JP2003315148A - 赤外線センサ素子収納用パッケージおよび赤外線センサ装置 - Google Patents

赤外線センサ素子収納用パッケージおよび赤外線センサ装置

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JP2003315148A
JP2003315148A JP2002123127A JP2002123127A JP2003315148A JP 2003315148 A JP2003315148 A JP 2003315148A JP 2002123127 A JP2002123127 A JP 2002123127A JP 2002123127 A JP2002123127 A JP 2002123127A JP 2003315148 A JP2003315148 A JP 2003315148A
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infrared sensor
sensor element
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infrared
light
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English (en)
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Takeshi Kanchiku
剛 寒竹
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受光用の赤外線センサ素子と補償用の赤外線
センサ素子との間の作動出力を正確なものとして、温度
を非接触で極めて正確に測定し得るものとし、また赤外
線センサ装置の製造歩留りを向上させること。 【解決手段】 基体1と、対向する一対の側部に取付部
2aが形成された枠体2と、赤外線センサ素子5上方の
部位にその赤外線センサ素子5側の周囲の枠体2の上面
に至る遮光膜6aが被着された透光性蓋体6と、取付部
2aに嵌着された入出力端子3とを具備し、2つの赤外
線センサ素子4,5の間で遮光膜6aの端部の下方に位
置するように枠体2の他の対向する一対の側部の内面に
枠体2の上端から下方に向かって所定長さの溝2bが形
成されており、各溝2bに対向する一対の辺部が嵌め込
まれた、下端と赤外線センサ素子4,5上面との上下方
向での間隔が0.1〜0.3mmである遮光板7が設けられて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定温放置試験機な
どの高精度の温度調整を必要とする機器に用いられる赤
外線センサ素子を収納するための赤外線センサ素子収納
用パッケージおよび赤外線センサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の赤外線センサ装置Aの基本構成を
図3(a),(b)に示す(特開平11−14449号公報参
照)。この赤外線センサ装置Aは、直方体状のシリコン
(Si)基板をエッチング加工することにより作製さ
れ、Si基板の表面に赤外線感応膜を被着して成る受光
用の赤外線センサ素子14が設けられるとともに、赤外線
センサ素子14が受光する赤外線の量を正確に測定するた
めに、赤外線センサ素子14と同一の材質、形状および製
造方法でもって赤外線センサ素子14に隣接させて横並び
に補償用の赤外線センサ素子15が設けられる。この赤外
線センサ素子15は、赤外線センサ素子14と全く同じ特性
の赤外線感応膜から成り、赤外線センサ素子14と同じ受
光特性および出力特性を有する。そして、赤外線センサ
素子15の表面には赤外線反射膜が被着されており、赤外
線を完全に受光しないものとなっている。
【0003】そして、赤外線センサ素子15から出力され
る殆ど0レベルの基準信号と、赤外線センサ素子14から
の出力信号との差から、信号処理回路により真の赤外線
量を検出し、その赤外線量から被測定物の温度を精度良
く求めることが行われている。
【0004】この赤外線センサ装置Aは、基板材料とし
