JP2003311568A - 締結装置 - Google Patents

締結装置

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JP2003311568A
JP2003311568A JP2002128326A JP2002128326A JP2003311568A JP 2003311568 A JP2003311568 A JP 2003311568A JP 2002128326 A JP2002128326 A JP 2002128326A JP 2002128326 A JP2002128326 A JP 2002128326A JP 2003311568 A JP2003311568 A JP 2003311568A
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正一 酒井
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武男 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二つの部材の締結とその解除とを、何れも容
易に且つ迅速に行なうことが出来る締結装置を提供す
る。 【解決手段】 締結ピン10のねじ穴34への螺入によ
り、第一の移動部材36を締結ピン10から部分的に突
出せしめる第二の移動部材38,44を設ける一方、締
結ブッシュ12の内周面と締結ピン10の外周面に、第
一の移動部材36に係合して、締結ピン10の締結ブッ
シュ12からの離脱移動を阻止せしめる第一の係合部5
1と、締結ブッシュ12に係合して、締結ピン10の締
結ブッシュ12に対する更なる挿入移動を阻止する第二
の係合部26とをそれぞれ設けると共に、互いにテーパ
嵌合せしめられるテーパ嵌合部22,54を形成し、そ
して、第二の移動部材38,44のねじ穴34からの弛
緩に伴ってテーパ嵌合部22,54同士におけるテーパ
嵌合の縁切りを行なう縁切り機構44,62を設けて、
構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、締結装置に係り、特に、マシニ
ングセンタ等の工作機械テーブルに取り付けられるベー
スエレメントと所定の治具が固定される治具プレートと
を相互に締結するのに好適に用いられ得る締結装置に関
するものである。
【0002】
【背景技術】従来より、二つの部材を締結するための締
結装置としては、種々の構造のものがあり、それらの中
から、締結されるべき部材の形状や用途等に応じて、適
宜に選択されて、使用されている。そして、例えば、マ
シニングセンタ等の工作機械においても、様々な締結装
置が用いられている。
【0003】すなわち、一般に、マシニングセンタ等の
工作機械にあっては、加工されるべきワークを保持する
ために、クランプやバイス等の各種の治具が用いられて
いるが、それらの治具は、その段取り変えを容易に且つ
迅速に行なわしめるために、多くの場合、治具プレート
に固定されており、この治具プレートがベースエレメン
トに対して締結せしめられることによって、各種の治具
が、ベースエレメントに取り付けられるようになってい
る。そして、それら治具プレートとベースエレメントと
を相互に締結せしめるものとして、所定の締結装置が用
いられているのである。
【0004】ところで、このような締結装置として用い
られるものの一つとして、ベースエレメントと治具プレ
ートの何れか一方に対して位置固定に取り付けられる締
結ピンと、それらのうちの何れか他方に対して位置固定
に取り付けられる、締結ピンが軸方向に挿入、嵌合可能
な締結ブッシュとを有してなる締結装置が、知られてい
る。この締結装置にあっては、締結ピンに設けられたね
じ穴に螺合された所定のねじ部材が、かかるねじ穴に螺
入されて、締結ピンの締結ブッシュへの挿入方向となる
軸方向に移動せしめられることにより、締結ピンの内部
に配置されたスチールボールが、ねじ部材と共に一体移
動せしめられる押圧面にて、軸方向に対して直角な方向
に押圧され、移動せしめられて、締結ピンの外周面から
部分的に突出せしめられるようになっており、そして、
締結ピンの締結ブッシュへの挿入状態下で、かかるスチ
ールボールの突出部位に対して、締結ブッシュの内周面
に設けられた係合部が係合せしめられると共に、締結ブ
ッシュの外周面に設けられた係合部が、締結ピンに係合
せしめられることにより、締結ピンの締結ブッシュへの
挿入状態下でのそれらの軸方向における相対移動が阻止
され得るように構成されている。
【0005】このような構造を有する締結装置を用いれ
ば、締結ピンと締結ブッシュとを、それぞれ、ベースエ
レメントと治具プレートとにそれぞれ取り付けた状態
で、単に、締結ピンを締結ブッシュに挿入して、ねじ部
材をねじ穴に螺入するだけで、ベースエレメントと治具
プレートとの締結を、極めて容易に且つ迅速に行なうこ
とが出来るのである。
【0006】また、近年では、締結ピンの外周面と締結
ブッシュの内周面に、互いに対応するテーパ面形状を呈
するテーパ嵌合部が、それぞれ設けられて、締結ブッシ
ュと締結ピンのそれぞれの係合部に対するスチールボー
ルと締結ブッシュの係合状態下で、かかるテーパ嵌合部
が相互にテーパ嵌合せしめられるように構成された締結
装置も、一部で用いられてきている。
【0007】このような構造が付加された締結装置にあ
っては、締結ピンと締結ブッシュとの間に形成される、
締結ピンの締結ブッシュへの挿入に必要な隙間が、かか
る挿入状態下において、テーパ嵌合部でのテーパ嵌合に
よって有利に吸収されて、それら締結ピンと締結ブッシ
