JP2003307589A - 液体金属中の溶解酸素濃度制御方法 - Google Patents

液体金属中の溶解酸素濃度制御方法

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JP2003307589A JP2002111653A JP2002111653A JP2003307589A JP 2003307589 A JP2003307589 A JP 2003307589A JP 2002111653 A JP2002111653 A JP 2002111653A JP 2002111653 A JP2002111653 A JP 2002111653A JP 2003307589 A JP2003307589 A JP 2003307589A
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dissolved oxygen
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Hisashi Nobunaga
尚志 延永
Kinya Kamata
勤也 鎌田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液体金属中の溶解酸素濃度を酸素透過能を有す
る固体電解質を用いて制御し、構造材に対して高い腐食
性を示す液体金属においても腐食抑制を計る。 【解決手段】酸素イオン導電性を有する固体電解質を隔
壁とし、その一方を液体金属3に浸漬させ、他方を制御
すべき酸素濃度に相当する平衡酸素分圧を有する金属と
その酸化物からなる酸素濃度制御用標準物質4に接触さ
せる。前記液体金属3と前記酸素濃度制御用標準物質4
とを外部回路6で短絡させることにより、前記液体金属
3中の溶解酸素濃度を、前記液体金属3と前記酸素濃度
制御用標準物質4の酸素濃度差を利用して生じる酸素透
過により制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体金属中の溶解
酸素濃度制御方法に関するものであり、特に、原子炉冷
却材、廃熱回収冷却材中の溶解酸素濃度制御方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】液体金属は、熱や放射線に対して安定で
あるのみならず、熱伝導性が優れていることから冷却材
として使用されている。その代表的な例が、高速増殖炉
の液体ナトリウム金属である。このような目的に用いら
れる金属は、主として、Na(ナトリウム)、Na−K
(ナトリウム・カリウム)、Li(リチウム)、Bi
(ビスマス)、Pb(鉛)などの低融点金属である。し
かし、こうした液体金属を冷却材として使用する場合に
は、液体金属による機器や配管などの構造材の腐食が問
題となる。
【0003】液体金属による腐食は、水溶液などの腐食
に見られる電気化学過程ではなく、金属元素の液体金属
中への溶解が主原因である。したがって、冷却材として
使用される液体金属が、その熱回収のために、高温部と
低温部とを循環する場合、高温部で構造材から溶解した
元素が低温部で過飽和となって析出する、所謂、質量移
動現象が生ずる。
【0004】この質量移動は、繰り返され、高温部では
機器や配管などの構造材が腐食され続け、低温部では不
純物が析出して小口径配管などの液体金属流路を閉鎖さ
せる恐れがある。この溶解速度を支配するのは、高温部
での不飽和度によるが、ループの構成や形状などの装置
の状況、流量、温度、温度差、表面粗さ、不純物濃度な
ど、多種多様な条件で左右される。中でも、液体金属中
の不純物、特に、溶解酸素濃度は、腐食現象および速度
に大きく影響を及ぼすことが知られている。
【0005】高速増殖炉のNa冷却材の場合、Naの酸
化物標準生成自由エネルギー(酸素ポテンシャル)の絶
対値は、鋼材の主要元素(Fe(鉄)、Ni(ニツケ
ル)、Cr(クロム))や、一般的な合金元素の酸化物
標準生成自由エネルギーの絶対値より大きい。すなわ
ち、液体Naと接触している構造材表面は還元され、N
aは、酸化される傾向にある。
【0006】従って、構造材の腐食条件は、本質的にそ
