JP2003308863A - 燃料電池スタック - Google Patents

燃料電池スタック

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JP2003308863A
JP2003308863A JP2002111221A JP2002111221A JP2003308863A JP 2003308863 A JP2003308863 A JP 2003308863A JP 2002111221 A JP2002111221 A JP 2002111221A JP 2002111221 A JP2002111221 A JP 2002111221A JP 2003308863 A JP2003308863 A JP 2003308863A
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Shingo Ishida
真吾 石田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】常温下におれる電力損失を抑制しつつ、低温下
における燃料電池の起動を容易とする。 【解決手段】燃料電池スタック1の端部に発熱体62を
設け、発熱体62を経由する回路と、発熱体62をバイ
パスして直接負荷と接続される負荷接続回路とを設け、
通常発電時には負荷接続回路を通電状態とするスイッチ
SW1、SW2を負荷接続回路に設ける。燃料電池スタッ
ク1の温度を検出する温度センサS11aで燃料電池ス
タック1の温度を検出し、設定温度以下の時にはスイッ
チSW1、SW2をオフし、発熱体62を通電状態として
暖機する。設定温度に達した場合には、スイッチSW
1、SW2をオフし、発熱体62による電力損失を抑制す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃料電池スタッ
クにかかり、詳しくは、氷点下での始動を容易とする燃
料電池スタックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、燃料電池には、高分子イオン交換
樹脂膜を介して水素と酸素を反応させて、電子と水を生
成するものがある。その際、反応熱が発生する。また、
燃料電池が能力を発揮するためには高分子イオン交換樹
脂膜を湿潤に保つ必要がある。このため、発電の際に
は、高分子イオン交換樹脂膜の湿潤を維持するために、
ガスの加湿と冷却を行っている。また、燃料電池が最も
効率良く運転することができるのが、50℃から80℃
ぐらいの間である。しかし、発電に最適な温度をはるか
に超えた温度となる場合には、冷却を必要とする。そこ
で、燃料電池を冷却するためにスタック内に冷却流路を
配設し、冷却材を通流させる技術がある。冷却材には氷
点下の起動時のこともふまえて不凍液が用いられている
技術が提案されている。
【0003】ところで、燃料電池装置において水が必要
になるのは、燃料電池の温度が高い状態の場合であり、
低温で始動する場合には冷却は必要ない。更に氷点下の
起動時には、発電反応によって生成された水が電極表面
で凍結し、酸素の供給を妨げられてしまう。そこで、生
成水の凍結によって酸素の供給を妨げないようにするた
めに、特開平7−94202号に記載されているよう
に、低温始動時には外部装置によって燃料電池を暖機す
るものや、燃料電池自体の反応熱によって燃料電池周囲
を徐々に暖機するものが提案されている。また、氷点下
の状態であっても、生成水が凍結しガスの供給が妨げら
れるまでの間は、発電可能であり、その間に燃料電池の
温度が0℃以上に暖機されれば、氷点下の状態からでも
燃料電池は始動できる。
【0004】燃料電池を複数直列に積層した燃料電池ス
タックの場合、燃料電池スタックの両端のセパレータは
電極間に挟まれている中央のセパレータに比べ、熱容量
の大きなターミナル(集電板)に隣接するため熱が奪わ
れ易く、また、発熱体(電極)が片側にないなどの理由
により温度の上昇が遅く、生成水凍結が発生しやすい。
【0005】つまり、端部のセルをのぞく中央部のセル
は氷点下の状態から始動できるポテンシャルがあるにも
かかわらず、端部セルの生成水凍結を防止するため、低
温から始動できない。また、このような端部セルの生成
水凍結を抑制するために、特開平8−167424号に
記載されているように、燃料電池スタック端部に電気抵
抗材料を用いた発熱体を設ける構成のものが公知であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
電気抵抗材料を用いた発熱体を設けると、低温始動時
は、端部セルを昇温するのに有効だが、通常運転中は、
発熱体があることによって、電力が消費され、ロスが生
じる。この発明の目的は、常温下における電力損失を抑
制しつつ、低温下における燃料電池の起動を容易とした
燃料電池スタックを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上のような目的は、以
下の本発明により達成される。 (1) 燃料電池単位セルと、該単位セル間を区画する
とともに該単位セルを電気的に直列に接続するセパレー
タとを交互に積層した発電部と、前記発電部の単位セル
とセパレータの積層方向における両端にそれぞれ配置さ
れた集電体と、前記各集電体と、発電部端部のセパレー
タとの間にそれぞれ配置され、発電部の発電によって発
熱する発熱体と、前記発熱体を介して発電部と負荷とを
接続する発熱体回路と、発電部と負荷とを直接接続する
負荷接続回路と、負荷接続回路を通電状態と非通電状態
とに切換える負荷接続スイッチとを備えた燃料電池スタ
ック。
