JP2003310736A - 拡散器 - Google Patents

拡散器

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JP2003310736A JP2002124636A JP2002124636A JP2003310736A JP 2003310736 A JP2003310736 A JP 2003310736A JP 2002124636 A JP2002124636 A JP 2002124636A JP 2002124636 A JP2002124636 A JP 2002124636A JP 2003310736 A JP2003310736 A JP 2003310736A
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卓生 松久
Masaharu Isono
正春 磯野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬液の滴下作業を簡易かつ迅速に行うことが
できる小型で簡易な構造の携帯式芳香器を提供する。 【解決手段】 本芳香器1は、電動ファン3を収納する
箱状のケース本体5と、このケース本体5の開口部5a
を開閉するように、ケース本体5に対して閉鎖位置Aと
開放位置Bとの間でスライド自在に支持されるスライド
部材6とを備え、このスライド部材6に、その一部を外
方に突出して露出させた状態でパルプ部材4を保持さ
せ、スライド部材6を閉鎖位置Aに位置させたとき、ス
ライド部材6に保持されたパルプ部材4の一部を収納可
能なパルプ部材収納室18を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は拡散器に関し、更に
詳しくは、精油等の滴下作業などを簡易かつ迅速に行う
ことができる小型で簡易な構造の拡散器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から緊張を和らげてリラックスする
ために、あるいは気分転換や集中力を増すために、芳香
を楽しむことは広く行われている。この芳香を楽しむ際
の従来の芳香器として、送風口を有するケース内に、送
風手段及び被送風体を設けてなるものが知られている
(2001−252343号公報等)。そして、上記被
送風体(例えば、不織布製吸収パッド等)に、数滴の精
油等を滴下して染み込ませ、送風手段の送風作用によっ
て、被送風体の芳香を送風口から周囲に発散させて芳香
を楽しむことが行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の芳
香器では、ケースは、送風手段及び被送風体を収納する
ケース本体と、このケース本体に弾性フック部を介して
着脱自在に取付けられ上記被送風体を覆い得るカバー部
材とから構成されているので、上述のように精油等を被
送風体に滴下させる作業などの際、弾性フック部を指先
操作によって弾性変形させてケース本体に対してカバー
部材を着脱する必要があり、その着脱作業が煩雑なもの
となっている。また、精油等の滴下作業などの際、ケー
ス部材からカバー部材が完全に分離された状態となって
おり、誤ってカバー部材を落下して破損したり、紛失し
たりする恐れがある。また、上記従来の芳香器では、比
較的小型で簡易な構造とされ、旅行先、オフィスや車内
等に携帯できるようになっているが、更なる小型で簡易
な構造で携帯性を高めたものが望まれている。
【0004】以上より本発明は、上記現状に鑑みてなさ
れたものであり、精油等の滴下作業などを簡易かつ迅速
に行うことができる拡散器を提供することを目的とす
る。また、本発明は、上記目的に加え、小型で簡易な構
造で携帯性の高い拡散器を提供することを他の目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の拡散器は、送風
口を有するケース内に、送風手段及び被送風体を設けて
なる拡散器であって、前記ケースは、前記送風手段を収
納するケース本体と、該ケース本体の開口部を開閉する
ように該ケース本体に移動自在に支持される移動部材と
を備え、該移動部材の移動によって前記ケース本体の前
記開口部を開放させたとき、前記被送風体が外方へ露出
されるようにしたことを特徴とする。また、記移動部材
は、前記被送風体の一部を外方へ露出させた状態で該被
送風体を保持する保持部を有し、前記ケース本体は、前
記被送風体の前記一部を収納可能な収納部を有すること
