JP2003310271A - エイズワクチン - Google Patents
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Abstract
ン作製用組換え核酸、それを用いて作製されるエイズワ
クチン等の提供。 【解決手段】 インフルエンザウイルスにエイズウイル
ス遺伝子の一部を挿入し、組換え型インフルエンザウイ
ルスを作製する。 【効果】 本発明のエイズワクチンは、例えば、(1)
生ワクチンとして経鼻接種が可能である、(2)発育鶏
卵を用いて、安価に大量生産できる、(3)サブタイプ
を変化させることによる追加免疫が可能である、(4)
ウイルス感染個体において免疫グロブリン、特にIgA
の誘導が可能である、(5)細胞性免疫反応の主体であ
るCTL活性誘導能がある、(6)感染が一過性である
ため、安全性が高い等の利点を有している。
Description
製用組換え核酸、それを用いて作製されるエイズワクチ
ン等に関する。より詳しくは、本発明は、インフルエン
ザウイルスを用いて作製される組換え核酸、それを含有
する発現ベクター、その発現ベクターを用いて作製され
るエイズワクチン等に関する。
群(Acquired Immunodeficiency Syndrome(AID
S))と命名された。ヒトにおけるエイズの原因ウイル
スはヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency V
irus、以下HIVと略す)と呼ばれ、レトロウイルス科
レンチウイルス亜科に分類される。HIVの感染からエ
イズ(AIDS)の発症までの期間は10年と長く、
(1)急性期、(2)無症状キャリア期、(3)PGL
期(全身のリンパ節の腫れ)、(4)エイズ関連症候群
の発症、(5)エイズ発症の5期に分けることができ
る。
(8)陽性Tリンパ球の減少をもたらすことは良く知られ
ている。その後、2つの細胞親和性、T細胞(SI株)
又はマクロファージ(NSI株)に感染する性質がある
ことが分かってきた。
れ、直径が80から100nmの球状のウイルスであ
る。HIVゲノムは約9.7kbの線状単鎖RNAで、
逆転写酵素およびビリオンコアの構造タンパク質と複合
体を形成し、プライマーtRNAとともにウイルス粒子
中に内在する。ゲノムはgag、pol、env等、合
計10種の遺伝子で構成されている。gag、pol、
env遺伝子は、コアの構造タンパク質の前駆体、3種
の酵素(プロテアーゼ、逆転写酵素およびインテグラー
ゼ)の前駆体、エンベロープ糖タンパク質の前駆体をそ
れぞれコードしている。
感染する際に、それらの細胞のレセプターに結合するタ
ンパク質は分子量120キロダルトン(kDa)のgp
120である。gp120はHIV感染細胞内でエンベ
ロープ糖タンパク質の前駆体である分子量160kDa
のgp160タンパク質が特異的タンパク質分解酵素に
より分子量120kDaのgp120と分子量41kD
aのgp41に分解され生じる。
C5領域と、変異の頻度が高いV1〜V5領域から構成
される。V1/V2とV3はCD4のD1部位に結合部
位を形成する。V3はケモカインレセプターとの結合部
位となっている。これらの領域のうち、V3領域はルー
プ構造をとり、免疫原性の主要エピトープ、すなわちH
IVの中和エピトープおよび細胞傷害性Tリンパ細胞
(cytotoxic T lymphocyte(以下、CTLと略すことも
ある))エピトープとしての機能を有する。
CCR5をコレセプターに、他方、T親和性ウイルス
は、CXCR4をコレセプターにして、その親和性の決
定に関与している。いずれにしても、gp120のV3
ループがHIV感染の親和性を決定している。
のエイズ患者でその劇的な治療効果が得られるようにな
った。抗エイズ治療薬としては、例えば逆転写酵素阻害
剤(AZT等)や前記タンパク質分解酵素阻害剤(gp
160からgp120とgp41への分解を阻害)が挙
げられる。しかし、これらには薬剤投与による副作用や
薬剤投与に伴う多剤耐性株の出現といった弊害があっ
た。
められているが、HIV遺伝子の一部の遺伝子変異率が
極めて高い(点変異(一般に真核細胞ゲノムDNAでは
10 -10であるのに対し、HIVを代表例とする一部の
RNAをゲノムとしてもつウイルスでは10-3〜10-4
と高い))、遺伝的組換え、遺伝的再集合をするので、
一般的にはその効果が期待しにくいという問題がある。
また、エイズに対するワクチンの開発は、ウイルス感染
者の発症予防を目的としていた。そのため、安全性が危
惧される生ワクチンよりも、不活化ワクチンあるいは成
分ワクチンの開発が先行していた。前記不活化ワクチン
あるいは成分ワクチンとしてすでに前臨床試験あるいは
臨床試験に供されているものとしては、例えば、(1)
サブユニットワクチン、(2)合成ペプチドワクチン、
(3)粒子ワクチン、(4)DNAワクチン、(5)植
物生産ワクチン等があげられる。
種した個体に免疫グロブリンの産出(すなわち液性免
疫)を誘導するが、細胞性免疫を誘導できないため、ウ
イルス感染者の体内からウイルス感染細胞を排除できな
いという欠点を有している。すなわち、HIVに特異的
