JP2003318473A - 光ファイバ - Google Patents
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Abstract
ァイバを提供する。 【解決手段】 例えばエルビウム等の少なくとも一種類
の希土類元素が添加されたコア部1と、該コア部1の外
周側に設けられて該コア部1より屈折率が小さい第1ク
ラッド部2と、該第1クラッド部2の外周側に設けられ
て該第1クラッド部2より屈折率が大きく、かつ、前記
コア部1より屈折率が小さい第2クラッド部5とを設け
て、W型屈折率プロファイルとする。コア部1の屈折率
分布をα分布型プロファイルとする。
Description
れ、主に光増幅器に適用される光増幅用の光ファイバに
関するものである。
的に増大する傾向にあり、このような情報の増大化に伴
い、伝送容量を増大させる技術の検討が盛んに行われて
いる。それに伴い、波長分割多重伝送(WDM)システ
ムにおける大容量化(チャンネル数の増大、伝送帯域の
拡大)が進行している。
本の光ファイバで伝送する方式であり、波長分割多重伝
送路における大容量化のためには、信号光を増幅する光
ファイバアンプの広帯域化の実現が不可欠である。
(Er)添加光ファイバが適用され、波長分割多重伝送
システムにおけるキーデバイスとして大きな役割を担っ
ている。
ように、コア部1の外周側をコア部1より屈折率が小さ
いクラッド部5により覆って形成されている。コア部1
の屈折率プロファイルはステップインデックス型であ
り、コア部1には希土類元素であるErが添加されてい
る。なお、同図に示すように、本明細書の図面におい
て、コア部1の直径はaで示しており、ステップインデ
ックス型の光ファイバにおけるコア部1の直径aは、コ
ア部1においてΔ1/10となる位置を結ぶ線の長さと
定義している。
体である石英系光ファイバの最低損失帯(波長1550
nmを中心とした帯域)と一致する。また、Er添加光
ファイバの利得帯域は、Erを添加するホストガラスが
石英系のホストガラスであっても、高い増幅効率を有す
る。なお、Er添加光ファイバの利得帯域の中心は、C
−BANDと呼ばれる波長1530nm〜1560nm
である。
る帯域拡大の要求の高まりに呼応して、伝送光の波長帯
域が、前記C−BANDに加え、L−BANDと呼ばれ
る波長1570nm〜1600nmの波長帯まで拡大し
ている。
r添加光ファイバは、L−BAND用に適用できるが、
C−BAND用Er添加光ファイバは、L−BANDに
おける単位長さあたりの利得がC−BANDにおける利
得よりも小さい。そのため、C−BAND用Er添加光
ファイバによって、C−BANDにおける利得と同等の
利得をL−BANDで得るためには、数倍から10倍程
度の長さのEr添加光ファイバが必要となる。(例え
ば、後述の文献1参照)
チャンネル数の増加は、Er添加光ファイバに入力する
信号光強度の増大をもたらす。そのため、Er添加光フ
ァイバには、より高い飽和出力が求められるようになっ
てきている。(例えば、後述の文献2参照)
Er添加光ファイバ中での信号光強度の増大は、これま
では無視できるレベルであった4光波混合(FWM)や
相互位相変調(XPM)といった、Er添加光ファイバ
型光増幅器中での非線形現象を発現させるに至ってい
る。(例えば、後述の文献3,4参照)
は、Er添加光ファイバの利得係数(単位長さあたりの
利得)を増加させることが有効である。利得係数は、次
式(1)で表すことができる。
係数であり、単位はdB/m、α(λ)は吸収係数(光
増幅のための希土類元素添加光ファイバの吸収係数のこ
とであり、ここではEr添加光ファイバの吸収係数)で
ある。この吸収係数の単位はdB/mである。
e(λ)は誘導放出断面積、n2はEr密度に対するレ
ーザ上準位密度の割合である。利得係数、吸収係数、吸
収断面積、誘導放出断面積は、それぞれ波長依存性を有
しており、それぞれの値は、波長λに応じて異なる。
面積の比は、ホストガラスに依存し、n2は励起条件
(反転分布度)によって決定される。したがって、利得
係数を向上させるためには、吸収係数α(λ)を増加さ
せればよい。
布領域と伝搬光のモード分布との重なり積分とに比例す
る。このため、Er添加光ファイバにおける利得係数増
大のため、Er添加濃度と上記重なり積分を増大させる
