JP2003320243A - 木質系炭化素材に光照射する事を特徴とする水質浄化装置 - Google Patents

木質系炭化素材に光照射する事を特徴とする水質浄化装置

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JP2003320243A
JP2003320243A JP2002167889A JP2002167889A JP2003320243A JP 2003320243 A JP2003320243 A JP 2003320243A JP 2002167889 A JP2002167889 A JP 2002167889A JP 2002167889 A JP2002167889 A JP 2002167889A JP 2003320243 A JP2003320243 A JP 2003320243A
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徹 植田
Satoru Shibata
悟 柴田
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    • Y02W10/37Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies using solar energy

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】光照射によって機能を向上させた木質系炭化素
材の利用法を提供すると同時に、生物系廃棄物問題の低
減方法に関しても提供する。 【解決手段】木炭等の木質系炭化素材に、単に光照射す
れば良い。非常に単純であるが、単に、その組み合わせ
だけで木質系炭化素材の機能を向上させる事ができる。
また、市販の備長炭や黒炭等をそのまま使うのではな
く、一度、マッフル炉等で1150℃で1時間程度、高
温処理してから使った方が、木質系炭化素材の機能が高
まる。この原理は、水質浄化装置、浄水器、消臭機等で
広く応用可能である。この現象は、恐らく、植物の根
が、土壌から各種の重金属を吸収し、地上部に蓄積して
いたものが、炭化の過程で、光触媒機能がある金属酸化
物半導体に変化すると同時に、植物組織内の水分を飛ば
す過程(炭化)によって、その濃度が高まるためと推測
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木炭等の生物系炭
化素材を、安全かつ安定な天然物由来の「光触媒様物
質」もしくは「光分解反応促進物質」として各方面で高
度利用する方法、及び、建築廃材、松喰い虫廃材等の産
業廃棄物の再利用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木炭、竹炭等の木質系炭化素材
は、有機物質を除去する能力を持つ事から、水質浄化、
脱臭、大気浄化、塗料、土壌改良材、堆肥化剤、健康食
品等の多方面で使われてきているが、光照射により、そ
れらの機能が向上する事は知られていない。また、木
炭、活性炭等の有機物質除去能は、もっぱら木炭が多孔
性である事から、その孔の中に各種の有機物質が入り込
む吸着作用か、もしくはその孔の中に生息する微生物群
のためと考えられており、光分解の可能性は考えられて
いない。また、その一方で、光触媒に関しても、防汚・
抗菌、排ガス浄化など広範囲な用途で用いられている
が、光触媒物質としては、アナターゼ型二酸化チタンが
商品の大半を占め、他の光触媒物質としては、酸化亜
鉛、硫化カドミウム、セレン酸カドミウム等が知られて
いるものの、市場ではほとんど使われていない。従っ
て、現在、機能性・生産性・安全性の各面で、二酸化チ
タンに匹敵する光触媒物質の探索が世界中で行われてい
る。しかし、そういったスクリーニングにおいて、重金
属ではなく、天然素材から光触媒を探索する試みはほと
んどされていない。また、二酸化チタンがいかに安全と
はいえ生態系で大量に用いると重金属汚染を引き起こす
危険性も考えられる。発明者らは、以上の背景に鑑み、
天然素材である木質系炭化素材に着目した。と言うの
は、植物は一般に生育に微量元素を必要とし、亜鉛、
鉄、マンガン等様々な遷移元素を植物組織内に蓄積させ
ている事から、炭化する過程で、植物組織内に含まれる
各種の金属元素が光触媒活性を有する金属酸化物半導体