な液性および細胞性免疫の両者が誘導可能で、かつ安全
なエイズワクチンの実用化はなされていない。そこで、
エイズウイルスが有する遺伝子を、組換えDNA技術に
より、他のウイルスのゲノム中に組込んだ組換え型ウイ
ルスを用いたエイズに対する生ワクチンの開発が試みら
れた。
られているワクシニアウイルスがまず用いられた(WO
97/27311号)。さらに、カナリア痘ウイルス
(米国特許第5,766,598号および米国特許第
5,863,542号)、アデノウイルス(欧州特許第
0638316号)、ポリオウイルス、水疱性口内炎ウ
イルス等を用いた生ワクチンの開発が試みられた。しか
し、これらのワクチンでは、(1)変異エイズウイルス
の多様性に対応できない、(2)ウイルス自身に抗体産
生が誘導されるため、長期間にわたって再接種できな
い、(3)ワクチン株自身の毒性が高い場合がある、等
の問題点があった。一方、米国特許第5786199号
には、組換マイナス鎖RNAウイルス発現システム及び
それを用いるエイズワクチンが開示されている。このエ
イズワクチンは、変異インフルエンザウイルスによりH
IV由来のぺプチドを含んだ外来遺伝子産物がHIVに
対して免疫反応を起こして防御されることを利用してい
る。しかし、このワクチンの場合、HIV由来のペプチ
ドはわずか12アミノ酸であり、効率よく細胞性および
液性の両免疫反応を誘導するのに十分であるとはいえな
い。さらに、ウイルスが宿主細胞に感染する際、レセプ
ターに結合するHA(ヘマグルチニン)に変異を導入し
ているため、感染効率あるいは機能の低下が懸念され
る。また、HAは宿主細胞の感染域を決定するいくつか
の亜型に分類されているので、一度作製するとワクチン
の感染できる宿主域を制御することが難しいという問題
がある。
考慮してなされたもので、安全で、HIVの多様性に対
応しうるエイズワクチン、そのようなワクチンを作製す
るための組換え核酸などを提供する。
ウイルスを用いて作製される組換え核酸であって、その
ウイルスの遺伝子変異を起こす領域の核酸配列に、HI
Vの遺伝子変異を起こす領域の核酸配列又はその部分配
列を組込むことにより作製されるエイズワクチン作製用
組換え核酸を提供する。ここで「核酸」とはDNAまた
はRNAを意味する。本発明の好ましい態様によれば、
上記遺伝子変異を起こすウイルスはインフルエンザウイ
ルスである。また、その遺伝子変異を起こす領域とし
て、好ましくは、インフルエンザNAストーク領域が選
択される。さらに、上記HIVの遺伝子変異を起こす領
域としては、好ましくはV3領域が選択される。
込まれる核酸配列は、好ましくは、(1)配列番号:1
で表されるアミノ酸配列をコードする核酸配列と同一、
もしくは実質的に同一である核酸配列、より好ましく
は、配列番号:1で表されるアミノ酸配列をコードする
核酸配列、(2)配列番号:2で表されるアミノ酸配列
をコードする核酸配列と同一、もしくは実質的に同一で
ある核酸配列、より好ましくは、配列番号:2で表され
るアミノ酸配列をコードする核酸配列、(3)配列番
号:3で表されるアミノ酸配列をコードする核酸配列と
同一、もしくは実質的に同一である核酸配列、より好ま
しくは、配列番号:3で表されるアミノ酸配列をコード
する核酸配列である。本発明の別の態様によれば、上記
組換え核酸によってコードされるキメラタンパク質、上
記組換え核酸を含有する発現ベクター、上記組換え核酸
をウイルスゲノムに含有することを特徴とする組換え型
ウイルスが提供される。
換え型インフルエンザウイルスを含むエイズワクチン、
公知の手法に基づいて不活性化した本発明のエイズワク
チン、また、前記キメラタンパク質あるいは前記ウイル
スの表面抗原タンパク質を含むエイズワクチンが提供さ
れる。さらに、エイズワクチンと薬学的に許容できる担
体またはアジュバントとを含むエイズワクチン組成物が
提供される。本発明のエイズワクチン組成物は、好まし
くは生体に負荷がかからないように経鼻接種される。
ワクチン作製用組換えウイルスの製造方法であって、
(1)ウイルスの遺伝子変異を起こす領域の核酸配列
に、HIVの遺伝子変異を起こす領域の核酸配列又はそ
の部分配列を組込んだ発現ベクターからインフルエンザ
ウイルス遺伝子RNAを試験管内で作製する工程、及び
(2)ウイルスのポリメラーゼおよび核タンパク質存在
下で、RNAポリメラーゼと制限酵素処理した発現ベク
ターを用いて、試験管内での転写反応によりインフルエ
ンザキメラRNP複合体を作製する工程を含む、エイズ
ワクチン作製用組換えウイルスの製造方法が提供され
る。この製造方法は、通常は、さらに(3)得られたR
NP複合体をヘルパーウイルスと共にトランスフェクシ
ョン法を用いて細胞に感染させる工程、及び(4)産生
されたインフルエンザウイルスから組換え型インフルエ
ンザウイルスを選択する工程を含む。以下、本発明を詳
細に説明する。
酸)本発明のエイズワクチン作製用組換DNAは、遺伝
子変異を起こすウイルスの遺伝子変異を起こす領域の核
酸配列に、HIV V3領域の核酸配列全てまたはその
一部を組込むことにより作製される。本発明において用
いられる遺伝子変異を起こすウイルスとしては、インフ
ルエンザウイルスに代表されるオルソミクソウイルス
