JP2003307709A - 立体表示装置および立体表示システム - Google Patents

立体表示装置および立体表示システム

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JP2003307709A
JP2003307709A JP2003027146A JP2003027146A JP2003307709A JP 2003307709 A JP2003307709 A JP 2003307709A JP 2003027146 A JP2003027146 A JP 2003027146A JP 2003027146 A JP2003027146 A JP 2003027146A JP 2003307709 A JP2003307709 A JP 2003307709A
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light
stereoscopic
micro
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Toshiyuki Sudo
敏行 須藤
Yutaka Nishihara
裕 西原
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 IP方式の立体表示装置では、画像解像度の
向上と自然な立体像観察との両立が図れない。 【解決手段】 複数の表示領域A1〜D4にそれぞれ立
体像形成のための画像情報を含む要素画像を表示する画
像表示手段1と、画像表示手段の複数の表示領域に表示
された複数の要素画像を所定の投影面に互いに重畳する
ように投影する複数の微小光学系により構成された微小
光学系アレイ2と、上記投影面の近傍に配置され、要素
画像を形成する光を鉛直方向にのみ拡散させる拡散光学
素子3とを用いて立体表示装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる多眼型の
立体像表示装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、立体物の情報を記録し、立体的に
再生表示するために様々な方式が試みられている。 【0003】このうちIP(インテグラル・フォト)方
式は3次元像を特殊なメガネ等を用いずに再生する方法
である。図24はこのIP方式による3次元像記録・再
生の説明図である。 【0004】101は蠅の目レンズと呼ばれるマイクロ
レンズアレイで、図25に示すように微小なレンズが昆
虫の複眼のように並べられている。このマイクロレンズ
アレイ101の背後には、写真乾板102が置かれてい
る。 【0005】乾板102上には各マイクロレンズによっ
て被写体103の微小な倒立像104が形成され、露光
記録される。そして、この記録像から同一寸法の陽画
(ポジ画像)を作成してマイクロレンズアレイ101を
元の位置に正しく置いて陽画の背面から照明すると、陽
画の各像の光束は撮影時と同じ経路を逆にたどり、もと
の被写体の位置に3次元の実像106が再生される。 【0006】近年では、IP方式の原理を液晶ディスプ
レイなどの画像表示手段に適用して、動画像も含めた立
体映像表示を行う試みも行われている。 【0007】3次元画像コンファレンス’98(3次元
画像コンファレンス’98実行委員会)の講演論文集の
76〜81頁には、洗井らにより3次元像情報の再生手
段として液晶ディスプレイを使用した立体像表示装置の
構成例が提案されている。この表示系の仕様は、図26
に示すとおりである。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の立体表示方式には次のような問題点が存在する。 【0009】第1に、観察者がある1視点から3次元像
を観察するとき、実質的な画像解像度がマイクロレンズ
アレイの数に依存してしまうことである。例えば、上記
従来例の場合、マイクロレンズアレイの数は横54個×
縦55個となっているため、ある1視点からは横54画
素×縦55画素の画像が見えるにすぎない。これは画像
としてはかなり解像度の低い画像である。 【0010】第2に、再生できる視差画像数が少ないこ
とが挙げられる。図27は個々のマイクロレンズと画素
との関係を示した図である。図中のマイクロレンズは画
素a〜fの領域をカバーしている。画素a〜fの情報
は、マイクロレンズによってそれぞれa’〜f’の方向
に指向性ある光として出射する。 【0011】観察者がこのマイクロレンズを見るとき、
6つの異なる方向からそれぞれ独立した画素情報を見る
ことができる。つまり、1つのマイクロレンズのカバー
する要素画像の画素数は、そのマイクロレンズから射出
する光が表現しうる視差情報の数を表している。 【0012】上記従来例の場合、1つのマイクロレンズ
の直径上の画素数は20画素となっており、横方向約2
0、縦方向約20の視差画像情報を表現し得るというこ
とになる。これは多眼と呼ぶには十分な数値であるが、
なめらかな運動視差や見た目が自然な立体像を表示する
には依然不十分な視差数である。 【0013】特に、人間の立体認識においては眼が水平
方向に並んでいることもあって、鉛直方向の視差よりも
水平方向の視差の影響力の方が大きいと言われている
が、この水平視差の数が不十分である。 【0014】第3に、上記2つのパラメータ、すなわち
「1個の視差画像の解像度」と「表現しうる視差の数」
とは互いに反比例する関係であるため、両立することが
困難である。 【0015】前者を向上させるためには、マイクロレン
ズアレイの径を小さくすればよいが、これでは必然的に
1つのマイクロレンズのカバーする要素画像の画素数が
少なくなる。逆に後者を増加させるためには、マイクロ
レンズアレイの径を大きくすればよいが、視差画像の解
像度が低下する。 【0016】そこで、本発明は、画像解像度を高くで
き、かつ従来よりも多方向からの観察が可能な立体像表
示を行える立体表示装置を提供することを目的としてい
る。 【0017】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、複数の表示領域にそれぞれ立体像形
成のための画像情報を含む要素画像を表示する画像表示
手段と、画像表示手段の複数の表示領域に表示された複
数の要素画像を所定の投影面に互いに重畳するように投
影する複数の微小光学系により構成された微小光学系ア
