JP2003312144A - 多色画像形成材料及び多色画像形成方法 - Google Patents

多色画像形成材料及び多色画像形成方法

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JP2003312144A
JP2003312144A JP2002123587A JP2002123587A JP2003312144A JP 2003312144 A JP2003312144 A JP 2003312144A JP 2002123587 A JP2002123587 A JP 2002123587A JP 2002123587 A JP2002123587 A JP 2002123587A JP 2003312144 A JP2003312144 A JP 2003312144A
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JP2002123587A
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Koji Sato
弘司 佐藤
Kinzo Arai
欣三 新居
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像を必要とせず、かつ廃棄物の発生のない
完全ドライの処理系で、高画質及び高耐性の多色画像形
成材料、及びこれを使用する多色画像形成方法を提供す
る。 【解決手段】 支持体上に、下記一般式(1)で表され
る、塩基との接触により発色可能な色素前駆体、及び塩
基プレカーサーをそれぞれ少なくとも1種含む第1の画
像形成層を少なくとも1層と、該第1の画像形成層とは
異なる色相を呈する第2の画像形成層を少なくとも1層
とを有する多色画像形成材料、及び該多色画像形成材料
を、画像様に加熱し画像を形成する多色画像形成方法で
ある。 【化1】 〔一般式(1)中、Arは置換基を有していてもよい芳
香環または複素環を表す。Cpはカプラー残基を表し、
環を形成してもしなくてもよい。L1は塩基で脱保護さ
れる保護基を表し、L2は水素原子又は色素形成の過程
で脱離する置換基を表す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多色の画像形成材
料に関し、特に保存安定性に優れた多色画像形成材料、
及び該多色画像形成材料を使用する多色画像形成方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、液状の現像剤等を用いず、廃
棄物を生じないドライタイプの画像形成材料および画像
形成方法が種々検討されており、近年では、フルカラー
(多色)の多色画像形成材料および多色画像形成方法が
望まれている。多色の画像形成材料としては、例えば、
電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物とを組み合わ
せた画像形成層を使用したものが知られており、その例
として、支持体表面に、電子供与性染料前駆体と電子受
容性化合物とを含む画像形成層、および、ジアゾ化合物
とカプラーとを含む画像形成層を積層した光定着型の多
色ジアゾ感熱記録材料を挙げることができる。この多色
ジアゾ感熱記録材料は、ジアゾ化合物の光照射によって
分解しカプラーとの反応性を失う(発色能力を失う)性
質を利用したものであり、イエロー、マゼンタ、シアン
に発色するように発色成分を選択しておけば、ジアゾ化
合物の光定着性を利用して多色画像を形成することが可
能である。しかしながら、上記多色の画像形成材料は、
画像の耐性の点で十分満足のいくレベルに達するもので
はなかった。
【0003】また、特開平5−204087号公報、特
表平8−507885号公報、特表平10−50246
0号公報には、色素前駆体を用いた各種光熱写真材料が
開示されているが、感光性材料としてハロゲン化銀を使
用しており、保存安定性、取り扱い性等の観点から、ハ
ロゲン化銀を用いない(非銀塩)完全ドライの処理系で
画像を形成できる材料が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点に鑑みなされたものであり、以下の目的と達成する
ことを課題とする。即ち、本発明は、現像を必要とせ
ず、かつ廃棄物の発生のない完全ドライの処理系で、高
画質及び高耐性の多色画像形成材料、及びこれを使用す
る多色画像形成方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する手段
は以下の通りである。即ち、 <1> 支持体上に、下記一般式(1)で表される、塩
基との接触により発色可能な色素前駆体、及び塩基プレ
カーサーをそれぞれ少なくとも1種含む第1の画像形成
層を少なくとも1層と、該第1の画像形成層とは異なる
色相を呈する第2の画像形成層を少なくとも1層とを有
することを特徴とする多色画像形成材料である。
【0006】
【化4】 〔一般式(1)中、Arは置換基を有していてもよい芳
香環または複素環を表す。Cpはカプラー残基を表し、
環を形成してもしなくてもよい。L1は塩基で脱保護さ
れる保護基を表し、L2は水素原子又は色素形成の過程
で脱離する置換基を表す。〕
【0007】<2> 前記第2の画像形成層が、電子供
与性染料前駆体と電子受容性化合物とをそれぞれ少なく
とも1種含有する画像形成層であることを特徴とする前
記<1>に記載の多色画像形成材料である。 <3> 前記第2の画像形成層が、ジアゾ化合物とカプ
ラーとをそれぞれ少なくとも1種含有する画像形成層で
あることを特徴とする前記<1>に記載の多色画像形成
材料である。 <4> 前記一般式(1)中のL1がフルオレニルメト
キシカルボニル基であることを特徴とする前記<1>か
ら<3>のいずれかに記載の多色画像形成材料である。 <5> 前記塩基プレカーサーが、カルボン酸とビスグ
アニジンとの塩であることを特徴とする前記<1>から
<4>のいずれかに記載の多色画像形成材料である。 <6> 前記ビスグアニジンが、下記一般式(2)又は
下記一般式(3)で表されるビスグアニジンであり、前
記カルボン酸が一般式(4)で表されるカルボン酸であ
ることを特徴とする前記<5>に記載の多色画像形成材
料である。
【0008】
【化5】 〔一般式(2)及び一般式(3)中、R1〜R14は、そ
れぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基
を表す。M、M1、M2は2価の連結基を表す。〕
【0009】
【化6】 〔一般式(4)中、R15、R16は、それぞれ独立に、水
素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。Xは置換
基を表し、nは0から5の整数を表す。〕
【0010】<7> 前記<1>から<6>のいずれか
に記載の多色画像形成材料を、画像様に加熱し画像を形
成することを特徴とする多色画像形成方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の多色画像形成材料
及び多色画像記録方法について説明する。 [多色画像形成材料]本発明の多色画像形成材料は、支
持体上に、下記一般式(1)で表される、塩基との接触
により発色可能な色素前駆体、及び塩基プレカーサーを
それぞれ少なくとも1種含む第1の画像形成層を少なく
とも1層と、該第1の画像形成層とは異なる色相を呈す
る第2の画像形成層を少なくとも1層とを有することを
特徴としている。
【0012】(第1の画像形成層)第1の画像形成層に
は、少なくとも、下記一般式(1)で表される色素前駆
体、及び塩基プレカーサーを少なくとも1種含有する。
【0013】〈一般式(1)で表される色素前駆体〉下
記一般式(1)で表される色素前駆体は、塩基との接触
により発色可能なアゾメチン色素前駆体である。
【0014】
【化7】 〔一般式(1)中、Arは置換基を有していてもよい芳
香環または複素環を表す。Cpはカプラー残基を表し、
環を形成してもしなくてもよい。L1は塩基で脱保護さ
れる保護基を表し、L2は水素原子又は色素形成の過程
で脱離する置換基を表す。〕
【0015】一般式(1)中、Arとしては下記構造式
(1)で表される基が挙げられる。
【0016】
【化8】
【0017】上記構造式(1)中、R17は水素原子、ア
ルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニト
ロ基、SO3H、複素環基、NR1920、OR21、CO2
H、SR21、COR22、CO222、SO222、SOR
22、CONR2324、又はSO2NR2324を表す。R
17としてはNR1920が好ましい。R19およびR20は、
水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基を表
し、R21は水素原子、COR22、CO222、SO
222、CONR2324、アルキル基、又はアリール基
を表し、R22は水素原子、アルキル基、アリール基、又
は複素環基を表し、R23、R24は水素原子、アルキル
基、アリール基、又は複素環基を表す。
【0018】R19およびR20としては、水素原子、炭素
数1〜30のアルキル、炭素数6〜20のアリールが好
ましく、具体的には例えば水素、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、オクチル、オクタデシル、ヒドロキシエ
チル、メタンスルホニルアミノエチル、フェノキシエチ
ル、シアノエチル、ベンゾイルオキシエチル、シクロヘ
キシル、フェニル、トリル、メトキシフェニル、ベンジ
ル等が挙げられる。NR1920は、R19とR20とで、
O、S、N等のヘテロ原子を含んでもよい環を形成して
いてもよいし、NR1920が置換されているフェニル環
と一緒になって環を形成していてもよい。
【0019】R21は水素原子、または、炭素数1〜40
のCOR22、CO222、SO222、CONR2324
アルキルおよびアリールが好ましく、具体的には例えば
水素原子、メチル、エチル、オクチル、ベンジル、フェ
ニル、アセチル、ベンゾイル、エトキシカルボニル、フ
ェニルスルホニル、ジブチルアミノカルボニル等が挙げ
られる。なお、上述のSO3H、CO2H、およびOH
は、塩になっていてもよい。
【0020】上記構造式(1)中、R18はR17と同様な
基を表す。また、R17とR18は連結して環を形成しても
よい。また、R17、R18が、OH、CO2H、SO3Hな
ど解離性プロトンを有する場合は、各種無機カチオン、
テトラアルキルアンモニウムカチオン等の有機カチオン
と塩を形成してもよい。
【0021】上記一般式(1)中のArとしては複素環
基が挙げられる。複素環基としては、置換基を有してい
てもよい、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダ
ジン、ピラジン、フラン、チオフェン、ピロール、ピラ
ゾール、トリアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾ
ール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、テト
ラゾールが挙げられる。置換基としては、R17、R18
