JP2003308797A - ゲート電極構造体および電極構造体の製造方法 - Google Patents

ゲート電極構造体および電極構造体の製造方法

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JP2003308797A
JP2003308797A JP2002112374A JP2002112374A JP2003308797A JP 2003308797 A JP2003308797 A JP 2003308797A JP 2002112374 A JP2002112374 A JP 2002112374A JP 2002112374 A JP2002112374 A JP 2002112374A JP 2003308797 A JP2003308797 A JP 2003308797A
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gate electrode
release layer
firing temperature
cathode
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English (en)
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Junko Yotani
純子 余谷
Sashiro Kamimura
佐四郎 上村
Susumu Sakamoto
進 阪本
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Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電界放出型電子源を有する陰極の電子放出を
制御するゲート電極構造体において、ゲート電極駆動電
圧の低電圧化を可能とする。また、位置ずれの恐れのな
い組立ての容易なゲート電極構造体を提供する。 【解決手段】 本発明のゲート電極構造体120は、厚
膜絶縁体からなる絶縁支持体121と、この絶縁支持体
121に固着された帯状のゲート電極122とから構成
され、絶縁支持体121は、板状のスペーサー部124
と、スペーサー部124の一面側にゲート電極122を
囲むように垂設された補強壁125と、スペーサー部1
24の他面側に所定ピッチでマトリクス状に垂設された
柱状の突起部126とからなり、スペーサー部124が
陰極110上に載置され、突起部126が陰極110の
貫通孔113に挿入されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電界放出型電子
源を有する陰極の電子放出を制御するゲート電極構造体
および電極構造体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、FED(Field Emission Displa
y)や平型蛍光表示管のような、陰極となる電子放出源
から放出された電子を対向電極に形成された蛍光体から
なる発光部に衝突させて発光させるフラットパネル(平
面)ディスプレイにおいて、電子放出源にカーボンナノ
チューブなどのナノチューブ状繊維を用いたものがいろ
いろと提案されている。このようなナノチューブ状繊維
を電子放出源とする平面ディスプレイの1つとして、ナ
ノチューブ状繊維が形成された陰極上に電子通過孔を有
する絶縁基板を配置し、この陰極の電子放出を制御する
ゲート電極を絶縁基板上に配置したものが提案されてい
る。
【0003】図7は、従来のこの種の平面ディスプレイ
の一例を示す部分分解斜視図である。この平面ディスプ
レイは、図7に示すように、ガラス基板701の一方の
面に複数の基板リブ702が互いに平行に所定間隔で垂
設されており、ガラス基板701面の基板リブ702に
挟まれた領域に陰極710が基板リブ702と同じ高さ
で帯状に配置されている。この陰極710は、矩形状の
貫通孔を有する帯状の金属薄板からなる陰極導体711
と陰極導体711の表面に固着したナノチューブ状繊維
からなる電子放出源712とから構成されている。
【0004】また、ガラス基板701に対向して配置さ
れる透明なフロントガラス703のガラス基板701に
対向する面には、基板リブ702および陰極710と直
交する方向に所定間隔で複数の前面リブ704が垂設さ
れている。フロントガラス703の前面リブ704に挟
まれた領域には蛍光体膜705B,705G,705R
が帯状に配置されており、これらの蛍光体膜のガラス基
板701に対向する面には陽極となるメタルバック膜7
06が形成されている。
【0005】ガラス基板701とフロントガラス703
は、枠状のスペーサガラス(図示せず)を介して対向配
置され、低融点のフリットガラスでそれぞれスペーサガ
ラスに接着されて外囲器を構成しており、外囲器内は1
-5Pa台の真空度に保持されている。また、ガラス基
板701上の基板リブ702とフロントガラス703の
前面リブ704とに挟まれて絶縁基板721が設けられ
ており、絶縁基板721のフロントガラス703と対向
する面に蛍光体膜705B,705G,705Rと1対
1に対応した帯状のゲート電極722が形成されてい
る。ゲート電極722の陰極710と交差する領域に
は、絶縁基板721と連通する電子通過孔723が設け
られている。
【0006】この平面ディスプレイは、ゲート電極72
2と陰極710の間に、ゲート電極722側が正の電位
となるように所定の電位差を設けることにより、陰極7
10のゲート電極722と交差した領域の電子放出源7
12から電子が引き出され、電子通過孔723から放出
される。このため、メタルバック膜706に正電圧(加
速電圧)が印加されていると、電子通過孔723から放
出された電子がメタルバック膜706に向かって加速さ
れ、さらにメタルバック膜706を透過して蛍光体膜7
05B,705G,705Rに衝突して発光させる。
【0007】よって、例えば、ゲート電極722を行方
向に所定数設け、陰極710を列方向に所定数設けた構
成とした場合において、メタルバック膜706に正電圧
(加速電圧)を印加した状態で、アクティブ行のゲート
電極722に所定の正電圧を印加しておき、アクティブ
行の発光させる画素に対応する列の陰極710に対して
所定の負電圧を印加するという動作を1行目から所定行
目のゲート電極722まで順次行うことにより、ドット
マトリクス表示をさせることができる。
【0008】この平面ディスプレイは、ゲート電極72
2が絶縁基板721上に形成されているため、メッシュ
状の金属薄板で構成したゲート電極を基板リブで支持す
る構造の平面ディスプレイで問題となった、表示画面の
大型化に伴うゲート電極の長尺化により発生する、膨張
による寸法変化や振動現象が防止され、精細な表示が得
られる効果を有する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た平面ディスプレイでは、絶縁基板721上にゲート電
極722を形成しているため、絶縁基板721の厚さが
陰極710とゲート電極722の電極間隔となるので、
電極間隔が絶縁基板721の製造可能な厚さに制限され
ていた。このため、ゲート電極722の駆動電圧の低電
圧化が困難であり、駆動回路や周辺部材に高耐電圧が要
求されるため、製造コストが高くなるという問題があっ
た。また、組立工程において、ゲート電極722が形成
された絶縁基板721を精確に位置を合わせて基板リブ
702上に載置するのが困難であり、組立て中に位置ず
れする恐れもあった。本発明は、前述した課題を解決す
