JP2003305939A - 真偽判別可能な凹凸模様入り積層体 - Google Patents

真偽判別可能な凹凸模様入り積層体

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JP2003305939A JP2002114167A JP2002114167A JP2003305939A JP 2003305939 A JP2003305939 A JP 2003305939A JP 2002114167 A JP2002114167 A JP 2002114167A JP 2002114167 A JP2002114167 A JP 2002114167A JP 2003305939 A JP2003305939 A JP 2003305939A
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崇 ▲吉▼田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、通行券、パスポート、カー
ド等の偽造、複写、改ざんを防止する必要性のある貴重
印刷物に適用される真偽判別可能な凹凸模様入り積層体
に関するものである。 【解決手段】 基材に凹凸を付与することで形成した
凹凸模様(A)を設けた第1の層(1)と、接着剤から
なる第2の層(4)と、光透過性基材に万線パターン又
は網点パターン(3)を印刷した第3の層(2)を順次
積層してなる真偽判別可能な凹凸模様入り積層体におい
て、前記第1の層(1)に、前記第3の層(2)の万線
パターン又は網点パターン(3)が印刷されている面を
前記第2の層(4)で接着されてラミネートされた真偽
判別可能な凹凸模様入り積層体(5)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通行券、パスポー
ト、カード等の偽造、複写、改ざんを防止する必要性の
ある貴重印刷物に適用される真偽判別可能な凹凸模様入
り積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通行券、パスポート、カード等の貴重印
刷物は、その性質上、偽造や改ざんされないことが要求
される。この改ざん防止策として、従来から、パスポー
ト、カード等は、基材の表面に文字、記号、顔写真等の
情報を施し、表面に透明なプラスチックシートを貼着し
てラミネートし、文字、記号、顔写真等の改ざん防止を
図っている。更に、貴重印刷物は、偽造されているか否
かを判別できる真偽判別技術が必要不可欠と言える。
【0003】ラミネートしたシールの貼替えを防止する
技術として、改ざん防止シールの基材層を、支持層上に
剥離可能に積層された柔軟で厚さが5〜40ミクロンの
薄いポリオレフイン系樹脂層で構成し、該基材層に耐熱
性の優れた接着力の強い粘着剤層を設けた構成し、剥が
そうとしても基材が容易に伸びて変形する改ざん防止シ
ールが開示されている(特開平7−199813号公報
参照)。
【0004】印刷物を傾けて観察することにより潜像画
像を確認できるようにして真偽判別を行う技術は公知で
あり、凹版印刷物の画線構成を利用するもの、凹凸基材
と印刷画線を利用するもの、レンチキュラー板を利用す
るもの等が挙げられる。
【0005】画線構成を利用し潜像画像を確認できる方
法として、印刷基材上に縦横の画線で構成される画像を
凹版印刷することで印刷面を真上から観察した場合には
確認できない潜像が印刷面の角度を変えて観察すると潜
像が顕像化される方法が開示されている(特公昭56−
19273号公報参照)。
【0006】凹凸基材と印刷画線を利用し潜像画像を確
認できる方法として、印刷素材と同色又は近似した色の
各種万線模様又はレリーフ模様、及びそれら双方の模様
のいずれかの隆起した画線と、隆起した画線の色と異な
った他の有色の一定な間隔を持つ各種万線画線又は網点
画線、及びそれら双方の画線のいずれかを組み合わせる
ことによって、ある特定の方向から観察する時にのみ、
特定の文字、図柄などが認識できるようにした潜像印刷