になる可能性が考えられたからである。また、炭化素材
は一般にアルカリ性である事も、光化学反応を促進する
上で有利である。更に、炭化過程で、生物組織から水分
が除去され体積が大きく減容する事によって、金属酸化
物半導体濃度を濃縮させる効果も期待される。発明者ら
は、これらの仮説を立てた上で、実証試験を行った結
果、木炭、特にその高温処理物に、予測通り光触媒様活
性もしくは光分解反応促進作用を見出したので、間伐材
等林業廃棄物、建築廃材・松喰い虫廃材等の木質系廃棄
物処理問題の低減にも貢献しうる新たな発明として、こ
こに提供するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】間伐材等林業廃材、建
築廃材、松食い虫廃材等の木質系廃棄物処理問題の低減
に貢献すると同時に、二酸化チタン利用による重金属汚
染問題を低減させうる、天然素材からなる光触媒様物質
もしくは光分解反応促進物質及びその利用法を提供する
事を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】木炭もしくは生物系炭化
素材に単に光照射すればよい。ここで用いる光は紫外線
ランプや蛍光灯でも良いが、太陽光線でもよい。また、
木炭もしくは生物系炭化素材は、そのままでも良いが、
1150℃、1時間程度は更に高温処理した方が、光触
媒様反応は更に高まる。非常に単純ではあるが、単に、
それだけで、木炭もしくは生物系炭化素材の有機物質除
去能を向上させる事ができ、木炭等の機能を各方面で高
度に向上させる事が可能となるだけでなく、間伐材等林
業廃材、建築廃材・松喰い虫廃材等の木質系廃棄物処理
問題の低減にも貢献する事ができる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。木炭、竹炭等を、高温炉もしくは炭化炉で、更に1
150℃で1時間程度処理する。木炭、竹炭そのままで
も良いが、炭化温度が比較的低い黒炭に関しては、植物
組織には多環芳香族物質も食塩も共に多いので、低温炭
化の過程でダイオキシンが発生している可能性も否定で
きない。また、この処理によって、木炭の体積が減少す
る事により、(含まれている事が予測される)金属酸化
物半導体濃度を更に濃縮させる事もできるので、一度、
1150℃で1時間程度は処理した方が良く、実施例に
示したように、発明者らは黒炭を高温処理する事によっ
て、光分解能が飛躍的に高まる事を確認している。ま
た、備長炭等の白炭に関しても、同様の効果が認められ
たので、白炭にせよ黒炭にせよ木炭を使う場合は、粉末
にした上で、1150℃で1時間程度の高温処理を行っ
た方が良いだろう。なお、1150℃で1時間程度とい
う高温処理条件は一例に過ぎず、例えば800〜170
0℃、0.5〜48時間の範囲で、試料により、適宜、
条件検討を行った方が良い。
【0006】一般に、植物は、土壌中の様々な重金属を
根から吸収し、茎、葉等の地上部に蓄積させる傾向があ
るので、特に植物を炭化した素材は、一定量の重金属酸
化物を含む事が容易に推測でき、その中には光触媒活性
を持つ金属酸化物半導体も含まれる事が予測される。ま
た、植物だけでなく糞尿を含む動物組織に関しても、一
般に多種の金属元素を含み、炭化過程で、光触媒活性を
持つ金属酸化物半導体が生成・濃縮される効果が同様に
期待される。また、炭化素材は一般にアルカリ性である
ため、比較的量が多い水酸化イオンが光触媒反応によっ
て生成するヒドロキシラジカルの供給源として働く可能
性もあり、そういった意味でも、炭化素材は二酸化チタ
ンとは異なる「天然の光触媒物質」として今後、様々な
分野で使われる可能性が考えられる。
【0007】また、安全面から見れば、現在の光触媒市
場の大半を占めている二酸化チタンは、食品添加剤にも
使われ、安全性は十分に確保されているとは言えるが、
それでも、重金属である事には変わりはなく、そういっ
た重金属を、例えばダイオキシン汚染土壌修復等の目的
で、生態系で大量に使うのは、二次汚染を引き起こす危
険性も考えざるをえない。その一方、木質系炭化素材の
場合は、いくら重金属等が含まれているとはいえ、元々
は、植物(森林)であった事を考慮すると、いくら生態
系に投入しても、大きな二次汚染が発生するとは考えに
くい。しかし、必要以上に加えても意味がないので、ど
ういった使用目的にせよ、まず予備実験で必要量を抑え