て例えば単結晶Siを用い、この単結晶Si基板の赤外
線センサ素子14の部位およびこれを支持する架橋支持部
(図示せず)となる部位を除いた部分を空間とした構造
となっている。
【0005】赤外線センサ素子14,15は、前述のように
赤外線センサ素子15表面の赤外線反射膜以外は同じ構成
であり、単結晶Si基板上に例えばゲルマニウム(G
e)から成る赤外線感応膜が同一の条件下で被着されて
横並びの2つの赤外線センサ素子14,15となり、赤外線
センサ素子15の表面に例えばアルミニウム(Al)膜等
から成る赤外線反射膜が被着され、これらが一対となっ
て赤外線センサ装置Aとして機能する。赤外線センサ素
子15は、その全表面に赤外線反射膜が被着されているた
め、乱反射して裏側から廻り込む赤外線も完全に反射す
ることとなり、赤外線による電気信号を全く出力しない
状態となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の赤外線センサ装置Aにおいて、赤外線センサ素子15
は赤外線を全て反射し赤外線による出力信号を完全に発
することが無いようにしたことから、赤外線センサ素子
15が赤外線センサ装置Aの周囲のケース等から発せられ
る赤外線による信号(バックグラウンド信号)を出力す
ることができなくなるという問題があった。
【0007】例えば、赤外線センサ装置Aを恒温保管装
置の温度測定器などの密閉された空間の温度を求める非
接触温度計として用いた場合、赤外線センサ素子14が受
ける赤外線量による信号と、赤外線センサ素子15から発
せられる基準信号とでは、赤外線センサ素子14が受光す
る赤外線量が、周囲の物体から放射された成分や外部よ
り侵入してきた成分を含むバックグランドの分だけ若干
多くなる。その結果、これらの素子間の作動出力が真の
作動出力ではなくなり、温度を精度良く測定することが
困難になるという不具合が発生していた。
【0008】また、赤外線センサ素子15の表裏面に赤外
線反射膜を被着するには、赤外線センサ素子14と赤外線
センサ素子15とが作り込まれた単結晶Si基板の全体
に、赤外線反射膜としてのアルミニウム(Al)膜を成
膜温度が低いプラズマCVD(Plasma Chemical Vapor
Deposition)法により成膜し、次に赤外線センサ素子15
を除く部分の赤外線反射膜をエッチングにより除去する
ことが行なわれる。このエッチング処理に先立って耐エ
ッチング膜を赤外線センサ素子15表面に成膜しなければ
ならず、またエッチング処理後に耐エッチング膜を除去
する工程が必要となる。これらの一連の工程において、
赤外線センサ素子14,15が支持される架橋支持部B,C
が破壊されて、製造歩留りが低下し易いという問題があ
った。
【0009】従って、本発明は上記問題点に鑑み完成さ
れたものであり、その目的は、赤外線センサ装置の受光
用の赤外線センサ素子と補償用の赤外線センサ素子との
間の作動出力を正確なものとして、体温などを非接触で
極めて正確に測定し得るものとし、また赤外線センサ装
置の製造歩留りを向上させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の赤外線センサ素
子収納用パッケージは、上面に2つの赤外線センサ素子
が並んで載置される載置部を有する基体と、該基体の上
面に前記載置部を囲繞するように接合され、対向する一
対の側部に貫通孔または切欠き部から成る入出力端子の
取付部がそれぞれ形成された枠体と、該枠体の上面に取
着されるとともに一方の前記赤外線センサ素子の上方の
部位にその赤外線センサ素子側の周囲の前記枠体の上面
に至る遮光膜が被着された透光性蓋体と、前記取付部に
嵌着された入出力端子とを具備する赤外線センサ素子収
納用パッケージにおいて、前記2つの赤外線センサ素子
の間で前記遮光膜の端部の下方に位置するように前記枠
体の他の対向する一対の側部の内面に前記枠体の上端か
ら下方に向かって所定長さの溝がそれぞれ形成されてお
り、該各溝に対向する一対の辺部がそれぞれ嵌め込まれ
た、下端と前記赤外線センサ素子の上面との上下方向に
おける間隔が0.1〜0.3mmである遮光板が設けられてい
ることを特徴とする。