示した基が挙げられる。
【0022】上記一般式(1)中、R17〜R25で挙げた
アルキル基、アリール基、および複素環基は、さらに置
換基を有していてもよく、かかる置換基としてはアルキ
ル基、アリール基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ
基、ハロゲン基、アルキルスルホニル基、アリールスル
ホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカ
ルボニル基、アシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、
ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、アルキルスルホ
ニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、カルバモ
イル基、スルファモイル基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、複素環基、アリールアミノ基、ジアリールアミ
ノ基、アリールアルキルアミノ基、アルコキシ基および
アリールオキシ基が挙げられる。上記一般式(1)中、
Arは、芳香族環、複素環と縮環していてもよい。ま
た、Ar中に含まれるアルキル基は、飽和でも不飽和で
もよく、環状でもよい。
【0023】前記一般式(1)中、L1は、塩基で脱保
護される保護基を表す。例えば、以下の構造式(2)〜
構造式(5)で表される基を好適な基として挙げること
ができる。
【0024】
【化9】
【0025】構造式(2)中、XはO、S、SO2、又
は単結合を表し、R31、R32は、水素原子、アルキル
基、アルコキシ基、アリール基、又はEWGを表す。な
お、EWGは電子吸引性基のことであり、具体的には、
ハメットσ値が正の値を持つ置換基、例えば、ハロゲン
原子、スルファモイル基、スルホンアミド基、アルコキ
シ基、アシル基、スルホニル基、等をいう。
【0026】
【化10】
【0027】構造式(3)中、R33は、水素原子又はハ
ロゲン原子を表し、R34は、R31で挙げた基と同じ基を
挙げることができる。
【0028】
【化11】
【0029】構造式(4)中、R35、R36は、水素原
子、アルキル基、又はアリール基を表す。R36とEWG
が結合して環を形成してもよく、環形成された状態の構
造式(4)の例としては以下の構造式(4a)を挙げる
ことができる。
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】構造式(5)中、Qは、ヘテロ環が縮環し
たアリール基を表す。構造式(5)の例としては、以下
の構造式(5a)を挙げることができる。
【0033】
【化14】
【0034】以上のL1の中でも、フルオレニルメトキ
シカルボニル基が好ましい。
【0035】一般式(1)中、L2は水素原子又は下記
に示す色素形成の過程で離脱する基を表す。
【0036】
【化15】
【0037】上記式中、R41、R42、R43およびR
44は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリー
ル基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスル
ホニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、又はアミド基を表し、R31とR32とが
結合して環構造を形成していてもよい(この場合、飽和
でも不飽和でもよい)。また、R45、R46、R47
48、R49、R50、R51、R52及びR53はそれぞれ独立
に水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。R52
とR53は結合して環を形成してもよい(この場合、飽和
でも不飽和でもよい。)。
【0038】上記一般式(1)中、Cpはカプラー残基
を表し、環を形成してもよいし、形成していなくてもよ
い。これらカプラーとしては、銀塩写真分野で用いられ
る公知のもの(ハロゲン化銀写真感光材料の分野におい
て、4当量カプラー、2当量カプラーと称されているも
の等)、ジアゾ感熱記録材料等で用いられる公知のもの
をすべて使用することができる。
【0039】カプラーの例としては、リサーチ・ディス
クロージャーNo.17643、VII−C〜G、およ
び同No.307105、VII−C〜Gに記載されて
いるが、バラスト基と呼ばれる疎水性基を有する非拡散
性のもの、疎水性基を有さないもの、またはポリマー化
されたものが望ましい。本発明において好ましく使用さ
れるカプラーとしては、例えば、シアンカプラーとして
は、ナフトール系カプラー、フェノール系カプラー等が
あり、米国特許2,369,929号、同2,772,
162号、同2,801,171号、同2,895,8
26号、同3,446,622号、同3,758,30
8号、同3,772,002号、同4,052,212
号、同4,126,396号、同4,146,396
号、同4,228,233号、同4,254,212
号、同4,296,199号、同4,296,200
号、同4,327,173号、同4,333,999
号、同4,334,011号、同4,343,011
号、同4,427,767号、同4,451,559
号、同4,690,889号、同4,775,616
号、西独特許公開3,329,729号、欧州特許12
1,365A、同249,453A号、特開昭61−4
2,658号等に記載のカプラー等が挙げられる。マゼ
ンタカプラーとしては、米国特許4,500,630号
等に記載のイミダゾール〔1,2−b〕ピラゾール類、
米国特許4,540,654号等に記載のピラゾロ
〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール類等が挙げ
られる。
【0040】その他、特開昭61−65,245号に記
載されているような分岐アルキル基がピラゾロトリアゾ
ール環の2位、3位または6位に直結したピラゾロトリ
アゾールカプラー、特開昭61−65,246号に記載
されているような分子内にスルホンアミド基を含んだピ
ラゾロアゾールカプラー、特開昭61−147,254
号に記載されているようなアルコキシフェニルスルホン
アミドバラスト基をもつピラゾロアゾールカプラーや欧
州特許(公開)226,849号や同294,785号
に記載されたような6位にアルコキシ基やアリーロキシ
基をもつピラゾロトリアゾールカプラーや、その他、米
国特許3,061,432号、同3,725,067
号、同4,310,619号、同4,351,897
号、同4,556,630号、欧州特許73,636
号、特開昭55−118,034号、同60−35,7
30号、同60−43,659号、同60−185,9
51号、同61−72,238号、国際公開W088/
04795号、およびリサーチ・ディスクロージャーN
o.24220、同No.24230等に記載のカプラ
ーが挙げられる。イエローカプラーとしては、例えば、
米国特許第3,933,501号、同3,973,96
8号、同4,022,620号、同4,248,961
号、同4,314,023号、同4,326,024
号、同4,401,752号、同4,511,649
号、欧州特許249,473A号、特公昭58−10,
739号、英国特許1,425,020号、同1,47
6,760号等に記載のカプラーが挙げられる。
【0041】ポリマー化された色素形成カプラーの典型
例としては、米国特許3,451,820号、同4,0
80,211号、同4,367,282号、同4,40
9,320号、同4,576,910号、欧州特許34
1,188A号、英国特許2,102,137号等に記
載されている。その他、特願平9−260336号、特
願平9−271395号等に記載のものも挙げられる。
【0042】以下に、アゾメチン色素前駆体の具体例を
示すが、これに限定されるものではない。
【0043】
【化16】
【0044】
【化17】
【0045】
【化18】
【0046】
【化19】
【0047】
【化20】
【0048】
【化21】
【0049】
【化22】
【0050】
【化23】
【0051】
【化24】
【0052】〈塩基プレカーサー〉塩基プレカーサーと
は、常温では中性であり、60℃以上の加熱下で塩基を
遊離しアルカリ性を呈する化合物をいい、塩基と有機酸
との塩等が挙げられる。
【0053】塩基プレカーサーを構成する塩基として
は、第1〜第3級アミン、ピペリジン類、ピペラジン
類、アミジン類、ピリジン類、グアニジン類、モルホリ
ン類、等の有機塩基が好ましく、特にグアニジン類が好
ましい。
【0054】塩基プレカーサーを構成する有機酸として
は、一般的なブレンステッド酸、ルイス酸が使用可能で
ある。また、脱炭酸反応により塩基を放出するカルボン
酸も使用可能で、スルホニル酢酸は特に脱炭酸反応が起
こりやすいので好ましい。更に、スルホニル酢酸は、芳
香族性の置換基(アリール基や不飽和複素環基)を有し
ていると脱炭酸反応がより促進されるので好ましい。
【0055】塩基プレカーサーは、カルボン酸とビスグ
アニジンとの塩であることが好ましく、中でも、下記一
般式(2)又は下記一般式(3)で表されるビスグアニ
ジンと、下記一般式(4)で表されるカルボン酸との塩
であることがより好ましい。
【0056】
【化25】 〔一般式(2)及び一般式(3)中、R1〜R14は、そ
れぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基を表
す。M、M1、M2は2価の連結基を表す。〕
【0057】
【化26】 〔一般式(4)中、R15、R16は、それぞれ独立に、水
素原子、アルキル基、アリール基を表す。Xは置換基を
表し、nは0から5の整数を表す。〕
【0058】一般式(2)及び一般式(3)中のR1
14が表すアルキル基としては、総炭素数1〜12の直
鎖または分岐、鎖状または環状、飽和または不飽和のア
ルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、ドデシル基、2−エチルヘキ
シル基、アリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、等が挙げられる。
【0059】一般式(2)及び一般式(3)中のR1
14が表すアリール基としては、炭素数6〜12のの置
換又は無置換のアリール基が好ましく、例えば、フェニ
ル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0060】R1〜R14が表すアルキル基、アリール基
は1個以上の置換基を有していてもよく、該置換基とし
ては後述する一般式(4)中のXと同様の基が挙げられ
る。
【0061】以下に、一般式(2)又は一般式(3)で
表されるビスグアニジンの具体例を示すが本発明はこれ
に限定されない。
【0062】
【化27】
【0063】また、一般式(4)中、R15、R16は、そ
れぞれ独立に、水素原子、総炭素数1〜24の置換若し
くは無置換のアルキル基(例えば、メチル基、エチル
基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基等)、又は総炭
