JP2003311150A - 吸収材の製造方法 - Google Patents

吸収材の製造方法

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JP2003311150A
JP2003311150A JP2002124161A JP2002124161A JP2003311150A JP 2003311150 A JP2003311150 A JP 2003311150A JP 2002124161 A JP2002124161 A JP 2002124161A JP 2002124161 A JP2002124161 A JP 2002124161A JP 2003311150 A JP2003311150 A JP 2003311150A
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blood
absorbent
galactomannan
absorption
guar gum
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JP2002124161A
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Yoshio Nakai
美穂 中井
Satoshi Kawanaka
聡 川中
Satoko Wada
里子 和田
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血液吸収性に優れた生分解性吸収材の製造方
法を提供する。血液などの粘性液体に使用する吸収材に
求められる性能としては、尿を吸収したときと同様の高
い吸収倍率、優れた吸収速度、通液性などの他に、一旦
血液を吸収した吸収材が再度、血液を吸収できるという
繰り返し吸収性も求められており、本発明の製造方法は
この点に関しても実用上満足できるものを提供する。 【解決手段】 ガラクトマンナンを水に溶解・膨潤し
て、ガラクトマンナンゾルを形成し、次いでホウ素及び
ホウ素以外の三価以上の多価金属イオンを添加して架橋
体を形成し乾燥することを特徴とする、自重の5倍量の
血液を吸液開始から60秒以内に吸収することができる
吸収材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液、澱粉などの
ように高分子量の物質を含み従来の高吸水性樹脂では吸
収することが困難であった粘性の高い水溶液に対して優
れた吸収性を示す吸収材の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】体液を吸収することを目的とする生理用
ナプキン、紙おむつなどに含まれる高吸水性樹脂とし
て、例えば、架橋ポリアクリル酸部分中和物(特開昭55
-84304号、米国特許462501号)、澱粉-アクリロニトリ
ル共重合体の部分加水分解物(特開昭46-43995号)、澱
粉-アクリル酸グラフト共重合体(特開昭519125468
号)、酢酸ビニル、アクリル酸エステル共重合体の加水
分解物(特開昭52-14689号)、2-アクリルアミド-2-メ
チルプロパンスルホン酸とアクリル酸の共重合架橋物
(欧州特許0068189号)、カチオン性モノマーの架橋体
(米国特許4906717号)、架橋イソブチレン-無水マレイ
ン酸共重合体(米国特許4389513号)などが知られてい
る。
【0003】これらの高吸水性樹脂は、被吸収液が尿や
生理食塩水のような粘性の低いものの場合には、高い吸
収倍率や吸水速度を示すが、血液のような粘性の高い被
吸収液の場合には、血液成分中に含まれるタンパク質等
の高分子量物質が高吸水性樹脂表面を被ってしまうため
に、尿や生理食塩水を吸収させたときに示すような優れ
た吸収性能は示さず、吸収速度、吸収量とも低下すると
いう問題点があった。
【0004】そこでこれらの問題を解決する方法とし
て、高吸水性樹脂への血液の分散を改善するために無機