るためになされたものであり、電界放出型電子源を有す
る陰極の電子放出を制御するゲート電極構造体におい
て、ゲート電極駆動電圧の低電圧化を可能とすることを
目的とする。また、位置ずれの恐れのない組立ての容易
なゲート電極構造体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明にかかるゲート電極構造体は、表面に開
口を有するとともに電界放出型電子源が形成された陰極
の上に配置され陰極の電子放出を制御するゲート電極構
造体であって、電子通過孔を有する電極と、電子通過孔
と連通する貫通孔を有し電極を陰極から所定距離に離間
させて支持するスペーサーと、スペーサーの陰極側に垂
設され陰極の開口に挿入される複数の突起部と、スペー
サーの陰極と反対側の面に垂設された補強壁とを有する
ことによって特徴づけられる。
【0011】本発明にかかるゲート電極構造体は、ゲー
ト電極を支持するスペーサーに厚膜印刷などで形成する
厚膜絶縁体を用いるので、従来のガラスやセラミックな
どを用いた絶縁基板に比べて厚さを薄くすることがで
き、ゲート電極と陰極の間の距離を狭めることができ
る。また、スペーサーの陰極と反対側の面に補強壁を設
けたので、スペーサーを薄くしても反りなどの変形の発
生が抑制される。さらに、スペーサーの陰極側に陰極の
開口部に対応した複数の突起部を有するので、これらの
突起部を陰極の開口部に挿入することで、位置決めが容
易になるとともに位置ずれの発生を防止できる。このゲ
ート電極構造体において、突起部は陰極の開口形状より
もわずかに小さい平面形状で陰極の開口間隔の整数倍の
ピッチで配置される。
【0012】このゲート電極構造体の一構成例は、複数
の電子通過孔が1つの貫通孔と連通している。このた
め、画素に対応する陰極の領域に印加される電界分布が
より均一化される。また、ゲート電極構造体の別の構成
例は、電極が平面視帯状に形成され、互いに平行に所定
間隔で複数配置されており、スペーサーの貫通孔がマト
リクス状に配置されている。これにより、平面ディスプ
レイに適用してドットマトリクス表示を行わせることが
可能となる。
【0013】本発明にかかる電極構造体の製造方法は、
基板上に所定の焼成温度よりも高い融点を有する粒子が
焼成温度で焼失する樹脂で結合されてなる第1の離形層
を形成する工程と、第1の離形層上に焼成温度で焼結す
る絶縁体粒子が焼成温度で焼失する樹脂で結合されてな
る突起層を柱状に複数形成する工程と、第1の離形層上
に焼成温度よりも高い融点を有する粒子が焼成温度で焼
失する樹脂で結合されてなる第2の離形層を突起層と同
じ高さで突起層との間にすきまを設けずに形成する工程
と、第2の離形層上に焼成温度よりも高い融点を有する
粒子が焼成温度で焼失する樹脂で結合されてなる第3の
離形層を所定形状に形成する工程と、第2の離形層上に
焼成温度で焼結する絶縁体粒子が焼成温度で焼失する樹
脂で結合されてなるスペーサー層を第3の離形層と同じ
高さで第3の離形層との間にすきまを設けずに形成する
工程と、焼成温度で焼結する導電性粒子が焼成温度で焼
失する樹脂で結合されてなる電極層をスペーサー層と第
3の離形層の上に電子通過孔を含む所定形状で形成する
工程と、焼成温度で焼結する絶縁体粒子が焼成温度で焼
失する樹脂で結合されてなる補強層をスペーサー層と電
極層の表面の少なくともスペーサー層の表面上に所定形
状で形成する工程と、これらの各層が形成された基板を
焼成温度に加熱する工程とからなることによって特徴づ
けられる。
【0014】また、本発明にかかる電極構造体の別の製
造方法は、基板上に所定の焼成温度よりも高い融点を有
する粒子が焼成温度で焼失する樹脂で結合されてなる第
1の離形層を形成する工程と、第1の離形層上に焼成温
度よりも高い融点を有する粒子が焼成温度で焼失する樹
脂で結合されてなる第2の離形層を所定形状に形成する
工程と、第1の離形層上に焼成温度で焼結する絶縁体粒
子が焼成温度で焼失する樹脂で結合されてなる補強層を
第2の離形層と同じ高さで第2の離形層との間にすきま
を設けずに形成する工程と、焼成温度で焼結する導電性
粒子が焼成温度で焼失する樹脂で結合されてなる電極層
を補強層と第2の離形層の上に電子通過孔を含む所定形
状に形成する工程と、焼成温度で焼結する絶縁体粒子が
焼成温度で焼失する樹脂で結合されてなるスペーサー層
を電極層の一部と補強層と第2の離形層の上に所定形状
に形成する工程と、スペーサー層上に焼成温度で焼結す
る絶縁体粒子が焼成温度で焼失する樹脂で結合されてな
る突起層を柱状に複数形成する工程と、これらの各層が
形成された基板を焼成温度に加熱する工程とからなるこ
とによって特徴づけられる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に図を用いて本発明の実施の
形態を説明する。まず、本発明の第1の実施の形態にか
かるゲート電極構造体について、このゲート電極構造体
を備えた平面ディスプレイを例に説明する。この実施の
形態にかかるゲート電極構造体を備えた平面ディスプレ
イは、平面視略矩形のガラス基板と、このガラス基板に
対向配置される平面視略矩形の透明なフロントガラス
と、これらの周縁部に配置された枠状のスペーサガラス
とからなる外囲器を有する。
【0016】この場合、ガラス基板とフロントガラス
は、周縁部において枠状のスペーサガラスを介して対向
配置され、低融点のフリットガラスでそれぞれスペーサ
ガラスに接着されて外囲器を構成しており、外囲器は1
-5Pa台の真空度に保持されている。ここで、外囲器
を構成するガラス基板、フロントガラス及びスペーサガ
ラスは、低アルカリソーダガラスを用いており、ガラス
基板とフロントガラスは厚さ1〜2mmの板ガラスを使
用している。
【0017】図1は、本発明の第1の実施の形態にかか
るゲート電極構造体を備えた平面ディスプレイの画素構
成を示す部分分解斜視図である。図1において、ガラス
基板101とフロントガラス103は前述した外囲器の
一部を構成しており、ガラス基板101とフロントガラ
ス103に挟まれた空間は外囲器の内部である。ここ
で、ガラス基板101の外囲器内の表面には、複数の基
板リブ102が互いに平行に所定間隔で垂設されてお
り、これらの基板リブ102に挟まれた領域に基板リブ
102を超えない高さを有する帯状の陰極110が配置
されている。これらの陰極110には所定ピッチで貫通
孔113が形成されている。
【0018】また、フロントガラス103のガラス基板
101に対向する面には、基板リブ102と対向して複
数の前面リブ104が垂設されており、これら前面リブ
104に挟まれた領域には赤色発光蛍光体膜105Rと
緑色発光蛍光体膜105Gと青色発光蛍光体膜105B
とがこの順番で所定数配置されている。これら蛍光体膜
105R,105G,105Bのガラス基板101に対
向する面には陽極となるメタルバック膜106が形成さ
れている。
【0019】このように構成された外囲器の内部に、こ
の実施の形態にかかるゲート電極構造体120が配置さ
れている。図2は、この実施の形態にかかるゲート電極
構造体の構造を示す部分斜視図である。なお、図1と図
2では斜視の方向が異なる。図1のゲート電極構造体1
20は、フロントガラス103側から見た斜視図であ
り、図2のゲート電極構造体120は、ガラス基板10
1側から見た斜視図である。
【0020】図1と図2に示すように、このゲート電極
構造体120は平面視略矩形の絶縁支持体121とこの
絶縁支持体121に固着された帯状のゲート電極122
とから構成されており、ゲート電極122は絶縁支持体