【0008】(2) 発熱体回路を通電状態と非通電状
態とに切換える発熱体接続スイッチを備え、前記負荷接
続スイッチが通電状態の場合には、前記発熱体接続スイ
ッチを非通電状態とし、前記負荷接続スイッチが非通電
状態の場合には、前記発熱体接続スイッチを通電状態と
するスイッチ制御手段を備えた上記(1)に記載の燃料
電池スタック。
【0009】(3) 発電部の温度を検出する温度検出
手段を備え、前記スイッチ制御手段は、前記温度検出手
段によって検出された発電部の温度に応じて、前記負荷
接続スイッチと前記発熱体接続スイッチの切換えを行う
上記(2)に記載の燃料電池スタック。
【0010】(4) 前記温度検出手段は、発電部の端
部近傍の温度を検出する上記(3)に記載の燃料電池ス
タック。
【0011】(5) 前記発電部の一部の出力電圧を検
出する電圧検出手段を備え、前記スイッチ制御手段は、
前記電圧検出手段によって検出された発電部の出力電圧
に応じて、前記負荷接続スイッチと前記発熱体接続スイ
ッチの切換えを行う上記(2)に記載の燃料電池スタッ
ク。
【0012】(6) 前記電圧検出手段は、発電部の端
部近傍の1つ又は直列に接続された複数の単位セルにお
ける電圧を検出する上記(5)に記載の燃料電池スタッ
ク。
【0013】(7) 前記セパレータは、金属で構成さ
れている上記(1)〜(6)のいずれか1に記載の燃料
電池スタック。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の燃料電池スタック
について、添付図面に基づき詳細に説明する。図1は、
本発明の燃料電池スタック1の全体斜視図、図2は燃料
電池スタック1の部分断面図、図3は、燃料電池スタッ
ク1の平面断面と、切換スイッチを示した模式図であ
る。本発明の、燃料電池スタック1は、単位セル2と、
セパレータ3とを有する発電部61を備えている。単位
セル2は、酸素極21と燃料極22とで固体高分子電解
質膜23を挟持した構成となっている。セパレータ3
は、酸素極21と燃料極22にそれぞれ接触して電流を
外部に取り出すための集電部材31、32とを有してい
る。図2及び図3に示されているように、単位セル2と
セパレータ3とが交互に積層されて発電部61が構成さ
れる。
【0015】集電部材31、32は、それぞれ金属材料
で構成されている。この構成金属は、集電部材としての
機能を果たすために、導電性を有しているもので、か
つ、通電状態となることから耐蝕性を有するものが用い
られる。例えば、ステンレス、ニッケル合金、チタン合
金等に耐蝕導電処理を施したもの等が挙げられる。ここ
で、耐蝕導電処理とは、例えば、金メッキ等が挙げられ
る。また、集電部材31、32の構成材料は、金属の
他、カーボンブラック等の導電性と耐食性を備えた材料
を用いてもよい。金属は、カーボンや樹脂と比較して熱
伝導性が高いので、外側(発熱体)から供給された熱
が、内部に伝わる速度が速く、燃料電池スタック1全体
の温度が上がりやすくなる。また、全体の温度が均一に
成りやすい。また、金属板をプレス加工により形成する
ことによって、セパレータ3を薄く形成することができ
るので、燃料電池スタック1自体の大きさを小型化で
き、かつ、熱容量を少なくすることができるので、この
ことによっても燃料電池スタック1を温まりやすい構成
とすることができる。
【0016】集電部材31は、酸素極21に接触し、集
電部材32は、燃料極22に接触する。図2及び図3に
示されているように、集電部材31の、酸素極21に接
触する面には、直線状に連続して隆起した凸部311が
等間隔で複数形成され、該凸部311の間には、溝31
2がそれぞれ形成される。つまり、凸部311と溝31
2は、交互に配置された形状となっている。凸部311
は、最も突出した峰の平面部が酸素極21に接触する接
触部313となっており、この接触部313を介して酸
素極21と通電可能となる。溝312と、酸素極21の
表面とによって、空気が流通する空気流通路315が形
成される。
【0017】凸部311の両端には、凸部311に直交
する方向に溝314、314が形成され、この溝314
と酸素極21の表面とによって、空気流路316が形成
される。複数の空気流通路315は、両端部で空気流路
316にそれぞれ連通した構成となっており、複数の空
気流通路315と一対の空気流路316とによって、酸
素極21へ酸素を供給する空気保持部が構成される。
【0018】空気保持部には、空気供給孔318と空気
排出孔317とが形成され、空気は空気供給孔318か
ら空気保持部内に流入し、空気排出孔317から流出す
る。このように、空気保持部内の空気は、常時入れ替わ
る構成となっている。この実施形態では、集電部材31
は、矩形であり、空気供給孔318と空気排出孔317
は、集電部材31の平面視における図心を中心として点
対称の位置に(対角線方向)に、それぞれ配置されてい
る。図2には、空気排出孔317が示されている。ま
た、図3には、空気供給孔318が示されている。
【0019】集電部材32の、水素極22に接触する面
には、直線状に連続して隆起した凸部321が等間隔で
複数形成され、該凸部321の間には、溝322がそれ
ぞれ形成される。つまり、凸部321と溝322は、交
互に配置された形状となっている。凸部321は、最も
突出した峰の平面部が水素極22に接触する接触部32
3となっており、この接触部323を介して水素極22
と通電可能となる。溝322と、水素極22の表面とに
よって、水素が流通する水素流通路325が形成され
る。
【0020】凸部321の両端には、凸部321に直交
する方向に溝324、324が形成され、この溝324
と水素極22の表面とによって、水素流路326が形成