手法がとられている。(例えば、後述の文献5参照)
て、波長分散の絶対値を大きくする方法がある。4光波
混合の発生効率は、信号光波長域にゼロ分散波長が存在
すると位相整合によって急激に増大することが知られて
いる。そのため、4光波混合の発生効率を低減させるた
めに、信号波長における波長分散の絶対値を大きく設定
し、位相整合させないようにすることが一般的に行われ
ている。(例えば、後述の文献6参照)
-doped fibres for usein L-band amplifiers”,Electr
onics Letters, 2000, Vol.36, p.1685-1686 [文献2]Y. Tashiro, et al.:”1.5 W Erbium Doped
Fiber Amplifier Pumped by the Wavelength Division-
Multiplexed 1480 nm Laser Diodes with Fiber Bragg
Grating”, Technical Digest, Optics Amplifiers and
their Applications, 1998,WC-2 [文献3]S. Radic et al., ”Signal Impairment due
to Four-Wave Mixing in L- BandEDFAs ”, European
Conference on Optical Communication, 1999, PD1-11 [文献4]M. Eiselt et al., ”Cross-Phase Modulati
on in an L-Band EDFA ”, Photonics Technology Lett
ers, Institute of Electrical and Electronics Engin
eers, 1999, vol. 11, pp. 1575-1577 [文献5]S. Ishikawa, et al., ”High Gain Per Uni
t Length Silica-Based Erbium Doped Fiber for 1580n
m Band Amplification”, Optics Amplifiers and thei
r Applications, 1998, TuC4 [文献6]N. Shibata, et al., ”Experimental verif
ication of efficiency of wave generation through f
our-wave mixing in low-loss dispersion-shifted sin
gle-mode optical fibre”, Electronics Letters, 198
8, Vol. 24, pp. 1528-1529 [文献7]R.I.LAMING, .N.PAYNE .MELI,G.GRASSO E.J.
TARBOX,”SATURATED ERBIUM-DOPEDFIBRE AMPLIFIERS”,
Technical Digest, Optics Amplifiers and their App
lications,1990,MB3 [文献8]K.Aiso et al., ”Erbium Lanthanum co-dop
ed fiber for L-band amplifier with high efficienc
y, low non-linearity and low NF”, Optical Fiber C
ommunication Conference and Exhibit,2001,TuA6 [特許文献1]米国特許第6463201号明細書
Er添加光ファイバにおいては、濃度消光に起因して、
添加可能なEr濃度の上限が存在している。なお、濃度
消光とは添加元素(ここではEr)の濃度増加に伴い、
Erイオン間の距離が縮まり、イオン間相互作用が発生
することでエネルギーロスが生じる現象である。
l2O3−SiO2ホストの場合、Er添加濃度が、1
000wtppm程度を越えると、濃度消光により励起
光から信号光への変換効率低下が発生し始めると言われ
ている。従って、この交換効率の低下と吸収係数の増加
等の全体的バランスからEr濃度は選ばれるが、100
0wtppmを大幅に越えることはできない。
との重なり積分は、Erをコア部全域に添加すると共
