JP2003304899A - 核酸の分析方法及び装置 - Google Patents

核酸の分析方法及び装置

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JP2003304899A
JP2003304899A JP2002109742A JP2002109742A JP2003304899A JP 2003304899 A JP2003304899 A JP 2003304899A JP 2002109742 A JP2002109742 A JP 2002109742A JP 2002109742 A JP2002109742 A JP 2002109742A JP 2003304899 A JP2003304899 A JP 2003304899A
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Yoshinobu Baba
嘉信 馬場
Reika Cho
麗華 張
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Furuno Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 核酸の抽出・増幅・解析を短時間かつ少
量サンプルで行うことができる核酸の分析方法および装
置を提供する。 【解決手段】 生物から採取した核酸を含有する検体を
核酸抽出装置に付して検体から核酸を抽出し、この核酸
を核酸増幅装置に付して増幅し、ついで増幅された核酸
を電気泳動装置に付して核酸解析することを特徴とする
迅速な核酸の抽出・増幅・解析方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、哺乳類動
物、魚類、爬虫類、植物などの生物から採取した、例え
ば、血液などの核酸を含有する検体からの核酸を抽出・
増幅および解析する核酸の分析方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、DNA、RNA、ゲノムなどの
核酸の実用的な分析において、サンプルの調製並びに分
析は重要であるが、従来は長時間を要し、さらに多量の
検体を必要とするものであった。近年、ヒトゲノム計画
(Human Genomic Project(HGP))により、さらに検体
量を減らし、迅速な核酸分析技術の開発に対する要望が
高まってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、核酸の抽出
・増幅および解析を迅速にかつ少量のサンプルで行うこ
とができる核酸、ゲノムなどの分析方法及び装置を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々検討
を重ねた結果、例えば、ジェネレーションキャプチャー
ディスク(Generation Capture Disk、株式会社フナコ
シ製)などの核酸抽出装置を用いて生物から核酸を抽出
し、該核酸を、例えば、ライトサイクラー(Light Cycl
er、米国、ロシュ社製)などの核酸増幅装置に付して増
幅し、ついで増幅された核酸を、例えば、アジレント2
100バイオアナライザー(Agilent 2100 Bioanalyze
r、米国、Agilent社製)または日立SV1210マイク
ロチップ電気泳動(日立製作所製)などの電気泳動装置
に付することにより、核酸の抽出・増幅および解析を非
常に迅速に行うことができることを知見し、本発明を完
成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1) 生物から採
取した核酸を含有する検体を核酸抽出装置に付して検体
から核酸を抽出し、この核酸を核酸増幅装置に付して増
幅し、ついで増幅された核酸を電気泳動装置に付して核
酸解析することを特徴とする迅速な核酸の抽出・増幅・
解析方法、(2) 核酸抽出装置がジェネレーションキ
ャプチャーディスク(GenerationCapture Disk、株式会
社フナコシ製)であり、核酸増幅装置がライトサイクラ
ー(Light Cycler、米国、ロシュ社製)であり、電気泳
動装置がアジレント2100バイオアナライザー(Agil
ent 2100 Bioanalyzer、米国、Agilent社製)または日
立SV1210マイクロチップ電気泳動(日立製作所
製)であることを特徴とする前記(1)に記載の抽出・