れら主要元素の液体Na中への溶解度によって決定され
る。構造材主要元素の液体Na中への溶解度は、比較的
小さいことが知られているが、液体Na中の溶解酸素濃
度の増加とともに腐食速度が増大することが分かってい
る。構造材がステンレス鋼の場合、成分元素のCr、N
iが高温部で溶出し、低温部で析出する。そして、Na
中の溶解酸素濃度が高いと、Crの溶出が促進されると
言われている。
【0007】従って、構造材の腐食防止、質量移行現象
の抑止などの観点から液体金属中の溶解酸素濃度を管理
制御することは、非常に重要となってくる。
【0008】従来の液体金属中の溶解酸素濃度の制御方
法については、その方法の1つに、コールドトラップ法
がある。この方法は、液体金属中の不純物を除去する精
製法の一種であり、不純物の溶解度が低温で小さくなる
性質を利用して、液体金属中の酸素、炭素などの不純物
を低温下でいろいろな化合物の形(反応生成物)で析出
除去し、分離回収する方法である。
【0009】Naの場合、コールドトラップ法でNa中
の溶解酸素濃度を10ppm以下程度まで低減でき、ス
テンレス鋼およびFe、Cr、Ni、Co(コバル
ト)、Mo(モリブデン)などとの両立性を計ってい
る。
【0010】また、別の方法として、ホットトラップ法
がある。この方法は、コールドトラップ法で得られる純
度よりも更に高い純度を得たい時に用いられ、高温で酸
素などの不純物とよく結合する金属ゲッターに液体金属
を通し、液体金属中の不純物を金属ゲッターと反応させ
て金属ゲッター中に固定する方法である。例えば、液体
Na中の酸素に対し、酸化ナトリウムよりも安定な酸化
物を生成する金属として、Ti(チタン)、Zr(ジル
コニウム)およびTi−Zr合金などが用いられ、約6
00℃の液体Na中の溶解酸素濃度を数ppm以下に管
理できている。
【0011】更に、水素ガスによる還元処理、酸素ガ
ス、水蒸気などによる酸化処理により溶解酸素濃度を制
御している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
コールドトラップ法やホットトラップ法による液体金属
中の溶解酸素濃度の制御方法は、液体金属中の溶解酸素
濃度の上限を制御するものである。しかし、このような
制御方法は、液体金属の種類によっては、以下のような
不都合を生じる。
【0013】例えば、液体金属にPb−Biを使用した
場合、液体Pb−Biに対する鋼材主要元素の溶解度が
大きく、液体Pb−Bi中の溶解酸素濃度を上限以下に
制御するだけでは、構造材の腐食の進展を抑制すること
が困難であるという問題が生じる。すなわち、溶解酸素
濃度が小さ過ぎてもかえって構造材の腐食を加速させる
という問題がある。
【0014】上記の問題点を回避するため、構造材の溶
解速度を減少させる方法として、インヒビターの添加に
より構造材表面に保護皮膜を形成する方法があるが、こ
の場合、保護皮膜が厚く成長し過ぎると膜剥がれや、熱
衝撃によるクラックが発生し、こうした部分を起点に局
部的に腐食が進行するといった問題があった。
【0015】従って、Pb、Biのような構造材主要元
素の溶解度が大きい液体金属や液体合金の冷却材への適
用は、従来技術では、十分な腐食抑制ができていなかっ
た。
【0016】また、ガスによる酸化還元処理は、ガス供
給設備が必要な上、水素還元では、水蒸気が生成され、
水蒸気の系内からの排出が必要となってくる。
【0017】そこで、本発明は、このような問題点を解
決するもので、その目的とするところは、液体金属中の
溶解酸素濃度を酸素透過能を有する固体電解質を用いて
制御することにより、構造材に対して高い腐食性を示す
液体金属においても腐食を抑制することが可能な液体金
属中の溶解酸素濃度制御方法を提供するところにあり、
また、上記の問題解決ばかりでなく、新たなデバイスの
創造に寄与するところにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】このような問題は、下記
(1)〜(5)の本発明により達成される。
【0019】(1) 酸素イオン導電性を有する固体電
解質を隔壁とし、その一方の側を液体金属に浸漬させ、