酸、有機酸の塩を混合する方法(特公平5-81263)、ポ
リエーテルで表面処理を行う方法(特開昭54-70694)、
高吸水性樹脂の官能基の比率をコントロールすることに
より血液吸収能力を改善する方法(特開平6-25543)な
どが提案されている。
【0005】また、血液吸収を目的としたものとして、
創傷被覆材として使用されているようなアルギン酸ナト
リウムの架橋体、架橋ヒアルロン酸(特開2001-17532
号)、架橋ポリビニルアルコール(特開平5-007618号)
などが知られている。
【0006】また血液吸収を目的とした吸収材として、
主にアクリル酸系モノマーを重合したもの(特許第3145
334号)や水溶性単量体と架橋剤及び/又は多糖類を重
合したものと界面活性剤からなる組成物(特開平14-355
80号)が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たアルギン酸ナトリウムの架橋体、架橋ヒアルロン酸、
架橋ポリビニルアルコールは、凍結乾燥法により乾燥処
理を行うため、生産性が非常に低く、コストもかかるた
め、直接血液を吸収するような生理用品や、医療用の生
理用ナプキンなどの衛生材料の他、外科用血液吸収物
品、手術用廃液処理材等に使用するには不適切であっ
た。また、ゲル強度は非常に弱いもので衛生材料等に使
用するには不適切であった。
【0008】また、上記したアクリル酸系モノマーを重
合したものや水溶性単量体と架橋剤及び/又は多糖類を
重合したものと界面活性剤からなる組成物は、生分解性
を有しないものであるため使用後の処理方法が問題とな
っている。これらの樹脂は分解性に乏しく、水中や土壌
中では半永久的に存在するので廃棄物処理における環境
保全を考えると非常に重大な問題である。
【0009】本発明の目的は、生分解性を有し、血液吸
収性に優れた吸収材の製造方法を提供することにある。
血液などの粘性液体に使用する吸収材に求められる性能
としては、尿を吸収したときと同様の高い吸収倍率、優
れた吸収速度、通液性などの他に、一旦血液を吸収した
吸水材が再度、血液を吸収できるという繰り返し吸収性
も求められており、本発明はこの点に関しても実用上満
足できるものを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ガラクトマン
ナン及びその誘導体を特定の金属イオンで架橋すること
により優れた血液吸収能を有する吸収材を製造できるこ
と、及び一旦水分を含むものを吸収したことにより生じ
るゲルブロッキングその他の繰り返し吸収性を妨げる要
因が抑制できることを見出し、本発明に到達した。
【0011】すなわち、本発明の第一は、ガラクトマン
ナンを水に溶解・膨潤して、ガラクトマンナンゾルを形
成し、次いでホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金
属イオンを添加して架橋体を形成し乾燥することを特徴
とする、自重の5倍量の血液を吸液開始から60秒以内
に吸収することができる吸収材の製造方法を要旨とする
ものであり、好ましくは架橋体を形成した後に、この架
橋体と親水性有機溶剤とを混合し破砕後、乾燥するもの
である。また、本発明の第二は、ガラクトマンナンを水
に溶解・膨潤して、ガラクトマンナンゾルを形成し、次
いでホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオン
を添加して架橋体を形成し乾燥することを特徴とする、
自重の5倍量の血液を吸収した後に、さらに自重の3倍
量の血液を10分以内に吸収することができる吸収材の
製造方法を要旨とするものであり、好ましくは架橋体を
形成した後に、この架橋体と親水性有機溶剤とを混合し
破砕後、乾燥するものである。
【0012】
【発明の実施の態様】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるガラクトマンナンは、多価金属イオ