素数1〜24の置換もしくは無置換のアリール基(例え
ば、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基等)を表
す。これらのうち、水素原子が好ましい。
【0064】Xは、総炭素数1〜24の置換基を表す。
好ましい置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ
素原子、塩素原子等)炭素数1ないし20の直鎖または
分岐、鎖状または環状、飽和または不飽和のアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基、オクチル基、2−エ
チルヘキシル基、ドデシル基等)、炭素数6ないし20
のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アン
スリル基等)、炭素数2ないし20のアルコキシカルボ
ニル基(例えば、メトキシカルボニル基、イソプロピル
カルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、ドデシル
オキシカルボニル基等)、炭素数1ないし20ののアシ
ルアミノ基(例えば、ホルムアミド基、N−メチルホル
ムアミド基、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド
基、ベンズアミド基等)、炭素数1ないし20のスルホ
ンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ドデカ
ンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、p−
トルエンスルホンアミド基等)炭素数1ないし20のカ
ルバモイル基(例えば、N−メチルカルバモイル基、
N,N−ジエチルカルバモイル基、N−メシルカルバモ
イル基等)、炭素数0ないし20のスルファモイル基
(例えば、N−ブチルスルファモイル基、N,N−ジエ
チルスルファモイル基等)、炭素数1ないし20のアル
コキシ基(例えば、メトキシ基、プロポキシ基、イソプ
ロポキシ基、オクチルオキシ基、t−オクチルオキシ
基、ドデシルオキシ基等)、
【0065】炭素数6ないし20のアリールオキシ基
(例えば、フェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、
ナフトキシ基等)、炭素数7ないし20のアリールオキ
シカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基、ナ
フトキシカルボニル基等)、炭素数2ないし20のアル
キルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル
基、t−ブトキシカルボニル基等)、炭素数1ないし2
0のN−アシルスルファモイル基(例えば、N−テトラデ
カノイルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモ
イル基等)、炭素数1ないし20のスルホニル基(例え
ば、メタンスルホニル基、オクタンスルホニル基、ベン
ゼンスルホニル基等)、炭素数1ないし20のアルコキ
シカルボニルアミノ基(例えば、エトキシカルボニルア
ミノ基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、メチルアミ
ノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ア
ニリノ基等)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、
ヒドロキシル基、スルホ基、炭素数1ないし20のアル
キルチオ基(例えば、メチルチオ基、オクチルチオ基
等)、炭素数6ないし20のアリールチオ基(例えば、
フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、炭素数1ないし
20のウレイド基(例えば、メチルウレイド基、N,N−
ジメチルウレイド基、N,N’−ジフェニルウレイド基
等)、炭素数1ないし20のヘテロ環基(ヘテロ原子と
しては例えば窒素、酸素、硫黄を少なくとも1個以上含
み、3ないし12員環の単環、複合環で、例えば ピロ
ール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ベン
ゾトリアゾール、ピリジン、ピリミジン、フラン、チオ
フェン、チアゾール、オキサゾール等)炭素数1ないし
20のフルファモイルアミノ基(例えば、N−ブチルス
ルファモイルアミノ基、N−フェニルスルファモイルア
ミノ基等)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル
基、フェニルスルホニル基等)が挙げられる。これらの
うち、スルホニル基が特に好ましい。
【0066】一般式(4)中、nは0から5の整数を表
し、1が好ましい。
【0067】以下に、本発明において用いられる塩基プ
レカーサーの一部を構成する脱炭酸性の、一般式(4)
で表されるカルボン酸の好ましい具体例を示すが本発明
はこれに限定されない。
【0068】
【化28】
【0069】また、以下に本発明において用いられる塩
基プレカーサーの好ましい例を示すが本発明はこれに限
定されない。
【0070】
【化29】
【0071】
【化30】
【0072】前記画像形成層中には、アゾメチン色素前
駆体、塩基プレカーサーとともに他の添加剤を含有させ
てもよい。該添加剤としては、特開平07−10444
8号公報(第39欄50行目〜第70欄9行間)、特開
平07−77775号公報(第61欄50行目〜第62
欄49行間)、特開平07−301895号公報(第8
7欄49行目〜第88欄48行間)記載のステイン防止
剤、特開昭62−215272号(125頁右上欄2行
目〜127頁左下欄末行)公報、特開平2−33144
号(37頁右下欄14行目〜38頁左上欄11行目)公
報、欧州特許第0.355.600A2号(85頁22
行目〜31行目)明細書記載の紫外線吸収剤、特開平0
7−104448号(第70欄10行目〜第71欄2行
目)公報記載の退色防止剤が挙げられる。前記退色防止
剤としては、下記一般式(5)または下記一般式(6)
で表される化合物が好ましい。
【0073】
【化31】
【0074】前記一般式(5)中、R60はアルキル基、
アルケニル基、アリール基、アラルキル基、複素環基、
68CO−、R69SO2−、又はR70NHCO−で表さ
れる基を表す。ここで、R68〜R70は各々、アルキル
基、アルケニル基、アリール基、または複素環基を表
す。R61およびR62は各々、水素原子、ハロゲン原子、
アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、またはアル
ケノキシ基を表し、R63〜R67は各々、水素原子、アル
キル基、アルケニル基またはアリ−ル基を表す。
【0075】
【化32】
【0076】前記一般式(6)中、Eは、C及びNとと
もに5〜7員環を形成するのに必要な非金属原子群を表
す。前記一般式(6)中、R71は、水素原子、アルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、スルホニ
ル基、スルフィニル基、オキシラジカル基、又は水酸基
を表す。前記一般式(6)中、R72、R73、R74、及び
75は各々、水素原子又はアルキル基を表す。
【0077】前記一般式(5)または前記一般式(6)
で表される化合物は、前記アゾメチン色素前駆体あたり
5〜200モル%含有させるのが好ましく、20〜10
0モル%含有させるのがより好ましい。
【0078】(第2の画像形成層)上記第1の画像形成
層とは異なる色相を呈する第2の画像形成層には、第1
の画像形成層と異なる色相を発する上記一般式(1)で
表される色素前駆体を使用してもよいし、第1の画像形
成層と異なる色相を発する公知の色素前駆体を使用する
こともできる。なお、上記一般式(1)で表される色素
前駆体と公知の色素前駆体とを同一層で用いてもよい。
また、本発明の多色画像形成材料は、第2の画像形成層
を2層以上有していてもよい。
【0079】公知の色素前駆体の例としては、以下に示
す(a)〜(m)の組み合わせが挙げられる。なお、発
色成分Aと、該発色成分Aと反応して発色成分を発色さ
せる化合物Bの順に示した。 (a)ジアゾ化合物とカプラーとの組み合わせ。 (b)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組
み合わせ。 (c)ベヘン酸銀、ステアリン酸銀のような有機酸金属
塩とプロトカテキン酸、スピロインダン、ハイドロキノ
ンのような還元剤との組み合わせ。 (d)ステアリン酸第二鉄、ミリスチン酸第二鉄のよう
な長鎖脂肪酸鉄塩とタンニン酸、没食子酸、サリチル酸
アンモニウムのようなフェノール類との組み合わせ。 (e)酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸などのニッケ
ル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、銀塩のような有機酸
重金属塩と、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫
化カリウムのようなアルカリ土類金属硫化物との組み合
わせ、又は前記有機酸重金属塩と、s−ジフェニルカル
バジド、ジフェニルカルバゾンのような有機キレート剤
との組み合わせ。 (f)銀、鉛、水銀、ナトリウム等の硫酸塩のような重
金属硫酸塩と、ナトリウムテトラチオネート、チオ硫酸
ソーダ、チオ尿素のような硫黄化合物との組み合わせ。 (g)ステアリン酸第二鉄のような脂肪酸第二鉄塩と、
3,4−ヒドロキシテトラフェニルメタンのような芳香
族ポリヒドロキシ化合物との組み合わせ。
【0080】(h)シュウ酸塩、シュウ酸水銀のような
有機金属塩と、ポリヒドロキシアルコール、グリセリ
ン、グリコールのような有機ポリヒドロキシ化合物との
組み合わせ。 (i)ペラルゴン酸第二鉄、ラウリン酸第二鉄のような
脂肪酸第二鉄塩と、チオセシルカルバミドやイソチオセ
シルカルバミド誘導体との組み合わせ。 (j)カプロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛のよ
うな有機酸鉛塩と、エチレンチオ尿素、N−ドデシルチ
オ尿素のようなチオ尿素誘導体との組み合わせ。 (k)ステアリン酸第二鉄、ステアリン酸銅のような高
級脂肪酸重金属塩とジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛
との組み合わせ。 (l)レゾルシンとニトロソ化合物との組み合わせのよ
うなオキサジン染料を形成するもの。 (m)ホルマザン化合物と還元剤および/または金属塩
との組み合わせ。
【0081】中でも、(a)ジアゾ化合物とカプラーと
の組み合わせ、(b)電子供与性染料前駆体と電子受容
性化合物との組み合わせが好ましい。
【0082】発色成分Aとして電子供与性染料前駆体を
用いる場合、該前駆体としては、従来から公知のものを
使用することができ、電子受容性化合物と反応して発色
するものであれば全て使用することができる。以下に、
