JP2003320751A - 高品質画像生成用印刷媒体製品及びその製造方法 - Google Patents

高品質画像生成用印刷媒体製品及びその製造方法

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JP2003320751A JP2003128378A JP2003128378A JP2003320751A JP 2003320751 A JP2003320751 A JP 2003320751A JP 2003128378 A JP2003128378 A JP 2003128378A JP 2003128378 A JP2003128378 A JP 2003128378A JP 2003320751 A JP2003320751 A JP 2003320751A
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐光性で、耐湿性で、低い凝集(粒状性)レ
ベルを有し、また他の有用な属性によって特徴付けられ
る、高品質印刷画像を生成可能なインク受容印刷媒体製
品の提供。 【解決手段】 印刷媒体製品(10,100,200)は、基材
(12)によって支持された少なくとも1つのインク受容
層(30)を有する。このインク受容層は上記の課題を解
決することを意図したバインダーブレンド、即ちゼラチ
ン、ポリ(ビニルアルコール−エチレンオキシド)コポ
リマー、及びポリ(スチレン)−(n−アクリル酸ブチ
ル)−(メタクリル酸メチル)−(2−(t−ブチルア
ミノ)メタクリル酸エチル)コポリマーからなる。1つ
又はより多くの任意選択的な顔料及び/又は追加的なバ
インダーもまた、インク受容層中に含有させることがで
きる。インク受容層は任意選択的に、上側又は下側に配
置される1つ又はより多くの追加材料層(102)と組み
合わせて用いることができ、こうした追加材料層は例え
ば、1つ又はより多くの顔料及び/又はバインダーを含
有しうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷媒体製品及び
その製造方法に関する。特に本発明は、インクジェット
印刷技術を用いて高品質画像を生成するに適した印刷媒
体製品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種のインク転写技術及びシステム(基
本的にはサーマルインクジェット技術であるが、必ずし
もこれに限らない)を用いて印刷画像を効率的に生成す
るには、この目標を効率よく達成できるインク受容印刷
媒体材料を採用しなければならない。理想的には、効率
を最大限にするために、印刷媒体材料は、限定するもの
ではないが、以下の諸特長を含む多数の利点と恩恵を実
現できなければならない。 (1)高水準の耐光性。この場合「耐光性」は、本明細
書においては一般的に、印刷媒体製品がその上に付与さ
れた画像を自然光又は人工光の存在下で長期にわたり実
質的な退色、ボケ、歪曲等の無い安定な形で保持できる
能力を意味するものと定義される。 (2)印刷完了直後に物体等との物理的な接触に起因し
て汚れ(スマッジ)や画像劣化が生ずるのを防ぐため
の、迅速な乾燥時間。 (3)色のブリード(即ち、多色インクの成分間で相互
に望ましくない移動が生ずる現象)及びこれに関連する
問題点によって引き起こされる画像の歪曲を防止する仕
方での、インク材料の迅速且つ完全な吸収。 (4)高い耐湿性。この場合「耐湿性」は一般的に、画
像が水分、湿気等と接触して置かれた時に退色、浸みだ
し、歪曲等が殆ど生じないか全く無い状態の、安定な画
像を作り出すことのできる印刷媒体製品の能力を意味す
るものと定義される(「耐水性」と実質的に等価なもの
としても知られている)。 (5)明確で輪郭が明瞭な「切れの良い」画像の生成。 (6)実質的に「擦り汚れ(スミア)耐性」である印刷
製品を作り出す能力。この用語は一般的に、擦られた
時、或いは使用中の印刷装置の部品や印刷オペレータの
手指等の様々な対象物と物理的に係合した時に、汚れ、
ボケ等を呈しない画像の生成を包含するものと定義され
る。 (7)「インク凝集」として知られている望ましくない
状態の制御。これは本明細書においては、印刷媒体に適
用された湿ったインク液滴が、液滴間に未印刷(例え
ば、空き)スペースを残さないよう効率よく拡がること
ができず、主として画像の「粒状性」の増大として示さ
れる、著しい画像劣化の問題を引き起こす現象を含むも
のと定義される。 (8)所望の光沢レベルを有する印刷画像を生成する能
力。この場合に最終製品は、専門的で審美的に満足でき
る印刷媒体シートを得ることができるよう、画像全体に
わたって均一な光沢レベルを有することによって特徴付
けられる。 (9)完成した媒体製品の表面特性全体に関して、大規
模生産に際して高レベルの一貫性を保持する能力。 (10)対象となる印刷媒体製品を家庭及び業務用市場
に大量に採用することができる、材料の低コスト性。 (11)全体的な融通性をより大きくする、広範囲のイ
ンク調合物との化学的適合性。 (12)長期間にわたり優れた水準を示す画像の安定性
及び保持性。 (13)製造、材料含量、及び層数(必要とされる層は
できるだけ少ないのが好ましい)の観点からの、最小限
の複雑性。これによって製造コストが低減され、製品の
信頼性がより大きくなる。 (14)製造に際して、製造工程の僅かな調整のみを通
じて迅速で効率的な仕方で達成し得る、高水準の光沢制
御性。「光沢制御性」という用語は、本明細書において
は一般的に、製造に際して、所望ならば写真品質画像、
必要ならば半光沢特性、又はその他の光沢パラメータを
もった画像の生成のための、高い光沢水準を有する印刷
媒体製品を生成する能力を意味するものと定義される。
特にその製造工程は、処理段階及び材料に大きな調整を
必要とせずに様々な異なった光沢特性を達成するため
に、高度に制御できなければならない。
【0003】
【特許文献1】米国特許第5880196号明細書
【0004】
【特許文献2】米国特許第5312863号明細書
【0005】
【特許文献3】特開平10−181189号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】同様に、多数の具体的
な利点の組み合わせによって特徴付けられる、ハッキリ
とした、明確で、正確な画像を取得し、保持できる印刷
媒体材料(即ち、インク受容シート又は構造)に対する
必要性が存在している。こうした利点には、限定するも
のではないが、上に挙げた項目(1)〜(14)を、実
質的に自動的に、個別的且つ同時に取得することが含ま
れる(これらの目標を同時に達成することが特に重要で
あり、新規である)。これらの目標の達成は、次の特定
項目に関して特に重要である。即ち高水準の耐湿性、優
れた耐光性、過度の「粒状性」(即ち、印刷製品におけ
る大きな「粒状」要素の思わしくない現出)を防ぐのに
効果的なレベルのインク凝集制御、及びハッキリとし
た、耐久性のある、汚れ(スミア)耐性の、明確な印刷
画像の生成である。
【0007】
【課題を解決するための手段】以下の議論は、簡単で限
定的でない、一般的な概説を構成する。特定の実施態様
及びその他の重要な諸特長(好ましい構造材料、化学的
成分、量などの記述を含む)に関するより明確な詳細
は、後述の発明の実施の形態の欄においてもう一度記載
される。
【0008】本発明の開示による好ましい印刷媒体製品
を製造するために、最初に基材を準備する。その基材に
支持されるのは、少なくとも1つのインク受容層(ここ
では、その製造段階において「コーティング調合物」と
しても記載される)であり、そのインク受容層は複数の
バインダーから作られる。その複数のバインダー(ここ
では「バインダー混合物」としても記載される)は、好
ましい実施態様においては、ゼラチンからなる第1のバ
インダーと、ポリ(ビニルアルコール−エチレンオキシ
ド)コポリマーからなる第2のバインダーと、ポリ(ス
チレン)−(n−アクリル酸ブチル)−(メタクリル酸
メチル)−(2−(t−ブチルアミノ)メタクリル酸エ
チル)コポリマーからなる第3のバインダーとを包含す
る。
【0009】第1のバインダー、第2のバインダー、及
び第3のバインダーとは異なるところの、少なくとも1
つの追加のバインダーを、任意選択的に、前出の複数の
バインダー組成物中に用いてもよい。同様に、上述のバ
インダーブレンド(任意の追加バインダーを含むか又は
含まないもの)を、限定するものではないが、少なくと
も1つの顔料などの、1つ又はより多くの成分と組み合
わせてもよい。1つ又はより多くの顔料の採用は、任意
選択的と考えられ、以下にかなり詳しく概説するような
広範囲の各種材料を包含することができる。
【0010】同様に、特許請求されたインク受容層は、
印刷媒体製品における基材によって支持された単独の材
料層として用いてもよく、又は限定無しで、その上側又
はその下側の1つ又はより多くの追加材料層との組み合
わせで用いることもできる。例えば、少なくとも1つの
補助材料層を「中間」又は「中央」構造として、基材と
インク受容層の間に配置させることができる。限定する
ものではないが、顔料、バインダー、それの混合物、及
び後述するようなその他の「補助的」成分などの、広範
囲の各種組成物を含むことができる追加材料層を包含す
ることについては、何らの限定又は制限も存在しない。
【0011】上述の基材が先ず調製されることからな
る、印刷媒体製品を製造するための種々の方法も、発明
の実施の形態の欄において概説される。上に議論したイ
ンク受容層は、その上に(例えば、基材の上方にこれを
覆って)形成される。任意選択的なの方法段階として
は、インク受容層の上側又は下側に、少なくとも1つ又
はより多くの追加材料層を設けることがある。例えば前
述したように、少なくとも1つの追加材料層を「中間」
又は「中央」構造として基材とインク受容層の間に形成
してもよい。
【0012】繰り返すが、前出の議論は、如何なる観点
においても本発明を限定するものではなく、特許請求さ
れた印刷媒体製品との関連で、採用される一定の材料、
構造、及び方法の単なる一般的概説を表すものである。
【0013】本明細書に添付する図面は、描写的な略図
であり、必ずしも縮尺通りではない。これらは、何れの
観点においても本発明の範囲を制限するものではない。
図面から図面へ持ち越されている参照番号は、対象とな
る図面において共通する内容を構成する。同様に、図示
されたハッチングは、例示を目的として示されただけで
あり、本発明を特定の何れの構成材料にも限定するもの
ではない。加えて、示された要素の数、構成部品、層、
層形成配置、層形成順序、及びその他の構造的特徴の表
示は、ただ単に代表例と考えられるべきであり、別途明
示されない限り、如何なる観点においても本発明を制限
するものではない。
【0014】
【発明の実施の形態】従来の構造に優る多数の利点及び
効果をもたらす新規で有用な印刷媒体製品(ここでは
「印刷媒体シート」、「インク受容シート」、「インク
受容基材」、「インク受容部材」等しても記述される)
を以下に詳細に記述する。これらの効果及び利点には、
限定又は制約無しに、上記した項目(1)〜(14)の
同時的な達成が含まれる。しかし中でも特に、(A)高
水準の耐湿性(「耐水性」としても記載される)、
(B)優れた耐光性、(C)迅速な乾燥時間、(D)前
述したように過度の「粒状性」を防ぐ高度のインク凝集
制御、(E)均一で一貫した仕方で光沢パラメータ等を
含む印刷媒体製品の表面特性を精密に制御する能力、及
び(F)最小限の材料と層を使って、ハッキリとした、
耐久性のある、汚れ(スミア)耐性の、明確な印刷画像
を生成することが参照される。この点について、特許請
求された印刷媒体製品は全体として、画像生成の分野に
おける顕著な進展を表す。留意すべきは、本明細書にお
いて議論する任意の特定的な利点についての記述は、限
定と考えられるべきではなく、典型例に過ぎないという
ことである。特許請求された製品、方法、及び材料に関
連したその他の利点も同様に得られ、適用することがで
きる。
【0015】予備的な情報として、対象となる印刷媒体
製品は、別途本明細書において明白に指定されない限
り、いかなる特定種類の構成部品、寸法、材料選択、印
刷媒体材料/構造の配置、化学的組成、積層順序、層
数、層の向き、厚みの値、多孔性パラメータ、材料量、
及びその他の関連要因のどれにも制限されない。例えば
理解すべきは、以下に概説する所望の特定の成分の組み
合わせを含んでいる1つ又は複数の新規なインク受容層
は、本発明の媒体シートとの関連で用いてよいというこ
とである。この点に関して、現在の開示に関連する印刷
媒体製品は、選択された成分処方を含んでいる少なくと
も1つの層が使用されるならば、当該層の数に関してど
のような制限もされるべきではない。同様に、媒体シー
ト(単数又は複数)の上側又は内部におけるインク受容
層(単数又は複数)の配置は随意変更してよく、また関
心事である特許請求された層(単数又は複数)の上側又
は下側に配置される1つ又はより多くの他の材料層と組
み合わせて採用してもよい。それ故強調されるべきは、
ここで考慮している印刷媒体製品は、対象となる層(単
数又は複数)がその上側又は内部において、選択される
印刷システムによって適用されるインク組成物の少なく
とも一部を受容し得るものであるならば、当該層(単数
又は複数)が何処にあるかとは関係なしに、対象となる
インク受容層(単数又は複数)(即ち本明細書において
特定される特別な成分の組み合わせを採用するもの)を
カバーするということである。従って、特許請求された
主題は、その最も広義において、所望の成分の組み合わ
せからなる少なくとも1つのインク受容層を(位置には
関係なく)用い、適用されるインク材料の少なくとも幾
らかをこの層が受容するようにした印刷媒体製品(及び
その製造方法)をカバーするものと解釈されるべきであ
る。以下に概説される新規で独特の技術を用いることに
よって、本明細書の議論を通じて説明する、所望の諸特
性を有する印刷画像を生成させることができる。
【0016】さらに、本明細書の議論を通じて用いられ
る技術用語は全て、本明細書において特定の定義が与え
られない限り、本発明が属する技術分野の当業者によっ
て与えられた、在来の意味に従って解釈されるべきであ
る。本章及び以下に示すその他の章において与えられる
数値は、最適な結果をもたらすことを意図した好ましい
実施態様を構成するものであり、何れの観点においても
本発明を限定するものではない。特に理解すべきは、本
明細書で議論され全ての図面に(関連する特殊な構造材
料と共に)示された特定の実施態様は、元来非限定のも
のとはいえ、優れた結果を提供でき高度に特異性のあ
る、特許請求された印刷媒体製品の特定の態様を構成す
るということである。以下の議論において説明される化
学処方及び構造についての全ての記述は、使用可能な材
料の種類を一般的に記述する。以下に提示される一般式
及び分類に属する特殊な化学的組成物についての記述
は、例示目的のためだけに提供されるものであって、別