ンと架橋でき、血液吸液性を与えるものであれば特に限
定されるものではない。例えばローカストビーンガム、
グアガムが挙げられるが、安価であることからグアガム
が好ましい。これらは未修飾のガラクトマンナンとその
誘導体との混合物であってもよい。ガラクトマンナン誘
導体としては、カルボキシルメチルガラクトマンナン、
カルボキシメチルヒドロキシプロピルガラクトマンナン
やヒドロキシプロピルガラクトマンナンなどが挙げられ
る。カルボキシル基の導入により吸水性能が向上する
が、逆にコストアップにつながるので、その割合は50
質量%以下が好ましく、さらには10質量%以下が好ま
しく、5質量%以下が最も好ましい。
【0013】ガラクトマンナンの分子量は10000以上が
好ましく、より好ましくは50000以上である。分子量が1
0000未満の場合は多価金属イオンで架橋しても強度のあ
るゲルを形成しないので不適当である。
【0014】ガラクトマンナンの水への溶解濃度は、ガ
ラクトマンナンが水に均一に膨潤でき、多価金属イオン
との架橋時にゲルが容易に作製出来る濃度であればとく
に限定されるものではないが、好ましくは0.1質量%〜
30質量%、さらに好ましくは0.5質量%〜20質量%
である。
【0015】またこの時の温度はガラクトマンナンが膨
潤でき、熱分解により分子量の低下を招かない温度であ
れば特に限定されるものではないが、好ましくは5〜80
℃、さらに好ましくは15〜60℃である。
【0016】次に、膨潤したガラクトマンナン又はその
誘導体に金属イオンを添加し架橋する。用いられる金属
イオンとしてはホウ素イオンは必須であり、ホウ素イオ
ンのほかに三価以上の多価金属イオンを必要とする。ホ
ウ素以外の三価以上の多価金属イオンとしては、チタン
イオン、ジルコニウムイオン、アルミニウムイオン、イ
ットリウムイオン、セリウムイオン等が挙げられるが、
安価で安全性が高いことから、チタンイオンまたはジル
コニウムイオンから1種または2種以上の組合わせが好
ましい。
【0017】ホウ素イオン、チタンイオン、ジルコニウ
ムイオンなどの金属イオンを添加するときの形態として
は特に限定されないが、ホウ素イオンに関しては四ホウ
酸ナトリウム十水和物の水溶液が好ましい。また、チタ
ンイオンはアルコキシド化合物が好ましく、Tyzor131、
TyzorTE(チタニウムIV トリエタノールアミネートイ
ソプロポキシド)、TyzorAA(チタニウムIV ジイソプ
ロポキシド ビスアセチルアミネート)、TyzorGBA、Ty
zorTOT(チタニウム テトラ-2-エチルヘキソキシ
ド)、TyzorTPT(チタニウムIVテトライソプロポキシ
ド)(以上デュポン社)、TAT(チタニウムIV イソプ
ロポキシオクチレン グリコレート)(以上ニッソー
社)、TEAT(チタニウムIVビストリエタノールアミネー
ト ジイソプロポキシド)、TAA(チタニウムIVビスア
セチルアセトネート ジイソプロポキシド)(以上三菱
ガス化学社製)などが挙げられる。ジルコニウムイオン
源としては塩化ジルコニウム、ジルコゾールAC-7(炭酸
ジルコニルアンモニウム)(ニューテックス社製)など
が挙げられる。
【0018】これらの金属イオンの添加量は、得られる
吸収材中で所定の含有量が得られる様に、洗浄などでの
消失分を見越して添加すればよい。具体的には、本発明
の第一の製造方法においては、得られる吸収材での含有
量として、ホウ素イオンをガラクトマンナン1kgあた
り1〜1000ミリモル含有するもので、好ましくは5
〜500ミリモル含有するものであり、さらに好ましく
は10〜400ミリモル含有するものであり、ホウ素以
外の三価以上の多価金属イオンをガラクトマンナン1k
gあたり1〜1000ミリモル含有するものであり、好
ましくは5〜500ミリモル含有するものであり、さら
に好ましくは5〜400ミリモル含有するものであるの
で、この工程で添加する量は、ホウ素イオンがガラクト
マンナン1kgあたり10〜2000ミリモル、ホウ素