科、センダイウイルスに代表されるパラミクソウイルス
科、水胞性口内炎ウイルスに代表されるラブドウイルス
科、C型肝炎ウイルスに代表されるフラビウイルス科に
属するウイルスなどが挙げられる。本発明において「ワ
クチン」とは、免疫応答を生じ得る物質をいう。安全性
の観点から細胞に対する感染が一過性であること、また
HIVの多様性に対応するために、変異を受けやすい領
域を表面抗原としてもつインフルエンザウイルスが好ま
しい。
ス」という用語は、最も広義のインフルエンザウイルス
を意味する。すなわち、インフルエンザウイルスは、一
般的には、インフルエンザウイルス属(これはさらにA
型とB型に分類される)とインフルエンザウイルスC型
属とに分類されるが、ここでは、「インフルエンザウイ
ルス」という用語は、これら全てを包含し、またこれら
のインフルエンザウイルスのあらゆる変異体をも含む。
チンとして経鼻接種が可能である、(2)発育鶏卵を用
いて、安価に大量生産できる、(3)サブタイプを変化
させることによる追加免疫が可能である、(4)ウイル
ス感染個体において免疫グロブリン、特にIgAの誘導
が可能である、(5)細胞性免疫反応の主体であるCT
L活性誘導能がある、(6)感染が一過性であるため、
安全性が高いなどの特徴を有する。また、インフルエン
ザウイルス遺伝子の変異率は極めて高く、HIV遺伝子
の変異率に匹敵することが知られている。以上のような
インフルエンザウイルスの特性を利用すれば、HIVと
の組換え型インフルエンザウイルスを作製した場合、導
入したHIVの遺伝子部位に種々の変異が誘導でき、自
然界に存在するHIVの多様性に対応できると考えられ
る。
ス等の遺伝子変異を起こすウイルスの変異率の高い領域
にHIVの特定の機能を発現する領域を組換えDNA技
術を用いて組込み、感染細胞内でHIVの多様性に対応
できる組換え型ウイルスを作製する。本発明で用いるイ
ンフルエンザウイルスの変異を受けやすい遺伝子領域と
しては、ウイルスの表面抗原として既知の、例えばヘマ
グルチニン(HA)遺伝子領域、ニューラミニダーゼ
(NA)遺伝子領域が挙げられる。外来遺伝子を上記の
遺伝子に組込んだ場合にその活性に変化を生じることな
く、またウイルス複製能へも影響を生じないことが予想
される領域を有することが望ましい。さらに、外来遺伝
子を組み込んだインフルエンザウイルスの遺伝子分節は
ウイルス粒子内にランダムに取り込まれ、この際に野生
株の相同の分節のみが入れ代わったウイルス粒子を選択
的に得ることが好ましい。以上の点を考慮し、インフル
エンザウイルス遺伝子の第6分節にコードされるニュー
ラミニダーゼ(NA)タンパク質ストーク部位をコード
する遺伝子領域が特に好ましい。
の領域としてはV1〜V5領域から選択される。V1か
らV5で表される領域は、いずれも変異率の高い領域で
あるが、これらのうち、V3領域はHIVの中和エピト
ープおよびCTLエピトープを有し、T細胞に感染する
際に重要な機能を果たしているから、本発明では、V3
領域を用いるのが特に好ましい。ここで、「V3領域」
とは、HIV−I IIB BH10株のN末端シグナ
ル配列が除かれた成熟産物としてのgp120のアミノ
酸位置266〜301の配列に対応する領域をいう。な
お株種によって、そのアミノ酸番号は異なる場合がある
(例えば、Palker et al. (1989) ; Rusche J.R., Jav
aherian K., Mcdanal C., Petro J., Lynn D.L., Grima
lia R.,Langlois A.,Gallo R.C., Arthour L.O., Fisch
inger P.J., Bolognesi D.P., Putney S.D.and Matthew
s T.J. (1988). Antibodies that inhibit fusion of h
uman immunodeficiency virus-infected cells bind a
24-amino acid sequenceof the viral envelope, gp12
0. Proc. Acad. Sci. USA. 85:3198-3202参照)。
ことが好ましいが、発現されるキメラタンパク質がHI
Vの抗原として利用できる限り、V3領域の部分配列で
あっても使用することができる。具体的には、インフル
エンザウイルスのNAストーク領域の核酸配列に組込ま
れる核酸配列としては、(1)配列番号1、2又は3に
記載のアミノ配列をコードする核酸配列;(2)配列番
号1、2又は3に記載のアミノ酸配列において1〜10
個、好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜3個、
さらに好ましくは1〜2個のアミノ酸残基が置換、欠
失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列をコー
ドする核酸配列などが用いられる。好ましくは、配列番
号1、配列番号2又は配列番号3で示されるアミノ酸配
列をコードする核酸配列が用いられる。
フルエンザウイルスWSNのNAタンパク質とそれに対
