JP2003310260A - 遺伝子検査システムおよび遺伝子検査方法 - Google Patents

遺伝子検査システムおよび遺伝子検査方法

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JP2003310260A
JP2003310260A JP2002129259A JP2002129259A JP2003310260A JP 2003310260 A JP2003310260 A JP 2003310260A JP 2002129259 A JP2002129259 A JP 2002129259A JP 2002129259 A JP2002129259 A JP 2002129259A JP 2003310260 A JP2003310260 A JP 2003310260A
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molecular
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container
sample
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Masanobu Kiyohara
正伸 清原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種の遺伝子解析を効率よく実施し得る遺伝
子検査システムおよび遺伝子検査方法の提供。 【解決手段】 検体から核酸を抽出する核酸抽出装置1
と、抽出された核酸を収容する核酸容器40を移動する
搬送装置4と、核酸を用いた情報処理を行う分子計算装
置30とを備えた遺伝子検査システムであって、前記分
子計算装置は、分子の化学反応を実行する分子計算部5
と前記分子計算部を制御する電子計算部9とを有し、前
記電子計算部は、前記搬送装置を制御して前記核酸容器
を前記核酸抽出装置と前記分子計算部との間で移動させ
る装置制御部17を有することを特徴とする遺伝子検査
システム100。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝子診断もしく
は医療上非常に有用な遺伝子解析を実現する遺伝子検査
システムおよび遺伝子検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子等のDNA配列を病気の診断等に
用いる遺伝子診断が実用されつつある。遺伝子診断では
(1)目的とするDNA配列と相補的な配列をもったD
NAプローブを作製し、このDNAプローブが目的とす
るDNA配列とハイブリダイズするか否かを調べるプロ
ーブ検査を行う、(2)目的とするDNA配列の所定の
領域を選び、2つのDNAプローブ(プライマー)を用
いてPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)増幅で生成したD
NA断片の配列を読んだり、長さを調べて得たDNA断
片の情報をもとに検査を行う、等によって得られた検査
結果を診断等に利用するものである。これらの方法で
は、1種類〜数種類のDNA配列を調べる場合には好適
であるが、非常に多数のDNA断片を含むDNA配列の
検査や長いDNA配列の総合評価には適していない。
【0003】しかし、生体内でのDNA配列あるいは遺
伝子は相互に関連しながら働いているものであり、染色
体あるいは含まれている全てのDNA配列を総合して把
握し評価したいという要望がある。例えば、ゲノム解析
プロジェクトにおいて注目されているcDNAプロジェ
クトにおいては、生体中でDNA配列が機能する場合、
DNA情報はまずmRNAに転写され、それをもとに蛋
白質が合成され生体が機能することに注目し、mRNA
の相補鎖であるcDNAの種類と量を知り、生体を総合
的に理解しようとする試みがなされている。具体的に
は、生体試料からcDNAを採取し、個々のcDNAの
配列を決め、個々のcDNAが1つの組織に現れる頻度
を調べること(ボディマップ)が行われている。
【0004】このボディマップを実行するためには、ま
ず、mRNAからcDNAを作製し(種々のcDNAが
混合された状態で)、これをクローニングする。このク