ュとの嵌合により締結されるベースエレメントと治具プ
レートの位置精度や、各種の治具を介して治具プレート
に保持されるワークの保持精度等が、極めて有利に高め
られ得ることとなるのである。
【0008】ところが、この締結ピンと締結ブッシュの
テーパ嵌合構造を有する締結装置においては、テーパ嵌
合部でのテーパ嵌合によって、締結ピンと締結ブッシュ
とが強固に嵌合せしめられることとなるため、締結ブッ
シュの係合部に対するスチールボールの係合を解消して
も、締結ピンと締結ブッシュとの嵌合状態を解除して、
締結ブッシュから締結ピンを離脱させることが容易では
なく、従って、ベースエレメントと治具プレートの締結
を解除する際に、締結ピンと締結ブッシュとの間の強固
な嵌合状態を解除するための多大な労力と時間が要され
る作業を行なわなければならないといった問題が、内在
していたのである。
【0009】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述せる如き事
情を背景にして為されたものであって、その解決課題と
するところは、締結されるべき二つの部材を、容易に且
つ迅速に、しかも優れた位置精度をもって締結し得るば
かりでなく、それら二つの部材の締結の解除も、可及的
に少ない労力で、迅速に行なうことが出来るようにした
締結装置の新規な構造を提供することにある。
【0010】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる課題の
解決のために、(a)締結されるべき二つの部材のうち
の一方の部材に対して位置固定に取り付けられる締結ピ
ンと、(b)前記二つの部材のうちの他方の部材に対し
て位置固定に取り付けられ、前記一方の部材が取り付け
られた前記締結ピンが挿入されて嵌合せしめられること
により、該二つの部材の締結を行なう締結ブッシュと、
(c)前記締結ピンの内部に、その軸方向に対して直角
な方向に向かって移動可能に配置された、少なくとも一
つの第一の移動部材と、(d)前記締結ピンに対して軸
方向に延びるように設けられたねじ穴に螺合するねじ部
を有し、該ねじ部の該ねじ穴への螺入に伴って、軸方向
一方側に移動せしめられると共に、かかる移動によっ
て、前記第一の移動部材を、軸方向に直角な方向に押圧
し、移動せしめて、該締結ピンの外周面から部分的に突
出せしめる第二の移動部材と、(e)前記締結ブッシュ
の内周面に設けられ、前記締結ピンの該締結ブッシュへ
の挿入状態下で、該締結ピンの外周面から部分的に突出
せしめられた前記第一の移動部材に係合せしめられて、
該締結ブッシュから該締結ピンを離脱させる方向への該
締結ブッシュの移動を阻止せしめる第一の係合部と、
(f)前記締結ピンの外周面に設けられ、前記第一の移
動部材の前記第一の係合部に対する係合状態下で、前記
締結ブッシュに係合せしめられて、該締結ピンの該締結
ブッシュに対する挿入方向への更なる移動を阻止せしめ
る第二の係合部と、(g)前記締結ピンの外周面と前記
締結ブッシュの内周面に対して、互いに対応するテーパ
面形状をもってそれぞれ設けられ、前記第一の係合部と
前記第二の係合部とに対する前記第一の移動部材と前記
締結ブッシュの係合状態下で、相互にテーパ嵌合せしめ
られるテーパ嵌合部と、(h)前記締結ピンのねじ穴に
対する前記第二の移動部材の弛緩に伴う、該締結ピンの
前記軸方向一方側とは反対の軸方向他方側への該第二の
移動部材の移動により、前記第一の係合部に対する前記
第一の移動部材の係合が解消せしめられた状態下で、該
第二の移動部材に係合せしめられて、かかる第二の移動
部材の移動方向に押圧され得るように、前記締結ブッシ
ュに設けられた被押圧部を有し、かかる第二の移動部材
の移動に伴う該被押圧部に対する押圧により、該締結ブ
ッシュを該締結ピンから離間させる方向に変位せしめ
て、前記テーパ嵌合部におけるテーパ嵌合の縁切りを行
なう縁切り機構とを含んで構成されていることを特徴と
する締結装置を、その要旨とするものである。
【0011】要するに、この本発明に従う締結装置にあ
っては、締結されるべき二つの部材のうちの一方の部材
に対して位置固定に取り付けられる締結ピンの外周面に
設けられた第二の係合部が、それら二つの部材のうちの
他方の部材に位置固定に取り付けられる締結ブッシュに
係合する位置まで、締結ピンを締結ブッシュに挿入せし
めた状態下で、第二の移動部材のねじ部を締結ピンのね
じ穴に螺入して、締結ピンの外周面から部分的に突出せ
しめられた第一の移動部材の突出部位を、締結ブッシュ
の内周面に設けられた第一の係合部に係合せしめること
によって、締結ピンの締結ブッシュへの挿入方向とその
反対方向、つまり締結ピンと締結ブッシュの軸方向への
相対移動が阻止され得るようになっているところから、
締結ピンの締結ブッシュへの挿入状態下で、単に、第二
の移動部材のねじ部をねじ穴に螺入するだけの簡単な作
業を行なうだけで、それら締結ピンと締結ブッシュとに
それぞれ取り付けられる二つの部材が、締結ピンと締結
ブッシュの軸方向に相対移動不能な状態で、相互に締結
せしめられ得るのである。
【0012】また、かかる締結装置においては、締結ピ
ンの外周面と締結ブッシュの内周面とに、テーパ嵌合部
がそれぞれ設けられて、第一の係合部と第二の係合部と
に対する第一の移動部材と締結ブッシュの係合状態下
で、それらのテーパ嵌合部が、相互にテーパ嵌合せしめ
られるようになっているため、締結ピンと締結ブッシュ
との間に形成される、締結ピンの締結ブッシュへの挿入
に必要な隙間が、かかる挿入状態下において、テーパ嵌
合部でのテーパ嵌合によって有利に吸収されて、締結ピ
ンと締結ブッシュの軸方向に直角な方向への相対移動も