途明瞭に指定されない限り、非限定と考えられるべきで
ある。
【0017】特許請求された発明及びその新規な開発結
果は、特に前述したようにサーマルインクジェット技術
を採用しているシステムに関連して、広範囲の印刷シス
テムに適用することができる。同様に、ここに議論され
た印刷媒体シートとの関連で、多数の各種インク材料を
限定無しに用いることができる。その場合に「インク材
料」という用語は、限定無しに、染料、顔料、液体又は
固体トナー、粉末、ワックス、分散剤、及びその他の着
色剤を含有している組成物を網羅するものと定義され
る。さらにこれらの材料(例えば着色剤)は、有色の
(例えば着色された)又は無色の(白/黒)材料を両方
とも包含する。この点に関し、特許請求された印刷媒体
製品は、如何なる態様においても「インク特異的(依存
性)」又は「印刷方法特異的(依存性)」と考えられる
べきではない。
【0018】また理解すべきは、本発明は、以下のよう
に別途指定されない限り、任意の特定の製造技術(任意
の材料堆積手順、層形成配置、製造工程等を含む)に限
定されないということである。例えば、本明細書の議論
を通じて用いられまた特許請求の範囲で用いられるよう
な、「形成」、「適用」、「配送」、「配置」、「位置
決め」、「作動的取着」、「作動的接続」、「変換」、
「装着」、「層形成」といった用語、及びそれらの文法
的変形は、限定無しに、ロールコーティング、噴霧コー
ティング、浸漬コーティング、流延(キャスト)コーテ
ィング、スロットダイコーティング、カーテンコーティ
ング、ロッドコーティング、ブレードコーティング、ロ
ーラ適用、手動又は自動浸漬、ブラシコーティング、及
びその他の関連生産方法を含む、任意の適当な製造手順
を広く包含する。この点について本発明は、本明細書で
別途指定されない限り、「製造方法特異的(依存性)」
と考えられるべきではない。任意の具体的な製造技術、
層堆積方法、ある段階で適用される層数、層の向き、層
の厚み等の記述は、例示目的でのみ記述されている。
【0019】同様に、本明細書に用いられ特許請求の範
囲で用いられている「作動的接続」、「作動的取着」、
「作動的接続で」、「作動的取着で」、「作動的に取着
された」、「作動的に位置決めされた」、「上側に配置
された」、「上側に位置決めされた」、「上方に配置さ
れた」、「上方に位置決めされた」、「上側に層形成さ
れた」、「上方を覆って位置決めされた」、「上方を覆
って配置された」、「上方を覆って適用された」、「上
方を覆って形成された」、「下側に形成された」、「に
よって支持された」等の用語は、多岐に渡る多様な層形
成配置及び製造技術を包含するものとして、広義に解釈
されるべきことが理解されねばならない。これらの配置
及び技術は、限定するものではないが、(1)間に介在
する材料層なしで行われる1つの材料層の他の材料層へ
の直接取着、及び(2)間に介在する1つ又はより多く
の材料層を使って行われる1つの材料層の他の材料層へ
の取着を包含する。後者の場合に、他の層「によって支
持され」、「に取着され」、「に接続され」、又は「の
上方を覆って位置決めされ」た1つの層は、(間にある
1つ又はより多くの追加的材料層の存在とは無関係に)
ともかくも他の層によって「支持されて」いる。「直接
取着」、「上側に直接取着された」、「直接取着され
た」、「上側に直接位置決めされた」、「上側に直接配
置された」、「直接固定された」等の語句は、与えられ
た任意の層が、間に介在する材料層なしで、他の材料層
に固定されている状態を意味する。1つの材料層が他の
層の「上方」か、「覆って」いるか、「上方を覆って位
置決めされる」か、又は「最も上」にあるかを示す、本
明細書に用いられた記述はどれも、問題の他の層の「上
方」か、「覆って」あるか、「上方を覆って位置決めさ
れる」か、又は「最も上」にある特定の層が、外部環境
に対して、これら2つの層の中で最も外側にある状態を
意味する。逆の状態も、「下」、「下方」、「下方」、
「底面上」等の用語の使用に関して適用することができ
る。上に記述した描写は(特に「上側に位置決めされた
又は上方を覆って位置決めされた」に関して)、考慮さ
れる印刷媒体材料の向きを問わず有効であり、例えば、
対象となるインク受容層が問題とされる基材のいずれの
面に配置される状態をも包含する。繰り返しになるが、
本発明において、特許請求されたインク受容層(単数又
は複数)は、選択された印刷システムによって配送され
るインク材料の少なくとも幾らかが前述の層(単数又は
複数)と接触でき、続いてその内部及び/又は上部にイ
ンク材料が受容されるのであれば、印刷媒体シートの上
部又は内部の任意の位置に配置させることができる。従
って、本発明(及び以下に議論される好ましい実施態
様)に関連した図面の幾つか又は全てにおいて、特許請
求したインク受容層(単数又は複数)が、上側に他の層
がない状態で外部環境に露出された、最上層/最外側構
造として媒体シートの最上部に示されているとしても、
特許請求された発明は、単に例示のみを目的として与え
られているこの構成に限定されるものではない。この点
については、上に与えられた説明に従い、1つ又はより
多くの他の材料層を対象となるインク受容層の上方又は
下方に配置することができる。
【0020】追加的な情報として、特許請求された構造
中の任意の層に適用される「最上部」、「最上層」、及
び「最外側」といった用語は、やはり、外部環境に露出
されている他の層が上側に無く、問題となる印刷媒体製
品の最も上にある層を包含するものと解釈すべきであ
る。そのような層がプリンタユニットから配送されるイ
ンク成分に対面するとき、上側には他の層が無く、その
層は通常、入ってくるインク材料を受容する媒体製品の
最初の構成部品となる。同様に、考慮される基材の「上
方を覆って」(又は他の何らかの語句による等価な状態
で)配置されている任意の層に関する、本明細書及び/
又は特許請求の範囲における表示はすべて、存在する介
在層無しで直接的に、又は間に1つ又はより多くの層を
介して、問題の層が基材を覆って(例えば最上部に)位
置決めされている状態を意味する。換言すれば、任意の
層に適用される前出の語句(例えば、「上方を覆って」
やこれに等価な語句)は、基材と問題の層の間に任意の
介在層が配置されていようとなかろうと、この層がとも
かく基材の上側にある状態を包含するものと解釈すべき
である。
【0021】さらに、インク受容層(単数又は複数)
(又はここに説明された他の層)が、(以下に概説する
ようにコーティングされていようとなかろうと)考慮さ
れる基材によってともかく「支持されている」という表
現はどれも、問題の層(単数又は複数)が基材上にあっ
て、先に定義されたようにそこに直接取着されるか、又
は間に1つ又はより多くの層を介して間接的に取着され
る状態を意味する。そのような状態では、問題の層(単
数又は複数)は、その間に任意の介在層があろうと無か
ろうと、構造上の支持を基材に頼ることになる。
【0022】特許請求の範囲、課題を解決するための手
段、発明の実施の形態の章を通して単数形で表現された
構造、層、材料、及び構成部品についての全ての記述は
何れも、本明細書で明瞭に指定されない限り、当該項目
の複数形をも包含するものと解釈されるべきである。同
様に、「少なくとも1つの」という語句は、上記項目の
「1つ又はより多く」を意味するものとして、在来の形
で解釈されるべきであり、また「少なくとも約」という
用語は、言及された数値(単数又は複数)について、そ
れを越えるものを包含するものとして定義される。ここ
に記述される任意の数的用語又は範囲と関連した単語
「約」の使用は、記載される数値やパラメータ(単数又
は複数)の上下に少なくとも幾らかの幅を持たせるもの
と解釈すべきであり、その大きさは、この用語に関連し
た現行の適用可能な法的判断に従って解釈される。
【0023】先に示したように、その上にインク材料を
受容し、ハッキリした、安定な、耐水性の、明瞭な印刷
画像を生成できるよう設計された、極めて有効で多用途
の印刷媒体材料が提供される。こうした媒体材料は、繰
り返すと、均一な表面/光沢特性、所望の程度のインク
凝集制御(「非粒状性」)、及び先に定義したような耐
湿性及び耐光性の観点からみて高水準の画像安定性によ
って特徴付けられる。サーマルインクジェット技術を組
み入れている装置の使用が好ましいが、特許請求された
印刷媒体製品上に対象の印刷画像を生成するのには、多
くの様々なインク配送システムを制限無しに用いること
ができる。サーマルインクジェット技術を用いる印刷ユ
ニットは基本的に、基体と流体連通している少なくとも
1つのインク貯留チャンバーを含む装置を包含し、この
基体(好ましくはケイ素(Si)及び/又は他の同等材
料から作られる)はその上に複数の薄膜加熱抵抗を具備
している。この基体と抵抗は、慣習的に「プリントヘッ
ド」と呼ばれる構造体の内部に保持される。抵抗の選択
的付勢によって、貯留チャンバーの内部に蓄えられたイ
ンク材料の熱的励起とプリントヘッドからの放出が引き
起こされる。「オンボード(軸上)」と「オフアクシス
(軸外)」の両方式(何れも特許請求の印刷媒体製品に
適用可能)の代表的なサーマルインクジェットシステム
は、例えば米国特許第4771295号、第52785
84号、及び第5975686号に議論されている。
【0024】さらに、本章に概説された印刷媒体製品
は、主としてサーマルインクジェット技術を参照して議
論されるが、それらは、限定するものではないが、米国
特許第4329698号で議論された各種の圧電式ドロ
ップ装置及び米国特許第4749291号に記載された
方式のドットマトリックスユニット、並びに1つ又はよ
り多くのインク配送部品/アセンブリを使用してインク
を送るように設計されたその他の同等の各種のシステム
を含む、異なるインク配送システム及び方法と連携して
用いてもよいことが理解されるべきである。この点に関
して、特許請求された印刷媒体製品及び方法は、「印刷
方法特異的(依存性)」と考えられるべきではない。そ
の他の情報として、本発明の印刷媒体製品との併用に適
した好例のプリンタユニットとしては、限定するもので
はないが、米国カリフォルニア州パロアルトのヒューレ
ット・パッカード社から市販されている製品名「DES
KJET(登録商標)」400C、500C、540
C、660C、693C、820C、850C、870
C、895CSE、970CSE、990CXI、12
00C、及び1600C、並びにヒューレット・パッカ
ード社から商標「DESIGNJET(登録商標)」
(5000シリーズ)を付して販売されているシステム
等が含まれる。さらに、特許請求された発明(即ち、新
規な印刷媒体製品とそれに関連した製造方法)は、「イ
ンク特異的(依存性)」ではなく、制限無しに、広範囲
のインク、染料、顔料、液体及び固体トナー組成物、昇
華染料、着色剤、染色剤、ワックス等と共に用いること
ができる。例えば、本発明の印刷媒体材料と共に使用で
きる代表的なインク組成物には、限定するものではない
が、米国特許第4963189号及び第5185034
号(両方ともここでの参照によって全体を本明細書に組
み入れる)において議論されているものが含まれる。但
しこれらの特許には、本発明の印刷媒体製品と併用でき
るインク組成物及び着色剤調合のほんの一部しか示され
ていない。
【0025】さて、本発明の印刷媒体製品についての詳
細な議論を以下に提示するが、以下に説明されるデータ
は本来的に典型例と考えるべきものであり、本発明は本
明細書に記載の特許請求の範囲によって定義されてい
る。また理解すべきは、「好ましい」と認識されている
特定の材料及び実施態様の記述は、最適で予期せぬ有用
な効果をもたらす新規な知見を構成するということであ
る。さらに、上記の従来の技術及び課題を解決するため
の手段の章で詳説された定義、用語、及びその他の情報
の全ては、以下の実施の形態にも同様に適用される。
【0026】図1及び図2によれば、画像受容シートと
して用いるための、完成した形の好ましい印刷媒体製品
が、参照番号10で概略的に示されている。印刷媒体製
品10に関連した方法、材料、処理段階、及びその他の
データを以下で議論するが、それらは優れた結果を生ず
ることを意図した代表的で非限定的の好ましい実施態様
を構成する。図1〜2に示されているように、基材12
(「支持構造」、「支持体」、又は「ベース部材」とし
ても知られており、これらの用語は全て構造的及び機能
的観点から等価と考えられる)が最初に準備される。印
刷媒体製品10に関連したその他の層及び材料は、この
構造上に設けられ且つそれによって支持される。基材1
2は最適には、上側表面14(ここでは「第1の面」又
は「上面」とも呼ばれる)と下側表面16(ここでは
「第2の面」又は「底面」とも呼ばれる)を含み、これ
らの表面/側14、16は両方とも、図2の代表的実施
例において、実質的に平坦で一様な表面組織(テクスチ
ャ)を有する可撓性シートの形で製造される。同様に基
材12は、必要性及び所望されるところに応じて、透
明、半透明、又は不透明な特性のロール、ウェブ、スト
リップ、フィルム、又はシートの形で構成してもよい。
【0027】印刷媒体製品10の好ましい態様(最適に
は、基材12としてシート状のセルロース系(例えばセ
ルロースを含有する)の紙の使用を包含する)において
は、基材12は約0.025〜0.25mm(最適値=
0.05〜0.20mm)の均一な厚み「T」(図2)
をその全長にわたって有するが、この数値は例示的且つ
非限定のものである。これらの範囲はまた、本明細書で
議論する他の基材材料の全てに適用可能である。紙の他
に、基材12に関して採用し得る他の構造材料には、限
定するものではないが、厚紙、木材、布、不織布、フェ
ルト、合成(例えば非セルロース)紙、セラミック組成
物(最適には無釉のもの)、ガラス又はガラス含有製
品、金属(完成した印刷媒体製品10が意図する用途に
よって決定される、例えば、アルミニウム、銀、スズ、
銅、それらの組み合わせ等から作られた、例えば箔の形
のもの)、及び前述の材料の複合物/混合物がある。同
様に、基材12を形成するについても、限定無しで、ポ
リエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート樹脂、ポリテトラフルオロエチレ
ン(「Teflon(登録商標)」としても知られてい
る)、ポリイミド、ポリプロピレン、酢酸セルロース、
ポリ塩化ビニル、及びそれらの混合物から作られたもの
を含む、種々の有機高分子組成物を用いてもよい。
【0028】しかし前述のように、本発明は特定の用紙
の種類のどれにも限定されるものではないが、基材12
に関しては、商業的に入手可能な紙材料が好ましい。最
適な結果(高度の強度、撓み性、経済性、及び耐久性を
含む)をもたらすことを意図した、例示的で非限定的な
実施態様においては、セルロース系紙材料を用いること
ができ、その場合にその上側及び下側表面(例えば、第
1及び第2の面)14、16の少なくとも1つ(好まし
くは印刷媒体製品10の種々の層の側にある上側表面1