物とその印刷方法が開示されている(特許260009
4号公報参照)。
【0007】レンチキュラー板を利用するもの、例え
ば、レンチキュラー板を用いて、観察角度を変えること
により当月、翌月のカレンダー表示を選択的に視認可能
なカレンダーとして開示されている(実開昭51−67
043号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特公昭56−1927
3号公報の方法では、印刷面を真上から見たとき印刷画
像を構成している縦横の画線構成により潜像とするデザ
インが確認されやすく、このためデザイン上何らかのカ
モフラージュを必要とする。また、万線方向からは潜像
画像が発現せず、万線に対して直角方向でしか発現しな
いめ、本物か否かを判別する効果としては低かった。特
許第2615401号は、凹凸形状を有する素材と、各
種万線画線又は網点画線との刷り合わせが難しい欠点が
あった。また、実開昭51−67043号公報はレンチ
キュラー板を用いるためコストが高く、レンチキュラー
レンズ自体に厚みがあり、製品自体に厚みが生じるた
め、薄い印刷物には不向きであり、更に、レンチキュラ
ー板は凹凸形状を有するため、変形しやすく、破損する
恐れがあった。
【0009】以上のことから、本発明は前述した問題点
を解決することを目的としたもので、真偽判別可能な凹
凸模様入り積層体に対して垂直方向から観察した場合、
エンボス等の加工により形成した凹凸模様は確認できな
いが、斜めから観察した場合、白色光を照射して観察し
た場合、エネルギー線を照射して観察した場合等に凹凸
模様が視認できるため誰でも容易に真偽判別することが
可能である。
【0010】本発明は画線構成を利用して潜像画像を形
成することなく、基材に凹凸により潜像画像を形成する
ためデザインの制限を受けることなく、レンチキュラー
レンズを用いることなく、薄い製品にも対応でき、デザ
イン上、異なる複数の観察方向により潜像画像を出現さ
せることが可能であり、真偽判別装置等を用いることな
く誰でもその場で真偽判別することができる。また、潜
像画像を個人情報にすることにより、個人情報を改ざん
しようとしても光透過性基材を剥がさなければならな
く、偽造者が剥がそうとしても凹凸基材により形成され
た潜像画像が破壊されるため改ざん防止効果がある真偽
判別可能な凹凸模様入り積層体を提案することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材に凹凸を
付与することで形成した凹凸模様を設けた第1の層と、
接着剤からなる第2の層と、光透過性基材に万線パター
ン又は網点パターンを印刷した第3の層を順次積層して
なる真偽判別可能な凹凸模様入り積層体において、前記
第1の層に、前記第3の層の万線パターン又は網点パタ
ーンが印刷されている面を前記第2の層で接着されてラ
ミネートされた真偽判別可能な凹凸模様入り積層体であ
って、前記真偽判別可能な凹凸模様入り積層体に対して
垂直方向から観察した場合、前記凹凸模様は確認できな
いが、斜めから観察した場合又は白色光を照射して観察
した場合に、前記凹凸模様が視認されることを特徴とす
る真偽判別可能な凹凸模様入り積層体である。
【0012】また、本発明は、基材に凹凸を付与するこ
とで形成した凹凸模様を設けた第1の層と、接着剤から
なる第2の層と、光透過性基材に万線パターン又は網点
パターンを印刷した第3の層を順次積層してなる真偽判
別可能な凹凸模様入り積層体において、前記第1の層の
凹凸模様を有する領域に有色インキで印刷した隠蔽模様
を有し、前記隠蔽模様を有した第1の層に、前記第3の
層の万線パターン又は網点パターンが印刷されている面
を前記第2の層で接着されてラミネートされた真偽判別
可能な凹凸模様入り積層体であって、前記真偽判別可能
な凹凸模様入り積層体に対して垂直方向から観察した場
合、前記凹凸模様は確認できないが、前記有色インキと
同色又は近似した色相の光を照射して観察した場合に、
前記凹凸模様が視認されることを特徴とする真偽判別可