てから大量使用した方が良いのは言うまでもない。
【0008】また、塗料等で二酸化チタンを用いる場
合、その活性が強すぎて、チョーキング(白亜化現象)
と呼ばれる光による塗膜の劣化があるため、アルミナや
シリカ等をコーティングし、周りの材料を分解しにくく
して用いる事が多い。それに対し、木質系炭化素材のよ
うな天然素材を塗料等で用いる場合は、二酸化チタン程
は光分解活性が強くないので、その分、取り扱いが容易
である。
【0009】今回、本発明によって、初めて、木質系炭
化素材に光照射する事によって、有機物質除去能が促進
される事が実証された訳であるが、この原理は、単純で
ある事から、今後、木質系炭化素材を様々な分野で、光
触媒様物質もしくは光分解反応促進物質として用いる事
が可能になる。具体的に例を列挙すれば、有害物質除
去、環境修復(水質浄化、土壌浄化、大気浄化等)、空
気清浄機、脱臭フィルター、塗料、外壁、外装、建材、
テント等の防汚、抗菌・脱臭用繊維および紙、蛍光ラン
プ、街路灯関連の防汚、防汚・抗菌タイル(内装、外
装)、道路、コンクリート、セメント、キッチン関連の
防汚・抗菌、自動車の防汚コーティング、防藻、食品添
加剤、歯磨き粉部材、対癌光化学療法等の、光触媒市場
における各種用途の他、土壌改良材、堆肥化剤、肥料部
材、健康食品、化粧品、入浴剤、食品添加剤、料理添加
剤、食品保存剤等の、木炭市場における各種用途にも用
いる事ができると考えられる。
【0010】なお、木質系炭化素材に最も適した光波長
が、可視光なのか、紫外線(250nmあるいは360
nm)なのかは、本特許願を出願する段階では精査して
おらず、今後の確認が求められるが、今の段階で明らか
なのは、実施例で示したように、これら全ての波長の光
照射を行えば、光分解反応が促進されるという事であ
り、それだけわかれば特許願を提出する上では十分であ
ろう。ただ、紫外線ランプなしの蛍光灯だけでも光分解
反応促進が見られる傾向がある事は確認しているので、
蛍光灯は安価である事から本発明は幅広く応用可能と考
えられる。また、炭化素材に用いる植物等の生物種、あ
るいはその植物が生息していた土壌や生育条件によって
植物体内に蓄積される重金属の種類や量は違ってくるの
で、そういった意味では、本発明で用いる木質系炭化素
材に適した光波長は、その試料ごとに確認する必要があ
るのかもしれない。
【0011】更に、具体例を挙げると、株式会社大林組
は、「木炭水質浄化システム」を売り出している(ht
tp://www.obayashi.co.jp/s
olution/mokutan/)が、これは、エア
ーリストポンプにより、汚濁水が木炭カートリッジ内を
通り、集水体に集められ、汚濁水がカーリッジ内を通過
する際、木炭表面の微生物に汚濁水が接触し、浄化され
る事が原理となっている。このシステムの汚濁水が通過
する木炭カートリッジに、更に、蛍光灯、紫外線等の光
照射を行う装置を付ける事により、浄化能を向上させる
事ができる事が期待され、特に、太陽光線が使えない夜
間にその効果は高まることが予測される。また、その光
照射の電源は、このシステムにある太陽電池をそのまま
用いればエネルギー問題低減の面でも有利である。
【0012】また、木炭カートリッジ等の全体又はそれ
らの一部を、紫外線を透過する合成樹脂材料又はガラス
等の紫外線透過部材にし、自然光透過量を高める装置
や、あるいは、太陽自動追尾式反射鏡装置等を使って、
更に木炭カートリッジへの光透過量を高める装置を付け
る事も、自然エネルギー有効利用の面で賢明である。
【0013】また、ここで用いる木炭についても単なる
黒炭ではなく、黒炭を更に、例えば1150℃で1時間
処理したような炭化素材を用いた方が、浄化能は高まる
事が予測される。また、必要なら、浄化に関わる微生物
群を形成させるための従来の木炭システムと、光浄化を
行わせるためのシステムを、同一の装置の中に両方取り
入れたハイブリッド浄化システムにしても良い。
【0014】なお、浮体式であれ、地上固定式であれ、
大林組と同様の原理のシステムは、株式会社日立製作所
の木炭水質浄化システム(http://www.hi
tachi.co.jp/Div/kankyo/34
340b01.html)、宇部樹脂加工株式会社の木
炭水質浄化システム(http://www.umga
bs.co.jp/jp/ecology/e6.ht
)、株式会社東京日立の木炭水質浄化装置(htt