阻止され得るのであり、それによって、それら締結ピン
と締結ブッシュに取り付けられる二つの部材が、締結ピ
ンと締結ブッシュの軸方向だけでなく、それに直角な方
向への相対移動も不能とされた状態で、相互に締結せし
められ得るのである。
【0013】そして、本発明に従う締結装置にあって
は、特に、締結ブッシュに形成された被押圧部を有する
縁切り機構が設けられ、第二の移動部材のねじ穴からの
弛緩に伴って、第二の移動部材が、ねじ穴への螺入時に
おける移動方向とは反対の方向に移動せしめられること
により、第一の係合部に対する第一の移動部材の係合が
解消せしめられた状態下で、被押圧部が、かかる第二の
移動部材にて、その移動方向に押圧され、以て締結ブッ
シュが、第二の移動部材の移動方向、つまり、締結ピン
から離間する方向に変位せしめられて、テーパ嵌合部に
おけるテーパ嵌合の縁切りが行なわれるようになってい
るところから、単に、第二の移動部材のねじ穴からの弛
緩操作を、第一の係合部に対する第一の移動部材の係合
が解消された状態から更に継続して行なうだけで、テー
パ嵌合部でのテーパ嵌合によって強固に嵌合せしめられ
た締結ピンと締結ブッシュとの嵌合状態が、確実に解除
され得るのである。
【0014】それ故、かかる締結装置においては、第一
の係合部に対する第一の移動部材の係合を解消するため
の作業とは別に、締結ピンと締結ブッシュとの強化な嵌
合状態を解除するための特別な作業を、何等行なうこと
なく、ベースエレメントと治具プレートの締結を容易に
解除することが出来るのである。
【0015】従って、かくの如き本発明に従う締結装置
にあっては、締結されるべき二つの部材を、容易に且つ
迅速に、しかも優れた位置精度をもって締結し得るばか
りでなく、それら二つの部材の締結の解除も、可及的に
少ない労力で、迅速に行なうことが出来るのである。
【0016】なお、このような本発明に従う締結装置の
好ましい態様の一つによれば、前記締結ブッシュの前記
軸方向他方側の端部に、前記第二の移動部材の前記ねじ
穴に対する螺入及び弛緩操作を行なうための操作孔を有
する底部が設けられて、かかる底部により、前記縁切り
機構の被押圧部が構成され、該操作孔を通じての弛緩操
作による該第二の移動部材の該ねじ穴に対する弛緩に伴
って、該第二の移動部材が、該軸方向他方側に移動せし
められることにより、該底部の内面が、該第二の移動部
材にて押圧され得るように構成されることとなる。
【0017】このような構成を採用すれば、比較的に簡
略な構造をもって、縁切り機構が構成され得るのであ
り、また、かかる縁切り機構の付加に伴う締結ピンと締
結ブッシュの嵌合操作とその解除操作における操作性の
低下が効果的に防止され得ることとなるのである。
【0018】また、本発明に従う締結装置の別の有利な
態様の一つによれば、前記底部が、前記締結ブッシュと
は別体の部材にて構成されて、該締結ブッシュに固定さ
れることにより、前記被押圧部が、該締結ブッシュに設
けられるように構成される。
【0019】このような構成を有する締結装置にあって
は、例えば、底部が締結ブッシュに対して一体的に設け
られる場合とは異なって、締結ブッシュが、単純な筒形
状をもって構成され得るのであり、それによって、底部
の形成による締結ブッシュ、ひいては締結装置全体の構
造の複雑化が有利に回避され得るのである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明に係る締結装置の具体的な構成
について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとす
る。
【0021】先ず、図1には、本発明に従う構造を有
し、マシニングセンタ等の工作機械のテーブルに取り付
けられるベースエレメントと治具プレートとを相互に締
結するために用いられる締結装置の一例が、概略的に示
されている。かかる図1からも明らかなように、締結装
置は、締結ピン10と締結ブッシュ12とを有して構成
されており、締結ピン10が、上下に対向配置された治
具プレート14とベースエレメント16のうち、下方に
位置するベースエレメント16に対して位置固定に取り
付けられ、また、締結ブッシュ12が、上方に位置する
治具プレート14に対して位置固定に取り付けられるよ
うになっている。
【0022】より具体的には、この締結装置を構成する
締結ピン10は、全体として、略円柱形状を呈してい
る。そして、この締結ピン10の軸方向中間部の外周面
上には、下方に向かって次第に大径となるテーパ面形状
を呈するピン側テーパ嵌合部22と、軸方向に直角な方
向において、外方に向かって所定長さ延出し、且つ周方
向に連続して延びるフランジ部24とが、上下に所定距
離を隔てて位置する状態で、それぞれ一体的に設けられ
ている。また、かかるフランジ部24においては、その
上面と下面とが何れも水平な円環面とされて、それら上
下面のうち、上面が、第二の係合部としてのピン側円環
状係合面26とされている一方、下面が、位置決めのた
めの基準面28として、構成されている。
【0023】さらに、そのような締結ピン10にあって
は、フランジ部24よりも上側の部分に、上方に向かっ
て開口する大径の円形凹所30が設けられており、この
円形凹所30の開口部側の周壁部には、軸方向に対して
直角な方向に延出し、且つかかる円形凹所30の周壁部
を厚さ方向に貫通して、その外周面上において側方に開
口する円形貫通孔32が、周方向に等間隔をおいて、複
数(ここでは、三つ)形成されている。更にまた、締結
ピン10の中心部には、内周面に雌ねじが形成されたね
じ穴34が、円形凹所30の底面と円形凹所30の形成
側とは反対側の下側底面とにおいて上下方向に開口する