能な凹凸模様入り積層体である。
【0013】また、本発明は、基材に凹凸を付与するこ
とで形成した凹凸模様を設けた第1の層と、接着剤から
なる第2の層と、光透過性基材に万線パターン又は網点
パターンを印刷した第3の層を順次積層してなる真偽判
別可能な凹凸模様入り積層体において、前記第1の層の
凹凸模様を有する領域に有色蛍光インキで印刷した隠蔽
模様及び前記有色蛍光インキとエネルギー線照射時に同
色又は近似した色相で発光する無色蛍光インキで印刷し
たベタ模様を有し、前記隠蔽模様及び前記ベタ模様を有
した第1の層に、前記第3の層の万線パターン又は網点
パターンが印刷されている面を前記第2の層で接着され
てラミネートされた真偽判別可能な凹凸模様入り積層体
であって、前記真偽判別可能な凹凸模様入り積層体に対
して垂直方向から観察した場合、前記凹凸模様は確認で
きないが、エネルギー線を照射して観察した場合に、前
記凹凸模様が視認されることを特徴とする真偽判別可能
な凹凸模様入り積層体である。
【0014】また、本発明の凹凸模様は文字、数字、記
号及び絵柄の少なくとも一つ以上であることを特徴とす
る真偽判別可能な凹凸模様入り積層体である。
【0015】また、本発明の凹凸模様が個人情報である
ことを特徴とする真偽判別可能な凹凸模様入り積層体で
ある。
【0016】また、本発明の前記凹凸模様はインパクト
プリンタ、熱転写プリンタ、エンボス加工、レーザ加工
又は放電加工で作製することを特徴とする真偽判別可能
な凹凸模様入り積層体である。
【0017】また、本発明の前記光透過性基材に印刷し
たの万線パターンは、1インチ当たり150から300
本の万線パターンであることを特徴とする真偽判別可能
な凹凸模様入り積層体である。
【0018】また、本発明の前記光透過性基材に印刷し
た網点パターンはスクリーン線数が150線から300
線の範囲で、網点面積率が30%〜70%であることを特
徴とする真偽判別可能な凹凸模様入り積層体である。
【0019】
【発明の実施の形態】図1に本発明の基本原理を示す。
図1(a)にエンボス等によって「A」の凹凸模様Aを
作製した凹凸模様入り基材1を示す。図1(b)に万線
パターン(網点パターンでも良い)3を印刷した光透過
性基材2を示す。図1(c)、図1(d)に示すように
凹凸模様入り基材1に、光透過性基材2の万線パターン
3が印刷されている面を接着層4によってラミネートさ
れた真偽判別可能な凹凸模様入り積層体5を示す。図1
(c)は凹凸模様入り基材1の全面に光透過性基材2が
ラミネートされており、図1(d)は凹凸模様入り基材
1の凹凸模様Aの領域に光透過性基材2がラミネートさ
れている。図1(c)、図1(d)のどちらの場合にお
いても本発明の効果を奏することができる。真偽判別可
能な凹凸模様入り積層体5は通常光(太陽光等の日常の
光)により、凹凸模様入り基材1にエンボス等によって
設けたの凹凸模様Aの凹んでいるところでは光透過性基
材2の万線パターン3による影6が発生する。
【0020】図2に示すように真偽判別可能な凹凸模様
入り積層体5に対して垂直方向から観察した場合、凹凸
模様入り基材に設けた凹凸模様は光透過性基材2に印刷
された万線パターン3によりカモフラージュされて確認
できない。また、真偽判別可能な凹凸模様入り積層体5
に対して垂直方向から観察しているため、凹凸模様入り
基材にエンボス等によって設けたの凹凸模様Aの凹んで
いるところでは光透過性基材の万線パターン3による影
の影響を受けることがない。つまり、垂直方向から観察
した場合、光透過性基材2に設けた万線パターン3のみ
が確認される。
【0021】図3に示すように、真偽判別可能な凹凸模
様入り積層体5を斜めから観察した場合又は白色光を照
射して観察した場合に、凹凸模様入り基材1にエンボス
等によって設けたの凹凸模様Aの凹んでいるところでは
光透過性基材2の万線パターン3による影6が、光透過
性基材2の非画線部7より観察できるため、光透過性基
材2の万線パターン3による影6が確認できる非画線部
7の領域は明度が濃く確認でき、凹凸模様である「A」