その具体例を示すが、本発明に使用することができる電
子供与性染料前駆体はこれらに限定されるものではな
い。
【0083】具体的には、フタリド系化合物、フルオラ
ン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタ
リド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミン
ラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリ
アゼン系化合物、スピロピラン系化合物、ピリジン系、
ピラジン系化合物、フルオレン系化合物等の各種化合物
を挙げることができる。
【0084】フタリド系化合物としては、例えば、米国
再発行特許第23,024号明細書、米国特許第3,4
91,111号明細書、同第3,491,112号明細
書、同第3,491,116号明細書および同第3,5
09,174号明細書に記載の化合物が挙げられ、具体
的には、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)
−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジ
メチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチル
アミノフェニル)−3−(1,3−ジメチルインドール
−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタ
リド等が挙げられる。
【0085】フルオラン系化合物としては、例えば、米
国特許第3,624,107号明細書、同第3,62
7,787号明細書、同第3,641,011号明細
書、同第3,462,828号明細書、同第3,68
1,390号明細書、同第3,920,510号明細
書、同第3959,571号明細書に記載の化合物が挙
げられ、具体的には、2−(ジペンジルアミノ)フルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチル
アミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N
−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−N−メチル−N−シクロヘキシ
ルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロル−6−
ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−N−エチル−N−イソプチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−ア
ニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N−テトラヒド
ロフルフリルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−ビペリジノアミノフルオラン、2−(o−ク
ロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(3,4−ジクロルアニリノ)−6−ジエチルアミノフ
ルオラン等が挙げられる。
【0086】チアジン系化合物としては、例えば、ベン
ゾイルロイコンメチレンブルー、p−ニトロベンジルロ
イコメチレンブルー等が挙げられる。
【0087】ロイコオーラミン系化合物としては、例え
ば、4,4’−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベ
ンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイコオーラミ
ン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラ
ミン等が挙げられる。
【0088】ローダミンラクタム系化合物としては、ロ
ーダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン−(p−
ニトリノ)ラクタム等が挙げられる。
【0089】スピロピラン系化合物としては、例えば、
米国特許第3,971,808号明細書に記載の化合物
が挙げられ、具体的には、3−メチル−スピロ−ジナフ
トピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン3,
3’−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジ
ルスピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト−(3
−メトキシ−ベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−ス
ピロ−ジベンゾピラン等が挙げられる。
【0090】ピリジン系、ピラジン系化合物類として
は、例えば、米国特許第3,775,424号明細書、
同第3,853,869号明細書、同第4,246,3
18号明細書に記載の化合物が挙げられる。
【0091】フルオレン系化合物としては、例えば、特
願昭61−240989号明細書等に記載の化合物が挙
げられる。
【0092】シアン、マゼンタ、イエローを発色する色
素前駆体としては、米国特許第4,800,149号明
細書等に記載の各色素前駆体を使用することができる。
さらに、イエロー発色色素用電子供与性染料前駆体とし
ては、米国特許第4,800,148号明細書等に記載
の染料前駆体も使用することができ、シアン発色色素用
電子供与性染料前駆体としては、特開平63−5354
2号公報等に記載の染料前駆体も使用することができ
る。
【0093】一方、化合物Bである電子受容性化合物と
しては、フェノール誘導体、サリチル酸誘導体、芳香族
カルボン酸の金属塩、酸性白土、ペントナイト、ノボラ
ック樹脂、金属処理ノボラック樹脂、金属錯体等の従来
公知の電子受容性化合物が挙げられる。具体的には、特
公昭40−9309号公報、特公昭45−14039号
公報、特開昭52−140483号公報、特開昭48−
51510号公報、特開昭57−210886号公報、
特開昭58−87089号公報、特開昭59−1128
6号公報、特開昭60−176795号公報、特開昭6
1−95988号公報等に記載されている。
【0094】上記のうち、例えば、フェノール誘導体と
しては、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、4−t−ブチルフェノール、4−フェニルフェ
ノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、1,1’−ビ
ス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒドロ
キシフェニル)−2−エチルブタン、4,4’−sec
−イソオクチリデンジフェノール、4,4’−sec−
ブチリデンジフェノール、4−tert−オクチルフェ
ノール、4−p−メチルフェニルフェノール、4,4’
−メチルシクロヘキシリデンフェノール、4,4’−イ
ソペンチリデンフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸ベ
ンジル等を挙げることができる。
【0095】サリチル酸誘導体としては、4−ペンタデ
シルサリチル酸、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サ
リチル酸、3,5−ジ(tert−オクチル)サリチル
酸、5−オクタデシルサリチル酸、5−α−(p−α−
メチルベンジルフェニル)エチルサリチル酸、3−α−
メチルベンジル−5−tert−オクチルサリチル酸、
5−テトラデシルサリチル酸、4−ヘキシルオキシサリ
チル酸、4−シクロヘキシルオキシサリチル酸、4−デ
シルオキシサリチル酸、4−ドデシルオキシサリチル
酸、4−ペンタデシルオキシサリチル酸、4−オクタデ
シルオキシサリチル酸等、及びこれらの亜鉛、アルミニ
ウム、カルシウム、銅、鉛塩等を挙げることができる。
【0096】電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物
とを含有する画像形成層を形成する場合は、前記電子供
与性染料前駆体は、画像形成層中に0.1〜5g/m2
の範囲で含有させることが好ましく、0.1〜1g/m
2の範囲で含有させることがより好ましい。また、前記
電子受容性化合物は、使用する電子供与性無色染料1質
量部に対して、0.5〜20質量部の範囲で使用するこ
とが好ましく、3〜10質量部の範囲で使用することが
より好ましい。0.5質量部未満では、十分な発色濃度
を得にくく、20質量部を超えると、感度が低下した
り、塗布適性が劣化する可能性があり好ましくない。
【0097】発色成分Aとしてジアゾ化合物を用いる場
合には、下記式で表される化合物を用いるのが好まし
い。 Ar−N2 +- 上記式中、Arは芳香族環基を表し、Y-は酸アニオン
を表す。
【0098】このジアゾ化合物は加熱によって、化合物
Bであるカプラーとカップリング反応を起こして発色、
また光によって分解する化合物である。これらはAr部
分の置換基の位置や種類によって、その最大吸収波長を
制御することが可能である。
【0099】上記式において、Arは、置換または無置
換のアリール基を表す。置換基としては、アルキル基、
アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリール
オキシ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカル
ボニル基、カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニ
ル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド
基、ハロゲン基、アミノ基、ヘテロ環基、等が挙げら
れ、これら置換基は、更に置換されていてもよい。
【0100】また、アリール基としては、炭素原子数6
〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、
2−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、2−メ
トキシフェニル基、2−ブトキシフェニル基、2−(2
−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、2−オクチルオ
キシフェニル基、3−(2,4−ジ−t−ペンチルフェ
ノキシエトキシ)フェニル基、4−クロロフェニル基、
2,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリメチル
フェニル基、3−クロロフェニル基、3−メチルフェニ
ル基、3−メトキシフェニル基、3−ブトキシフェニル
基、3−シアノフェニル基、3−(2−エチルヘキシル
オキシ)フェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、