【0011】本発明の赤外線センサ素子収納用パッケー
ジは、上記の構成により、補償用の赤外線センサ素子の
表裏面に赤外線反射膜を被着する工程や赤外線反射膜の
エッチング処理工程等が不要となるため、製造歩留りが
大幅に向上し、ほぼ100%近くにまで向上させることが
できる。また、赤外線センサ素子収納用パッケージを用
いて赤外線センサ装置と成した場合、遮光膜が設けられ
た透光性蓋体と遮光板とにより、補償用の赤外線センサ
素子が赤外線センサ装置外部からの赤外線を殆ど受光す
ることはないが、赤外線センサ素子収納用パッケージの
内面から発せられる微弱な赤外線を、受光用の赤外線セ
ンサ素子が受光するのと同様に受光することができる。
その結果、受光用の赤外線センサ素子と補償用の赤外線
センサ素子との間の出力差を極めて精度良く得ることが
でき、よって従来の赤外線センサ装置では得られない高
精度の温度測定が可能になる。
【0012】本発明の赤外線センサ装置は、本発明の赤
外線センサ素子収納用パッケージと、前記基体の載置部
に載置固定されるとともに前記入出力端子にそれぞれ電
気的に接続された2つの前記赤外線センサ素子と、前記
枠体の上面に取着された前記透光性蓋体とを具備したこ
とを特徴とする。
【0013】本発明の赤外線センサ装置は、上記の構成
により、受光用の赤外線センサ素子と補償用の赤外線セ
ンサ素子との間の出力差を極めて精度良く得ることがで
き、高精度の温度測定が可能になるとともに、高い製造
歩留りが得られるものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の赤外線センサ素子収納用
パッケージ(以下、赤外線センサパッケージともいう)
および赤外線センサ装置について以下に詳細に説明す
る。図1は本発明の赤外線センサパッケージについて実
施の形態の一例を示す上面図であり、図2は図1のX−
X’線における断面図である。
【0015】これらの図において、1は基体、1aは基
体1と枠体2によって形成された凹部、1bは赤外線セ
ンサ素子4,5の載置部、2は枠体、2aは入出力端子
3の取付部、2bは溝、3は入出力端子、4は受光用の
赤外線センサ素子、5は補償用の赤外線センサ素子、A
1は赤外線センサ素子4,5が形成された単結晶Siか
ら成る基板、B1は受光用の赤外線センサ素子部、C1
は補償用の赤外線センサ素子部、6は透光性蓋体、6a
は遮光膜、7は遮光板である。これら基体1,枠体2,
透光性蓋体6および遮光板7とで赤外線センサ素子4,
5を内部に収容する容器が基本的に構成される。
【0016】本発明の赤外線センサパッケージは、上面
に2つの赤外線センサ素子4,5が並んで載置される載
置部1bを有する基体1と、基体1の上面に載置部1b
を囲繞するように接合され、対向する一対の側部に貫通
孔または切欠き部から成る入出力端子3の取付部2aが
それぞれ形成された枠体2と、枠体2の上面に取着され
るとともに一方の赤外線センサ素子5の上方の部位にそ
の赤外線センサ素子5側の周囲の枠体2の上面に至る遮
光膜6aが被着された透光性蓋体6と、取付部2aに嵌
着された入出力端子3とを具備し、2つの赤外線センサ
素子4,5の間を通る線L(図1)上に位置するととも
に遮光膜6aの端部の下方に位置するように枠体2の他
の対向する一対の側部の内面に枠体2の上端から下方に
向かって所定長さの溝2bがそれぞれ形成されており、
各溝2bに対向する一対の辺部がそれぞれ嵌め込まれ
た、下端と赤外線センサ素子4,5の上面との上下方向
における間隔が0.1〜0.3mmである遮光板7が設けられ
ている。
【0017】本発明の基板A1の大きさは、非接触式温
度計に用いられる場合1mm×3mm程度の大きさであ
り、厚さは0.5mm程度である。そして、この基板A1
を収納する赤外線センサパッケージの大きさは4×6m
m程度であり、気密性を考慮して、例えば鉄(Fe)−
ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金などの金属か
ら成る。この基体1は、例えばNiメッキが施されたF
e−Ni−Co合金からなる略四角形の板状体から成
り、その上面に、Fe−Ni−Co合金からなるととも
