JP2003320602A - シートおよびその積層体 - Google Patents

シートおよびその積層体

Info

Publication number
JP2003320602A
JP2003320602A JP2002133505A JP2002133505A JP2003320602A JP 2003320602 A JP2003320602 A JP 2003320602A JP 2002133505 A JP2002133505 A JP 2002133505A JP 2002133505 A JP2002133505 A JP 2002133505A JP 2003320602 A JP2003320602 A JP 2003320602A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
thermoplastic resin
thickness
sheet
resin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002133505A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomotsugu Takahashi
友嗣 高橋
Takahiko Ueda
隆彦 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yupo Corp
Original Assignee
Yupo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yupo Corp filed Critical Yupo Corp
Priority to JP2002133505A priority Critical patent/JP2003320602A/ja
Publication of JP2003320602A publication Critical patent/JP2003320602A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙製の段ボールと同様の加工で製造でき、紙
製段ボールにもプラスチック段ボールにもない、適度な
柔軟性と剛性を有し、軽量で、強度と耐水性、耐薬品性
に優れ、包装材、整流体、フィルター、建材、防音制震
材、光電磁波拡散材、細胞保持材、生物保持材などの素
材となるシートの提供する。 【解決手段】 厚さが30〜200μmで、少なくとも
1軸方向に延伸された層を有し、空孔率が0.1〜60
%、かつ厚さ方向の32kgf/cm2 荷重負荷時の圧
縮厚さが7〜55μmの熱可塑性樹脂フィルムを、波長
0.5〜60mm、波の最頂部と最低部の高さが1〜2
0mmの波状に加工したフィルム(1)と、少なくとも
その片面上に熱可塑性樹脂フィルム(2)を積層したシ
ート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、適度な柔軟性と剛
性を有し、軽量で、強度と耐水性、耐薬品性に優れ、包
装材、整流体、フィルター、建材、防音制震材、光電磁
波拡散材、細胞保持材、生物保持材などの素材となるシ
ートに関する。
【0002】
【従来の技術】包装材料分野では内容物の保護用として
紙製の段ボールが一般的に使用されている。段ボール
は、通常、中芯原紙をコルゲーターにより波状に加工
し、片面ないしは両面に内装、外装紙を貼合して製造さ
れる。内容物が湿潤なものであったり、冷凍保存を要す
るものである場合は、耐水性が要求されるため、撥水処
理を施した紙製段ボールが用いられる。撥水処理は段ボ
ール原紙へのワックス類の塗工やポリエチレンのラミネ
ートなどによって行われる。但し水中での浸使用など
の過酷な環境では、このような撥水処理した段ボ−ルの
耐水性では不十分である。耐水性のある段ボールとし
て、プラスチック段ボールがあるが、現在使用されてい
るものは、一般に押出成形、例えば、特開2001−3
87892号公報に記載の方法で成形され、剛直で比重
の大きいものが主で、用途も強度の要求される板材が主
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の紙製
の段ボールと同様の加工で製造でき、紙製段ボールにも
プラスチック段ボールにもない、適度な柔軟性と剛性を
有し、軽量で、強度と耐水性、耐薬品性に優れ、包装
材、整流体、フィルター、建材、防音制震材、光電磁波
拡散材、細胞保持材、生物保持材などの素材となるシー
トの提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、特定の熱
可塑性樹脂フィルムを特定形状に加工し、積層すること
により達成される。すなわち本発明は、厚さが30〜2
00μmで、少なくとも1軸方向に延伸された層を有
し、空孔率が0.1〜60%、かつ厚さ方向の32kg
f/cm2 荷重負荷時の圧縮厚さが7〜55μmの熱可
塑性樹脂フィルムを、波長0.5〜60mm、波の最頂
部と最低部の高さ(以下「波高」と略記する。)が1〜
20mmの波状に加工したフィルム(1)と、少なくと
もその片面上に熱可塑性樹脂フィルム(2)を接着、粘
着もしくは融着して積層したことを特徴とするシートを
提供するものである。また、本発明は、フィルム(2)
が波状に加工していないフィルム(1)の熱可塑性樹脂
フィルム、あるいは、厚さが30〜200μmで、少な
くとも1軸方向に延伸された層を有し、空孔率が0. 1
〜60%、かつ厚さ方向の32kgf/cm2 荷重負荷
時の圧縮厚さが7〜55μmの熱可塑性樹脂フィルム
を、波長0.5〜60mm、波高1〜20mmの波状に
加工したものであることを特徴とするシートである。
【0005】さらに本発明は、厚さが30〜200μm
で、少なくとも1軸方向に延伸された層を有し、空孔率
が0. 1〜60%、かつ厚さ方向の32kgf/cm2
荷重負荷時の圧縮厚さが7〜55μmの熱可塑性樹脂フ
ィルムを、波長0.5〜60mm、波高1〜20mmの
波状に加工したフィルム(1)と、波状に加工していな