以外の三価以上の多価金属イオンは、ガラクトマンナン
1kgあたり2〜1500ミリモル添加することが好ま
しい。
【0019】本発明の第二の製造方法においては、得ら
れる吸収材での含有量として、ホウ素イオンをガラクト
マンナン1kgあたり1〜1000ミリモル含有するも
ので、好ましくは1〜500ミリモル含有するものであ
り、さらに好ましくは1〜400ミリモル含有するもの
であり、ホウ素以外の三価以上の多価金属イオンをガラ
クトマンナン1kgあたり1〜1000ミリモル含有す
るものであり、好ましくは5〜1000ミリモル含有す
るもので、さらに好ましくは5〜900ミリモル含有す
るものであるので、この工程で添加する量は、ホウ素イ
オンをガラクトマンナン1kgあたり10〜2000ミ
リモル、ホウ素以外の三価以上の多価金属イオンをガラ
クトマンナン1kgあたり2〜1500ミリモル添加す
ることが好ましい。
【0020】ガラクトマンナンと金属イオンとの架橋ゲ
ルを形成させる時の温度は特に限定されないが、反応を
促進させるためにも5〜90℃が好ましく、10〜50℃がさ
らに好ましい。
【0021】架橋させる際には、ゾルと架橋剤である金
属イオンが均一に混合すればいかなる方法でも良く、ブ
レンダー、一軸の混練機、二軸の混練機、ニーダーなど
が挙げられる。
【0022】架橋したゲルを乾燥する方法としては、常
温乾燥、加熱乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥などの他に、ゲ
ル中の水分を炭素数1〜5個の一価のアルコール類(メ
タノール、エタノール、イソプロパノールなど)や炭素
数3〜6個のケトン(アセトンなど)のような溶媒また
はこれらの混合液をゲルの水分に対して30%以上添加し
てこれらの溶媒で置換する方法も採用できる。
【0023】本発明の第一又は第二の方法においては、
架橋したゲルを乾燥する前に、架橋したゲルを親水性有
機溶媒で脱水すれば、生理食塩水吸水性能、血液吸液性
能とも改善可能なので、好ましい。そのような方法とし
ては、脱水後の吸水能、吸水速度、吸水後のゲル強度を
低下させるような方法でなければいかなる方法でも構わ
ないが、架橋後のゲルを、ゲルの水分に対して30%以上
の親水性有機溶媒と混合し、これらの溶媒でゲル中の水
分と置換する方法が好ましい。
【0024】ここで挙げる親水性有機溶媒とは炭素数1
〜5個の一価のアルコール類(メタノール、エタノー
ル、イソプロパノールなど)や炭素数3〜6個のケトン
(アセトンなど)のような溶媒またはこれらの混合液な
どが挙げられる。
【0025】親水性有機溶媒による脱水の際、または脱
水後に必要に応じて再度金属イオンを添加して架橋して
も構わない。親水性有機溶媒、水および脱水されたゲル
の混合物中に架橋剤を添加する方法などが挙げられる。
【0026】本発明の製造方法により得られる吸収材の
形状は、特に限定されるものではなく、例えば、顆粒
状、シート状、フィルム状、粉末状、断片状、薄片状、
棒状、繊維状などであるが、これらの形状は乾燥後に成
形されてもよいし、乾燥時にゲルをこのような形状の成
形器内に入れて乾燥してもよい。
【0027】本発明の製造方法においては、さらに、必
要に応じて、単糖類、キレート剤等の有機化合物、無機
塩類、コロイダルシリカ、層状珪酸塩、ゼオライト、タ
ルク、ホワイトカーボン、超微粒子状シリカ、酸化チタ
ン粉末等の無機化合物、防臭剤、消臭剤、香料、各種の
無機粉末、発泡剤、顔料、染料、抗菌剤、発泡剤、親水
性短繊維、可塑剤、粘着剤、界面活性剤、肥料、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、防カビ剤、酸化剤、還元
剤、水、塩類等を添加し、これにより、吸収材に種々の
機能を付与することができる。
【0028】ここで用いられる無機粉末としては、水性
液体等に対して不活性な物質、例えば、各種の無機化合
物の微粒子、粘土鉱物の微粒子等が挙げられる。該無機
