JP2003313347A - エチレン共重合体発泡体およびその製造方法 - Google Patents

エチレン共重合体発泡体およびその製造方法

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JP2003313347A JP2002121825A JP2002121825A JP2003313347A JP 2003313347 A JP2003313347 A JP 2003313347A JP 2002121825 A JP2002121825 A JP 2002121825A JP 2002121825 A JP2002121825 A JP 2002121825A JP 2003313347 A JP2003313347 A JP 2003313347A
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foam
ethylene
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pressure
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Shigeo Nishikawa
茂雄 西川
Haruo Inoue
晴夫 井上
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気汚染やオゾン層破壊の心配もなく、安全
に製造できる、緩衝性能等を有する高発泡倍率の熱可塑
性樹脂発泡体を提供する。 【解決手段】 エチレン共重合体から成る、密度0.0
50〜0.010g/cm3の発泡体において、エチレ
ン共重合体中のエチレンと共重合する共単量体の含有量
が、7〜80wt%であることを特徴とするエチレン共
重合体発泡体を提供する。エチレンと共重合する共単量
体は、カルボニル基を含んでいることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、果実、ボトル、電
化製品、精密機器等を梱包する際に用いられる熱可塑性
樹脂発泡体に関する。更に詳しくは、発泡剤として二酸
化炭素を用いて製造される高発泡倍率のエチレン共重合
体発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂発泡体は、ガス発泡剤を用
いて製造する方法が知られている。物理発泡剤を用いた
ガス発泡法は、押出機で樹脂を溶融したところに、ブタ
ン、ペンタン、ジクロロジフロロメタンのような低沸点
有機化合物を供給し、混練した後、低圧域に放出するこ
とにより発泡成形する方法である。この方法に用いられ
る低沸点有機化合物は、樹脂に対して親和性があるため
溶解性に優れ、また、保持性にも優れていることから、
高倍率発泡体を得ることができるという特徴を持ってい
る。この特徴を生かして低沸点有機化合物を発泡剤と
し、主に緩衝材等に用いられる高発泡製品がネット成形
やシート成形等の押出発泡成形法によって製造されてい
る。
【0003】しかしながら、これらの発泡剤は、コスト
が高いことに加え、可燃性や毒性等の危険性を有してお
り、大気汚染の問題を生じる可能性を持っている。例え
ば、ジクロロジフロロメタンをはじめとするフロン系ガ
ス等はオゾン層破壊の環境問題から全廃の方向へ進んで
いる。
【0004】また、ブタン、プロパン、ペンタン等の可
燃性ガスについては、成形後暫くは発泡製品中に残る性
質のため、該可燃性ガスを完全に空気と置換させてか
ら、市場に出さなければならない。このため、ヒーター
等で加熱し、空気置換を促進する製造ラインを設置した
り、高温に温度調節された倉庫内に安置し、空気置換を
行うなど、人件費、作業工数、作業効率、製造コスト等
を要する上、自然環境、作業環境、安全性の観点からも
大きな問題を抱えている。
【0005】このような従来法の問題点を解決する為
に、クリーンでコストがかからない二酸化炭素、窒素等
の不活性ガスを発泡剤とする方法が数多く提案されてい
る。しかしながら、不活性ガスは樹脂との親和性が低い
ことから、溶解性に乏しい。このため発泡体は、気泡径
が大きく、不均一で、気泡密度が小さいため、外観性、
機械的強度、断熱性等の点に問題があった。また、不活
性ガスを安定的に成形機中に供給する方法が確立してお
らず、製品に発泡むらが生じ、品質の一定な発泡体を得
ることが困難であった。
【0006】一般に不活性ガス、特に二酸化炭素を用い