ローニング法としては、一般にcDNAを含んだ大腸菌
を寒天培地に撒き、培養してコロニーを得ることにより
行われる。各コロニーには目的とするcDNAのうちい
ずれか1つが入っているので、これを取り出し、配列を
決定し、cDNAの種類を同定する。次に、各コロニー
からcDNAを取り出し、配列決定していくと、同じc
DNAに何度か出会う。1つの組織中に存在する特定の
cDNAに注目した時、この特定のcDNAの量が多い
ほど、この特定のcDNAがその組織で強く発現してい
る遺伝子に相当するわけで、コロニー中に含まれている
頻度も高い。そこでcDNAの配列解析を多くのコロニ
ーで行い、どのcDNAが何回現れるかでその頻度を求
めることが行われている(Katsuji Murakawaら、Genomi
cs,23,379-389頁(1994)参照)。
【0005】一方、ゲノム(染色体中の全てのDNA配
列)あるいは特定の染色体全体に注目してDNA診断を
実行する試みもなされている。Gene Scan(制
限酵素ランドマークゲノムスキャニング法、LGS法)
と呼ばれるフィンガープリント法がある。この方法で
は、まずDNA配列をNotI等の8塩基確認酵素(4
8〜64k塩基に1回の頻度で切断される)で切断し、
切断部にラジオアイソトープあるいは蛍光標識をしたヌ
クレオチドを結合し、アガロースゲル電気泳動で分離す
る。分離後、4塩基確認酵素(44〜256塩基に1回
の頻度で切断される)を用いてゲル中でDNA断片を切
断し、それをポリアクリルアミド平板ゲルの上端に載せ
2次元電気泳動により分離し、得られたパターンをフィ
ンガープリントとして利用するもので、これによりDN
A全体の様子を把握する。例えば正常細胞中のDNA配
列と、癌等の異常のある細胞のDNA配列とでパターン
が異なることを利用して診断等に用いる等の試みがなさ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したような検出方
法をはじめ、生体試料からゲノムを抽出するプロセス、
及びDNA増幅の反応液の調製プロセスはこれまで手操
作で行われていたために多大な労力と時間を要してい
た。特に、多数の試料を手操作で処理するためには、検
査要員を相当数確保せねばならず、コストが増大すると
ともに、検査要員の未熟さや人員不足などにより調製ミ
スを起こす可能性があった。また、これらのプロセス
は、液体の注入、混合、分離、加温、冷却等の操作を繰
り返す操作であるので煩雑であり、また再現性良く試料
調製を行うには熟練を要する。さらに取り扱う生体試料
には検査要員に感染する恐れのあるウイルスや、環境を
汚染する細菌等も含まれるため、組み替えDNA実験指
針に示す法律等に従って、作業所全体を隔離したり、ク
リーンベンチを使用する等、取り扱い場所を限定し厳重
な注意を払う必要がある。これらの課題を解決するに
は、生体試料からのゲノムの抽出から検査までのプロセ
スを一貫して行う自動化装置の開発が重要である。さら
に、遺伝子診断には様々なものがあり、例えば遺伝子の
発現頻度解析を行いたい場合と、SNPs(1塩基変異
多型)解析を行いたい場合には、別々の自動化装置が必
要であり、そのために莫大な設備コストと広い設置場所
の両方が必要となる。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、各種の遺伝子解析を効率よく実施し得る遺伝子検査
システムおよび遺伝子検査方法の提供を目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、検体から核酸を抽出する核酸抽出装置
と、抽出された核酸を収容する核酸容器を移動する搬送
装置と、核酸を用いた情報処理を行う分子計算装置とを
備えた遺伝子検査システムであって、前記分子計算装置
は、分子の化学反応を実行する分子計算部と前記分子計
算部を制御する電子計算部とを有し、前記電子計算部
は、前記搬送装置を制御して前記核酸容器を前記核酸抽
出装置と前記分子計算部との間で移動させる装置制御部
を有することを特徴とする遺伝子検査システムを提供す
る。
【0009】また本発明は、検体から核酸を抽出する核
酸抽出装置と、該抽出された核酸を核酸容器に分割して
注入する分注装置と、前記核酸容器を移動する搬送装置