増幅・解析方法、(3) 核酸がヒトゲノムβ−グロブ
リン領域を含有することを特徴とする前記(1)または
(2)に記載の核酸の抽出・増幅・解析方法。(4)
所要時間が20分以内であることを特徴とする前記
(1)から(3)のいずれかに記載の核酸の抽出・増幅
・解析方法、(5) 核酸抽出手段、核酸増幅手段およ
び電気泳動手段を具備していることを特徴とする分析装
置を使用する核酸の抽出・増幅・解析方法、(6) 核
酸がDNAまたはRNAであることを特徴とする前記
(1)から(5)のいずれかに記載の核酸の抽出・増幅
・解析方法、(7) 抽出・増幅・解析の対象がゲノム
であることを特徴とする前記(1)から(6)のいずれ
かに記載の核酸の抽出・増幅・解析方法、(8) 生物
から採取した核酸を含有する検体から核酸を抽出する抽
出手段、抽出された核酸を増幅する増幅手段、増幅され
た核酸を分離する分離手段および分離された核酸を検出
する検出手段を具備することを特徴とする核酸の分析装
置、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の核酸の抽出・増幅・解析
方法においては、生物から採取した核酸を検体として用
いる。生物としては、例えば哺乳動物、魚類、貝類、爬
虫類を含む動物、昆虫、植物、糸状菌、酵母、細菌など
が挙げられる。哺乳動物としては、例えばヒト、犬、
猫、猿などが挙げられる。核酸は、例えば血液、臓器、
髪、毛、皮膚、爪、細胞など生物組織から採取できる。
核酸、ゲノムなどを採取する方法としては、例えば血液
においては、例えば採血針を指等に押し当て、動物の例
えば指等から採取される上記微量の血液を容器に滴下す
る方法、例えば髪、毛、爪においては、髪、毛、爪を細
切し、容器に添加する方法などにより検体の準備が行わ
れる。なお、核酸としてはDNA,RNA、ゲノムなど
が挙げられる。
【0007】本発明の核酸の抽出・増幅・解析方法は、
核酸抽出装置、核酸増幅装置および電気泳動装置を用い
て行う。本発明で用いられる核酸抽出装置、核酸増幅装
置および電気泳動装置は、特に限定されない。核酸抽出
装置としては、好ましくは、ジェネレーションキャプチ
ャーディスク(Generation Capture Disk、株式会社フ
ナコシ製)などを用いる。核酸増幅装置としては、好ま
しくは、ライトサイクラー(Light Cycler、米国、ロシ
ュ社製)などを用いる。なお、核酸増幅装置としては、
ライトサイクラー(Light Cycler、米国、ロシュ社製)
などのPCR装置の他に、RT−PCR装置、常温での
核酸増幅装置などを用いることができる。電気泳動装置
としては、好ましくは、アジレント2100バイオアナ
ライザー(Agilent 2100 Bioanalyzer、米国、Agilent
社製)または日立SV1210マイクロチップ電気泳動
(日立製作所製)などを用いる。なお、核酸を抽出・増
幅・解析するための(イ)核酸抽出装置、(ロ)核酸増
幅装置および(ハ)電気泳動装置は特に限定されること
なく、それぞれが(イ)抽出手段、(ロ)増幅手段、
(ハ)分離手段および検出手段を含む解析手段を具備す
るものならどのようなものであってもよい。本発明の分
析装置はこれらの手段を具備する一体型の自動分析装置
であってもよい。〔図1〕は、そのような全自動分析装
置の一例を示すブロック図である。該図で図示されるよ
うに、生物から採取した核酸を含有する検体を試料と
し、抽出手段によって試料から核酸を抽出し、抽出され
た核酸を増幅手段によって増幅し、増幅された核酸を分
離手段によって分離し、分離された核酸を検出すること
により、自動的に分析が行われ、少量のサンプルで分析
結果が迅速に得られうる。特に、核酸の抽出について
は、マイクロリットルオーダーの血液をディスク上に抽
出することができ、細胞から出てきたDNAなどの核酸
が、ディスクに抽出されるまでの距離が短くなり、従来
のミリリッターあるいはサブミリリッターの量のサンプ
ルを抽出していた場合より高速化が達成できる。核酸の
増幅については、核酸の増幅のために、約94℃から約
68℃の温度設定を約30回ほど繰り返すことが好まし
い。この温度の上昇と下降に要する時間が従来は長くか
かっていたが、本発明の実施態様は、サンプル量をマイ
クロリットルオーダーにすることができ、最大約1秒間
に約20℃の速度で変化させることができるようにな
り、核酸増幅反応全体の時間を短縮できる。核酸の解析
については、核酸を電気泳動で解析する際に、マイクロ