レイと、上記投影面の近傍に配置され、要素画像を形成
する光を鉛直方向にのみ拡散させる拡散光学素子とを用
いて立体表示装置を構成している。 【0018】また、本発明では、複数の表示領域にそれ
ぞれ立体像形成のための画像情報を含む要素画像を表示
する画像表示手段と、画像表示手段の複数の表示領域に
表示された複数の要素画像を所定の投影面に投影する複
数の微小光学系により構成された微小光学系アレイと、
微小光学系アレイにより投影される複数の要素画像を上
記投影面にて重畳させる補正光学系と、上記投影面の近
傍に配置され、要素画像を形成する光を鉛直方向にのみ
拡散させる拡散光学素子とを用いて立体表示装置を構成
している。 【0019】これら発明により、水平方向において複数
(多数)の微小光学系の射出瞳の像(要素画像)を形成
することが可能となり、画像解像度を高くでき、かつ従
来よりも水平方向における多位置からの観察が可能な立
体像表示を行える立体表示装置を実現することが可能と
なる。 【0020】ここで、上記投影面の近傍に、微小光学系
アレイを構成する複数の微小光学系の射出瞳を観察者の
近傍に観察瞳(空中像)として結像させるリレー光学系
を設けてもよい。 【0021】また、微小光学系アレイを構成する複数の
微小光学系を、鉛直方向において互いに異なる領域に配
置された複数の微小光学系グループに分けたときに、複
数の微小光学系グループ同士の水平方向位置を互いにず
らすようにすることができる。 【0022】これにより、観察瞳の水平方向ピッチを細
かくすることができ、いわゆる超多眼立体像表示が可能
となる。 【0023】 【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は本発明の
第1実施形態である立体表示装置の構成を示す概略図で
ある。この図において、1は液晶パネル(LCD)等か
ら構成される画像表示パネルであり、分割された複数の
表示領域ごとに異なる画像情報を表示することができ
る。 【0024】本実施形態では、A〜Dの4段、1〜4の
4列からなる16の表示領域に分割されている。 【0025】但し、この表示領域の分割数はこれに限ら
れるものではなく、表示パネルの状況などに応じて適当
な数を選択することができる。 【0026】なお、画像表示パネル1には、不図示の駆
動回路が接続されており、この駆動回路には、パーソナ
ルコンピュータ、ビデオ、DVDプレーヤ等の画像供給
装置10からの画像信号が供給され、駆動回路は供給さ
れた画像信号に応じて画像表示パネル1の各表示領域に
画像を表示させる。 【0027】2は微小光学系アレイであり、マイクロレ
ンズアレイやピンホールアレイなどを用いることができ
る。本実施形態では、ピンホールアレイを用いている。 【0028】また、本実施形態の微小光学アレイ2は、
上記画像表示パネル1の表示領域の分割数に対応する数
の微小光学系(ピンホール)を有している。すなわち、
4段×4列の計16個のピンホールを有する。 【0029】3は拡散光学素子である。この拡散光学素
子3は、所定の1方向(表示装置への組み込み状態では
鉛直方向)にのみ光を拡散させる性質を持つ。具体的に
は周期構造が微小ピッチで鉛直方向で繰り返されるよう
なレンチキュラレンズ板を用いている。 【0030】4はリレー光学系である。このリレー光学
系4は、立体像観察時の観察瞳を形成する役割を持って
いる。本実施形態では、水平方向にのみ光学的パワー
(1/焦点距離)を持つシリンドリカルレンズを用いて
いる。但し、状況に応じて鉛直方向にも光学的パワーを
持つ回転対称レンズやアナモフィック光学系などを用い
てもよい。 【0031】なお、図1には、拡散光学素子3とリレー
光学系4とを別体として設けた場合を示しているが、図
2に示すように、これらを一体化した複合リレー光学系
4’を用いることもできる。 【0032】次に、本立体表示装置において多眼の立体
像表示を行う方法を説明する。まず、平面図である図3
を用いて画像形成光の水平成分が受ける光学作用につい
て説明する。なお、ここでは、画像表示パネル1のA段
の表示領域から射出される画像形成光について説明す
る。 【0033】画像表示パネル1の表示領域A1〜A4に
はそれぞれ異なる4種類の画像が表示されている。これ
らは微小光学系アレイ2を射出瞳として、拡散光学素子
3上に重畳するように投影画像6として像形成される。 【0034】拡散光学素子3は光の水平成分に関しては
光学作用を及ぼさないので、1連の画像を形成した光の
水平成分は拡散光学素子3を素通りした後、リレー光学
系4の屈折作用を受ける。そしてリレー光学系の光学的
パワーにより、微小光学系アレイ2の射出瞳は空中像
2’となって観察者の近傍に結像する。このとき画像表
示パネル1上の画像情報を形成する光は、微小光学系ア
レイ2の射出瞳群PA1〜PA4を射出し、微小光学系
アレイ2の射出瞳群PA1〜PA4は観察瞳群PA1’
〜PA4’となって空中結像する。 【0035】観察者5は、これらの観察瞳群PA1’〜
PA4’を通して投影画像6を観察する。このとき、各
観察瞳から観察される画像は、観察瞳ごとに異なるもの
となっている。すなわち、観察瞳PA1’を通して観察
できるのは表示領域A1からの投影画像であり、観察瞳
PA2’を通して観察できるのは表示領域A2からの投
影画像である。また、観察瞳PA3’を通して観察でき
るのは表示領域A3からの投影画像であり、観察瞳PA
4’を通して観察できるのは表示領域A4からの投影画
像である。 【0036】なお、以上の水平成分光の状況は、A段の
表示領域からの画像形成光に限らず、すべての段の表示
領域からの画像形成光について同様である。 【0037】次に、側面図である図4を用いて画像形成
光の鉛直成分が受ける光学作用について説明する。な
お、ここでは、画像表示パネル1の第1列の表示領域か
ら射出される画像形成光について説明する。 【0038】画像表示パネル1の表示領域A1、B1、
C1、D1にはそれぞれ異なる4種類の画像が表示され
ている。これらは微小光学系アレイ2を射出瞳として拡
散光学素子3上に重畳するように像形成され、投影画像
6として結像する。 【0039】拡散光学素子3は鉛直成分のみに光を拡散
させる性質を有しているので、1連の画像を形成した光
は、拡散光学素子3上で鉛直方向にのみ拡散する。ま
た、リレー光学系4は、鉛直方向の光学的パワーを持た
ないので、観察者5は拡散光学素子3上で鉛直方向にの