ように、つまり、円形凹所30の底面から下方に向かっ
て、軸方向に一直線に延びるように、形成されている。
【0024】そして、かかる締結ピン10の円形凹所3
0の周壁部に設けられた円形貫通孔32のそれぞれの内
部には、それよりも所定寸法小さな径を有する、第一の
移動部材としてのスチールボール36が、かかる円形貫
通孔32内を、その延出方向たる、締結ピン10の軸方
向に直角な方向、つまり締結ピン10の径方向に移動可
能に、それぞれ一つずつ、配置されている。
【0025】一方、締結ピン10の円形凹所30内に
は、比較的に厚肉のクランプリング38と、圧縮コイル
ばね40とが、上下に位置する状態で、収容配置されて
いる。この円形凹所30内に収容配置されたクランプリ
ング38は、その外径が、円形凹所30の内径よりも所
定寸法小さくされていることによって、円形凹所30内
を上下方向に移動可能とされていると共に、下側角部が
面取りされて、かかる面取り部分が、下方に向かって次
第に小径化するテーパ面からなるテーパ状押圧面42と
されている。そして、かかるテーパ状押圧面42におい
て、前記各円形貫通孔32内にそれぞれ配置されたスチ
ールボール36に対して接触して、位置せしめられてい
る。
【0026】また、そのようなクランプリング38の下
方に配置された圧縮コイルばね40は、その下端部にお
いて、円形凹所30の底面に接触せしめられる一方、上
端部において、クランプリング38の下面に接触せしめ
られており、以て、クランプリング38が下方に移動せ
しめられた際に、クランプリング38に対して、上方に
移動させるような付勢力が発揮され得るようになってい
る。なお、ここでは、円形凹所30の底部側周壁部に、
該円形凹所30の底部側部分(下側部分)を開口部側部
分(上部側部分)よりも小径化する段部39が設けられ
ており、この段部39に、クランプリング38のテーパ
状押圧面42が接触せしめられることにより、クランプ
リング38の下方への移動が、所定位置において規制さ
れるようになっている(図3参照)。
【0027】さらに、締結ピン10の中心部に上下方向
に延びるように形成されたねじ穴34には、円形凹所3
0の底部側開口部に、全体としてT字形状を呈する六角
穴付ボルトからなるクランプボルト44が螺合せしめら
れている。即ち、かかるクランプボルト44が、脚部に
おいて、円形凹所30内に収容配置されたクランプリン
グ38の内孔と圧縮コイルばね40に挿通せしめられつ
つ、ねじ穴34に螺合せしめられて、かかるねじ穴34
への螺入により、下方に移動せしめられる一方、ねじ穴
34からの弛緩により、上方に移動せしめられるよう
に、位置せしめられているのである。
【0028】かくして、図2及び図3に示されるよう
に、クランプボルト44の下方への移動に伴って、クラ
ンプリング38が、クランプボルト44の頭部の下側端
面にて押圧され、圧縮コイルばね38の付勢力に抗し
て、円形凹所30内を下方に移動せしめられる一方、ク
ランプボルト44の上方への移動によって、クランプリ
ング38が、圧縮コイルばね40の付勢力にて、上方に
移動せしめられるようになっている。
【0029】そして、各円形貫通孔32内で、クランプ
リング38のテーパ状押圧面42に接触して配置された
スチールボール36が、クランプボルト44の下方への
移動に伴うクランプリング38の下方への移動によっ
て、それぞれ、クランプリング38のテーパ状押圧面4
2にて、締結ピン10の径方向外方に押圧されて、各円
形貫通孔32内を、該円形貫通孔32における締結ピン
10の外周面側開口部に向かって移動せしめられるよう
になっている。また、上述せる如く、クランプリング3
8のテーパ状押圧面42が円形凹所30の周壁部の段部
39に接触せしめられた位置において、クランプリング
38の下方への移動が規制されるようになっているた
め、クランプリング38の下方への移動に伴って各円形
貫通孔32内を移動せしめられる各スチールボール36
が、下方への移動が規制されたクランプリング38のテ
ーパ状押圧面42との接触により、円形凹所30内側へ
の移動が阻止された状態で、締結ピン10の外周面から
部分的に突出位置せしめられるようになっているのであ
る。このことから明らかなように、本実施形態では、ク
ランプボルト44とクランプリング38とにて、第二の
移動部材が構成されている。
【0030】而して、図1に示されるように、かくの如
き構造を有する締結ピン10が、フランジ部24よりも
下側部分において、ベースエレメント16に設けられた
取付凹所46内に収容されると共に、フランジ部24の
基準面28において、ベースエレメント16の上面に接
触せしめられて、上下方向と左右方向が位置決めされた
状態で、ベースエレメント16の取付凹所46内に下方
から突出位置せしめられた取付ボルト18にて、ボルト
固定されることにより、フランジ部24の形成部位より
も上側部分を、ベースエレメント16の上面から上方に
突出せしめつつ、ベースエレメント16に対して位置固
定に取り付けられているのである。
【0031】一方、締結ピン10と共に締結装置を構成
する締結ブッシュ12は、締結ピン10の外径よりも所
定寸法大きな内径を有する、全体として、略円筒形状を
呈している。また、かかる締結ブッシュ12の下端部に
は、その内周面に、径方向内方に向かって、低い高さで
突出し、且つ周方向に連続して延びる内側突部48が、
一体的に形成されている一方、その外周面には、径方向
外方に向かって所定高さ突出し、且つ周方向に連続して
延びる、上面が水平な基準面49とされた外フランジ部
50が、一体形成されている。
【0032】また、そのような締結ブッシュ12の内周