メーターサイズのチップを使用することにより、従来よ
り高い電場を印加することが可能になり、高速化を達成
することができる。これは、従来の電気泳動では、高電
場印加に付随して発生する熱が大きく、高電圧を印加で
きなかったが、マイクロ化により熱の発生が押さえられ
ることに加えて、体積に対する比表面積がマイクロ化に
より大きくなり、熱の発散が効率的になったことによ
る。
【0008】上記の生物から採取した血液、臓器、髪、
毛、皮膚、爪、組織、細胞などから核酸を抽出する方法
としては、例えばジェネレーションキャプチャーディス
ク(Generation Capture Disk、株式会社フナコシ製)
を用いて行われる。例えばDNAを抽出する手段とし
て、ジェネレーションキャプチャーディスクを用いる場
合のより好ましい具体的な手順としては、下記の(1)
〜(4)の手順の組み合わせが挙げられる。(1)例え
ば、健康な被験者から約2〜5μL、好ましくは約3μ
Lの血液を採取し、約2mLの遠心チューブに挿入され
ている約3mmのキャプチャーディスク上に滴下し、数
分間室温におく。(2)ジェネレーションキャプチャー
ディスクキットのDNA精製溶液約200μLを、キャ
プチャーディスク上の血液に添加し、室温で好ましくは
1分間インキュベートする。(3)約15000rpm
で好ましくは約10秒間遠心分離し、集積チューブに洗
浄液を集める。さらに、(4)工程(2)および(3)
を繰り返して全体で3回洗浄し、DNAが固定化された
ディスクを調製する。
【0009】上記で調製されたDNAが固定化されたデ
ィスクを幾つかの断片、好ましくは4つの断片に分離し
て増幅キャピラリーに挿入し、反応液に浸透させる。D
NAの増幅はライトサイクラー(Light Cycler、米国、
ロシュ社製)を用いて行われるのが好ましい。
【0010】PCR反応液は4℃で調製するのが好まし
く、PCR反応液の成分は例えば以下の濃度で、反応液
の総量が約10μLとなるよう調製するのが好ましい。 PCR反応液: 成分 最終濃度 水 バッファー 1μL(3mM Mg2+) dNTP混合物 400mM プライマー 1.0mM Takara Z−Taq 5U/100mL BSA 1mg/100mL SYBR Green I 1μLヒトゲノムDNA 3.0ng/mL 合計 10μL
【0011】PCR反応は、初期変性反応を約94〜9
8℃程度で、約0〜30秒間程度、変性反応を約94〜
98℃程度で、約0〜5秒間程度、アニーリングおよび
伸長反応を約68〜72℃程度で、約0〜20秒間程
度、好ましくは5秒間行うのが好ましく、反応全体に要
する時間は約300秒(6分)以内であるのが望まし
い。
【0012】PCR反応後、反応キャピラリーを300
0rpmで約5秒間遠心分離し、次の分析に用いる溶液
を得る。
【0013】上記PCR反応で得られた産物を解析する
方法としては、例えばアジレント2100バイオアナラ
イザー(Agilent 2100 Bioanalyzer、米国、Agilent社
製)または日立SV1210マイクロチップ電気泳動
(日立製作所製)を用いて行うのが好ましい。なお、核
酸の解析は、通常分離と解析を含む。アジレント210
0バイオアナライザー(Agilent 2100 Bioanalyzer、米
国、Agilent社製)を用いる場合は、PCR産物の混合
物を約105秒内で分析するのが好ましい。日立SV1
210マイクロチップを分析に用いる場合は、例えば5
0mMトリス−ホウ酸を含む約0.3%(w/w)MC
を篩分けマトリックスとして用いるのが好ましく、8つ
のPCR産物をそれぞれ同時に約115秒内で分析する
のが好ましい。
【0014】本発明の抽出、増幅および分析を行うのに
要する時間は、約10〜20分間、好ましくは約10分
以内であるのが望ましい。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例および試験例を説明す
るが、以下の開示は本発明の好ましい実施例および試験
例にすぎず、本発明の技術的範囲を何ら限定するもので
はない。
【0016】〔実施例1〕 血液からのDNAの抽出 1.採血および操作 実験のための血液は、健康な男性からシリンジを用いて
採取し、5mlの遠心チューブに−20℃で保存した。
使用に先立って、37℃ですばやく溶かして、使用まで
氷上で保存した。
【0017】2.DNA精製 a)3μLの血液をピペット(ギルソン社(Gilson, In