4、又は表面14、16の双方)は、実質的に非多孔
性、非吸収性、インク不透過性の選択されたコーティン
グ材料又は調合物で被覆される。図2に概略的に図示し
た代表的実施態様においては、コーティング層20は、
基材12(例えば前述のように紙から作られた)の上側
及び下側表面14、16の上に形成されている。コーテ
ィング層20は最適には、約1〜40μm(最適値=1
〜20μm)の均一な厚み「T1」(図2)を有する。
この値は、本明細書において説明されるコーティング材
料の全てに適用可能であるが、必要とされるところに従
い、所望に応じ変更される。コーティング層20は、限
定無しに多数の組成物から製造してよく、そのような組
成物(及びコーティング層20の使用一般)は、配送さ
れるインクの種類、印刷媒体製品が使用される印刷シス
テム等を含む多数の因子に従って選択される。非多孔
性、非インク吸収性のコーティング層が望ましい場合に
は、この目的に適した代表的な材料はポリエチレンを包
含するが、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート樹脂、ポリテトラフルオロエチレ
ン(「Teflon(登録商標)」としても知られてい
る)、ポリイミド、ポリプロピレン、酢酸セルロース、
ポリ塩化ビニル、及びそれらの混合物のような種々の有
機高分子を含むその他の組成物も、この目標達成に採用
することができる。
【0029】或いはまたコーティング層20は、(それ
が基材12の表面14、16のどちら側又は両側に配置
されるかと無関係に)より吸収性の材料層を形成するた
めに、他の広範囲の成分を含んでもよい。そうした広範
囲の成分には、限定するものではないが、1つ又はより
多くの顔料、バインダー、充填剤、及びその他の「補助
成分」、即ち消泡剤組成物(例えば界面活性剤)、殺生
物剤、硬化剤、UV/光安定剤、緩衝剤、滑剤、pH調
節化合物、防腐剤(例えば酸化防止剤)、乳酸等が含ま
れる。そうしたコーティング層20に関連して主たる関
心事となるのは、少なくとも1つ又はそれ以上のバイン
ダーと組み合わせて少なくとも1つ又はそれ以上の顔料
組成物を使用することである。本発明は、この種のコー
ティング層20に関して、特定の組成物のどれにも限定
されるものではない。この点に関し、多くの異なる材
料、材料量、及び調合が可能である。コーティング層2
0と共に用いてよい例示的な顔料(顔料が望ましい場合
に)には、限定するものではないが、ベーマイト、疑似
ベーマイト、シリカ(沈殿法、コロイド、ゲル、ゾル、
及び/又はフュームドシリカ)、カチオン変性シリカ
(例えば、例示的で非限定の実施態様で用いられるアル
ミナ処理シリカ)、カチオン高分子バインダー処理シリ
カ、酸化マグネシウム、ポリエチレンビーズ、ポリスチ
レンビーズ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、クレイ、二酸化チタン、セッコウ、それらの
混合物等が含まれる。同様に、上に挙げた顔料組成物又
は他の少なくとも幾つかは、以下により詳しく説明する
本発明の主たるインク受容層の内部に用いてもよい。
【0030】コーティング層20における1つ又はより
多くの顔料組成物の使用に関連した典型的で非限定的な
量の値は、約20〜90重量%(最適値=約40〜70
重量%)であり、これらの数値パラメータは、必要性や
所望に応じて変更される。同様に、上に挙げた値は、単
一の顔料が用いられる場合でも多数の顔料が前述のよう
に組み合わせで使用される場合でも、使用される顔料組
成物(単数又は複数)の全量(例えば集合的な量)を意
味する。
【0031】コーティング層20における1つ又はより
多くのバインダー材料の使用に関して、当該材料組成物
は(限定無しに)、ポリビニルアルコールとその誘導体
(例えばカルボキシル化ポリビニルアルコール、スルホ
ン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニ
ルアルコール、及びそれらの混合物)、デンプン、SB
Rラテックス、ゼラチン、アルギン酸塩、カルボキシセ
ルロース材料、ポリアクリル酸とその誘導体、ポリビニ
ルピロリドン、カゼイン、ポリエチレングリコール、ポ
リウレタン(例えば変性ポリウレタン樹脂分散物)、ポ
リアミド樹脂(例えばエピクロロヒドリン含有ポリアミ
ド)、ポリ(ビニルピロリドン−酢酸ビニル)コポリマ
ー、ポリ(酢酸ビニル−エチレン)コポリマー、ポリ
(ビニルアルコール−エチレンオキシド)コポリマー、
それらの混合物等を制限無しに包含する。この点に関
し、コーティング層20は、ある任意のバインダーに限
定されるものではなく、多くの異なった種類のものでも
構わない。上に挙げたバインダー組成物又はその他の少
なくとも幾つかは、以下により詳しく説明する本発明の
主たるインク受容層の内部に用いてもよい。
【0032】コーティング層20における1つ又はより
多くのバインダー材料の使用に関連した代表的で非限定
的な量の値は、約10〜80重量%(最適値=約10〜
40重量%)であり、これらの数値パラメータは、必要
とされるところに従い所望に応じて変更される。これら
の値はこの場合にも、単一のバインダーが用いられる場
合でも多数のバインダーが前述のように組み合わせで使
用される場合でも、使用されるバインダー(単数又は複
数)の全量(例えば集合的な量)を意味する。上に挙げ
た他の成分(即ち「補助成分」)のどれかをコーティン
グ層20のこの特定の実施態様に用いる場合(そのよう
な補助成分の使用は「任意選択的」と考えられる)、そ
の量は必要に応じ所望に従って変更してもよい。この点
に関し、本発明は、コーティング層20に関連した特定
の数値のどれにも限定されるものではなく、その層20
におけるバインダー及び/又は顔料(もし使用するな
ら)の量は、加えてもよい任意の補助成分の量に比例し
て減じられる。
【0033】基材12の表面14、16の何れか又は両
方の上にコーティング層20を使用することで、最終的
な印刷媒体製品10に付加的な強度と画像の明瞭さ(又
は採用される成分に応じた他の利点)を付与できるとは
いえ、所望ならば、やはり常套的な予備試験によって判
断されるところに従い、基材12の表面14、16の何
れか又は両面で、コーティング層20を全体的に排除し
てもよい。本発明の印刷媒体製品は一般に、任意の種類
のコーティング層20又はその使用に制限されるもので
はない。
【0034】本発明の目的に関して、もし被覆された基
材12が上述のようにして用いられるならば、コーティ
ング層20は基材12の一部と解釈し定義されるべきで
あり、基材12に関連した代表的な厚み値「T」は、こ
れに関連して適切に調整されることになる。こうした特
徴付けは適切なものであるが、それは、本明細書に記述
するものを含めて、被覆された紙材料が種々の用紙供給
業者又は製造業者によって予備製造された形で従来から
入手可能だからである。例えば例示目的で挙げれば、両
方の表面/側14、16上をポリエチレンから作られた
コーティング層20で覆われた代表的な紙基材12が、
米国ニューヨーク州プラスキのFelix Schoe
ller Technical Paper,Inc.
から完全な形で市販されている。同様に、両方の表面/
側14、16上を少なくとも1つの顔料組成物と少なく
とも1つのバインダーとの特定のブレンドから構成され
たコーティング層20で被覆されている例示的な紙基材
12が、米国ニューヨーク州ニューヨークのWestv
aco Corporationから市販されている。
【0035】引き続き図1及び図2を参照して説明する
と、好ましくはインク受容層30が基材12の上側表面
14上のコーティング層20に適用されて(例えば作用
的に(即ち作用可能なように)取着又は固定されて)、
インク受容層30が図示したように基材12の上側に
(上方を覆って)配置されるようにする。このようにし
てインク受容層30は基材12によって支持されるが、
ここでの用語「支持される」は先に定義した如きであ
る。コーティング層20が基材12上に用いられなかっ
た場合、図2の実施態様におけるインク受容層30は、
単純に上側表面14上に配置される。図2の実施態様に
おけるインク受容層30は、先に定義ところに従い、印
刷媒体製品10に関連した「上部」、「最上層」、又は
「最外側」の材料層として使用されるように設計され構
成される。同様に、本実施態様において、インク受容層
30は最適には(但し必ずではないが)、基材12のコ
ーティング層20/上側表面14に対する直接取着に向
くよう構成される。上に注記したように、用語「直接取
着」は、最終の印刷媒体製品10において採用される材
料層の数を最小にするために、間に介在する材料層を何
ら使わないで基材12のコーティング層20/上側表面
14に対してインク受容層30を付着させることを意味
するものと定義される。しかし理解すべきは、必要とさ
れるところに従い所望に応じて、常套的な予備試験によ
って判断されるところに従い、インク受容層30と基材
12(被覆の有無に拘わらず)の間に1つ又はより多く
の介在材料層を使用できるということである。これらの
介在材料層は、図3の実施態様に関連して以下により詳
しく概説するように、限定無しに広範囲の様々な組成物
から作ることができる。
【0036】さらに理解すべきは、インク受容層30は
この場合にも、基材12(コーティング層20による被
覆の有無に拘わらず)によって「支持される」ものとし
て表現されるということである。この表現は、基材12
が構造的成分として用いられ、その上にインク受容層3
0を配置できる(基材12上に直接的に、又はそれに作
用的に取着されたか又は関連付けられたコーティング層
20や図3及び図4の製品について後述する他の層など
の任意の層上に)という事実を強調する。
【0037】本明細書に記載され図面(図1〜4)のそ
れぞれに示された実施態様の全ては基本的に「片面」で
あって、インク受容層30及びその下方又は上方の任意
の層(単数又は複数)は、基材12の一方の側にだけ配
置されている(例えばコーティング層20/上側表面1
4)。しかし、本発明の範囲内に包含される他の印刷媒
体製品は、必要とされるところに従い所望に応じて制限
無しに、基材12(被覆の有無を問わず)のいずれの側
又は両方の側にかかる層を配置してもよい。この情報を
考慮すれば、ここに議論される層形成配置を記述する際
の「基材上」、「基材の上側(上方を覆って)」、「基
材に作用的に取着した」、「基材によって支持され
た」、「基材に固定された」等は、「片面」及び「両
面」媒体シートの両方を包含することになる。この用語
は特に、問題の層が基材12のどちらかの又は両方の面
上に配置される状態を包含する。しかし、ここに議論し
たようにコーティング層20を含む基材12が用いられ
る場合、インク受容層30とその下方又は上方の任意の
層(単数又は複数)は、最適には(必ずではないが)、
層20、30内に用いられる材料とは無関係に、層20
で被覆されている基材12の片面又は両面上に配置され
る。
【0038】機能的な観点からは、インク受容層30
は、印刷媒体製品10と関連して高度の「容量」(例え
ばインク保持能力)をもたらすように設計され、印刷さ
れて画像を有する印刷媒体製品10の迅速な乾燥を促進
し、上に定義したように耐湿性及び耐光性が高い画像を
生成し、優れた度合いのインク凝集制御を実現し(完成
された画像の過度の「粒状性」を防ぐ)、そして所望の
光沢度を有する(好ましくは「光沢」又は「半光沢」の
性質をもつ)平滑/平坦表面を備えた印刷媒体製品10
を作り出す。さらにインク受容層30は、制限無しに広
範囲のインク、顔料、分散染料、昇華染料、粉末、液体
及び固体トナー組成物、着色剤、ワックス、及び他の同
様の着色(例えば、有色)又は無色(白黒)組成物等を
用いて、耐湿性で汚れ(スミア)耐性の画像を生成でき
なければならない。
【0039】例示的で非限定的な実施態様において、イ
ンク受容層30はその全長にわたり、典型的には約1〜
50μm(最適値=20〜30μm)の非限定的な均一
な厚み「T2」(図2)を有するが、この範囲は必要に
応じて変更されることがある。材料含量の観点から、こ
の実施態様(後述のように他の実施態様でも可能)にお
いてインク受容層30は、新規且つ有用な仕方で、前述
したものを含めて多数の重要な目標の達成を促進すべく
構成された、幾つかの極めて特殊な成分の組み合わせを
包含する。特に関心事となるのは、ゼラチン(融通性に
富み、経済的で有効なバインダー化合物)を使用しなが
らも、ゼラチンが単独又は主たるバインダーとして使用
された場合にしばしば生ずる過度のインク凝集と画像の
「粒状性」を防ぐという、インク受容層30の性質であ
る。以下にさらに詳しく概説するように、本発明は極め
て特殊なバインダーのブレンドを包含し、ゼラチン(上
述のように多くの有益な属性を有する)の使用を可能に
し、しかも上述の「粒状性」状態を回避する。特に、ゼ
ラチンを注意深く選択された特定の補助バインダー化合
物と組み合わせることによって、ゼラチンの利点を提供
しながらもインク凝集(及びそれに関連した「粒状
性」)を効果的に制御する、特別の新規な「バインダー
系」又は「バインダーブレンド」が生成される。この特
別なバインダー系に関するさらなる情報について、以下
で詳細に議論する。
【0040】前述のように、インク受容層30は複数
(例えば少なくとも1つ又はより多く)のバインダー組
成物(単に「バインダー」とも称する)を用いる。特別
な「バインダーブレンド」(ここでは「バインダー混合
物」、「バインダー組み合わせ」等とも呼ぶ)の使用に
よって、前述したものを含めて、特定の重要な利点が獲
得されることが判明した。また留意すべきは、「バイン
ダー」という用語は、本明細書で用いられるに際して、
一般的に且つ慣習的に、1つ又はより多くの材料を化学
的、物理的、静電的、又はその他によって任意の調合又
は構造中に一体的に保持して、機械的強度、凝集性等を
与える能力をもった組成物を包含するということであ
る。さらに、「コポリマー」という用語は、本明細書で
用いられるに際して、高分子構造/骨格を形成するのに
使用される2つ又はそれ以上の異なった化合物又は単位
から得られる高分子組成物を包含するものと、慣習的に
解釈されるべきである。
【0041】上述したバインダーブレンドに関して、以
下の材料は好ましく、最適であり、また(組み合わせた
状態で)前述の利点(インク凝集の問題の制御、優れた
耐湿性、高度の画像安定性等)を獲得しうることを保証
するものと考えられる。 1.「第1のバインダー組成
物」(又は単に「第1のバインダー」)、ゼラチン。ゼ
ラチンは基本的に、動物の結合組織から誘導される生成
物から構成される。特にそれは、沸騰水及び/又は酸性
材料を使ってこれらの組織を処理することによって得ら
れ、その場合に加水分解反応が起こって最終的なゼラチ
ン生成物が得られる。化学的観点から、ゼラチンは、ア
ミノ酸ヒドロキシプロリン、プロリン、及びグリシンを
含有するタンパク質化合物として特徴付けられる。ゼラ