される。複数の水素流通路325は、両端部で水素流路
326にそれぞれ連通した構成となっており、複数の水
素流通路325と一対の水素流路326とによって、水
素極22へ水素を供給する水素保持部が構成される。
【0021】水素保持部には、水素供給孔と水素排出孔
327とが形成され、水素は、水素供給孔から水素保持
部内に流入し、水素排出孔327から流出する。このよ
うに、水素保持部内の水素は、常時入れ替わる構成とな
っている。この実施形態では、集電部材32は、矩形で
あり、水素供給孔と水素排出孔327は、集電部材32
の平面視における図心を中心として点対称の位置に(対
角線方向)に、それぞれ配置されている。図2には、水
素排出孔327が示されている。
【0022】集電部材32の、水素極22に対して反対
側の面には、直線状に連続して隆起した凸部421が等
間隔で複数形成され、該凸部421の間には、溝422
がそれぞれ形成される。つまり、凸部421と溝422
は、交互に配置された形状となっている。凸部421
は、最も突出した峰の平面部が集電部材31の平面に接
触する接触部423となっており、この接触部423を
介して隣接する単位セル2の水素極22と酸素極21が
電気的に接続される。溝422と、集電部材31の平面
とによって、水が流通する水流通路425が形成され
る。
【0023】凸部421の両端には、凸部421に直交
する方向に溝424、424が形成れ、この溝424と
集電部材31の平面とによって、水流路426が形成さ
れる。複数の水流通路425は、両端部で水流路426
にそれぞれ連通した構成となっており、複数の水流通路
425と一対の水流路426とによって、冷却部が構成
される。
【0024】この冷却部には、水供給孔と水排出孔42
7とが形成され、冷媒である水は、水供給孔から冷却部
内に流入し、水排出孔427から流出する。このよう
に、冷却部内の水は、入れ替わることができる構成とな
っている。この実施形態では、集電部材32は、矩形で
あり、水供給孔と水排出孔427は、集電部材32の平
面視における図心を中心として点対称の位置に(対角線
方向)に、それぞれ配置されている。このような位置
に、水供給孔と水排出孔427が設けられていることに
よって、冷却部内の水を均一に交換することができる。
図2と図3には、水排出孔427が示されている。な
お、冷却媒体は、水の他、不凍液を用いることもでき
る。
【0025】燃料電池スタック1内には、セパレータ3
の積層方向に、空気と水素と水を導通させる導通路が形
成されている。導通路は、それぞれ供給用の導通路と、
排出用の導通路とを有している。図1に示されているよ
うに、供給用の空気導通路51、水素導通路53、水導
通路55は、燃料電池スタック1の片側にまとめて配置
され、排出用の空気導通路52、水素導通路54、水導
通路56は、供給用の導通路が配置された側に対して、
反対側に配置され、その間に、空気保持部、水素保持
部、冷却部を挟むように構成されている。
【0026】従って、排出用の空気導通路52は各空気
保持部の空気排出孔317にそれぞれ連通し、供給用の
空気導通路51は、各空気保持部の空気供給孔にそれぞ
れ連通している。このように、供給用の空気導通路51
は、各空気保持部に空気を分配する空気マニホールドと
して機能する。また、排出用の水素導通路54は各水素
保持部の水素排出孔327にそれぞれ連通し、供給用の
水素導通路53は、各水素保持部の水素供給孔にそれぞ
れ連通している。このように、供給用の水素導通路53
は、各水素保持部に水素を分配する水素マニホールドと
して機能する。さらに、排出用の水導通路56は各冷却
部の水排出孔427にそれぞれ連通し、供給用の水導通
路55は、各水保持部の水供給孔にそれぞれ連通してい
る。このように、供給用の水導通路55は、各水保持部
に水を分配する水マニホールドとして機能する。
【0027】以上のように構成された発電部61の両端
には、セパレータ3と単位セル2の積層方向において、
端部セパレータ3から外側へ向けて、発熱体62a、6
2b、集電体63a、63b、絶縁部材64a、64
b、エンドプレート65a、65bが、それぞれが両側
に接続されている。これらの積層された各部材と、発電
部61は、対向する側面に付設された保持部材66によ
って一体として保持される。
【0028】発熱体62a、62bは、通電によって発
熱する材料で構成される。発熱体を構成する材料として
は、例えば、以下のようなものが挙げられる。図4に示
されているように、断熱材621で構成された材料の厚
さ方向(セパレータ3や集電体63の積層方向)に、導
電材622を挿入して構成された発熱体がある。導電材
622は、断熱材621の一方の面から他方の面に連通
し、積層状態では、端部セパレータ3に一端が接触し、
集電体63に他端が接触する。そして、通電時には、こ
の導電材622が発熱する。導電622の構成材料とし
ては、電気伝導性の高い材料で、通電時に発熱する材料
が挙げられ、例えば、銅、アルミニウム、鉄、ステンレ
ス、炭素などがある。また、断熱材としては、ポリエチ
レン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、アク
リロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、ポリ
カーボネート(PC)樹脂、四フッ化エチレン(PTF
E)樹脂などか挙げられる。その他、断熱材の例として
は、アルミナ、酸化ケイ素などの金属酸化物、多孔質セ
ラミック等が挙げられる。上記のように、発熱する材料
に加えて、断熱材を用いることで、発生した熱の外部へ