み拡散した光を観察することになる。 【0040】したがって、観察者5は鉛直方向の広い範
囲から投影画像6を観察することができる。 【0041】なお、以上の鉛直成分光の状況は、第1列
の表示領域からの画像形成光に限らず、すべての列の表
示領域からの画像形成光について同様である。 【0042】また、本実施形態では、微小光学系の鉛直
方向ピッチを等間隔としたが、画像形成光の鉛直成分は
拡散光学素子3によって拡散されるため、これらは必ず
しも等間隔でなくてもよい。 【0043】次に、微小光学系アレイ2と画像表示パネ
ル1上に表示される要素画像との関係について説明す
る。 【0044】図5および図6はそれぞれ、微小光学系ア
レイ2と画像表示パネル1の正面図である。 【0045】図5中の白丸部分が個々の微小光学系(ピ
ンホール)を示している。また、白い点線は各微小光学
系の中心を通る鉛直線を示しており、この鉛直線同士の
水平方向ピッチΔHはすべて等間隔となっている。 【0046】さらに、白い実線は各微小光学系の中心を
通る水平線を示しており、これら水平線同士の鉛直方向
ピッチΔVも等間隔となっている。 【0047】本実施形態では、これらの微小光学系が正
方配列ではなく、鉛直方向において高さの異なる段(微
小光学系グループ)ごとにすべて水平方向にΔHだけず
れて(シフトして)配置されている。したがって、鉛直
方向高さの異なる段がn段あるとすると、同じ段の微小
光学系の水平方向ピッチΔHAは、 ΔHA=n・ΔH と示される。 【0048】そして、図6に示すように、画像表示パネ
ル1の表示領域についても、微小光学系の配置に対応し
て、正方配列ではなく、鉛直方向において高さの異なる
段(表示領域グループ)ごとにすべて水平方向に等間隔
だけずれて配置されている。 【0049】次に、微小光学系と要素画像との関係につ
いて説明する。本実施形態においては、すべての要素画
像が拡散光学素子3上の同じ位置に重畳して結像する。 【0050】したがって、すべての要素画像が投影画像
6として投影される際の幾何光学的な主光線(光軸)は
すべて投影画像6の中心点で交わる構成となる。 【0051】つまり、平面図である図7に示すように、
要素画像の中心とそれに対応する微小光学系の中心、さ
らには投影画像の中心がすべて画像形成光の主光線(図
中に一点鎖線で表示している)上に並ぶような光学配置
となっている。 【0052】例えば、微小光学系がすべてピンホールで
構成される場合、上記主光線はすべて図7中の一点鎖線
で示したような直線となり、要素画像の配置と微小光学
系の配置は幾何的に相似関係となる。 【0053】なお、図7では、微小光学系アレイ2によ
って要素画像が拡散光学素子3上の同じ位置に重畳して
結像する場合を示しているが、図8に示すように、光路
内に補正光学系7を挿入し、補正光学系7の光学作用に
よって上記主光線の方向を変え、最終的にすべての主光
線が投影画像6の中心位置で交わるよう調整することも
可能である。この場合、微小光学系と要素画像の配列の
寸法を等しくすることができ、また光学的な微調整をす
ることができるという利点がある。 【0054】また、上記の構成例では、画像表示パネル
1の表示領域群の輪郭がジグザグ状になってしまい、画
像表示パネルの表示効率が低下してしまうが、これを避
けるために次のような方法を採って画像表示パネルの表
示効率を向上させることができる。 【0055】すなわち、図9に示すように、各段の画像
領域と微小光学系との間にそれぞれ、微小光学系の水平
方向シフト量に応じた光軸偏向素子10B〜10Dを挿
入する。これにより実際は、図中に点線で示した方向に
あるべき要素画像の中心を、見かけ上、A段の要素画像
の中心と同じ位置に保つことができる。 【0056】このときに画像表示パネル1上に表示され
る要素画像配列の様子は、図10に示すようになり、通
常のIP方式同様、画像表示パネルの利用効率を高める
ことができる。 【0057】以上説明したように、本実施形態では、複
数の表示領域から射出された画像形成光の水平成分と鉛
直成分に対してそれぞれ異なる光学作用を及ぼす。そし
て、水平方向成分に関しては一定間隔で観察瞳を空中結
像させ、鉛直方向に関しては拡散光学素子3上で光を拡
散する。したがって、本実施形態によれば、図1に示す
ように、鉛直方向に長く水平方向には狭い寸法を有する
観察瞳が細かいピッチで多数並ぶことになる。 【0058】つまり、鉛直成分の光が拡散されることに
より、観察者5側からは微小光学系の射出瞳の鉛直方向
の位置は意味を持たなくなり、もともと高さの異なる各
段の射出瞳が、観察者側では同じ高さの観察瞳として認
識される。そして、各段の射出瞳は互いに重複せずに水
平方向に補間しあう形で並ぶことになる。 【0059】したがって、本実施形態によれば、微小光
学系側で2次元的に配列されていた射出瞳を、観察者側
では1次元的に並びかえることが可能となる。 【0060】ところで、上記実施形態では、拡散光学板
3によって鉛直方向に光を拡散させるため、画像形成光
の鉛直方向成分は、その水平方向成分に比して観察者の
瞳孔に届く割合が少なくなる。このアンバランスを解決
するには、微小光学系の射出瞳PA1〜PA4の鉛直方
向の高さを水平方向の幅に比して大きくする構成をとる
ことが有効である。 【0061】図11および図12は、微小光学系に対し
てこの構成を適用した場合の平面図と側面図である。こ
れらの図において、微小光学系アレイ2の射出瞳群の鉛
直方向高さは、水平方向幅よりも大きくなっている。 【0062】このときに微小光学系アレイ2を正面から
観察すると、図13に示すようになっている。 【0063】なお、この場合、微小光学系アレイ2の内
部または近傍にアナモフィック光学系11が配置されて
いる。これは水平方向と鉛直方向の光学的パワーの異な
る光学系である。 【0064】アナモフィック光学系11は、ここでは水
平方向の光学パワーを持たないシリンドリカルレンズと
なっている。これは、微小光学系アレイ2の射出瞳群の
水平方向幅は光学的にはピンホールに相当する程度に小
さいため、水平方向の結像関係はそれだけで成立するか
らである。 【0065】一方、微小光学系アレイ2の射出瞳群の鉛
直方向高さは大きいため、微小光学系アレイ2のみでは
画像6は結像しないが、アナモフィック光学系11は鉛
直方向に光学パワーを有しており、この光学系の作用に
より要素画像群は投影画像6として結像することが可能
となる。 【0066】なお、ここでは微小光学系アレイ2として