121の一面側に一定間隔で平行配置されている。絶縁
支持体121は、板状のスペーサー部124と、スペー
サー部124の一面側にゲート電極122を囲むように
垂設された補強壁125と、スペーサー部124の他面
側に所定ピッチでマトリクス状に垂設された柱状の突起
部126とから構成されている。
【0021】スペーサー部124のゲート電極122が
配置された領域には、電子を通過させるための平面視略
矩形の貫通孔が所定間隔で設けられており、この貫通孔
が設けられた領域のゲート電極122には貫通孔と連通
する少なくとも1つの電子通過孔123が設けられてい
る。この実施の形態では、貫通孔に連通するゲート電極
122の電子通過孔123は平面視略円形で、1つの貫
通孔に対し4つの電子通過孔123が設けられている。
補強壁125には前面リブ104がゲート電極122を
押し付けるようにするために前面リブ104をはめ込む
切り欠きが設けられている。
【0022】このゲート電極構造体120は、図1と図
3に示すように、ゲート電極122の長さ方向と基板リ
ブ102の長さ方向とを直交させた状態でスペーサー部
124の他面側を基板リブ102と陰極110に載置す
るとともに、陰極110の貫通孔113に突起部126
を挿入している。また、補強壁125の切り欠きには、
前面リブ104がはめ込まれており、前面リブ104の
端面がゲート電極122に接している。これにより、ス
ペーサー部124とゲート電極122が基板リブ102
と前面リブ104に挟まれて固定される。また、図3に
示すように、ゲート電極構造体120の一端部にはスペ
ーサー部124とゲート電極122を連通するスルーホ
ールが設けられており、このスルーホールに充填された
導電体128を介してゲート電極122と外囲器を貫通
するゲート電極リード127が接続されている。
【0023】ここで、スペーサー部124は低融点フリ
ットガラスを含む絶縁ペーストを焼成し生成した厚さ3
0μmのガラス薄板で構成され、ゲート電極122は銀
などの金属又はカーボンを導電材料として含んだ導電性
ペーストを焼成し生成した厚さ10μmの導電膜で構成
されている。また、補強壁125はスペーサー部124
と同様の材料からなり、50μm程度の高さに形成され
ている。突起部126は、スペーサー部124と同様の
材料からなる円柱状であり、陰極110の開口部113
の開口径よりわずかに小さい外径と、陰極110の高さ
よりわずかに低い高さを有する。なお、スペーサー部1
24の厚さは30μmに限られるものではなく、駆動電
圧や輝度の要求に応じて20〜50μmの範囲で変更し
てよい。また、ゲート電極122の厚さは3〜10μm
の範囲で変更してよい。
【0024】このように構成したので、スペーサー部1
24はゲート電極122を陰極110から一定の距離に
保持する機能を有し、ゲート電極122は陰極110の
電子放出源112から選択的に電子を引き出す電子引出
電極の機能を有する。また、補強壁125はスペーサー
部124の薄型化に伴うゲート電極構造体120の反り
を抑制する機能を有し、突起部126は平面ディスプレ
イの組立工程におけるゲート電極構造体120の位置決
めを容易にする機能や位置ずれを防止する機能を有す
る。
【0025】基板リブ102は矩形断面の絶縁体で構成
されており、ゲート電極構造体120を支持する機能と
陰極110間を絶縁する機能とを有する。この基板リブ
102は、ガラス基板101上に所定パターンで低融点
フリットガラスを含む絶縁ペーストを繰り返しスクリー
ン印刷して所定の高さにした後、焼成して形成する。こ
こでは、基板リブ102のガラス基板101面からの高
さが陰極110と同じ高さとなるようにする。
【0026】陰極110は、平面視略円状の貫通孔を多
数有する帯状の陰極導体111と、陰極導体111の表
面に被着した電子放出源112となるナノチューブ状繊
維の被膜とから構成されている。また、この陰極110
は外囲器を貫通して外部へ突出しており、外部から陰極
電圧を供給する陰極用リードを兼ねている。ここで、陰
極導体111は、鉄又は鉄を含む合金からなる帯状の金
属板であり、平面視略円状の貫通孔が所定のピッチで設
けられている。なお、貫通孔の開口部の形状は略円状に
限られるものではなく、被膜の分布が均一となり、かつ
ゲート電極構造体120の突起部126が挿入可能であ
ればどのような形状でもよい。また、ゲート電極構造体
120の突起部126が挿入される貫通孔のみ突起部1
26の形状に合わせるようにしてもよい。
【0027】電子放出源112となるナノチューブ状繊
維は、太さが0.5〜100nm程度で、長さが1μm
以上100μm未満程度の炭素で構成された物質であ
り、グラファイトの単層が円筒状に閉じ、かつ円筒の先
端部に五員環が形成された単層構造のカーボンナノチュ
ーブや、複数のグラファイトの層が入れ子構造的に積層
し、それぞれのグラファイト層が円筒状に閉じた同軸多
層構造のカーボンナノチューブであってもよいし、構造
が乱れて欠陥をもつ中空のグラファイトチューブやチュ
ーブ内に炭素が詰まったグラファイトチューブでもよ
い。また、これらが混在したものであってもよい。
【0028】このナノチューブ状繊維は、多数の貫通孔
を有しナノチューブ状繊維の生成核となる元素を含む板
状金属部材を反応容器に入れて真空に排気した後、メタ
ンガスと水素ガスあるいは一酸化炭素ガスと水素ガスを
所定の比率で導入して1気圧に保ち、赤外線ランプで板
状金属部材を所定時間加熱することにより、板状金属部
材の表面に多数生成される。このナノチューブ状繊維
は、一端が板状金属部材の表面に結合するとともに、カ
ールしたり互いに絡み合ったりして板状金属部材を覆
い、綿状の被膜を形成する。
【0029】この実施の形態では、板状金属部材に上述
したCVD法で多数のナノチューブ状繊維からなる被膜
を形成して面状の電子放出源としたが、面状の電子放出
源の形成方法はこれに限られるものではない。例えば、
ゲート電極構造体120の突起部126用挿入孔を設け
た板状金属部材に電気泳動法を用いてナノチューブ状繊
維を付着させて形成してもよい。また、スプレーコーテ
ィング法を用いてもよい。これらの方法によっても電子
放出源となるナノチューブ状繊維が多数集まって構成さ
れた面状電子源を有する陰極110を形成することがで
きる。
【0030】前面リブ104は、矩形断面の絶縁体で構
成されており、フロントガラス103を支持するととも
にゲート電極構造体120を固定する機能と陽極間を絶
縁する機能とを有する。この前面リブ104は、フロン
トガラス103上に所定パターンで低融点フリットガラ
スを含む絶縁ペーストを繰り返しスクリーン印刷して所
定の高さにした後、焼成して形成する。
【0031】赤色発光蛍光体膜105Rと緑色発光蛍光
体膜105Gと青色発光蛍光体膜105Bは、電子衝撃
によりそれぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)を発光す
る蛍光体膜である。これらの蛍光体膜にはブラウン管等
で一般的に使用されている、4〜10KVの高電圧で加
速した電子を衝突させることで発光する周知の酸化物蛍
光体や硫化物蛍光体を用いることができる。これらの蛍
光体膜は、フロントガラス103の内面に各色の蛍光体
ペーストを陰極110と1対1に対応するようにストラ
イプ状にスクリーン印刷した後、焼成して形成する。な
お、ここでは、カラー表示用に赤(R)、緑(G)、青
(B)の三原色を発光するため3種類の蛍光体膜を用い
たが、これに限られるものではなく、モノクロ表示用に
1種類の蛍光体膜を用いるようにしてもよい。
【0032】メタルバック膜106は、外囲器を貫通す