に、カットオフ波長を長波長側にシフトさせることによ
って増加させることができる。カットオフ波長を長波長
側にシフトさせるには、コア部径を大きくすることが有
効である。
や信号光のシングルモード条件を満足させるために、励
起光や信号光の波長以下に設定しなければならない。し
たがって、カットオフ波長の長波長化による上記重なり
積分の増大にも上限がある。
においては、Er添加濃度にも、Er分布領域と励起光
のモード分布との重なり積分にも上限があるため、吸収
係数増大による利得係数の向上には限界が存在してい
た。
のクラッド部に対する比屈折率差、カットオフ波長は増
幅特性の向上の観点から決定される。そして、波長分散
は、上記比屈折率差およびカットオフ波長によって一義
的に決まるので、その調整の自由度は低い。したがっ
て、従来のEr添加光ファイバは、波長分散の絶対値を
大きくすることにも限界があった。
たものであり、その目的は、従来のEr添加光ファイバ
に比べてEr添加光ファイバの吸収係数が大きく、非線
形現象を抑制可能な、広波長帯域の光増幅用として適し
た光ファイバを提供することにある。
に、本発明は次のような構成をもって課題を解決するた
めの手段としている。すなわち、本発明の1つの側面
は、少なくとも一種類の希土類元素が添加されたコア部
と、該コア部の外周側に設けられて該コア部より屈折率
が小さい第1クラッド部と、該第1クラッド部の外周側
に設けられて該第1クラッド部より屈折率が大きく、か
つ、前記コア部より屈折率が小さい第2クラッド部とを
有する構成をもって課題を解決する手段としている。
α分布型プロファイルとしている。
の希土類元素が添加されたコア部と、該コア部の外周側
に設けられて該コア部より屈折率が小さいクラッド部と
を有し、前記コア部の屈折率分布をα分布型プロファイ
ルとしている。
類元素の一つはErとしている。
Er添加光ファイバの吸収係数を12dB/m以上とし
た構成をもって課題を解決する手段としている。
e、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Tm、Yb、Luのうち少なくとも一つの希土類元
素をコア部に添加している。
元素が添加されたコア部と、該コア部の外周側に設けら
れて該コア部より屈折率が小さいクラッド部とを有して
前記コア部の屈折率プロファイルをステップインデック
ス型としたステップインデックス型屈折率プロファイル
の光ファイバに比べ、信号光波長における波長分散の絶
対値を大きく形成している。
に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明におい
て、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重
複説明は省略又は簡略化する。図1の(a)には、本発
明に係る光ファイバの第1実施形態例の屈折率プロファ
イルが示されており、同図の(b)には、本実施形態例
の光ファイバの断面構成が模式的に示されている。
光ファイバは、コア部1と、該コア部1の外周側に設け
られて該コア部1より屈折率が小さい第1クラッド部2
と、該第1クラッド部2の外周側に設けられて該第1ク
ラッド部2より屈折率が大きく、かつ、前記コア部1よ
り屈折率が小さい第2クラッド部5とを有するW型屈折
率プロファイルの光ファイバである。
部5は、図9に示したステップインデックス型屈折率プ
ロファイルの光ファイバにおけるクラッド部5と同様
に、光ファイバの最外周側に設けられており、屈折率の
基準となる領域であるので、同じ符号5を付している。
1の直径はaであり、第1クラッド部2の直径はbであ
る。本明細書において、W型屈折率プロファイルの光フ
ァイバにおけるコア部1の直径aは、コア部1において
第2クラッド部5と等しい屈折率となる位置を結ぶ線の
長さと定義している。また、第1クラッド部2の直径b
は、第1クラッド部2と第2クラッド部5との境界領域
において、Δ2/10の屈折率となる位置を結ぶ線の長
さとしている。
なくとも一種類の希土類元素が添加されており、ここで
は、コア部1に添加した希土類元素はErとしている。
また、コア部1の屈折率分布はα分布型プロファイルと
している。
定するに当たり、以下の検討を行った。つまり、希土類
添加光ファイバの屈折率プロファイルが、希土類添加光