が確認できるようになる。図3(a)は真偽判別可能な
凹凸模様入り積層体に対して斜めから観察した場合の図
であり、図3(b)は真偽判別可能な凹凸模様入り積層
体に斜めから白色光を照射して真上から観察した場合の
図である。
【0022】しかし、光透過性基材に付与されたパター
ンが万線パターンの場合、照明方向及び観察方向の両方
が万線の方向もしくは真上である場合、もしくは全く同
じである場合、発生した影を確認できないため、凹凸模
様「A」が確認できないが、それ以外の条件で有れば照
明方向及び観察方向は任意でよい。また、光透過性基材
に付与されたパターンが網点パターンの場合、照明方向
及び観察方向が全く同じである場合をのぞいて、照明方
向及び観察方向は任意でよい。
【0023】本発明に用いる光透過性基材はプラスチッ
ク、ラミネートフィルム等であればよく、光透過性基材
に付与する模様は上記の万線パターンの場合、線の数は
1インチあたり150〜300本程度の本数があれば凹
凸模様を確認することができる。ほかには、網点パター
ンでも同様の効果を得ることができる。網点パターンの
場合、線数が150〜300線で、網点面積率が30%
〜70%であれば、凹凸模様を確認することができる。
網点形状においては、特に限定されることなく、スクエ
アドット、チェーンドット、ラウンドドット、特殊網点
等を使用することができる。また、万線形状は、特に限
定されることなく、平行万線、波万線等を使用すること
ができる。また、光透過性基材に付与する各パターンは
影を発生させるための高い、不透明度を有していればよ
く、不透明度が高ければ、黒以外の白等も可能であり、
特に限定されるものではない。
【0024】また、図4のようにエンボス等によって
「A」の凹凸模様Aを作製した凹凸模様入り基材1の凹
凸模様Aを施した領域に隠蔽模様8を施すことによっ
て、凹凸模様Aの秘匿性を向上させることができる。図
4では隠蔽模様8は凹凸模様A及び凹凸模様Aの周辺領
域に印刷しているが凹凸模様入り基材の全面に隠蔽模様
8を設けてもよい。請求項2記載の凹凸模様を有する領
域とは、凹凸模様Aの領域、凹凸模様A及び凹凸模様A
の周辺領域、凹凸模様Aを有する凹凸模様入り基材の全
面の領域を示す。有色インキを用いて隠蔽模様8を施
し、万線パターン又は印刷パターンを印刷した光透過性
基材2を積層させて、白色光を照射する場合、凹凸模様
Aの視認性を阻害させるため、有色インキと同色又は近
似した色相の光(白色光を色フィルターに通したり、発
光ダイオードを用いる)を照射することで、隠蔽模様8
による凹凸模様Aの視認性の低下を抑えることができ
る。本発明の隠蔽模様8は特に限定されることなく彩紋
模様、微小文字、ベタ、通常の絵柄を用いることができ
る。また、本発明の有色インキは、特に限定されない
が、黒インキを用いる場合、印刷絵柄はベタを用いると
本発明の効果を得ることができない。
【0025】また、図5のように印刷模様を有色蛍光イ
ンキによる隠蔽模様8と、紫外線等のエネルギー線を照
射したときに、有色蛍光インキと同色又は近似した色相
に発色をする無色蛍光インキにより、凹凸模様の全面に
わたるベタ模様9にすることによって、紫外線等のエネ
ルギー線を照射したときに、有色蛍光インキによる模様
を見えなくすることによって、凹凸模様Aのみを視認さ
せることができる。なお、紫外線等照射時に同色又は近
似した色相に発色するのであれば、有色蛍光インキは複
数色を同一領域に用いてもかまわない。図5では隠蔽模
様8及びベタ模様9は凹凸模様A及び凹凸模様Aの周辺
領域に印刷しているが凹凸模様入り基材の全面に隠蔽模
様8及びベタ模様9を設けてもよい。請求項3記載の凹
凸模様を有する領域とは、凹凸模様Aの領域、凹凸模様
A及び凹凸模様Aの周辺領域、凹凸模様Aを有する凹凸
模様入り基材の全面の領域を示す。
【0026】本発明の凹凸模様は、型を用いたエンボス
プレス加工の他に、インパクトプリンタや熱転写プリン
タ、レーザ加工、放電加工を用いて付与してもよい。ま
た、凹凸の高さは5ミクロン程度以上あれば判別は可能