と、核酸を用いた情報処理を行う分子計算装置とを備え
た遺伝子検査システムであって、前記分子計算装置は、
分子の化学反応を実行する分子計算部と前記分子計算部
を制御する電子計算部とを有し、前記電子計算部は、前
記搬送装置を制御して前記核酸容器を前記分注装置と前
記分子計算部との間で移動させる装置制御部を有し、前
記装置制御部は前記分子計算部の処理能力に応じて該抽
出された核酸を複数の前記核酸容器に分注するように前
記分注装置を制御することを特徴とする遺伝子検査シス
テムを提供する。
【0010】さらに本発明は、検体から核酸を抽出する
核酸抽出装置と、抽出された核酸を収容する核酸容器を
移動する搬送装置と、核酸を用いた情報処理を行う分子
計算装置とを備えた遺伝子検査システムを用いて検体中
の核酸を検査する遺伝子検査方法であって、検体から核
酸を抽出する工程と、抽出された核酸を前記核酸容器に
収容する工程と、前記核酸容器を前記核酸抽出装置から
前記分子計算部へ移動させる工程と、前記核酸容器中の
核酸を用いて情報処理を行う工程とを有することを特徴
とする遺伝子検査方法を提供する。
【0011】また本発明は、検体から核酸を抽出する核
酸抽出装置と、該抽出された核酸を核酸容器に分割して
注入する分注装置と、前記核酸容器を移動する搬送装置
と、核酸を用いた情報処理を行う分子計算装置とを備え
た遺伝子検査システムを用いて検体中の核酸を検査する
遺伝子検査方法であって、検体から核酸を抽出する工程
と、抽出された核酸を前記分注装置から前記核酸容器に
分注する工程と、前記核酸容器を前記分注装置から前記
分子計算装置へ移動させる工程と、前記核酸容器中の核
酸を用いて情報処理を行う工程とを有することを特徴と
する遺伝子検査方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]本発明の第1
の実施形態である自動核酸検査システムを説明する。図
1は本実施形態の自動核酸検査システム100のブロッ
ク図である。本実施形態の自動核酸検査システム100
は、核酸抽出装置1と、各装置間で核酸容器40を移動
させる搬送装置4と、核酸を用いた情報処理を行う分子
計算装置30とを必須の構成要素として備えて構成され
ている。
【0013】図3は核酸抽出装置1、運搬装置4および
分子計算装置30の配置の一例を示す図であり、この例
示において核酸抽出装置1と分子計算装置30とが隣接
配置され、核酸抽出装置1の一部に搬送装置4が設けら
れ、該搬送装置4の一端が分子計算装置30側に延在し
ている。なお、図3の装置構成は一例にすぎず、核酸抽
出装置1、運搬装置4および分子計算装置30の配置
は、核酸抽出装置1と分子計算装置30との間で核酸容
器40を搬送できれば適宜変更可能である。
【0014】核酸抽出装置1は、検体から核酸を抽出す
る核酸抽出部2と、他の機器の通信部8,16と通信す
るための通信部3とを有する。核酸抽出部2は、病院等
で被験者から採取された血液などの検体を入れ、所定位
置に並べられた検体容器から、順次検体を取り出し、検
体中に含まれた核酸成分、例えばDNA配列を抽出し、
そのDNA配列(抽出DNAと記す)を所定位置にセッ
トされている核酸容器40内に供給する一連の処理を自
動的に実行するためのもので、検体からの核酸抽出プロ
セスおよび試薬は従来周知のプロセス等を適用すること
ができる。また、検体および抽出DNAの移送のための
機構は、各種自動分析装置におけるサンプリング機構を
用いて構築することができる。抽出DNA等を収容する
核酸容器としては、規定の個数の穴が縦横に設けられた
マイクロプレート、例えば96穴プレートなどが用いら
れる。
【0015】搬送装置4は、1または複数の核酸容器4
0を分子計算装置30の所定位置(例えば分子計算部5
の分子反応部6)に搬送できればよく、従来周知の各種
搬送装置の中から、使用する核酸容器40の形態に応じ
て適宜選択される。例えば核酸容器40として上記プレ
ートを用いる場合、該プレートを保持して所望位置に搬
送可能なロボットアーム等を用いることができる。この
搬送装置4の運転は、後述する電子計算部9によって制
御される。なお、前記核酸抽出装置1および搬送装置4
には、検体および抽出DNAが変質しない条件下でこれ
らを保存可能な温度調節機構等を設けることもできる。