ファイバにおける希土類元素の添加濃度分布と希土類添
加光ファイバを伝搬する光のモードプロファイルとの重
なり積分に対する影響を詳細に検討した。
めに有効な屈折率プロファイルがあることを初めて見出
した。
係数α(λ)は次式(2)により表すことができる。
ァイバの径方向のEr密度分布、σ a(λ)は吸収断面
積、ωはモードパワー半径、Ψ(r)は光ファイバの径
方向のモード分布、rが光ファイバ径方向の位置で光フ
ァイバの中心でr=0ある。
方向に均一であると仮定し、モード分布Ψ(r)をガウ
シアンで近似すると、式(2)は式(3)のように簡略
化できる。
ファイルごとに、モードパワー半径ωを屈折率プロファ
イルから実際に数値計算で求め、上記式(3)からカッ
トオフ波長λcに対するEr添加光ファイバの吸収係数
α(λ)を計算し、図2の特性線2A〜2Dに示した。
は、シグナル光(信号光)の波長を1530nm、Er
密度ρ0を8.5E+24(m−3)(重量パーセント
で1000wtppmに相当)、波長1530nmにお
ける吸収断面積σaを4.0E+25(m2)として行
った計算である。
55及びa/b=0.5の仕様の図3に示すW型屈折率
プロファイルの光ファイバにおけるEr添加光ファイバ
の吸収係数、図2の特性線2Bは、α=4の仕様の図4
に示すα分布型屈折率プロファイルの光ファイバにおけ
るEr添加光ファイバの吸収係数である。図3、4に示
す屈折率プロファイルの光ファイバには、コア部1にE
rを添加している。比屈折率差Δ1とΔ2及びα分布の
定義は後述されている。
において、コア部1の屈折率分布はステップインデック
ス型としており、図3の屈折率プロファイルと図1に示
した本実施形態例の光ファイバの屈折率プロファイルと
は異なる。
a、第1クラッド部2の直径をbで示しており、図4に
おいて、コア部1の直径をaで示している。図3におけ
る直径a、bは、図1における直径a、bと同様に定義
しており、図4における直径aは、図9における直径a
と同様に定義している。
ステップインデックス型屈折率プロファイルの光ファイ
バにおけるEr添加光ファイバの吸収係数である。この
光ファイバもコア部1にErを添加している。
15及びa/b=0.5の仕様の図10に示すデュアル
シェープ型(DSC)屈折率プロファイルの光ファイバ
におけるEr添加光ファイバの吸収係数である。図10
に示すように、DSC屈折率プロファイルの光ファイバ
は、コア部1の外周側に、コア部1より屈折率が小さい
第1クラッド部2を設け、その外周側にさらに屈折率が
小さい第2クラッド部5を設けている。この光ファイバ
もコア部1にErを添加しており、第1クラッド部2の
直径はbである。
に、図3、図4に示す屈折率プロファイルを有するEr
添加光ファイバは、従来のステップインデックス型屈折
率プロファイルのEr添加光ファイバに比べてEr添加
光ファイバの吸収係数が大きい。逆に、図10に示した
屈折率プロファイルを有するEr添加光ファイバは、従
来のステップインデックス型のEr添加光ファイバに比
べて吸収係数が小さい。
イルを図3に示すようなW型にしたり、図4に示すよう
なα分布型にしたりすることにより、Er添加光ファイ
バの吸収係数を大きくできることが分かった。
ρ0の値8.5E+24(m−3)を重量パーセント濃
度に換算すると、およそ1000wtppm又は0.1
wt%に相当する。Alを共添加したAl2O3−Si
O2ホストの場合、Er濃度が0.1wt%を越えると
濃度消光による効率低下が発生し始めると言われてい
る。なお、この現象は、例えば、文献7等に示されてい
る。
ルの光ファイバは、図2の特性線2Cから明らかなよう
に、カットオフ波長を信号光波長直近まで長波長化した
としても、波長1530nmにおけるEr添加光ファイ
バの吸収係数として12dB/mが上限となる。
に、W型屈折率プロファイルの光ファイバは、上記Er
濃度設定においてカットオフ波長を1050nm以上に
設定すれば、波長1530nmにおけるEr添加光ファ
イバの吸収係数は12dB/mを越える。また、同図の
特性線2Bから明らかなように、α分布型屈折率プロフ
ァイル光ファイバは、上記Er濃度設定においてカット
オフ波長を1200nm以上に設定すれば、波長153
0nmにおけるEr添加光ファイバの吸収係数を12d
B/m以上にできる。
起光のシングルモード伝搬を保証するため、カットオフ