チン分子はかなり大きく、典型的な分子量は最大で数十
万ダルトン程度である。食品、化粧品、及び薬品産業に
おける多くの用途の他に、ゼラチンは、ここで議論する
種類の印刷媒体製品に用いられるインク受容層の製造に
とって特に有用であることが確認された。特にゼラチン
は、インク材料が選択された印刷媒体製品に配送される
時に特に望ましい、高い液体吸収能によって特徴付けら
れる。印刷媒体シートにおけるその高い吸収能によれ
ば、この特性は結果的に、限定するものではないが、速
い乾燥時間、大規模多色画像を効率的に生成するべく相
当量のインクを保持する能力、カラーブリード(即ち印
刷工程中の多色インク相互間での望ましくない混合)の
回避、並びに画像が光や湿気に曝される際の高水準の安
定性等を含む、多くの利点を生ずる。ゼラチンの液体吸
収能は一般に、ゼラチンが水と接触して置かれると、典
型的には水中で自重の約5〜10倍を吸収できるという
事実によって立証される。インク受容層30におけるゼ
ラチンの使用によってもたらされる他の利点には、限定
するものではないが、画像の永続性の改善、より十分な
耐湿性、及び十分な耐光性などがある。
【0042】従ってゼラチンは、印刷媒体製品のインク
受容層(単数又は複数)として用いられると、多数の重
要な属性を提供する。本発明は、ゼラチンの特定の種
類、等級、又は変形のどれにも制限されるものではな
く、多数の種々のゼラチン組成物又は誘導体が、ここで
の使用に適している。インク受容層30(及び所望なら
以下に述べる追加層のどれか)に使用するのに適した代
表的な好ましいゼラチン材料は、ドイツ国エベルバッハ
のDGF Stoess AGから市販されている組成
物を包含する。この材料はピッグスキンから誘導され、
約8より大きな高い等電点によって特徴付けられるが、
これはインク受容層30に望ましい。なぜなら例えば、
それはインク受容層30とそこへ配送される着色剤との
間の高い相互作用を促進する傾向があるからである。
「等電点」とは一般に、コロイド懸濁液(ゼラチンのよ
うな)が電場をかけられた場合に粒子が動かなくなるp
H値に関するものと定義される。上に挙げた市販製品に
関してはさらに、好ましい粘度及び艶レベル、並びにそ
の他の関連パラメータによって特徴付けられる。しかし
この場合にも留意すべきは、上で議論した市販のゼラチ
ン製品は例示目的としてのみ挙げられたもので、どの点
においても限定と考えられるべきではないということで
ある。
【0043】印刷媒体製品においてゼラチンによっても
たらされる利点にも関わらず、ゼラチンを単独又は主た
る(例えば多数を占める)バインダーとして組み込んで
いるインク受容層は、受け入れられない「粒状性」レベ
ルを有する印刷画像を生ずる、望ましくない高レベルの
インク凝集を示すことがあることも観察された。結果と
して、印刷媒体シート上に生成された画像は、「粗く」
「粒状の」外観をもつことになり、これは特に「写真品
質」の画像が望まれる場合に不利である。この状態は、
ゼラチンが単独又は主たるバインダーとして使用される
ときに生じうる。何故なら例えば、その膨潤性が低温及
び/又は乾燥環境下で実質的に低下して、それがしばし
ば、過度の「粒状性」をもたらすからである。本発明に
よれば、種々の「共バインダー」をゼラチンと共に用い
て独特のバインダーブレンドを生成することによって、
ゼラチンベースのバインダーの使用に関連した利点を保
存しつつ、前述の困難性を実質的に排除できることが見
出された。このバインダーブレンドは、ゼラチンを含有
するのみならず、少なくとも2つの特別に選択された追
加バインダーも含み、これらが上で議論したインク凝集
の問題を有効に制御し、それによって受容できない「粒
状」画像の形成を回避する。これらの追加バインダーに
ついて詳しく考察する。 2.「第2のバインダー組成
物」(又は単に「第2のバインダー」)。ポリ(ビニル
アルコール−エチレンオキシド)コポリマー。インク受
容層30(又は印刷媒体製品10と関連したその他の任
意の層)における第2のバインダーとしてポリ(ビニル
アルコール−エチレンオキシド)コポリマーを使用する
ことに関して、この材料は、次の基本的な化学/高分子
構造を有する。 (1) −(CHCHOH)−(OCHCH
− (式中、代表的で好ましい非限定的な調合において、x
=約1000〜8000、y=約10〜500)。
【0044】留意すべきは、式(1)及び本明細書に記
載する他の式において上に挙げた「x」及び「y」の値
は、例示目的でのみ提示され、非限定で代表的/好まし
い実施態様を構成することである。これらの数字は、常
套的な予備試験に従い、必要とされるところに従い所望
に応じて変更される。ここに挙げた目的のために(即
ち、第2のバインダーとしてインク受容層30又はその
他の層に)採用してもよい例示的なポリ(ビニルアルコ
ール−エチレンオキシド)コポリマーは、例えば日本国
大阪府の日本合成株式会社から製品名「WO−320」
を付して市販されている。
【0045】また留意すべきは、「ポリ(ビニルアルコ
ール−エチレンオキシド)コポリマー」は、実際に2つ
の異なった方法で特徴付けてもよいということである。
関心事となる第1の特徴付けは、式(1)に関連して上
に挙げた構造を包含する。この構造は、ここでは一般的
に「十分加水分解されている」と称されるポリビニルア
ルコール基を含むものであって、これについては次に詳
細に説明する。ポリビニルアルコール(「単独」成分又
は上述したポリ(ビニルアルコール−エチレンオキシ
ド)コポリマーを含む種々の高分子と一体の部分として
使用することができる)の製造は一般に、種々の条件下
での、ポリ(酢酸ビニル)の加水分解を伴う。上述の製
造工程中に、さまざまな程度の「加水分解」が生じうる
が、その場合に所定の条件下では、広範囲の製造及び反
応パラメータに応じて、アセテート残基(−OCOCH
3)がポリビニルアルコール骨格内に残される。上に挙
げたような式(1)に関連した種類の組成物は、典型的
には「十分加水分解されている」ものとして特徴付けら
れ、それらは分子中に最小限の量のアセテート残基のみ
を含む。この特徴付けは例えば、ここでの参照によって
その全体を本明細書に取り入れる特許文献1に説明され
ている。例えば慣習的に、ポリビニルアルコール分子
は、もし約1.5モルパーセント未満のアセテート基が
分子中に残されているなら、「十分加水分解されてい
る」と考えられる。従って、「ポリ(ビニルアルコール
−エチレンオキシド)コポリマー」という用語は、本明
細書で使用され特許請求の範囲で用いられる場合、上述
し式(1)に示した「十分加水分解された」組成物を包
含する。
【0046】加えて、「ポリ(ビニルアルコール−エチ
レンオキシド)コポリマー」という用語は、本明細書に
おいて本発明の目的に関して、ポリビニルアルコール成
分が「部分的に加水分解されている」と考えられる構造
も包含するものてして定義され、解釈される。部分的に
加水分解されたポリビニルアルコールは典型的には、約
1.5モルパーセントから多くて約20モルパーセント
又はより多くのアセテート基が分子中に残されているポ
リビニルアルコール分子を包含するものと定義される。
この場合にも加水分解の程度は、種々の製造パラメータ
によって決まることになる。以下の式(2)に示す構造
は、部分的に加水分解されたポリビニルアルコール基を
含むポリ(ビニルアルコール−エチレンオキシド)コポ
リマーを表す。 (2) −(CHCHOH)−(CHCHOCO
CH−(OCHCH− (式中、代表的な好ましい非限定的な調合において、x
=約1000〜8000、y=約100〜800、z=
約10〜500)。
【0047】留意すべきは、式(2)及びここに記載さ
れる他の式において、上に挙げた「x」、「y」、及び
「z」の値はやはり例示目的でのみ提示され、非限定の
代表的/好ましい実施態様を構成することである。これ
らの数字は、常套的な予備試験に従い、必要とされると
ころに従い所望に応じて変更される。また式(2)の組
成物は、ポリ(ビニルアルコール−酢酸ビニル−エチレ
ンオキシド)コポリマーとしても知られており、そのよ
うに呼ばれることもある。
【0048】概説すると、理解すべきは、「ポリ(ビニ
ルアルコール−エチレンオキシド)コポリマー」という
用語は、上に挙げた式の両方(即ち式(1)と(2))
及びそれらの組み合わせを、限定無しに任意の比率、割
合等で包含するということである。同様に、前出の定義
は、本発明が属する分野の当業者によって知られており
使用されている「ポリ(ビニルアルコール−エチレンオ
キシド)コポリマー」についての在来の理解及び解釈と
符合することが認識される。
【0049】インク受容層30におけるポリ(ビニルア
ルコール−エチレンオキシド)コポリマーの使用によっ
て、限定するものではないが、インク凝集の制御(及び
第1のバインダーとしてゼラチンを使用するにも拘わら
ず過度の「粒状性」の防止)、高い耐湿性、高水準の耐
光性、及び総合的に優れた画像品質及び長期安定性とい
った、多数の機能上の利点がもたらされる。これらの利
点は、インク受容層30と配送されるインク中の着色剤
の間に改善された適合性をもたらすという、ポリ(ビニ
ルアルコール−エチレンオキシド)コポリマーの能力に
よって(特にインク凝集制御に関して)達成される。対
象となるポリ(ビニルアルコール−エチレンオキシド)
コポリマーについての他の化学的及び機能的な特性に
は、限定するものではないが、この材料によってもたら
される有益な弾性レベルも含まれる。 3.「第3のバ
インダー組成物」(又は単に「第3のバインダー」)。
ポリ(スチレン)−(n−アクリル酸ブチル)−(メタ
クリル酸メチル)−(2−(t−ブチルアミノ)メタク
リル酸エチル)コポリマー。詳細にはこの構造は、上に
言及したように、4成分のコポリマーを包含する。イン
ク受容層30(又は印刷媒体製品10と関連したその他
の任意の層)における第3のバインダーとしてのポリ
(スチレン)−(n−アクリル酸ブチル)−(メタクリ
ル酸メチル)−(2−(t−ブチルアミノ)メタクリル
酸エチル)コポリマーの使用に関して、この材料は、次
の基本的な化学/高分子構造を有する(この構造及びそ
れについての本明細書における特徴付けは、これも参照
によってここに取り入れられる特許文献1に全般的に議
論されている)。 (3) −(CHCH(Ph))−(CHCHC
OO(Bu))−(CHCCHCOOCH
−(CHCCHCOOCHCHNH(t−B
u))− (式中、代表的な好ましい非限定的な調合において、x
=約10〜80、y=約40〜100、z=約100〜
300、m=20〜200、「Ph」=ベンゼン環(例
えば−C)、「Bu」=n−ブチル基(例えば−
CHCHCH CH)、及び「t−Bu」=t−
ブチル基(例えば−C(CH)。
【0050】この場合にも、この式及びここに記載され
る他の式において、上に挙げた「x」、「y」、及び
「z」の値は、例示目的としてのみ提示され、非限定の
形で代表的/好ましい実施態様を構成する。これらの数
字は、常套的な予備試験に従い、必要とされるところに
従い所望に応じて変更される。
【0051】ここに挙げた目的のために(即ち第3のバ
インダーとしてのインク受容層30又はその他の層に)
用いることができるポリ(スチレン)−(n−アクリル
酸ブチル)−(メタクリル酸メチル)−(2−(t−ブ
チルアミノ)メタクリル酸エチル)コポリマーは、例え
ば米国ペンシルバニア州ピッツバーグのPPG Ind
ustries,Inc.から市販されている。
【0052】インク受容層30におけるポリ(スチレ
ン)−(n−アクリル酸ブチル)−(メタクリル酸メチ
ル)−(2−(t−ブチルアミノ)メタクリル酸エチ
ル))コポリマーの採用によって、限定するものではな
いが、インク凝集の制御(及び第1のバインダーとして
選択されるゼラチンの種類には関係なく過度の「粒状
性」の防止)、高い耐湿性、高水準の耐光性、及び総合
的に優れた画像品質及び長期安定性を含む、多数の機能
上の利点がもたらされる。これらの利点は(特にインク
凝集制御に関して)、インク受容層30と配送されるイ
ンク中の着色剤との間の高い化学的相互作用を助長し得
るという、ポリ(スチレン)−(n−アクリル酸ブチ
ル)−(メタクリル酸メチル)−(2−(t−ブチルア
ミノ)メタクリル酸エチル)コポリマーの能力により達
成される。関心事である上述のポリ(スチレン)−(n
−アクリル酸ブチル)−(メタクリル酸メチル)−(2
−(t−ブチルアミノ)メタクリル酸エチル)コポリマ
ーについてのその他の化学的及び機能的特性には、限定
するものではないが、高度の汚れ(スミア)耐性に加え
て、「接触乾燥」時間の短縮を実現し得る能力も含まれ
る。
【0053】有効な結果をもたらすことを意図した好ま
しい非限定の実施態様において、インク受容層30は以
下の成分を含有する。(A)約10〜30重量%(最適
値=約15〜25重量%)の第1のバインダー(ゼラチ
ン)、(B)約30〜55重量%(最適値=約35〜5
0重量%)の第2のバインダー(先に定義したようなポ
リ(ビニルアルコール−エチレンオキシド)コポリマ
ー)、及び(C)約10〜30重量%(最適値=約15
〜25重量%)の第3のバインダー(ポリ(スチレン)
−(n−アクリル酸ブチル)−(メタクリル酸メチル)
−(2−(t−ブチルアミノ)メタクリル酸エチル)コ
ポリマー)。しかしやはり理解されるべきは、上述の数
値は、最適化実施態様としての例示目的のためだけにこ
こに提示されており、何れの観点においても本発明を制
限するものではないことである。従って本発明は、ここ
に説明された成分の何れに関しても、特定の数値のどれ
にも限定されず、それらは常套的な予備パイロット実験
に従って、必要とされるところに従い所望に応じて変更
することができる。さらに、別途明白に指定されない限
り、特許請求の範囲、課題を解決するための手段、及び
発明の実施の形態において議論される各種層の材料含量
に関する全てのパーセント数値は「乾燥重量」、即ち対
象となる乾燥した材料層(単数又は複数)又は構造(単
数又は複数)における選択成分の重量を意味する。
【0054】ここで再度強調すべきは、上で議論した特
殊なバインダーブレンドを構成する前出の成分の組み合
わせは、ゼラチンの使用を可能にしつつ、ゼラチンを単
独又は主たるバインダーとして使用する際に生ずること
がある凝集の問題(及び「粒状性」)を同時に制御する
ことである。上に列挙した3種類のバインダーの組み合
わせは、印刷媒体技術における顕著な進展を象徴する、
独特の調合に関連する。この進展は、単独又は主たるバ
インダーとしてゼラチンを含んでいる調合に匹敵する、
画像品質の実質的な改善によって特徴付けられる。理解
すべきは、特許請求のバインダーブレンドは、インク受
容層30に存在する唯一の材料であってもよく(この場
合に層30は「バインダーのみ」である)、又はその代
替として、バインダーブレンドは制限無しに1つ又はよ
り多くの他の成分と結合されてもよいということであ
る。特許請求の範囲に記載した発明は、ここに別様に記