て熱可塑性樹脂発泡体を製造する場合、ガスボンベから
減圧弁を介して直接気体を圧入する方法がある。しか
し、該方法では、発泡剤注入部における樹脂圧力の変動
のため、発泡剤流量に変動を生じ、この結果、製品に発
泡むらを生じ、品質の一定な発泡体を得ることができな
い。また、該方法では、発泡剤注入部における樹脂圧力
が、ガスボンベ圧力より高い場合は、発泡剤を圧入する
ことができない。
【0007】特開平1−222922号公報には、不活
性ガスの圧力を、減圧弁を介して注入部溶融樹脂圧力以
上、9.8MPa以下の範囲に調整した後、押出機内に
注入し、熱可塑性樹脂発泡体を得る製造方法が提案され
ている。しかしながら、該方法も9.8MPa以上の樹
脂圧力の場合、発泡剤を圧入することができない。よっ
て、注入部溶融樹脂圧力を9.8MPa以下に制御しな
ければならないため、使用材料、成形機、および成形条
件に大きな制約を受け、該方法で得られる発泡製品はか
なり限定されたものとなる。更に二酸化炭素を発泡剤と
して用いた場合、9.8MPa以下での成形機への圧入
では、添加量に限界があり、高発泡倍率の製品は得られ
ない。また、溶融樹脂中への二酸化炭素の溶解性が悪
く、溶解するまで多くの時間を要し、得られる発泡体
は、気泡径が大きく、不均一で、気泡密度が小さい。
【0008】特公平6−41161号公報には、加圧し
た二酸化炭素を臨界温度以上に維持してタンクに溜めた
後、減圧して9.8MPa以上の圧力で流量制御しなが
ら押出機内に注入し、熱可塑性樹脂発泡体を得る製造方
法が提案されている。しかしながら、該方法について
も、二酸化炭素添加量に限界がある。二酸化炭素添加量
が2wt%を越えると、成形機中に安定供給できなくな
る。そのため、高発泡倍率の製品を得ようとすると、製
品に発泡むらを生じ、品質の一定な発泡体を得ることが
困難であった。また、設備が大規模で複雑なため、膨大
なコストと設置場所を要する。更に二酸化炭素の流量制
御が難しいといった問題があった。
【0009】このように、これまで発泡剤として二酸化
炭素を用いた場合、所定量を成形機中へ安定的に供給す
ることが難しく、そのため品質の一定な発泡製品を得る
こと、とりわけ高発泡倍率の発泡製品を得ることが困難
であった。
【0010】本発明者らは、特開2000−84968
号公報において、液化二酸化炭素ボンベから二酸化炭素
を液体状態に維持したまま定量ポンプに送液し、定量ポ
ンプの吐出圧力を二酸化炭素の臨界圧力(7.4MP
a)〜40MPaの範囲内で一定圧力となるよう保圧弁
で制御し吐出した後、二酸化炭素の臨界温度(31℃)
以上に昇温して超臨界二酸化炭素としてから成形機内へ
圧入することを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の製造方
法を提供した。該方法により、二酸化炭素を発泡剤とす
る熱可塑性樹脂押出発泡成形において、従来の熱可塑性
樹脂発泡体に比べて、著しくセル径が微細で均一で発泡
ムラのない熱可塑性樹脂発泡体を品質一定で製造するこ
とが可能となった。
【0011】しかしながら、本発明者らの更なる研究に
より、密度0.050g/cm3以下の高発泡製品を製
造する場合、特定の熱可塑性樹脂においては、高発泡製
品を製造することが困難であることが明らかとなってき
た。中でも緩衝材として多く使用されている低密度ポリ
エチレンは、高発泡製品を品質一定で製造することが困
難であることが明らかとなってきた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、緩衝性能等
を有する高発泡倍率の熱可塑性樹脂発泡体を提供するこ
とを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、超臨界二
酸化炭素を用いる前記製造方法を使用して鋭意研究を重
ねた結果、低密度ポリエチレンを、カルボニル基を含む
共単量体を特定の割合で共重合体したエチレン系共重合
体とすることにより、緩衝材等に適した熱可塑性樹脂高
発泡材料が、前記製造方法により製造できることを見出
し、本発明に至った。
【0014】すなわち本発明は、以下の発明の態様を包
含する。 (1)エチレン共重合体から成る、密度0.050〜
0.010g/cm3の発泡体において、エチレン共重
合体中のエチレンと共重合する共単量体の含有量が、7
〜80wt%であることを特徴とするエチレン共重合体
発泡体。