波長は励起光波長より短波長であることが望ましい。E
DFAに用いられる励起光波長は、一般に980nmま
たは1480nmであり、1480nm励起を用いる場
合は980nm励起を用いる場合に比べてカットオフ波
長を長波長側にシフトできるため、重なり積分拡大の観
点からは有利となる。
いて、屈折率プロファイルの違いによる波長1530n
mにおけるEr添加光ファイバの吸収係数の違いについ
て述べる。この場合、カットオフ波長を980nm以下
にすることになるので、図2の特性線2Cから明らかな
ように、ステップインデックス型のEr添加光ファイバ
は、波長1530nmにおける吸収係数が8dB/m以
下になってしまう。
明らかなように、W型屈折率プロファイルのEr添加光
ファイバやα分布型屈折率プロファイルのEr添加光フ
ァイバは、カットオフ波長を980nm以下にしても、
波長1530nmにおいて吸収係数を高い値にできる。
光ファイバは、カットオフ波長が短波長の領域で吸収係
数拡大の効果が他の屈折率プロファイルの光ファイバに
比べて大きく、カットオフ波長を980nm以下にして
も吸収係数を12dB/mに近い値にできる。
ルにおいて、コア部1における直径aと第1クラッド部
2の直径bの比(径比)a/bをパラメータとして、波
長1580nmでの波長分散の値を計算により求めた。
その結果を図5に示す。なお、図5に示す結果は、光フ
ァイバのカットオフ波長を1450nmに設定したもの
である。また、図5において、a/bが1となるときが
図9に示したステップインデックス型の光ファイバにな
る。
ルにおいて、コア部1の第2クラッド部5に対する比屈
折率差Δ1と第1クラッド部2の第2クラッド部5に対
する比屈折率差Δ2の比Δ2/Δ1をパラメータとし
て、波長1580nmでの波長分散の値を計算により求
めた。その結果を図6の特性線6A〜6Cに示す。な
お、図6に示す結果も、光ファイバのカットオフ波長を
1450nmに設定したものである。
差Δ1、Δ2及びα分布は、以下の各式(4)、
(5)、(6)により定義している。なお、式(4)、
(5)、(6)でnc1はコア部1の屈折率最大部の屈折
率を、nc2は第1クラッド部2の屈折率最小部の屈折率
を、nsは第2クラッド部5の屈折率を表す。
た、n(r)は位置rにおける屈折率を表す。
(つまりΔ2が0のとき)が図9に示したステップイン
デックス型の光ファイバになる。また、図6の特性線6
Aは上記径比a/bが0.2のもの、特性線6Bは上記
径比a/bが0.5のもの、特性線6Cは上記径比a/
bが0.8のものをそれぞれ示す。
示したW型屈折率プロファイルにおいて、Δ2/Δ1を
パラメータとして、波長1580nmでの波長分散の値
を計算により求めた結果が示されており、図7において
は、カットオフ波長を900nmに設定して求めた。図
7の特性線7Aは上記径比a/bが0.2のもの、特性
線7Bは上記径比a/bが0.5のもの、特性線7Cは
上記径比a/bが0.8のものをそれぞれ示す。
フ波長を1450nmに設定した場合は、W型屈折率プ
ロファイルの光ファイバは、ステップインデックス屈折
率プロファイルの光ファイバより波長分散の絶対値を大
きくできる。
フ波長を900nmに設定した場合は、径比a/bによ
って分散値は大きく変化するが、a/bの値を調整する
ことで、ステップインデックス屈折率プロファイルの光
ファイバよりも波長分散の絶対値を大きくできる。
のEr添加光ファイバは、カットオフ波長の設定に応じ
て、上記径比a/bや比屈折率差Δ1、Δ2の比Δ2/
Δ1を最適に設定することで、吸収係数と波長分散の絶
対値の両方を、従来のステップインデックス屈折率プロ
ファイルの光ファイバより大きくできることが分かっ
た。
光ファイバとしてW型屈折率プロファイルが好ましいと
考え、さらに、図1に示したように、W型屈折率プロフ
ァイルのコア部1をα分布型プロファイルとしたEr添
加光ファイバについて、前記式(3)を用いて吸収係数
を計算により求めた。この計算結果を図8の特性線8A
に示す。
は、図2の各特性線2A〜2Dを求めた条件と同じとし
ている。図8の特性線8Bには、図3に示したような、
W型屈折率プロファイルを有し、コア部1の屈折率プロ
ファイルをステップインデックス型とした光ファイバの
特性を示している。
と明らかなように、W型屈折率プロファイルのコア部1