【0016】分子計算装置30は、電子計算部9と分子
計算部5とを有する。電子計算部9は、表示部10、入
力部12、入出力制御部11、装置制御部17、検出結
果解析部13、翻訳・解析計画立案部14、記憶部15
および通信部16とを有する。分子計算部5は分子反応
部6、検出部7および通信部8を有する。この電子計算
部9は、分子計算部5および各装置を制御し、分子計算
部5はその制御によって分子の化学反応を実行すること
により演算を行う。
【0017】分子計算装置30は、入力されたDNA分
子を符号化されたDNA分子へと置き換え、置き換えた
DNA分子を用いて反応を行う。置き換えたDNA分子
はそれぞれの物性が一定であり、そのことにより溶液中
の成分比を崩すことなく処理が行われ、検出反応も均一
に行われる。例えば、遺伝子の発現頻度解析などの溶液
中にそれぞれの核酸がどれくらい含まれているかを知り
たい場合等に有効である。なお、分子計算装置30によ
って多数の異なるDNA分子による反応プロトコルを変
更自在に自動化する技術概念については、DIMACS Serie
s in DiscreteMathematics and Mathematics and Theor
etical Computer Science 54, 9(2000)を参照すること
ができる。
【0018】装置制御部17は、核酸抽出装置1、搬送
装置4および分子計算部5と常に通信状態にあり、分子
計算装置30が反応処理中かどうかを判定し、処理中な
ら核酸抽出装置1から分子計算装置30への搬送を止
め、処理中でないなら搬送を行うなどの全体の流れの判
断を行う。プロセスの実行状況の確認、プロセスへの割
り込み介入、記憶部15からのパラメータの取り出し
は、オペレーターの判断により行う。
【0019】分子計算器5の検出部7での検出結果は、
分子計算部5の通信部8および電子計算部9の通信部1
6を経て検出結果解析部13へと送られ、アルゴリズム
によって解析され、記憶部15に保存される。蓄えられ
た検出結果は、オペレーターの判断により必要に応じて
取り出され、表示部10に表示される。この自動核酸検
査システム100の運転は、電子計算部9の入力部12
から入力され記憶部15に記憶させておいた検査プログ
ラムに従って自動運転され、この検査プログラムを変更
する場合には、入力部12から変更指示を入力すること
で適宜変更可能になっている。
【0020】次に、本実施形態の自動核酸検査システム
100を用いた検査方法の一例を説明する。図2に処理
フロー図を示す。この検査方法では、概ね次の各工程
(S1〜S15)を経て検査が行われる。
【0021】(S1):検体情報と検査プログラムを電
子計算部9の入力部12から入力する。 (S2):検査プログラムを翻訳し、装置制御命令手順
を作成する処理である。工程(S1)で入力された検査
プログラムは翻訳・解析計画立案部14において各装置
での制御命令に翻訳される。翻訳された制御命令は電子
計算部9の記憶部15に保存され、同じく電子計算部9
の装置制御部17に逐次呼び出される。 (S3):検体情報を記憶部15に記憶する処理であ
る。検体情報には検体につけられた名前もしくは番号な
どの検体識別情報、検査方法、解析方法などが含まれて
いる。 (S4)核酸抽出装置1のプロセス実行状況を確認し、
処理可能かどうかを判定する。 (S5):核酸抽出装置1がプロセス実行中の場合の処
理である。電子計算部9の装置制御部17は、同じく電
子計算部9の表示部10にオペレーターが核酸抽出装置
1の核酸抽出部2への検体の入力を行わないように警告
を表示する。 (S6):核酸抽出装置1が待機中(プロセス実行可能
状態)にある場合の処理である。電子計算部9の装置制
御部17は同じく電子計算部9の表示部10に検体の入
力が可能であることを表示させる。 (S7):オペレーターによる検体の入力作業である。
工程(S6)の場合、オペレーターは核酸抽出装置1の
核酸抽出部2への検体の入った容器を入力する。 (S8):核酸抽出部2で工程(S7)により入力され
た検体から核酸が抽出される。核酸抽出作業は、電子計
算部9の装置制御部17による制御命令に従って行われ
る。 (S9):分子計算部5のプロセス実行状況を確認し、
処理可能かどうかを判定する。分子計算部5は電子計算
部9の装置制御部17によりそのプロセスの実行状況が