いフィルム(1)の熱可塑性樹脂フィルムをフィルム
(2)とし、フィルム(1)がフィルム(2)の両面に
積層されていることを特徴とするシートである。また本
発明は、熱可塑性樹脂フィルムがポリオレフィンを主成
分としていることを特徴とする前記のシートである。ま
た本発明は、上記のシートを複数積層した積層体を提供
するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明における構成は以下の通り
である。 (1) 熱可塑性樹脂フィルム 本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルムは、厚さが3
0〜200μmであることが好ましい。厚さが30μm
に満たないとシートが強度不足となり、200μmを越
えるとシートの剛性が増し過ぎ、また、フィルム(1)
の波状加工の生産性が劣り好ましくない。また、本発明
に用いられる熱可塑性樹脂フィルムは、少なくとも1軸
方向に延伸された層を有するものであることがシートの
剛性の維持および低密度化、軽量化を実現するために好
ましい。無延伸層のみのフィルム構成では剛性不足およ
び高密度化、重量化をきたし好ましくない。
【0007】本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルム
は、下記(式1)で求められる空孔率が0.1〜60%
であることが好ましい。空孔率が0.1%に満たないと
シートの軽量化を妨げ、60%を越えるとシートの強度
が低下し好ましくない。 空孔率 (%) = (ρ0−ρ)/ρ0 × 100 ・・・(式1) ここで、ρ0:フィルムの真密度、ρ:フィルムの密度
である。本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルムは、
厚さ方向の32kgf/cm2荷重負荷時の圧縮厚さが
7〜55μmであることが好ましい。圧縮厚さが7μm
に満たないと本発明のシートの柔軟性が不足し、55μ
mを越えるとシートの強度が低下し好ましくない。な
お、圧縮厚さは、引張試験機:オートグラフAGS−5
kND(島津製作所製)に加圧ユニットを取り付け、3
2kgf/cm2 荷重負荷時の厚み変位をCCDレーザ
ー変位センサー:LK3100(キーエンス社製)にて
測定した。
【0008】本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルム
は、熱可塑性樹脂と無機微細粉末及び/又は有機フィラ
ーとで構成される。使用される熱可塑性樹脂としては、
高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン等のエチレン系樹脂、あるいはポリプロピレン
等のプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン−1、エチ
レン−環状オレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹
脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,
10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂、ポリ
エチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレン
ナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリ
スチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリフ
ェニレンスルフィド等が挙げられる。これらは2種以上
混合して用いることもできる。これらの中でも、ポリオ
レフィン系樹脂を用いることが好ましい。更にポリオレ
フィン系樹脂の中でも、コスト面、耐水性、耐薬品性の
面からポリプロピレン、高密度ポリエチレンがより好ま
しい。
【0009】プロピレン系樹脂としては、プロピレン単
独重合体でありアイソタクティックないしはシンジオタ
クティック及び種々の程度の立体規則性を示すポリプロ
ピレン、プロピレンを主成分とし、これと、エチレン、
ブテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1,4−メチル
ペンテン−1等のα−オレフィンとの共重合体が使用さ
れる。この共重合体は、2元系でも3元系でも4元系で
もよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体で
あってもよい。無機微細粉末としては、平均粒径が通常
0.01〜15μm、好ましくは0.01〜8μm、更
に好ましくは0.03〜4μmのものが使用できる。具
体的には、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けい
そう土、タルク、マイカ、合成マイカ、酸化チタン、硫
酸バリウム、アルミナなどの微細粉末を使用することが
できる。
【0010】有機フィラーとしては、分散後の平均粒径
が通常0.01〜15μm、好ましくは0.01〜8μ
m、更に好ましくは0.03〜4μmのものが使用で
き、主成分である熱可塑性樹脂とは異なる種類の樹脂を
選択することが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂フィル
ムがポリオレフィン系樹脂フィルムである場合には、有
機フィラーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロ
ン−6、ナイロン−6,6、環状オレフィンの単独重合
体や環状オレフィンとエチレンとの共重合体等であっ
て、融点が120℃〜300℃、ないしはガラス転移温
度が120℃〜280℃を有するものを挙げることがで
きる。
【0011】更に必要に応じて、安定剤、光安定剤、分
散剤、滑剤等を配合してもよい。安定剤としては、立体
障害フェノール系やリン系、アミン系等の安定剤を0.