ピンホールアレイを用いているので、アナモフィック光
学系11として水平方向の光学パワーを持たないシリン
ドリカルレンズを採用しているが、目的に応じて水平方
向の光学パワーも持たせた光学系にすることもできる。 【0067】つまり、要素画像群から投影画像6の結像
をピンホールではなく、何らかのレンズ光学系の作用で
実現する構成をとることができる。この場合、微小光学
系アレイ2自体がマイクロレンズアレイになるが、鉛直
方向と水平方向の光量バランスをとるために、上記のよ
うな鉛直方向高さが水平方向幅よりも大きい射出瞳を採
用することがやはり有効である。 【0068】次に、本実施形態の立体表示装置を用いて
立体像を表示する方法について説明する。 【0069】前述した通り、本装置において観察瞳群か
ら観察される画像は、観察瞳ごとに異なるものとなって
いる。 【0070】そして、図1に示すように、画像表示パネ
ル1の表示領域A1の要素画像は観察瞳PA1’から観
察され、表示領域A2の要素画像は観察瞳PA2’から
観察され、・・・・というように、各要素画像に対して
観察瞳が1対1に対応している。 【0071】このような状況で、個々の観察瞳の水平方
向幅を観察者の両眼間隔以下とし、観察瞳同士の水平方
向間隔もまた観察者の両眼間隔以下とすれば、観察者の
両眼に異なる画像を観察させることが可能となる。この
とき、要素画像として観察瞳位置に応じた視差画像を用
意し投影すれば、観察者は両眼視差により立体像を観察
することができる。 【0072】図14はこのような方法で立体像を再生表
示する様子を示している。なお、図14では、説明を簡
単にするために、画像表示パネル1および微小光学系ア
レイ2を省略して示している。 【0073】観察者は観察瞳群の近傍から投影画像6を
観察する。このとき右眼は、観察瞳PC2’を通して、
左眼は観察瞳PA3’を通して投影画像を観察する。そ
こで、要素画像C2、A3としてそれぞれ観察者の右眼
位置、左眼位置を視点とする視差画像を用意すれば、観
察者は両眼視差により立体像8を認識することができ
る。 【0074】このような立体視条件をすべての観察瞳に
ついて成立させるには、すべての要素画像について、対
応する観察瞳位置を視点とする視差画像を用意すればよ
く、これにより連続した多眼の立体像表示装置を構成す
ることができる。 【0075】また、要素画像として観察瞳と同数の視差
画像を用意するのが困難な場合は、少数の要素画像のみ
を用意しておいて、これを目的に応じて観察者の両眼に
提示する方法を採ることができる。 【0076】例えば、図15に示すように、右眼用画像
と左眼用画像の2種類のみを観察する瞳(図中「右」、
「左」で示した部分)を交互に並べて、複数の観察者に
二眼立体視を行わせる構成としたり、図16に示すよう
に、ビデオカメラ等の観察位置検出装置9を通じて画像
供給装置10にて観察者の位置(右眼位置と左眼位置)
を検知し、それに応じた視差画像を適正な観察瞳を通し
て観察できるように、画像供給装置10にて要素画像情
報を選択的に生成することもできる。 【0077】さらに、上記観察位置検出装置9からの情
報に基づいて微小光学系アレイ2を水平方向に移動さ
せ、観察瞳を観察者の位置に対して正しく配置すること
で、観察者の動きに追従して適正な立体像観察を行わせ
るように構成することもできる。 【0078】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、まず第1に、従来よりも水平方向視差数の多い多眼
立体像表示装置を構成することができる。すなわち、前
述した通り、本実施形態では、微小光学系側で2次元的
に配列されていた射出瞳を観察者側で1次元的に並ぶよ
う変換することができる。 【0079】具体的には、微小光学系アレイ2がn段×
m列の射出瞳を有している場合、水平方向n・m列の観
察瞳を形成することができる。このことは従来のIP方
式に比べて、水平方向の視差数を飛躍的に増加させられ
ることを意味している。 【0080】例えば、従来例として挙げたもののよう
に、横54個×縦55個の微小光学系アレイを用いる場
合に本実施形態を適用すれば、2970列もの観察瞳を
形成することができる。 【0081】ただし、本実施形態においては、画像形成
光を鉛直方向に拡散させるので、鉛直方向の視差につい
ては表現することができない。この点で従来のIP方式
とは異なるが、一般に人間の立体認識においては眼が水
平方向に並んでいることもあって、鉛直方向の視差より
も水平方向の視差の影響力の方が大きいと言われてい
る。また、何らかの像をいろいろな方向から観察する場
合も、水平方向の視点移動の方がより発生しやすいと言
われている。さらに、水平・鉛直の区別なく視差数が非
常に多い場合は、実際の立体観察により近い自然な表現
が可能になるとも言われている。 【0082】このことから、鉛直方向の視差をあえて除
去して水平方向の視差数を飛躍的に増加させる本実施形
態は、立体像観察に十分効果的である。 【0083】さらに、本実施形態によれば、立体像(画
像)の解像度を、微小光学系の数に依存せずに高くする
ことができる。先に「課題」の欄において述べた通り、
従来のIP方式では、観察者がある1つの視点から立体
像を観察するときの実質的な画像解像度が微小光学系の
数に依存してしまう。このとき画像解像度を上げるため
に微小光学系の径・ピッチを小さくしてしまうと「表現
しうる視差の数」が減少してしまう。本実施形態によれ
ば、こうした問題点を解決することができる。 【0084】このことについてさらに詳しく説明する。
図17は従来のIP方式による立体像観察の概略図(平
面図)である。観察者が立体像8を観察するとき、画像
形成光は微小光学系の射出瞳PA1〜PA4から出射
し、観察者の瞳孔に直接入射する。これ以外に観察者の
眼に入射する光情報はないので、観察者位置からは上記
射出瞳PA1〜PA4は視差画像の画素であるかのよう
に見え、射出瞳の解像度=視差画像の解像度という認識
となる。 【0085】しかしながら、前述したように射出瞳の解
像度を高く設定することは他の弊害を発生する結果とな
るので得策ではない。また、微小光学系のピッチ・径を
小さくするよりは画像表示パネル1の解像度を高くする
方が容易である。すなわち、画像表示パネル1の解像度
向上が、観察者の観察する視差画像の解像度向上に反映
されることがより望ましい。 【0086】図18は本実施形態による立体像観察の概
略図(平面図)である。観察者が立体像8を観察すると