である。また、基材には付与された凹凸を阻害しない程
度の平滑性があればよい。また、凹凸模様は文字、記
号、絵柄にすることにより真偽判別効果が向上する。
【0027】本発明の凹凸模様入り基材は、紙葉類、フ
ィルム、プラスチック、金属等を利用することができ
る。
【0028】また、本発明は凹凸模様入り基材と光透過
性基材を積層させるために、凹凸模様入り基材と光透過
性基材の間に接着層を設ける必要がある。
【0029】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明の内容は、これらの実施例の範囲に限
定されるものではない。
【0030】(実施例1)基材に凹凸を付与するために、
ドットインパクトプリンタのインクリボンを取り外し、
打刻のみを行える状態にした。そして、厚手のコート紙
に対して、図柄の印刷を行うことにより、基材に打刻に
よる凹状の模様を付与した。光を透過できるフィルムの
表面に150線の平行万線を印刷し、基材の凹状の模様
が付与されている場所に、フィルムの平行万線がある面
を接着剤により密着させ、フィルムを積層し、真偽判別
可能な凹凸模様入り積層体を作製した。真偽判別可能な
凹凸模様入り積層体に対して垂直方向から観察した場
合、凹状の模様は確認できなかったが、斜め方向から観
察した場合に凹状の模様が確認することができた。ま
た、フィルムを積層した面に白色光(この実施例では懐
中電灯を利用した)を照射して観察することによって凹
状の模様が確認できた。また、正面から白色光を照射し
て観察しても凹状の模様が確認することができた。
【0031】(実施例2)基材に凹凸を付与するために、
ドットインパクトプリンタのインクリボンを取り外し、
打刻のみを行える状態にした。そして、厚手のコート紙
に対して、図柄の印刷を行うことにより、基材に打刻に
よる凹状の模様を付与した。凹状の模様の視認性を低下
させるために、凹状の模様に重なるように、可視光下で
観察すると赤色で、紫外線下で観察すると同様の赤色に
発光する有色蛍光インキを用いた隠蔽模様をオフセット
印刷にて行い、また、可視光下では無色透明で、紫外線
下で観察すると有色蛍光インキと同色の赤に発光する無
色蛍光インキを同一領域に全面を覆うようにベタ模様を
オフセット印刷で印刷した。光を透過できるフィルムの
表面に150線の平行万線を印刷し、基材の凹状の模様
が付与されている場所に、フィルムの平行万線がある面
を接着剤により密着させ、フィルムを積層し、真偽判別
可能な凹凸模様入り積層体を作製した。真偽判別可能な
凹凸模様入り積層体に対して垂直方向から観察した場
合、凹状の模様は確認できなかったが、紫外線を照射
し、観察することによって、ベタ模様が赤色に発光し、
赤色の有色蛍光インキで印刷した隠蔽模様と同色となっ
たために、隠蔽模様の視認が困難になったために、凹状
の模様のみが確認できた。
【0032】(実施例3)基材に凹凸を付与するために、
ドットインパクトプリンタのインクリボンを取り外し、
打刻のみを行える状態にした。そして、平滑性のある基
材に文字の打刻を行うことにより、基材に凹状の模様を
付与した。凹状の模様の視認性を低下させるために、凹
状の模様に重なるように、通常の赤色の有色インキで隠
蔽模様の印刷を行った。光を透過できるフィルムの表面
に150線の平行万線を印刷し、基材の凹状の模様が付
与されている場所に、フィルムの平行万線がある面を接
着剤により密着させ、フィルムを積層し、真偽判別可能
な凹凸模様入り積層体を作製した。真偽判別可能な凹凸
模様入り積層体に対して垂直方向から観察した場合、凹
状の模様は確認できなかったが、隠蔽模様を印刷した有
色インキと同色の赤色のフィルターを通した光を照射
し、観察することによって、赤色の光源を照射したこと
により、赤色の有色蛍光インキで印刷した隠蔽模様と同
色となったために、隠蔽模様の視認が困難になったため
に、凹状の模様のみが確認できた。
【0033】以上、本発明の実施例に基づいて説明した
が、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、特