に取付部2aが予め形成されNiメッキが施された枠体
2が、例えば銀(Ag)ロウなどの接合材を用いて接合
される。
【0018】取付部2aには、例えばアルミナセラミッ
クス等の電気絶縁材料からなり、信号を外部に導出する
ためのメタライズ配線層が形成された入出力端子3が、
枠体2の接合と同時にAgロウにより接合され、赤外線
センサ素子4,5から導出されるボンディングワイヤ8
がこのメタライズ配線層に接合される。かくして、測定
対象物が発する赤外線が赤外線センサ素子4に入射し、
赤外線センサ素子4からの出力信号が外部の増幅回路や
信号処理回路に送られ、測定対象物の温度が測定され
る。
【0019】入出力端子3は以下のように作製される。
まず、例えばAl23セラミックスからなる場合、Al
23,酸化珪素(SiO2),酸化マグネシウム(Mg
O),酸化カルシウム(CaO)などの原料粉末に適当
なバインダー、溶剤等を添加混合してスラリーとなす。
このスラリーを用いて、ドクターブレード法やカレンダ
ーロール法によって入出力端子3の本体部分となるセラ
ミックグリーンシートを作製する。次に、セラミックグ
リーンシートに適当な打ち抜き加工を施し、Mo−M
n,W等を含む金属ペーストを印刷塗布することにより
メタライズ配線層となる金属層を形成する。このセラミ
ックグリーンシートを複数枚積層し、約1600℃の温度で
焼成することによって、断面形状が凸型(図2)の入出
力端子3が作製される。
【0020】このようにして入出力端子3は、メタライ
ズ配線層がセラミック積層体である凸型の本体部分に埋
設されるように形成され、メタライズ配線層の枠体2の
内側に位置する部位には、基板A1の各電極がボンディ
ングワイヤ8を介して電気的に接続され、メタライズ配
線層の枠体2の外側に位置する部位には、外部装置と接
続される外部リード端子(図示せず)が銀ロウなどのロ
ウ材を介し取着されてる。このメタライズ配線層は、基
板A1の各電極を外部装置に接続するための導電路であ
り、W,Mo,Mnなどの高融点金属粉末により形成さ
れている。例えばメタライズ配線層は、上記高融点金属
粉末に適当な有機バインダー、溶剤などを添加混合して
得た金属ペーストを、入出力端子3となるセラミックグ
リーンシートに予め従来周知のスクリーン印刷法により
所定パターンに印刷塗布し焼成することによって形成さ
れる。
【0021】なお、メタライズ配線層は、その露出表面
にNi,金(Au)などの耐食性に優れかつロウ材との
濡れ性に優れる金属を1〜20μmの厚さでメッキ法によ
り被着させておくのがよく、メタライズ配線層の酸化腐
食を有効に防止することができ、またメタライズ配線層
への外部リード端子のロウ付けを強固にすることができ
る。
【0022】次に、枠体2の内面に形成される溝2b、
遮光膜6a、遮光板7について詳細に説明する。溝2b
は、略四角形の遮光板7の対向する辺部を嵌め込むため
に設けられ、例えばエッチングなどにより容易に形成す
ることができる。そして、枠体2が基体1上にAgロウ
を介して接合された後、例えばAu−Sn合金等のロウ
材によって遮光板7の辺部が溝2bに嵌め込まれて接合
され、赤外線センサ素子部B1と赤外線センサ素子部C
1とを光学的に区分する。
【0023】遮光板7は略四角形であり、例えば基体1
の材料と同様にFe−Ni−Co合金やFe−Ni合金
などの金属からなり、その高さは基板A1の上面付近か
ら枠体2の上端まであれば良く、遮光板7の下端と基板
A1の上面との上下方向における間隔7aは0.1〜0.3m
mである。間隔7aが0.1mm未満の場合、基板A1と
遮光板7とが接触する場合があり、この場合温度測定の
精度が劣化してしまう。また、0.3mmを超えると、赤
外線センサ素子部B1から赤外線センサ素子部C1への
赤外線の漏れが発生し易くなり、精度の良い温度測定が
困難になる。この間隔7aの大きさは、溝2bの所定長
さ、即ちその下端の位置によって変化させて調整するこ
とができる。
【0024】溝2bは、枠体2の厚さ方向の深さは0.3
〜0.7mmがよく、0.3mm未満では、遮光板7を挿入す
るに際しての余裕代が無く、遮光板7を滑り込ませるこ
とができなくなる場合があるという点で不適であり、0.