き、画像形成光は一度、拡散光学素子3上に投影画像6
として投影される。このとき投影画像6の解像度は画像
表示パネル1の各表示領域A1〜A4に表示される要素
画像の解像度に依存していて、射出瞳PA1〜PA4の
解像度には依存しない。 【0087】したがって、本実施形態では、画像表示パ
ネル1の解像度(画素数)を向上させれば、観察者の観
察する視差画像の解像度もまた向上させることができ
る。 【0088】(第2実施形態)本実施形態の立体表示装
置は、第1実施形態と同様に、立体像の表示を目的とす
るものであるが、両眼立体視の領域にとどまらず「超多
眼領域」の立体表示を行うことを目的としている。 【0089】まず、超多眼領域の立体表示について説明
する。従来、立体を再生表示する方法として両眼視差方
式が数多く利用されてきた。しかし、この方式では、眼
の調節機能による立体認識と両眼視差による立体認識と
の間に矛盾が生じるため、観察者に眼の疲労や違和感と
いった視覚負担を強いることが少なくない。 【0090】そこで近年、両眼視差のみに頼らず、眼の
その他の立体認識機能を満足する3次元像再生の方法と
して、超多眼領域の立体表示が提案されるようになっ
た。 【0091】平成9年に通信・放送機構が発行した「高
度立体動画像通信プロジェクト最終成果報告書」の第3
章8節「超多眼領域の立体視覚に関する研究」によれ
ば、単眼の瞳孔に複数の視差画像が入射する程度に視差
の刻み角が細かい多視点画像を表示する「超多眼領域」
の立体表示下においては、観察者の眼の焦点調節が両眼
視差によって誘導される擬似的な立体像の近傍に導か
れ、観察者の疲労や違和感が軽減される、と記載されて
いる。 【0092】つまり、従来行われている2視点からの視
差画像を両眼に対して提示する立体表示方法を、n(>
2)視点からの視差画像をn視点に対して提示する方法
に拡張し、かつn個の視点の隣り合う2点間距離を観察
者の瞳孔よりも小さくした場合、「単眼視差効果」によ
り目が疲れにくい立体表示となる、という見解が示され
ている。 【0093】さらに、同報告書第3章6節「集束化光源
列(FLA)による多眼立体ディスプレイの研究開発」
では、上記理論を実践する具体例が示されている。図1
9はこの具体例の構成図である。図19中におけるFL
Aは、集束化光源列(Focused Light Array )の略であ
り、図20に示すような構成を有する。 【0094】FLAは、図20(a)に示すように、半
導体レーザなどの光源(Light Source)の光を光学系
(Beam Shaping Optics )により細い光束に整形したも
のを、図20(b)に示すように円弧状に並べて、すべ
ての光束を円の中心に集光させるものである。 【0095】こうして形成された焦点(Focal Point )
は、光学系(Objective lens、Imaging lens )により垂
直拡散板(Vertical Diffuser )に再結像し、走査系
(Vertical Scanner、Horizontal Scanner)により2次
元的に高速走査される。これにより、2次元的な画像が
形成される。走査の周期が観察者の眼の残像許容時間内
(約1/50秒以内)であれば、フリッカーのない画像
観察が可能となる。 【0096】ある瞬間における焦点は2次元画像の個々
の画素を構成しており、各画素は元の光源の数だけ異な
る方向に光線を出射する輝点と考えられる。どの方向に
光線を出射させるかは、発光させる光源を選択すること
で決定することができる。 【0097】この光線の出射方向は非常に小さな角度だ
け異なっているので、観察位置では観察者の瞳に2本以
上の異なる光線が入射するような条件になっている。つ
まり、上記構成によれば、観察者の単眼に複数の視差像
が入射する「超多眼領域」の立体表示が可能となり、観
察者の眼の焦点調節が立体像近傍に導かれ観察者の疲労
や違和感が軽減される。 【0098】本実施形態はこのような超多眼領域の立体
表示を実現している。図21は本実施形態の立体表示装
置の平面図である。なお、本実施形態においても鉛直方
向の光を拡散光学素子3上で拡散させるので、側面図は
省略する。 【0099】図21では、画像表示パネル1のA〜D段
の全表示領域に対応する全射出瞳PA1〜PD4と、そ
の像である観察瞳PA1’〜PD4’をすべて重ねて示
している。 【0100】また、図の簡略化のため、微小光学系アレ
イ2の詳細構成は省略してあるが、これは第1実施形態
のものと同様の構成を有している。 【0101】本実施形態と第1実施形態との相違点は、
観察瞳PA1’〜PD4’の間隔が観察者の瞳孔に比し
て小さく、ある1視点に観察者瞳が置かれたときに2つ
以上の観察瞳を通して投影画像6を同時に観察すること
ができるという点にある。 【0102】つまり、隣り合う観察瞳同士の水平方向間
隔が観察者瞳孔径以下であり、かつ観察瞳の水平方向幅
が観察者瞳孔径以下となっている。 【0103】一般に人間の瞳孔径は2〜7mmの間の値
をとると言われているので、本実施形態では、観察瞳の
水平方向間隔を2mm以下、観察瞳の水平方向幅を2m
m以下としている。 【0104】上記のような構成によれば、観察者の単眼
に複数の視差画像が同時に入射する「超多眼領域」の立
体表示が可能となる。 【0105】また、こうした「超多眼領域」の立体表示
を実現するためには、一般に視差画像形成後の光の指向
性を制御する高度な技術が必要となり、前述した「集束
化光源列(FLA)による多眼立体ディスプレイの研究
開発」での構成例のように、レーザービームスキャンを
用いるなど、装置が大がかりなものになりやすい。 【0106】しかし、本実施形態によれば、通常の画像
表示パネルを利用した簡便な装置で超多眼領域の立体表
示を可能とすることができる。これは、本実施形態によ
れば、観察瞳の水平方向の数を増やし、それらの水平方
向の間隔を小さく設定することを容易に達成できるから
である。 【0107】特に、微小光学系アレイ2の各段の射出瞳
の水平方向ピッチΔHは、前述したように、同じ段の微
小光学系の水平方向ピッチΔHAの1/nとすることが
できる(nは段数)からである。 【0108】したがって、微小光学系アレイ2の段数が
増えれば増えるほど、射出瞳の水平方向ピッチΔHを小
さくすることができ、超多眼領域の表示を容易に行うこ
とが可能となる。 【0109】但し、大量の視差画像を扱うことは情報処
理の点でも困難が多い。つまり再生する視差画像の数を