応するcDNAの概略図を、図1(B)に、HIV-1
のgp120中のV1〜V5領域の位置、NAストーク
領域に挿入されるV3領域のアミノ酸配列などを示す。
図1(A)に示されるNAストーク領域はNsiI切断
部位(163番目)とSnaBI切断部位(182番
目)を有する。また、図1(B)に示されるV3領域
は、35個のアミノ酸残基を有する。
る好ましい発現ベクターには、少なくともプロモータ
ー、エイズV3領域の全てまたはその部分配列を含むイ
ンフルエンザウイルスNAキメラ遺伝子が含まれる。発
現ベクターは好ましくはプラスミドベクターである。発
現プラスミドの作製において有用なベクターとしては、
構成性プロモーター、誘導性プロモーター、組織特異的
プロモーターなどのプロモーターを含むベクターなどが
挙げられる。
えば、サイトメガロウイルス(CMV)由来、ラウス肉
腫ウイルス(RSV)由来、シミアンウイルス−40
(SV40)由来、あるいは単純ヘルペスウイルス(H
SV)由来のプロモーターなどのウイルス由来の強力な
プロモーターが挙げられる。組織特異的プロモーターの
具体例としては、筋βアクチンプロモーターが挙げられ
る。誘導性あるいは調節性のプロモーターとしては、例
えば、成長ホルモン調節性プロモーター、lacオペロ
ン配列の制御下にあるプロモーター、あるいは抗生物質
誘導性プロモーター、あるいは亜鉛誘導性メタロチオネ
インプロモーターなどが挙げられる。本発明で用いるプ
ロモーターとしては、例えば、T3 RNAポリメラー
ゼのプロモーターが好ましい。
(例えば、上記の構成性または誘導性プロモーター)D
NA配列を含む発現制御配列を含むことが好ましい。ベ
クターはさらに、エンハンサー、転写あるいはポリアデ
ニル化シグナルのスプライシングのためのイントロン配
列などのRNAプロセシング配列、発現タンパク質分泌
のシグナル配列、あるいはCpGモチーフとして知られ
ている免疫刺激DNA配列などを含むことができる。
Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第87巻、3802-3805頁
(1990)に記載されたインフルエンザウイルスA/WS
N/33株由来のNA遺伝子を含有するプラスミドpT
3NAvから本発明の発現ベクターを構築する。該プラ
スミドはプロモーターとして、T3 RNAポリメラー
ゼのプロモーターを含む。例えば、(1)部位特異的変
異誘発法を用いて、プラスミドpT3NAvに制限酵素
SnaBIの切断部位を導入し、(2)HIV−1の分
離株2088E312t(Genbank)に由来する
V3領域およびその近傍の全ての配列、またはその部分
配列をPCR法にて増幅し、(3)得られたPCR断片
を前記プラスミドpT3NAvのNA遺伝子内の制限酵
素SnaBI切断部位へ挿入することにより、本発明の
発現ベクターとする。
製)本発明の組換え型インフルエンザウイルスは公知の
手法に基づいて作製することができる。例えば、Enami,
et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第87巻、3802-
3805頁(1990)に記載された公知のWSN−HKリアソ
ータント法を用いて、本発明の組換え型インフルエンザ
ウイルスを作製することができる。
フルエンザウイルスの作製プロセスを示す。本発明の組
換え型インフルエンザウイルスは、図2に示されるよう
に、以下の工程(1)〜(4)を経て作製される。
ークス領域にHIVのV3領域を挿入してなるエイズワ
クチン作製用組換え核酸(キメラ遺伝子)を組込んだ発
現ベクターからインフルエンザウイルス遺伝子RNAを
試験管内で作製する。
ンパク質とゲノムRNA複合体(RNP複合体)を作製
する。インフルエンザウイルスキメラRNP複合体は、
ウイルスのポリメラーゼおよび核タンパク質(NP)存
在下で、T3 RNAポリメラーゼとKsp632Iで
切断した発現ベクターを用いて、試験管内での転写反応
により作製することができる。 (3)次いで、得られたRNP複合体をヘルパーウイル
スと共に公知のトランスフェクション法(Ciccarone, e
t al., Focus、第21巻、54-55頁(1994)参照)を用い
て細胞に感染させる。 (4)そして、最後に、産生されたインフルエンザウイ
ルスから公知の方法(例えば、Enami, et al., Proc. N
atl. Acad. Sci. USA、第87巻、3802-3805頁(1990)参
照)により組換え型インフルエンザウイルスを選択す
る。
次のようにして行うことができる。まず、Ksp632
Iで切断したプラスミドと、T3 RNAポリメラー
ゼ、精製ウイルスRNAポリメラーゼ/NP、NTPs
とをそれぞれ適量混合し、37℃で、10〜60分間反
応させる。さらに、この反応混合物に、RQ1 DNa
seIを添加し、37℃、3〜15分間さらに反応させ
る。その後、この反応混合物に、適量のOPTI−ME
Mとリポソーム溶液を混合し、室温で10〜30分間放
置し、所望のRNP複合体を得る。次いで、24穴プレ
ートで培養したMDBK細胞を血清を含まないMEM培
地で2〜3回洗浄する。ヘルパーウイルスをMOI0.