をα分布型屈折率プロファイルとすることにより、Er
添加光ファイバの吸収係数をさらに大きくできることが
分かった。
記検討に基づき、図1に示したように屈折率プロファイ
ルを有したものであり、吸収係数と波長分散の絶対値の
両方を、従来のステップインデックス屈折率プロファイ
ルの光ファイバより格段に大きくできる。したがって、
本実施形態例の光ファイバは、非線形現象を効率良く抑
制でき、広波長帯域の光増幅用として適した光ファイバ
を実現できる。
形態例について説明する。第2実施形態例の光ファイバ
は、図3に示したようなW型の屈折率プロファイルを有
する光ファイバである。つまり、第2実施形態例の光フ
ァイバは、上記第1実施形態例とほぼ同様の構成を有
し、コア部1の屈折率プロファイルをステップインデッ
クス型とした光ファイバである。
かなように、第2実施形態例も上記第1実施形態例と同
様に、吸収係数と波長分散の絶対値の両方を、従来のス
テップインデックス屈折率プロファイルの光ファイバよ
り大きくでき、同様の効果を奏することができる。
形態例について説明する。第3実施形態例の光ファイバ
は、図4に示したようなα分布型屈折率プロファイルを
有する光ファイバである。
コア部1と、該コア部1の外周側に設けられて該コア部
1より屈折率が小さいクラッド部5とを有し、前記コア
部1の屈折率分布をα分布型プロファイルとしている。
また、コア部1には、少なくとも一種類の希土類元素が
添加されており、ここでは、希土類元素としてErを添
加している。
のEr添加光ファイバの屈折率プロファイルを求める検
討に基づいて屈折率プロファイルを決定したものであ
り、吸収係数を従来のステップインデックス屈折率プロ
ファイルのEr添加光ファイバより大きくでき、上記第
1、第2実施形態例とほぼ同様の効果を奏することがで
きる。
施形態例の実施例について説明する。本発明者は、上記
第1実施形態例の実施例として、表1に示す実施例1の
光ファイバを試作し、上記第2実施形態例の実施例とし
て、表1に示す実施例2の光ファイバを試作し、上記第
3実施形態例の実施例として表1に示す実施例3の光フ
ァイバを試作した。また、これらの実施例の比較例とし
て、表1に示す比較例の光ファイバを試作した。比較例
の光ファイバは、図9に示したような屈折率を有する従
来例の光ファイバである。
各比屈折率差であり、その単位は%、Er吸収ピーク値
は波長1530nmにおける値(前述してきた吸収係数
値に相当する)、波長分散は波長1580nmにおける
値をそれぞれ示す。
較例は、コア部1におけるEr添加濃度、比屈折率差Δ
1、カットオフ波長を、互いにほぼ同じ値になるように
調整して形成されている。尚、カットオフ波長はIT
U.T G.650.1に規定された測定法による値で
ある。
るEr添加濃度、比屈折率差Δ1、カットオフ波長を、
互いにほぼ同じ値になるように調整しても、実施例1〜
3は、波長1530nmにおけるEr吸収ピーク値が比
較例に比べて大きい。また、実施例1と実施例2は、波
長1580nmにおける分散の絶対値が比較例に比べて
大きい。
バは、比較例(従来例)と同じEr密度、カットオフ波
長であっても、比較例に比べて吸収係数を増加でき、特
にW型の屈折率プロファイルにおいては波長分散の絶対
値も増大できることが確認できた。
以下の実験により求めたものである。つまり、8チャン
ネル(ch)のL−BANDの波長分割多重信号を10
0GHz間隔(4chと5chは200GHz間隔)で
入射させ、4チャンネルと5チャンネルの間の波長(1
605nm)における4光波混合クロストークを測定し
た。また、このときのシグナル1チャンネルあたりの出
力強度は、4dBm/chとした。
実施例1〜3は、比較例よりFWMクロストークを低減
できることが分かった。これは、吸収係数が大きくなっ
た効果であるといえる。特に、実施例1と実施例2は、
実施例3よりもFWMクロストークを低減できている。
これは、波長分散の絶対値が大きいことから、位相整合
条件から遠ざかったためだと考えられる。
は、非線形現象を効率的に抑制できる光ファイバである
ことが実証できた。
形態例について説明する。第4実施形態例の光ファイバ
は、上記第2実施形態例と同様に、図3に示したような
W型屈折率プロファイルを有する光ファイバであり、第
4実施形態例が第2実施形態例と異なる特徴的なこと