る1つの陽極用リード(図示せず)に接続された厚さ
0.1μm程度のアルミニウム薄膜から構成されてお
り、外部から陽極電圧を印加することにより陰極110
から放出された電子を加速させて蛍光体膜105R,1
05G,105Bに衝突させる機能を有する。この場
合、メタルバック膜106は、周知の蒸着法を用いて蛍
光体膜の表面に形成される。
【0033】この平面ディスプレイは、このように構成
したので、陰極110とゲート電極122との間に、ゲ
ート電極122側が正の電位となるように所定の電位差
を設けることにより、陰極110とゲート電極122が
交差した領域にある電子放出源111のナノチューブ状
繊維から電子が引き出され、電子通過孔123から放出
される。このため、メタルバック膜106に正電圧(加
速電圧)が印加されていると、電子通過孔123から放
出された電子がメタルバック膜106に向かって加速さ
れ、さらにメタルバック膜106を透過して蛍光体膜1
05B,105G,105Rに衝突して発光させる。
【0034】よって、例えば、ゲート電極122を行方
向に所定数設け、陰極110を列方向に所定数設けて、
メタルバック膜106に正電圧(加速電圧)を印加した
状態で、1行目のゲート電極122に所定の正電圧を印
加しておいて、陰極110に1列目から所定列目まで発
光させるアドレスで所定の負電圧が印加されるように順
次走査し、これを1行目から所定行目のゲート電極12
2まで行うことにより、ドットマトリクス表示すること
ができる。この場合、電圧を印加しない陰極110とゲ
ート電極122は0Vにしておくか、ゲート電極122
に陰極110に対して数V程度の負のバイアス電圧を印
加して表示アドレス以外の領域より電子が放出されない
ようにしておく。
【0035】次に、この実施の形態にかかるゲート電極
構造体を製造する工程を例に電極構造体の製造方法を説
明する。図4は、第1の実施の形態にかかるゲート電極
構造体の製造方法を示す説明図である。最初に、図4
(a)に示すように、平坦な基板401上に第1離形層
402を形成する。基板401は、後述する加熱処理の
際にほとんど変形や変質が生じない材料であればよく、
例えば、ソーダライムガラスなどからなるガラス基板を
用いる。ここで、基板401の厚さは3mm程度であ
り、外形寸法は第1離形層402よりも十分に大きい値
とする。第1離形層402は平面視矩形で厚さが5〜5
0μm程度となるように形成する。
【0036】第1離形層402は、高融点粒子と樹脂を
ブチルカルビトールアセテート(BCA)などの有機溶
剤中に分散させた無機材料ペーストを基板401上にス
クリーン印刷し、室温で乾燥させることにより形成する
ことができる。ここで、高融点粒子には、例えば、平均
粒径が0.5〜3μm程度の高軟化点フリットガラス
と、平均粒径が0.01〜5μm程度のアルミナやジル
コニアなどのセラミック・フィラーとを混合したものを
用いる。高軟化点フリットガラスは、例えば550℃以
上の軟化点を有するものであり、これを混合した高融点
粒子の軟化点は550℃以上である。樹脂には、例えば
350℃程度で焼失するエチルセルロース系樹脂を用い
る。なお、第1離形層402の形成には、スクリーン印
刷に代えてコータによる塗布やフィルム・ラミネートの
貼り付けを用いることもできる。
【0037】次に、図4(b)に示すように、第1離形
層402上に所定ピッチでマトリクス状に柱状の突起層
403を形成する。この突起層403は、ゲート電極構
造体120を陰極110上へ配置するときの位置決め用
として陰極110の貫通孔113に挿入する突起部12
6を生成するために形成する。このため、この突起層4
03は焼成後に陰極110の貫通孔113に挿入可能な
形状と寸法になるように形成する。また、配置のピッチ
は、例えば陰極110の貫通孔113間の距離の整数倍
とする。なお、突起部126の数はゲート電極構造体1
20の大きさに応じて変えるようにしてもよく、最低限
2つあればよい。
【0038】突起層403は、絶縁体材料粉末と低融点
フリットガラスと樹脂とを有機溶剤中に分散させた絶縁
ペーストを第1離形層402上に所定パターンでスクリ
ーン印刷することにより形成することができる。ここ
で、絶縁体材料粉末には、例えば、アルミナやジルコニ
アなどの絶縁体材料の粉末を用いる。低融点フリットガ
ラスには、例えば300〜400℃程度で溶融するPb
O−B23−SiO2−Al23−TiO2系材料などを
用いる。樹脂には、例えば350℃程度で焼失するエチ
ルセルロース系樹脂を用いる。有機溶剤には、例えばブ
チルカルビトールアセテートなどを用いる。
【0039】次に、図4(c)に示すように、第1離形
層402上に第2離形層404を形成する。第2離形層
404は、先に第1離形層402上に形成した突起層4
03と合わせてスペーサー部124を形成するための平
坦な表面を得るために形成する。このため、第2離形層
404は突起層403のパターンを反転したパターン形
状とし、突起層403との間にすきまが生じないように
するとともに、突起層403と同じ厚さとなるように形
成する。
【0040】第2離形層404の形成にはスクリーン印
刷法を用いることができる。この場合、第2離形層40
4は、前述した第1離形層402の形成に用いたものと
同じ無機材料ペーストを第1離形層402上に所定のパ
ターンで印刷し、室温で乾燥させることにより形成す
る。1回の印刷で必要な厚さが得られない場合は、所定
の厚さとなるように突起層403の形成工程と第2離形
層404の形成工程を繰り返し行う。第2離形層404
の形成では、突起層403と第2離形層404の間にす
きまが生じず、かつ平坦な表面が得られるように、前も
って無機材料ペーストの粘度や高融点粒子の粒径などを
調整しておくとよい。なお、ここでは突起層403を先
に形成したが、突起層403の形成工程と第2離形層4
04の形成工程は、順番を逆にしてもよい。
【0041】次に、図4(d)に示すように、第2離形
層404上に所定パターンの第3離形層405を形成す
る。第3離形層405は、後述するスペーサー層と合わ
せて電極層を形成するための平坦な表面を得るために、
第2離形層404上のスペーサー層が形成されないスペ
ーサー部124の貫通孔やスルーホールなどになる領域
に形成する。このため、第3離形層405は後述するス
ペーサー層のパターンを反転したパターン形状で、かつ
スペーサー層と同じ厚さとなるように形成する。第3離
形層405の形成にはスクリーン印刷法を用いることが
できる。この場合、第3離形層405は、前述した第1
離形層402の形成に用いたものと同じ無機材料ペース
トを第2離形層404上に所定のパターンで印刷し、室
温で乾燥させることにより形成する。
【0042】次に、図4(e)に示すように、突起層4
03と第2離形層404の上にスペーサー部124とな
る所定パターンのスペーサー層406を形成する。この
場合、スペーサー層406は、電子を通過させる平面視
矩形の貫通孔をマトリクス状に設けるために平面視格子
状のパターン形状を有し、先に第2離形層404上に形
成した第3離形層405と合わせてゲート電極122を
形成するための平坦な表面を形成する。
【0043】また、スペーサー部124の厚さが陰極1
10とゲート電極122の間の距離となるので、焼成後
に陰極110とゲート電極122の間の距離として設定
された厚さとなるようにスペーサー層406を形成す
る。ここでは、焼成後の厚さが30μm程度となるよう
にスペーサー層406を形成する。さらに、スペーサー
層406には後述する電極層の一端部と接する部分に、