001〜0.1で感染させ、37℃、30〜90分放置
する。細胞を洗浄後、上記RNP複合体を含有する溶液
を細胞に添加し、1〜3時間インキュベートする。その
後、上清を除去し、ウイルス増殖培地を適量添加し、3
7℃で、40〜50時間培養する。その後、公知の方法
により組換え型インフルエンザウイルスを選択する。
ルエンザウイルスは、RT−PCR(Reversetranscrip
tase Polymerase Chain Reaction)法、ウェスタン・ブ
ロッティング法などにより確認することができる。例え
ば、該インフルエンザウイルスが感染細胞中に組み込ん
だ遺伝子長に応じたvRNAを産生することを、公知の
RT−PCR法で確認することができる。プライマーと
しては、ウイルスゲノムの第6分節に由来する配列を含
有する合成ヌクレオチドが用いられる。本発明で用いら
れるプライマーとしては、配列番号:4および配列番
号:5で表される合成ヌクレオチドがあげられる。ま
た、ウェスタン・ブロッティング法による確認の際は、
まず、組換え型インフルエンザウイルス感染細胞の細胞
抽出液を公知の方法を用いて調製する。得られた細胞抽
出液に対して、V3領域に特異的な抗体を用いてウェス
タン・ブロッティング法を行い、抗体に反応するタンパ
ク質を検出することができる。
法)本発明においては、上記のようにして作製された組
換え型ウイルスからなるエイズワクチン又はそれを含む
エイズワクチン組成物が提供される。本発明のワクチン
組成物は、通常、本発明のエイズワクチンと薬学的に許
容可能な担体(トランスフェクション試薬)またはアジ
ュバンドを含有する。本発明で用いる薬学的に許容可能
な担体とは、生体の細胞中にワクチンをトランスフェク
ションするのに適したものである。このような薬学的に
許容可能な担体としては、カチオン性リポソーム、フル
オロカーボンエマルジョン、蝸牛状、筒状剤、金粒子、
生体分解性ミクロスフェア、カチオン性ポリマーなどが
挙げられる。
用いることができる免疫用アジュバントとして、ワクチ
ン組成物を形成するための公知のアジュバントを用いる
ことができる。本発明で用いられるアジュバントとして
は、免疫用として用いられるFreundの完全アジュ
バントあるいは不完全アジュバントがあげられる。本発
明において用いられるアジュバントとしては、免疫系を
活性化させる、非メチル化CpGジヌクレオチドを有す
るミョウバンまたはDNA分子などを用いることもでき
る。
イルスは、生ワクチンとして用いることもできるし、不
活性化させた後、不活性ワクチンとして用いることもで
きる。不活性化手段としては、例えば、加熱処理(例え
ば、60℃、1時間)、紫外線照射、フェノール、ホル
マリンのような化学物質による化学薬剤処理、凍結融解
などの公知の方法が挙げられる。
ト哺乳動物(例えば、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、イ
ヌ、ネコ、サル)に投与してエイズの予防または治療の
ために用いることができる。本発明のワクチンは、カプ
セル剤、懸濁液、エリキシル剤又は溶液のような任意の
投与形態で用いることができる。
物質と組み合わせるべきワクチンの量は、一般的には、
投与経路および投与方法、発現される抗原タンパク質あ
るいはペプチドの安定性および活性(免疫原性)、患者
の性別、年齢、体重、健康状態、予防または治療の対象
となるウイルス性疾患の種類などの種々の要因を考慮し
て決定される。
与、経鼻投与、経皮投与、皮下注入、皮内導入、経皮圧
入及び他の投与法、例えば、腹腔内、静脈内又は吸入投
与、経口投与でも可能であり、投与経路は特に限定され
ない。経鼻投与(接種)は生体にとって負荷が少ないの
で、特に好ましい。また、追加免疫接種を行うことも可
能である。本発明の組換え型インフルエンザウイルスを
ワクチンとしてヒトに投与する場合、その投与量は、投
与経路、投与方法、発現される抗原タンパク質あるいは
ペプチドの安定性および活性(免疫原性)、患者の性
別、年齢、体重、健康状態、予防または治療の対象とな
るHIV株の種類などの種々の要因を考慮して決定され
る。本発明のエイズワクチンは、例えば、HIV量(g
p120換算)として、1〜1000μg、好ましく
は、10〜500μg、より好ましくは、15〜50μ
gを1〜2回、14〜48日間隔で投与する。
を示す。 [配列番号:1]NAストーク部位へ組み込んだV3領
域33アミノ酸の配列を示す。 [配列番号:2]NAストーク部位へ組み込んだV3領
域44アミノ酸の配列を示す。 [配列番号:3]NAストーク部位へ組み込んだV3領
域51アミノ酸の配列を示す。 [配列番号:4]実施例2のRT−PCRに用いたプラ
イマー1の塩基配列を示す。 [配列番号:5]実施例2のRT−PCRに用いたプラ
イマー2の塩基配列を示す。
明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
33アミノ酸配列(TRPNNNTRKSINIGPGRAFYATGEIIGDIRQA
H)および配列番号:3で表される51アミノ酸配列(Q
LNESVEINCTRPNNNTRKSINIGPGRAFYATGEIIGDIRQAHCNISRAKW
NN)に該当するヌクレオチド配列をそれぞれインフルエ
ンザウイルスA/WSN/33株のNAストーク部位に
組み込んだプラスミドpT3NAvENV33およびp
T3NAvENV51を作製した。これらのプラスミド
は、NA遺伝子の上流にT3RNAプロモーターを、下