監視されている。 (S10):分子計算部5がプロセス実行中の場合の処
理である。分子計算部5のプロセスが終了するまで待機
する。 (S11):分子計算部5が待機中(プロセス実行可能
状態)にある場合の処理である。電子計算部9の装置制
御部17の制御命令により、搬送装置4は核酸抽出部2
から分子計算部5の分子反応部6へ工程(S8)により
抽出された核酸を搬送する。 (S12):搬送されてきた核酸を電子計算部9の装置
制御部17の制御命令に従って分子計算部5の分子反応
部6で分子計算反応を行う。 (S13):工程(S12)により処理された核酸を分
子計算部5の検出部7により検出を行う。検出結果は、
電子計算部9の検出結果解析部13へ送られる。 (S14):工程(S12)により送られてきた検出結
果を、電子計算部9の検出結果解析部13で解析する。
電子計算部9の検出結果解析部13は、同じく電子計算
部9の記憶部15に記憶されている検体の解析方法を呼
び出し、その指示に従って工程(S12)により送られ
てきた検査結果を解析する。解析された結果は同じく記
憶部15に記憶されている検体の番号または名前などの
検体識別情報と対応づけて、同じく記憶部15に保存す
る。 (S15):検査結果の表示を行う。工程(S14)に
より電子計算部9の記憶部15に保存された検査結果の
うち、オペレーターが呼び出したい検体識別情報を電子
計算部9の入力部12より入力する。電子計算部9の入
力部12より入力された検体識別情報は、同じく電子計
算部9の入出力制御部11により解釈され、検体識別情
報に対応した検査結果を同じく電子計算部9の記憶部1
5より呼び出し、電子計算部9の表示部10に表示す
る。
【0022】[第2の実施形態]本発明の第2の実施形
態である自動核酸検査システム200を説明する。図4
は、本実施形態の自動核酸検査システム200の各部配
置を示す図である。本実施形態の自動核酸検査システム
200は、上述した第1の実施形態の自動核酸検査シス
テム100に分注装置20を設けた構成になっている。
この分注装置20は、検体を含む試料を核酸容器40に
小分けして注入する分注部21と、試料を一時保管する
サンプル保持部22とを有する。
【0023】実施例1の工程(S8)で核酸が抽出され
た後、分注装置20の分注部21は、電子計算部9の装
置制御部17の制御命令により、分子計算部5で処理す
るのに適した濃度および液量に検体を調整し、核酸容器
に注入する。工程(S8)で余った処理済み検体はサン
プル保持部22に保存しても良いし、廃棄してもよい。
そして、核酸容器40は、工程(S11)で搬送装置4
によって分注部21から分子計算部5の分子反応部6へ
搬送される。
【0024】検査の種類によっては、分子計算装置30
で同時に処理できる検体の数以上に検査対象の検体が必
要であったり、処理に時間がかかったりする場合があ
る。このような場合、装置制御部18は、工程(S8)
の後に分注部21により複数個の核酸容器40に分注を
行い、そのうちの1つを分子計算装置30へと送り、残
りの核酸容器40はサンプル保持部22に保存する処理
を行う。工程(S12)での分子計算装置30による処
理が終了後、装置制御部18はサンプル保持部22から
残りの核酸容器40を逐次取り出し搬送装置4により分
子計算部5へと送る。そして、工程(S14)で検出結
果を解析する際に、装置制御部18は各核酸容器40の
検査結果をまとめて解析するよう検出結果解析部13に
命令する。
【0025】このようにして、自動核酸検査システム2
00は、分子計算装置30の処理能力に対応して連続し
て処理を行うことができる。また、1つの検体に対して
複数種類の検査を行いたい場合にも、分注部21で検査
の種類に合わせて複数の核酸容器40に分注し、逐次処
理を行うことができる。
【0026】また、以下の〜のような場合にも、装
置制御部17が分注装置20、搬送装置4および検出結
果解析部13を制御する。 分注に際して、例えば96種の試料を96穴プレート
に1行おきに分注していくことで処理が速く進む場合、
残りの48種を一時的に保存しておき、先の処理が終了
後、残りの48種を処理する。(複雑な分子演算、多く
の反応を含む分子演算の場合、高速化) 核酸抽出装置1で予め多めに(濃いめに)抽出してお