c.)、ミドルトン(Middleton)、WIUSA)を用いて遠心
チューブから取り出し、次いでジェネレーションキャプ
チャーディスクキット(ゲントラシステムズ社(Gentra
Systems)、ミネアポリス(Minneapolis)、ミネソタ(Min
nesota)、米国)の2mlのスピンチューブに挿入されて
いる3mmディスク上に滴下した。血液は、少なくとも
1分間室温で吸収させた。 b)200μLジェネレーションDNA精製溶液をスピ
ンチューブに挿入されているディスク上に添加し、室温
で1分間インキュベートした。 c)チューブを4℃、15000rpm、10秒間遠心
分離し(ベックマンミクロフュージ R(Beckmann Mic
rofuge R)、ベックマン クルーター(Beckmann Coulte
r)、米国)、集積チューブに洗浄液を集めた。 d)b)およびc)工程を繰り返しジェネレーションD
NAキャプチャー溶液を用いて全体で3回洗浄した。 e)集積チューブ中の洗浄液を捨てると、増幅のための
固定化されたDNAが得られた。
【0018】〔実施例2〕DNAの増幅 1.試薬 ヒトゲノムDNAテンプレートは、ロッシュモレキュラ
ーバイオケミカル社(Roche Molecular Biochemicals)か
ら購入した。β−グロブリン(ヒト)プライマーセッ
ト、Z−Taqポリメラーゼ(2.5U/μL)、10
×Z−Taqバッファー(Mg2+含有、30mM)お
よびdNTP混合物(それぞれ2.5mM)は、宝酒造
株式会社(滋賀県、日本)から購入した。SYBR G
reenI(10000×)およびBSA(2.5mg
/mL)は、それぞれモレキュラープローブス社((Mo
lecular Probes, Inc.)、ユーゲン(Eugene)、米国)お
よびアイダホテクノロジー社((Idaho Technology In
c.)、ソルトレイクシティ(Solt Lake City)、米国)か
ら購入した。サンプルの作成に使用されるDNアーゼ
(DNase)およびRNアーゼ(RNase)を含有
しない水はICNバイオメディカル社((ICN Biomedica
ls, Inc.)、オーロラ(Aurora)、米国)から購入した。
【0019】2.プライマーセットの詳細 6つのプライマーから適当な2つの組み合わせにより、
8つの特定のフラグメントを増幅した。6つのプライマ
ーを下記表に示す。
【表1】 また、8つの特定のフラグメントのbp(塩基対)を下
記表に示す。
【表2】 それぞれの市販のプライマーは500pmolである。
これらは50μLのDNアーゼおよびRNアーゼを含有
しない水の中に最終濃度10μmol/Lとなるように
溶解した。
【0020】3.増幅混合物の調整 全ての試薬は−20℃で保存した。使用前に溶解し、氷
上で保存した。Z−Taqバッファー、Z−Taqポリ
メラーゼ、BSAおよびSYBR GreenIは使用
に先立ってDNアーゼおよびRNアーゼを含有しない水
でそれぞれ10倍、5倍、10倍および1000倍に希
釈した。増幅混合物は4℃で水、Z−Taqバッファ
ー、dNTP混合物、プライマー、BSAおよびSYB
R Green Iの順序で添加することにより調整し
た。増幅混合物はよく混ぜ合わせた。これをピペットを
用いてPCRキャピラリーチューブに移した。DNAテ
ンプレートは、市販の溶液またはディスク上で固定化さ
れたDNAのいずれかの形態で、キャピラリーチューブ
に添加した。固定化されたDNAをテンプレートとして
使用する場合、ディスクを8つの断片に分け、その1断
片のみをキャピラリー(外径365μm)を用いて、キ
ャピラリーチューブの増幅混合物の表面下に挿入した。
最後に、キャピラリーチューブを4℃、3000rp
m、5秒間遠心分離し、反応溶液中に泡を作った。
【0021】4.PCR反応 反応混合物が入っているキャピラリーチューブをサンプ
ルカルーセル(carousel)にセットした。ガラスキャピ
ラリーチューブはPCR産物のリアルタイムフルオリメ
トリック検知(real-time fluorimetric detection)の
ためのキュベットの役目もする。PCRは設定温度でラ
イトサイクラー(Light Cycler、米国、ロシュ社製)に
より行った。増幅が終了した後、キャピラリーチューブ
を取り出した。キャピラリーチューブの蓋を開け、逆さ
にして遠心チューブに移し、4℃、3000rpmで5
秒間遠心分離した。次に、増幅産物溶液をチューブに集
めた。