ができる。また、前記移動部材は、前記ケース本体に所
定間隔でスライド自在に支持されていることができる。
また、前記被送風体及び前記送風手段は、前記ケース内
で前記移動部材のスライド方向に沿って並設されている
ことができる。さらに、前記移動部材は吸気口を有し、
前記ケース本体は前記送風口を有し、該吸気口と該送風
口とのスライド方向の位相がずらされていることができ
る。また、前記拡散器が芳香器であることができる。さ
らに、前記拡散器が携帯式であることができる。
【0006】上記「被送風体」としては、その材質、形
状、大きさ等は特に問わない。上記被送風体は、通常、
送風手段による送風気流に晒され得るように配置されて
いる。上記被送風体は、例えば、精油(エッセンシャル
オイル)、香水、オキシフル、無臭性薬液等の機能液を
吸収する不織布製、織布製、スポンジ製等の機能液吸収
体であることができる。これらの構成素材としては、例
えば、パルプ、繊維(合成繊維、天然繊維等)などを用
いることができる。また、上記機能液吸収体は、例え
ば、機能液の揮発性等を向上させ得る切り込みや貫通孔
等の揮発性向上手段を有することができる。また、上記
被送風体は、例えば、トルマリン粉末や固形芳香剤等の
機能物質を予め含有(又は付着)する不織布製、織布
製、スポンジ製等の機能物質含有体であることができ
る。これらの構成素材としては、例えば、パルプ、繊維
(合成繊維、天然繊維等)などを用いることができる。
また、上記被送風体は、例えば、上記機能物質自身であ
ることができる。また、上記被送風体は、例えば、上記
機能液や上記機能物質を収容する皿状、つぼ状、網状等
の収容体であることができる。また、上記機能液として
は、例えば、液状物質自身であったり、抽出液等の液状
組成物であったり、固体状又は液体状を問わずこれを適
当な溶媒体で溶解させて得た溶解液であったりできる。
また、上記機能液又は機能物質の作用としては、例え
ば、心身への各種作用、皮膚への各種作用、細菌やウイ
ルス、虫などに対する各種作用等を挙げることができ
る。上記心身への各種作用としては、例えば、鎮静作用
(心や身体の働きをリラックスさせる。)、鎮痛作用
(各種痛みを和らげる。)、消化・食欲増進作用(胃腸
の働きをよくする。)、ホルモン調節作用(ホルモンの
分泌を調整する。)、刺激作用(心や身体の活動を刺激
し高める。)、強壮作用(身体を活性化し強化させ
る。)、免疫賦活作用(免疫の働きを強め活性化す
る。)、利尿作用等を挙げることができる。また、皮膚
への各種作用としては、例えば、収れん作用(皮膚を引
き締める。)、保湿作用(皮膚に潤いを与え乾燥を防
ぐ。)等を挙げることができる。さらに、細菌やウイル
ス、虫などに対する各種作用としては、例えば、殺菌作
用(バクテリアなどの菌を殺す。精油としてはティート
リー等)、抗菌作用(細菌の増殖を抑える。精油として
はレモングラス等)、抗真菌作用(カビの増殖を抑え
る。精油としてはレモングラス等)、抗ウイルス作用
(ウイルスの増殖を抑える。精油としてはティートリ
ー、ユーカリ、ペパーミント、カモミール等)、殺虫・
虫除け作用(虫を殺したり除いたりする。精油としては
シトロネラ等)等を挙げることができる。なお、上記機
能液又は機能物質は、上記各種作用のうち1つ又は2以
上を組合わせた作用を発揮することができる。また、上
記精油としては、例えば、ペパーミント、ローズマリ
ー、ユーカリ、レモン、バジル、タイム、ニアウリ、セ
ージ、レモングラス、クラリセージ、オレンジ、パルマ
ローズ、バーベナ、シトロネラ、シナモン、マンダリ
ン、パイン、ローズウッド、ベルガモット、イラン・イ
ラン、ゼラニウム、シダーウッド、ティートリー、ロー
ズ、バチュリー、サイブレス、ジェニパー、ジャスミ
ン、フィンネル、フランキンセンス、ラベンダー、グレ
ープフルーツ、カモマイル、マージョラム、サンダルウ
ッド、ネロリ等を挙げることができる。特に、風邪や花
粉症等に有効な精油としては、例えば、ユーカリ(抗ウ
イルス、殺菌、消炎、鎮痛作用等を有する。)、ペパー
ミント(心身への冷却作用や刺激作用等を有する。)、
ティートリー(殺菌、消毒、ウイルス・真菌・細菌・感
染症等の緩和作用等を有する。)、レモン(リフレッシ
ュ作用等を有する。)、オレンジ・スイート(心身のリ
ラックス作用等を有する。)、ラベンダー(鎮静、鎮
痛、消毒・殺菌、抗ウイルス作用等を有する。)、カモ
ミール・ローマン(リラックス、ホルモン調整作用等を
有する。)などを挙げることができる。さらに、上記
「ケース」としては、その材質、形状、大きさ等は特に
