JP2003304864A - 冷凍生地用乾燥酵母 - Google Patents

冷凍生地用乾燥酵母

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JP2003304864A
JP2003304864A JP2002115147A JP2002115147A JP2003304864A JP 2003304864 A JP2003304864 A JP 2003304864A JP 2002115147 A JP2002115147 A JP 2002115147A JP 2002115147 A JP2002115147 A JP 2002115147A JP 2003304864 A JP2003304864 A JP 2003304864A
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JP
Japan
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yeast
dough
weight
power
floor
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Application number
JP2002115147A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Katsumi
俊昭 勝見
Kinya Otsuki
欽哉 大槻
Yasuhiro Tashimo
泰啓 田下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超高糖生地において、冷凍耐性及びフロア耐
性を有し、且つ乾燥耐性を有する酵母を提供すること。
好ましくは酵母がサッカロミセス.セルビシエD667
85(FERM BP−7687)であることを特徴と
する。 【解決手段】 冷凍耐性及びフロア耐性を有したパン乾
燥酵母の提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超高糖生地での高
い冷凍耐性及びフロア耐性を有し且つ、乾燥耐性を有し
た酵母及びこの酵母を利用したパンの製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】パン酵母には生酵母と乾燥酵母と大きく
2種の形態がある。生酵母は貯蔵に冷蔵が必要であり、
保存期間も短い。このため保存性、貯蔵性の向上を目的
として生酵母を乾燥させた乾燥酵母が製造され活性乾燥
酵母やインスタント乾燥酵母として実用化されている。
乾燥酵母の製造には乾燥耐性を有した菌株を用いたり、
又は培養方法を調整することによって乾燥耐性を付与す
ることが必要である。また、乾燥においても乾燥装置の
工夫と、温度又は乳化剤添加などの工夫がなされてい
る。このようなことは乾燥時の性能低下を最小限に防ぐ
ために必要であるが、これらの工夫は、反面発酵力など
の機能を生酵母そのままに保ったまま乾燥酵母製品にす
ることが難しいことを現している。生地用乾燥酵母があ
るが、生酵母に比べてその機能は十分とは言えない。一
方、生酵母は様々な製パンに対応できるため、より糖濃
度の高い生地に用いられる酵母、冷凍生地製法に用いら
れる酵母や低温感受性を有している酵母など種々の機能
を持った酵母が開発され、目的のパンの製造に適した酵
母が実用化されている。貯蔵性や保存性の優れた乾燥酵
母において、生酵母で見られる種々の機能を持ったパン
酵母の実現が待ち望まれていた。現在、乾燥酵母が使用
されているのはフランスパンなど糖濃度の低いパンの製
造が主流である。一部特開平11−155559には冷
凍耐性及び乾燥耐性を有するパン酵母が記載されている
が、超高糖生地での高い冷凍耐性の機能を有した乾燥酵
母については報告された例がない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、超高
糖生地において、高い冷凍耐性及びフロア耐性を有し、
かつ乾燥耐性を有する新規なパン酵母を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、超高糖生地において、冷凍耐性及びフロア耐性
を有し、かつ乾燥耐性を有するパン酵母を発見し、本発