は、コア部1に、Erと共に、希土類元素であるLaを
添加したことである。
施形態例について説明する。第5実施形態例の光ファイ
バは上記第1実施形態例と同様に、図1に示したような
W型屈折率プロファイルを有する光ファイバであり、第
1実施形態例と異なる、第5実施形態例の特徴はコア部
1にErとともに希土類元素であるランタン(La)を
添加したことである。
に、W型やα分布型の屈折率プロファイルのEr添加光
ファイバが、従来のステップインデックス型の屈折率プ
ロファイルのEr添加光ファイバに比べて吸収係数を増
加できるのは、Erイオンの分布プロファイルと信号光
のモード分布との重なり積分が拡大するためである。
r添加光ファイバの吸収係数を拡大する方法として、濃
度消光を抑制することで、従来のAl2O3−SiO2
ホストにおけるEr添加濃度の上限を向上させる手法が
ある。Er密度ρ0の高濃度化の制限要因は、濃度消光
による効率低下であるため、この濃度消光を抑制しつつ
Er濃度を従来よりも上げることができれば、前記式
(1)から明らかなように、Er添加光ファイバの吸収
係数のさらなる拡大が可能となる。
以外の希土類元素をErと共に添加する手法が提案され
ている。この提案は、例えば、文献8、特許文献1等に
提案されている。
イオンと共に添加することで、濃度消光による効率低下
を抑制しながら、Er濃度を従来のAl2O3−SiO
2ホストにおける添加濃度限界の2倍程度以上の数千w
tppmまで高濃度化することが可能となる。
抑制によるEr密度の高密度化と前記重なり積分の拡大
との2つの手法を組み合わせることにより、さらなる高
吸収係数の実現が期待できる。
例では、上記のように、コア部1に希土類元素であるラ
ンタン(La)をエルビウムと共に添加して形成した。
そして、第4実施形態例の実施例として、表2に示す実
施例4を、第5実施形態例の実施例として、表2に示す
実施例5を製造した。
は、表1に示した実施例1〜3の光ファイバよりもさら
に吸収係数が大きくなった。このように、Laをエルビ
ウムと共に添加して光ファイバを形成すると、吸収係数
のさらなる拡大が達成できることが実証できた。
有する希土類元素(ここではLa)をErイオンと共に
添加することで、Erイオン高密度化に伴う濃度消光を
抑制しながら吸収係数を増大できる。
を添加してErイオン高密度化に伴う濃度消光を抑制す
ると、増幅効率の劣化無く、Laイオンを共添加してい
ないW型屈折率プロファイルやα分布型屈折率プロファ
イルの場合に比べて吸収係数の拡大が達成される。
れることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例え
ば、上記第1、第2、第4、第5実施形態例におけるコ
ア部1の第2クラッド部5に対する比屈折率差Δ1や第
1クラッド部2の第2クラッド部に対する比屈折率差Δ
2、上記第3実施形態例におけるコア部1のクラッド部
5に対する比屈折率差Δ1のそれぞれの値は特に限定さ
れるものでなく適宜設定されるものである。
態例におけるコア部1の径や第1クラッド部2の径、上
記第3実施形態例におけるコア部1の径は特に限定され
るものでなく、適宜設定されるものである。
希土類元素であるエルビウム1種類を添加としたが、本
発明の光ファイバは、コア部1に2種類以上の希土類元
素を添加して形成してもよい。
にエルビウム以外の希土類元素を1種類添加してもよ
い。この場合、例えばY、La、Ce、Pr、Nd、S
m、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Tm、Yb、Lu
のうち少なくとも一つの元素をコア部に添加することに
より、上記第4実施形態例と同様の効果を奏することが
できる。
き、屈折率の最適化を図ることにより、希土類元素添加
光ファイバの吸収係数を大きくでき、非線形現象を抑制
できるので、広波長帯域の光増幅用として適した光ファ
イバを実現できる。
設けられて該コア部より屈折率が小さい第1クラッド部
と、該第1クラッド部の外周側に設けられて該第1クラ
ッド部より屈折率が大きく、かつ、前記コア部より屈折
率が小さい第2クラッド部とを有するW型屈折率プロフ
ァイルの構成の光ファイバは、以下の効果を奏すること
ができる。
土類元素光ファイバは、希土類元素の吸収係数と波長分
散の絶対値の両方を、従来のステップインデックス屈折