【0015】(2)エチレンと共重合する共単量体が、
カルボニル基を含むことを特徴とする前記(1)に記載
のエチレン共重合体発泡体。
【0016】(3)エチレンと共重合する共単量体が、
酢酸ビニル、メタクリル酸、アクリル酸エチルから選択
される少なくとも1種であることを特徴とする前記
(1)ないし(2)のいずれかに記載のエチレン共重合
体発泡体。
【0017】(4)前記エチレン共重合体発泡体の製造
において、発泡剤が二酸化炭素であることを特徴とする
前記(1)ないし(3)のいずれかに記載の発泡エチレ
ン共重合体発泡体。
【0018】(5)二酸化炭素をエチレン共重合体組成
物100重量部当たり3〜30重量部添加し、押出発泡
成形を行うことを特徴とする前記(4)に記載のエチレ
ン共重合体発泡体の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】本願発明のエチレン共重合体発泡
体は、密度0.050〜0.010g/cm 3であり、
より好ましくは、密度0.033〜0.014g/cm
3のものである。上記範囲内の密度を有するエチレン共
重合体発泡体は、軽量でかつ緩衝性能に優れている。
【0020】また、本発明のエチレン共重合体発泡体
は、エチレン共重合体中のエチレンと共重合する共単量
体の含有量が、7〜80wt%、好ましくは10〜60
wt%、更に好ましくは20〜50wt%のものであ
る。上記範囲内のエチレンと共重合する共単量体の含有
量を有するエチレン共重合体は、発泡剤として二酸化炭
素を用いた発泡体製造において、密度0.050g/c
3以下の緩衝性能を有する樹脂発泡体を製造すること
を可能とする。なお、共単量体の含有量は、FT−IR
により、通常の方法を用いて測定できる。
【0021】本メカニズムは、必ずしも定かではない
が、エチレンと共重合するカルボニル基を有する単量体
部と、発泡剤である二酸化炭素との相互作用により、樹
脂中における二酸化炭素の拡散性に何らかの影響が及ぼ
されているものと推定される。
【0022】本発明に用いられるエチレン共重合体とし
ては、発泡したときに緩衝性能に優れている樹脂であれ
ば、特に制限無く使用できる。中でも、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エ
チレン−アクリル酸エチル共重合体等が好ましい。
【0023】また、本発明においては、目的を損なわな
い範囲で、エチレン共重合体に、必要に応じて、収縮防
止剤、発泡核剤(例えば、重曹、クエン酸、アゾジカル
ボンアミン、タルク、炭酸カルシウム等)、発泡助剤、
顔料、染料、滑剤、抗酸化剤、充填剤、可塑剤、安定
剤、難燃剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、架橋剤、抗菌
剤等を添加した組成物とすることができる。
【0024】また、本発明においては、発泡体の用途に
応じて、硬さ、剛性、伸び等の機械的物性を調整する目
的で、他の熱可塑性樹脂を添加することができる。熱可
塑性樹脂としては、特に制限なく使用することができ
る。例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン
共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、アイオノマー
樹脂(例えばエチレン−メタクリル酸共重合体アイオノ
マー樹脂等)、ポリプロピレン、超高分子量ポリプロピ
レン、ポリブテン、4−メチルペンテン−1樹脂、環状
ポリオレフィン系樹脂、エチレン−スチレン共重合体、
スチレン系樹脂(ポリスチレン、ブタジエン−スチレン
共重合体(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体
(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体(ABS樹脂)等)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、
ポリメタクリル酸メチル、酢酸セルロース、熱可塑性ポ
リウレタン、熱可塑性エラストマー、生分解性ポリマー
(例えば、ポリ乳酸のようなヒドロキシカルボン酸縮合
物、ポリブチレンサクシネートのようなジオールとカル
ボン酸の縮合物等)等の1種、または2種以上からなる
熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂の中