p://www.tokyohitachi.co.j
p/seihin/jouka.jpg)、松喜興産株
式会社の木炭利用水質浄化装置(特許登録第31509
47号)、更には、四万十川方式水処理技術(htt
p://www.pref.kochi.jp/〜sh
imanto/4/kouzo.htm)等、枚挙に暇
がない程、確認できるが、それらの全てのシステムに本
発明は適用でき、水質浄化能を向上させる事が可能であ
る。
【0015】また、これと同様なシステムを、家庭用・
業務用浄水器においても開発する事は可能であり、浄水
器の活性炭通過カートリッジ部に、蛍光灯や紫外線照射
装置等の光照射装置を装着するか、カートリッジの全体
又はそれらの一部を、紫外線を透過する合成樹脂材料又
はガラス等の紫外線透過部材にし、自然光透過量を高め
るか、すれば本発明を効果的に利用できる。
【0016】また、同様の論理で、木炭もしくは活性炭
に光照射(可視光、紫外線)する事を特徴とする室内脱
臭装置、空気浄化装置を製造する事も可能であり、必要
なら、マイナスイオン噴射機を更に設置しても良い。こ
れらの装置は、脱臭や除菌が必要な、トイレ、喫煙室、
冷蔵庫、食品等保存庫、病院、自動車内等で広く利用す
る事が可能である。
【0017】以上、例を挙げてきたように、光照射と木
質系炭化素材とを組み合わせる用途は、非常に多く、こ
こでこれ以上枚挙しても仕方がない程であるが、基本原
理が同じである以上、
【請求項4】に示したように、それらの全てに特許請求
を行えるものと信ずる。
【0018】なお、本発明は、光触媒及び木炭利用法に
関わるだけでなく、近年、問題が拡大している廃棄物問
題の低減にも有効である。例えば、間伐材等林業廃材、
建築廃材・松喰い虫廃材等の木質系廃棄物処理問題は年
々、拡大しているが、本発明を適用する事により、今ま
では産業廃棄物に過ぎなかった廃材を、高温炭化する事
により光触媒様物質に生まれ代わらさせ、そこに商業的
価値を発生させる事が可能となるので、例えば、現在、
放置されている被害木により被害が拡大傾向にある全国
の松喰い虫の対策にも有効に働くものと期待され、地方
自治体や第三セクターによる松喰い虫廃材、建築廃材、
間伐材等の再資源化が可能になる事が期待されよう。
【0019】次に、実施例にて本発明をより詳細に説明
するが、本発明は下記の例のみに限定されるものではな
い。
【実施例】
【0020】滅菌超純水にレマゾール・ブリリアント・
ブルーR(シグマ社)を加え、15ppmの濃度になる
ように溶解させ、水質浄化におけるモデル排水とした。
本水溶液は、青色を呈する。本物質は、ダイオキシン分
解菌のスクリーニングに用いられており、この色素を含
んだ寒天培地上で透明なゾーンを形成する微生物は、ダ
イオキシンを分解する能力を有する事が報告されている
(鈴木源士、新嶋洋明、バイオテクノロジーを利用した
低コストな環境負荷低減技術の開発−微生物を用いたダ
イオキシン汚染土壌修復システムの開発・実用化−、H
11年度提案公募 NEDO事業成果報告会予稿集)。
そういった意味では、本水溶液は、水質浄化・浄水器の
モデル実験として使えるだけでなく、ダイオキシン汚染
排水のモデルとしても利用できる。さて、本水溶液40
mlを、50ml容の三角フラスコ24本にそれぞれ添
加した。その上で、以下の8つの方法で、それぞれ12
時間処理した。(1)白炭(備長炭)粉をマッフル炉で
1150℃、1時間処理した炭化素材を50mg添加
し、光照射した区。(2)白炭(備長炭)粉をマッフル
炉で1150℃、1時間処理した炭化素材を50mg添
加し、暗処理した区。(3)黒炭(ナラ木炭)粉をマッ
フル炉で1150℃、1時間処理した炭化素材を50m
g添加し、光照射した区。(4)黒炭(ナラ木炭)粉を
マッフル炉で1150℃、1時間処理した炭化素材を5
0mg添加し、暗処理した区。(5)アナターゼ型二酸
化チタン(和光純薬工業株式会社製)を50mg添加
し、光照射した区。(6)アナターゼ型二酸化チタンを
50mg添加し、暗処理した区。(7)色素溶液に何も
加えず、光照射のみした区。(8)色素溶液に何も加え
ず、暗処理した区。なお、光照射は、ピーク波長360
nmの紫外線照射装置(ブラックライトFL10BL:
NECライティング株式会社)5台と、ピーク波長25
3nmの紫外線照射装置(殺菌ランプGL10:ピーク