001〜1重量%、光安定剤としては、立体障害アミン
やベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの光安
定剤を0.001〜1重量%、分散剤としては、シラン
カップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂
肪酸、金属石鹸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸な
いしはそれらの塩等を0.01〜4重量%配合してもよ
い。
【0012】本発明の熱可塑性樹脂フィルム(1)およ
びフィルム(2)を形成する熱可塑性樹脂フィルムは、
単層であっても、ベース層と表面層の2層構造であって
も、ベース層の表裏面に表面層が存在する3層構造であ
っても、ベース層と表面層間に他の樹脂フィルム層が存
在する多層構造であってもよく、前述の通り、その構成
中に少なくとも1軸方向に延伸されている層があればよ
い。また、多層構造で複数層が延伸されている場合、そ
の延伸軸数の組合せは、例えば、3層構造では1軸/1
軸/1軸、1軸/1軸/2軸、1軸/2軸/1軸、2軸
/1軸/1軸、1軸/2軸/2軸、2軸/2軸/1軸、
2軸/2軸/2軸のいずれの組合せであってもよく、そ
れ以上の層構造の場合、延伸軸数は任意に組み合わされ
る。熱可塑性樹脂フィルムが単層の場合には、通常ポリ
オレフィン系樹脂40〜99.5重量%、無機微細粉末
及び/又は有機フィラー60〜0.5重量%、好ましく
はポリオレフィン系樹脂50〜97重量%、無機微細粉
末及び/又は有機フィラー50〜3重量%からなる。
【0013】熱可塑性樹脂フィルムが多層構造である場
合は、通常ベース層がポリオレフィン系樹脂40〜9
9.5重量%、無機微細粉末及び/又は有機フィラー6
0〜0.5重量%、表面層がポリオレフィン系樹脂25
〜100重量%、無機微細粉末及び/又は有機フィラー
75〜0重量%からなり、好ましくはベース層がポリオ
レフィン系樹脂50〜97重量%、無機微細粉末及び/
又は有機フィラー50〜3重量%、表面層がポリオレフ
ィン系樹脂30〜97重量%、無機微細粉末及び/又は
有機フィラー70〜3重量%からなる。単層構造、又は
多層構造のベース層に含有される無機微細粉末及び/又
は有機フィラーが60重量%を越えると、例えば、縦延
伸後に行う横延伸時に延伸樹脂フィルムが破断し易い。
表面層に含有される無機微細粉末及び/又は有機フィラ
ーが75重量%を越えると、横延伸後の表面層の表面強
度が低く、使用時の機械的衝撃等により表面層が破壊し
やすくなり好ましくない。
【0014】[樹脂フィルムの成形]熱可塑性樹脂フィ
ルムの成形方法は特に限定されず、公知の種々の方法が
使用できる。具体例としては、スクリュー型押出機に接
続された単層または多層のTダイやIダイを使用して溶
融樹脂をシート状に押し出すキャスト成形、カレンダー
成形、圧延成形、インフレーション成形、熱可塑性樹脂
と有機溶媒やオイルとの混合物のキャスト成形またはカ
レンダー成形後の溶剤やオイルの除去、熱可塑性樹脂の
溶液からの成形と溶媒除去などが挙げられる。
【0015】[延伸]延伸には、公知の種々の方法が使
用できるが、具体例としては、非結晶樹脂の場合は使用
する熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上、結晶性樹脂
の場合には非結晶部分のガラス転移点温度以上から結晶
部の融点以下のそれぞれの熱可塑性樹脂に好適な公知の
温度範囲で行うことができ、ロール群の周速差を利用し
た縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、圧延、
テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる
同時二軸延伸などが挙げられる。
【0016】延伸倍率は、特に限定されず、目的と使用
する熱可塑性樹脂の特性により適宜選択される。例を挙
げると、熱可塑性樹脂としてプロピレン単独重合体ない
しはその共重合体を使用し、一方向に延伸する場合は約
1.2〜12倍、好ましくは2〜10倍であり、二軸延
伸の場合には面積倍率で1.5〜60倍、好ましくは1
0〜50倍である。その他の熱可塑性樹脂を使用し、一
方向に延伸する場合は1.2〜10倍、好ましくは2〜
5倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で1.5〜2
0倍、好ましくは4〜12倍である。更に、必要に応じ
て高温での熱処理が施される。延伸温度は使用する熱可
塑性樹脂の融点より2〜60℃低い温度であり、樹脂が