の放出が抑制され、燃料電池スタック1の端部付近の温
度を短時間で上昇させることができる。
【0029】他の発熱体62の構成例としては、多孔質
金属が挙げられ、例えば、発泡ニッケルなどの発泡金属
がある。このような構成の発熱体も、構成する金属自体
が導電性を有するとともに、通電時には発熱し、燃料電
池スタック1に外部から熱を与える作用を有する。さら
に、多孔質であるため、孔内の空気によって断熱作用が
発揮され、熱の放出が抑制される。また、発熱体62の
他の構成例としては、導電性樹脂が挙げられる。これ
は、既述の樹脂材料に、炭素、金属等の導電性を有する
材料の粉末を所定の割合で混合して構成される。これら
粉末の樹脂に対する割合を調整することで、発熱量を調
整することも可能である。以上のように構成された発熱
体62には、電気的に接触する部分、例えば、燃料電池
スタックの端に位置するセパレータと接触する面及び集
電体63と接触する面に、通電時における接触部分の電
気抵抗を低減するために、表面処理を施すことが好まし
い。表面処理の例としては、例えば、金メッキやカーボ
ン蒸着などが挙げられる。
【0030】片方のエンドプレート65aには、後述す
る空気供給系11、水素供給系12、冷却系13の各経
路が接続されている。詳しくは、空気供給系11の空気
供給路110は供給用の空気導通路51に、空気排出路
111は排出用の空気導通路52にそれぞれ接続され、
水素供給系12の供給路122は供給用の水素導通路5
3に、排出路123は排出用の水素導通路54にそれぞ
れ接続され、冷却系13の冷却液供給路133は供給用
の水導通路55に、冷却液排出路131は排出用の水導
通路56にそれぞれ接続されている。
【0031】また、図1および図3に示されているよう
に、発熱体62a、62b、集電体63a、63b、絶
縁部材64a、64b、エンドプレート65a、65b
の中心部には、これらの部材を同時に貫通する孔681
a、681bが形成されており、この孔681a、68
1bには端子68a、68bが挿通している。端子68
aは、発電部61の一方の端に位置する集電部材31に
電気的に接続され、端子68bは、発電部61の他方の
端に位置する集電部材32´に電気的に接続されてい
る。端子68aには、コード71aを介してスイッチS
W1の一方の端子が接続され、スイッチSW1の他方の端
子には、負荷系14が接続される。端子68bには、コ
ード71bを介してスイッチSW2の一方の端子が接続
され、スイッチSW2の他方の端子には、負荷系14が
接続される。
【0032】次に、燃料電池スタック1を用いた燃料電
池システム100の構成について、説明する。図5は、
燃料電池システム100の構成を示す模式図である。燃
料電池システム100は、電気自動車に搭載されるもの
であり、後述する負荷系のバッテリ146とともに駆動
モータ143の電源を構成している。燃料電池システム
100は、燃料電池スタック1へ対して、空気を供給す
る空気供給系11と、同じく、水素を供給する水素供給
系12と、同じく冷却液を供給する冷却系13と、負荷
系14と、酸素供給系11に水分を供給する加湿系15
とを備えている。
【0033】空気供給系11は、空気供給路110と、
空気排出路111を備えている。空気供給路110に
は、上流側から順に、外気の粉塵などの不純物を除去す
るフィルタ112、外気温度センサS1空気の供給量を
調整する空気供給ファン113、供給する空気を加湿す
る加湿器151、ヒータ114、空気入口温度センサS
2が接続され、最終的に燃料電池スタック1の供給用空
気導通路51が接続されている。
【0034】外気温度センサS1は、供給される空気の
温度を検出し、この温度が所定温度より低い場合には、
ヒータ114で供給される空気を昇温することができ
る。つまり、ヒータ114は、空気入口温度センタS1
の出力値によって制御される。
【0035】空気排出路111の上流側端は、燃料電池
スタック1の排出用空気導通路52に接続され、下流へ
向けて順に、燃料電池スタックの代表温度を測るための
空気出口温度センサS3、空気供給系からの空気流が酸
素極21から持ち去った水を回収する凝縮器152、外
気から不純物が逆流して燃料電池スタックに進入するの
を防止するフィルタ115が接続され、最終的に系の外
部に空気を排出する。以上のように、空気供給系11
は、燃料電池スタック1内に設けられている空気保持部
に空気を送り込み、空気中の酸素を酸素極21に供給す
る。
【0036】加湿系15は、燃料電池スタック1に供給
される空気に湿度を加える加湿器151と、排出された
空気から水分を回収する凝縮器152と、加湿水タンク
150と、加湿水タンク150から加湿水を加湿器15
1へ供給する水供給路153と、加湿水を加湿器151
に送り出す加湿水ポンプ154と、加湿水ポンプ154
の下流側に設けられ、電磁弁155と、凝縮器152で
回収された水を加湿水タンク150へ回収する回収路1
56と、回収した水を加湿水タンク150へ送る回収ポ
ンプ157と、加湿水タンク150内に設けられた凍結
防止用ヒータ150aと、加湿水タンク150内の加湿
水の温度を検出する加湿水温度センサS4、同じく水位
を検出する加湿水水位センサS5を備えている。また、
水供給路153と回収路156とには、それぞれ不純物
を除去するフィルタ158、159が設けられている。
電磁弁155は、ポンプ154非駆動時には閉状態とな
り、経路内の水の流動を防止する。加湿系15は、燃料
電池スタック1へ送られる空気を加湿するために設けら
れる。この加湿系15の加湿器151によって加湿され
た空気は、燃料電池スタック1の酸素極21を湿潤状態
(水分で潤った状態)に維持する。