載されない限り、前出のバインダーブレンド(又はその
量)と任意の成分の組み合わせに限定されるものではな
いという理解の下に、前述の他の成分の少なくとも幾つ
かを以下で議論する。
【0055】バインダーブレンドとの組み合わせで追加
材料を使用することに関連して、種々の異なった組成物
をこの目的に用いることができる。こうした追加材料
(ここでは制限無しに、「追加成分」、「補足材料」、
「補足成分」、「補助材料」、「補助成分」等とも記載
される)を次に議論する。特許請求された発明は、特定
の追加材料のどれにも限定されず、以下に列挙した組成
物は、非限定的に例示目的としてのみ与えられる。
【0056】他の種々の(1つ又はより多くの)バイン
ダーを、上述のバインダーブレンドと組み合わせて、又
はその一部として用いることができる。先に述べたよう
に、バインダーブレンドはその最も基本的な形におい
て、上記で識別した第1、第2、及び第3のバインダー
を含むが、これらは「主たるバインダー」とも呼ばれ
る。特に、少なくとも1つの代替の(例えば任意選択
の)有機又は無機のバインダー材料を、主たるバインダ
ーに対して制限無しに付加することができる。この代替
バインダー材料は一般に、第1のバインダー、第2のバ
インダー、及び第3のバインダーとは異なる、少なくと
も1つの追加バインダーを含む。本発明は、所与のいか
なる追加バインダー組成物、その量、又はバインダーの
数に制限されるものではない。これらは常套的な予備分
析によって決定することができる。主たるバインダーと
共にインク受容層30の全ての実施態様に(及び/又は
印刷媒体製品10のその他の層に)用いることができる
追加バインダーの代表的な非限定の例には、制限無しに
次のものが含まれる。デンプン、SBRラテックス、ア
ルギン酸塩、カルボキシセルロース材料(例えばメチル
ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシプロ
ピルセルロース等)、ポリアクリル酸とその誘導体、ポ
リビニルピロリドン、カゼイン、ポリエチレングリコー
ル、ポリウレタン(例えば変性されたポリウレタン樹脂
分散物)、ポリアミド樹脂(例えばエピクロロヒドリン
含有ポリアミド)、それらの混合物、及び制限なしにそ
の他のもの。
【0057】追加バインダー組成物として単独で、又は
ここに表されたその他のバインダー材料と組み合わせて
使用するのに適した代表的なポリウレタンには、限定す
るものではないが、水溶性又は水分散性ポリウレタンポ
リマー、水溶性又は水分散性変性ポリウレタン樹脂分散
物、及びそれらの混合物を含む化合物のクラスが含まれ
る。特に興味深いのは、少なくとも1つの変性ポリウレ
タン樹脂分散物を使用することである。「変性ポリウレ
タン樹脂分散物」という用語は、ここでは一般的に、疎
水基を有するポリウレタンポリマーを包含するものとし
て定義され、この場合、そのような材料は水分散性であ
る。多くの異なる変性ポリウレタン樹脂分散物が、多数
の供給元から市販されている(そして典型的には、本質
的に特許性品である)が、追加バインダー組成物として
の使用に適した変性ポリウレタン樹脂分散物には、製品
名「PATELACOL IJ−30」を付して大日本
インキ化学株式会社及び米国ニュージャージー州フォー
トリーのDainippon Internation
al(USA),Incによって販売されている製品が
含まれる。この種の材料に関する(特にポリウレタン分
散物/エマルジョンに関連した)より詳しい総合的な情
報は、その全体が参照によってここに取り入れられる特
許文献3に与えられている。しかし、その他のポリウレ
タンベースの材料も、インク受容層30(又は他の層)
の追加バインダーとしての使用に向いており、上に挙げ
た組成物は例示目的のためにのみ与えられたものであ
る。
【0058】追加バインダー組成物としてポリアミド樹
脂を用いることに関して、次の化学物質を制限無しに、
このクラスの化合物に包含させることができる。アクリ
ル変性ポリアミド、アクリルポリアミドコポリマー、メ
タクリル変性ポリアミド、カチオンポリアミド、ポリ第
四級アンモニウムポリアミド、ポリ(スチレン−アクリ
ル)コポリマー、エピクロロヒドリン含有ポリアミド、
及びそれらの混合物である。この群の中でも特に興味の
ある1つの組成物は、エピクロロヒドリン含有ポリアミ
ドである。「エピクロロヒドリン含有ポリアミド」とい
う用語は一般に、エピクロロヒドリン基含有ポリアミド
調合物を包含するものと定義され、この組成物は以下の
基本的な構造/化学式を有する。 (4) −(C10−C13−C
ClO)− (式中、代表的な好ましい非限定的な調合において、x
=約1〜1000)。
【0059】エピクロロヒドリン含有ポリアミドは、例
えば、製品名「AMRES 8855」を付して、米国
アラスカ州クロセットのGeorgia Pacifi
cResinsから市販されている。
【0060】また、やはり追加バインダー組成物として
の使用に適しているのは、ポリビニルアルコールであ
る。ポリビニルアルコールの基本的な構造式は次の通り
である。 (5) −(CHCHOH)− (式中、代表的で非限定的な好ましい実施態様におい
て、x=約1〜3000)。
【0061】この材料は限定なしに、製品名「GOHS
ENOL NH−26」を付して販売している日本国大
阪の日本合成株式会社、並びに製品名/商標「Airv
ol(登録商標)523」を付して販売している米国ペ
ンシルバニア州アレンタウンのAir Product
s and Chemicals,Inc.などの、多
数の販売元から市販されている。ここで用いられる用語
「ポリビニルアルコール」の範囲内に包含されるポリビ
ニルアルコールの例示的で非限定的な誘導体には、限定
するものではないが、上に示し議論したような非置換ポ
リビニルアルコール、カルボキシル化ポリビニルアルコ
ール、スルホン化ポリビニルアルコール、アセトアセチ
ル化ポリビニルアルコール、及びそれらの混合物が含ま
れる。アセトアセチル化ポリビニルアルコールは、次の
基本的構造式を有する。 (6) −(CHCHOH)−(CHCHOCO
CHCOCH− (式中、代表的で非限定的な好ましい実施態様におい
て、x=約1〜3000、y=約1〜100)。
【0062】アセトアセチル化ポリビニルアルコール
は、例えば製品名「GOHSEFIMER Z 20
0」を付して販売している日本国大阪の日本合成株式会
社などの、多数の販売元から市販されている。しかし追
加バインダー組成物としてのポリビニルアルコールの使
用に関しては、直鎖(例えば非置換)のポリビニルアル
コールが好ましい。同様に、「ポリビニルアルコール」
という用語の使用は、ここで記述されるときは、ポリ
(ビニルアルコール−エチレンオキシド)コポリマーを
製造するのに使用されるポリビニルアルコールに関連し
て先に議論したように、「十分加水分解された」又は
「部分的に加水分解された」ポリビニルアルコールを包
含する。従って、ポリビニルアルコールの十分な及び部
分的な加水分解に関して上に挙げた情報の全ては、現在
の議論に組み込まれる。前述のように、ポリビニルアル
コールに関連した生産工程中、「加水分解」はさまざま
な異なる程度で生じ、それによって一定の条件下では、
広範囲の製造及び反応パラメータに依存して、アセテー
ト残基(−OCOCH3)がポリビニルアルコール骨格
に残される。例えばポリビニルアルコール分子は、約
1.5モルパーセント未満のアセテート基がその分子上
に残されているなら、「十分加水分解されている」と慣
習的に考えられる。この特徴付けは、例えば先に言及し
たように、特許文献1に説明されている。従って「ポリ
ビニルアルコール」という用語は、本明細書において使
用されるときは、上述の「十分に加水分解された」組成
物を包含する。
【0063】加えて「ポリビニルアルコール」は、その
ポリビニルアルコール成分が「部分的に加水分解されて
いる」と考えられる構造も包含すると定義され、解釈さ
れる。部分的に加水分解されたポリビニルアルコールは
典型的に、約1.5モルパーセントから多くて約20モ
ルパーセント程度以上のアセテート基がその分子に残さ
れているポリビニルアルコール分子を包含すると定義さ
れる。この場合も加水分解の程度は、広範囲の製造パラ
メータによって決まる。前出の広義の定義の範囲内には
いる前述のポリビニルアルコール組成物はどれも、追加
バインダー材料として使用できるが、約88〜99%の
加水分解レベルを有するポリビニルアルコールが特に有
効な結果をもたらすことが判明している。
【0064】印刷媒体製品10が意図する最終的な応用
及び用途に応じて、追加バインダーとしてのポリビニル
アルコールの使用は、上で議論した主たるバインダーと
の組み合わせにおいて、インク受容層30に多数の利点
をもたらすことができる。その利点には、限定するもの
ではないが、高度の結合力を生成するポリビニルアルコ
ールの能力、色の正確さ、及びブリード制御性、並びに
改善された色域等が含まれる。
【0065】関心事となる別の追加バインダー組成物
は、ポリ(酢酸ビニル−エチレン)コポリマーを含む。
このポリ(酢酸ビニル−エチレン)コポリマーの基本的
構造式は次の通りである。 (7) −(CHCHOCOCH−(CH
− (式中、代表的で非限定的な好ましい実施態様におい
て、x=約250〜32000、y=約800〜100
000)。
【0066】この組成物は、製品名/商標「Air−f
lex(登録商標)315」を付して販売している米国
ペンシルバニア州アレンタウンのAir Produc
tsand Chemicals,Inc.等を含む多
数の販売元から市販されている。主たるバインダーと共
にインク受容層30にポリ(酢酸ビニル−エチレン)コ
ポリマーを用いることによってもたらされる特定の利点
には、限定するものではないが、高水準の結合強度を与
えることができる前出の材料の能力、水に対する耐久
性、及びインク凝集制御性がある。
【0067】関心事となるさらに別の追加バインダー組
成物は、ポリ(ビニルピロリドン−酢酸ビニル)コポリ
マーを含む。このポリ(ビニルピロリドン−酢酸ビニ
ル)コポリマーの基本的構造式は次の通りである。 (8) −(CHCH(2−ピロリドン))−(C
CHOCOCH − (式中、代表的で非限定的な好ましい実施態様におい
て、x=約500〜15000、y=約200〜100
00)。
【0068】この組成物は、限定するものではないが、
製品名「Luviskol(登録商標)PVP/VA
S−64W」を付して販売しているドイツ国のBadi
sche Anilin− & Soda−Fabri
k Aktiengesellschaft(BAS
F)等を含む、多数の販売元から市販されている。主た
るバインダーと組み合わされた追加バインダー組成物と
して、インク受容層30にポリ(ビニルピロリドン−酢
酸ビニル)コポリマーを用いることによってもたらされ
る特定の利点には、限定するものではないが、改善され
た色域をもたらすことができる上述の組成物の能力、一
層優れたブリード挙動、及びより高い色の正確さが含ま
れる。
【0069】上に挙げた追加バインダー組成物(及びこ
こには特に挙げられていないその他のもの)に関して、
これらの材料の使用には、限定無しに、様々な種々の量
の値が含まれうる。同様に、ここに挙げた主たるバイン
ダー(即ち第1、第2、及び第3のバインダー)と組み
合わせて任意の追加バインダーを用いると、追加バイン
ダー組成物(単数又は複数)について選択された量だ
け、主たるバインダーの量が対応して(比例した形で)
減じられる状態になる。しかし主たるバインダーの各々
の最小量は、これらの主たるバインダーに関連して上に
説明した範囲の下限未満に落ちないことが好ましい
(が、必ずしも必要という訳ではない)。最適な結果を
生ずることを意図した模範的な実施態様において、イン
ク受容層30は、約55〜100重量%(最適値=約6
0〜75重量%)の合計バインダー含量を有することに
なるが、これは組み合わされるバインダーの全て(即ち
任意選択の追加バインダー組成物、並びに第1、第2、
及び第3のバインダー)を含む。引き続き、主たるバイ
ンダーと組み合わされる追加バインダーの使用に関して
説明すると、インク受容層30は例えば、次の代表的で
非限定的な量、即ち約0〜10重量%の追加バインダー
組成物を含む(最適値=約0.5〜3重量%。但しその
ような追加バインダー(単数又は複数)の組み合わせが
望ましい場合)。これらの値はこの場合も、追加バイン
ダーが単一又は複数の何れで用いられようと、使用され
る追加バインダー組成物(単数又は複数)の全量(例え
ば集合的な量)を包含する。しかしこれらの数値は、例
示目的のためだけに与えられており、必要且つ要求に応
じて適宜変更されることがある。
【0070】さらにインク受容層30は任意選択的に、
主たるバインダーと共に、少なくとも1つ又はそれ以上
の顔料組成物を単独で、又はここに説明した他の補助成
分のどれかと組み合わせた別の補助成分として用いても
よい。「顔料」又は「顔料組成物」という用語は一般に
標準の形で定義され、与えられた調合物に対して色、不
透明性、及び/又は構造的支持(例えば「充填剤」とし
ての性質で)を付与するのに使用される材料を包含す
る。インク受容層30は、いかなる所与の顔料物質(有
機又は無機の)、顔料の量、及び組み合わせられる顔料
の数にも限定されない。例えばベーマイト、疑似ベーマ
イト、又はそれらの混合物は、例示的な顔料組成物とし
て、上述のバインダーブレンド(及び使用されているな
ら任意の追加バインダー組成物)と共にインク受容層3
0に用いることができる。上に挙げた2つの材料の間で
は、ベーマイトが好ましいと考えられる。「ベーマイ
ト」及び「疑似ベーマイト」という用語は、本発明の属
する技術分野の当業者によって通常理解されるような従
来の形で定義される。例えばベーマイトは慣習的に、A
lO(OH)という実験式を有する結晶性化合物を含む
(ベーマイトが存在し又は生成されうる全ての物理的な
形態を含む)。加えて、「疑似ベーマイト」は慣習的
に、上述した種類の「通常の」結晶性ベーマイトより含
水量の高いベーマイトの種類を包含する(疑似ベーマイ
トはまた「ゼラチン状ベーマイト」としても知られてい
る)。
【0071】上述の材料の使用(ベーマイト、疑似ベー
マイト、又は制限無しに任意の比率でのそれらの混合
物)は、それらの多孔性が大きく(印刷画像の迅速乾燥
に役立つ)、粒径が小さく(所望レベルの光沢及び光沢
制御性を容易に達成できる)、分散安定性で(製造工程
全体を支援する)、及び相対的に透明である(印刷画像
に関して色飽和を改善する)ため、インク受容層30に
おける顔料としての使用に適している。インク受容層3
0に使用するのに適したベーマイト及び/又は疑似ベー
マイトに関連する好ましい特性に関して言えば、かかる
特性は、限定するものではないが、約10〜400nm
(最適値=100〜300nm)の粒径、約40〜40
0m/g(最適値=約40〜150m/g)の表面
積、約0.3〜1cc/g(最適値=約0.5〜0.7