面に設けられた内側突部48は、その内径が、締結ピン
10の前記フランジ部24よりも上側部分が挿入可能な
大きさとされている。そして、その上面が、下方に向か
うに従って次第に小径となるテーパ面形状を有する、第
一の係合部としてのテーパ状係合面51とされている一
方、その下面が、該下面に連続する締結ブッシュ12の
下側端面と共に、締結ピン10のフランジ部24に設け
られたピン側円環状係合面26に対応した水平な円環面
からなるブッシュ側円環状係合面52として、構成され
ており、更に、かかる内側突部48の内周面が、締結ピ
ン10のフランジ部26よりも上側の外周面に設けられ
たピン側テーパ嵌合部22のテーパ面形状に対応した、
下方に向かうに従って次第に大径となるテーパ面形状を
呈するブッシュ側テーパ嵌合部54とされている。
【0033】かくして、締結ブッシュ12にあっては、
後述する如く、締結ブッシュ12の内孔内に、締結ピン
10の前記上側部分が挿入せしめられた状態下で、ブッ
シュ側円環状係合面52が、締結ピン10のピン側円環
状係合面26に対して係合せしめられることにより、締
結ピン10の、上方、つまり締結ブッシュ12に対する
挿入方向への更なる移動が、阻止され得るようになって
おり、また、そのような状態下で、テーパ状係合面51
が、締結ピン10の円形貫通孔32から外方に部分的に
突出位置せしめられた各スチールボール36の突出部位
に係合せしめられることによって、締結ピン10の、下
方、つまり締結ブッシュ12からの離脱方向への移動
も、阻止され得るようになっているのである。更に、そ
のようにして、締結ピン10が締結ブッシュ12に挿入
され、且つそれら締結ピン10と締結ブッシュ12の上
下方向への相対移動が阻止された状態下において、締結
ピン10のピン側テーパ嵌合部22と締結ブッシュ12
のブッシュ側テーパ嵌合部54とが、相互にテーパ嵌合
せしめられるようになっているのである(図3参照)。
【0034】そして、ここでは、特に、締結ブッシュ1
2の上端部に、その上側開口部を閉塞する蓋体56が、
取り付けられている。即ち、この蓋体56は、締結ブッ
シュ12の上側開口部を覆い得る大きさを備えた円板部
58と、かかる円板部58の下面の外周部に一体形成さ
れた、前記締結ピン10の上側部分よりも十分に低い高
さの円筒部60とを有して構成され、この円筒部60の
外周面に設けられた雄ねじ部において、締結ブッシュ1
2の上側開口周面に設けられた雌ねじ部に螺合されるこ
とにより、締結ブッシュ12に対して取外し可能に固定
されているのである。
【0035】かくして、締結ブッシュ12にあっては、
その上端部に、上側開口部を閉塞する底部62が、蓋体
56の円板部58にて形成され、それにより、クランプ
ボルト44が、ねじ穴34からの弛緩に伴って、上方に
移動せしめられた際に、クランプボルト44の頭部の上
側端面が底部62の下面に接触して、かかる底部62が
クランプボルト44にて上方に押圧され、以て、底部6
2とそれが取り付けられる締結ブッシュ12の全体が、
締結ピン10から離間するように、上方に変位せしめら
れるようになっているのである。このことから明らかな
ように、本実施形態では、底部62を与える蓋体56の
円板部58にて、被押圧部が構成されている。
【0036】なお、ここでは、かかる底部62を与える
円板部58の中心部に、クランプボルト44の頭部の外
径よりも小さく、且つクランプボルト44の六角穴に挿
入せしめられて、クランプボルト44を回転操作する六
角レンチ等の工具が挿通可能な大きさの内径を有する操
作孔64が設けられており、以て、この操作孔64を通
じて、クランプボルト44のねじ穴34に対する螺入及
び弛緩操作が行なわれ得るようになっている。
【0037】そして、かくの如き構造を有する締結ブッ
シュ12が、その上端部に設けられた底部62の操作孔
64を、治具プレート14に形成された貫通孔66に対
応位置させつつ、外フランジ部49よりも上側部分にお
いて、治具プレート14に設けられた取付凹所68内に
収容されると共に、外フランジ部49の基準面50にお
いて、治具プレート14の下面に接触せしめられて、上
下方向と左右方向が位置決めされた状態で、外フランジ
部49に挿通位置せしめられた取付ボルト20,20に
て、ボルト固定されることにより、外フランジ部49の
形成部位、換言すれば、内周面に内側突部48が形成さ
れた下端部を、治具プレート14の下面から下方に突出
せしめつつ、治具プレート14に対して位置固定に取り
付けられているのである。
【0038】而して、このような締結ブッシュ12と前
述の如き構造とされた締結ピン10とを有する本実施形
態の締結装置を用いて、治具プレート14とベースエレ
メント16との締結とその解除とを行なう際には、例え
ば、以下のようにして、その操作が行われることとな
る。
【0039】すなわち、先ず、図1に示されるように、
ベースエレメント16と治具プレート14とを、それら
にそれぞれ固定された締結ピン10と締結ブッシュ12
とが互いに離間し、且つ同軸的に位置するように、対向
配置させる。このとき、例えば、クランプボルト44
を、締結ピン10のねじ穴34から十分に弛緩させて、
クランプボルト44の頭部とクランプリング38とを離
間させておくことにより、各スチールボール36が、締
結ピン10の外周面から、何等突出せしめられていない
ようにしておく必要がある。
【0040】次いで、図2に示される如く、締結ブッシ
ュ12の内孔内に、締結ピン10のフランジ部24より
も上側部分を挿入して、締結ピン10を締結ブッシュ1
2に対して内嵌せしめる。このときの締結ピン10の締
結ブッシュ12への挿入位置は、締結ピン10のピン側