できるだけ抑制した方が、画像表示速度の低下や装置コ
ストの増大を避けるという意味で有利である。 【0110】このため、図22に示すように、観察者の
両眼位置に合わせて観察瞳の水平方向密度が高い領域と
低い領域とを設け、観察者が自ら定めた位置で観察を行
う限りは超多眼領域の立体表示が成り立つよう工夫する
ことができる。 【0111】このような構成を採れば、視差数に比して
観察域が広い超多眼立体表示装置を実現することができ
る。 【0112】なお、このときの微小光学系アレイ2の射
出瞳の配置方法は、図23に示すように、 ΔHA>n・ΔH という関係を満たすような配置方法となる。 【0113】また、このとき図16に示したような観察
位置検出装置9を用いて観察者の右眼位置と左眼位置を
検出し、それに応じた視差画像を適正な観察瞳を通して
観察できるように、画像供給装置にて要素画像情報を選
択的に生成する方法を採ることもできる。以上のような
工夫により、超多眼立体像表示を、より少ない視差画像
で実現することができる。 【0114】(第3実施形態)第1および第2の実施形
態においては、例えば図3に示したように、いずれも微
小光学系アレイ2の射出瞳とリレー光学系4に関して共
役の位置である観察瞳2’を観察者近傍に結像させる構
成を実施形態について説明している。本実施形態では、
観察瞳2’が観察者近傍には存在しない構成の多眼の立
体像表示装置について説明する。 【0115】図28〜30は第3の実施形態の立体像表
示装置を示す平面図である。図28の構成においては微
小光学系アレイ2とリレー光学系4とをリレー光学系4
の焦点距離だけ離して配置し、これにより観察瞳2’を
無限遠に結像させる。したがって投影像6の光はすべて
平行光の状態で観察者5に到達する。この時、各平行光
の射出方向はそれぞれ異なっており、例えば第1の実施
例同様の微小光学系アレイ2を用いた場合、光は16の
異なる方向に射出する。 【0116】一方、図29の構成においては微小光学系
アレイ2とリレー光学系4とはリレー光学系4の焦点距
離以上離れており、観察瞳2’は観察者の後方の空間に
結像する。 【0117】また、図30の構成においては微小光学系
アレイ2とリレー光学系4との距離はリレー光学系4の
焦点距離よりも短く、それゆえに観察瞳2’は微小光学
系アレイ2よりも観察者から遠い側に虚像として結像す
る。 【0118】図28〜30に示すような、観察瞳2’が
観察者近傍には存在しない構成の場合であっても結果的
には再現される像を立体像として観察者に提示する事が
可能である。このことを、図29の場合を例にして図3
1、32を用いて説明する。 【0119】図31は、図29の立体像表示装置での立
体像の観察の様子を示している。図31において、観察
者5は表示装置からの光によって立体像8の一部分であ
る点8−1を観察している。点8−1を表現する画像情
報光は複数存在しているが、図31においては観察瞳P
B2’へと向かう光が観察者右眼の方向に射出してい
る。一方、観察瞳PA3’へと向かう光は観察者左眼の
方向に射出している。これにより、点8−1について、
観察者は少なくとも両眼視差による立体視を行うことが
可能である。更に上記の観察瞳PB2’とPA3’へと
向かう光の間には観察瞳PC2’とPD2’へと向かう光
が存在するため、これらの光に含まれる点8−1を表現
する画像情報光が観察者5の眼球に入射することで超多
眼領域の画像観察が可能となる。 【0120】次に、観察者5が立体像8の別の一部分で
ある点8−2を観察している場合を図32に示す。この
場合には、観察瞳PC2’へと向かう光が観察者右眼の
方向に射出している。一方、観察瞳PC3’へと向かう
光は観察者左眼の方向に射出している。したがって、点
8−2についても観察者は両眼視差によって立体視を行
うことができる。 【0121】以上のように、観察瞳2’が観察者近傍に
は存在しない構成の場合には、点8−1を立体視する場
合と点8−2を立体視する場合とで観察瞳の組み合わせ
は異なっているが、観察者に対して立体像8の情報を正
しく表現することが可能である。 【0122】特に、本実施例のように観察瞳が広範囲
に、かつ高密度に存在している場合、こうした組み合わ
せ観察はほぼ連続的に行うことが可能である。このよう
な立体視が立体像8のその他の部分についても行われる
ため、観察者は立体像8の全体を立体視することができ
る。以上のように、観察瞳2’が観察者近傍には存在し
ない構成の場合であっても、異なる観察瞳2’に射出す
る光を組み合わせて観察することで、画像6をつなぎ合
わせて観察し、結果的に立体像8の全体を観察すること
が可能となる。 【0123】このとき、各観察瞳に向かう画像情報光は
すべて、各観察瞳を視点とした視差画像となっているこ
とはいうまでもない。例えば、図28のような構成の場
合は無限遠に配置された16個の観察瞳を視点とした視
差画像となっており、結果的に立体像8を1方向拡散板
3へ16方向から射影した画像の集合が立体像再生に用
いられる。また、図30のような構成の場合は観察者か
ら見て装置の奥側に存在する観察瞳2’を視点とする視
差画像となっており、結果的に立体像8を1方向拡散板
3へ、16の観察瞳に収束するような光で射影した画像
の集合が立体像再生に用いられる。 【0124】図33は図28の構成において立体視を行
う方法を示している。立体像8の一部分(図中8上の○
点)を再生し観察者の右眼に向かう光は方向(A)に向か
う平行光束の一部分である。一方、立体像8の同じ部分
を再生し観察者の左眼に向かう光は方向(B)に向かう平
行光束の一部分である。したがって、これらの方向に向
かう平行光が存在していれば、観察者は図中8上の○点
を立体視することが可能である。同様のことは立体像8
のすべての部分についても適用でき、観察者は立体像8
の全体を立体視することができる。同じ要領で図30の
構成における立体視が成立することはいうまでもない。 【0125】次に、本実施形態における超多眼領域の立
体表示について説明する。図34は図28の構成におい
て超多眼立体表示を行う例を示している。図34は、図
33の構成において、異なる平行光束同士の射出方向の
角度差が非常に小さく、また微小光学系2の射出瞳を十
分絞ることで各光束の指向性を高めた場合を示してい
る。異なる平行光束同士の射出方向の角度差が非常に小
さくなることにより、一度交点を形成した後に観察者の
単眼に対して同時入射する平行光束の数が増加し、これ