cc/g)の多孔率、及び約10〜200nm(最適値
=50〜70nm)の孔径を含む。ベーマイトと疑似ベ
ーマイトの混合物も顔料組成物として用い得る点に留意
すべきである(その混合物は全体として「組成物」と考
えられる)。
【0072】ここに挙げた目的のために用いることがで
きるベーマイト及び/又は疑似ベーマイト材料(即ちイ
ンク受容層30又はここに記述された他の層における顔
料として使用する)は、限定するものではないが、製品
名/商標「Catapal(登録商標)200」を付し
て販売している中国香港のSasol Chemica
l Industries,Inc.等の多数の市販元
から入手することができる。この特許材料は一般に、上
に挙げた化学的及び物理的特性の少なくとも1つ又はよ
り多くを有しており、主としてベーマイトから構成さ
れ、恐らくはこのベーマイトと組み合わされた少量の疑
似ベーマイトを含んでいる。
【0073】インク受容層30に用いることができるそ
の他の顔料(単独で又は本明細書において議論された種
々の補助成分のどれかと組み合わせて)には、限定する
ものではないが、シリカ(沈殿法、コロイド、ゲル、ゾ
ル、及び/又はフュームドシリカ)、カチオン変性シリ
カ(例えば、例示的で非限定的実施態様ではアルミナ処
理シリカ)、カチオンポリマーバインダー処理シリカ、
酸化マグネシウム、ポリエチレンビーズ、ポリスチレン
ビーズ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、クレイ、二酸化チタン、セッコウ、それらの混合
物等が包含される。この群の中でも、代替顔料としてシ
リカゲルは特に関心事となり、そうした組成物は典型的
には、鉱酸材料をケイ酸塩(ケイ酸ナトリウム等)と組
み合わせることによって製造される。その結果得られる
生成物は、液体媒体中に凝集した網状構造から構成され
る。本発明は(特にインク受容層30に関連して)、シ
リカが使用されるとしてもその種類又は等級の何れにも
拘束されないが、本発明における使用に適している代表
的なシリカゲル組成物(もし望まれるなら)は、水中で
約0.3〜0.4μmという典型的な/好ましい平均シ
リカ粒径(例えば直径)と、優れた結果をもたらす約
0.8〜0.9cc/gという典型的な/好ましい平均
多孔度を有する。この具体的なシリカ材料は、例えば、
製品名「GD009B」を付して、米国メリーランド州
コロンビアのGrace Davison,Inc.か
ら市販されている。同様に、本明細書における「シリ
カ」(「二酸化ケイ素」としても同様に知られている)
という用語の使用は、上に挙げた個々のシリカの形態を
単独又は任意の組み合わせで包含すると解釈されるべき
であることが理解されるべきである。
【0074】前述のように、インク受容層30における
少なくとも1つ又はより多くの顔料の取込みは、任意選
択的と考えられるべきである。しかし使用する場合に
は、インク受容層30の顔料含量に関連した量の値は、
これまで与えられた何れの量にも限定されない。典型的
な好ましいインク受容層30は、約5〜40重量%(最
適値=約10〜35重量%)の顔料組成物を含む。この
場合にも留意すべきは、上に挙げた数値パラメータは、
単一の顔料が用いられる場合でも、多数の顔料が組み合
わせで用いられる場合でも、使用される顔料(単数又は
複数)の全(例えば集合的な)量を表すということであ
る。換言すれば、インク受容層30に使用するために複
数の顔料が選択される場合、これらの複数(量的観点か
ら全体的に考える)が、上に挙げた数値パラメータの範
囲内に入ることが好ましい。
【0075】次に、少なくとも1つ又はより多くの他の
補助成分をインク受容層30に取り入れ、(先に記述し
たような何らかの追加バインダー及び/又は顔料と共
に、またはそれなしで)上に議論した主たるバインダー
と組み合わせることができる。これらの材料は全て本来
任意選択的と考えるべきであり、それらの少なくとも1
つ又はより多くを用いることは好ましいが、完全に省略
することもできる。これらの他の補助成分には、限定す
るものではないが、下記の成分が含まれる。 1.乳酸。この材料(一般に式Cからなる)
は、顔料組成物(単数又は複数)が使用される場合に
(特にベーマイト、疑似ベーマイト、又はこれらの混合
物の選択に関連して)、それらの分散を促進するために
用いることができる。インク受容層30内に含有しても
よい乳酸(この材料の使用が望ましい場合)の代表的で
非限定的な量は、層30の約0.5〜4重量%(最適値
=約1〜2重量%)を包含する。 2.ここで「消泡剤組成物」として特徴付けられる少な
くとも1つの化合物。この材料は、最終的にインク受容
層30になるコーティング調合物における望ましくない
泡(例えば気泡)の生成を低減又は排除するために、イ
ンク受容層30の製造中に用いることができる。従って
少なくとも1つの消泡剤組成物の使用によって、完成さ
れたインク受容層30内部の気泡及び/又はエアポケッ
トの現出を避けることができる。主たる関心事となる消
泡剤組成物はまた、界面活性剤の機能も果たし、従って
「消泡剤組成物」という用語は、少なくとも1つ又はよ
り多くの界面活性剤を包含するものとして、広義に解釈
されるべきである。
【0076】所望の場合にインク受容層30に消泡剤組
成物として使用できる典型的な市販製品(その幾つか又
は全ては、特許に係る処方を有すると考えられる)に
は、限定するものではないが、以下の材料が含まれる。
(A)製品名/商標「Foammaster VFS」
を付してドイツ国のHenkel KGaAによって販
売されているオイルベースの製品。(B)製品名/商標
「Foamstar(登録商標)Al 2」を付して米
国オハイオ州シンシナティのCognis Corpo
rationによって販売されているオイルベースの製
品。(C)製品名/商標「Surfynol(登録商
標)420」を付して米国ペンシルバニア州アレンタウ
ンのAir Products and Chemic
als,Inc.によって販売されている非イオン性界
面活性剤タイプの製品。(D)例えば製品名/商標「T
riton Xl 00」を付して米国ペンシルバニア
州アレンタウンのAir Products and
Chemicals,Inc.から市販されているポリ
エチレンオキシド。及び(E)製品名/商標「Lody
ne(登録商標)」を付して米国ニューヨーク州タリー
タウンのCiba Specialty Chemic
als,Inc.から入手できる市販のフルオロ界面活
性剤製品などの、フルオロ界面活性剤。この場合にもこ
れらの材料は、例示目的のためだけに挙げられており、
従って本発明は、上に挙げた組成物(又は一消泡剤/界
面活性剤の使用一般)のどれにも制限されない。
【0077】インク受容層30の製造に際しては、単一
の消泡剤組成物を用いることも、複数の消泡剤組成物を
組み合わせて用いることもできる。この点に関して、イ
ンク受容層30は、いかなる特定の消泡剤組成物の種
類、量、又は組み合わせにも限定されない。完成された
インク受容層30に1つ又はより多くの消泡剤組成物を
含めることが望ましい場合には、層30は代表的な実施
態様において、約0.02〜2重量%(最適値=約0.
1〜1重量%)の消泡剤組成物を含む。ここでも、これ
らの量の値は、単一の消泡剤が用いられる場合でも、複
数の消泡剤が組み合わせで用いられる場合でも、使用さ
れる消泡剤組成物(単数又は複数)の全(例えば集合的
な)量を包含するものと解釈すべきである。 3.ここで「滑剤」と呼ばれる少なくとも1つの化合
物。この材料は、インク受容層30に用いて多数の利点
をもたらすことができる。これらの利点には、例えば、
完成されたインク受容層30の表面摩擦レベルを低減さ
せて、この層をより滑らかにし、対象となるプリンタユ
ニットをより容易に通過できるようにすることがある。
この目的のためには、米国ニュージャージー州ハイツタ
ウンのElementis Specialtiesに
よって製品名/商標「Slip−Ayd(登録商標)」
を付して、特に例えば、製品名/商標「SL 161
8」の下に販売されているものなど、多くの各種市販組
成物を用いることができる。この材料は基本的に、酸化
ポリエチレン組成物を含む。単独で又は相互に組み合わ
せて(及び上に挙げた材料SL 1618と共に)使用
できる他の滑剤には、例えば製品名/商標「Fluor
o AQ−50」を付して米国ニュージャージー州ニュ
ーアークのShamrock Technologie
s,Inc.から市販されているポリテトラフルオロエ
チレンビーズが含まれる。単独で又はここで議論された
その他の滑剤と組み合わせて使用できる付加的な「ビー
ズタイプ」の滑剤製品には、限定するものではないが、
ポリスチレンビーズから作られているものがある。
【0078】一定の状況の下では、任意選択的な顔料に
関して上述したのと実質的に同様の形態(単数又は複
数)の二酸化ケイ素(例えばシリカ)も、滑剤の目的に
使用することができる。インク受容層30内に含有され
る滑剤(この材料の使用が望ましい場合)の量に関し
て、本発明は特定のどのような数量にも制限されない。
しかしながら、好ましい非限定の実施態様において、滑
剤を含有すべきことが決定された場合には、インク受容
層30は、約0.25〜5重量%(最適値=約0.5〜
2重量%)の滑剤を含有する。この場合にもこれらの数
値は、単一の滑剤が用いられる場合でも複数の滑剤が組
み合わせで使用される場合でも、使用される滑剤(単数
又は複数)の全(例えば集合的な)量を包含するものと
解釈すべきである。同様に滑剤の量は、この目的のため
に選択される組成物が別の機能を同時に果たす場合(例
えばシリカで言及したように顔料として)には、上に挙
げた値を越えてもよい。 4.ここで「pH調節剤」と呼ばれる少なくとも1つの
化合物。この材料は、インク受容層30の製造中に特に
用いられ、この工程中に所望のpHレベルを達成する
(好ましいpHレベルは約3〜6である)。この目的に
適した代表的な材料には、限定するものではないが、硝
酸、酢酸、乳酸、クエン酸、及びそれらの混合物が含ま
れる。ここに議論した実施態様(及びそれに関連した種
々の層)は全て、所望のpHレベル(必ずではないが最
適には、前出の好ましい範囲内)を達成するため、選択
されたpH調節剤を広範囲の様々な量で用いることがで
きる。しかし一般的なガイドラインとして、インク受容
層30は典型的には、約0.1〜0.5重量%(最適値
=約0.2〜0.4重量%)のpH調節剤を用いる。こ
の値は、常套的な予備パイロット試験に従い、必要に応
じて変更(又は完全に省略)してもよいことが了解され
る。 5.少なくとも1つの「ゼラチン硬化剤」組成物。この
材料は、例えば第1のバインダーと関連して使用される
ゼラチン材料を硬化し、又はその全体的な固化を支援す
るために特に使用される。このようにして、ゼラチンは
高い結合機能を果たすことができ、また完成されたイン
ク受容層30に付加的な強度と耐久性を付与することが
できる。代表的な好ましいゼラチン硬化剤材料には、限
定するものではないが、ピリジニウム−カルバモイル、
金属酸化物、アルデヒド、アミド、及びビニルスルホン
が含まれる。使用される場合には(実際上はこれが好ま
しい)、インク受容層30におけるゼラチン硬化剤の代
表的で非限定的な量は、約0.1〜1重量%(最適値=
約0.3〜0.8重量%)であり、この値はこの場合に
も、常套的な予備分析に従って、必要且つ所望に応じて
変更される。 6.少なくとも1つの「インク固定剤」。この用語はこ
こでは一般的に、対象となるインク材料と化学的、物理
的、又は静電的に結合するなどによって、インク材料を
インク受容層30、その内部、又はその上に固定する材
料を包含するものと定義される。この材料は、高度の耐
水性、汚れ(スミア)耐性、及び総合的な画像の安定性
をさらに助長するために用いられる。この目的に適した
典型的な組成物(その使用が望ましい場合)は、「カチ
オンエマルジョンポリマー」として知られている少なく
とも1つの材料を含み、この用語はここでは一般に、プ
ロトン化アミン(例えば第1、第2、又は第3アミン)
又は四元化(例えば、第四級)アミンのような、元々陽
イオン性の(例えば正に帯電されている)少なくとも1
つのモノマーを含み、乳化重合工程を通じて生成される
ポリマーを包含するものとして定義される。代表的な第
四級アミンカチオンモノマーには、限定するものではな
いが、トリメチルアンモニウムアクリル酸エチルクロリ
ド、トリメチルアンモニウムアクリル酸エチル硫酸メチ
ル、ベンジルジメチルアンモニウムアクリル酸エチルク
ロリド、ベンジルジメチルアンモニウムアクリル酸エチ
ル硫酸メチル、ベンジルジメチルアンモニウムメタクリ
ル酸エチルクロリド、及びベンジルジメチルアンモニウ
ムメタクリル酸エチル硫酸メチルが含まれる。上述の利
点を与えるについて特に有効であり、特に関心事となる
カチオンエマルジョンポリマーは、上で言及した第四級
アミンカチオンエマルジョンポリマー(ここでは短く
「第四級アミンエマルジョンポリマー」とも呼ばれる)
を含む。一般に第四級アミン化合物は基本的に、中央の
窒素原子に結合されている4つのアルキル及び/又はア
リール基(全てが同じか、異なるか、又は制限無しにそ
れらの混合物)を含む化合物を包含する。「第四級アミ
ンエマルジョンポリマー」という用語は、先に定義した
ように、少なくとも1つの第四級アミン化合物又は基を
含むカチオンエマルジョンポリマーを包含するものとし
て解釈される。
【0079】インク受容層30において(所望の場合
に)カチオンエマルジョンポリマーインク固定剤として
用いられる、典型的な好ましい第四級アミンエマルジョ
ンポリマーは、製品名/商標「Primal(登録商
標)PR−26」を付して米国ペンシルバニア州フィラ
デルフィアのRohm and Haas Compa
nyから市販されている特許組成物を含む。この材料
は、ベーマイト及び/又は疑似ベーマイトのような顔料
材料が比較的多量に使用される場合に生じうるゲル化及
び/又は粘稠化の問題を防止するのに特に効力があり、
有用である。上に挙げた組成物によって与えられる利点
は、少なくとも部分的に、それが高いガラス転移温度
(Tg)(例えば液体がガラス状の固体組成物に変化す
る温度)及び/又は高い架橋能力を有するという事実か
ら生ずる。「Primal(登録商標)PR−26」に
特有の特性には、約27〜29重量%のアクリルポリマ
ー含量、約2〜4重量%のアルキルアリールポリエーテ
ルアルコール含量、約69〜70重量%の水分含量、約
7.0〜8.0のpH、約30.0〜31.0重量%の
固形分含量、約200〜800cpsの粘度、及び約
8.9lb/galのガロン当り重量が含まれる。第四
級アミンカチオンエマルジョンポリマーに関する付加的
な情報は、例えば特許文献2に与えられている。
【0080】好ましい実施態様において、本発明のイン
ク受容層30は、使用が望ましい場合には、約1〜20
重量%(最適値=約5〜15重量%)の選択されたイン
ク固定剤(単数又は複数)を含む。先に言及したよう