3,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジメトキシフェ
ニル基、
【0101】3−(ジブチルアミノカルボニルメトキ
シ)フェニル基、4−シアノフェニル基、4−メチルフ
ェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ブトキシフェ
ニル基、4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル
基、4−ベンジルフェニル基、4−アミノスルホニルフ
ェニル基、4−N,N−ジブチルアミノスルホニルフェ
ニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、4−(2
−エチルヘキシルカルボニル)フェニル基、4−フルオ
ロフェニル基、3−アセチルフェニル基、2−アセチル
アミノフェニル基、4−(4−クロロフェニルチオ)フ
ェニル基、4−(4−メチルフェニル)チオ−2,5−
ブトキシフェニル基、4−(N−ベンジル−N−メチル
アミノ)−2−ドデシルオキシカルボニルフェニル基、
等が挙げられる。
【0102】また、これらの基は、さらに、アルキルオ
キシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、
置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換
されていてもよい。
【0103】塩を形成するジアゾニウムの具体例として
は、4−(p−トリルチオ)−2,5−ジブトキシベン
ゼンジアゾニウム、4−(4−クロロフェニルチオ)−
2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム、4−(N,
N−ジメチルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−
(N,N−ジエチルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4
−(N,N−ジプロピルアミノ)ベンゼンジアゾニウ
ム、4−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)ベンゼン
ジアゾニウム、4−(N,N−ジベンジルアミノ)ベン
ゼンジアゾニウム、4−(N−エチル−N−ヒドロキシ
エチルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−
ジエチルアミノ)−3−メトキシベンゼンジアゾニウ
ム、4−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メトキシベ
ンゼンジアゾニウム、4−(N−ベンゾイルアミノ)−
2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウム、4−モルホ
リノ−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム、
【0104】4−アニリノベンゼンジアゾニウム、4−
〔N−(4−メトキシベンゾイル)アミノ〕−2.5−
ジエトキシベンゼンジアゾニウム、4−ピロリジノ−3
−エチルベンゼンジアゾニウム、4−〔N−(1−メチ
ル−2−(4−メトキシフェノキシ)エチル)−N−ヘ
キシルアミノ〕−2−ヘキシルオキシベンゼンジアゾニ
ウム、4−〔N−(2−(4−メトキシフェノキシ)エ
チル)−N−ヘキシルアミノ〕−2−ヘキシルオキシベ
ンゼンジアゾニウム、2−(1−エチルプロピルオキ
シ)−4−〔ジ−(ジ−n−ブチルアミノカルボニルメ
チル)アミノ〕ベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
また、環式のジアゾ化合物でもよく、その例としては、
US−5,773,186号明細書に記載されているも
のを挙げることができる。
【0105】ジアゾ化合物の最大吸収波長λmaxは、4
50nm以下であることが効果の点から好ましく、29
0〜440nmであることがより好ましい。また、ジア
ゾ化合物は、炭素原子数が12以上で、水に対する溶解
度が1%以下で、かつ酢酸エチルに対する溶解度が5%
以上であることが望ましい。なお、ジアゾ化合物は、単
独で用いてもよいし、さらに色相調整等の諸目的に応じ
て、2種以上を併用することもできる。
【0106】また、発色成分Aとしてジアゾ化合物を使
用する場合のカプラーの例としては、カルボニル基の隣
にメチレン基を有するいわゆる活性メチレン化合物、フ
ェノール誘導体、ナフトール誘導体等のカプラーを挙げ
ることができる。具体的には、レゾルシン、フロログル
シン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒ
ドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミ
ド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸ナトリ
ウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸アニ
リド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸モル
ホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレ
ンスルホン酸−2−エチルヘキシルオキシプロピルアミ
ド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−
エチルヘキシルアミド、5−アセトアミド−1−ナフト
ール、
【0107】1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタ
レン−3,6−ジスルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキ
シ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン
酸ジアニリド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−
ヒドロキシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミ
ド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、
2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、5,5−ジ
メチル−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−シク
ロペンタンジオン、5−(2−n−テトラデシルオキシ
フェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、5−フェ
ニル−4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘキサ
ンジオン、5−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェ
ニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、N,N’−ジ
シクロヘキシルバルビツール酸、N,N’−ジ−n−ド
デシルバルビツール酸、
【0108】N−n−オクチル−N’−n−オクタデシ
ルバルビツール酸、N−フェニル−N’−(2,5−ジ
−n−オクチルオキシフェニル)バルビツール酸、N,
N’−ビス(オクタデシルオキシカルボニルメチル)バ
ルビツール酸、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾ
ロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−
アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリク
ロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、
6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−(2−
エチルヘキシル)−2−ピリドン、2,4−ビス−(ベ
ンゾイルアセトアミド)トルエン、1,3−ビス−(ピ
バロイルアセトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾイルア
セトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセトアセト
アニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイルアセ
トアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチルスルフ
ァモイル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼン、1
−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−シアノ
−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリ
ジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピル)−3
−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジ
ヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−オクチルオ
キシフェニル)−3−tert−ブチル−5−アミノピ
ラゾール等が挙げられる。
【0109】カプラーの詳細は、特開平4−20148
3号公報、特開平7−223367号公報、特開平7−
223368号公報、特開平7−323660号公報、
特開平5−278608号公報、特開平5−29702
4号公報、特開平6−18669号公報、特開平6−1
8670号公報、特開平7−316280号公報、特開
平9−216468号公報、特開平9−216469号
公報、特開平9−319025号公報、特開平10−0
35113号公報、特開平10−193801号公報、
特開平10−264532号公報等に記載されたものも
参照できる。
【0110】カプラーは、塩基性雰囲気および/または
中性雰囲気でジアゾ化合物とカップリングして色素を形
成するものであり、色相調整等種々の目的に応じて、複
数種を併用して用いることができる。
【0111】ジアゾニウム塩化合物とカプラーとを含有
する画像形成層を形成する場合は、上記ジアゾニウム塩
化合物は、画像形成層中に0.01〜3g/m2の範囲
で含有させることが好ましく、0.02〜1.0g/m
2の範囲で含有させることがより好ましい。前記含有量
が、0.1g/m2未満では、十分な発色濃度を得にく
く、3g/m2を超えると、塗布液の塗布適性が劣化す
る可能性がある。また、前記カプラー化合物は、ジアゾ
ニウム塩化合物1質量部に対し、0.5〜20質量部の