粉体は、水に対して適度な親和性を有し、かつ、水に不
溶もしくは難溶であるものが好ましい。具体的には、例
えば、二酸化珪素や酸化チタン等の金属酸化物、天然ゼ
オライトや合成ゼオライト等の珪酸(塩)、カオリン、
タルク、クレー、ベントナイト等が挙げられる。また場
合によっては架橋遅延剤を添加することも可能である。
【0029】無機粉末の添加量は、吸収材および無機粉
体の組み合わせ等にもよるが、吸収材100質量部に対
し0.001〜10質量部の範囲内、より好ましくは
0.01〜5質量部の範囲内とすればよい。
【0030】以上述べた製造方法により得られる吸収材
は、それぞれ以下のような血液吸収性能を有しているも
のである。すなわち、本発明の第一の製造方法により得
られる吸収体は、自重の5倍量の血液を吸液開始から6
0秒以内に吸収するものであり、好ましくは40秒以
内、さらに好ましくは30秒以内に吸収するものであ
る。
【0031】本発明の第二の製造方法により得られる吸
収材は、自重の5倍量の血液を吸液した後、さらに自重
の3倍量の血液を10分以内に吸収するものであり、好
ましくは8分以内、さらに好ましくは5分以内に吸収す
るものである。
【0032】ここで、各種血液吸収性能の測定法は以下
の通りである。 〔血液吸収速度〕血液吸収速度とは、血液吸液開始直後
に自重の5倍の馬血液を吸収する時間とし、以下の方法
により測定して得られた値をいう。アルミカップ(内径
4.2cm)に吸収材1.0gを入れ、自重の5倍量の馬血液(抗
凝固剤にはヘパリンを使用)を添加し、完全に吸収する
までの時間を測定した。
【0033】〔繰り返し血液吸収速度〕繰り返し血液吸
収可能な吸収材とは自重の5倍の血液を吸収したゲルの
血液吸収量が3倍以上である吸収材のことをいう。ここ
でいう自重の5倍の馬血液を吸収した吸収材とはアルミ
カップ(内径4.2cm)に吸収材1.0gを入れ、自重の5倍量
の馬血液(抗凝固剤にはヘパリンを使用)を添加し、完
全に吸収したものをいう。繰り返し血液吸収速度は以下
の方法で測定して得られた値をいう。上記の、自重の5
倍量の馬血液を吸収した吸収材に再度自重の3倍量の血
液を添加し、完全に吸収するまでの時間および状態を測
定した。状態の判定は、自重の3倍量の血液を添加して
から5分以内に吸収した場合をA、8分以内に吸収した
場合をB、10分以内に吸収した場合をC、吸収しなかっ
た場合をDとした。
【0034】本発明の製造方法で得られた吸収材は、血
液に対して優れた吸収特性を示すものであるが、血液と
同様にタンパク質成分を含む牛乳や軟便、おりものなど
の水性成分に対しても優れた吸収特性を示す。また、従
来の吸収材と同様に生理食塩水や、人工尿などに対して
も優れた吸水性を示すものである。
【0035】上述より、本発明の製造方法で得られた吸
収材は、例えば、パルプ等の繊維質材料と組み合わせる
ことにより、吸収性物品とすることができる。そのよう
な吸収性物品としては、例えば、生理用ナプキン、紙お
むつ、失禁パッド、などの衛生材料の他、外科用血液吸
収物品、手術用廃液処理材等を挙げることができる。ま
た、各種トイレタリー用品、創傷被覆材、湿布材などの
医薬、メディカル用品などに好適に用いられる。
【0036】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例並びに比較例で用いた測定法
は、上記の通りである。また、血液保液量、生理食塩水
吸水性能は下記の通りである。 〔血液保液量〕250メッシュのナイロン製ティーバッグ
に吸収材0.1gを入れ、40mlの馬血液(抗凝固剤にはヘパ
リンを使用)にティーバッグを1時間浸し、ティーバッ
グを引き上げ、1000回転の遠心分離機で90秒水切りを行
った後、ティーバッグ内のゲルを回収し、その質量を測
定した。膨潤した吸収材の質量から吸水材の質量を減
じ、膨潤前の吸収材の質量で除した値を血液保液量(g
/g吸収材)とした。
【0037】また、生理食塩水吸水性能の測定方法は以