7mmを超えると、ロウ付けの際に、枠体2が外力が働
くと容易に変形してしまうという点で不適である。ま
た、溝2bの幅は遮光板7の厚さよりも若干(0.2mm
程度)大きければよい。
【0025】また、溝2bの断面形状は、凹型、U字
型、V字型等の種々の形状とし得るが、凹型であって、
枠体2の厚さ方向の深さ方向において深くなるにつれて
幅広になっている形状が好ましい。この場合、溝2bの
浅い部分で遮光板7の辺部を両主面側から挟み込むとと
もに、溝2b部から外部の赤外線が侵入するのを有効に
防ぐことができる。また、遮光板7の辺部を溝2b部で
ロウ付けしてもよく、溝2b部から外部の赤外線が侵入
するのをさらに有効に防ぐことができる。
【0026】このようにして区画された2つの区画のう
ち補償用の赤外線センサ素子部C1側は、遮光板7によ
り側方から赤外線が入射せず、枠体2の上面に接合され
る透光性蓋体6の一部に形成されている遮光膜6aの遮
光効果により赤外線が上方から完全に入射しない構造と
なる。これにより、赤外線センサ素子5が赤外線センサ
パッケージの内面から発せられる赤外線のみを出力する
こととなり、バックグラウンドを含む基準信号を出力す
る赤外線センサ素子5として有効に機能する。
【0027】また、遮光板7の厚さは0.06〜0.3mmで
あれば良く、0.06mm未満であれば加工が困難となり、
0.3mmを超えると、その分基板A1の長さを長くしな
ければならなくなり、加工前の単結晶Siから成る基板
1の面方向の特性バラツキが赤外線センサ5の特性をば
らつかせる可能性が生じ、これにより2つの赤外線セン
サ素子4,5の特性に差が生じる場合がある。
【0028】遮光板7は、予めNiメッキ層などの金属
メッキ層を表面に被着させておくと、赤外線の反射率が
高まるので、遮光板7としての機能が向上する。また、
遮光膜6aはチタン(Ti)等からなり、取着前の透光
性蓋体6の所定部位に例えばスパッタリング法により被
着させておくと良い。
【0029】赤外線センサ素子5は、従来とは異なり、
表面にAlなどの赤外線反射膜が被着されていないこと
から、赤外線センサパッケージの内面から発せられる微
弱な赤外線を信号に変えて出力することができ、受光用
の赤外線センサ素子4と同等の条件で信号を出力するこ
とができる。よって、赤外線センサ素子4と赤外線セン
サ素子5との出力の差をとることにより、バックグラウ
ンドが除去され測定対象物の温度を正確に求めることが
できる。これにより、極めて精度の高い温度測定が可能
になる。
【0030】本発明の赤外線センサパッケージは、基板
A1を基体1上面の載置部1bで遮光板7の下方に滑り
込ませるようにして載置固定し、次に基板A1上の電極
(図示せず)と入出力端子3のメタライズ配線層とをボ
ンディングワイヤ8で電気的に接続し、最後に透光性蓋
体6を枠体2の上面に接合するとともに赤外線センサパ
ッケージ内部を真空にすることにより、赤外線センサ装
置が作製される。この赤外線センサ装置を用いることに
より、非接触かつ精度の高い温度測定が実現される。
【0031】
【実施例】本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージ
および赤外線センサ装置の実施例を以下に説明する。
【0032】まず、図1,図2に示した本発明の赤外線
センサパッケージを以下のようにして作製した。縦約6
mm×横約8mm×厚さ約0.5mmのFe−Ni−Co
合金からなる基体1の上面の外周部に、載置部1aを囲
むように、外形が縦約4mm×横約6mm×高さ約2m
mで厚さが約1mmのFe−Ni−Co合金からなる枠
体2を銀ロウ(BAg−8:JISZ3261)を介して接
合した。また、枠体2の対向する一対の側部に、断面形
状が高さ約1mm×幅約1mmの正方形の入出力端子3
の取付部2aを形成し、取付部2aにはアルミナセラミ