テーパ嵌合部22と締結ブッシュ12のブッシュ側テー
パ嵌合部54とが互いに接触するものの、締結ピン10
のピン側円環状係合面26と締結ブッシュ12のブッシ
ュ側円環状係合面52との間に、微小な隙間が形成され
る程度の位置とする。
【0041】その後、図3に示されるように、締結ピン
10の締結ブッシュ12への挿入状態下で、治具プレー
ト14の貫通孔66と、締結ブッシュ12における底部
62の操作孔64を通じて、例えば六角レンチ等(図示
せず)をクランプボルト44の六角穴に挿入し、クラン
プボルト44のねじ穴34への螺入操作を行なって、ク
ランプボルト44を、円形凹所30内で下方に移動させ
ることにより、クランプボルト44の下方に配されたク
ランプリング38を、クランプボルト44の頭部にて押
圧して、締結ピン10の円形凹所30における段部39
に当接するまで、圧縮コイルばね38の付勢力に抗し
て、下方に移動せしめる。そして、そのようなクランプ
リング38の下方への移動に伴って、各円形貫通孔32
内に配置されたスチールボール36を、それぞれ、クラ
ンプリング38のテーパ状押圧面42にて押圧して、各
円形貫通孔32内を、締結ピン10の径方向外方に移動
させ、それら各スチールボール36を、締結ピン10の
外周面から側方に部分的に突出せしめることにより、締
結ブッシュ12のテーパ状係合面51に対して、各スチ
ールボール36の突出部位を係合させる。
【0042】その際、各スチールボール36の移動によ
り、締結ピン10の外周面からの各スチールボール36
の突出量が増大せしめられるのに従って、締結ブッシュ
12のテーパ状係合面51が、各スチールボール36の
突出部位にて、下方に押圧されて、締結ブッシュ12全
体が下方に徐々に移動せしめられ、それによって、ブッ
シュ側テーパ嵌合部54がピン側テーパ嵌合部22に噛
み込んで、それら両テーパ嵌合部54,22が、より強
固にテーパ嵌合せしめられると共に、ブッシュ側円環状
係合面52が、ピン側円環状係合面26に当接せしめら
れる。そして、そのような状態下で、各スチールボール
36が、前述せるように、締結ピン10の外周面からの
突出側とは反対側の部位において、下方への移動が阻止
されたクランプリング38のテーパ状押圧面42に接触
せしめられるため、各スチールボール36の締結ピン1
0からの突出状態が保持されて、締結ピン10と締結ブ
ッシュ12の径方向と上下方向への相対移動が、確実に
且つ安定的に阻止されることとなる。
【0043】これによって、締結ピン10と締結ブッシ
ュ12が固定されたベースエレメント16と治具プレー
ト14とが、上下方向とそれに直角な方向への相対移動
が不能とされた状態で、相互に締結せしめられ、そし
て、そのような締結状態が、安定的に確保され得ること
となるのである。
【0044】また、そのような治具プレート14とベー
スエレメント16との締結状態を解除するには、治具プ
レート14の貫通孔66と、締結ブッシュ12における
底部62の操作孔64を通じて、図示しない六角レンチ
等をクランプボルト44の六角穴に挿入し、クランプボ
ルト44のねじ穴34からの弛緩操作を行なって、図2
及び図3に示されるように、クランプボルト44を上方
に移動させることにより、クランプリング38を、圧縮
コイルばね40の付勢力にて、上方に移動させる。これ
によって、クランプリング38のテーパ状押圧面42か
らの各スチールボール36に対する締結ピン10の径方
向外方への押圧力を解除して、それら各スチールボール
36を、各円形貫通孔32内において、円形凹所30側
に引込移動させ、以て、締結ブッシュ12のテーパ状係
合面51に対する各スチールボール36の突出部位の係
合を解消せしめる。
【0045】そして、引き続き、クランプボルト44の
ねじ穴34からの弛緩操作により、クランプボルト44
の頭部の上端面を、締結ブッシュ12の底部62の内面
に当接させた状態から、クランプボルト44に対する弛
緩操作を更に継続して行なって、クランプボルト44を
上方に移動させることにより、かかるクランプボルト4
4の頭部の上端面にて、締結ブッシュ12の底部62を
上方に押圧して、締結ブッシュ12の全体を、上方、つ
まり締結ピン10から離間する方向に変位させ、以て、
締結ブッシュ12のブッシュ側テーパ嵌合部54と締結
ピン10のピン側テーパ嵌合部22との間の強固なテー
パ嵌合の縁切りを行なう。このことから明らかなよう
に、ここでは、クランプボルト44と締結ブッシュ12
の底部62とにて、縁切り機構が構成されているのであ
る。
【0046】そして、その後、締結ピン10を締結ブッ
シュ12の内孔内から引き抜くように、それらを上下方
向に相対移動せしめることによって、治具プレート14
とベースエレメント16との締結を解除するのである。
【0047】このように、本実施形態の締結装置にあっ
ては、ベースエレメント16に取り付けられた締結ピン
10を、治具プレート14に取り付けられた締結ブッシ
ュ12の内孔内に挿入せしめた状態下において、単に、
締結ピン10のねじ穴34に、クランプボルト44を螺
入するだけの簡単な操作を行なうだけで、締結ピン10
の外周面から突出せしめられたスチールボール36が、
締結ブッシュ12のテーパ状係合面51に係合せしめら
れると共に、締結ピン10のピン側テーパ嵌合部22と
締結ブッシュ12のブッシュ側テーパ嵌合部54とがテ
ーパ嵌合せしめられ、それによって、対する締結ピン1
0と締結ブッシュ12にそれぞれ取り付けられるベース
エレメント16と治具プレート14とを、上下方向とそ
れに直角な方向への相対移動が不能とされた状態で、相
互に締結せしめることが出来るのである。
【0048】そして、かかる締結装置においては、特