範囲で用いることが好ましく、1〜10質量部の範囲で
用いることがより好ましい。0.5質量部未満では、十
分な発色性を得にくく、20質量部を超えると、塗布適
性が劣化するこがある。
【0112】(発色助剤)本発明における画像形成層に
は、発色反応を促進させる目的で発色助剤を加えること
ができる。発色助剤には、加熱または加圧記録時の発色
濃度を高くする物質や、最低発色濃度を低くする物質等
があり、具体的には、色素前駆体、塩基プレカーサー、
カプラー電子受容性化合物等の融解点を下げたり、乳化
物を安定させたり、マイクロカプセル壁の軟化点を低下
させしめる作用によって色素前駆体と塩基プレカーサ
ー、ジアゾ化合物とカプラー、および、電子供与性染料
前駆体と電子受容性化合物等が反応しやすい状況を作る
ためのものである。
【0113】本発明に使用できる発色助剤としては、例
えば画像形成層中で低エネルギー印画がおこなわれるよ
うな働きをする、フェノール誘導体、ナフトール誘導
体、アルコキシ置換ベンゼン類、アルコキシ置換ナフタ
レン類、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル、ア
ミド、ウレイド、ウレタン、スルホンアミド、カルボキ
シル、またはヒドロキシ含有化合物等が挙げられる。
【0114】(画像形成層の具体的な構成)本発明の画
像形成材料は、上記一般式(1)で表される色素前駆体
と塩基プレカーサーとをそれぞれ少なくとも1種含有す
る第1の画像形成層と、第1の画像形成層と異なる色相
を呈する画像形成層を少なくとも1層とを有するが、こ
れらの各成分は、必要に応じてマイクロカプセルに内包
した上で、バインダーおよびその他必要に応じて添加さ
れる各種添加剤とともに適当な溶媒に溶解、乳化または
分散させて塗布液の調製に供せられる。得られた塗布液
を公知の塗布方法により支持体表面に塗布および乾燥さ
せることによって画像形成層が形成される。
【0115】本発明の多色画像形成材料の層構成は、ジ
アゾ化合物の光定着性を利用する観点から、支持体表面
に、一般式(1)で表される色素前駆体と塩基プレカー
サーとを含む第1の画像形成層を有し、その上に、ジア
ゾ化合物とカプラーとを含む画像形成層(第2の画像形
成層)を有する構成が特に好ましい。また、ジアゾ化合
物とカプラーとを含む画像形成層を2層以上積層し、本
発明における色素前駆体と塩基プレカーサーとを含む第
1の画像形成層と組み合わせて、イエロー、マゼンタ、
シアンに発色するように各成分を選択しておけば、フル
カラーによる記録が可能である。この際、どの層がどの
色相を呈してもよい。その他、支持体表面に、上記第1
の画像形成層を有し、その上に、電子供与性染料前駆体
と電子受容性化合物とを含む画像形成層を有する構成と
してもよいし、これとジアゾ化合物とカプラーとを含む
画像形成層と組合せた構成であってもよい。また、第1
の画像形成層は必ずしも最下層にある必要はないが、本
発明の効果を十分に発揮する観点から、最下層に設けら
れるのが好ましい。
【0116】(マイクロカプセル)以下、マイクロカプ
セルについて説明する。塩基との接触で発色可能なアゾ
メチン色素前駆体及び塩基プレカーサーのいずれか一方
は、マイクロカプセルに内包されているのが好ましい。
マイクロカプセル化する方法としては、従来公知の方法
を用いることができる。例えば、米国特許第28004
57号、同28000458号に記載の親水性壁形成材
料のコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3
287154号、英国特許第990443号、特公昭3
8−19574号、同42−446号、同42−771
号等に記載の界面重合法、米国特許第3418250
号、同3660304号に記載のポリマー析出による方
法、米国特許第3796669号に記載のイソシアネー
トポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914
511号に記載のイソシアネート壁材料を用いる方法、
米国特許第4001140号、同4087376号、同
4089802号に記載の尿素−ホルムアルデヒド系、
尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を
用いる方法、米国特許第4025455号に記載のメラ
ミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシブロビルセル
ロース等の壁形成材料を用いる方法、特公昭36−91
68号、特開昭51−9079号に記載のモノマーの重
合によるin situ法、英国特許第952807
号、同965074号に記載の電解分散冷却法、米国特
許第3111407号、英国特許第930422号に記
載のスプレードライング法、または、特公平7−736
69号公報、特開平4−101885号公報、特開平9
−263057号公報に記載の方法等が挙げられる。
【0117】マイクロカプセル化する方法は、これらに
限定されるものではないが、特にアゾメチン色素前駆体
をカプセルの芯となる疎水性の有機溶媒に溶解または分
散させ調製した油相を、水溶性高分子を溶解した水相と
混合し、ホモジナイザー等の手段により乳化分散した
後、加温することによりその油滴界面で高分子形成反応
を起こし、高分子物質のマイクロカプセル壁を形成させ
る界面重合法を採用することが好ましい。この方法によ
れば、短時間内に均一な粒径のマイクロカプセルを形成
することができ、生保存性に優れた画像形成材料とする
ことができる。
【0118】高分子を形成するリアクタントは、油滴内
部および/または油滴外部に添加される。高分子物質の
具体例としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルムア
ルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレン
メタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共重
合体等が挙げられる。中でも、ポリウレタン、ポリウレ
ア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートが好
ましく、ポリウレタン、ポリウレアが特に好ましい。上
記の高分子物質は、2種以上併用することもできる。
【0119】上記水溶性高分子としては、例えば、ゼラ
チン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等
が挙げられる。例えば、ポリウレタンをカプセル壁材と
して用いる場合には、多価イソシアネートおよびそれと
反応してカプセル壁を形成する第2物質(例えば、ポリ
オール、ポリアミン)を水溶性高分子水溶液(水相)ま
たはカプセル化すべき油性媒体(油相)中に混合し、こ
れらを乳化分散した後、加温することにより油滴界面で
高分子形成反応が生じ、マイクロカプセル壁を形成する
ことができる。
【0120】上記多価イソシアネートおよびそれと反応
する相手のポリオール、ポリアミンとしては、米国特許
第3281383号、同3773695号、同3793
268号、特公昭48−40347号、同49−241
59号、特開昭48−80191号、同48−8408
6号、および「ポリウレタン樹脂ハンドブック」[(岩
田敬治著、日刊工業新聞社(1987)]に記載されて
いるものを使用することができる。
【0121】アゾメチン色素前駆体を含有するマイクロ
カプセルを調製する際、マイクロカプセルに内包される
アゾメチン色素前駆体は、該マイクロカプセル中に溶液
状態で存在していても、固体状態で存在していてもよ
い。溶媒(油性媒体)としては、一般に高沸点オイルの
中から適宜選択することができ、リン酸エステル、フタ
ル酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル、その他のカルボン酸エステル、脂肪酸アミド、ア
ルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、塩素化
パラフィン、アルキル化ナフタレン、ジアリルエタン、
常温で固体の化合物、オリゴマーオイル、ポリマーオイ
ル等が用いられる。具体的には、特開昭60−242,
094号公報、特願昭62−75,409号に記載され
ているものを用いることができる。また、カプセル化の
際には、これらの溶媒を使用しなくてもよい。
【0122】アゾメチン色素前駆体をカプセル中に溶液
状態で内包させる場合、アゾメチン色素前駆体を溶媒に
溶解した状態でカプセル化すればよく、この場合、溶媒
はアゾメチン色素前駆体が100質量部に対して、1〜
500質量部の範囲で使用することが好ましい。また、
カプセル化しようとするアゾメチン色素前駆体の前記溶
媒に対する溶解性が劣る場合、または、前記溶媒を使用
しない場合には、溶解性の高い低沸点溶媒を補助的に併
用することもできる。この低沸点溶媒としては、例え
ば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢
酸ブチル、メチレンクロライド等が挙げられる。
【0123】一方、用いる水相には水溶性高分子を溶解
した水溶液を使用し、これに前記油相を投入後、ホモジ
ナイザー等の手段により乳化分散を行うが、該水溶性高
分子は分散を均一に、かつ容易にするとともに、乳化分
散した水溶液を安定化させる分散媒として作用する。こ
こで、さらに均一に乳化分散し安定化させるためには、
油相あるいは水相の少なくとも一方に界面活性剤を添加
してもよい。界面活性剤は公知の乳化用界面活性剤が使
用可能である。
【0124】以上、アゾメチン色素前駆体をマイクロカ
プセルに内包させる例でマイクロカプセル化について説
明したが、本発明においては、既述の如く塩基プレカー
サーをマイクロカプセルに内包させてもよく、その場合
の態様は、上記アゾメチン色素前駆体をマイクロカプセ
ルに内包させる例と同様である。
【0125】アゾメチン色素前駆体、及び塩基プレカー
サーのいずれか一方をマイクロカプセル化する場合、マ
イクロカプセルの平均粒子径は、20μm以下が好まし
く、高解像度を得る観点から7μm以下であることがよ
り好ましい。一方、形成したマイクロカプセルが小さす
ぎると、一定固形分に対する表面積が大きくなり多量の
カプセル壁剤が必要となるため、上記平均粒子径は0.
1μm以上であることが好ましい。
【0126】マイクロカプセルを使用した場合の画像形
成材料のうち、感熱によるものは、加熱時に物質がマイ
クロカプセル壁を透過する。このとき、マイクロカプセ
ルは破壊されないので、マイクロカプセル内で発色また
はごく周辺で発色することになり画像の粒状性の点で優
れている。
【0127】[支持体]本発明の画像形成材料におい
て、支持体としては、例えば、紙、コーティッドペーパ
ー、ラミネート紙、合成紙等、ポリエチレンテレフタレ
ートフイルム、3酢酸セルローズフイルム、ポリエチレ
ンフイルム、ポリスチレンフイルム、ポリカーボネート
フイルム等のフイルム、アルミニウム、亜鉛、銅等の金
属板、これらの支持体表面に表面処理・下塗・金属蒸着
処理等の各種処理を施したものが挙げられる。更に、R
esearch Disclosure,Vol.20
0,1980年12月、Item20036 XVII