に、この値は、単一の化合物が用いられる場合でも、多
数の組成物が組み合わせて使用される場合でも、使用さ
れる固定剤(単数又は複数)の全(例えば集合的な)量
を意味する。
【0081】上に挙げた成分に加えて、又はその代わり
に、他の種々の補助成分をインク受容層30に制限無し
で取り入れることができる。それらには、常套的な予備
パイロット分析により決定される種々の量での、殺生物
剤(例えばクロルメタクレゾール)、UV/光保護剤、
退色制御剤、充填剤、防腐剤(例えば酸化防止剤)、緩
衝剤等がある。これらの成分の各々は、制限無しに色々
の異なった濃度レベルで用いてよいが、この章で挙げた
成分の各々に関連した典型的な量の値は、約0.005
〜10重量%(最適値=約1〜8重量%)を包含する。
ただしこの範囲は、必要に従い所望に応じて変更され
る。従って特許請求の発明は、所与の任意の補助成分又
はその量の何れにも制限されるものではない(所望なら
ば完全に省略できる)。
【0082】また留意すべきは、本発明は別様に表現す
ると、新規なインク受容層30を製造するのに使用され
る、特別なコーティング調合物(ここでは「コーティン
グ組成物」とも呼ばれる)をも網羅すると解釈されるこ
とである。このコーティング調合物は、好ましくは液状
(例えば「液体含有」)であり、必要で所望であるなら
ば、常套的な予備パイロット試験で決められるところに
従い、少なくとも1つの液体キャリヤ媒体を含む。典型
的なキャリヤ媒体は、水、有機溶媒(例えばn−メチル
ピロリドン、2−プロパノール、又はブタノール)、又
はそれらの混合物が包含されるが、単一のキャリヤ媒体
としては水が好ましい。コーティング調合物は(少なく
とも好ましい実施態様では)、上で議論したバインダー
を含有する。このバインダーブレンドはこの場合にも、
(1)第1のバインダー(ゼラチン)、(2)第2のバ
インダー(ポリ(ビニルアルコール−エチレンオキシ
ド)コポリマー)、及び(3)第3のバインダー(ポリ
(スチレン)−(n−アクリル酸ブチル)−(メタクリ
ル酸メチル)−(2−(t−ブチルアミノ)メタクリル
酸エチル)コポリマー)を包含する。インク受容層30
に関連して上に挙げた補助成分の何れか又は全てを、バ
インダーブレンドと組み合わせてコーティング調合物に
用いることができる。この点に関して、これらの補助成
分についての前出の議論(及び量のデータを含めて、こ
れらに関連した他の情報の全て)は、現在の議論に取り
込まれる。
【0083】液体キャリヤ媒体に関しては、それは好ま
しくは約50〜100重量%(最適値=約80〜100
重量%)が水であり、バランス量はn−メチルピロリド
ン、2−プロパノール、ブタノール、又はそれらの混合
物のような有機溶媒を制限無しに含む。コーティング調
合物は典型的には、少なくとも約20重量%又はより多
くの固形分含量を有し、好ましい固形分含量は約20〜
45重量%(最適値=約25〜40重量%)の範囲にあ
る。これらの重量%値は、液体含有コーティング調合物
全体(例えば湿潤重量)における固形分の全量を意味す
る。しかし、前出のパーセント値は典型例としてのみ考
えるべきであり、選択される印刷媒体製品10の種類と
その意図された用途に関して必要があり、所望であれば
変更されうる。
【0084】基材12(及び/又は、存在するならば、
それに関連するコーティング層20)の上方を覆う位置
にインク受容層30を適用し、形成し、又は他の仕方で
施与するために、多数の様々な技術を採用することがで
きる。インク受容層30の形成は典型的には、コーティ
ング調合物(上で議論した)を用いて、基材12(及び
/又は使用されていればコーティング層20)をコーテ
ィングすることによって達成される。コーティング調合
物はこの場合にも、上述の成分の全て(参照によって現
在の記述に取り込まれた)を包含する。この目的のため
に多数の種々の施工/コーティング方法を実行すること
ができる。それらには、限定するものではないが、在来
型のスロット−ダイ処理システム、マイヤーバー装置、
カーテンコーティングシステム、ロッドコーティング装
置、ブラシ塗工アプリケータ、噴霧ユニット、或いは循
環式又は非循環式コーティング技術を用いる他のもの等
の、同等の技術/装置が包含される。インク受容層30
に関連した例示的なコーティング重量の範囲は(採用さ
れるコーティング方法に関係なく)、完成した(例えば
乾燥した)層30に関して約5−13g/m(最適値
=約8−10g/m )である。しかしながら、特許請
求された発明及びその種々の実施態様は、特定の層適用
/形成方法(及びコーティング重量)のどれにも制限さ
れるものではなく、多数の異なった代替方法を採用しう
る。
【0085】上に挙げたコーティング組成物は、ひとた
び基材12/コーティング層20(もし用いられていれ
ば)に適用されたなら、以後はインク受容層30として
特徴付けられる。この工程の後、層30を上に有する基
材12は、好ましくは乾燥される。これは、シートタイ
プの印刷媒体製品を製造するのに通常使用される種類
の、在来型のオーブン方式の加熱装置の内部で、基材1
2/層30の組み合わせを約80〜120℃(最適値=
約90〜110℃)の好ましい非限定的な温度で加熱す
ることで達成できる。この基材12/層30の組み合わ
せは、典型的には、約500〜2000フィート/分
(最適値=約1500〜2000フィート/分)の代表
的な「ウェブ速度」で、加熱装置中を移動する。しかし
ながら、インク受容層30に関連する組成物がこの段階
で有効に乾燥されるのであれば、その他の乾燥方法も制
限無しに実施しうることも理解すべきである。図2に概
略的に示した印刷媒体製品10の総合的な厚みは、基材
12、コーティング層20(使用されているなら)、及
びインク受容層30のそれぞれに関連した、前述の厚み
の値「T」、「T1」、及び「T2」の全てを単純に加
算することによって、容易に求めることができる。もち
ろん印刷媒体製品10の全厚は、印刷媒体製品10に採
用される任意の追加層の数に依存して、適宜変更可能で
ある。
【0086】現在の議論を通して言及したように、特許
請求された材料の組み合わせを含む少なくとも1つのイ
ンク受容層30が使用されるならば、本発明の種々の異
なったバージョンも実施可能である。層30は、送り出
されるインク組成物の少なくとも幾らかを受容すること
ができるならば、印刷媒体製品10の上部又は内部のど
こに配置してもよい。ここで、本発明の代替実施態様に
ついて議論する。この実施態様は、図2に示した第1の
実施態様の構造の全てに関して上述した情報、材料、数
値パラメータ、厚みの値、製造技術、定義、手順、及び
その他の項目の全てを包含する。従ってこれらの項目は
全て、特に別途明記されない限り、参考として現在の議
論に取り入れられるため、繰り返すことはしない。事
実、図2の実施態様と、これから議論する実施態様(図
3に示したような)の間の唯一の差異は、前述したよう
なインク受容層30と、被覆されていなければ基材12
の上側表面14(被覆されていれば上側表面14上のコ
ーティング層20)との間に、少なくとも1つの追加の
材料層を配置することに関連している。1つの実施態様
から他へ(即ち、図2の実施態様から図3の実施態様
へ)持ち越される部品番号は、全ての実施態様に共通す
る構造を表す。
【0087】前述のように、印刷媒体製品10は、イン
ク受容層30の上方又は下方に配置された少なくとも1
つの追加の材料層(「追加材料層」とも呼ぶ)を包含し
うる。材料の追加層を採用している印刷媒体製品100
の非限定的な例を、図3に概略的に示す。この追加材料
層(ここでも同様に、図3の実施例において「中央層」
又は「中間層」とも呼ばれる)を参照番号102で示
す。図3によれば、この層は基材12の上側表面14
(コーティング層20が上にあるか又はない)の上方を
覆って配置(例えば作用的に取着)され、従って前に定
義したように基材12によって「支持されて」いる。好
ましい(しかし必ずではない)実施態様においては、こ
の追加材料層102は、上側表面14/コーティング層
20に「直接固定」される。この語句は、間に介在する
材料や層なしに、これらの構成部品が相互に直接取着さ
れることを意味するものと定義される。同様に、インク
受容層30は追加材料層102の上部又は上側表面10
4の上側(上方を覆って)に配置される(例えば先に定
義したように「支持されて」いる)が、この場合に好ま
しいのは当該構成部品の「直接固定」である(が、それ
が要求されるものではない)。また理解すべきは、さら
に別の材料層(図示せず)を限定無しで、追加材料層1
02の下方(被覆の有無に拘わらず層102と基材12
の間)又は追加材料層12の上方(層102とインク受
容層30の間)に配置しうることである。追加材料層1
02に関連した代表的で非限定的な厚みの値「T3」
は、約1〜50μm(最適値=約10〜40μm)であ
る。
【0088】追加材料層102は、限定するものではな
いが、顔料組成物、バインダー、充填剤、消泡剤組成
物、潤滑剤、UV/光安定剤、殺生物剤、緩衝剤、退色
制御剤、乳酸、pH調節剤、滑剤、防腐剤(例えば、酸
化防止剤)、一般的安定剤、インク固定剤、硬化剤等の
多数の異なった成分から単独で、又は制限無しに組み合
わせて作ることができる。特に、インク受容層30に関
連して上に挙げた成分は全て、その数、種類、及び量に
関して制約なしに、単独で又は種々の組み合わせで追加
材料層102に用いてよい。しかして、インク受容層3
0とこの層30に使用できる種々の組成物に関して本明
細書に挙げたデータは全て、追加材料層102に等しく
適用でき、また現在の議論に取り込まれる。例えば追加
材料層102は、少なくとも1つの顔料組成物(どのよ
うなバインダーも含まない)、少なくとも1つのバイン
ダー(どのような顔料組成物も含まない)、又は少なく
とも1つの顔料組成物と少なくとも1つのバインダーと
の混合物を含みうる。さらに、インク受容層30に関連
して上に挙げた1つ又はより多くの他の追加/補助材料
も用いることができ、この場合に追加材料層102は、
先に述べたような成分の種類、合計量、又は成分量に関
連して制限されることはない。追加材料層102内に取
り込める例示的な顔料は、インク受容層30に関連して
上に挙げた物質、即ちベーマイト、疑似ベーマイト、シ
リカ(沈殿法、コロイド、ゲル、ゾル、及び/又はフュ
ームドシリカ)、カチオン変性シリカ(例えば例示的な
非限定の実施態様ではアルミナ処理シリカ)、カチオン
高分子バインダー処理シリカ、酸化マグネシウム、ポリ
エチレンビーズ、ポリスチレンビーズ、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレイ、二酸化チ
タン、セッコウ、それらの混合物、及び制限無しに他の
材料を包含する。
【0089】追加材料層102における使用に適した代
表的なバインダーはまた、インク受容層30に関連して
ここに記述されたものを含み、それらには、限定するも
のではないが、ポリビニルアルコール(上で定義された
ような)とその誘導体(アセトアセチル化ポリビニルア
ルコール等を含む)、デンプン、SBRラテックス、ゼ
ラチン、アルギン酸塩、カルボキシセルロース材料、ポ
リアクリル酸とその誘導体、ポリビニルピロリドン、カ
ゼイン、ポリエチレングリコール、ポリウレタン(例え
ば変性ポリウレタン樹脂分散物)、ポリアミド樹脂(例
えばエピクロロヒドリン含有ポリアミド)、ポリ(ビニ
ルアルコール−エチレンオキシド)コポリマー、ポリ
(酢酸ビニル−エチレン)コポリマー、ポリ(ビニルピ
ロリドン−酢酸ビニル)コポリマー、ポリ(スチレン)
−(n−アクリル酸ブチル)−(メタクリル酸メチル)
−(2−(t−ブチルアミノ)メタクリル酸エチル)コ
ポリマー、これらの混合物、及び制限無しにその他のも
のが含まれる。この場合にも、インク受容層30に関連
して上に開示した、構成材料、成分量等について上に挙
げた情報は全て、追加材料層102に関連して取り込ま
れる。それでも成分の量に関連しての値は、印刷媒体製
品100に関して意図される用途などの、種々の要因に
関する常套的な予備パイロット試験によって、必要に従
い所望に応じて変更される。
【0090】基材12(及び/又は存在するならコーテ
ィング層20)の上方を覆う位置に、追加材料層102
と関連する組成物を適用し、形成し、又は他の仕方で施
与するために、多数の様々な方法を採用することができ
る。この目的のために選択できる代表的な塗布技術に
は、限定するものではないが、スロットダイ処理システ
ム、マイヤーバー装置、カーテンコーティングシステ
ム、ロッドコーティング装置、ブラシ塗工アプリケー
タ、噴霧ユニット、或いは循環式又は非循環式コーティ
ング技術を用いる他のもの等の、同等の技術/装置が包
含される。追加材料層102に関連した例示的なコーテ
ィングの重量範囲は(採用されるコーティング方法に関
係なく)、完成した(例えば乾燥した)層102に関し
て約17〜27g/m(最適値=約20〜24g/m
)である。しかしながら、本発明及びその種々の実施
態様は、特定の層適用/形成方法(及びコーティング重
量)のどれにも限定されるものではなく、多数の異なっ
た代替方法をこの目的のために使用することができる。
追加材料層102の形成に使用される成分が、ひとたび
基材12(及び用いられていればコーティング層20)
に適用されたなら、その材料はそれ以後、追加材料層1
02として特徴付けられる。この処理後、追加材料層1
02をその上に付けている基材12は、好ましくは乾燥
される。これは、シートタイプの印刷媒体製品を製造す
るのに通常使用される種類の、在来型のオーブン方式の
加熱装置の内部で、基材12/層102の組み合わせを
約80〜120℃(最適値=約90〜110℃)の好ま
しい非限定的な温度で加熱することで達成できる。この
基材12/層102の組み合わせは、典型的には、約5
00〜2000フィート/分(最適値=約1500〜2
000フィート/分)の代表的な「ウェブ速度」で、加
熱装置中を移動する。しかしながら、追加材料層102
に関連する組成物がこの段階で有効に乾燥されるのであ
れば、その他の乾燥方法も制限無しに実施しうることも
理解すべきである。
【0091】その後、インク受容層30を追加材料層1
02の上部表面104上に適用し、施与し、又は形成し
て、それがそこに作用的に取着されるようにすることが
できる。この処理は、インク受容層30に関連して上に
挙げた技術、方法、動作パラメータ、ウェブ速度、コー
ティング重量、及び(乾燥処理、温度等を含む)その他
の情報を利用することによって達成できる。従ってその
ような情報は、現在の議論に取り入れるものとする。
【0092】図1から図3で前述した実施態様に属する
情報、材料、パラメータ、データ、構成方法等の全てが
含まれている、さらに別の実施態様を図4に示す。これ
らの項目は、図4の実施態様に関連する現在の議論に取
り込まれるため、ここで繰り返すことはしない。図3と
図4の実施態様の間の唯一の差異は、インク受容層30
と追加材料層102に関する積層順序である。図4の印