プロピレン単独重合体(融点155〜167℃)では1
52〜164℃、高密度ポリエチレン(融点121〜1
34℃)では110〜120℃、ポリエチレンテレフタ
レート(融点246〜252℃)では104〜115℃
である。
【0017】(2) フィルム(1)およびフィルム
(2)の形成 本発明に用いられるフィルム(1)および、場合によっ
てフィルム(2)は、上記の熱可塑性樹脂フィルムを波
長0.5〜60mm、波高1〜20mmの波状になるよ
うに加工して形成る。波長、あるいは波高がこの範囲
を逸脱すると、本発明のシートの柔軟性が不足したり、
シートを素材として用いる用途にそぐわなくなり好まし
くない。加工方法としては、熱可塑性樹脂フィルムに付
形したい形状を設けた金型を用いたプレス加工、エンボ
スロールを用いて付形するエンボス加工、および紙段ボ
ールの中芯を加工する際に用いられるコルゲート加工等
が挙げられる。これらの加工に際しては、熱可塑性樹脂
フィルムを加熱加圧しながら行うことが、安定した形状
の維持や生産性の向上を図るため好ましい。この中でも
連続生産性、および後述のフィルム(1)とフィルム
(2)の積層工程を同一製造工程内で行えるという観点
からコルゲート加工が特に好ましい。
【0018】(3) フィルム(1)とフィルム(2)
の積層 本発明のフィルム(1)とフィルム(2)の積層方法は
一般的な接着、粘着もしくは融着の中から選択できる。
接着、粘着もしくは融着による積層は、一般的な接着
剤、粘着剤もしくはヒートシール用フィルムをフィルム
(1)またはフィルム(2)の貼合面の少なくとも片面
上に全面もしくは特定パターンで塗布や積層し、接着剤
は流動状態を保ったままフィルム(1)とフィルム
(2)を貼合後、接着剤やヒートシール用フィルムを固
化させる。粘着剤の場合は固化の必要はない。
【0019】[接着剤]接着剤はフィルム(1)とフィ
ルム(2)の貼合時に接着力を保有するものが使用でき
る。通常は常温もしくは加熱した状態で加圧接着できる
もので、ポリウレタン系のものやアクリル系の溶液状態
のものやエマルジョン状態のものが挙げられる。後述す
る粘着剤と同じもので強粘タイプのものや一般的なヒー
トシーラーが使用できる。場合によっては接着剤ととも
に硬化剤も併用できる。接着剤は、秤量が0.5〜25
g/m2 となるように塗布される。
【0020】[粘着剤]粘着剤の種類や厚さ(塗工量)
は、被着体の種類や使用される環境、接着の強度等によ
り種々選択が可能である。一般に用いられる水系もしく
は溶剤系の粘着剤を塗工、乾燥して形成でき、天然ゴム
系、合成ゴム系、アクリル系等が使用でき、これらの合
成高分子粘着剤は、有機溶媒溶液や、ディスパージョン
やエマルジョンといった水に分散された形態でも使用可
能である。本発明のシートの色調や外観を調整のため、
粘着剤にチタンホワイトなどの顔料を含有したものを使
用することも可能である。
【0021】粘着材によりフィルム(1)およびフィル
ム(2)を貼り合せる場合は、例えば、先ず、粘着剤を
溶液状態で剥離紙のシリコーン処理面上に塗工する。塗
工は、ロールコーター、ブレードコーター、バーコータ
ー、エアーナイフコーター、グラビアコーター、リバー
スコーター、ダイコーター、リップコーター、スプレー
コーター等により行う。次いで必要によりスムージング
を行った後乾燥し、乾燥した粘着材のシートをフィルム
(1)またはフィルム(2)の少なくとも片面と接合さ
せて粘着剤をフィルムに転写し、次いで、剥離紙を取り
除き露出した粘着剤に別のフィルム(1)またはフィル
ム(2)を貼合する。また、フィルム(1)またはフィ
ルム(2)に直接に粘着剤を塗工することもできる。粘
着剤の乾燥後の厚みは本発明のシートの強度の観点か
ら、通常2〜30μm、好ましくは5〜20μmであ
る。
【0022】[ヒートシール用フィルム]ヒートシール
用フィルムを用いるフィルム(1)とフィルム(2)の
積層は、フィルム(1)およびフィルム(2)がポリオ
レフィン系樹脂を主成分としている場合、ヒートシール
用フィルムとしては無延伸のポリプロピレンフィルム
(CPP)、ポリエチレンフィルム、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)フィルムなどが使用できる。ヒ
ートシール用フィルムの厚みは本発明のシートの強度の
観点から通常5〜200μm、好ましくは7〜150μ
mである。ヒートシール用フィルムをフィルム(1)も
しくはフィルム(2)の少なくとも片面上に設置する方
法は、ドライライネーションによって接着して設ける方
法、押し出しラミネーションによって設ける方法、およ
びフィルム(1)もしくはフィルム(2)の原材料であ