他の一方の側を制御すべき酸素濃度に相当する平衡酸素
分圧を有する金属とその酸化物からなる酸素濃度制御用
標準物質に接触させ、前記液体金属と前記酸素濃度制御
用標準物質とを外部回路で短絡させることにより、前記
液体金属中の溶解酸素濃度を、前記液体金属と前記酸素
濃度制御用標準物質との酸素濃度差を利用した酸素透過
により制御することを特徴とする液体金属中の溶解酸素
濃度制御方法。
【0020】(2) 前記酸素イオン導電性を有する固
体電解質が安定化ジルコニアからなることを特徴とする
請求項1記載の液体金属中の溶解酸素濃度制御方法。
【0021】(3) 前記液体金属が、本質的に鉛、ビ
スマス、鉛ビスマス合金のいずれかであることを特徴と
する請求項1記載の液体金属中の溶解酸素濃度制御方
法。
【0022】(4) 前記液体金属が、少なくとも低合
金鋼、特殊鋼、炭素鋼の中から選ばれた1種からなる容
器に収容されていることを特徴とする請求項1、2又は
3記載の液体金属中の溶解酸素濃度制御方法。
【0023】(5) 前記液体金属の温度範囲が前記液
体金属の融点〜650℃であることを特徴とする請求項
1、2、3又は4記載の液体金属中の溶解酸素濃度制御
方法。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の液体金属中の溶解
酸素濃度制御方法の実施の形態について説明する。
【0025】液体金属としては、Pb系、Bi系、Pb
−Bi系が挙げられる。
【0026】液体金属を収容する容器としては、低合金
鋼、特殊鋼、炭素鋼が挙げられる。特殊鋼の代表的なも
のとしては、Cr−Mo系鋼、フェライトあるいはマル
テンサイト系Cr含有鋼、オーステナイト鋼が好まし
い。Pb、Biに対するNiの溶解度が高いため、Ni
を多く含んだ鋼材は、好ましくない。
【0027】次に、液体金属中の溶解酸素濃度と容器構
造材の酸化皮膜との関係に関して説明する。
【0028】熱力学的観点、すなわち、酸化物の標準生
成自由エネルギーの比較から、本発明に係る主な液体金
属成分及び容器主要成分の酸化物の安定性の序列は、酸
化ケイ素>酸化クロム>酸化モリブデン>酸化鉄>酸化
鉛>酸化ビスマスの順である。
【0029】これを基に液体金属及び容器主要成分と酸
素との相互作用による腐食性について、液体金属中の溶
解酸素濃度レベルにより大きくは、次の3つの場合に分
類される。
【0030】(1) 液体金属中の溶解酸素濃度レベル
が十分に低く、鉄が酸化されないような条件では、液体
金属中に鉄が溶解し、容器の腐食は、進行する。
【0031】(2) 液体金属中の溶解酸素濃度レベル
が高くなり、鉄が酸化されるような条件では、容器表面
に酸化鉄、酸化クロム、鉄クロム複合酸化物などの酸化
被膜が生成され、これらの酸化被膜は、液体金属中で安
定な保護被膜となり、腐食が防止される。
【0032】(3) 液体金属中の溶解酸素濃度レベル
が更に高くなり、鉛が酸化されるような条件では、酸化
鉛のスラグが液体金属中に発生し、冷却機能の悪化、配
管のプラグ等を生じる。更に、酸化被膜が厚く成長し過
ぎて膜剥がれや、熱衝撃によるクラックが発生し易くな
り、こうした部分を起点に局部腐食が進行する。
【0033】従って、本発明の液体金属中の溶解酸素濃
度制御方法においては、基本的に上記(2)の条件、す
なわち、鉄は、酸化され、鉛は酸化されないような溶解
酸素濃度に制御すればよいことになる。
【0034】本発明の液体金属中の溶解酸素濃度は、酸
素透過能を有する固体電解質を用いて制御する。
【0035】固体電解質としては、酸素イオン導電性を
有する安定化ジルコニアが挙げられる。具体的には、イ
ットリア(Y2 3 )安定化ジルコニア(ZrO2 )、
カルシア(CaO)安定化ジルコニア、酸化ガドリニウ
ム(Gd2 3 )安定化ジルコニア、酸化スカンジウム
(Sc2 3 )安定化ジルコニア、酸化イッテルビウム
(Yb2 3 )安定化ジルコニアなどが挙げられる。
【0036】このような安定化ジルコニアを酸素濃度の
異なる2室の隔壁として用い、安定化ジルコニアの両面
を電極を介して外部回路で短絡させると、高酸素濃度側
から低酸素濃度側へ酸素の選択透過が可能となり、そし