率プロファイルの光ファイバより大きくでき、より一層
効率的に非線形現象を抑制できるので、広波長帯域の光
増幅用としてより一層適した光ファイバを実現できる。
発明において、コア部の屈折率分布をα分布型プロファ
イルとした構成によれば、吸収係数をより一層向上で
き、さらにより一層効率的に非線形現象を抑制できる。
た希土類元素の一つはErとした構成によれば、従来の
Er添加光ファイバの製造技術を応用して光ファイバを
製造しやすい。
mにおけるEr添加光ファイバの吸収係数を12dB/
m以上とした構成によれば、高い増幅光率が得られ、且
つ非線形現象を抑制できるので、広波長帯域の光増幅用
として適した光ファイバを確実に実現できる。
折率プロファイルを示す説明図である。図1(b)は図
1(a)の屈折率プロファイルを有する光ファイバの断
面構造を示す。
ファイバの吸収係数との関係を示すグラフである。
プロファイル構成を示す説明図である。
折率プロファイル構成を示す説明図である。
コア部と第1クラッド部の径比と、波長分散との関係を
示すグラフである。
W型屈折率プロファイルの光ファイバにおける比屈折率
差の比と、波長分散との関係を示すグラフである。
型屈折率プロファイルの光ファイバにおける比屈折率差
の比と、波長分散との関係を示すグラフである。
率プロファイルの違いによる吸収係数の違いを示すグラ
フである。
の光ファイバの屈折率プロファイル構成(a)と断面構
成(b)を示す説明図である。
屈折率プロファイル構成を示す説明図である。
の構成を示す説明図である。
Claims (13)
- 【請求項1】 少なくとも一種類の希土類元素が添加さ
れたコア部と、該コア部の外周側に設けられて該コア部
より屈折率が小さい第1クラッド部と、該第1クラッド
部の外周側に設けられて該第1クラッド部より屈折率が
大きく、かつ、前記コア部より屈折率が小さい第2クラ
ッド部とを有することを特徴とする光ファイバ。 - 【請求項2】 コア部の屈折率分布をα分布型プロファ
イルとしたことを特徴とする請求項1記載の光ファイ
バ。 - 【請求項3】 コア部に添加した希土類元素の一つはエ
ルビウムとしたことを特徴とする請求項1記載の光ファ
イバ。 - 【請求項4】 波長1530nmにおける吸収係数を1
2dB/m以上としたことを特徴とする請求項4記載の
エルビウム添加光ファイバ。 - 【請求項5】 カットオフ波長を980nm以下とし、
波長1530nmの波長における吸収係数を8dB/m
以上としたことを特徴とする請求項3記載のエルビウム
添加光ファイバ。 - 【請求項6】 エルビウムと共にY、La、Ce、P
r、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、T
m、Yb、Luのうち少なくとも一つの希土類元素をコ
ア部に添加したことを特徴とする請求項3記載のエルビ
ウム添加光ファイバ。 - 【請求項7】 波長1530nmにおける吸収係数を1
4dB/m以上としたことを特徴とする請求項6記載の
エルビウム添加光ファイバ。 - 【請求項8】 カットオフ波長を980nm以下とし、
波長1530nmの波長における吸収係数を12dB/
m以上としたことを特徴とする請求項6記載のエルビウ
ム添加光ファイバ。 - 【請求項9】 少なくとも一種類の希土類元素が添加さ
れたコア部と、該コア部の外周側に設けられて該コア部
より屈折率が小さいクラッド部とを有して前記コア部の
屈折率プロファイルをステップインデックス型としたス
テップインデックス型屈折率プロファイルの光ファイバ
に比べ、信号光波長における波長分散の絶対値を大きく
形成したことを特徴とする請求項1記載の光ファイバ。 - 【請求項10】 少なくとも一種類の希土類元素が添加
されたコア部と、該コア部の外周側に設けられて該コア
部より屈折率が小さいクラッド部とを有し、該コア部の
屈折率分布をα分布型プロファイルとしたことを特徴と
する光ファイバ。 - 【請求項11】 コア部に添加した希土類元素の1つは
Erである請求項11の光ファイバ。 - 【請求項12】 請求項1記載の光ファイバ(EDF)
を含む光増幅器。 - 【請求項13】 請求項10記載の光ファイバ(ED
F)を含む光増幅器。
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