る熱可塑性樹脂フィルムの成型時に共押し出しによって
設ける方法などが挙げられる。共押し出しによる方法の
場合、ヒートシール用フィルムは延伸されていてもよ
い。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的にに
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。なお、フィルムの製造
には表1に示す熱可塑性樹脂及び炭酸カルシウムを使用
した。
【表1】
【0024】[熱可塑性樹脂フィルムの製造] (製造例1)プロピレン単独重合体(PP2)65重量
%、高密度ポリエチレン(HDPE)10重量%及び炭
酸カルシウム25重量%を混合した組成物(A1)とプ
ロピレン単独重合体(PP1)を99重量%、二酸化チ
タン1重量%を混合した組成物(A2)と、プロピレン
単独重合体(PP1)100重量%(A3)とを、それ
ぞれ別々の3台の押出機を用いて250℃で溶融混練し
た。これらの混練物を一台の共押ダイに供給してダイ内
で(A2/A1/A3)の状態で積層した後、シート状
に押し出し、冷却ロールで約60℃まで冷却することに
よって積層フィルムを得た。
【0025】このフィルムを145℃に加熱した後、多
数のロール群の周速差を利用して縦方向に5倍延伸し、
再び約150℃まで加熱してテンターで横方向に8.5
倍延伸した。その後、160℃でアニーリング処理した
後、60℃まで冷却し、耳部をスリットして3層構造
(二軸延伸/二軸延伸/二軸延伸)の厚さ54μm(A
2/A1/A3=4μm/46μm/4μm)の積層フ
ィルムとし、空孔率が22%、厚さ方向の32kgf/
cm2 荷重負荷時の圧縮厚さが22.4μm、白色度が
96.5 %、不透明度が89.9%、密度が0.78
g/cm3 の熱可塑性樹脂フィルムを得た。
【0026】(製造例2)プロピレン単独重合体(PP
2)87重量%、高密度ポリエチレン(HDPE)10
重量%及び炭酸カルシウム3重量%を混合した組成物を
270℃の温度に設定した押出機にて混練した後、シー
ト状に押し出し、更に冷却装置により冷却して、無延伸
シートを得た。このシートを150℃の温度にまで加熱
した後、縦方向5倍の延伸を行って5倍縦延伸フィルム
(B1)を得た。別途、プロピレン単独重合体(PP
1)52重量%、高密度ポリエチレン(HDPE)3重
量%及び炭酸カルシウム45重量%とを混合した組成物
を別の押出機にて210℃で混練した後、ダイによりシ
ート状に押し出し、これをさきに得られた5倍縦延伸フ
ィルムの両面に積層し、3層構造の積層フィルム(B
2)とした。
【0027】次いで、この3層構造の積層フィルムを6
0℃の温度にまで冷却した後、約155℃の温度にまで
加熱し、テンターを用いて横方向に9倍延伸し、165
℃の温度でアニーリング処理し、60℃の温度にまで冷
却し、耳部をスリットして3層構造(一軸延伸/二軸延
伸/一軸延伸)の厚さ90μm(B2/B1/B2=2
1μm/48μm/21μm)の積層フィルムで、空孔
率が4%、厚さ方向の32kgf/cm2 荷重負荷時の
圧縮厚さが8.0μm、白色度が91%、不透明度が3
9%、密度1.02 g/cm3 の熱可塑性樹脂フィル
ムを得た。
【0028】(製造例3)プロピレン単独重合体(PP
2)81重量%、高密度ポリエチレン(HDPE)3重
量%及び炭酸カルシウム16重量%を混合した組成物を
270℃の温度に設定した押出機にて混練した後、シー
ト状に押し出し、更に冷却装置により冷却して、無延伸
シートを得た。このシートを150℃の温度にまで再度
加熱した後、縦方向5倍の延伸を行って5倍縦延伸フィ
ルム(C1)を得た。別途、プロピレン単独重合体(P
P1)54重量%と、炭酸カルシウム46重量%とを混
合した組成物を別の押出機にて210℃で混練した後、
ダイによりシート状に押し出し、得られたシート(C
2)を上記工程で得られた5倍縦延伸フィルム(C1)
の両面に積層し、3層構造の積層フィルムを得た。
【0029】次いで、この3層構造の積層フィルムを6
0℃の温度にまで冷却した後、再び約155℃の温度に
まで加熱し、テンターを用いて横方向に7.5倍延伸
し、165℃の温度でアニーリング処理し、60℃の温
度にまで冷却し、耳部をスリットして3層構造(一軸延
伸/二軸延伸/一軸延伸)の厚さ150μm(C2/C
1/C2=25μm/100μm/25μm)の積層フ
ィルムで、空孔率が30%、厚さ方向の32kgf/c
2 荷重負荷時の圧縮厚さが33.5μm、白色度が9
6%、不透明度が91.5%、密度が0.72g/cm
3 の熱可塑性樹脂フィルムを得た。
【0030】
【実施例1〜3】製造例1〜3で製造した熱可塑性樹脂