電極層の電極リード接続用のスルーホール(図示せず)
と連通する貫通孔(図示せず)を設ける。
【0044】このスペーサー層406の形成にはスクリ
ーン印刷法を用いることができる。この場合、スペーサ
ー層406は、前述した突起層403の形成に用いたも
のと同じ絶縁ペーストを突起層403と第2離形層40
4の上に所定のパターンで印刷することにより形成す
る。スペーサー層406の形成では、第3離形層405
とスペーサー層406の間にすきまが生じず、かつ平坦
な表面が得られるように、前もって絶縁ペーストの粘度
や絶縁体材料粉末の粒径などを調整しておくとよい。な
お、ここでは第3離形層405を先に形成したが、第3
離形層405の形成工程とスペーサー層406の形成工
程は、順番を逆にしてもよい。また、1回の印刷で必要
な厚さが得られない場合は、所定の厚さとなるように第
3離形層405の形成工程とスペーサー層406の形成
工程を繰り返し行う。
【0045】次に、図4(f)に示すように、第3離形
層405とスペーサー層406の上にゲート電極122
となる所定パターンの電極層407を形成する。この場
合、電極層407はストライプ状であり、ゲート電極1
22の電子通過孔123がスペーサー部124の貫通孔
と対応するように第3離形層405上に所定ピッチで電
子通過孔123となる貫通孔を配置する。また、電極層
407は、焼成後の厚さが3〜10μm程度となるよう
に形成する。
【0046】ここで、電子通過孔123の数は、スペー
サー部124の1つの貫通孔あたり1つでもよいし、所
定パターンで配置された複数でもよい。複数とした場合
は、画素内の電子分布の均一性が向上するので、発光ド
ット内の輝度ばらつきを抑制する効果も得られる。この
実施の形態では電子通過孔123の平面形状を略円形で
示したがこれに限られるものではなく、従来用いられた
さまざまな平面形状が適用可能である。
【0047】電極層407は、導電材料粉末と低融点フ
リットガラスと樹脂とを有機溶剤中に分散させた導電性
ペーストを第3離形層405とスペーサー層406の上
に電子通過孔を含む所定パターンでスクリーン印刷する
ことにより形成することができる。ここで、導電材料粉
末には、例えば、銀などの金属又はカーボンの粉末を用
いる。この場合、銀などの金属又はカーボンの粉末や低
融点フリットガラスの粒径は、それぞれ1μm程度とす
る。低融点フリットガラス、樹脂及び有機溶剤は、絶縁
ペーストと同様の材料を用いる。
【0048】次に、図4(g)に示すように、スペーサ
ー層406の上に補強部125となる所定形状の補強層
409を形成する。この場合、補強層406は前面リブ
104がゲート電極122に接することのできる切り欠
きを有し、電極層407を囲むように形成する。また、
この補強層409は、矩形断面で焼成後の厚さが50μ
m程度となるように形成する。この補強層409の形成
にはスクリーン印刷法を用いることができる。この場
合、補強層409は、前述した突起層403の形成に用
いたものと同じ絶縁ペーストをスペーサー層406の上
に所定のパターンで印刷することにより形成する。ま
た、1回の印刷で必要な厚さが得られない場合は、所定
の厚さとなるように補強層409の形成工程を繰り返し
行う。
【0049】次に、補強層409まで形成した基板40
1を所定温度で乾燥させ、溶剤を除去した後、焼成炉に
入れて所定の焼成温度に加熱する。ここで、焼成温度
は、用いた絶縁ペーストや導電性ペースト、および無機
材料ペーストの種類により異なるが、無機材料ペースト
の高融点粒子が焼結する温度より低く、かつ絶縁ペース
トや導電性ペーストが焼結する温度以上であればよい。
このような焼成温度は、400〜700℃程度であり、
ここでは焼成温度を例えば550℃に設定する。
【0050】これにより、図4(h)に示すように、突
起層403とスペーサー層406と電極層407と補強
層409とが焼結され、突起層403とスペーサー層4
06と補強層409とが一体化して絶縁支持体121が
形成されるとともに、電極層407が絶縁支持体121
に固着してゲート電極122が形成され、ゲート電極構
造体120となる。また、第1離形層402と第2離形
層403と第3離形層405は、樹脂が焼失し高融点粒
子が焼結せずに残るため、高融点粒子からなる粒子層4
10に変化する。この粒子層410は、単に高融点粒子
が積み重なっただけの層であり、基板401とゲート電
極構造体120とを結合させる能力を失っている。この
結果、図4(i)に示すように、薬品や装置を用いるこ
となく基板401からゲート電極構造体120を容易に
剥離することができる。
【0051】次に、この実施の形態にかかるゲート電極
構造体を備えた平面ディスプレイの製造方法について図
1と図3を参照して説明する。まず、前述した方法で基
板リブ102を形成したガラス基板101上に、陰極導
体111の表面に電子放出源112となるナノチューブ
状繊維からなる被膜を形成した陰極110を載置する。
このとき、陰極110はガラス基板101上の基板リブ
102に挟まれた領域に配置する。
【0052】次に、ガラス基板101上の陰極110の
長さ方向と直交する方向の周縁部にゲート電極リード1
27と陽極リード(図示せず)を配置した後、ガラス基
板101の周縁部に枠状のスペーサガラス(図示せず)
を配置する。さらに、前述の方法で形成したゲート電極
構造体120をゲート電極122の露出面がフロントガ
ラス103に対向するとともに、ゲート電極122の長
さ方向が基板リブ102と直交するように基板リブ10
2と陰極110の頂部に配置する。このとき、ゲート電
極構造体120は、陰極110の貫通孔113に突起部
126が挿入可能で、かつゲート電極接続用のスルーホ
ールを有する端部がゲート電極リード127と接する位
置に配置する。次に、ゲート電極構造体120のゲート
電極接続用のスルーホール内に低融点のパウダー状銀ペ
ーストを充填する。
【0053】次に、蛍光体膜105B,105G,10
5Rとメタルバック膜106と前面リブ104とを前述
した方法で形成したフロントガラス103をスペーサガ
ラス上に載置する。このとき、フロントガラス103
は、個々の前面リブ104がゲート電極構造体120の
補強壁125の切り欠き部分に挿入され、前面リブ10
4の端面がゲート電極122と接するように配置する。
次に、ガラス基板101とフロントガラス103とスペ
ーサガラスとを低融点のフリットガラスにより接着固定
し、外囲器を形成する。
【0054】この場合、外囲器形成時の熱処理により、
ゲート電極構造体120のスルーホール内に充填された
パウダー状銀ペーストが溶融し、ゲート電極122とゲ
ート電極リード127を接続する導電体128が形成さ
れる。次に、スペーサガラスに設けられた排気口を真空
ポンプに接続して外囲器内を所定の圧力まで真空排気し
た後、排気口を封着する。以上の処理により、この実施
の形態にかかるゲート電極構造体120を備えた平面デ
ィスプレイが製造される。
【0055】前述した平面ディスプレイの製造方法で
は、ガラス基板101の周縁部にゲート電極リード12
7を配置するとしたが、これに限られるものではない。
例えば、ガラス基板101にあらかじめゲート電極リー
ド127を印刷形成するようにしてもよい。この場合、
ゲート電極リード127の厚さが基板リブ102と同じ
になるように所定のリードパターンに導電性ペーストを
所定回数印刷し、基板リブ102と同時に焼成する。
【0056】この実施の形態にかかるゲート電極構造体
120は、スペーサー部124の陰極110側と反対の
面にスペーサー部124と一体化した補強壁125を設
