
【図6】(a)は図1のLEDランプのレンズ形状およ
び光量分布状態を示す説明図であり、(b)はLEDレ
ンズを矢印Bの方向から見た場合の側面図であり、
(c)は矢印Aの方向から見た場合のLEDレンズの側
面図である。
【図7】原点信号を生成する投影型エンコーダに本発明
を適用した場合を示す図であり、(a)はその移動板を
示す説明図、(b)はその概略構成図であり、(c)は
レンズを介して射出される光の配光特性を示す説明図で
ある。
【図8】投影型エンコーダの検出部分の構成を示す説明
図である。
【図9】図8のLEDランプの射出光の配光分布を示す
説明図である。
【符号の説明】
1 投影型リニアエンコーダ 2、2A LEDランプ 20 チップ型LED 20a 半導体基板 20b LEDチップ 20c 保護膜 20d 発光点 23、23A LEDレンズ 232 側面部分 23a、23b、233、234 凸レンズ面 3、3Z 透過格子 4 ホトダイオード群 5 移動板 6 反射格子 7 反射格子板 8 制御回路部 9 ガラス基板 11、12 PDアレイチップ 12Z Z相用ホトダイオード 13 ガラス基板の表面 14 反射防止膜 15 ガラス基板の裏面 16、17A、17B 遮光膜 20 半導体基板 31A、31A’31B、31B’、31Z ホトダイ
オード 33 格子窓(ホトダイオードの受光面に対応する部
分)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年3月3日(2003.3.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 見田村 宗雄 長野県南安曇郡穂高町大字牧1856−1 株 式会社ハーモニック・ドライブ・システム ズ穂高工場内 Fターム(参考) 2F103 BA27 CA02 EA02 EA15 EB06 EB12 EB15 EB32 EC01 5F089 BA02 BB03 BC02 BC15 BC22 CA03 GA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、一定のピッチで配列された所定
    形状の反射格子と、一定のピッチで配列された所定形状
    の透過格子と、前記光源から出射され前記透過格子を透
    過して前記反射格子で反射された反射光像を受光する受
    光素子とを有し、前記受光素子から得られる検出信号に
    基づき、少なくとも、前記反射格子および前記透過格子
    の相対移動位置を検出する投影型エンコーダであって、 前記受光素子は、前記光源からの射出光の中心光軸に対
    して上下あるいは左右にずれた位置に配列された第1の
    受光素子あるいは受光素子群および第2の受光素子ある
    いは受光素子群を含み、 前記光源は、発光ダイオードおよび当該発光ダイオード
    の発散光を前方に射出するためのレンズとを備えた発光
    ダイオードランプであり、 前記レンズにおける射出側レンズ面は、射出光を前記第
    1および第2の受光素子あるいは受光素子群に集光でき
    るように、第1および第2の凸レンズ面を並べた輪郭形
    状をしていることを特徴とする投影型エンコーダ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記レンズの側面部分は、前記発光ダイオードの射出光
    が臨界角よりも大きな角度で入射可能な傾斜角度に設定
    されていることを特徴とする投影型エンコーダ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記第1および第2の凸レンズ面は、前記第1および第
    2の受光素子群の配列方向の長さがこれに直交する方向
    の長さよりも長く、当該配列方向の凸レンズ面曲率がこ
    れに直交する方向の曲率よりも小さいことを特徴とする
    投影型エンコーダ。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3において、 前記第1の受光素子群は、位相が90度ずれたA相信号
    およびB相信号を生成するための受光素子群を含むもの
    であり、 前記第1の凸レンズ面は、前記第1の受光素子群の配列
    方向および当該配列方向に直交する方向に拡散する拡散
    光を生成する配光特性を備えていることを特徴とする投
    影型エンコーダ。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4において、 前記第2の受光素子あるいは受光素子群は、前記反射格
    子および前記透過格子の相対移動位置を検出するための
    基準となる原点位置を検出するために用いるZ相信号を
    生成するためのものであり、 前記第2の凸レンズ面は、前記第1の受光素子の幅方向
    あるいは前記第1の受光素子群の配列方向には平行光を
    生成し、これに直交する方向には拡散光を生成する配光
    特性を備えていることを特徴とする投影型エンコーダ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のうちのいずれかの項
    に記載の投影型エンコーダの光源として使用する前記発
    光ダイオードランプ。
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