問わない。例えば、ガラス製、陶器製、合成樹脂製及び
金属製のケースを挙げることができる。これらのうち、
拡散器の持ち運びを容易とするために重量が軽くなる合
成樹脂製であることが好ましい。また、デザイン性等の
観点から透明合成樹脂製であったり、すりガラス加工が
施されていたりすることが好ましい。さらに、ハンドリ
ング性等の観点から、全体として扁平な卵型形状である
ことが好ましい。さらに、上記「携帯式」とは、通常、
旅行先、オフィス、車内等に持ち運び可能なタイプを意
味する。
【0007】上記「拡散器」としては、例えば、前記ケ
ース本体が、一対の上下側ケース部材と、これら上下側
ケース部材間に設けられる中間ベース部材とを備えるこ
とができる。これにより、各部材間に送風手段や被送風
体等を収納する収納室を形成することができ、小型で簡
易な構造とすることができる。また、上記拡散器として
は、例えば、前記移動部材はスライド部を有し、前記ケ
ース本体は、このスライド部を所定間隔でスライド自在
に案内する案内部を有することができる。これにより、
移動部材をより円滑にスライド移動させることができ
る。上記拡散器としては、例えば、前記送風手段は、駆
動モータと、この駆動モータの駆動軸に固定される羽根
体とからなる電動ファンを備えることができる。そし
て、上記羽根体を、その回転軸線を前記移動部材のスラ
イド方向に沿うように設けることができる。これによ
り、さらに小型で簡易な構造とすることができる。さら
に、上記拡散器としては、例えば、前記保持部は、前記
被送風体を保持する薄板状の複数の保持片を有して構成
することができる。これにより、被送風体は必要最小限
の保持面積で保持され、即ち、被送風体の大部分の面域
が開放されており、より効率良く有効成分を揮散させる
ことができる。また、上記拡散器は、例えば、拡散器を
身体に対して携帯するためのストラップ、ベルト、フッ
ク等の携帯手段を備えることができる。これにより、例
えば、ストラップを介して拡散器を首や腰等から吊下げ
たり、ベルトを介して拡散器を腰や腕等につけたりし
て、その携帯性をより向上させることができる。そし
て、この拡散器を、首や腰等から吊下げた状態(あるい
は、腰や腕等につけた状態)のままで、芳香を楽しんだ
り、虫除け作用を発揮させたりできる。また、拡散器
を、首や腰等から吊下げた状態(あるいは、腰や腕等に
つけた状態)であれば、後述するように、拡散器を鼻先
等で局部的に使用する際、これに容易かつ迅速に対応す
ることができる。
【0008】
【発明の効果】本発明の拡散器によると、移動部材の移
動によりケース本体の開口部を開放させると、ケース本
体又は移動部材に保持された被送風体の一部が外方へ露
出されることとなる。従って、その露出状態の被送風体
に精油等を簡易かつ迅速に滴下したり、その露出状態の
被送風体を簡易かつ迅速に交換したりすることができ
る。また、精油等の滴下作業などの際、ケース本体と移
動部材とは分離されないので、例えば、移動部材を紛失
してしまう等の心配がない。さらに、移動部材の移動に
よってケース本体の開口部を迅速に閉鎖することができ
る。また、移動部材が被送風体を保持し、ケース本体が
被送風体の一部を収納するように構成する場合は、移動
部材の移動によりケース本体の開口部を開放させたと
き、移動部材に一部が露出された被送風体が保持されて
いるので、精油等の滴下作業などをより簡易・迅速に行
うことができる。また、ケース本体に移動部材を所定間
隔でスライド自在に支持するように構成する場合は、移
動部材をより円滑に移動させることができ、精油等の滴
下作業などをより簡易・迅速に行うことができる。ま
た、被送風体及び送風手段をケース内でスライド方向に
沿って並設するように構成する場合は、より小型で簡易
な構造で携帯性を高めることができる。また、移動部材
に設けた吸気口と、ケース本体に設けた送風口とのスラ
イド方向の位相をずらして構成する場合は、さらに小型
で簡易な構造で携帯性を高めることができる。また、前
記拡散器が芳香器である場合は、精油等の滴下作業など
を簡易かつ迅速に行うことができる芳香器を提供するこ
とができる。さらに、前記拡散器が携帯式である場合
は、精油等の滴下作業などを簡易かつ迅速に行うことが
できる携帯式拡散器を提供することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、図1〜3を参照して本発明
を実施例により具体的に説明する。 (1)携帯式芳香器の構成 本実施例に係る携帯式芳香器1は、図1に示すように、
平面形状が卵形のケース2と、このケース2内に収容さ