下の通りである。 〔生理食塩水吸水性能〕ティーバッグ法にて0.9質量%
塩化ナトリウム水溶液を用いて行った。250メッシュの
ナイロン製ティーバッグに吸収材1gを入れ、1Lの0.9質
量%塩化ナトリウム水溶液にティーバッグを1時間浸
し、ティーバッグを引き上げ、10分間水切りを行った
後、その質量を測定した。吸収材の吸水量は、1時間水
に浸した吸収材が入っていないティーバッグの質量をブ
ランクとし、吸水して膨潤した吸収材が入ったティーバ
ッグの質量から膨潤前の吸収材の質量とブランクの質量
を減じた値を膨潤前の吸収材の質量で除した値を生理食
塩水の吸水量(g/g樹脂)とした。バッグからの漏れ
の評価は生理食塩水吸水後のゲルが入ったバッグの外側
の触感において、ゲルのぬめりを感じた場合に有り、感
じなかった場合を無しとした。
【0038】実施例1(本発明の第一の製造方法) グアガム(三栄薬品貿易社製)2質量%水溶液を、膨潤
させ、ゾル液を作製した。30分間膨潤後、そのゾル液20
0mlにTEAT(チタニウムIV ビストリエタノールアミネ
ート ジイソプロポキシド)(三菱ガス化学社)溶液を
チタンイオン換算量としてグアガム1kg当たり15ミリモ
ル、四ホウ酸ナトリウム十水和物水溶液をホウ素イオン
換算量としてグアガム1kg当たり500ミリモルになるよう
に添加し、ブレンダーで混合しながら十分に架橋させ
た。このゲルと等量のエタノールを添加し、ブレンダー
でゲルを破砕、脱水した。その溶液にTEATをグアガム1
kg当たり118ミリモルになるように添加し、20分間撹拌
した後、グアガム架橋体をエタノールで洗浄、濾過、乾
燥し、本発明の吸収材を得、0.9wt%生理食塩水吸水性
能、血液保液量、吸収速度を測定した。結果を表1、表
2に示した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】実施例2(本発明の第一の製造方法) グアガム(三栄薬品貿易社製)6質量%水溶液を、膨潤
させ、ゾル液を作製した。30分間膨潤後、そのゾル液10
0mlにTEAT(チタニウムIV ビストリエタノールアミネ
ート ジイソプロポキシド)(三菱ガス化学社)溶液を
チタンイオン換算量としてグアガム1kg当たり15ミリモ
ル、四ホウ酸ナトリウム十水和物水溶液をホウ素イオン
換算量としてグアガム1kg当たり250ミリモルになるよう
に添加し、ブレンダーで混合しながら十分に架橋させ
た。このゲルと等量のエタノールを添加し、ブレンダー
でゲルを破砕、脱水した。その溶液にTEATをグアガム1
kg当たり85ミリモルになるように添加し、20分間撹拌し
た後、グアガム架橋体をエタノールで洗浄、濾過、乾燥
し、本発明の吸収材を得、0.9wt%生理食塩水吸水性能、
血液保液量、吸収速度を測定した。結果を表1、表2に
示した。
【0042】実施例3(本発明の第一の製造方法) グアガム(三栄薬品貿易社製)2質量%水溶液を、膨潤
させ、ゾル液を作製した。30分間膨潤後、そのゾル液10
0mlにTEAT(チタニウムIV ビストリエタノールアミネ
ート ジイソプロポキシド)(三菱ガス化学社)溶液を
チタンイオン換算量としてグアガム1kg当たり15ミリモ
ル、四ホウ酸ナトリウム十水和物水溶液をホウ素イオン
換算量としてグアガム1kg当たり500ミリモルになるよう
に添加し、ブレンダーで混合しながら十分に架橋させ
た。このゲルと等量のエタノールを添加し、ブレンダー
でゲルを破砕、脱水した。その溶液にTEATをグアガム1
kg当たり60ミリモルになるように添加し、20分間撹拌し
た後、グアガム架橋体をエタノールで洗浄、濾過、乾燥
し、本発明の吸収材を得、0.9wt%生理食塩水吸水性能、
血液保液量、吸収速度を測定した。結果を表1、表2に
示した。
【0043】実施例4(本発明の第一の製造方法) グアガム(三栄薬品貿易社製)6質量%水溶液を、膨潤
させ、ゾル液を作製した。30分間膨潤後、そのゾル液10
0mlにジルコゾールAC-7(ニューテックス社製)をグア