けたので、例えば40型〜100型のテレビジョン画面
に相当する画面寸法の平面ディスプレイに適用した場合
であってもスペーサー部124の厚さの増大を抑制する
ことができ、大画面化による輝度の低下や駆動電圧の高
電圧化を抑制する効果が得られる。また、大画面化しな
い場合においては、スペーサー部124の厚さを薄くで
きるので、陰極110とゲート電極122の電極間隔を
小さくすることが可能である。このため、従来に比べて
陰極110に印加される電界強度を高めることができる
ため、従来と同じ輝度を得るために必要なゲート電極1
22の駆動電圧を低くすることができる。
【0057】また、このゲート電極構造体120は、ス
ペーサー部124がゲート電極122の電子通過孔12
3を取り囲む格子状に形成されてゲート電極122を保
持し、かつ前面リブ104がゲート電極122の長さ方
向と直交する方向に配置されてゲート電極122を固定
するので、ゲート電極122の長さが長大になった場合
であっても、ゲート電極122のたわみや反りを抑制す
ることができる。さらに、スペーサー部124が陰極1
10の長さ方向と直交する方向に配置されて陰極110
を固定するので、陰極110の長さが長大になった場合
であっても、陰極110のたわみや反りを抑制すること
ができる。
【0058】このように構成されているので、例えば4
0型〜100型のテレビジョン画面に相当する画面寸法
の平面ディスプレイに適用した場合であっても、画面の
全面に渡って陰極110とゲート電極122の間隔を一
定に保つことができる。これにより、陰極110の各画
素に対応する領域に印加される電界が均一化されるの
で、電子放出量が均一となり、大画面の平面ディスプレ
イにおける輝度の均一化が可能となる。
【0059】また、このゲート電極構造体120は、電
極リード接続用のスルーホールがスペーサー部124と
ゲート電極122を連通して設けられているので、平面
ディスプレイの組立て時にこのスルーホール下端に接し
てゲート電極リード127を配置し、スルーホール内に
外囲器の封止を行う時の熱処理温度で溶融する導電性材
料を充填することで、外囲器の封止と同時に多数のゲー
ト電極122にゲート電極リード127を接続すること
ができる。このため、平面ディスプレイの組立工程を簡
略化することができる。さらに、このゲート電極構造体
120は、スペーサー部124の陰極110と対向する
面に陰極110の貫通孔に挿入可能な位置決め用の突起
部126を備えているので、平面ディスプレイの組立て
時にガラス基板101への取付けが容易であり、組立工
数の削減が可能となる。
【0060】また、このゲート電極構造体120は、ス
ペーサー部124の貫通孔に連通するゲート電極122
の電子通過孔123が複数に分割されているので、ゲー
ト電極構造体120が平面ディスプレイの陰極110上
に載置されたときに、ゲート電極122が陰極110の
画素に対応する領域の周辺部だけでなく、この領域全体
を覆うようにすることができる。このため、画素に対応
する陰極110上の領域の電界がより均一化され、ゲー
ト電極122と陰極110の間隔を狭めても陰極110
上の画素内の電子放出分布を均一に保つことができるの
で、画素内の輝度むらを抑止することができる。
【0061】また、この実施の形態にかかる電極構造体
の製造方法によれば、ゲート電極構造体120を構成す
るゲート電極122、スペーサー部124、補強壁12
5及び突起部126を厚膜印刷により形成することがで
きるので、これらの厚さを印刷回数などにより容易に制
御することができる。このため、40型〜100型のテ
レビジョン画面に相当する画面寸法の面積であっても従
来の方法では得られない20〜50μm程度の厚さの電
極構造体を形成することが可能である。
【0062】これにより、例えば、電界放出型電子源を
有する陰極上に載置され、陰極の電子放出を制御するゲ
ート電極構造体の製造に用いて、従来に比べ陰極とゲー
ト電極の間隔の小さなゲート電極構造体を形成すること
が可能となり、駆動電圧の低い40型〜100型のテレ
ビジョン画面に相当する画面寸法の平面ディスプレイを
製造することが可能となる。また、電子通過孔や電極接
続用スルーホールなどを任意のパターンで一括形成可能
であり、製造時間の短縮や製造コストの低減ができるた
め、大量生産に好適である。さらに、このゲート電極構
造体の製造方法によれば、開口径が200μm以下の電
子通過孔も形成可能であり、ゲートパターンの高精細化
やドット内の輝度ばらつきの抑制が可能である。
【0063】次に、本発明の第2の実施の形態にかかる
ゲート電極構造体について、このゲート電極構造体を備
えた平面ディスプレイを例に説明する。図5は、本発明
の第2の実施の形態にかかるゲート電極構造体を備えた
平面ディスプレイの画素構成を示す部分分解斜視図であ
る。この実施の形態にかかるゲート電極構造体520が
第1の実施の形態のゲート電極構造体120と異なる点
は、補強部525がスペーサー部524と同様にゲート
電極522の電子通過孔523を取り囲む格子状に形成
されており、ゲート電極522に代わり前面リブ504
の端面と接することである。
【0064】このように構成することで、さらにスペー
サー部524の補強を強化できるので、スペーサー部5
24の厚さをより薄くでき、第1の実施の形態に比べて
ゲート電極522と陰極510の距離を狭めることが可
能となる。これにより、駆動電圧をさらに下げることが
できる。また、補強部525が格子状に形成されている
ので、縦・横の2方向の反りを抑制することが可能とな
り、製造工程における保管や運搬、組立での取扱いが容
易になる効果が得られる。
【0065】この実施の形態にかかるゲート電極構造体
520は、第1の実施の形態で説明したゲート電極構造
体120の製造工程において、補強層を形成する印刷パ
ターンをスペーサー層と同様の格子状にすることで製造
することが可能である。なお、このゲート電極構造体5
20は、第1の実施の形態で説明した製造方法以外の製
造方法によっても製造可能である。以下にその一例を示
す。
【0066】図6は、ゲート電極構造体520の別の製
造方法を示す説明図である。最初に、図6(a)に示す
ように、平坦な基板601上に第1離形層602を形成
する。基板601は、第1の実施の形態で説明した製造
方法と同様にガラス基板を用いる。ここで、基板601
の厚さは3mm程度であり、外形寸法は第1離形層60
2よりも十分に大きい値とし、第1離形層602は平面
視矩形で厚さが5〜50μm程度となるように形成す
る。この第1離形層602は、第1の実施の形態で説明
した無機材料ペーストを基板601上にスクリーン印刷
し、室温で乾燥させることにより形成する。また、第1
離形層602の形成にはスクリーン印刷に代えてコータ
による塗布やフィルム・ラミネートの貼り付けを用いる
こともできる。
【0067】次に、図6(b)に示すように、第1離形
層602上に所定パターンの第2離形層603を形成す
る。この場合、第2離形層603は後述する補強層と合
わせて電極層を形成するための平坦な表面を得るため
に、補強層のパターンを反転したパターン形状とし、補
強層の厚さと同じ厚さに形成する。この第2離形層60
3は、前述した第1離形層602の形成に用いたものと
同じ無機材料ペーストを第1離形層602上に所定のパ
ターンで印刷し、室温で乾燥させることにより形成す
る。
【0068】次に、図6(c)に示すように、第1離形
層602上に補強壁525となる補強層604を所定パ
ターンで形成する。この場合、補強層604は後述する