れる電動ファン3(送風手段として例示する。)及びパ
ルプ部材4(被送風体として例示するパルプからなる液
吸収部材)とを基本的に備えて構成される。このケース
2は、図2,3に示すように、一方側に開口部5a(図
4参照)を有する箱状のケース本体5と、このケース本
体5にスライド方向Sにスライド自在に支持され一方側
に開口部6a(図4参照)を有する箱状のスライド部材
6(移動部材として例示する。)とを備えている。これ
らケース本体5及びスライド部材6の互いの開口縁を当
接させた状態で、両部材5,6の開口部5a,6aは閉
鎖されるようになっている。
【0010】上記ケース本体5は、皿状の下側ケース部
材7と、この下側ケース部材7の上面側に設置される中
間ベース部材8と、下側ケース部材7の周縁部に合せて
設置され中間ベース部材8を覆う上側ケース部材9とを
備えている。上記中間ベース部材8と上側ケース部材9
との間には、電動ファン3を構成する羽根体11を収納
する羽根体収納室16と、電動ファン3を構成する駆動
モータ12やスイッチ13等を収容する収納室17と、
パルプ部材4の一部を収納するパルプ部材収納室18
(収納部として例示する。)とが形成されている。この
羽根体収容室16は、パルプ部材収容室18及び上側ケ
ース部材9に貫通形成した複数(図1で3つ)の送風口
19に連通している。
【0011】また、上記羽根体収納室16とパルプ部材
収納室18とは、スライド方向Sに隣接して配置されて
おり、即ち、各室16,18に収納される羽根体11及
びパルプ部材4はスライド方向Sに沿って並設されるこ
ととなる。また、下側ケース部材7と中間ベース部材8
との間には、駆動モータ12の駆動用電池14を収納す
る電池収納室20と、スライド部材6をスライド自在に
案内するための案内部21が形成されている。この案内
部21は、スライド方向Sに沿って延びる上下左右の案
内面と、上下方向に延びる規制ピン23とを有してい
る。
【0012】上記スライド部材6の下側壁部には、複数
(図1で3つ)の吸気口25が貫通形成されている。ま
た、スライド部材6は、平板状のパルプ部材4(被送風
体として例示する。)を収納・保持する保持部26と、
上述の案内部21によりスライド自在に案内される平板
状のスライド部27とを有している。この保持部26
は、複数(図2で3つ)の薄板状の上下の保持片28
a,28bを有し、これら上下の保持片28a,28b
間に挟持されるパルプ部材4はケース2の高さ方向の略
中央部に位置している。また、この保持部26に保持さ
れたパルプ部材4の半円状の部位がスライド部材6の内
部空間内に位置する一方、パルプ部材4の舌片状の部位
がスライド部材6の開口部6aから外方へ突出して露出
している。
【0013】また、上記スライド部27には、スライド
方向Sに沿って延びる長孔状の案内孔31が形成され、
この案内孔31に上記案内部21の規制ピン23が挿通
されている。従って、後述するように、スライド部材6
は、ケース本体5と当接して両部材5,6の開口部5
a,6aを閉鎖する閉鎖位置Aと、ケース本体5から離
間して両部材5,6の開口部5a,6aを開放する開放
位置B(図4,5参照)との間でスライドすることとな
る。尚、ケース本体5又はスライド部材6の開口縁には
凸部(図示せず)が形成され、両部材の開口縁を当接さ
せた際、凸部又は凸部と対応する相手部材の弾性変形に
よって両部材5,6の当接状態が好適に維持されるよう
になっている。また、図3に示すように、下側ケース部
材7の長手方向の一端側にはストラップ取付用の穴41
が形成され、この穴41にストラップ40が取付けられ
ている。従って、本実施例の携帯式芳香器1は、このス
トラップ40を介して首や腰等から吊下げて携帯できる
ようになっている。さらに、図5に示すように、パルプ
部材4には、精油等の揮発性等を向上させるための切り
込み50が形成されている。
【0014】(2)携帯式芳香器の作用 次に、以上のように構成された携帯式芳香器1の作用に
ついて説明する。芳香を楽しむ際の準備作業として、パ
ルプ部材4に精油を滴下する場合、図2,3に示すよう
に、ケース本体5に対して閉鎖位置Aに位置するスライ
ド部材6を指先操作によってスライド方向にスライドさ
せて、両部材5,6の開口部5a,6aを開放させる。
そして、図4,5に示すように、スライド部材6を開放
位置Bに位置させると、パルプ部材4の舌片状の部位が
パルプ部材収納室18内から抜け出して外方へ突出して
露出された状態となる。この露出状態のパルプ部材4に