【0037】水素供給系12は、水素貯蔵タンク121
と、水素貯蔵タンク121から、燃料電池スタック1の
供給用水素導通路53へ水素を供給する水素供給路12
2と、燃料電池スタック1の排出用水素導通路54から
外部へ水素を排出する水素排出路123とを備えてい
る。水素供給路122には、水素を外部の水素源から水
素貯蔵タンク121に充填するための水素充鎮口124
が接続され、水素貯蔵タンク121内の水素圧を測るた
めの水素1次圧センサS6が接続され、燃料極に供給す
る水素の圧力(量)を調整するための水素調圧弁125
と、水素の供給量を制御する水素供給電磁弁126と、
燃料極にかかる水素圧を測定する水素2次圧センサS7
が、下流へ向けて、それぞれ順に接続されている。水素
調圧弁125と、水素供給電磁弁126は、水素2次圧
センサS7の検出値に基づき制御される。さらに、水素
排出路123には、下流へ向けて順に、逆流を防止する
逆止弁127、水素の排出をコントロールする水素排気
電磁弁128が接続されている。水素は運転中、連続し
て供給されてもよいし、間欠的に供給されてもよい。
【0038】冷却系13は、燃料電池スタック1が高温
でヒートアップしてしまうのを防止するために配設され
ていて、燃料電池スタック1内に冷却媒体である冷却液
を流通させ、これを循環させることにより冷却する。こ
の実施形態では、冷却液として不凍液が用いられ、例え
ばエチレングリコール水溶液が使用される。この他、冷
却液としては、水やその他の熱媒体を用いることもでき
る。燃料電池スタック1の温度は、例えば燃料電池スタ
ック1に取り付けられた温度センサS11で検出するこ
とができる。燃料電池スタック1の温度を検出するセン
サS11は、図3に示されているように、発電部61の
両端部の温度をそれぞれ検出する温度センサS11a、
S11bと、中央部の温度を検出する温度センサS11
cとを備えている。燃料電池スタック1の温度を検出す
る場合には、温度センサS11の検出値として、各温度
センサS11a、S11b、S11cのいずれかの検出
値を採用すればよく、又は、3つのセンサ検出値の平均
値、或いは温度センサS11cと温度センサS11a又
はS11bの一方の値との平均を採ってもよい。
【0039】冷却系13は燃料電池スタック1の排出側
水導通路56に接続された冷却液排出路131と、ラジ
エター132と、冷却液供給路133を基本として構成
され、冷却液は、前記冷却液供給路133に配設された
循環ポンプ134によって燃料電池スタック1の供給側
水導通路55に送り込まれる。また、冷却液排出路13
1と冷却液供給路133との間には、ラジエター132
をバイパスするラジエターバイパス路135が接続され
ている。
【0040】冷却液排出路131、冷却液供給路133
にそれぞれ配設された冷却液出口温度センサS9、冷却
液入口温度センサS10によって検出された冷却液の温
度に応じて電磁弁SV1、SV3の開閉を制御して、冷
却系13における冷却液の流れを制御する。ラジエター
132にはファン132aが設けられており、ファンの
風量を調節することにより、冷却能力を調整することが
できる。
【0041】以上のように冷却系13は、燃料電池の通
常発電時においては、燃料電池の反応熱によるオーバー
ヒートを防止するため作動する。この場合、冷却系13
は、冷却液排出路131と、ラジエター132と、冷却
液供給路133と、冷却液供給路133に配設された循
環ポンプ134によって構成される循環系が用いられ
る。従って、この場合には、電磁バルブSV1が開、電
磁バルブSV3は閉状態となっている。冷却液は、冷却
液供給路133から、燃料電池スタック1の供給側水導
通路55、各セパレータ3の冷却部、排出側水導通路5
6を経て、熱交換された冷却液は、冷却液排出路131
から、ラジエター132へ到達し、ラジエター132で
冷やされ、電磁弁SV1を経て、循環ポンプ134へ戻
る。冷却液入口温度センサS10で検出される冷却液の
温度と、冷却液出口温度センサS9で検出された排出冷
却液の温度との差に応じて、ラジエター132の冷却能
力を調整し、また、循環ポンプ134の吐出量を調整
し、燃料電池スタック1を適正な温度に維持する。
【0042】図6は、負荷系14の構成を詳細に示した
回路図である。負荷系14は、発熱体回路と、この発熱
体回路に並列に接続されている負荷接続回路とを介し
て、燃料電池スタック1に接続されている。図1及び図
3に示されているように、発熱体回路は、燃料電池スタ
ック1の端部セパレータに密着して通電可能に付設され
た発熱体62a、62bと、発熱体62a、62bの外
側に通電可能に重ねられた集電体63a、63bと、集
電体63a、63bの接続端子67a、67bに通電可
能に接続されたコード73a、73bとを備えている。
また、負荷接続回路は、バイパス端子68a、68b
と、バイパス端子68a、68bに、コード71a、7
1bを介して通電可能に接続されたスイッチSW1、S
W2とを備え、スイッチSW1、SW2は、コード73
a、73bに接続されている。このような構成におい
て、スイッチSW1、SW2は同時に作動し、両スイッチ
SW1、SW2は、ともに常時同じ状態となる用に制御さ
れる。つまり、スイッチSW1がオン状態のときは、ス
イッチSW2もオンであり、スイッチSW1がオフ状態の
ときは、スイッチSW2もオフとなる。上記、燃料電池
スタック1と、発熱体回路、負荷接続回路、及びスイッ
チSW1、SW2で構成された回路には、燃料電池スタッ
ク1の総出力を検出するための電圧センサS8が並列に
接続されている。
【0043】コード73a、73bには、出力コード1
47a、147bがそれぞれ接続されている。出力コー