に、ベースエレメント16と治具プレート14とが相互
に締結せしめられた状態下で、単に、締結ピン10のね
じ穴34から、クランプボルト44を弛緩せしめるだけ
の、単純且つ容易な操作を行なうだけで、締結ブッシュ
12のテーパ状係合面51に対するスチールボール36
の係合を解消せしめると共に、締結ピン10のピン側テ
ーパ嵌合部22と締結ブッシュ12のブッシュ側テーパ
嵌合部54との間のテーパ嵌合の縁切りを行なうことが
出来、それによって、テーパ嵌合により強固に嵌合せし
められた締結ピンと締結ブッシュとの嵌合状態を、簡単
に且つ確実に解除することが出来るのである。
【0049】従って、このような本実施形態に係る締結
装置を用いれば、ベースエレメント16と治具プレート
14とを、容易に且つ迅速に、しかも優れた位置精度を
もって締結し得るのであり、しかも、スチールボール3
6のテーパ状係合面51に対する係合を解消させるため
の作業とは別に、特別な作業を何等行なうことなく、締
結ピン10と締結ブッシュ12との強化な嵌合状態を容
易に解除することが出来、以て、ベースエレメント16
と治具プレート14との締結の解除も、可及的に少ない
労力で、迅速に行なうことが出来るのである。
【0050】また、かかる本実施形態の締結装置にあっ
ては、締結ブッシュ12の上端部に、中心部に操作孔6
4を有する底部62が設けられ、この底部62の操作孔
64を通じての弛緩操作により、クランプボルト44が
上方に移動せしめられることによって、底部62の内面
が上方に押圧されて、締結ブッシュ12の全体が締結ピ
ン10から離間する方向に変位せしめられ、以て、それ
ら締結ブッシュ12のブッシュ側テーパ嵌合部54と締
結ピン10のピン側テーパ嵌合部22との間のテーパ嵌
合の縁切りが行なわれるようになっているところから、
単に、締結ブッシュ12の上端部に底部62を設けただ
けの簡略な構造によって、ブッシュ側テーパ嵌合部54
とピン側テーパ嵌合部22との間のテーパ嵌合の縁切り
が、確実に行なわれ得るばかりでなく、そのような底部
62の形成により、クランプボルト44に対する弛緩操
作に悪影響が及ぼされるようなことも、有利に回避され
得ているのである。
【0051】さらに、かかる締結装置においては、上述
の如く、ブッシュ側テーパ嵌合部54とピン側テーパ嵌
合部22との間のテーパ嵌合の容易な縁切りを可能なら
しめる底部62が、締結ピン10の上側開口部に対し
て、単に、かかる底部62を与える円板部58を備えた
蓋体56を螺合して固定することによって形成されてい
るため、締結ブッシュ12が、底部62を有しているに
も拘わらず、単純な略円筒形状を有して構成され得るの
であり、それによって、底部62の形成による締結ブッ
シュ12、ひいては締結装置全体の構造の複雑化が有利
に回避され得るのである。
【0052】以上、本発明の具体的な構成について詳述
してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであっ
て、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受
けるものではない。
【0053】例えば、前記実施形態では、第二の移動部
材が、ねじ穴34に螺合されるクランプボルト44と、
テーパ状押圧面42を有するクランプリング38の独立
した二つの部材にて構成されていたが、それらクランプ
ボルト44とクランプリング38の両方の機能を備えた
一つの部材にて、第二の移動部材を構成することも、可
能である。即ち、例えば、T字ボルトの頭部の下側角部
を面取りする等して、かかる面取り部分に、テーパ状押
圧面を形成してなるボルト部材にて、第二の移動部材を
構成しても良いのである。そうすれば、クランプリング
38やそれを上方に付勢する圧縮コイルばね40を省略
することが出来、以て部品点数の削減が、有利に図られ
得ることとなるのである。
【0054】また、第一の移動部材も、前記実施形態に
示される如きスチールボール36に、何等限定されるも
のではなく、第二の移動部材の軸方向への移動に伴っ
て、それに直角方向に移動せしめられて、締結ピン10
の外周面から部分的に突出位置せしめられ得る構造を有
しておれば良く、従って、例えば、スチールボール36
に代えて、第一の移動部材として、円柱状のコロ等を採
用することも、勿論可能である。
【0055】さらに、締結ピン10と締結ブッシュ12
のベースエレメント16や治具プレート14への取付構
造も、前記実施形態に示されるものに、決して限定され
るものでないことは、言うまでもないところである。
【0056】更にまた、前記実施形態では、締結ブッシ
ュ12とは別部材からなる蓋体56が、締結ブッシュ1
2の上側開口部に固定されることにより、かかる蓋体5
6の円板部58にて、縁切り機構の被押圧部を構成する
底部62が、締結ブッシュ12に形成されるようになっ
ていたが、そのような底部62を、締結ブッシュ12に
対して一体的に設けても、何等差し支えない。
【0057】また、そのような底部62に代えて、締結
ブッシュ12の上端部に、クランプボルト44の上方へ
の移動に伴って、そのクランプボルト44の頭部の上側
端面に接触して押圧される内向きフランジ部や内側突部
等を設け、それらのものにて、被押圧部を構成すること
も、可能である。
【0058】加えて、前記実施形態では、本発明を、マ
シニングセンタ等の工作機械のテーブルに取り付けられ
るベースエレメントと治具プレートとを相互に締結する
ために用いられる締結装置に対して適用したものの具体
例を示したが、本発明が、ベースエレメントと治具プレ
ート以外の互いに締結されるべき二つの様々な部材を相