刷媒体製品200では、追加材料層102が上部(例え
ば「最外側」の材料層である)にあるが、図3の印刷媒
体製品100では、インク受容層30が上部(即ち「最
外側」)にある。特に図4に示すように、追加材料層1
02は、インク受容層30の上部表面202の上側に
(上方を覆って)配置される(例えば「作用的に取着」
される)。図3と図4の実施態様に関連したその他は全
て同一である。図4の実施態様を生成するためには、次
のステップが取られる。即ちインク受容層30の上側の
位置に少なくとも1つの追加材料層(例えば追加材料層
102)を配置する(又は「配置」と均等と考えられる
「形成する」)。図3及び図4の実施態様は両方とも、
所望ならば、制限無しに様々な場所にさらに別の層を包
含してもよい。
【0093】ここにおいて、本明細書に挙げた実施態様
の全てに関する基本的な製造工程は完了する。物理的、
化学的、及び構造的な観点から、本発明によって製造さ
れるインク受容層30は殆どの場合、次の重要な特性を
有することが予想される。約1〜2分の平均乾燥時間、
及び20秒で約40〜70の鏡面光沢(これは米国メリ
ーランド州コロンビアのBYK Gardner US
Aから市販のMicro−TRI−Gloss met
er(P/N GB4520を使って測定可能)。これ
らの数値パラメータは限定値ではないが、好ましい。
【0094】さらに前述のように、インク受容層30
(及び使用されているなら追加材料層102)は、基材
10(被覆の有無を問わず)の表面14、16の一方又
は双方上に配置することができる。インク受容層30
(及び使用されているなら追加材料層102)が基材1
2の一方の面(例えば上側表面14又は下側表面16)
だけに配置されている実施態様の場合、反対側の面に
は、「反り防止」目的で使用される1つ又はより多くの
材料層を採用してもよい。この特殊な積層配置は通常、
印刷動作の前、最中、又は後における反り、巻き等から
印刷媒体製品10を保護するために実施される。代表的
な反り防止層(単数又は複数)は、追加材料層102及
び/又はインク受容層30に関連して上に列挙された組
成物(及びその組み合わせ)のどれかから制限なしに作
ることができる。この点に関して、層30及び102に
関して本明細書に説明した情報は全て、任意の反り防止
層(上記で明示されていない1つ又はより多くの他の成
分を含んでいてもよい)の使用にも等しく適用可能であ
る。
【0095】
【実施例】次の実施例は、インク受容層30を取り入れ
ている印刷媒体製品10の好ましい態様として提供され
る。この実施例の記述は、何れの観点においても本発明
を制限しないことを理解すべきである。
【0096】この実施例(図2の印刷媒体製品10に対
応)において、基材12は、両表面/側14、16が、
例えばポリエチレンから成るコーティング層20で予め
被覆されている市販の紙製品から構成される。基材1
2、コーティング層20、及びインク受容層30に関連
した厚みの値とコーティング重量は、上に特定した数値
範囲内にある。この実施例では、他のインク受容層(も
しくは他の任意の種類の層)は用いられていない。
【0097】
【表1】
【0098】上記実施例で議論されたインク受容層30
は、単独で(即ち追加材料層(単数又は複数)102が
どれも無い状態で)又は上述の1つ又はより多くの追加
材料層(単数又は複数)102との組み合わせで用いる
ことができる。同様に、インク受容層30を(被覆の有
無を問わず)基材12の表面14、16の何れか又は両
方に配置することができる。
【0099】方法上の観点から、前出の実施態様の全て
に適用可能な基本工程は、一般に次の処理を包含する。
(1)基材を準備する。(2)基材(被覆の有無に拘わ
らず)の上側の(上方を覆う)位置にインク受容層を形
成し、又はより一般的には、基材にインク受容層を作用
的に取着して、インク受容層がその基材によって「支持
される」ようにする。インク受容層は、インク受容層3
0に関連して上に挙げた特定の調合の全てを含むことが
でき、それらの調合は、特許請求の方法に関する現在の
議論に取り入れられる。同様に、先に言及したように、
「形成する」という用語は、ここで使用され特許請求さ
れるに際しては、できるだけ広義に解釈されるものと
し、一般的には基材12/コーティング層20(使われ
ていれば)上の完成した(例えば乾燥した)インク受容
層30の(全体としての)生成及び配置を意味する。
【0100】本発明の方法のさらに別の実施態様では、
印刷媒体製品10はその内部又はその表面に、少なくと
も1つの追加の材料層(「追加材料層」と呼ぶ)を備え
た状態で実現してもよい(図3及び図4の実施態様参
照)。例えば図3の実施態様を作成するためには、次の
ステップが着手される。即ちインク受容層30の適用に
先立ち、基材12/コーティング層20の上側の位置
に、材料の少なくとも1つの追加又は中間層(例えば追
加材料層102)を配置する(又は「配置」と均等と考
えられる「形成する」)。この処理は特に、基材12/
コーティング層20(使用されていれば)とインク受容
層30の間に追加材料層102を配置して、追加材料層
102が基材12/コーティング層20とインク受容層
30の両方に作用的に取着されるようにすることを包含
する。追加材料層102は、この構造に関連して上に挙
げた特定の調合の全てを包含でき、これらの調合は現在
の議論に取り込まれる。
【0101】図4の実施態様を作成するためには、イン
ク受容層30の適用後に次のステップが着手される。即
ちインク受容層30の上部表面202の上側の位置に、
材料の少なくとも1つの追加層(例えば追加材料層10
2)を配置する(又は「配置」と均等と考えられる「形
成する」)。このようにして、追加材料層102は、イ
ンク受容層30に作用的に取着される。
【0102】以上においては本発明の好ましい実施態様
を説明してきたが、当業者によって種々の修正をなし得
ること、それにも関わらず、そうした修正が本発明の範
囲内に留まることが意図される。例えば本発明は、別途
明白に言及されない限り、特定のインク送出システム、
動作パラメータ、数値、寸法、インク組成、積層配置、
印刷媒体部品、基材、材料比率/量、及び部品方位のど
れにも制約されるものではない。従って本発明は、特許
請求の範囲によってのみ解釈されるべきものである。
【0103】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、新規なイン
ク受容層を用いることによって、先に挙げた項目(1)
〜(14)を、実質的に自動的に、個別的且つ同時に取
得することができる。特に、高水準の耐湿性、優れた耐
光性、過度の「粒状性」(即ち、印刷製品における大き
な「粒状」要素の思わしくない現出)を防ぐのに効果的
なレベルのインク凝集制御、及びハッキリとした、耐久
性のある、汚れ(スミア)耐性の、明確な印刷画像の生
成が可能な印刷媒体の提供が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ここに開示され特許請求された印刷媒体製品を
作成するのに用いられる好ましい工程段階、材料、及び
技術について概略的に示された順次的な図である。
【図2】基本的な実施態様に従って作成された、完成さ
れた印刷媒体製品の概略的な拡大部分断面図であって、
材料層とそれに関連した厚みを示す。
【図3】代替的な実施態様に従って作成された、完成さ
れた印刷媒体製品の概略的な拡大部分断面図であって、
材料層とそれに関連した厚みを示す。
【図4】さらに別の代替実施態様に従って作成された、
完成された印刷媒体製品の概略的な拡大部分断面図であ
って、材料層とそれに関連した厚みを示す。
【符号の説明】 10,100,200 印刷媒体製品 12 基材 14 上側表面 16 下側表面 20 コーティング層 30 インク受容層 102 追加材料層 104 (追加材料層の)上側表面 202 (インク受容層の)上側表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ステファン・シュッテル スイス国・セーアッシュ−3280・ムルテ ン,オベレス・ノイグート・21 (72)発明者 メンラド・シュール スイス国・セーアッシュ−1731・エペン デ,クロワ−ブランシェ・26 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA15 BA31 BA33 BA35 BA36

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、 前記基材によって支持された少なくとも1つのインク受
    容層とからなり、前記インク受容層が複数のバインダー
    組成物から構成され、これら複数のバインダー組成物
    が、ゼラチンからなる第1のバインダーと、ポリ(ビニ
    ルアルコール−エチレンオキシド)コポリマーからなる
    第2のバインダーと、ポリ(スチレン)−(n−アクリ
    ル酸ブチル)−(メタクリル酸メチル)−(2−(t−
    ブチルアミノ)メタクリル酸エチル)コポリマーからな
    る第3のバインダーとからなる、印刷媒体製品。
  2. 【請求項2】 前記インク受容層が、前記第1のバイン
    ダーを約10〜30重量%含む、請求項1に記載の印刷
    媒体製品。
  3. 【請求項3】 前記インク受容層が、前記第2のバイン
    ダーを約30〜55重量%含む、請求項1に記載の印刷
    媒体製品。
  4. 【請求項4】 前記インク受容層が、前記第3のバイン
    ダーを約10〜30重量%含む、請求項1に記載の印刷
    媒体製品。
  5. 【請求項5】 前記インク受容層がさらに、少なくとも
    1つの顔料を含む、請求項1に記載の印刷媒体製品。
  6. 【請求項6】 前記インク受容層が、前記顔料を約5〜
    40重量%含む、請求項5に記載の印刷媒体製品。
  7. 【請求項7】 前記の複数のバインダーがさらに少なく
    とも1つの追加バインダーを含み、この追加バインダー
    が前記第1のバインダー、前記第2のバインダー、及び
    前記第3のバインダーと異なる、請求項1に記載の印刷
    媒体製品。
  8. 【請求項8】 前記印刷媒体製品がさらに、少なくとも
    1つの追加材料層を含む、請求項1に記載の印刷媒体製
    品。
  9. 【請求項9】 前記印刷媒体製品がさらに、消泡剤組成
    物、殺生物剤、硬化剤、UV/光安定剤、緩衝剤、滑
    剤、pH調節化合物、防腐剤、及び乳酸から成る群から
    選択された少なくとも1つの成分を含む、請求項1に記
    載の印刷媒体製品。
  10. 【請求項10】 前記追加材料層が、前記基材と前記イ
    ンク受容層との間に配置され、前記追加材料層が、少な
    くとも1つの顔料、少なくとも1つのバインダー、及び
    それらの混合物から成る群から選択された少なくとも1
    つの組成物からなる、請求項8に記載の印刷媒体製品。
  11. 【請求項11】 基材と、 前記基材によって支持された少なくとも1つのインク受
    容層とからなり、前記インク受容層が、 ゼラチンからなる第1のバインダーと、 ポリ(ビニルアルコール−エチレンオキシド)コポリマ
    ーからなる第2のバインダーと、 ポリ(スチレン)−(n−アクリル酸ブチル)−(メタ
    クリル酸メチル)−(2−(t−ブチルアミノ)メタク
    リル酸エチル)コポリマーからなる第3のバインダー
    と、 メチルヒドロキシプロピルセルロースからなる追加バイ
    ンダーと、 シリカからなる第1の顔料と、 ポリスチレンビーズからなる第2の顔料とから構成され
    る、印刷媒体製品。
  12. 【請求項12】 インク受容層の調製に用いられるコー
    ティング調合物であって、複数のバインダー組成物から
    なり、これら複数のバインダー組成物が、ゼラチンから
    なる第1のバインダーと、ポリ(ビニルアルコール−エ
    チレンオキシド)コポリマーからなる第2のバインダー
    と、ポリ(スチレン)−(n−アクリル酸ブチル)−
    (メタクリル酸メチル)−(2−(t−ブチルアミノ)
    メタクリル酸エチル)コポリマーからなる第3のバイン
    ダーとから構成される、コーティング調合物。
  13. 【請求項13】 前記コーティング調合物が、前記第1
    のバインダー約10〜30重量%と、前記第2のバイン
    ダー約30〜55重量%と、前記第3のバインダー約1
    0〜30重量%とからなる、請求項12に記載のコーテ
    ィング調合物。
  14. 【請求項14】 前記コーティング調合物がさらに、少
    なくとも1つの顔料を含む、請求項12に記載のコーテ
    ィング調合物。
  15. 【請求項15】 前記の複数のバインダー組成物がさら
    に少なくとも1つの追加バインダーを含み、この追加バ
    インダーが前記第1のバインダー、前記第2のバインダ
    ー、及び前記第3のバインダーと異なる、請求項12に
    記載のコーティング調合物。
  16. 【請求項16】 基材を準備し、 前記基材の上側の位置に少なくとも1つのインク受容層
    を形成することからなり、前記インク受容層が複数のバ
    インダー組成物からなり、これら複数のバインダー組成
    物が、ゼラチンからなる第1のバインダーと、ポリ(ビ
    ニルアルコール−エチレンオキシド)コポリマーからな
    る第2のバインダーと、ポリ(スチレン)−(n−アク
    リル酸ブチル)−(メタクリル酸メチル)−(2−(t
    −ブチルアミノ)メタクリル酸エチル)コポリマーから
    なる第3のバインダーとから構成されてなる、印刷媒体
    製品の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記インク受容層が、前記第1のバイ
    ンダー約10〜30重量%と、前記第2のバインダー約
    30〜55重量%と、前記第3のバインダー約10〜3
    0重量%とからなる、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記インク受容層がさらに、少なくと
    も1つの顔料を含む、請求項16記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記印刷媒体製品に少なくとも1つの
    追加材料層を設ける段階を含む、請求項16記載の方
    法。
  20. 【請求項20】 前記追加材料層が、前記基材と前記イ
    ンク受容層との間に配置され、前記追加材料層が、少な
    くとも1つの顔料、少なくとも1つのバインダー、及び
    それらの混合物から成る群から選択された少なくとも1
    つの組成物からなる、請求項19に記載の方法。
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