ら異なる光束がそれぞれ独立に異なる強度を有していれ
ば、観察者は単眼で複数の視差情報を得ることになり、
超多眼領域の立体視が可能となる。 【0126】図34においては、微小光学系アレイ2の
異なる射出瞳から射出した2本の光束が、それぞれ画像
6上の異なる画素を形成した後に異なる方向に射出し、
図中の○点位置で交差した後、両方とも観察者の単眼内
に入射している。言い換えれば、交点を形成した少なく
とも2本の光束の、観察位置での水平方向間隔が、観察
者瞳孔径よりも小さくなっている。このとき観察者の視
覚認識系はあたかも図中の○点から光が発散しているか
のように認識し、○点位置に眼の水晶体調節を合わせる
よう反応する。つまり、単眼での立体認識が可能とな
る。同様のことが画像6上のすべての画素を形成する光
束についても成立するため、本構成で超多眼立体表示が
可能となる。 【0127】ただし、このとき上記のように微小光学系
2の射出瞳を十分絞ることで各光束の指向性を高めてお
くことが超多眼立体表示のために重要である。図34と
図35の比較によってこのことを説明する。図35は図
34同様の構成であるが、微小光学系アレイ2の射出瞳
径が大きく設定された状態を示している。図35では各
光束の指向性が低くなり、1個の射出瞳を射出した光束
の中に複数の方向成分を持つ光が含まれることになる。
この場合、図中のように画像6上の画素の情報を得た後
の光束は拡がりながら観察者に向かうことになる。この
結果、光束の交差位置における光束径は図34の構成に
比べて大きくなってしまい、立体像認識を行う場合に認
識される立体像の解像度が低下してしまう。 【0128】さらに、観察者の視覚認識系が眼の調節機
能を制御する際、視覚認識系は画像6上に画素と光束の
交点(図中○点)のどちらから光が発散しているかを比
較して判断する。この判断において、画像6上に画素に
対して光束の交点が著しく大きい場合、後者を光源とし
て認識することは非常に困難になり、画像6上に画素を
光源と認識するために立体像の認識が困難になる。 【0129】以上のように、本実施形態においては図3
4に示すように、射出瞳を十分絞ることで各光束の指向
性を高めておくことが重要であって、これによって超多
眼領域の立体視がより有利に実現できる。 【0130】以上説明した各実施形態は、以下に示すよ
うな技術の実施の例示的な形態であり、以下の各技術は
上記各実施形態に様々な変更や改良を加えて実施される
ことが可能である。 (技術1)複数の表示領域にそれぞれ立体像形成のため
の画像情報を含む要素画像を表示する画像表示手段と、
前記画像表示手段の複数の表示領域に表示された複数の
要素画像を所定の投影面に互いに重畳するように投影す
る複数の微小光学系により構成された微小光学系アレイ
と、前記投影面の近傍に配置され、前記要素画像を形成
する光を鉛直方向にのみ拡散させる拡散光学素子とを有
することを特徴とする立体表示装置に関する技術。 (技術2)前記投影面の近傍にリレー光学系を有するこ
とを特徴とする技術1に記載の立体表示装置に関する技
術。 (技術3)前記リレー光学系は前記微小光学系アレイを
構成する複数の微小光学系の射出瞳を観察者の近傍に観
察瞳として結像させることを特徴とする技術2に記載の
立体表示装置に関する技術。 (技術4)前記微小光学系アレイを構成する複数の微小
光学系を、鉛直方向において互いに異なる領域に配置さ
れた複数の微小光学系グループに分けたときに、前記複
数の微小光学系グループ同士の水平方向位置が互いにず
れていることを特徴とする技術1に記載の立体表示装置
に関する技術。 (技術5)前記複数の微小光学系グループ同士の水平方
向での位置ずれ量が全て等しいことを特徴とする技術4
に記載の立体表示装置に関する技術。 (技術6)前記各微小光学系グループ内において、各微
小光学系の鉛直方向位置が全て等しいことを特徴とする
技術4に記載の立体表示装置に関する技術。 (技術7)前記画像表示手段の複数の表示領域を前記微
小光学系グループに対応するよう複数の表示領域グルー
プに分けたときに、前記複数の表示領域グループ同士の
水平方向位置が互いにずれていることを特徴とする技術
1に記載の立体表示装置に関する技術。 (技術8)前記複数の表示領域グループ同士の水平方向
での位置ずれ量が全て等しいことを特徴とする技術7に
記載の立体表示装置に関する技術。 (技術9)前記各表示領域グループ内において、各表示
領域の鉛直方向位置が全て等しいことを特徴とする技術
7に記載の立体表示装置に関する技術。 (技術10)複数の表示領域にそれぞれ立体像形成のた
めの画像情報を含む要素画像を表示する画像表示手段
と、前記画像表示手段の複数の表示領域に表示された複
数の要素画像を所定の投影面に投影する複数の微小光学
系により構成された微小光学系アレイと、前記微小光学
系アレイにより投影される複数の要素画像を前記投影面
にて重畳させる補正光学系と、前記投影面の近傍に配置
され、前記要素画像を形成する光を鉛直方向にのみ拡散
させる拡散光学素子とを有することを特徴とする立体表
示装置に関する技術。 (技術11)前記投影面の近傍にリレー光学系を有する
ことを特徴とする技術10に記載の立体表示装置に関す
る技術。 (技術12)前記リレー光学系は前記微小光学系アレイ
を構成する複数の微小光学系の射出瞳を観察者の近傍に
観察瞳として結像させることを特徴とする技術11に記
載の立体表示装置に関する技術。 (技術13)前記微小光学系アレイが微小レンズの集合
体であることを特徴とする技術1又は12に記載の立体
表示装置に関する技術。 (技術14)前記微小光学系アレイがピンホールの集合
体であることを特徴とする技術1又は12に記載の立体
表示装置に関する技術。 (技術15)前記複数の要素画像の投影像の中心が、前
記投影面において一致することを特徴とする技術1又は
12に記載の立体表示装置に関する技術。 (技術16)前記微小光学系アレイの近傍に、前記複数
の要素画像の光軸を偏向するための偏向光学系が設けら
れていることを特徴とする技術1又は12に記載の立体
表示装置に関する技術。 (技術17)前記拡散光学素子と前記リレー光学系とが
一体化されていることを特徴とする技術2又は12に記
載の立体表示装置に関する技術。 (技術18)前記微小光学系アレイから投影された投影
光束に含まれる前記表示手段の最小画素からの光束の観
察者瞳孔位置での水平方向幅が、観察者の瞳孔径以下で
あることを特徴とする技術1又は12に記載の立体表示