互に締結するために用いられる締結装置に対しても、有
利に適用され得るものであることは、勿論である。
【0059】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0060】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に従う締結装置を用いれば、締結されるべき二つの部
材を、容易に且つ迅速に、しかも優れた位置精度をもっ
て締結し得るばかりでなく、それら二つの部材の締結の
解除も、可及的に少ない労力で、迅速に行なうことが出
来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う締結装置の一例を示す縦断面説明
図である。
【図2】図1に示された締結装置の使用状態を示す説明
図であって、締結ピンを締結ブッシュの内孔内に挿入せ
しめた状態を示している。
【図3】図1に示された締結装置の別の使用状態を示す
説明図であって、締結ピンの内部に配置された複数のス
チールボールを、締結ピンの外周面から部分的に突出さ
せて、締結ブッシュのテーパ状係合面に係合させると共
に、締結ピンのピン側テーパ嵌合部と締結ブッシュのブ
ッシュ側テーパ嵌合部とをテーパ嵌合せしめて、締結ピ
ンと締結ブッシュがそれぞれ取り付けられたベースエレ
メントと治具プレートとを相互に締結せしめた状態を示
している。
【符号の説明】
10 締結ピン 12 締結ブッ
シュ 14 治具プレート 16 ベースエ
レメント 22 ピン側テーパ嵌合部 26 ピン側円
環状係合面 34 ねじ穴 36 スチール
ボール 38 クランプリング 42 テーパ状
押圧面 44 クランプボルト 51 テーパ状
係合面 52 ブッシュ側円環状係合面 54 ブッシュ
側テーパ嵌合部 56 蓋体 62 底部 64 操作孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 締結されるべき二つの部材のうちの一方
    の部材に対して位置固定に取り付けられる締結ピンと、 前記二つの部材のうちの他方の部材に対して位置固定に
    取り付けられ、前記一方の部材が取り付けられた前記締
    結ピンが挿入されて嵌合せしめられることにより、該二
    つの部材の締結を行なう締結ブッシュと、 前記締結ピンの内部に、その軸方向に対して直角な方向
    に向かって移動可能に配置された、少なくとも一つの第
    一の移動部材と、 前記締結ピンに対して軸方向に延びるように設けられた
    ねじ穴に螺合するねじ部を有し、該ねじ部の該ねじ穴へ
    の螺入に伴って、軸方向一方側に移動せしめられると共
    に、かかる移動によって、前記第一の移動部材を、軸方
    向に直角な方向に押圧し、移動せしめて、該締結ピンの
    外周面から部分的に突出せしめる第二の移動部材と、 前記締結ブッシュの内周面に設けられ、前記締結ピンの
    該締結ブッシュへの挿入状態下で、該締結ピンの外周面
    から部分的に突出せしめられた前記第一の移動部材に係
    合せしめられて、該締結ブッシュから該締結ピンを離脱
    させる方向への該締結ブッシュの移動を阻止せしめる第
    一の係合部と、 前記締結ピンの外周面に設けられ、前記第一の移動部材
    の前記第一の係合部に対する係合状態下で、前記締結ブ
    ッシュに係合せしめられて、該締結ピンの該締結ブッシ
    ュに対する挿入方向への更なる移動を阻止せしめる第二
    の係合部と、 前記締結ピンの外周面と前記締結ブッシュの内周面に対
    して、互いに対応するテーパ面形状をもってそれぞれ設
    けられ、前記第一の係合部と前記第二の係合部とに対す
    る前記第一の移動部材と前記締結ブッシュの係合状態下
    で、相互にテーパ嵌合せしめられるテーパ嵌合部と、 前記締結ピンのねじ穴に対する前記第二の移動部材の弛
    緩に伴う、該締結ピンの前記軸方向一方側とは反対の軸
    方向他方側への該第二の移動部材の移動により、前記第
    一の係合部に対する前記第一の移動部材の係合が解消せ
    しめられた状態下で、該第二の移動部材に係合せしめら
    れて、かかる第二の移動部材の移動方向に押圧され得る
    ように、前記締結ブッシュに設けられた被押圧部を有
    し、かかる第二の移動部材の移動に伴う該被押圧部に対
    する押圧により、該締結ブッシュを該締結ピンから離間
    させる方向に変位せしめて、前記テーパ嵌合部における
    テーパ嵌合の縁切りを行なう縁切り機構とを、含んで構
    成されていることを特徴とする締結装置。
  2. 【請求項2】 前記締結ブッシュの前記軸方向他方側の
    端部に、前記第二の移動部材の前記ねじ穴に対する螺入
    及び弛緩操作を行なうための操作孔を有する底部が設け
    られて、かかる底部により、前記縁切り機構の被押圧部
    が構成され、該操作孔を通じての弛緩操作による該第二
    の移動部材の該ねじ穴に対する弛緩に伴って、該第二の
    移動部材が、該軸方向他方側に移動せしめられることに
    より、該底部の内面が、該第二の移動部材にて押圧され
    得るようになっている請求項1に記載の締結装置。
  3. 【請求項3】 前記底部が、前記締結ブッシュとは別体
    の部材にて構成されて、該締結ブッシュに固定されるこ
    とにより、前記被押圧部が、該締結ブッシュに設けられ
    るようになっている請求項2記載の締結装置。
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