いて、その半分を分注部21に保存し、もし残りの半分
を処理中にエラーが発生し使えなくなった場合、保存し
ておいた残りの半分を処理に用いる。(エラー対策) 核酸抽出装置1での処理に要する時間より、分子計算
装置30での処理時間が短い場合、分子計算装置30の
消耗品を最小にするために、例えば96穴プレートなら
96種のサンプルが集まるまで、試料を保存好適条件下
で保存する。(消耗品を最小にする最適化) 核酸抽出装置1での処理に要する時間より、分子計算
装置30での処理時間が長い場合、分子計算装置30で
の処理が終わるまで、試料を保存好適条件下で保存し、
処理が終わった段階で次の試料を送り出せるようにす
る。(バッファー機能) A病院からの試料と、B病院からの試料との処理結果
が1枚の96穴プレートで出力された場合、それらを各
病院ごとに2枚のプレートへと分注し、識別票を貼り付
けて分注装置20のサンプル保持部22に保存するか、
もしくは複数枚の96穴プレートで処理され出力された
ものを1つの96穴プレートに集める。
【0027】[第3の実施形態]本発明の第3の実施形
態である自動核酸検査システム300を説明する。図5
に自動核酸検査システム300の各装置の配置を例示す
る。本実施形態の自動核酸検査システム300は、第2
の実施形態の自動核酸検査システム200に、サンプル
保存装置50を加えた構成になっている。
【0028】装置制御部18は、工程(S12)の後、
分子計算装置30から処理済の核酸容器40を取り出
し、搬送装置4を制御して核酸容器40をサンプル保存
装置50に移動させる。サンプル保存装置50は記憶部
15に保存されている検体の保存方法に従って保存を行
う。
【0029】本実施形態の自動核酸検査システム300
によれば、分子計算装置30での処理前の核酸容器40
と処理後の核酸容器40とを異なる場所に保持できるの
で、核酸容器40の間で検体の混入が起こるのを防止す
ることができる。なお、図6に示すように、各部の検出
装置60を搬送装置4を介してサンプル保存装置50に
接続してもよい。
【0030】[第4の実施形態]本発明の第4の実施形
態である自動核酸検査システム400を説明する。図7
に自動核酸検査システム400の各装置の配置を例示す
る。本実施形態の自動核酸検査システム400は、第2
の実施形態の自動核酸検査システム200に、外部の検
出装置60を加えたものである。
【0031】工程(S9)において、分子計算装置30
がプロセス実行中で次の核酸容器40を受け入れられな
いが、検体を外部検出装置60で処理可能な場合は、装
置制御部17が搬送装置4を制御して、分注装置20か
ら直接にまたはサンプル保持部22を経由して外部検出
装置60に核酸容器40を送る。
【0032】本実施形態の自動核酸検査システム400
によれば、状況に応じて処理装置を適宜変更することが
できるので、一連の検査を効率よく行うことができる。
【0033】第3の実施形態および第4の実施形態にお
いて、サンプル保持部22またはサンプル保存装置50
に、核酸容器40の標識を行う識別処理部(図示せず)
を設けてもよい。これによって、サンプル保持部22ま
たはサンプル保存装置50に保持されている核酸容器4
0の検体名や状態を、自動核酸検査システムの検査要員
が把握することができる。
【0034】
【発明の効果】本発明のように、核酸の解析装置として
分子計算装置を用いることで、例えば遺伝子の発現頻度
解析などでは膨大な数のクローンについての解析を行う
必要がなく、また性質が一様なDNAを用いて増幅する
ので、頻度分布を崩さずに増幅でき、それを検出する、
例えばDNAマイクロアレイでは、同じプローブDNA
を添着したものを使えるので、コストや手間を大幅に削
減することができる。さらに分子計算装置はその解析方
法を問わない。例えば、遺伝子の発現頻度解析と、SN
Ps解析との両方の解析を実行したいなら、それぞれの
処理に応じた処理装置が必要になるが、分子計算装置で
はそのプログラムを交換するだけで同じ装置で解析を行
うことが可能である。また本発明は、血液や細胞などの
生体試料から出発し、例えばDNAマイクロアレイなど
を用いた検出反応までのすべてを実現するものである。
従って、例えば感染症診断の場合などは、前処理から解
析反応、そして検出までのすべての診断プロセスを1筐