【0022】5.サンプルの再使用 増幅産物を遠心分離した後、固定化されたDNAのディ
スクはまだキャピラリーチューブに残っている。20μ
LのDNA精製溶液を添加し、15000rpm、5秒
間遠心分離し、ディスクを溶液中に沈めた。次に、ディ
スクを室温で1分間インキュベートした。キャピラリー
チューブを15000rpm、5秒間遠心分離し、溶液
を捨てた。この操作をもう一度繰り返し、全体で2回洗
浄した。固定化されたDNAを有するディスクは次のP
CR反応に使用できる。
【0023】〔実施例3〕 1.PCR産物の分析 PCR産物は、アジレント2100バイオアナライザー
(Agilent 2100 Bioanalyzer、米国、Agilent社製)ま
たは日立SV1210マイクロチップ電気泳動(日立製
作所製)を使用して分析した。両装置のパラメーター比
較を下記表に示す。
【表3】
【0024】2.日立SV1210マイクロチップ電気
泳動を使用するPCR産物の分析この装置は12サンプ
ルまで同時に分析できる。本分析では、8つのPCRフ
ラグメントが同時に分析できた。0.3%メチルセルロ
ース(MC)(w/w)ポリマー溶液は、MCを沸騰し
ているダブル−脱イオン水に添加し、溶液が均一で透明
になるまでゆっくり攪拌することにより調整した。硝酸
とトリスをこの操作の間に添加し、最終濃度を50mM
/Lとした。染料(日立i−DNA12キットから提
供)をポリマー溶液に1:99の割合で加え、次に分離
のためによく混ぜ合わせた。染料を含有するポリマー溶
液20μLをウェルG1の中に添加し、SV1100−
02ゲル充填システムによって12チャンネルの全てに
充填した。G2とG3もそれぞれ20μLのポリマーを
充填した。サンプルをg1〜g12に添加し、S1−S
12に10μLのポリマーを充填した。10μLのサン
プルはそれぞれウェルS1−S12に添加した。次い
で、チップを操作用に用意した。サンプルをウェルg1
−g12に600Vで60秒間注入する。他のウェルは
アースしてある。分離の間の電圧は、ウェルg1−g1
2およびウェルS1−S12では350V、ウェルG1
では1100Vである。なお、G2とG3はアースして
ある。分析結果を〔図2〕に示す。
【0025】アジレント2100バイオアナライザーに
よるPCR産物の分析 25μLのDNA染料をDNAゲルマトリックス(アジ
レントDNA 500分析キットにより提供)に添加した。混
合物をよく攪拌し、スピンフィルターに移し、次いで5
000rpm、15分間遠心分離した。8つのPCR産
物を分析に供するため2:1:0.4:1:0.4:
1:1:2の割合で混合した。新しいDNAチップをチ
ッププライミングステーション(chip priming statio
n)上に置いた。9μLのゲル染料ミックスをピペット
を用い周期的にGの標示のあるウェルに加えた。これを
プライマーステーション(primer station)のプランジ
ャー(plunger)を60秒間押圧することによって、チ
ャンネルに充填した。9μLのゲル−染料ミックスをG
の標示のあるウェルにピペットで移し、5μLのゲル−
染料ミックスをラダー(ladder)で標示したウェルに添
加した。5μLのマーカー(キット中にある)をそれぞ
れ12サンプルのウェルの全てに加え、1μLのDNA
ラダー(ladder)(キット中にある)をラダー(ladde
r)で標示したウェルに添加した。1μLのサンプルを
それぞれ全てのサンプルウェルに添加した。チップをア
ダプターに入れ、1分間ボルテックスにかけた。最後
に、チップをアジレント2100バイオアナライザーに
セットした。分析結果を〔図3〕に示す。
【0026】〔試験例1〕β−グロブリン領域の110
bp断片を用いてジェネレーションキャプチャーディス
クの性質を調べた。ディスクを同じような大きさの4つ
の断片にわけ、テンプレートとして各ディスク上に固定
化されたDNAを用いてPCRを行った。結果を〔図
4〕に示す。PCR産物の収量から、それぞれの断片の
間に明らかな差異はみられなかった。
【0027】〔試験例2〕次に、血液が吸収される時間
が固定化されたDNA量、および結果としてPCR産物
に及ぼす影響について試験を行った。血液を1分、10
分、30分および60分間、それぞれディスク上で吸収
させた。同じ増幅条件でPCRを行った結果、吸収時間
が長いとPCR産物がやや増加するという傾向がみられ
たものの、明らかな差異はみられなかった。結果を〔図
5〕に示す。サンプルの調製にかける時間は短くするの