ガム1kg当たり10ミリモル(ジルコニウムイオン換算
量)、四ホウ酸ナトリウム十水和物水溶液をホウ素イオ
ン換算量としてグアガム1kg当たり250ミリモルになるよ
うに添加し、ブレンダーで混合しながら十分に架橋させ
た。このゲルと等量のエタノールを添加し、ブレンダー
でゲルを破砕、脱水した。その溶液にTEATをグアガム1
kg当たり50ミリモルになるように添加し、20分間撹拌し
た後、グアガム架橋体をエタノールで洗浄、濾過、乾燥
し、本発明の吸収材を得、0.9wt%生理食塩水吸水性
能、血液保液量、吸収速度を測定した。結果を表1、表
2に示した。
【0044】実施例5(本発明の第一の製造方法) グアガム(三栄薬品貿易社製)6質量%水溶液を、膨潤
させ、ゾル液を作製した。30分間膨潤後、そのゾル液10
0mlにTEAT(チタニウムIV ビストリエタノールアミネ
ート ジイソプロポキシド)(三菱ガス化学社)溶液を
チタンイオン換算量としてグアガム1kg当たり50ミリモ
ル、四ホウ酸ナトリウム十水和物水溶液をホウ素イオン
換算量としてグアガム1kg当たり250ミリモルになるよう
に添加し、ブレンダーで混合しながら十分に架橋させ
た。このゲルと等量のエタノールを添加し、ブレンダー
でゲルを破砕、脱水し、さらにエタノールで洗浄し乾燥
することにより本発明の吸収材を得、0.9wt%生理食塩水
吸水性能、血液保液量、吸収速度を測定した。結果を表
1、表2に示した。
【0045】比較例1 グアガム(三栄薬品貿易社製)の0.9wt%生理食塩水吸水
性能、血液保液量、吸収速度を測定した。結果を表1、
表2に示した。
【0046】比較例2 グアガム(三栄薬品貿易社製)6質量%水溶液を、膨潤
させ、ゾル液を作製した。30分間膨潤後、そのゾル液10
0mlに四ホウ酸ナトリウム十水和物水溶液をホウ素イオ
ン換算量としてグアガム1kg当たり250ミリモルになるよ
うに添加し、ブレンダーで混合しながら十分に架橋させ
た。このゲルと等量のエタノールを添加し、ブレンダー
でゲルを破砕、脱水した。グアガム架橋体をエタノール
で洗浄、濾過、乾燥し、本発明の吸収材を得、0.9wt%生
理食塩水吸水性能、血液保液量、吸収速度を測定した。
結果を表1、表2に示した。
【0047】比較例1、2で得られた吸収材はナイロン
バッグからのゲル漏れがかなり認められた。また、吸液
後のゲルは液状の部分が多く存在し、粒子間の粘着が著
しかった。
【0048】実施例6(本発明の第二の製造方法) グアガム(三栄薬品貿易社製)6質量%水溶液を、膨潤
させ、ゾル液を作製した。1時間膨潤後、そのゾル液に
TEAT(チタニウムIV ビストリエタノールアミネート
ジイソプロポキシド)(三菱ガス化学社)溶液をチタン
イオン換算量としてグアガム1kg当たり50ミリモル、四
ホウ酸ナトリウム十水和物水溶液をホウ素イオン換算量
としてグアガム1kg当たり100ミリモルになるように添加
し、ブレンダーで混合しながら十分に架橋させた。その
後、グアガム架橋体をエタノールで洗浄、濾過、乾燥
し、本発明の吸収材を得、0.9wt%生理食塩水吸水性能、
血液5倍吸収ゲルの血液吸収能を測定した。結果を表
1、表3に示した。
【0049】
【表3】
【0050】実施例7(本発明の第二の製造方法) グアガム(三栄薬品貿易社製)6質量%水溶液を、膨潤
させ、ゾル液を作製した。30分膨潤後、そのゾル液100m
lにTEAT(チタニウムIV ビストリエタノールアミネー
ト ジイソプロポキシド)(三菱ガス化学社)溶液をチ
タンイオン換算量としてグアガム1kg当たり8ミリモル、
四ホウ酸ナトリウム十水和物水溶液をホウ素イオン換算
量としてグアガム1kg当たり100ミリモルになるように添
加し、ブレンダーで混合しながら十分に架橋させた。こ
のゲルと等量のエタノールを添加し、ブレンダーでゲル
を破砕、脱水した。その溶液にTEATをグアガム1kg当た
り100ミリモルになるように添加し、20分間撹拌した
後、グアガム架橋体をエタノールで洗浄、濾過、乾燥