項に記載の支持体も参考にすることができる。また、必
要に応じて、該支持体の表面に、アンチハレーション
層、該支持体の裏面に、滑り層、アンチスタチック層、
カール防止層、粘着剤層等、目的に応じた層を設けるこ
とができる。
【0128】[多色画像形成方法]次に、本発明の多色
画像形成方法について説明する。本発明の多色画像形成
方法は、多色画像形成材料を画像様に加熱し画像を形成
することを特徴としている。本発明の多色画像形成方法
により画像が形成されるのは、一般式(1)で表される
色素前駆体と塩基プレカーサーとが、または、ジアゾ化
合物とカプラーとが加熱によって接触し、発色すること
による。
【0129】以下、一般式(1)で表される色素前駆体
/塩基プレカーサーを含む第1の画像形成層とアゾ化合
物/カプラーを含む第2の画像形成層からなる多色画像
形成材料を例にして説明する。具体的には、支持体表面
に、一般式(1)で表される色素前駆体と塩基プレカー
サーとを含む第1の画像形成層(A層)と、ジアゾ化合
物(最大吸収波長360nm±20nm)と該ジアゾ化
合物と熱時反応してA層と異なった色相に発色するカプ
ラーとを含む画像形成層(B層)と、B層のジアゾ化合
物と感光波長が異なるジアゾ化合物(最大吸収波長40
0nm±20nm)と該ジアゾ化合物と熱時反応してA
層およびB層と異なった色相に発色するカプラーとを含
む画像形成層(C層)と、を積層してなる多色画像形成
材料を例に説明する。なお、A層、B層およびC層の発
色色相は、A層がシアン、B層がマゼンタ、C層がイエ
ローである。
【0130】まず、多色画像形成材料にC層のみが発色
するように調整して画像様に加熱し、C層に含まれてい
るジアゾ化合物とカプラーとを反応させて発色させる。
ついで、400nm±20nmの光を照射してC層中に
含まれている未反応のジアゾ化合物を分解させ光定着さ
せた後、B層が発色するのに十分な熱を画像様に与え、
B層に含まれているジアゾ化合物とカプラーとを反応さ
せて発色させる。このとき、C層も同時に強く加熱され
るが、既にジアゾ化合物は分解しており(光定着されて
いるため)、発色能力が失われているので発色しない。
さらに、360nm±20nmの光を照射してB層に含
まれているジアゾ化合物を分解して、最後にA層が発色
するのに十分な熱を画像様に与えて発色させる。このと
きC層およびB層も強く加熱されるが、すでにジアゾ化
合物は分解しており発色能力が失われているので発色し
ない。これにより、高耐性なフルカラー(多色)の画像
を形成することができる。
【0131】上記光定着に用いられる定着用光源として
は、種々の蛍光灯、キセノンランプ、水銀灯等が用いら
れる。この発光スペクトルは、多色画像形成材料で用い
たジアゾ化合物の吸収スペクトルとほぼ一致しているこ
とが、効率よく光定着させることができるので好まし
い。
【0132】画像形成層に熱を供与し加熱する手段とし
ては、種々の手段を利用できる。例えば、特開昭61−
294434号公報に記載されているような、支持体上
の面(画像形成層が設けられていない側の面)に発熱体
層を設け、該発熱層によって画像形成層を加熱してもよ
い。本発明の多色画像形成材料が前記発熱層を有する場
合には、支持体の画像形成層が設けられている側の面に
は、画像形成材料からの水分や揮発成分の蒸発を防いだ
り、熱を逃がさずに保温したりするために、断熱材など
でカバーするのが好ましい。
【0133】前記加熱手段としては、特開昭61−14
7244号公報に記載のように、熱板、アイロン、熱ロ
ーラーを用いて加熱することもできる。さらに、特開昭
62−144166号公報に記載のように、熱ローラー
とベルトの間に画像形成材料をはさんで加熱する方法を
用いてもよい。即ち、画像形成材料の画像形成層を、該
画像形成層の面積以上の表面積を有する発熱体と接触さ
せて、全面を同時に加熱してもよいし、より小さな表面
積の発熱体(熱板、熱ローラー、熱ドラムなど)と画像
形成層とを接触させ、それを走査させて時間を追って全
面が加熱されるようにしてもよい。また、発熱体と画像
形成層とを直接接触させて加熱する方法以外にも、電磁
波、赤外線、熱風などを画像形成層にあてて、非接触の
状態で加熱することもできる。
【0134】加熱手段として、熱板、ヒートローラまた
は熱ドラムを用いた場合では、加熱温度は一般的には6
0℃〜250℃であり、好ましくは70℃〜180℃で
ある。加熱時間は一般的には、0.1秒〜5分の間であ
り、好ましくは0.1秒〜100秒である。また、異な
る温度で2回以上加熱してもよい。
【0135】
【実施例】以下、本発明を実施例によって、さらに詳述
するが、本発明は、これによって限定されるものではな
い。なお、実施例中「部」および「%」は、それぞれ
「質量部」および「質量%」を表す。
【0136】[実施例1]以下に、上記多色画像形成方
法の説明で挙げた、それぞれシアン、マゼンタ、イエロ
ーに発色する画像形成層を3層積層したフルカラーの多
色画像形成材料を例にとり、多色画像形成材料の製造方
法について説明する。なお、以下において使用した水は
全て水道水である。
【0137】(1)シアン発色画像形成層用塗布液の調
製 〔上記一般式(1)で表される色素前駆体内包カプセル
液の調製〕まず、本発明における色素前駆体の上記具体
化合物(1−29)3部を酢酸エチル20部に溶解させ
た後、アルキルナフタレン(高沸点溶媒)20部を添加
し、さらに加熱した後均一に混合した。得られた溶液に
キシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン
の1:3付加物20部を添加して均一に攪拌し、I液を
調製した。
【0138】ついで、ゼラチン6%水溶液54部中にド
デシルスルホン酸ナトリウム2%水溶液2部を添加して
II液を調製した。
【0139】上記II液にI液を添加し、ホモジナイザ
ーを用いて乳化分散し、色素前駆体の乳化分散液を得
た。得られた乳化分散液に水68部を加えて混合し、均
一にした後、該混合液を攪拌しながら50℃に加熱し、
マイクロカプセルの平均粒子系が1.2μmとなるよう
にカプセル化反応を3時間おこなわせてカプセル液を得
た。
【0140】得られたカプセル液100部に対して、弱
酸性陽イオン交換樹脂(アンバーライトIRC−50
(水素イオン型):オルガノ(株)製)20部および弱
塩基性陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−68
(遊離塩基型):オルガノ(株)製)20部を添加し、
混合してイオン交換処理を1時間おこなった。その後、
各イオン交換樹脂をろ過によって取り除き、イオン交換
処理をした色素前駆体内包カプセル液を得た。
【0141】〔塩基プレカーサー分散液の調製〕塩基プ
レカーサー(BP−3)10g及びジフェニルスルホン
10gに、5%フタル化ゼラチン100gと下記界面活
性剤(1)2%水溶液5.3gとを加えボールミルを用
いて16時間分散を行い、塩基プレカーサー分散液
(1)を調製した。
【0142】
【化33】 〔シアン発色画像形成層用塗布液の調製〕イオン交換処
理をした、色素前駆体内包カプセル液と塩基プレカーサ
ー分散液とを色素前駆体と塩基プレカーサーとのモル比
が1:2となるように混合してシアン発色画像形成層用
塗布液を得た。
【0143】(2)マゼンタ発色画像形成層用塗布液の
調製 〔ジアゾ化合物A内包カプセル液の調製〕4−N−(2
−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブチリ
ル)ピペラジノベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロフ
ォスフェート(ジアゾ化合物A:365nmの波長の光
で分解)2.0部を酢酸エチル20部に溶解した後、さ
らにアルキルナフタレン20部を添加した。得られた溶
液を加熱して均一に混合し、ついで、キシリレジンイソ
シアナート/トリメチロールプロパンの3:1付加物
(カプセル壁剤)15部を添加した後、均一に混合して
ジアゾ化合物の溶液を得た。
【0144】得られたジアゾ化合物の溶液を、ゼラチン
6%水溶液54部とドデシルスルホン酸ナトリウム水溶
液2部とを混合した溶液に添加した後、該溶液をホモジ
ナイザーを使用して乳化分散した。得られた乳化分散液
に水68部を加え、均一に混合して得られた溶液を攪拌
しながら40℃に加熱し、カプセルの平均粒子径が1.
2μmとなるように3時間カプセル化反応をおこなわせ
て、カプセル液を得た。
【0145】得られたカプセル液100部に対して、弱
酸性陽イオン交換樹脂(アンバーライトIRC−50
(水素イオン型):オルガノ(株)製)20部および弱
塩基性陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−68
(遊離塩基型):オルガノ(株)製)20部を添加し、
混合してイオン交換処理を1時間おこなった。その後、
各イオン交換樹脂をろ過によって取り除き、イオン交換
処理をしたジアゾ化合物A内包カプセル液を得た。
【0146】〔カプラーA乳化分散液の調製〕1−
(2’−オクチルフェニル)−3−メチル−5−ピラゾ
ロン(カプラーA)2部、1,2,3−トリフェニルグ
アニジン2部、トリクレジルホスフェート0.3部、お
よびマレイン酸ジエチル0.1部を酢酸エチル10部中
に溶解させた。得られた溶液を、ゼラチン6%水溶液5
0部および2%ドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液2
部を混合した水溶液に投入して、ホモジナイザーによっ
て10分間乳化して乳化分散液を得た。
【0147】得られた乳化分散液100部に対して弱酸
性陽イオン交換樹脂(アンバーライトIRC−50(水
素イオン型):オルガノ(株)製)20部および弱塩基
性陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−68(遊
離塩基型):オルガノ(株)製)20部を添加し、混合
してイオン交換処理を1時間おこなった。その後、各交
換樹脂をろ過によって取り除き、イオン交換樹脂をおこ
なったカプラーA乳化分散液を得た。
【0148】〔マゼンタ発色画像形成層用塗布液の調
製〕イオン交換処理をした、ジアゾ化合物A内包カプセ
ル液とカプラーA剤乳化分散液とを質量比で2/3とな
るように混合してマゼンタ発色画像形成層用塗布液を得
た。
【0149】(3)イエロー発色画像形成層用塗布液の
調製 〔ジアゾ化合物B内包カプセル液の調製〕2,5−ジブ
トキシ−4−トリルチオベンゼンジアゾニウムヘキサフ
ルオロフォスフェート(ジアゾ化合物B:420nmの
波長の光で分解)3.0部を酢酸エチル20部に溶解し
た後、さらにアルキルナフタレン20部を添加した。得
られた溶液を加熱して均一に混合し、ついで、キシリレ
ジンイソシアナート/トリメチロールプロパンの3:1
付加物(カプセル壁剤)15部を添加した後、均一に混
合してジアゾ化合物の溶液を得た。
【0150】得られたジアゾ化合物の溶液を、ゼラチン
6%水溶液54部とドデシルスルホン酸ナトリウム水溶
液2部とを混合した溶液に添加した後、該溶液をホモジ
ナイザーを使用して乳化分散した。得られた乳化分散液
に水68部を加え、均一に混合して得られた溶液を攪拌
しながら40℃に加熱し、カプセルの平均粒子径が1.