が重要であることから、サンプルの調製時間を1分とす
ることとした。
【0028】〔試験例3〕プライマーの濃度は、0.1
25〜1μMの範囲でPCR産物が明らかに増加した。
結果を〔図6〕に示す。従って、プライマーの濃度は1
μMとした。
【0029】〔試験例4〕キャプチャーディスクの再生
能について調べた。増幅を行うごとに反応溶液を遠心分
離で取り除き、20μLのDNA精製溶液を反応キャピ
ラリーに加え、室温で1分間インキュベートした。次に
該キャピラリーを再度遠心分離した。この手順を3回繰
り返し、次に増幅された混合物をPCRを行うために反
応キャピラリーに添加した。結果を〔図7〕に示す。こ
の試験結果により、分離されたキャプチャーディスクの
再生能は、2回であることがわかった。
【0030】〔試験例5〕コントロールテンプレートの
増幅条件の最適化について調べた。市販のDNAテンプ
レートでヒトゲノムDNAのβ−グロブリン領域のPC
R条件の最適化を試みた。増幅混合物の成分と同様に、
温度およびそれぞれの増幅工程にかかる時間などの多く
の要素が最適化された。最適なPCR条件を選択するこ
とは、アジレント2100バイオアナライザーを用いた
マイクロチップ電気泳動によるPCR産物を分析するこ
とにより行った。今回、2つの重要な結果を得た。結果
を以下に示す。 1.最短時間での増幅条件 初期変性反応 94℃ 0秒 変性反応 94℃ 0秒 アニーリングおよび伸長反応 68℃ 0秒 サイクル数 30 反応全体の時間 334秒 PCR産物 β−グロブリン領域の268bp断片
1.6ng/μL 2.β−グロブリン領域の断片のPCRプロトコール プロトコール成分 最終濃度 水 バッファー 1μL(3mM Mg2+) dNTP混合物 400mM プライマー 1.0mM Takara Z−Taq 5U/100mL BSA 1mg/100mL SYBR Green I 1μLヒトゲノムDNA 3.0ng/mL 合計 10μL
【0031】〔試験例6〕血液抽出方式について調べ
た。ジェネレーションキャプチャーディスクにつき検討
した。ディスク上の固定化されたDNA分布(これは、
次の実験でディスクを8つの断片に分割するためとても
重要である)、血液の吸収時間、増幅のためのプライマ
ー濃度(固定化されたDNA濃度はわからない)、固定
化されたDNAを再利用する可能性などについて調べ
た。その結果、以下の結論を得た。 1.キャプチャーディスク上の固定化されたDNAの分
布は均一化されていることが示された。 2.血液の吸収時間は、吸収時間を長くしてもPCR産
物の収率において明らかな差異なかったため1分以下に
することができた。 3.固定化されたDNAを有するキャプチャーディスク
はPCR産物の収率を損なうことなく、2回目のPCR
のために再利用できた。
【0032】〔試験例7〕血液から抽出されたDNAの
増幅の迅速化を調べた。上記の性質に基づいて、血液か
ら抽出されたDNAのPCRの迅速化に成功した。固定
化されたDNA濃度はわからないけれども、適切なプラ
イマー濃度を調べたところ、1μMが最適値であった。
しかしながら、固定化されたDNA濃度が低ければ、ア
ニーリングおよび伸長反応時間は充分な産物を得るため
に長くなる。アニーリングおよび伸長反応時間が1秒の
場合、0.33ng/μLでは全体の増幅時間は357
秒であった。しかしながら、非特定産物は特定産物と比
較して多かった。従って、アニーリングと伸長反応時間
の更なる延長が充分な量の特定産物を得るために必要で
ある。我々の実験結果は5秒が最適時間であることを示
した。1つのサンプルの増幅においては、全体の反応時
間は493秒である。8つのフラグメントを同時に増幅
するためには536秒である。これは、従来のゲル電気
泳動(一般に増幅に1時間かかる)と比較して大幅に速
い。
【0033】〔試験例8〕マイクロチップ電気泳動によ
るPCR産物分析の迅速化について調べた。最近、マイ
クロチップ電気泳動が、多くの利点、特に早い分析速度
のためDNA分析において特に注目をあびている。我々
の実験では、マイクロチップ電気泳動で8つの増幅産物
の分析に成功した。日立SV1210では、50mMト
リス−ホウ酸を含む0.3%(w/w)MCを篩分けマ
トリックスとして選択した。8つのフラグメントは11
5秒以内で同時に分析できた。アジレントバイオアナラ
イザーでは、全ての増幅産物の混合物は105秒以内で
分析できた。
【0034】