ックスから成る入出力端子3を嵌着した。この入出力端
子3は赤外線センサ素子4,5とボンディングワイヤ8
で電気的に接続されて外部に電気信号を出力する中継部
として作用する。
【0033】また、枠体3の2つの赤外線センサ素子
4,5の間を通る線L上に位置するとともに遮光膜6a
の端部の下方に位置するように、枠体3の対向する一対
の側部の内面に、即ち枠体2の長い側壁部の内面の略中
心位置に、枠体2の上端から下方に向かって溝2bを形
成した。溝2bは、溝2bとなる部位を除く部位に耐エ
ッチング膜を形成した後、エッチングを行って形成し
た。
【0034】この溝2bの幅を0.4mm、枠体2の厚さ
方向の深さを0.5mmとし、遮光板7の厚さを0.2mmと
した。また、遮光板7の下端と赤外線センサ素子部B
1,C1の上面との上下方向の間隔が、それぞれ0m
m,0.05mm,0.1mm,0.2mm,0.3mm,0.35m
m,0.4mm,0.5mmとなるように溝2bの長さを8種
に調整し、また遮光板7の高さを溝2bの長さに合わせ
て調整した。
【0035】次に、赤外線センサ素子4,5を、遮光板
7がそれらの間に位置するように載置部1aに載置し接
着した後、ボンディングワイヤ8により受光用の赤外線
センサ素子4および補償用の赤外線センサ素子5と外部
電気回路とを電気的に接続した。
【0036】次に、溝2bに厚さが0.2mm、幅が2.6m
m、高さが赤外線センサ素子4,5上面からの高さを考
慮して決められた遮光板7を嵌め込み、赤外線センサ素
子部C1を覆うように遮光膜6aが形成されたガラスか
ら成る透光性蓋体6を、枠体2の上面にエポキシ樹脂で
接着することにより、上記8種につき各10個づつ赤外線
センサ装置のサンプルを作製した。
【0037】また、比較例として、図3の構成の従来の
赤外線センサ装置を10個用意した。
【0038】これらのサンプルを用いて、表面を100.0
℃の定温とした測定対象物の温度を測定し、作動時の測
定精度を評価した。評価結果を表1に示す。表1におい
て、○は測定対象物の表面温度に対して0.5℃以内の誤
差がある場合、△は0.5〜1℃の誤差がある場合、×は
1℃以上の誤差がある場合を示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1より、遮光板7を用いた本発明の赤外
線センサ装置は、従来の赤外線センサ装置に比べて、遮
光板7の位置を本発明の範囲とすることにより精度の高
い温度測定を実現していることが判明した。
【0041】なお、本発明は上記実施の形態および実施
例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で
種々の変更を施すことは何等差し支えない。例えば、遮
光板7としてFe−Ni−Co合金板を例として説明し
たが、これに限らずFe−Ni合金やステンレスなどで
も良い。
【0042】
【発明の効果】本発明の赤外線センサ素子収納用パッケ
ージは、上面に2つの赤外線センサ素子が並んで載置さ
れる載置部を有する基体と、基体の上面に載置部を囲繞
するように接合され、対向する一対の側部に貫通孔また
は切欠き部から成る入出力端子の取付部がそれぞれ形成
された枠体と、枠体の上面に取着されるとともに一方の
赤外線センサ素子の上方の部位にその赤外線センサ素子
側の周囲の枠体の上面に至る遮光膜が被着された透光性
蓋体と、取付部に嵌着された入出力端子とを具備し、2
つの赤外線センサ素子の間で遮光膜の端部の下方に位置
するように枠体の他の対向する一対の側部の内面に枠体
の上端から下方に向かって所定長さの溝がそれぞれ形成
されており、各溝に対向する一対の辺部がそれぞれ嵌め
込まれた、下端と赤外線センサ素子の上面との上下方向
における間隔が0.1〜0.3mmである遮光板が設けられて
いることにより、補償用の赤外線センサ素子の表裏面に