3μmとなるように3時間カプセル化反応をおこなわせ
て、カプセル液を得た。
【0151】得られたカプセル液100部に対して、弱
酸性陽イオン交換樹脂(アンバーライトIRC−50
(水素イオン型):オルガノ(株)製)20部および弱
塩基性陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−68
(遊離塩基型):オルガノ(株)製)20部を添加し、
混合してイオン交換処理を1時間おこなった。その後、
各イオン交換樹脂をろ過によって取り除き、イオン交換
処理をしたジアゾ化合物B内包カプセル液を得た。
【0152】〔カプラーB乳化分散液の調製〕2−クロ
ロ−5−(3−(2,4−ジ−tert−ペンチル)フ
ェノキシプロピルアミノ)アセトアニリド(カプラー
B)2部、1,2,3−トリフェニルグアニジン1部、
トリクレジルホスフェート0.3部、およびマレイン酸
ジエチル0.1部を酢酸エチル10部中に溶解させた。
得られた溶液を、ゼラチン6%水溶液50部および2%
ドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液2部を混合した水
溶液に投入して、ホモジナイザーによって10分間乳化
して乳化分散液を得た。
【0153】得られた乳化分散液100部に対して弱酸
性陽イオン交換樹脂(アンバーライトIRC−50(水
素イオン型):オルガノ(株)製)20部および弱塩基
性陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−68(遊
離塩基型):オルガノ(株)製)20部を添加し、混合
してイオン交換処理を1時間おこなった。その後、各交
換樹脂をろ過によって取り除き、イオン交換樹脂をおこ
なったカプラーB乳化分散液を得た。
【0154】〔イエロー発色画像形成層用塗布液の調
製〕イオン交換処理をした、ジアゾ化合物B内包カプセ
ル液とカプラーB剤乳化分散液とを質量比で2/3とな
るように混合してイエロー発色画像形成層用塗布液を得
た。
【0155】(4)中間層用塗布液の調製 イオン交換処理をおこなってNa+およびK+が各々10
ppm未満、Cl-が30ppm未満となったゼラチン
6%水溶液を中間層用塗布液とした。
【0156】(5)保護層用塗布液の調製 イタコン酸変性ポリビニルアルコール(KI−318:
(株)クラレ製)の6%水溶液100gとエポキシ変性
ポリアミド(FL−71:東邦化学(株)製)の30%
分散液10gとを混合した液に、ステアリン酸亜鉛40
%分散液(ハイドリンZ:中京油脂(株))15gを添
加して保護層用塗布液を得た。
【0157】(6)多色画像記録材料の作製 厚み75μmのポリエチレンテレフタレート(支持体)
の片面上に、スライドタイプホッパー式ビート塗布装置
を使用して、スライド上で、支持体から順にシアン発色
画像形成層用塗布液、中間層用塗布液(中間層A)、マ
ゼンタ発色画像形成層用塗布液、中間層用塗布液(中間
層B)、イエロー発色画像形成層用塗布液、保護層用塗
布液を多層重層塗布し、乾燥して多色画像形成材料を得
た。
【0158】各成分の塗布量は、乾燥後の固形分換算
で、支持体側から順次シアン発色画像形成層が7.0g
/m2、中間層Aが3,0g/m2、マゼンタ発色画像形
成層が7.5g/m2、中間層Bが3.0g/m2、イエ
ロー発色画像形成層が8.0g/m2、保護層が1.0
g/m2となるように各塗布液を塗布した。
【0159】(7)熱記録 サーマルヘッドL−34B型(TDK(株)製)を用い
て、単位面積当たりの記録エネルギーが34mJ/mm
2となるように印加電力およびパルス幅を調節して、得
られた多色画像形成材料にイエローの画像を記録した。
ついで、発光中心波長420nmおよび出力40Wの紫
外線ランプ下に10秒間曝してイエロー発色画像形成層
を光定着した後、サーマルヘッドの記録エネルギーを6
8mJ/mm2となるように印加電力およびパルス幅を
調節してさらにマゼンタの画像を記録した。
【0160】さらに、発光中心波長365nmおよび出
力40Wの紫外線ランプ下に15秒間曝してマゼンタ発
色画像形成層を光定着した後、サーマルヘッドの記録エ
ネルギーが102mJ/mm2となるように印加電力お
よびパルス幅を調節してシアン画像を記録した。この結
果、イエロー、マゼンタおよびシアンの各発色画像の他
に、イエローとマゼンタとの記録が重複した画像部分は
赤色に、マゼンタとシアンとの記録が重複した画像部分
は青色に、イエローとシアンとの記録が重複した部分は
緑色に、およびイエロー、マゼンタおよびシアンの記録
が重複した画像部分は黒色に発色した。
【0161】[実施例2]実施例1において、色素前駆
体(1−29)を、色素前駆体内(1−26)に代えた
こと、及び塩基プレカーサー(BP−3)を塩基プレカ
ーサー(BP−1)に代えたこと以外、実施例1と同様
にして多色画像形成材料を作製した。
【0162】[実施例3]実施例1において、色素前駆
体(1−29)を、色素前駆体内(1−35)に代えた
こと、及び塩基プレカーサー(BP−3)を塩基プレカ
ーサー(BP−2)に代えたこと以外、実施例1と同様
にして多色画像形成材料を作製した。
【0163】[比較例1]実施例1において、色素前駆
体(1−29)を、3−(o−アセチルアミノ−p−ジ
イソプロピルアミノフェニル)−3−(1’−オクチル
−2’メチルインドール−3−イル)フタリドに代えた
こと、及び塩基プレカーサー(BP−3)を1,1−
(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサンに代
えたこと以外、実施例1と同様にして多色画像形成材料
を作製した。
【0164】[画像の評価]実施例1〜3および比較例
1のイエロー、マゼンタ、シアンに発色した画像部およ
び非画像部の発色濃度をX−rite反射濃度計(X−
rite社製)によって測定した。また、画像部を蛍光
灯耐性試験機を用い32000luxで72時間連続で
光照射した後、画像部の濃度を測定した。耐光性の評価
指標は、フレッシュ時の画像濃度(A)に対する72時
間光照射後の画像濃度(B)の割合(B/A×100
[%])とした。発色濃度の評価結果を表1に、耐光性
の評価結果を表2に示す。
【0165】
【表1】
【0166】
【表2】
【0167】表1及び表2より、本発明に係る色素前駆
体と塩基プレカーサーとを含む実施例1〜3の多色画像
形成材料は、発色濃度及び耐光性において良好であるた
め、発色濃度及び耐光性に優れたフルカラー画像を得る
ことができたのが分かる。なお、本発明に係る色素前駆
体と塩基プレカーサーとを含む第1の画像形成層をマゼ
ンタ発色層、又はイエロー発色層とした多色画像形成材
料においても発色濃度及び耐光性が良好であった。
【0168】
【発明の効果】本発明によれば、現像を必要とせず、か
つ廃棄物の発生のない完全ドライの処理系で、高画質及
び高耐性の多色画像形成材料、及びこれを使用する多色
画像形成方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/18 102S 102T 101C 101Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、下記一般式(1)で表され
    る、塩基との接触により発色可能な色素前駆体、及び塩
    基プレカーサーをそれぞれ少なくとも1種含む第1の画
    像形成層を少なくとも1層と、該第1の画像形成層とは
    異なる色相を呈する第2の画像形成層を少なくとも1層
    とを有することを特徴とする多色画像形成材料。 【化1】 〔一般式(1)中、Arは置換基を有していてもよい芳
    香環または複素環を表す。Cpはカプラー残基を表し、
    環を形成してもしなくてもよい。L1は塩基で脱保護さ
    れる保護基を表し、L2は水素原子又は色素形成の過程
    で脱離する置換基を表す。〕
  2. 【請求項2】 前記第2の画像形成層が、電子供与性染
    料前駆体と電子受容性化合物とをそれぞれ少なくとも1
    種含有する画像形成層であることを特徴とする請求項1
    に記載の多色画像形成材料。
  3. 【請求項3】 前記第2の画像形成層が、ジアゾ化合物
    とカプラーとをそれぞれ少なくとも1種含有する画像形
    成層であることを特徴とする請求項1に記載の多色画像
    形成材料。
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)中のL1がフルオレニ
    ルメトキシカルボニル基であることを特徴とする請求項
    1から3のいずれか1項に記載の多色画像形成材料。
  5. 【請求項5】 前記塩基プレカーサーが、カルボン酸と
    ビスグアニジンとの塩であることを特徴とする請求項1
    から4のいずれか1項に記載の多色画像形成材料。
  6. 【請求項6】 前記ビスグアニジンが、下記一般式
    (2)又は下記一般式(3)で表されるビスグアニジン
    であり、前記カルボン酸が一般式(4)で表されるカル
    ボン酸であることを特徴とする請求項5に記載の多色画
    像形成材料。 【化2】 〔一般式(2)及び一般式(3)中、R1〜R14は、そ
    れぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基
    を表す。M、M1、M2は2価の連結基を表す。〕 【化3】 〔一般式(4)中、R15、R16は、それぞれ独立に、水
    素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。Xは置換
    基を表し、nは0から5の整数を表す。〕
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか1項に記載の
    多色画像形成材料を、画像様に加熱し画像を形成するこ
    とを特徴とする多色画像形成方法。
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