【発明の効果】本発明の抽出・増幅・解析方法および装
置を用いることにより、サンプルの使用量を少なくする
ことが可能となり、また従来の技術に要した時間と比べ
て極めて短時間のうちに核酸の抽出・増幅・解析を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 抽出手段、増幅手段、分離手段および検出手
段から構成されている自動分析装置において、試料を抽
出手段に付して分析結果が分析手段から得られることを
示すブロック図である。
【図2】 日立SV1210によるPCR産物の分析を
示す。ピークは前方から後方に向かってそれぞれ11
0、167、205、250、268、325、34
5、408bpである。
【図3】 アジレント2100バイオアナライザーを使
用する、PCR産物の混合物の分析結果を示す。
【図4】 β−グロブリン領域の110bp断片を用い
たジェネレーションキャプチャーディスクの性質を示
す。
【図5】 血液が吸収される時間が固定化されたDNA
量によりPCR産物に影響を及ぼすか否かについて行っ
た試験の結果を示す。
【図6】 最適なプライマー濃度を調べた結果を示す。
【図7】 キャプチャーディスクの再生能について調べ
た結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/48 G01N 33/53 ZNAM 33/483 37/00 101 33/53 ZNA C12N 15/00 A // G01N 37/00 101 G01N 27/26 331E (72)発明者 張 麗華 徳島県徳島市庄町1丁目27−8 コーポい ずみ16号室 Fターム(参考) 2G045 BB10 BB14 BB50 DA13 FB05 JA07 4B024 AA11 CA02 CA11 HA11 4B029 AA07 BB20 FA15 4B063 QA01 QA11 QQ42 QR08 QR14 QR48 QR62 QR82 QS25

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物から採取した核酸を含有する検体を
    核酸抽出装置に付して検体から核酸を抽出し、この核酸
    を核酸増幅装置に付して増幅し、ついで増幅された核酸
    を電気泳動装置に付して核酸解析することを特徴とする
    迅速な核酸の抽出・増幅・解析方法。
  2. 【請求項2】 核酸抽出装置がジェネレーションキャプ
    チャーディスク(Generation Capture Disk、株式会社
    フナコシ製)であり、核酸増幅装置がライトサイクラー
    (Light Cycler、米国、ロシュ社製)であり、電気泳動
    装置がアジレント2100バイオアナライザー(Agilen
    t 2100 Bioanalyzer、米国、Agilent社製)または日立
    SV1210マイクロチップ電気泳動(日立製作所製)
    であることを特徴とする請求項1に記載の抽出・増幅・
    解析方法。
  3. 【請求項3】 核酸がヒトゲノムβ−グロブリン領域を
    含有することを特徴とする請求項1または2に記載の核
    酸の抽出・増幅・解析方法。
  4. 【請求項4】 所要時間が20分以内であることを特徴
    とする請求項1から3のいずれかに記載の核酸の抽出・
    増幅・解析方法。
  5. 【請求項5】 核酸抽出手段、核酸増幅手段および電気
    泳動手段を具備していることを特徴とする分析装置を使
    用する核酸の抽出・増幅・解析方法。
  6. 【請求項6】 核酸がDNAまたはRNAであることを
    特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の核酸の抽
    出・増幅・解析方法。
  7. 【請求項7】 抽出・増幅・解析の対象がゲノムである
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の核
    酸の抽出・増幅・解析方法。
  8. 【請求項8】 生物から採取した核酸を含有する検体か
    ら核酸を抽出する抽出手段、抽出された核酸を増幅する
    増幅手段、増幅された核酸を分離する分離手段および分
    離された核酸を検出する検出手段を具備することを特徴
    とする核酸の分析装置。
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