流にKsp632I部位を含んでいた。具体的には、次
のようにしてプラスミドを構築した。
ラスミドとして、インフルエンザA/WSN/33ウイ
ルスのNA遺伝子を有するpT3NAvを用いた(Enam
i, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第87巻、380
2-3805頁(1990)参照)。pT3NAv−ENV33を
構築するために、pT3NAvに部位特異的変異誘発法
によってSnaBI切断部位を導入した。これによっ
て、インフルエンザA/WSN/33ウイルスのNA遺
伝子の168番目の核酸位置においてAがTに置換され
た。次いで、HIV−1分離株2088E34t(Genb
ank#AB002930)をPCRによって増幅した。反応は、
(1)94℃、1分、(2)55℃、2分、72℃、3
分を30サイクルの条件で行った。得られたPCR断片
はSnaBIで切断され、SnaBI切断プラスミドに
挿入された。
に、pT3NAvに部位特異的変異誘発法によってNs
iI切断部位を導入した。これによって、インフルエン
ザA/WSN/33ウイルスのNA遺伝子の184番目
の核酸位置においてCがGに置換された。次いで、HI
V−1分離株2088E34t(Genbank#AB002930)を
PCRによって増幅した。反応は、(1)94℃、1
分、(2)55℃、2分、72℃、3分を30サイクル
の条件で行った。得られたPCR断片はNsiIで切断
され、NsiI切断プラスミドに挿入された。pT3N
Av−ENV44も上述した方法に準じて構築した。
現する組換え型インフルエンザウイルスの作製 本実施例においては、上記のようにして得られた組換え
プラスミドを用い、図2に示すプロセスに従って組換え
型インフルエンザウイルスを作製した。
Ksp632Iで切断した上記プラスミド250ng、
15単位のT3 RNAポリメラーゼ、精製ウイルスR
NAポリメラーゼ/NP(300ngNP等量/μl)
5μl、25mM NTPsを1μlを混合し、37
℃、15分間反応を行った。次いで、この反応混合液
に、0.3単位のRQ1 DNaseIを添加し、37
℃、5分間さらに反応させた。その後、この反応混合液
に、25μlのOPTI−MEM、リポソーム溶液50
μlを混合し、室温で20分間放置した。このようにし
て得られた反応溶液100μlを細胞へのトランスフェ
クションに用いた。
(Madin-Darby bovine kidney)細胞を、血清を含まな
いMEM培地で2回洗浄した。WSN−HKヘルパーウ
イルスをMOI0.1で感染させ、37℃、1時間放置
した。なお、WSN−HKヘルパーウイルスは、第6分
節NA遺伝子がインフルエンザA/HK/1/68で、
その他の分節がA/WSN/33から由来している。上
記細胞を洗浄後、上記溶液100μlを細胞に添加し、
2時間インキュベートした。その後、上清を除去し、ウ
イルス増殖培地を300μl添加し、37℃、46時間
培養した。
100μlをそれぞれ1% BSA−MEM溶液で全量
300μlになるように希釈し、ウイルス液とする。6
穴プレートで培養したMDBK細胞を血清を含まないM
EM培地で2回洗浄した後、上記ウイルス液を添加し、
37℃で1時間放置した。MEM培地で2回洗浄後、
0.8%アガロースを含むMEM培地(トリプシン不
含)を重層し、37℃で48〜72時間放置した。生成
したウイルスプラークをかきとり、組換え型インフルエ
ンザウイルスを単離し、1mlの1% BSA−MEM
溶液に懸濁した。次に、10cmディッシュで培養した
MDBK細胞を血清を含まないMEM培地で2回洗浄し
た後、5mlのウイルス増殖培地を入れた。そこに上記
ウイルスプラーク懸濁液300μlを添加し、37℃で
48〜72時間放置し、さらに発育鶏卵に接種すること
により増殖、生育させた。
に由来する組換え型ウイルスが1株、pT3NAvEN
V51に由来する組換え型ウイルスが3株得られた。そ
の3株の内訳は、(2)pT3NAvENV51から予
測されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列をもつ組換
え型ウイルス、(3)アミノ酸配列のうち、SWAKW
NNを欠失する配列番号:2で表されるアミノ酸配列を
もつ組換え型ウイルス、および(4)アミノ酸配列に一
部点置換変異をもつ組換え型ウイルスであった。(1)
〜(3)の組換え型ウイルスをそれぞれENV33、E
NV51およびENV44と命名した。なお、ENV3
3、ENV51およびENV44は、図1に示されるア
ミノ酸配列を含有している。
ルエンザウイルスの確認 前記3種の組換え型インフルエンザウイルスはそれぞれ
特定の長さのvRNAをつくることを、ウイルスゲノム
第6分節の情報に基づいて設計した配列特異的プライマ
ーであるNAENV−NdeI(プライマー1、配列番
号:4)およびNAENV−NarI(プライマー2、
配列番号:5)を用いたRT−PCR法で確認した。組
換え型ウイルスおよび野生型ウイルスをMOI(多重感
染度)0.07〜1で感染させた2×106個のMDB
K細胞および非感染細胞から全RNAを抽出し、全量を
20μlとした。そのうちの5μlと10pmolのプ
ライマー1を用いて逆転写反応を行い、cDNAを合成
した。このcDNAを鋳型として、プライマー1および
プライマー2を用いてPCR反応を行った。反応は、
(1)94℃、30秒、55℃、1分、72℃、1分3
0秒を25サイクル、(2)4℃で冷却、の条件で行っ