スペーサー層のパターンと同様の格子状で、焼成後の厚
さが50μm程度となるように形成する。なお、補強壁
525の形状は、格子状に限られるものではなく、例え
ば図1の補強壁のような、前面リブ504がゲート電極
522に接することのできる切り欠きを設けた形状など
平面ディスプレイの構造に応じた変形を行ってもよい。
【0069】補強層604は、絶縁体材料粉末と低融点
フリットガラスと樹脂とを有機溶剤中に分散させた絶縁
ペーストを第1離形層602上に所定パターンでスクリ
ーン印刷することにより形成する。絶縁ペーストは、第
1の実施の形態で説明した製造方法で用いたものと同じ
ものでよい。補強層604の表面は、前述したように第
2離形層603の表面と合わせて後述する電極層の形成
面となるので、補強層604と第2離形層603の間に
すきまが生じず、かつ平坦な表面が得られるように、前
もって印刷パターン、絶縁ペーストの粘度及び絶縁体材
料粉末や低融点フリットガラスの粒径などを調整してお
くとよい。なお、第2離形層603の形成工程と補強層
604の形成工程は、順番を逆にしてもよい。また、1
回の印刷で必要な厚さが得られない場合は、所定の厚さ
となるように第2離形層603の形成工程と補強層60
4の形成工程を繰り返し行うようにする。
【0070】第2離形層603と補強層604とを形成
した後、図6(d)に示すように、これらの表面上にゲ
ート電極522となる電極層605を所定パターンで形
成する。なお、図6(d)では切断面の位置関係により
電極層605が第2離形層603上にのみ形成されてい
るように表示されているが、電極層605は補強層60
4上にも形成される。この場合、電極層605は焼成後
の厚さが3〜10μm程度となるようにストライプ状に
形成され、1つの貫通孔若しくは所定パターンで配置さ
れた複数の貫通孔からなる電子通過孔606が所定ピッ
チで設けられている。また、電極層605の一端部に
は、電極リード接続用のスルーホールとなる貫通孔(図
示せず)が設けられている。
【0071】電極層605は、導電材料粉末と低融点フ
リットガラスと樹脂とを有機溶剤中に分散させた導電性
ペーストを第2離形層603又は補強層604の上に電
子通過孔606を含む所定パターンでスクリーン印刷す
ることにより形成することができる。導電性ペーストに
は第1の実施の形態で説明した製造方法で用いたものと
同じものを用いる。なお、この実施の形態では電子通過
孔606の平面形状を略円形で示したがこれに限られる
ものではなく、従来用いられたさまざまな平面形状が適
用可能である。
【0072】次に、図6(e)に示すように、第2離形
層603と補強層604と電極層605とを覆うように
所定パターンでスペーサー部524となるスペーサー層
607を形成する。スペーサー層607は、電極層60
5の電子通過孔606と連通する貫通孔を有するととも
に、焼成後の厚さが陰極510とゲート電極522の間
の距離として設定された所定値となるように形成する。
この場合、スペーサー層607は、平面視矩形の貫通孔
を有する格子状で、焼成後の厚さが30μm程度となる
ように形成される。また、このスペーサー層607には
電極層605の一端部と接する部分に、電極層605の
電極リード接続用のスルーホール(図示せず)と連通す
る貫通孔(図示せず)を設ける。このスペーサー層60
7は、前述した補強層604の形成に用いたものと同じ
絶縁ペーストを第2離形層603上と補強層604上と
電極層605上とに所定のパターンで印刷することによ
り形成する。
【0073】次に、図6(f)に示すように、スペーサ
ー層607の上に柱状の突起層608を形成する。この
場合、突起層608は、ゲート電極構造体520を陰極
510上へ配置するときの位置決めや位置ずれ防止用と
して陰極510の貫通孔513に挿入する突起部526
となるので、例えばスペーサー層607上に陰極510
の貫通孔513間の距離の整数倍のピッチで配置すると
ともに、焼成後に貫通孔513に挿入可能な形状と寸法
で形成する。なお、突起部526の数はゲート電極構造
体の大きさに応じて変えるようにしてもよい。この突起
層608は、前述した補強層604の形成に用いたもの
と同じ絶縁ペーストをスペーサー層607上の所定位置
に所定のパターンで印刷することにより形成する。
【0074】次に、突起層608まで形成した基板60
1を所定温度で乾燥させ、溶剤を除去した後、焼成炉に
入れて所定の焼成温度に加熱する。ここで、焼成温度
は、用いた絶縁ペーストや導電性ペースト、および無機
材料ペーストの種類により異なるが、無機材料ペースト
の高融点粒子が焼結する温度より低く、かつ絶縁ペース
トや導電性ペーストが焼結する温度以上であればよい。
このような焼成温度は、400〜700℃程度であり、
ここでは焼成温度を例えば550℃に設定する。
【0075】これにより、図6(g)に示すように、補
強層604と電極層605とスペーサー層607と突起
層608とが焼結され、補強層604とスペーサー層6
07と突起層608とが一体化して絶縁支持体521が
形成されるとともに、電極層605が絶縁支持体521
に固着してゲート電極522が形成され、ゲート電極構
造体520となる。また、第1離形層602と第2離形
層603は、樹脂が焼失し高融点粒子が焼結せずに残る
ため、高融点粒子からなる粒子層609に変化する。
【0076】粒子層609は、単に高融点粒子が積み重
なっただけの層であり、基板601とゲート電極構造体
120とを結合させる能力を失っている。この結果、図
6(g)に示すように、薬品や装置を用いることなく基
板601からゲート電極構造体120を容易に剥離する
ことができる。この製造方法では、第1の実施の形態で
説明した製造方法に比べて離形層を形成する工程を1つ
減らすことができるので、製造コストを低減することが
できる。
【0077】これらの実施の形態では、ドットマトリク
ス表示に対応した構成のゲート電極構造体を例にして説
明したが、ゲート電極の形状や配置、電子通過孔の形状
はこれに限られるものではない。例えば、ゲート電極お
よびゲート電極とスペーサー部を連通する電子通過孔の
平面形状を表示すべき表示パターンの形状に相似させ、
ゲート電極側の電子通過孔内をメッシュ状とした構成の
ゲート電極構造体も可能である。このような構成のゲー
ト電極構造体を面状の電界放出型電子源を有する陰極と
基板リブとが配置された基板と、表示すべきパターン形
状に形成された蛍光体膜とメタルバック膜と前面リブと
が配置されたフロントガラスとの間に配置することによ
り、固定パターン表示を行う平面ディスプレイにおいて
も、大画面化や駆動電圧の低電圧化を実現することがで
きる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかるゲ
ート電極構造体は、電子通過孔を有する電極と、電子通
過孔と連通する貫通孔を有し電極を陰極から所定距離に
離間させて支持するスペーサーと、スペーサーの陰極側
に垂設され陰極の開口に挿入される複数の突起部と、ス
ペーサーの陰極と反対側の面に垂設された補強壁とを有
するので、表面に開口を有するとともに電界放出型電子
源が形成された陰極の上に載置されたときに、陰極とゲ
ート電極の間隔を小さくすることができる。このため、
陰極に印加される電界強度を従来と同じとすれば、陰極
の電子放出を制御するためのゲート電極駆動電圧を低電
圧化することが可能となる。さらに、複数の突起部が陰
極の開口部に挿入されるので、位置決めが容易で位置ず
れの恐れもないため、組立が容易になる。また、複数の
電子通過孔が1つの貫通孔と連通するので、画素に対応