では、スチレン系樹脂が好ましい。
【0025】本発明のエチレン共重合体発泡体の原料の
製造方法については特に制限はなく、通常公知の方法を
採用することができる。例えば、エチレン共重合体と必
要により添加剤を高速攪拌機等で均一混合した後、十分
な混練能力のある一軸あるいは多軸の押出機、混合ロー
ル、ニーダー、ブラベンダー等で溶融混練する方法等で
製造できる。またエチレン共重合体と添加剤を均一混合
した状態で使用することも差し支えない。
【0026】また、本発明のエチレン共重合体発泡体
は、その製品形状においても特に限定されるものではな
い。例えば押出成形において得られるエチレン共重合体
発泡体の製品形状についても、ネット状、シート状、ス
トランド状、フィラメント状、パイプ状、チューブ状、
板状、角材状、円柱状、異形押出、多層押出、電線被覆
等、特に限定されない。
【0027】本発明の押出発泡成形によるエチレン共重
合体発泡体の製造方法の一態様を、一例として図1によ
り以下に説明する。エチレン共重合体を主成分とするエ
チレン共重合体組成物(1)をホッパー(2)より、押
出機(3)中に供給し、加熱混練し溶融させた後、エチ
レン共重合体組成物中へ二酸化炭素を供給する。二酸化
炭素の供給方法としては、液化二酸化炭素ボンベ(4)
より、二酸化炭素を液体状態に維持したまま定量ポンプ
(5)に注入し、昇圧する。定量ポンプ(5)の吐出圧
力を二酸化炭素の臨界圧力(7.4MPa)〜40MP
aの範囲内で一定圧力となるよう保圧弁(6)で制御し
吐出した後、二酸化炭素の臨界温度(31℃)以上にヒ
ーター(7)で昇温して超臨界二酸化炭素としてから、
溶融したエチレン共重合体組成物に供給する方法が好ま
しい。このとき供給する二酸化炭素は、エチレン共重合
体100重量部当たり3〜30重量部の範囲が好まし
い。供給する二酸化炭素を3重量部以上とすることは、
高発泡体を得る観点から好ましい。供給する二酸化炭素
を30重量部以下とすることは、二酸化炭素が溶融樹脂
中に完全に溶解せず、分離してしまい、外観良好な均一
気泡を有する発泡体が得られなくなることを防止する観
点から好ましい。
【0028】二酸化炭素が溶解拡散した溶融樹脂は、発
泡に適した粘度となるよう、押出機(3)シリンダー温
度を調整し、温度を低下させる。最適温度となった二酸
化炭素が溶解拡散した溶融樹脂は、押出機(3)出口に
接続されたダイ(8)へと移送され、ダイリップ(出
口)で制御された条件で圧力低下させて、発泡を開始す
る。この二酸化炭素を供給してからダイ(8)で圧力低
下させるまでの工程で、常に押出機(3)内の圧力を8
MPa〜40MPaの範囲で維持することが好ましい。
8MPa以上とすることは、二酸化炭素の溶解拡散を向
上させる観点から好ましく、40MPa以下とすること
は、超臨界状態の二酸化炭素を安定的に供給する観点か
ら好ましい。押出機(3)内の圧力を8MPa〜40M
Paの範囲に維持するためには、目的とする発泡製品に
応じて、エチレン共重合体の組成設計、設定温度条件、
二酸化炭素供給量、スクリュー回転数、スクリュー形
状、ダイ形状等のバランスを調整する必要がある。ま
た、必要に応じて2台の押出機を連結したタンデム型の
押出機を使用しても構わない。エチレン共重合体組成物
は、ダイ(8)から押出されたと同時に発泡を開始し、
エチレン共重合体発泡体(9)が得られる。
【0029】
【実施例】次に発明を実施例および比較例により説明す
る。尚、実施例および比較例に記した平均密度は、次の
方法に従って実施した。連続的にロッド状のエチレン共
重合体発泡体を製造し、30分毎にサンプルを5点取得
した。取得したサンプルをそれぞれ電子密度計を用いて
密度を測定し、5点の平均値を平均密度とした。
【0030】(実施例1)成形機として、図2に示した
スクリュー径20mmの第1押出機(10)とスクリュ
ー径30mmの第2押出機(11)を有するタンデム型
の押出機を使用した。発泡剤供給口は、第1押出機の中
央付近に設けた。発泡剤として二酸化炭素を使用し、エ
チレン共重合体として共単量体(酢酸ビニル)含有量が
17wt%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井
デュポンポリケミカル(株)製エバフレックスEV26
0)を使用した。該エチレン共重合体(1)をホッパー
(2)より第1押出機(10)に供給し、160℃で加
熱溶融させた。
【0031】二酸化炭素は、サイホン式の液化二酸化炭