ド147は、負荷への電力の供給、遮断を行う出力リレ
ー144、インバータ142を介してモータ143に電
力を供給する。また、出力コード147には、逆電流を
防止するダイオード148が設けられている。出力リレ
ー144とインバータ142との間には補助電源146
が出力制御回路145を介して接続されている。補助電
源は例えば、バッテリやキャパシタなどの蓄電装置であ
り、車両低速時にはモータ143の回生電力を貯蔵し、
加速時や高負荷時などにおいて、燃料電池スタックから
の出力では不足する場合には、負荷に電力を供給する。
出力制御回路145は、モータ143へ供給する電力に
ついて、燃料電池スタック1と補助電源146の出力の
割合を制御する。さらに、燃料電池スタック1の出力と
補助電源出力の一部は、DC/DCコンバータ75によ
り補機作動電圧(12V、24V等)に調整され、補機
コントローラ76に供給される。補機コントローラ76
は、燃料電池を発電させるために必要な空気や水を供給
するためのポンプ、バルブ、センサ等の燃料電池補機へ
電力を供給する。
【0044】燃料電池システム制御装置74は、補機コ
ントローラ76、出力制御回路145、スイッチSW
1、SW2の切換えを制御する。燃料電池システム制御装
置74は、補機コントローラ76を介して、ポンプ、バ
ルブ等の燃料電池補機の動作を制御する。また、出力制
御回路145を介して燃料電池スタック出力と補助電源
出力の調整をする。さらに、燃料電池システム制御装置
74は、燃料電池スタックの総電圧を検出する電圧セン
サS8で検出された電圧値や、燃料電池スタック1の温
度を検出する温度センサS11a、S11bで検出され
た温度に基き、スイッチSW1、SW2を切換制御する。
【0045】以上のように構成された燃料電池システム
100において、発電始動する場合の作用について、図
7に示されているフローチャートに基づき説明する。燃
料電池システム100の始動時、つまり発電運転を開始
する場合、まずシステム全体の状態をチェックし、異常
が検知されなかった場合、空気供給を開始する(ステッ
プS101)。空気供給は、空気供給ファン113を駆
動させることにより開始される。空気供給ファン113
の作動によって、空気供給系11から燃料電池スタック
1に空気が供給される。
【0046】次に、水素供給が開始される(ステップS
103)。水素供給電磁弁126と、水素排気電磁弁1
28の開閉を制御することによって、水素調圧弁125
によって調圧された水素圧の水素ガスが燃料電池スタッ
ク1に供給される。このステップS101とステップS
103とによって、燃料電池スタック1に水素と、空気
中の酸素が供給され、燃料電池スタック1では、発電が
開始される。発電の開始とともに、発電時の反応熱によ
り、各単位セル2から熱が発生する。燃料電池スタック
1の中央部分は、両側に発熱する単位セル2が存在する
ため、反応熱による昇温速度が速いが、両端部に位置す
る単位セル2は、発熱量が同じであっても、積層された
集電体63、絶縁部材64、エンドプレート65などに
熱を奪われるため、昇温速度が遅くなる傾向がある。従
って、起動時の燃料電池スタック1は、中央部の温度に
比較して、両端部の温度が低くなっている。
【0047】そこで、低温始動時においては、燃料電池
スタック1の全体が、最適運転温度に達しているかを判
定するには、端部の温度を検出することが望ましい。そ
こで、燃料電池スタック1の端部に設けられている温度
センサS11a、S11bの検出温度を測定する(ステ
ップS105)。
【0048】次に、検出された温度が、設定温度よりも
高いか判断する(ステップS107)。ここで、設定温
度は燃料電池の最適運転温度より低く、例えば0℃から
50℃までの間であり、より好ましくは5℃から10℃
である。設定温度より小さい場合には(ステップS10
7:N)、燃料電池スタック1全体を均一に効率良く機
能させるため、燃料電池スタック1の端部を暖める必要
があり、スイッチSW1、SW2をオフ状態とする(ステ
ップS109)。スイッチSW1、SW2のオフによっ
て、発熱体62a、62bが通電状態となり、発熱体6
2a、62bが発熱する。この発熱によって、燃料電池
スタック1の端部の温度が通常の始動時に比較して早く
昇温する。燃料電池スタック1の端部の温度が、設定温
度より大きくなるまで、ステップS107とステップS
109が繰り返される。
【0049】ステップS107で、燃料電池スタック1
の端部温度が、設定温度より大きい場合(ステップS1
07:Y)には、スイッチSW1、SW2がオンされる
(ステップS111)。燃料電池スタック1の端部温度
が設定温度に達した場合には、燃料電池スタック1全体
の温度が均一に上昇し、通常発電が可能となった状態を
意味するので、スイッチSW1、SW2のオンによって、
負荷接続回路が導通する。これにより、燃料電池スタッ
ク1から出力される電流は、主として負荷接続回路を流
れ、発熱体62a、62bの通電により発熱は終了す
る。
【0050】なお、この実施形態では、燃料電池スタッ
ク1の端部温度が設定温度に達したかを判断して、スイ
ッチの切換えを行っているが、この他、燃料電池スタッ
ク1の中央部の温度をセンサS11cで検出し、温度セ
ンサS11a、S11bの検出温度と、温度センサS1
1cの検出温度が等しくなったときに(つまり、燃料電
池スタック1の端部の温度と中央部の温度が等しくなっ
たとき)スイッチを切換える構成としてもよい。或い
は、端部温度の上昇と、温度センサS11aとS11c
の検出温度の差とを同時にモニターし、設定温度に到達
し、かつ中央部と端部との温度差が少なくなった場合に
は、スイッチを切換える構成としてもよい。この場合に