て、2室の酸素濃度差が無くなるように酸素透過が起こ
る。
【0037】従って、一方の酸素濃度を一定にしておく
と、酸素透過を通じて最終的には、もう一方の酸素濃度
も同じ酸素濃度になるように酸素の透過が起こる。
【0038】本発明においては、上述のように、鉄は酸
化され、鉛は酸化されないような溶解酸素濃度に制御す
る必要があり、酸素濃度制御用標準物質としては、酸化
物の安定性の序列から考慮して、Fe−Fe3 4 系と
Pb−PbO系の間に位置する平衡酸素分圧を有する金
属と、その酸化物にする必要がある。具体的には、Sn
−SnO2 系、Ni−NiO系、Co−CoO系などが
挙げられるが、使用する温度で金属が溶融する状態にあ
るSn−SnO2 系が特に好ましい。
【0039】短絡させる外部回路としては、液体金属側
は収容されている容器の金属部分から取り出し、一方、
酸素濃度制御用標準物質側は酸素濃度制御用標準物質と
接触させたリード線から取り出し、短絡させる。リード
線は、酸素濃度制御用標準物質側と反応しないもので、
Mo、Ta(タンタル)、Ir(イリジウム)、Os
(オスミウム)、W(タングステン)、C(炭素)など
が挙げられる。
【0040】固体電解質の形状、寸法などは、特に、限
定されるものではなく、2室を隔離できればよい。例え
ば、一端封管型、ペレット型などの形状のものが可能で
あり、その大きさもあらゆる大きさのものが可能であ
る。また、多孔質支持体上にペースト塗布、溶射、スパ
ッタなどにより、固体電解質膜を形成することもでき
る。ただし、厚みは、厚すぎると、酸素の透過速度が小
さくなるため、2mm以下が好ましく、0.3〜1mm
がより好ましい。
【0041】また、固体電解質の数は、特に、限定され
るものではなく、酸素の透過面積を増加させるために複
数使用しても良い。更に、モジュール化して使用しても
良い。
【0042】本発明において、液体金属の温度範囲は、
使用する液体金属の融点〜650℃であることが好まし
く、Pb系では、330℃〜600℃、Bi系及びPb
−Bi系では、300℃〜600℃がより好ましい。温
度が低すぎると、固体電解質による酸素の透過が困難と
なる。また、温度が高すぎると、容器鋼材の腐食が激し
くなる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の液体金属中の溶解酸素濃度制
御方法について具体的に説明する。図1は、本発明の液
体金属中の溶解酸素濃度制御方法の一実施例を示す模式
図である。
【0044】図1において、1は、固体電解質からなる
一端封管であり、液体金属3を収容した容器2内に挿入
されている。この固体電解質製の一端封管1内には、制
御すべき酸素濃度に相当する平衡酸素分圧を有する金属
とその酸化物とからなる酸素濃度制御用の標準物質4を
充填させている。酸素濃度制御用標準物質4には、Mo
製のリード線5が挿入されている。
【0045】この一端封管1の上部開口部は、シール部
7でシールされ、固体電解質製の一端封管1の破損時な
どによる液体金属3の逆流を防止している。固体電解質
による酸素の選択透過は、液体金属3側と酸素濃度制御
用標準物質4側との酸素ポテンシャルの差を駆動力とし
て生じる。
【0046】この時、酸素は、容器2の金属部とリード
線5とを接続する外部回路6を通じて電子を受容し、酸
素イオンとなって固体電解質製の一端封管1中を拡散し
て他面に到達し、外部回路6に電子を放出し、酸素が選
択透過される。そして、固体電解質製の一端封管1を液
体金属3中に浸漬し、外部回路6で短絡させておくだけ
で、液体金属3側と酸素濃度制御用標準物質4側との酸
素ポテンシャルが同じになるように高酸素側から低酸素
側への酸素透過を通じて自発的に液体金属3中の溶解酸
素濃度が制御される。 (実施例1)550℃の液体金属(Pb−Bi共晶合
金)を満たした18Cr−1Mo鋼製の密閉タンク内
に、酸素濃度制御用標準物質(Sn−SnO2 )を充填
させた8mol%イットリア安定化ジルコニア製の一端
封管を浸漬させた。そして、18Cr−1Mo鋼製の密
閉タンクと、Sn−SnO2 に接触させたMo(モリブ