素ボンベ(4)を使用し、液相部分から直接取り出せる
ようにした。ボンベ(4)から定量ポンプ(5)までの
流路を冷媒循環機(12)を用いて、−12℃に調節し
たエチレングリコール水溶液で冷却し、二酸化炭素を液
体状態で定量ポンプ(5)まで送液できるようにした。
次に送液した液状二酸化炭素を直接質量流量計(13)
にて確認しながら定量ポンプ(5)を制御し、定量ポン
プ(5)の吐出圧力を30MPaとなるよう保圧弁
(6)にて調整した。このとき、定量ポンプの容積効率
は、65%で一定となった。次に保圧弁(6)から第1
押出機(10)の二酸化炭素供給口までのラインを50
℃となるようヒーター(7)で加熱し、超臨界二酸化炭
素とし、第1押出機内(12)に圧入した。このときの
発泡剤供給部の溶融樹脂圧力(14)は23MPaであ
った。
【0032】このようにして、溶融したエチレン共重合
体100重量部に対して、二酸化炭素を9.5重量部の
割合で第1押出機(10)に圧入し、スクリューで均一
に溶解拡散させた。次にこの溶融混合物を第2押出機
(11)へ送り、ダイ内での樹脂温度を86℃に調整
し、2.5kg/時間の押出量でダイ(8)より押し出
した。このときのダイ圧力(15)は、10MPaであ
った。ダイとしては、Φ1.5mm孔径を有するロッド
成形用ダイ(8)を使用した。押し出されたエチレン共
重合体組成物は、ダイ(7)から出たと同時に発泡し、
ダイ(8)の先に設置された引き取りロール(16)に
より引き取った。得られたロッド状のエチレン共重合体
発泡体(9)の平均密度は、0.034g/cm3であ
った。
【0033】(実施例2)本実施例では、エチレン共重
合体として共単量体(酢酸ビニル)含有量が33wt%
であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポ
リケミカル(株)製エバフレックスEV150)を使用
し、溶融したエチレン共重合体100重量部に対して二
酸化炭素を10.0重量部の割合で第1押出機(10)
に圧入し、ダイ内での樹脂温度を60℃に調整した以外
は、実施例1と同様に実施した。このときの発泡剤供給
部の溶融樹脂圧力(14)は18MPaであり、ダイ圧
力(15)は、10MPaであった。得られたロッド状
のエチレン共重合体発泡体(9)の平均密度は、0.0
26g/cm3であった。
【0034】(実施例3)本実施例では、エチレン共重
合体として共単量体(酢酸ビニル)含有量が41wt%
であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポ
リケミカル(株)製エバフレックスEV40LX)を使
用し、溶融したエチレン共重合体100重量部に対して
二酸化炭素を17.4重量部の割合で第1押出機(1
0)に圧入し、ダイ内での樹脂温度を50℃に調整した
以外は、実施例1と同様に実施した。このときの発泡剤
供給部の溶融樹脂圧力(14)は24MPaであり、ダ
イ圧力(15)は、15MPaであった。得られたロッ
ド状のエチレン共重合体発泡体(9)の平均密度は、
0.024g/cm3であった。
【0035】(実施例4)本実施例では、エチレン共重
合体として共単量体(メタクリル酸)含有量が11wt
%であるエチレン−メタクリル酸共重合体(三井デュポ
ンポリケミカル(株)製ニュクレル1108C)を使用
し、溶融したエチレン共重合体100重量部に対して二
酸化炭素を7.7重量部の割合で第1押出機(10)に
圧入し、ダイ内での樹脂温度を91℃に調整した以外
は、実施例1と同様に実施した。このときの発泡剤供給
部の溶融樹脂圧力(14)は24MPaであり、ダイ圧
力(15)は、21MPaであった。得られたロッド状
のエチレン共重合体発泡体(9)の平均密度は、0.0
30g/cm3であった。
【0036】(実施例5)本実施例では、エチレン共重
合体として共単量体(メタクリル酸)含有量が15wt
%であるエチレン−メタクリル酸共重合体(三井デュポ
ンポリケミカル(株)製ニュクレル1525)を使用
し、溶融したエチレン共重合体100重量部に対して二
酸化炭素を11.4重量部の割合で第1押出機(10)
に圧入し、ダイ内での樹脂温度を86℃に調整し以外
は、実施例1と同様に実施した。このときの発泡剤供給
部の溶融樹脂圧力(14)は20MPaであり、ダイ圧
力(15)は、14MPaであった。得られたロッド状
のエチレン共重合体発泡体(9)の平均密度は、0.0