は、外気温の影響による判断誤差を抑制することができ
る。また、燃料電池スタック1の温度は、温度センサS
11の他、空気排出路111に設けられた空気出口温度
センサS3によって検出することもできる。この場合の
検出値は、燃料電池スタック1の平均的な温度として利
用することができる。
【0051】図8は、他の実施形態の構成を示す燃料電
池スタック1と、発熱体回路、負荷接続回路の構成を示
す模式図、図9は、負荷系14の構成を詳細に示した回
路図である。この実施形態では、発熱体回路にスイッチ
SW3、SW4が設けられている点である(図1に想像線
で示す)。スイッチSW3、SW4は、常に同じ状態を維
持する。例えば、スイッチSW3がオンの場合には、ス
イッチSW4はオンであり、スイッチSW3がオフの場合
には、スイッチSW4はオフとなる。また、スイッチS
W1、SW2とスイッチSW3、SW4は相互に異なる状態
を維持し、スイッチSW1、SW2がオンの場合には、ス
イッチSW3、SW4はオフとなり、スイッチSW1、S
W2がオフの場合には、スイッチSW3、SW4はオンと
なる。発熱体回路にスイッチSW3、SW4を設け、この
通常発電時には、このスイッチSW3、SW4をオフとす
ることで、発熱体によって消費される電力をゼロにし、
燃料電池スタック1の発電効率を上げることができる。
【0052】また、燃料電池スタック1の温度検出は行
わず、燃料電池スタック1の両端部と中央部に、単位セ
ルの出力電圧を検出する電圧センサS12a、S12
b、S12cを設け、各部の単位セル出力電圧を検出
し、燃料電池スタック1の中央部と端部の温度を間接的
に検出する構成である。燃料電池の単位セルの出力は、
始動時には、その温度上昇と出力電圧の上昇が略比例す
るので、温度を検出することなく電圧を検出してもよ
い。電圧の検出は、単位セル単独の電圧のほか、直列に
接続された複数の単位セルの電圧値を検出してもよい。
【0053】以上のように構成された燃料電池システム
100において、発電始動する場合の作用について、図
10に示されているフローチャートに基づき説明する。
燃料電池システム100の始動時、つまり発電運転を開
始する場合、まずシステム全体の状態をチェックし、異
常が検知されなかった場合、空気供給を開始する(ステ
ップS201)。空気供給は、空気供給ファン113を
駆動させることにより開始される。空気供給ファン11
3の作動によって、空気供給系11から燃料電池スタッ
ク1に空気が供給される。
【0054】次に、水素供給が開始される(ステップS
2 03)。水素供給電磁弁126と、水素排気電磁弁1
28の開閉を制御することによって、水素調圧弁125
によって調圧された水素圧の水素ガスが燃料電池スタッ
ク1に供給される。このステップS201とステップS
203とによって、燃料電池スタック1に水素と、空気
中の酸素が供給され、燃料電池スタック1では、発電が
開始される。発電の開始とともに、出力電圧が発生す
る。燃料電池スタック1の中央部分は、両側に発熱する
単位セル2が存在するため、反応熱による昇温速度が速
く、同時に出力電圧が上昇する。両端部に位置する単位
セル2は、発熱量が同じであっても、積層された集電体
63、絶縁部材64、エンドプレート65などに熱を奪
われるため、昇温速度が遅くなる傾向があり同様に出力
電圧値の上昇も鈍くなる。従って、起動時の燃料電池ス
タック1は、中央部の出力電圧に比較して、両端部の出
力電圧が低くなっている。
【0055】そこで、低温始動時においては、燃料電池
スタック1の全体が、最適運転温度に達しているかを判
定するには、端部の単位セルの出力電圧を検出すること
が望ましい。そこで、燃料電池スタック1の端部に設け
られている電圧センサS12a、S12bの検出温度を
測定する(ステップS205)。
【0056】次に、検出された電圧値が、設定電圧値よ
りも高いか判断する(ステップS207)。ここで、設
定電圧値は燃料電池の温度が、例えば0℃から50℃ま
での範囲にある時の電圧値であり、より好ましくは5℃
から10℃である時の電圧値である。設定電圧値より小
さい場合には(ステップS207:N)、燃料電池スタ
ック1全体を均一に効率良く機能させるため、燃料電池
スタック1の端部を暖める必要があり、スイッチSW
3、SW4をオン状態とする(ステップS209)。さら
に、スイッチSW1、SW2をオフとする(ステップS2
11)。
【0057】この動作によって、発熱体62a、62b
が通電状態となり、発熱体62a、62bが発熱する。
この発熱によって、燃料電池スタック1の端部の温度が
通常の始動時に比較して早く昇温する。この温度上昇に
より端部セルの出力電圧が上昇する。端部セルの出力電
圧値が、設定電圧値温度より大きくなるまで、ステップ
S207〜ステップS211が繰り返される。
【0058】ステップS207で、燃料電池スタック1
の端部電圧値が、設定電圧値より大きい場合(ステップ
S207:Y)には、スイッチSW1、SW2がオンされ
る(ステップS213)。燃料電池スタック1の端部電
圧値が設定電圧値に達した場合には、燃料電池スタック
1全体の温度が均一に上昇し、各単位セルが均一に電圧
を出力している状態となった状態を意味するので、スイ
ッチSW1、SW2のオンによって、負荷接続回路が導通
する。これにより、燃料電池スタック1から出力される
電流は、負荷接続回路を流れ、発熱体62a、62bは
通電しない。これにより、発熱体62a、62bが通電
することによる電力損失が防止される。
【0059】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、負荷接