許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれ
ば、その他のいろいろな実施の形態が考えられる。
【0034】
【発明の効果】本発明は、真偽判別可能な凹凸模様入り
積層体に対して垂直方向から観察した場合、エンボス等
の加工により形成した凹凸模様は確認できないが、斜め
から観察した場合、白色光を照射して観察した場合、エ
ネルギー線を照射して観察した場合等に凹凸模様が視認
できるため誰でも容易に真偽判別することが可能である
ため、通行券、パスポート、カード等の偽造、複写、改
ざんを防止する必要性のある貴重印刷物に適用すること
ができる。
【0035】また、凹凸模様を有する領域に凹凸模様と
は異なった模様の印刷を行って凹凸模様の形状を識別す
る事が難しい場合であっても容易に凹凸模様の形状のみ
を識別することが可能となる。
【0036】また、本発明は、基材に設けた凹凸模様と
光透過性基材に印刷した万線パターン又は網点パターン
の刷り合わせが必要としないため容易に作製でき、光透
過性基材に印刷した万線パターン又は網点パターンの影
が凹凸模様の凹部に写り、光透過性基材に印刷した万線
パターン又は網点パターンの非画線領域から凹凸模様が
認識できるためデザイン上の制約も受けることがない。
また、本発明の真偽判別可能な凹凸模様入り積層体は判
別装置を用いる必要がないため、判別装置のコスト、設
置スペース等を抑えることができる。
【0037】本発明は画線構成を利用して潜像画像を形
成することなく、基材に凹凸により潜像画像を形成する
ためデザインの制限を受けることなく、レンチキュラー
レンズを用いることなく、薄い製品にも対応でき、デザ
イン上、異なる複数の観察方向により潜像画像を出現さ
せることが可能であり、真偽判別装置等を用いずに誰で
もその場で真偽判別することができる。また、潜像画像
を個人情報にすることにより、個人情報を改ざんしよう
としても光透過性基材を剥がさなければならなく、偽造
者が剥がそうとしても凹凸により形成された潜像画像が
破壊されるため改ざん防止効果がある。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本原理を示す図である。
【図2】本発明における真偽判別可能な凹凸模様入り積
層体を垂直方向から観察した場合を示す図である。
【図3】本発明における真偽判別可能な凹凸模様入り積
層体を斜めから観察した場合又は白色光を照射して観察
した場合を示す図である。
【図4】本発明における有色インキによる隠蔽模様を示
す図である。
【図5】本発明における蛍光インキを用いた隠蔽模様を
示す図である。
【符号の説明】
1 凹凸模様入り基材 2 光透過性基材 3 万線パターン又は網点パターン 4 接着層 5 真偽判別可能な凹凸模様入り積層体 6 影 7 非画線部 8 隠蔽模様 9 ベタ模様
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G07D 7/12 G07D 7/12 Fターム(参考) 2C005 HA02 HB02 HB03 HB09 JB03 JB05 JB22 JB25 LA29 LA30 2H113 AA06 CA39 CA44 3E041 AA01 BB03 DB01 4F100 AR00B AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C DD03C DD04A DD07A EJ39 EJ61 GB90 HB26A HB26C HB37 JL10A JL10C JL11B JN01C JN08C

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材に凹凸を付与することで形成した凹
    凸模様を設けた第1の層と、接着剤からなる第2の層
    と、光透過性基材に万線パターン又は網点パターンを印
    刷した第3の層を順次積層してなる真偽判別可能な凹凸
    模様入り積層体において、 前記第1の層に、前記第3の層の万線パターン又は網点