対して薬液ボトル等に封入されている精油を滴下して十
分染み込ませる。尚、図4に仮想線で示すように、スラ
イド部材6を開放位置Bに位置させた状態で、スライド
部材6の保持部26に保持されているパルプ部材4を別
のパルプ部材4に容易に交換することができる。
【0015】その後、開放位置Bに位置するスライド部
材6を再び閉鎖位置Aに戻して、両部材5,6の開口部
5a,6aを閉鎖させる。すると、図2,3に示すよう
に、パルプ部材4の舌片状の部位がパルプ部材収納室1
8内に収納される。また吸気口25、パルプ部材収納室
18、羽根体収納室16及び送風口19は互いに連通し
ている。この状態より、スイッチ13の押しボタン操作
によって駆動モータ12を駆動させて羽根体11を回転
させる。すると、吸気口25から吸引される空気流によ
りパルプ部材4から揮散する芳香がパルプ部材収納室1
8及び羽根体収納室16を介して送風口19から外方に
発散され、この芳香を楽しむことができる。なお、携帯
式芳香器1を、上記ストラップ40を介して首や腰等か
ら吊下げた状態で送風作動して芳香を楽しんだり、床面
やテーブル等に載置した状態で送風作動して芳香を楽し
んだりすることとなる。
【0016】(3)実施例の効果 以上より本実施例の携帯式芳香器1では、パルプ部材4
を保持するスライド部材6にスライド部27を設け、ケ
ース本体5に、スライド部27をスライド方向Sに沿っ
てスライド自在に案内する案内部21を設けて構成した
ので、ケース本体5に対してスライド部材6を閉鎖位置
Aと開放位置Bとの間で迅速に変位させることができ
る。そして、スライド部材6を開放位置Bに位置させた
とき、パルプ部材4の舌片状の部位が外方へ突出して露
出され、その露出状態のパルプ部材4に精油を簡易かつ
迅速に滴下することができる。また、スライド部材6を
閉鎖位置Aに位置させたとき、ケース2内にパルプ部材
4全体が収納されることとなり、この携帯式芳香器1の
一時的な未使用時等に、パルプ部材4無駄な芳香の揮散
を防止することができる。さらに、ケース本体5の規制
ピン23とスライド部材6の案内孔31との係止によっ
て、ケース本体5からスライド部材6が分離してしまう
ことが防止され、スライド部材6のみを紛失・破損して
しまう等の心配がない。
【0017】また、本実施例では、羽根体11を収納す
る羽根体収納室16と、パルプ部材4の一部を収納する
パルプ部材収納室18とをスライド方向Sに沿って隣接
して配置したので、全体として小型で簡易な構造の携帯
式芳香器1を提供することができる。また、本実施例で
は、スライド部材6に吸気口25を形成し、ケース本体
5に送風口19を形成し、この吸気口25と送風口19
とのスライド方向Sの位相をずらして構成したので、電
動ファン3によって必要十分な空気流を発生させること
ができると共に、より小型で簡易な構造として携帯性を
高めることができる。特に、このように本実施例の携帯
式芳香器1は極めて小型で簡易な構造であるので、携帯
式芳香器1を手に持って鼻先等で局部的に使用すること
に適している。例えば、ティートリー、ラベンダー、レ
モングラス、ユーカリ、カモミール、ペパーミント等の
精油をパルプ部材4に3〜4滴落として、その携帯式芳
香器を手に持って鼻先で送風作動させれば、鼻づまり、
くしゃみ、鼻水等を即効的に抑えることができ、風邪や
花粉症対策として有効に活用することができる。なお、
人間は、いい匂いや好きな匂いをかぐと、免疫力が向上
して感染菌に対する抵抗力が増すこととなるので、芳香
浴によって風邪や花粉症などにかかりにくくなると言え
る。さらに、本実施例では、スライド部材6の保持部2
6を薄板状の上下の保持片28a,28bを有して構成
したので、これら上下の保持片28a,28bによって
保持されるパルプ部材4の保持面域を必要最小限とし
て、パルプ部材4の大部分の面域を開放でき、パルプ部
材4の芳香をより効率良く揮散させることができ、さら
にパルプ部材4自身の交換作業をより簡易に行うことが
できる。
【0018】尚、本発明においては、前記具体的な実施
例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の
範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即
ち、本実施例では、ケース本体5の開口部5aを開閉す
るように、ケース本体5にスライド部材6をスライド自
在に支持して構成したが、これに限定されず、例えば、
ケース本体5の開口部5aを開閉するように、ケース本