続スイッチにより負荷に直接電力が供給されるので、発
熱体による電力損失が抑制される。請求項2に記載の発
明によれば、さらに発熱体接続スイッチを設け、通常発
電時にこれをオフとすることで、発熱体の通電による電
力損失を防止することができる。請求項3に記載の発明
によれば、発電部の温度を検出し、この検出値に基づい
て負荷接続スイッチの切換えを行うことで、適正なタイ
ミングでスイッチ切換えを行うことができ、燃料電池ス
タックの過度の暖機を防止できる。
【0060】請求項4に記載の発明によれば、温度上昇
の鈍い、燃料電池スタックの端部温度を検出すれば、他
の部位の温度は検出値以上であることが予測できるの
で、この検出値に基づいて、燃料電池スタック全体の温
度を予測することができる。請求項5に記載の発明によ
れば、発電部の一部の出力電圧を検出し、この検出値に
基づいて負荷接続スイッチの切換えを行うことで、適正
なタイミングでスイッチ切換えを行うことができ、燃料
電池スタックの過度の暖機を防止できる。特に、出力電
圧を直接測定するので、燃料電池スタックの状態を直接
的に把握でき、より精密なタイミングでスイッチ切換え
が可能となる。
【0061】請求項6に記載の発明によれば、出力上昇
の鈍い、燃料電池スタックの端部電圧を検出すれば、他
の部位の出力電圧は該検出値以上であることが予測でき
るので、この検出値に基づいて、燃料電池スタック全体
の出力を予測することができる。請求項7に記載の発明
によれば、セパレータを金属で構成すれば、セパレータ
を薄く形成することができるので、燃料電池スタック全
体の熱容量が小さくなり、温度の上昇速度が速くなる。
これにより、発熱体による暖機時間が短くなるので、発
熱体での電力損失量も抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池スタックの全体斜視図であ
る。
【図2】本発明の燃料電池スタックの部分断面図であ
る。
【図3】燃料電池スタックの平面断面と切換スイッチを
示した模式図である。
【図4】発熱体の全体斜視図である。
【図5】燃料電池システム100の構成を示す模式図で
ある。
【図6】負荷系の構成を詳細に示した回路図である。
【図7】燃料電池システムにおいて、発電始動時の作用
について示したフローチャートである。
【図8】他の実施形態の構成を示す燃料電池スタック
と、発熱体回路、負荷接続回路の構成を示す模式図であ
る。
【図9】負荷系の構成を詳細に示した回路図である。
【図10】燃料電池システムにおいて、発電始動時の作
用について示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック 2 単位セル 3 セパレータ 31 集電部材 32 集電部材 61 発電部 62 発熱体 63 集電体 64 絶縁部材 65 エンドプレート 100 燃料電池システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 真吾 東京都千代田区外神田2丁目19番12号 株 式会社エクォス・リサーチ内 Fターム(参考) 5H026 AA06 EE02 5H027 AA06 CC11 KK46 KK54 MM26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電池単位セルと、該単位セル間を区
    画するとともに該単位セルを電気的に直列に接続するセ
    パレータとを交互に積層した発電部と、 前記発電部の単位セルとセパレータの積層方向における
    両端にそれぞれ配置された集電体と、 前記各集電体と、発電部端部のセパレータとの間にそれ
    ぞれ配置され、発電部の発電によって発熱する発熱体
    と、 前記発熱体を介して発電部と負荷とを接続する発熱体回
    路と、 発電部と負荷とを直接接続する負荷接続回路と、 負荷接続回路を通電状態と非通電状態とに切換える負荷
    接続スイッチとを備えた燃料電池スタック。
  2. 【請求項2】 発熱体回路を通電状態と非通電状態とに
    切換える発熱体接続スイッチを備え、前記負荷接続スイ
    ッチが通電状態の場合には、前記発熱体接続スイッチを
    非通電状態とし、前記負荷接続スイッチが非通電状態の
    場合には、前記発熱体接続スイッチを通電状態とするス
    イッチ制御手段を備えた請求項1に記載の燃料電池スタ
    ック。
  3. 【請求項3】 発電部の温度を検出する温度検出手段を
    備え、 前記スイッチ制御手段は、前記温度検出手段によって検
    出された発電部の温度に応じて、前記負荷接続スイッチ
    と前記発熱体接続スイッチの切換えを行う請求項2に記
    載の燃料電池スタック。
  4. 【請求項4】 前記温度検出手段は、発電部の端部近傍
    の温度を検出する請求項3に記載の燃料電池スタック。
  5. 【請求項5】 前記発電部の一部の出力電圧を検出する
    電圧検出手段を備え、 前記スイッチ制御手段は、前記電圧検出手段によって検
    出された発電部の出力電圧に応じて、前記負荷接続スイ
    ッチと前記発熱体接続スイッチの切換えを行う請求項2
    に記載の燃料電池スタック。
  6. 【請求項6】 前記電圧検出手段は、発電部の端部近傍
    の1つ又は直列に接続された複数の単位セルにおける電
    圧を検出する請求項5に記載の燃料電池スタック。
  7. 【請求項7】 前記セパレータは、金属で構成されてい
    る請求項1〜6のいずれか1に記載の燃料電池スタッ
    ク。
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