する陰極の領域に印加される電界分布がより均一化さ
れ、画素内の輝度むらを抑制する効果が得られる。
【0079】また、本発明にかかる電極構造体の製造方
法によれば、印刷と焼成によりゲート電極と、ゲート電
極を陰極から所定距離に離間させて支持するスペーサー
部とが一体に形成できるので、40型〜100型のテレ
ビジョン画面に相当する画面寸法においても、従来の方
法では得られない20〜50μm程度の厚さの電極構造
体を形成することが可能である。このため、電界放出型
電子源を有する陰極上に載置され、陰極の電子放出を制
御するゲート電極構造体において、ゲート電極の低駆動
電圧化が可能なゲート電極構造体の製造が可能となる。
また、複数の突起部と補強壁とを一体に形成したスペー
サーを形成できるので、表面に開口を有するとともに電
界放出型電子源が形成された陰極の上に載置するゲート
電極構造体に適用して位置決めが容易で位置ずれの恐れ
がなく、組立の容易なゲート電極構造体の製造が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態にかかるゲート電
極構造体を備えた平面ディスプレイの画素構成を示す部
分分解斜視図である。
【図2】 第1の実施の形態にかかるゲート電極構造体
の構造を示す部分斜視図である。
【図3】 ゲート電極構造体と電極リードとの接続状態
を示す部分断面図である。
【図4】 ゲート電極構造体の製造方法を示す説明図で
ある。
【図5】 本発明の第2の実施の形態にかかるゲート電
極構造体を備えた平面ディスプレイの画素構成を示す部
分分解斜視図である。
【図6】 ゲート電極構造体の別の製造方法を示す説明
図である。
【図7】 従来の平面ディスプレイの一例を示す部分分
解斜視図である。
【符号の説明】
101,501,701…ガラス基板、102,50
2,702…基板リブ、103,503,703…フロ
ントガラス、104,504,704…前面リブ、10
5B,505B,705B…青色発光蛍光体膜、105
G,505G,705G…緑色発光蛍光体膜、105
R,505R,705R…赤色発光蛍光体膜、106,
506,706…メタルバック膜、110,510,7
10…陰極、111,511,711…陰極導体、11
2,512,712…電子放出源、113,513…貫
通孔、120,520…ゲート電極構造体、121,5
21…絶縁支持体、122,522,722…ゲート電
極、123,408,523,606,723…電子通
過孔、124,524…スペーサー部、125,525
…補強壁、126,526…突起部、127…ゲート電
極リード、128…導電体、401,601…基板、4
02,602…第1離形層、403,608…突起層、
404,603…第2離形層、405…第3離形層、4
06,607…スペーサー層、407,605…電極
層、409,604…補強層、410,609…粒子
層、721…絶縁基板。
フロントページの続き (72)発明者 阪本 進 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 Fターム(参考) 5C027 FF01 FF04 5C036 EE14 EE15 EG17 EG31 EH05 EH06 EH08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に開口を有するとともに電界放出型
    電子源が形成された陰極の上に配置され前記陰極の電子
    放出を制御するゲート電極構造体であって、 電子通過孔を有する電極と、 前記電子通過孔と連通する貫通孔を有し前記電極を前記
    陰極から所定距離に離間させて支持するスペーサーと、 このスペーサーの前記陰極側に垂設され前記陰極の開口
    に挿入される複数の突起部と、 前記スペーサーの前記陰極と反対側の面に垂設された補
    強壁とを有することを特徴とするゲート電極構造体。
  2. 【請求項2】 複数の前記電子通過孔が1つの前記貫通
    孔と連通することを特徴とする請求項1記載のゲート電
    極構造体。
  3. 【請求項3】 前記電極は平面視帯状に形成され、互い
    に平行に所定間隔で複数配置されており、前記スペーサ
    ーの前記貫通孔はマトリクス状に配置されていることを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載のゲート電極構
    造体。
  4. 【請求項4】 基板上に所定の焼成温度よりも高い融点
    を有する粒子が前記焼成温度で焼失する樹脂で結合され
    てなる第1の離形層を形成する工程と、 第1の離形層上に前記焼成温度で焼結する絶縁体粒子が
    前記焼成温度で焼失する樹脂で結合されてなる突起層を
    柱状に複数形成する工程と、 第1の離形層上に前記焼成温度よりも高い融点を有する
    粒子が前記焼成温度で焼失する樹脂で結合されてなる第
    2の離形層を前記突起層と同じ高さで前記突起層との間
    にすきまを設けずに形成する工程と、 第2の離形層上に前記焼成温度よりも高い融点を有する
    粒子が前記焼成温度で焼失する樹脂で結合されてなる第
    3の離形層を所定形状に形成する工程と、 第2の離形層上に前記焼成温度で焼結する絶縁体粒子が
    前記焼成温度で焼失する樹脂で結合されてなるスペーサ
    ー層を第3の離形層と同じ高さで第3の離形層との間に
    すきまを設けずに形成する工程と、 前記焼成温度で焼結する導電性粒子が前記焼成温度で焼
    失する樹脂で結合されてなる電極層をスペーサー層と第
    3の離形層の上に電子通過孔を含む所定形状で形成する
    工程と、 前記焼成温度で焼結する絶縁体粒子が前記焼成温度で焼
    失する樹脂で結合されてなる補強層を前記スペーサー層
    と前記電極層の表面の少なくとも前記スペーサー層の表
    面上に所定形状で形成する工程と、 前記各層が形成された前記基板を前記焼成温度に加熱す
    る工程とからなることを特徴とする電極構造体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 基板上に所定の焼成温度よりも高い融点
    を有する粒子が前記焼成温度で焼失する樹脂で結合され
    てなる第1の離形層を形成する工程と、 第1の離形層上に前記焼成温度よりも高い融点を有する
    粒子が前記焼成温度で焼失する樹脂で結合されてなる第
    2の離形層を所定形状に形成する工程と、 第1の離形層上に前記焼成温度で焼結する絶縁体粒子が
    前記焼成温度で焼失する樹脂で結合されてなる補強層を
    第2の離形層と同じ高さで第2の離形層との間にすきま
    を設けずに形成する工程と、 前記焼成温度で焼結する導電性粒子が前記焼成温度で焼
    失する樹脂で結合されてなる電極層を前記補強層と第2
    の離形層の上に電子通過孔を含む所定形状に形成する工
    程と、 前記焼成温度で焼結する絶縁体粒子が前記焼成温度で焼
    失する樹脂で結合されてなるスペーサー層を前記電極層
    の一部と前記補強層と第2の離形層の上に所定形状に形
    成する工程と、 前記スペーサー層上に前記焼成温度で焼結する絶縁体粒
    子が前記焼成温度で焼失する樹脂で結合されてなる突起
    層を柱状に複数形成する工程と、 前記各層が形成された前記基板を前記焼成温度に加熱す
    る工程とからなることを特徴とする電極構造体の製造方
    法。
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