フィルムを120℃に加熱しながらコルゲートマシンに
て波長7mm、波高4mmの波状に加工しフィルム
(1)とし、コルゲートマシンに付設されたコーターヘ
ッドにてフィルム(1)の波の最頂部にアクリルエマル
ジョン系接着剤を塗布し、直後にフィルム(1)の成形
に使用した熱可塑性樹脂フィルムと同じフィルムをフィ
ルム(2)として、フィルム(1)と貼合積層し、乾燥
工程を経て接着剤を乾燥固化し、シートを得た。
【0031】
【実施例4】製造例1で製造した熱可塑性樹脂フィルム
を120℃に加熱しながらコルゲートマシンにて波長7
mm、波高4mmの波状に加工してフィルム(1)と
し、コルゲートマシンに付設されたコーターヘッドにて
フィルム(1)の波の最頂部にアクリルエマルジョン系
接着剤を塗布し、実施例1で製造したシートのフィルム
(2)の両面に貼合積層し、乾燥工程を経て接着剤を乾
燥固化し、シートを得た。実施例1〜4で製造されたシ
ートの構成を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明のシートは、紙製の段ボールと同
様の加工で製造でき、紙製段ボールや従来のプラスチッ
ク段ボールにもない、適度な柔軟性と剛性を有し、軽量
で、強度と耐水性、耐薬品性に優れ、包装材、整流体、
フィルター、建材、防音制震材、光電磁波拡散材、細胞
保持材、生物保持材などの素材として使用できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01B AK01C AK01D AK03A AK03B AK03C AK03D AK05 AK07 AL05 BA02 BA03 BA05 BA06 BA10B BA10C BA10D BA16A BA16D BA25A BA25B BA25D DC11A DC11B DC11D DD13A DD13B DD13D DJ00A DJ00B DJ00D DJ06A DJ06B DJ06D EJ37A EJ37B EJ37D GB07 GB15 JB16A JB16B JB16C JB16D YY00A YY00B YY00D

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さが30〜200μmで、少なくとも
    1軸方向に延伸された層を有し、空孔率が0.1〜60
    %、かつ厚さ方向の32kgf/cm2 荷重負荷時の圧
    縮厚さが7〜55μmの熱可塑性樹脂フィルムを、波長
    0.5〜60mm、波の最頂部と最低部の高さが1〜2
    0mmの波状に加工したフィルム(1)と、少なくとも
    その片面上に熱可塑性樹脂フィルム(2)を積層したこ
    とを特徴とするシート。
  2. 【請求項2】 フィルム(2)が、波状に加工していな
    いフィルム(1)の熱可塑性樹脂フィルムであることを
    特徴とする請求項1に記載のシート。
  3. 【請求項3】 フィルム(2)が、厚さが30〜200
    μmで、少なくとも1軸方向に延伸された層を有し、空
    孔率が0.1〜60%、かつ厚さ方向の32kgf/c
    2 荷重負荷時の圧縮厚さが7〜55μmの熱可塑性樹
    脂フィルムを、波長0.5〜60mm、波の最頂部と最
    低部の高さが1〜20mmの波状に加工したものである
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート。
  4. 【請求項4】 厚さが30〜200μmで、少なくとも
    1軸方向に延伸された層を有し、空孔率が0.1〜60
    %、かつ厚さ方向の32kgf/cm2 荷重負荷時の圧
    縮厚さが7〜55μmの熱可塑性樹脂フィルムを、波長
    0.5〜60mm、波の最頂部と最低部の高さが1〜2
    0mmの波状に加工したフィルム(1)と、波状に加工
    していないフィルム(1)の熱可塑性樹脂フィルムをフ
    ィルム(2)とし、フィルム(1)がフィルム(2)の
    両面に積層されていることを特徴とするシート。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂フィルムがポリオレフィン
    を主成分としていることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載のシート。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載のシート
    を複数積層した積層体。