波長253nm、NECライティング株式会社)5台を
内部に設置し、蛍光灯照明度最大とした照明付植物イン
キュベーターアイラトロン(FLI−301N、東京理
化器機株式会社製)にて行い、暗処理は色素溶液を含む
三角フラスコを予めアルミ箔で遮光した上で、暗室にお
く事によって行った。なお、光照射、暗処理共、温度は
30℃に統一した。12時間後、それぞれの溶液を濾過
し、脱色程度を吸光度測定(OD600)する事によ
り、色素除去活性を測定した。その結果(それぞれの区
の平均値)を以下に示す。なお、数値は(8)区のOD
600を100とした場合の相対値である。(1)3
2.1(2)50.3(3)32.7(4)47.4
(5)25.1(6)100(7)100(8)10
0。この数値から明らかのように白炭、黒炭共に、同等
の有機物除去活性が確認でき、いずれも暗処理区より、
光照射区の方が有機物除去能が高く、後ほど、何度追試
しても、その傾向は変わらなかった。また、その光照射
区の有機物質除去程度は、アナターゼ型二酸化チタンよ
りは劣るが、その一方で、暗処理区の有機物質除去能に
関しては、木質系炭化素材の方が、アナターゼ型二酸化
チタンより、格段に高かった。これは、アナターゼ型二
酸化チタンが360nm付近の紫外線しか利用できない
のに対し、木質系炭化素材は、弱い可視光でも光触媒様
活性を示すためか、もしくは暗処理区では光分解ではな
く単に吸着しているためか、もしくは両者か、今の段階
ではわからないが、いずれにせよ、一概にアナターゼ型
二酸化チタンが木質系炭化素材より優れているとは言え
ず、使用目的に応じて使い分ける事ができるだけの市場
ニッチェを持ちうるものと期待される。また、ここで
は、データは示さないが、マッフル炉で1150℃、1
時間処理をしていない、ホームセンターで購入したまま
の備長炭粉、ナラ木炭粉を用いて同様の実験を行ったと
ころ、やはり、光照射区の方が暗処理区より、有機物質
除去能が高く、そういった意味でも、木炭が事実上、光
触媒様物質として働いている可能性が示唆された。但
し、マッフル炉で1150℃、1時間処理をしていな
い、そのままの備長炭、ナラ木炭の場合は、マッフル炉
処理した炭化素材と比べ、格段に有機物質除去能が弱
く、15ppmのレマゾール・ブリリアント・ブルーR
溶液ではネガティブコントロール(上の7と8)と差が
なかったため、5ppmに濃度を変えて再試行したとこ
ろ、上で述べたような傾向の結果が得られた。また、そ
の際、炭化温度が比較的低い黒炭であるナラ木炭より、
白炭である備長炭の方が、色素除去能がやや高い事が確
認できた。以上の結果により、備長炭等の木質系炭化素
材をそのまま使うのではなく、一旦、マッフル炉等で高
温処理を行った後に、光照射に使った方が、商品価値が
増す事が推測された。これは恐らく、高温処理によっ
て、木炭中の金属酸化物半導体濃度が高まる事によるも
のであろう。また、高温処理した備長炭とナラ木炭との
間で有機物質除去能に差は認められなかった事により、
こういった高温処理を行う限り、高価な備長炭を無理に
用いる必要はなく、植物(木)の由来を問わず、広く本
発明を利用できる事が期待される。
【0021】
【発明の効果】実施例で示したように、木質系炭化素材
と光照射を組み合わせるだけの単純な原理からなる本発
明を用いれば、元々、木質系炭化素材が有していた水質
浄化能等を高める事が可能となる。木炭市場、光触媒市
場共にその用途は広いので、非常に広い範囲で本発明が
利用可能であるだけでなく、木質系廃棄物問題の低減に
も役立つ効果があるものと結論付けられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 9/00 A61L 9/00 C 4D050 B01D 53/86 B01J 21/18 M 4G069 B01J 21/18 35/02 J 4G075 35/02 C02F 1/28 R 4H011 C02F 1/28 1/32 4H026 1/32 1/72 101 4H061 1/72 101 C05F 11/00 C05F 11/00 C09K 3/00 112 C09K 3/00 112 17/32 H 17/32 101:00 // C09K 101:00 B01D 53/36 J Fターム(参考) 4C080 AA05 AA07 BB02 CC01 HH05 JJ04 KK08 LL02 MM01 MM31 QQ11 