し、本発明の吸収材を得、0.9wt%生理食塩水吸水性能、
血液吸収量を測定した。結果を表1、表3に示した。
【0051】実施例8(本発明の第二の製造方法) グアガム(三栄薬品貿易社製)6質量%水溶液を、膨潤
させ、ゾル液を作製した。30分膨潤後、そのゾル液100m
lにジルコゾールAC-7(ニューテックス社製)をグアガ
ム1kg当たり15ミリモル(ジルコニウムイオン換算
量)、四ホウ酸ナトリウム十水和物水溶液をホウ素イオ
ン換算量としてグアガム1kg当たり100ミリモルになるよ
うに添加し、ブレンダーで混合しながら十分に架橋させ
た。このゲルと等量のエタノールを添加し、ブレンダー
でゲルを破砕、脱水した。その溶液にTEATをグアガム1
Kg当たり100ミリモルになるように添加し、20分間撹拌
した後、グアガム架橋体をエタノールで洗浄、濾過、乾
燥し、本発明の吸収材を得、0.9wt%生理食塩水吸水性
能、血液5倍吸収ゲルの血液吸収能を測定した。結果を
表1、表3に示した。
【0052】実施例9(本発明の第二の製造方法) グアガム(三栄薬品貿易社製)6質量%水溶液を、膨潤
させ、ゾル液を作製した。30分膨潤後、そのゾル液100m
lにTEAT(チタニウムIV ビストリエタノールアミネー
ト ジイソプロポキシド)(三菱ガス化学社)溶液をチ
タンイオン換算量としてグアガム1kg当たり300ミリモ
ル、四ホウ酸ナトリウム十水和物水溶液をホウ素イオン
換算量としてグアガム1kg当たり60ミリモルになるよう
に添加し、ブレンダーで混合しながら十分に架橋させ
た。このゲルと等量のエタノールを添加し、ブレンダー
でゲルを破砕、脱水した。その後、グアガム架橋体をエ
タノールで洗浄、濾過、乾燥し、本発明の吸収材を得、
0.9wt%生理食塩水吸水性能、血液5倍吸収ゲルの繰り返
し血液吸収速度を測定した。結果を表1、表3に示し
た。
【0053】表3で見られるように本発明の吸収材は、
自重の5倍の血液を吸収したゲルの血液吸収が明らかに
優れていることが分かる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、血液の吸収性能に優れ
た吸収材、および繰り返し血液吸収性に優れた吸収材を
製造することができる。よって血液を短時間で吸収する
ことと、一旦血液を吸収した吸収材が再度血液を吸収す
ることが可能な吸収材を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 15/60 Fターム(参考) 3B029 BA17 4C003 AA23 AA24 4C098 AA09 CC18 DD05 DD30 4G066 AA11D AA56D AC10A AC10B BA02 BA16 BA36 CA20 CA56 DA12 DA13 EA05 EA20 FA03 FA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラクトマンナンを水に溶解・膨潤し
    て、ガラクトマンナンゾルを形成し、次いでホウ素及び
    ホウ素以外の三価以上の多価金属イオンを添加して架橋
    体を形成し乾燥することを特徴とする、自重の5倍量の
    血液を吸液開始から60秒以内に吸収することができる
    吸収材の製造方法。
  2. 【請求項2】 ガラクトマンナンを水に溶解・膨潤し
    て、ガラクトマンナンゾルを形成し、次いでホウ素及び
    ホウ素以外の三価以上の多価金属イオンを添加して架橋
    体を形成し乾燥することを特徴とする、自重の5倍量の
    血液を吸収した後に、さらに自重の3倍量の血液を10
    分以内に吸収することができる吸収材の製造方法。
  3. 【請求項3】 架橋体を形成した後、この架橋体と親水
    性有機溶剤とを混合し破砕後、乾燥することを特徴とす
    る請求項1又は2記載の吸収材の製造方法。
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