JP2002133505A 2002-05-09 2002-05-09 シートおよびその積層体 Pending JP2003320602A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002133505A JP2003320602A (ja) 2002-05-09 2002-05-09 シートおよびその積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002133505A JP2003320602A (ja) 2002-05-09 2002-05-09 シートおよびその積層体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003320602A true JP2003320602A (ja) 2003-11-11

Family

ID=29544777

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002133505A Pending JP2003320602A (ja) 2002-05-09 2002-05-09 シートおよびその積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003320602A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015056724A1 (ja) 2013-10-15 2015-04-23 株式会社ユポ・コーポレーション フィルター

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015056724A1 (ja) 2013-10-15 2015-04-23 株式会社ユポ・コーポレーション フィルター
US10010892B2 (en) 2013-10-15 2018-07-03 Yupo Corporation Filter

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3368308B1 (en) Coated, oriented, linear, low-density, polethylene films
JP3773273B2 (ja) 印刷性に優れた積層構造の合成紙
WO2018186297A1 (ja) 高周波誘電加熱接着シート、及び高周波誘電加熱接着シートを用いてなる接着方法
JP5579394B2 (ja) インモールド成形用ラベル
JP6299553B2 (ja) 電池外装用ラミネートフィルム及び電池
TWI364446B (en) Surface protective film
SK73696A3 (en) Multilayer oriented heat sealable film structure, polysiloxanes mixture and using hydrocarbyl substituted polysiloxane
TW201008773A (en) Protective film with release surface
US20200369014A1 (en) Polyethylene film compositions, laminates, and methods for making the same
WO2000018829A1 (fr) Film de resine thermoplastique et feuille etiquette comprenant ledit film
KR20200143476A (ko) 다공질 연신 필름 및 인쇄용 필름
WO2014154130A1 (zh) 模内成型用标签及使用其的带标签的塑料容器
JP2006082455A (ja) 自動車内装天井材用の積層部材
KR102013169B1 (ko) 이축연신 폴리프로필렌 데코시트 필름 및 이를 이용한 무늬목 제조방법
JP6017962B2 (ja) 反射シート
CN109890882B (zh) 薄膜、卷绕体及粘合带
JP2003320602A (ja) シートおよびその積層体
JP4943894B2 (ja) 包装用容器
JP4551210B2 (ja) 壁装材表面保護用積層フィルム及び壁装材
WO2022210896A1 (ja) 積層体及び積層体の製造方法
JP4753488B2 (ja) Icタグ用シート
JP2002370297A (ja) 熱収縮性気泡緩衝シートおよびこの製造方法
WO2021193861A1 (ja) 感熱ラベル及び感熱ラベルの製造方法
JP2017030261A (ja) 積層体
JPH0468033A (ja) 軟質ポリオレフィンフィルム