デン)製のリード線とを外部回路で短絡させ、液体金属
(Pb−Bi共晶合金)中の溶解酸素濃度を図示しない
酸素センサーを用いて評価した。
【0047】液体金属(Pb−Bi共晶合金)中の溶解
酸素濃度を10-8mass%まで減少させた後、液体金
属(Pb−Bi共晶合金)内に8mol%イットリア安
定化ジルコニア製一端封管を挿入し、外部回路で短絡さ
せた。すると、徐々に酸素濃度が増加し、約30時間で
10-7mass%に達し、その後、この酸素濃度は、長
期にわたって維持された。
【0048】次に、液体金属(Pb−Bi共晶合金)中
の溶解酸素濃度を10-3mass%まで増加させた後、
液体金属(Pb−Bi共晶合金)内に8mol%イット
リア安定化ジルコニア製一端封管を挿入し、外部回路で
短絡させた。すると、徐々に酸素濃度が減少し、約48
時間で10-7mass%に達し、その後、この酸素濃度
は、長期にわたって維持された。
【0049】これに対し、液体金属(Pb−Bi共晶合
金)内に8mol%イットリア安定化ジルコニア製の一
端封管を挿入しただけで、外部回路を短絡させない場
合、酸素の透過は、認められず、溶解酸素濃度を制御す
ることができなかった。
【0050】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、酸素透
過能を有する固体電解質を用い、固体電解質両面の液体
金属と酸素濃度制御用標準物質とを外部回路で短絡させ
ることにより、高酸素濃度側から低酸素濃度側への酸素
の選択透過が生じ、極めて簡単に液体金属中の溶解酸素
濃度を制御することが可能となった。その結果、これま
で使用することが困難だった腐食性の高いPb、Bi系
の液体金属を冷却材に使用することができるようになっ
た。
【0051】更に、従来、Na冷却材で問題とされた反
応性(特に、水との反応性)の高さに関して、より化学
的に不活性なPb系、Bi系が使用できるようになるな
ど、その適用範囲は、極めて広い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体金属中の溶解酸素濃度制御方
法の一実施例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 固体電解質製の一端封管 2 容器 3 液体金属 4 酸素濃度制御用標準物質 5 リード線 6 外部回路 7 シール部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素イオン導電性を有する固体電解質を
    隔壁とし、その一方の側を液体金属に浸漬させ、他の一
    方の側を制御すべき酸素濃度に相当する平衡酸素分圧を
    有する金属とその酸化物からなる酸素濃度制御用標準物
    質に接触させ、前記液体金属と前記酸素濃度制御用標準
    物質とを外部回路で短絡させることにより、前記液体金
    属中の溶解酸素濃度を、前記液体金属と前記酸素濃度制
    御用標準物質との酸素濃度差を利用した酸素透過により
    制御することを特徴とする液体金属中の溶解酸素濃度制
    御方法。
  2. 【請求項2】 前記酸素イオン導電性を有する固体電解
    質が安定化ジルコニアからなることを特徴とする請求項
    1記載の液体金属中の溶解酸素濃度制御方法。
  3. 【請求項3】 前記液体金属が、本質的に鉛、ビスマ
    ス、鉛ビスマス合金のいずれかであることを特徴とする
    請求項1記載の液体金属中の溶解酸素濃度制御方法。
  4. 【請求項4】 前記液体金属が、少なくとも低合金鋼、
    特殊鋼、炭素鋼の中から選ばれた1種からなる容器に収
    容されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載
    の液体金属中の溶解酸素濃度制御方法。
  5. 【請求項5】 前記液体金属の温度範囲が前記液体金属
    の融点〜650℃であることを特徴とする請求項1、
    2、3又は4記載の液体金属中の溶解酸素濃度制御方
    法。
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