体5に回転部材(移動部材として例示する。)を回転自
在に支持するようにしてもよい。さらに、本実施例で
は、スライド部材6をスライドさせたとき、パルプ部材
4の一部(舌片状の部位)が外方へ突出して露出される
ように構成したが、これに限定されず、例えば、パルプ
部材の表面側の全域が外方へ露出されるようにしてもよ
い。
【0019】また、本実施例では、スライド部材6側に
パルプ部材4を保持する保持部26を設けて構成した
が、これに限定されず、例えば、ケース本体5側にパル
プ部材4を保持する保持部を設けてもよい。さらに、本
実施例では、スライド部材6に吸気口25を設け、ケー
ス本体5に送風口19を設けて構成したが、これに限定
されず、例えば、ケース本体5及びスライド部材6のい
ずれか一方の部材に吸気口25及び送風口19を設けて
もよい。また、例えば、スライド部材6に送風口19を
設け、ケース本体5に吸気口25を設け、スライド部材
6の送風口19より芳香を発散させるようにしてもよ
い。また、本実施例では、拡散器として、芳香を拡散す
る芳香器1を例示したが、これに限定されず、例えば、
上記パルプ部材4に染み込ませたシトロネラ(精油)を
拡散させて虫除け作用等を発揮する拡散器としたり、上
記パルプ部材4に染み込ませたオキシフルを拡散して殺
菌作用や脱臭作用等を発揮する拡散器としたり、上記パ
ルプ部材4の代わりに、トルマリン粉末を含有するシー
ト材を用い、このシート材に水を染み込ませてマイナス
イオンを発生させてリラックス作用等を発揮する拡散器
などとしたりできる。また、本実施例では、携帯式の拡
散器を例示したが、これに限定されず、例えば、据え置
きタイプの拡散器とすることができる。また、本実施例
では、被送風体として、パルプ部材4を例示したが、こ
れに限定されず、例えば、フェルト部材やスポンジ部材
等としてもよい。さらに、本実施例のパルプ部材4には
切り込み50(図5参照)を形成したが、これに限定さ
れず、例えば、パルプ部材4には、切り込みの替わりに
(あるいは切り込みと共に)、精油等の揮発性を向上さ
せ得る多数の微細な貫通孔等を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る携帯式芳香器の平面図である。
【図2】同じく、要部を断面とした平面図である。
【図3】同じく、要部を断面とした側面図である。
【図4】携帯式芳香器の作用説明図であり、スライド部
材が開放位置に位置する状態を示す。
【図5】同じく、携帯式芳香器の斜視図である。
【符号の説明】
1:携帯式芳香器、2:ケース、3:電動ファン、4:
パルプ部材、5:ケース本体、5a:開口部、6:スラ
イド部材、6a:開口部、19:送風口、21:案内
部、25:吸気口、26:保持部、27:スライド部、
S:スライド方向。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送風口を有するケース内に、送風手段及
    び被送風体を設けてなる拡散器であって、 前記ケースは、前記送風手段を収納するケース本体と、
    該ケース本体の開口部を開閉するように該ケース本体に
    移動自在に支持される移動部材とを備え、該移動部材の
    移動によって前記ケース本体の前記開口部を開放させた
    とき、前記被送風体が外方へ露出されるようにしたこと
    を特徴とする拡散器。
  2. 【請求項2】 前記移動部材は、前記被送風体の一部を
    外方へ露出させた状態で該被送風体を保持する保持部を
    有し、前記ケース本体は、前記被送風体の前記一部を収
    納可能な収納部を有する請求項1記載の拡散器。
  3. 【請求項3】 前記移動部材は、前記ケース本体に所定
    間隔でスライド自在に支持されている請求項1又は2記
    載の拡散器。
  4. 【請求項4】 前記被送風体及び前記送風手段は、前記
    ケース内で前記移動部材のスライド方向に沿って並設さ
    れている請求項3記載の拡散器。
  5. 【請求項5】 前記移動部材は吸気口を有し、前記ケー
    ス本体は前記送風口を有し、該吸気口と該送風口とのス
    ライド方向の位相がずらされている請求項3又は4記載
    の拡散器。
  6. 【請求項6】 前記拡散器が芳香器である請求項1乃至
    5のいずれか一項に記載の拡散器。
  7. 【請求項7】 前記拡散器が携帯式である請求項1乃至
    6のいずれか一項に記載の拡散器。
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