た。コントロールとして、組換えに用いたプラスミドを
鋳型として、同様の条件でPCR反応を行った。得られ
たRT−PCRの検出結果を図3に示す。
44及びENV51それぞれに特定の長さのPCR産物
(それぞれ446bp、531bpおよび552bp)
をアガロースゲル電気泳動にて検出した。この結果は、
挿入したアミノ酸数によりNA遺伝子のサイズが異なる
組換えウイルスが、感染細胞内で複製していることを示
している。
3、ENV44及びENV51)および野生型ウイルス
(WSN)を感染させたMDBK細胞ならびに非感染細
胞の細胞抽出液を10%SDS−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動にかけ、V3領域に特異的な抗体を用いてウ
ェスタン・ブロッティング解析を行った。その結果を図
4に示す。図4に示されるように、V3抗体に反応する
タンパク質を検出した。さらに、この実験においても、
挿入アミノ酸数に応じたタンパク質のバンドのシフトが
観察された。
マウスへの接種実験 上記のようにして作製された組換え型ウイルス(ENV
33、ENV44及びENV51)をBALB/cマウ
ス(6〜10週齢の雄H−2Kd)をエーテル麻酔し、
PBS(―)で希釈したウイルス液30μl、対照には
PBS(−)30μl(15μl/鼻孔)を経鼻接種
し、免疫誘導能の解析を行った。血清はウイルス感染4
週間後にマウスより公知の方法により得た。この血清と
ウイルスのビリオンより精製したHA画分との反応性を
次に示すELISA法により解析した。
イタープレートにウェルあたり125ngの抗原をコー
トし、1% BSAを含む緩衝液でブロッキング後、5
0倍希釈したウイルス感染マウス血清と反応させた。ア
ルカリホスファターゼ結合抗マウス抗IgAまたは抗I
gG抗体(1000倍希釈)と反応後、基質液(例え
ば、p−ニトロフェニルホスフェート)を添加すること
により発色させ、波長405nmおよび650nmにお
ける吸光度を測定した。この測定を2回繰り返し、その
平均値を算出した。得られた結果を図5に示す。
にIgAが観察され、特に、ENV44の場合、2回接
種の際に、V3特異的IgAの産生量が極めて高いもの
であった。
HIV−1感染を中和するかを確認した。すなわち、H
IV−1 IIIBを、組換え型インフルエンザウイル
スENV44を感染させたマウスから得た抗血清と共に
予めインキュベートしてから、MT−4細胞に感染させ
ることによって確認した。試料とした血液は、切断した
尻尾から採取し、室温で46時間放置した後、4℃で一
晩インキュベートし、その後、4℃で10分間、600
0rpmで2回遠心分離して得た。得られた試料は、使
用に供するまで−20℃で保存しておいた。中和活性の
試験をする前に、血清試料を56℃で30分処理した。
血清試料(26μl)はPBS中のHIV−1溶液26
μlに混合し、CO2インキュベーター内で37℃で1
時間インキュベートした。試料の連続希釈液(各ウエル
に100μl)を、20%FBS(1×104細胞/ウエ
ル)を含有するRPMI培地中で、100μlのMT−
4細胞に混合した。CO2インキュベーター中で37℃
で7日間インキュベートした後、CPE(細胞変性効
果;cytopathic effect)が現れるか調べた。その結果
を表1に示す。
たときに、該細胞の50%に変性効果を生じるウイルス
量を表す。OD405-650は波長405nmの基質液の吸
光度から波長650nmのバックグラウンドを差し引い
た値を示す。また、表中の値で−は、計測範囲外で算出
できなかったことを示す。血清6検体中2検体(血清N
o.1及びNo.3)は比較的高レベルでV3特異的I
gAを含んでおり、表1に示されるように、これらは比
較的高い中和活性が検出された。この結果は、ENV4
4−組換え型インフルエンザウイルスがエイズワクチン
として使用可能であることを示す。
LB/cマウス(6〜10週齢の雄H−2Kd)を上記
組み換え型インフルエンザウイルス(ENV33、EN
V44及びENV51)に感染させた。感染2週間後の
マウスより脾臓細胞を無菌的に摘出した。ペプチドを前
記細胞懸濁液に添加し、完全培地で全量を20mlと
し、2mlずつ12穴プレートに蒔き、6日間、37℃
で培養したものをエフェクター細胞として用いた。ペプ
チドパルスした標的細胞(LB27.4細胞)を51Cr
標識した。ペプチドパルスにはPR8 HAおよびV3
に対する免疫優位H−2Kd拘束性CTLエピトープ(D
eng Y., et al., 1997 J. Immunol. 158: 1507)の合成
ペプチドを用いた。エフェクター細胞を比率(E:T)
が100:1〜3:1になるように添加し、4時間反応
後にγ線放出を以下の式にて算出した。
離)−(自然遊離)]/[(最大遊離)−(自然遊
離)]
NP−40を含有する培地にて標的細胞を培養し算出し
た。
れるように、ENV33,ENV44及びENV51の
いずれの組換え型ウイルスに感染されたマウスにおいて
も有意のCTL活性が検出された。
を中和させることができるので、新規なエイズワクチン
として有効に使用することができる。また本発明のエイ
ズワクチンは、インフルエンザウイルスを利用して作製
した場合には、(1)生ワクチンとして経鼻接種が可能
である、(2)発育鶏卵を用いて、安価に大量生産でき
る、(3)サブタイプを変化させることによる追加免疫
が可能である、(4)ウイルス感染個体において免疫グ