    パターンが印刷されている面を前記第2の層で接着され
    てラミネートされた真偽判別可能な凹凸模様入り積層体
    であって、 前記真偽判別可能な凹凸模様入り積層体に対して垂直方
    向から観察した場合、前記凹凸模様は確認できないが、
    斜めから観察した場合又は白色光を照射して観察した場
    合に、前記凹凸模様が視認されることを特徴とする真偽
    判別可能な凹凸模様入り積層体。
  2. 【請求項2】 基材に凹凸を付与することで形成した凹
    凸模様を設けた第1の層と、接着剤からなる第2の層
    と、光透過性基材に万線パターン又は網点パターンを印
    刷した第3の層を順次積層してなる真偽判別可能な凹凸
    模様入り積層体において、 前記第1の層の凹凸模様を有する領域に有色インキで印
    刷した隠蔽模様を有し、前記隠蔽模様を有した第1の層
    に、前記第3の層の万線パターン又は網点パターンが印
    刷されている面を前記第2の層で接着されてラミネート
    された真偽判別可能な凹凸模様入り積層体であって、 前記真偽判別可能な凹凸模様入り積層体に対して垂直方
    向から観察した場合、前記凹凸模様は確認できないが、
    前記有色インキと同色又は近似した色相の光を照射して
    観察した場合に、前記凹凸模様が視認されることを特徴
    とする真偽判別可能な凹凸模様入り積層体。
  3. 【請求項3】 基材に凹凸を付与することで形成した凹
    凸模様を設けた第1の層と、接着剤からなる第2の層
    と、光透過性基材に万線パターン又は網点パターンを印
    刷した第3の層を順次積層してなる真偽判別可能な凹凸
    模様入り積層体において、 前記第1の層の凹凸模様を有する領域に有色蛍光インキ
    で印刷した隠蔽模様及び前記有色蛍光インキとエネルギ
    ー線照射時に同色又は近似した色相で発光する無色蛍光
    インキで印刷したベタ模様を有し、前記隠蔽模様及び前
    記ベタ模様を有した第1の層に、前記第3の層の万線パ
    ターン又は網点パターンが印刷されている面を前記第2
    の層で接着されてラミネートされた真偽判別可能な凹凸
    模様入り積層体であって、 前記真偽判別可能な凹凸模様入り積層体に対して垂直方
    向から観察した場合、前記凹凸模様は確認できないが、
    エネルギー線を照射して観察した場合に、前記凹凸模様
    が視認されることを特徴とする真偽判別可能な凹凸模様
    入り積層体。
  4. 【請求項4】 前記凹凸模様は文字、数字、記号及び絵
    柄の少なくとも一つ以上であることを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の真偽判別可能な凹凸模様入り積層
    体。
  5. 【請求項5】 前記凹凸模様が個人情報であることを特
    徴とする請求項1、2、3又は4記載の真偽判別可能な
    凹凸模様入り積層体。
  6. 【請求項6】 前記凹凸模様はインパクトプリンタ、熱
    転写プリンタ、エンボス加工、レーザ加工又は放電加工
    で作製することを特徴とする請求項1、2、3、4又は
    5記載の真偽判別可能な凹凸模様入り積層体。
  7. 【請求項7】 前記光透過性基材に印刷したの万線パタ
    ーンは1インチ当たり150から300本の万線パター
    ンであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又
    は6記載の真偽判別可能な凹凸模様入り積層体。
  8. 【請求項8】 前記光透過性基材に印刷した網点パター
    ンはスクリーン線数が150線から300線の範囲で、
    網点面積率が30%〜70%であることを特徴とする請求
    項1、2、3、4、5又は6記載の真偽判別可能な凹凸
    模様入り積層体。
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