装置に関する技術。 (技術19)前記微小光学系アレイから投影された投影
光束に含まれる前記表示手段の最小画素からの光束の観
察者瞳孔位置での水平方向幅が2mm以下であることを
特徴とする技術1又は12に記載の立体表示装置に関す
る技術。 (技術20)観察者瞳孔位置において、それぞれ異なる
前記微小光学系アレイから投影された投影光束に含まれ
る光束であって、観察者前方の空間で交点を形成する複
数の光束の内で最も近接する2本の光束間の水平方向間
隔が観察者の瞳孔径以下であることを特徴とする技術1
又は12に記載の立体表示装置に関する技術。 (技術21)観察者瞳孔位置において、それぞれ異なる
前記微小光学系アレイから投影された投影光束に含まれ
る光束であって、観察者前方の空間で交点を形成する複
数の光束の内で最も近接する2本の光束間の水平方向間
隔が2mm以下であることを特徴とする技術1又は12
に記載の立体表示装置に関する技術。 (技術22)前記微小光学系アレイを構成する複数の微
小光学系の射出瞳がそれぞれ、水平方向よりも鉛直方向
に長い形状を有することを特徴とする技術1又は12に
記載の立体表示装置。 (技術23)前記複数の要素画像のうち水平方向におけ
る複数の観察位置にて観察される要素画像が、各観察位
置に対応する視差画像であることを特徴とする技術1又
は12に記載の立体表示装置に関する技術。 (技術24)前記画像表示手段の表示領域の数よりも少
ない数の同一の視差画像が、前記画像表示手段の複数の
表示領域のうち選択された複数の表示領域に表示される
ことを特徴とする技術1又は12に記載の立体表示装置
に関する技術。 (技術25)観察者の水平方向位置を検出する観察位置
検出手段を有し、前記画像表示手段の表示領域の数より
も少ない数の同一の視差画像が前記画像表示手段の複数
の表示領域のうち、前記観察位置検出手段の検出結果に
応じて選択された複数の表示領域に表示されることを特
徴とする技術1又は12に記載の立体表示装置に関する
技術。 (技術26)観察者の水平方向位置を検出する観察位置
検出手段を有し、前記観察位置検出手段の検出結果に応
じて、前記画像表示手段および前記微小光学アレイを水
平方向に移動させることを特徴とする技術1又は12に
記載の立体表示装置に関する技術。 (技術27)技術1又は12に記載の立体表示装置と、
前記画像表示手段に画像を表示させるための画像信号を
供給する画像供給装置とを有することを特徴とする立体
表示システムに関する技術。 【0131】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
水平方向において複数(多数)の微小光学系の射出瞳の
像(要素画像)を形成することができるので、画像解像
度を高くでき、かつ従来よりも水平方向における多位置
からの観察が可能な立体像表示を行える立体表示装置を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1実施形態である立体表示装置の構
成を示す概略図である。 【図2】上記立体表示装置にて用いられる複合リレー光
学系の概略図である。 【図3】上記立体表示装置の平面図である。 【図4】上記立体表示装置の側面図である。 【図5】上記立体表示装置にて用いられる微小光学系ア
レイの正面図である。 【図6】上記立体表示装置にて用いられる画像表示パネ
ルの正面図である。 【図7】上記立体表示装置の平面図である。 【図8】上記立体表示装置の平面図である。 【図9】上記立体表示装置の側面図である。 【図10】図9の立体表示装置にて観察される画像の概
略図である。 【図11】上記立体表示装置の変形例の平面図である。 【図12】上記立体表示装置の変形例の側面図である。 【図13】上記立体表示装置の変形例に用いられる微小
光学系アレイの正面図である。 【図14】上記立体表示装置の他の変形例の平面図であ
る。 【図15】上記立体表示装置の他の変形例の平面図であ
る。 【図16】上記立体表示装置の他の変形例の平面図であ
る。 【図17】従来のIP方式立体表示装置の平面図であ
る。 【図18】上記第1実施形態の立体表示装置の平面図で
ある。 【図19】文献記載の立体表示装置の平面図である。 【図20】同文献記載の他の立体表示装置の構成図であ
る。 【図21】本発明の第2実施形態である立体表示装置の
平面図である。 【図22】上記第2実施形態である立体表示装置の変形
例の平面図である。 【図23】図22の立体表示装置に用いられる微小光学
系アレイの正面図である。 【図24】従来のIP方式立体表示装置の側面図であ
る。 【図25】上記IP方式立体表示装置に用いられている
マイクロレンズアレイの斜視図である。 【図26】上記IP方式立体表示装置の仕様例である。 【図27】上記IP方式立体表示装置でのマイクロレン
ズと画素との関係を示す図である。 【図28】本発明の第3実施形態である立体表示装置の
平面図である。 【図29】本発明の第3実施形態である別の立体表示装
置の平面図である。 【図30】本発明の第3実施形態である別の立体表示装
置の平面図である。 【図31】図29の立体像表示装置での立体像の観察の
様子である。 【図32】図29の立体像表示装置での別の立体像の観
察の様子である。 【図33】図28の立体像表示装置での別の立体像の観
察の様子である。 【図34】図33において超多眼領域の立体観察を行う
場合の説明図である。 【図35】図33において超多眼領域の立体観察を行う
場合の別の説明図である。 【符号の説明】 1 画像表示パネル A1〜D4 表示領域 2 微小光学系アレイ PA1〜PD4 射出瞳 3 拡散光学素子 4 リレー光学系 4’ 複合リレー光学系 PA1’〜PD4’ 観察瞳 5 観察者 6 投影画像 8 立体像

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数の表示領域にそれぞれ立体像形成の
    ための画像情報を含む要素画像を表示する画像表示手段
    と、 前記画像表示手段の複数の表示領域に表示された複数の
    要素画像を所定の投影面に互いに重畳するように投影す
    る複数の微小光学系により構成された微小光学系アレイ
    と、 前記投影面の近傍に配置され、前記要素画像を形成する
    光を鉛直方向にのみ拡散させる拡散光学素子とを有する
    ことを特徴とする立体表示装置。
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