4C083 AB131 CC01 CC25 CC41 EE34 EE41 4D024 AA02 AB04 AB07 BA03 BC01 CA04 CA13 DB10 4D037 AA02 AA05 AB03 AB04 BA16 BA18 CA11 4D048 AA21 AA22 BA05X EA01 4D050 AA02 AB04 AB06 BC04 BC09 4G069 AA02 AA08 BA08A BA08B BA29A BA48A CA01 CA05 CA11 CA17 FA01 FB34 FC02 FC07 4G075 AA03 AA13 AA22 BA06 CA32 CA33 CA54 FC04 4H011 AA01 AA02 BB22 DA02 DD01 DD07 4H026 AA10 AB04 4H061 HH41 HH42 HH44

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木炭、木炭粉及びそれらの高温処理物に光
    照射する事を特徴とする木炭利用システム。
  2. 【請求項2】木炭もしくは木炭粉を高温炉(マッフル
    炉)、炭化炉等を用いて、更に高温処理(例:1150
    ℃、1時間)して得られた処理物を、光触媒物質、もし
    くは光分解反応促進物質として用いる方法。
  3. 【請求項3】請求項1,2において、木炭の代わりに、
    竹炭や他の動植物系炭化素材、有機質焼成灰を用いる方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3で示した炭化素材・光照射シ
    ステムを、有害物質除去、環境修復(水質浄化、土壌浄
    化、大気浄化等)、空気清浄機、脱臭フィルター、塗
    料、外壁、外装、建材、テント等の防汚、抗菌・脱臭用
    繊維および紙、蛍光ランプ、街路灯関連の防汚、防汚・
    抗菌タイル(内装、外装)、道路、コンクリート、セメ
    ント、キッチン関連の防汚・抗菌、自動車の防汚コーテ
    ィング、防藻、食品添加剤、歯磨き粉部材、対癌光化学
    療法等の、光触媒市場における各種用途の他、土壌改良
    材、堆肥化剤、肥料部材、健康食品、化粧品、入浴剤、
    食品添加剤、料理添加剤、食品保存剤等の、木炭市場に
    おける各種用途にも用いる方法。
  5. 【請求項5】請求項4の範囲に入るが、特に湖沼・河川
    用の「木炭水質浄化システム」において、浮体式であ
    れ、地上固定式であれ、汚濁水が通過する木炭カートリ
    ッジに、(1)光照射を行う装置、(2)木炭カートリ
    ッジ等の全体又はそれらの一部を、紫外線を透過する合
    成樹脂材料又はガラス等の紫外線透過部材にし、自然光
    透過量を高める装置、(3)太陽光線を集める反射鏡装
    置、の計3装置を、従来のシステムの中で適宜、組み合
    わせて設置する事により、木炭による水質浄化能を向上
    させた装置システム。
  6. 【請求項6】請求項4の範囲に入るが、特に、家庭用・
    業務用の「活性炭を用いた浄水器システム」において、
    水道水が通過する活性炭カートリッジに、(1)光照射
    を行う装置、もしくは(2)木炭カートリッジ等の全体
    又はそれらの一部を、紫外線を透過する合成樹脂材料又
    はガラス等の紫外線透過部材にし、自然光透過量を高め
    る装置を、従来のシステムの中で組み合わせて設置する
    事により、活性炭による浄水能を向上させた浄水器シス
    テム。
  7. 【請求項7】請求項4の範囲に入るが、木炭もしくは活
    性炭に、光照射する事を特徴とする室内脱臭装置、空気
    清浄機。また、このシステムにマイナスイオン噴射機を
    組み合わせた装置システム。
  8. 【請求項8】光触媒作用もしくは光分解反応促進作用に
    より木炭、竹炭、有機質焼成灰等の生物系炭化素材の機
    能を評価する方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜7の方法を用いた、間伐材等林
    業廃棄物、建築廃材、松喰い虫廃材等の木質系産業廃棄
    物・生物系廃棄物の再利用方法。
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