ロブリン、特にIgAの誘導が可能である、(5)細胞
性免疫反応の主体であるCTL活性誘導能がある、
(6)感染が一過性であるため、安全性が高い、などの
多くの利点を有する。
NAタンパク質とそれに対応するcDNAの概略図であ
る。(B)はHIV-1のgp120中のV1〜V5領
域の位置、NAストーク領域に挿入されるV3領域のア
ミノ酸配列などを示す概略図である。
作製方法の概略を示す。図中、T3はT3 RNAポリ
メラーゼのプロモーター配列を、NCSはウイルスの非
コード配列を表す。
NV33、ENV44、ENV51のvRNAを鋳型と
したRT−PCRの検出結果を示す。
を感染させた細胞の抽出液を用いたウェスタン・ブロッ
ティングの結果を示す。インフルエンザウイルス・マト
リックス(M1)タンパク質を抗PR8抗体で、またN
A−V3キメラタンパク質を抗V3抗体で検出した。
のIgA産生についてのELISAの結果を示す。
的CTL活性を示す。
Claims (21)
- 【請求項1】 遺伝子変異を起こすウイルスを用いて作
製される組換え核酸であって、そのウイルスの遺伝子変
異を起こす領域の核酸配列に、エイズウイルスの遺伝子
変異を起こす領域の核酸配列又はその部分配列を組込む
ことにより作製されるエイズワクチン作製用組換え核
酸。 - 【請求項2】 遺伝子変異を起こすウイルスがインフル
エンザウイルスである、請求項1に記載の組換え核酸。 - 【請求項3】 遺伝子変異を起こす領域がインフルエン
ザNAストーク領域である、請求項1に記載の組換え核
酸。 - 【請求項4】 エイズウイルスの遺伝子変異を起こす領
域がV3領域である、請求項3に記載の組換え核酸。 - 【請求項5】 前記NAストーク領域に組込まれる核酸
配列が、配列番号:1で表されるアミノ酸配列をコード
する核酸配列と同一、もしくは実質的に同一である、請
求項4に記載の組換え核酸。 - 【請求項6】 前記NAストーク領域に組込まれる核酸
配列が、配列番号:1で表されるアミノ酸配列をコード
する核酸配列である、請求項4に記載の組換え核酸。 - 【請求項7】 前記NAストーク領域に組込まれる核酸
配列が、配列番号:2で表されるアミノ酸配列をコード
する核酸配列と同一、もしくは実質的に同一である、請
求項4に記載の組換え核酸。 - 【請求項8】 前記NAストーク領域に組込まれる核酸
配列が、配列番号:2で表されるアミノ酸配列をコード
する核酸配列である、請求項4に記載の組換え核酸。 - 【請求項9】 前記NAストーク領域に組込まれる核酸
配列が、配列番号:3で表されるアミノ酸配列をコード
する核酸配列と同一、もしくは実質的に同一である、請
求項4に記載の組換え核酸。 - 【請求項10】 前記NAストーク領域に組込まれる核
酸配列が、配列番号:3で表されるアミノ酸配列をコー
ドする核酸配列である、請求項4に記載の組換え核酸。 - 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の組
換え核酸によってコードされるキメラタンパク質。 - 【請求項12】 請求項1〜10のいずれかに記載の組
換え核酸を含有する発現ベクター。 - 【請求項13】 請求項1〜10のいずれかに記載の組
換え核酸をウイルスゲノムに含有することを特徴とする
組換え型ウイルス。 - 【請求項14】 請求項13に記載のウイルスを含むエ
イズワクチン。 - 【請求項15】 不活性化させた請求項14に記載のエ
イズワクチン。 - 【請求項16】 請求項11に記載のキメラタンパク質
を含むエイズワクチン。 - 【請求項17】 請求項13に記載のウイルスの表面抗
原タンパク質を含むエイズワクチン。 - 【請求項18】 請求項14〜17のいずれかに記載の
エイズワクチンと薬学的に許容できる担体またはアジュ
バンドとを含むエイズワクチン組成物。 - 【請求項19】 経鼻接種される、請求項18に記載の
エイズワクチン組成物。 - 【請求項20】 エイズワクチン作製用組換えウイルス
の製造方法であって、(1)ウイルスの遺伝子変異を起
こす領域の核酸配列に、エイズウイルスの遺伝子変異を
起こす領域の核酸配列又はその部分配列を組込んだ発現
ベクターからインフルエンザウイルス遺伝子RNAを試
験管内で作製する工程、及び(2)ウイルスのポリメラ
ーゼおよび核タンパク質存在下で、RNAポリメラーゼ
と制限酵素処理した発現ベクターを用いて、試験管内で
の転写反応によりインフルエンザキメラRNP複合体を
作製する工程を含む、エイズワクチン作製用組換えウイ
ルスの製造方法。 - 【請求項21】 さらに、(3)得られたRNP複合体
をヘルパーウイルスと共にトランスフェクション法を用
いて細胞に感染させる工程、及び(4)産生されたイン
フルエンザウイルスから組換え型インフルエンザウイル
スを選択する工程を含む、請求項20記載のエイズワク
チン作製用組換えウイルスの製造方法。
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CN113481171A (zh) * | 2021-06-21 | 2021-10-08 | 武汉大学 | 一种携带hiv-1基因的重组流感病毒株及其制备方法与应用 |
-
2002
- 2002-04-25 JP JP2002124909A patent/JP4317912B2/ja not_active Expired - Fee Related
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