赤外線反射膜を被着する工程や赤外線反射膜のエッチン
グ処理工程等が不要となるため、製造歩留りが大幅に向
上し、ほぼ100%近くにまで向上させることができる。
また、赤外線センサ素子収納用パッケージを用いて赤外
線センサ装置と成した場合、遮光膜が設けられた透光性
蓋体と遮光板とにより、補償用の赤外線センサ素子が赤
外線センサ装置外部からの赤外線を殆ど受光することは
ないが、赤外線センサ素子収納用パッケージの内面から
発せられる微弱な赤外線(バックグランド信号)を、受
光用の赤外線センサ素子が受光するのと同様に受光する
ことができる。その結果、受光用の赤外線センサ素子と
補償用の赤外線センサ素子との間の出力差を極めて精度
良く得ることができ、よって従来の赤外線センサ装置で
は得られない高精度の温度測定が可能になる。
【0043】本発明の赤外線センサ装置は、本発明の赤
外線センサ素子収納用パッケージと、基体の載置部に載
置固定されるとともに入出力端子にそれぞれ電気的に接
続された2つの前記赤外線センサ素子と、枠体の上面に
取着された透光性蓋体とを具備したことにより、受光用
の赤外線センサ素子と補償用の赤外線センサ素子との間
の出力差を極めて精度良く得ることができ、高精度の温
度測定が可能になるとともに、高い製造歩留りが得られ
るものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤外線センサ素子収納用パッケージに
ついて実施の形態の一例を示す平面図である。
【図2】図1の赤外線センサ素子収納用パッケージのX
−X’線における断面図である。
【図3】(a)は従来の赤外線センサ装置の平面図、
(b)は(a)の断面図である。
【符号の説明】
1:基体 1b:載置部 2:枠体 2a:取付部 2b:溝 3:入出力端子 4:受光用の赤外線センサ素子 5:補償用の赤外線センサ素子 6:透光性蓋体 6a:遮光膜 7:遮光板 7a:間隔 A1:基板 B1:受光用の赤外線センサ素子部 C1:補償用の赤外線センサ素子部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面に2つの赤外線センサ素子が並んで
    載置される載置部を有する基体と、該基体の上面に前記
    載置部を囲繞するように接合され、対向する一対の側部
    に貫通孔または切欠き部から成る入出力端子の取付部が
    それぞれ形成された枠体と、該枠体の上面に取着される
    とともに一方の前記赤外線センサ素子の上方の部位にそ
    の赤外線センサ素子側の周囲の前記枠体の上面に至る遮
    光膜が被着された透光性蓋体と、前記取付部に嵌着され
    た入出力端子とを具備する赤外線センサ素子収納用パッ
    ケージにおいて、前記2つの赤外線センサ素子の間で前
    記遮光膜の端部の下方に位置するように前記枠体の他の
    対向する一対の側部の内面に前記枠体の上端から下方に
    向かって所定長さの溝がそれぞれ形成されており、該各
    溝に対向する一対の辺部がそれぞれ嵌め込まれた、下端
    と前記赤外線センサ素子の上面との上下方向における間
    隔が0.1〜0.3mmである遮光板が設けられていることを
    特徴とする赤外線センサ素子収納用パッケージ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の赤外線センサ素子収納用
    パッケージと、前記基体の載置部に載置固定されるとと
    もに前記入出力端子に電気的に接続された2つの前記赤
    外線センサ素子と、前記枠体の上面に取着された前記透
    光性蓋体とを具備したことを特徴とする赤外線センサ装
    置。
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