25g/cm3であった。
【0037】(実施例6)本実施例では、エチレン共重
合体として共単量体(メタクリル酸)含有量が20wt
%であるエチレン−メタクリル酸共重合体を使用し、溶
融したエチレン共重合体100重量部に対して二酸化炭
素を11.2重量部の割合で第1押出機(10)に圧入
し、ダイ内での樹脂温度を79℃に調整した以外は、実
施例1と同様に実施した。このときの発泡剤供給部の溶
融樹脂圧力(14)は22MPaであり、ダイ圧力(1
5)は、17MPaであった。得られたロッド状のエチ
レン共重合体発泡体(9)の平均密度は、0.019g
/cm3であった。
【0038】(比較例1)本比較例では、低密度ポリエ
チレン(三井化学(株)製ミラソン68)を使用し、第
1押出機での加熱温度を180℃とし、溶融した低密度
ポリエチレン100重量部に対して二酸化炭素を7.0
重量部の割合で第1押出機(10)に圧入し、ダイ内で
の樹脂温度を100℃に調整した以外は、実施例1と同
様に実施した。このときの発泡剤供給部の溶融樹脂圧力
(14)は13MPaであり、ダイ圧力(15)は、9
MPaであった。得られたロッド状の低密度ポリエチレ
ン発泡体(9)の平均密度は、0.063g/cm3
あった。
【0039】(比較例2)本比較例では、エチレン共重
合体として共単量体(酢酸ビニル)含有量が6wt%で
あるエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井化学(株)ミ
ラソンEVA)を使用し、溶融したエチレン共重合体1
00重量部に対して二酸化炭素を9.0重量部の割合で
第1押出機(10)に圧入し、ダイ内での樹脂温度を9
5℃に調整し以外は、実施例1と同様に実施した。この
ときの発泡剤供給部の溶融樹脂圧力(14)は18MP
aであり、ダイ圧力(15)は、9MPaであった。得
られたロッド状のエチレン共重合体発泡体(9)の平均
密度は、0.056g/cm 3であった。
【0040】以上の実施例、比較例の結果を表1にまと
めて示す。
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明により、緩衝性能等を有する高発
泡倍率の熱可塑性樹脂発泡体を、大気汚染やオゾン層破
壊の心配もなく、安全に、しかも低コストで製造でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエチレン共重合体発泡体の製造方法の
一例を示す概略構成図である。
【図2】実施例および比較例で用いたエチレン共重合体
発泡体の製造方法を示す概略構成図である。
【符号の説明】
(1) エチレン共重合体組成物 (2) ホッパー (3) 押出機 (4) 二酸化炭素ボンベ (5) 定量ポンプ (6) 保圧弁 (7) ヒーター (8) ダイ (9) エチレン共重合体発泡体 (10) 第1押出機 (11) 第2押出機 (12) 冷媒循環器 (13) 直接質量流量計 (14) 発泡剤供給部の溶融樹脂圧力 (15) ダイ圧力 (16) 引取ロール

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン共重合体から成る、密度0.0
    50〜0.010g/cm3の発泡体において、エチレ
    ン共重合体中のエチレンと共重合する共単量体の含有量
    が、7〜80wt%であることを特徴とするエチレン共
    重合体発泡体。
  2. 【請求項2】 エチレンと共重合する共単量体が、カル
    ボニル基を含むことを特徴とする請求項1に記載のエチ
    レン共重合体発泡体。
  3. 【請求項3】 エチレンと共重合する共単量体が、酢酸
    ビニル、メタクリル酸、アクリル酸エチルから選択され
    る少なくとも1種であることを特徴とする請求項1ない
    し2のいずれかに記載のエチレン共重合体発泡体。
  4. 【請求項4】 前記エチレン共重合体発泡体の製造にお
    いて、発泡剤が二酸化炭素であることを特徴とする請求
    項1ないし3のいずれかに記載のエチレン共重合体発泡
    体。
  5. 【請求項5】 二酸化炭素をエチレン共重合体組成物1
    00重量部当たり3〜30重量部添加し、押出発泡成形
    を行うことを特徴とする請求項4に記載のエチレン共重
    合体発泡体の製造方法。
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