体内で全自動処理することが可能となる。これにより、
検査要員に感染する恐れのあるウイルスや、環境を汚染
する細菌等が含まれる検体を扱う場合に、作業所全体を
隔離したり、クリーンベンチを使用する等の特別な設備
が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態である自動核酸検査
システムのブロック図である。
【図2】 図1の自動核酸検査システムを用いた検査方
法を例示するフロー図である。
【図3】 図1の自動核酸検査システムの装置構成を例
示する概略構成図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態である自動核酸検査
システムの構成図である。
【図5】 本発明の第3の実施形態である自動核酸検査
システムの構成図である。
【図6】 第3の実施形態の自動核酸検査システムの変
形例を示す構成図である。
【図7】 本発明の第4の実施形態である自動核酸検査
システムの構成図である。
【符号の説明】
1 核酸抽出装置 4 搬送装置 5 分子計算部 9 電子計算部 17 装置制御部 20 分注装置 30 分子計算装置 40 核酸容器 100、200,300,400 自動核酸検査シス
テム(遺伝子検査システム)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体から核酸を抽出する核酸抽出装置
    と、抽出された核酸を収容する核酸容器を移動する搬送
    装置と、核酸を用いた情報処理を行う分子計算装置とを
    備えた遺伝子検査システムであって、 前記分子計算装置は、分子の化学反応を実行する分子計
    算部と前記分子計算部を制御する電子計算部とを有し、 前記電子計算部は、前記搬送装置を制御して前記核酸容
    器を前記核酸抽出装置と前記分子計算部との間で移動さ
    せる装置制御部を有することを特徴とする遺伝子検査シ
    ステム。
  2. 【請求項2】 検体から核酸を抽出する核酸抽出装置
    と、該抽出された核酸を核酸容器に分割して注入する分
    注装置と、前記核酸容器を移動する搬送装置と、核酸を
    用いた情報処理を行う分子計算装置とを備えた遺伝子検
    査システムであって、 前記分子計算装置は、分子の化学反応を実行する分子計
    算部と前記分子計算部を制御する電子計算部とを有し、 前記電子計算部は、前記搬送装置を制御して前記核酸容
    器を前記分注装置と前記分子計算部との間で移動させる
    装置制御部を有し、 前記装置制御部は前記分子計算部の処理能力に応じて該
    抽出された核酸を複数の前記核酸容器に分注するように
    前記分注装置を制御することを特徴とする遺伝子検査シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 検体から核酸を抽出する核酸抽出装置
    と、抽出された核酸を収容する核酸容器を移動する搬送
    装置と、核酸を用いた情報処理を行う分子計算装置とを
    備えた遺伝子検査システムを用いて検体中の核酸を検査
    する遺伝子検査方法であって、 検体から核酸を抽出する工程と、 抽出された核酸を前記核酸容器に収容する工程と、 前記核酸容器を前記核酸抽出装置から前記分子計算部へ
    移動させる工程と、 前記核酸容器中の核酸を用いて情報処理を行う工程とを
    有することを特徴とする遺伝子検査方法。
  4. 【請求項4】 検体から核酸を抽出する核酸抽出装置
    と、該抽出された核酸を核酸容器に分割して注入する分
    注装置と、前記核酸容器を移動する搬送装置と、核酸を
    用いた情報処理を行う分子計算装置とを備えた遺伝子検
    査システムを用いて検体中の核酸を検査する遺伝子検査
    方法であって、 検体から核酸を抽出する工程と、 抽出された核酸を前記分注装置から前記核酸容器に分注
    する工程と、 前記核酸容器を前記分注装置から前記分子計算装置へ移
    動させる工程と、 前記核酸容器中の核酸を用いて情報処理を行う工程とを
    有することを特徴とする遺伝子検査方法。
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