明を完成させるに至った。
【0005】即ち、本発明の第1は、超高糖生地におい
て、冷凍耐性及びフロア耐性を有し、且つ乾燥耐性を有
する酵母に関する。
【0006】好ましい実施態様としては、(1)小麦粉
100重量%当たり糖25重量%を含んでなる生地にお
いて、乾燥酵母の発酵力が、60分フロア後4週間冷凍
保存後で、生地20g当たり120分で130ml以上
であり、更に好ましくは、乾燥酵母の冷凍前発酵力に対
する冷凍保存後発酵力の比が、0.7以上であることを
特徴とする酵母、更に好ましくは、4週間冷凍保存する
際、乾燥酵母の30分フロア生地の発酵力に対する、9
0分フロア生地の発酵力の比が、0.5以上であること
を特徴とする酵母、(2)小麦粉100重量%当たり糖
30重量%を含んでなる生地において、乾燥酵母の発酵
力が、60分フロア後の4週間冷凍保存後で、生地20
g当たり120分で120ml以上であり、更に好まし
くは、乾燥酵母の冷凍前発酵力に対する冷凍保存後発酵
力の比が、0.7以上であることを特徴とする酵母、4
週間冷凍保存する際、乾燥酵母の30分フロア生地の発
酵力に対する、更に好ましくは90分フロア生地の発酵
力の比が、0.5以上であることを特徴とする酵母、
(3)小麦粉100重量%当たり糖40重量%を含んで
なる生地において、乾燥酵母の発酵力が、60分フロア
後の4週間冷凍保存後で、生地20g当たり120分で
70m以上であり、更に好ましくは、乾燥酵母の冷凍前
発酵力に対する冷凍保存後発酵力の比が、0.7以上で
あることを特徴とする酵母、更に好ましくは4週間冷凍
保存する際、乾燥酵母の30分フロア生地の発酵力に対
する、90分フロア生地の発酵力の比が、0.9以上で
あることを特徴とする酵母、(4)酵母の乾燥前発酵力
と乾燥後発酵力を用いて表される残存発酵力比が0.8
以上であることを特徴とする上記何れかに記載の酵母、
に関する。
【0007】更に好ましい実施態様としては、酵母がサ
ッカロミセス.セルビシエ D66785(FERM
BP−7687)であることを特徴とする上記記載の酵
母に関し、別の好ましい実施態様としては、上記記載の
酵母から得られることを特徴とする乾燥酵母に関する。
【0008】本発明の第2は、上記記載の乾燥酵母を生
地原料に添加することを特徴とするパン生地に関し、本
発明の第3は上記記載のパン生地を用いてなるパン類に
関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における酵母は、超高糖生
地において、冷凍耐性及びフロア耐性を有し、且つ乾燥
耐性を有する。
【0010】本発明における超高糖生地とは、小麦粉1
00重量%に対して、糖類を概ね25〜40重量%含ん
でなる生地をいう。
【0011】本発明における冷凍耐性とは、冷凍保存後
発酵力を有することを言う。本発明における冷凍保存後
発酵力とは、表1に示す配合の生地を捏上げ後20gに
分割し、30℃で60分間フロアをとり、−20℃で一
定期間冷凍保存後、25℃30分で解凍し、38℃12
0分間のガス発生量をファーモグラフで測定した値をい
う。具体的に、本発明の乾燥酵母の冷凍保存後発酵力
は、小麦粉100重量%当たり糖25重量%を含んでな
る生地においては、60分フロア後の4週間冷凍保存後
の発酵力が、生地20g当たり120分で、130ml
以上、好ましくは160ml以上であり、小麦粉100
重量%当たり糖30重量%を含んでなる生地において
は、60分フロア後の4週間冷凍保存後の発酵力が、生
地20g当たり120分で、120ml以上、好ましく
は140ml以上であり、小麦粉100重量%当たり糖
40重量%を含んでなる生地においては、60分フロア
後の4週間冷凍保存後の発酵力が、生地20g当たり1
20分で、70ml以上、好ましくは130ml以上で
ある。
【0012】
【表1】 本発明の冷凍耐性は、好ましくは冷凍前発酵力と冷凍保
存後発酵力の比によっても表すことが出来る。具体的に
は、小麦粉100重量%当たり糖25重量%を含んでな
る生地においては、60分フロア後の冷凍前発酵力と冷
凍保存後発酵力の比が0.7以上であることをいう。小
麦粉100重量%当たり糖30重量%を含んでなる生地
においては、60分フロア後の冷凍前発酵力に対する冷
凍後発酵力の比が、0.7以上である。小麦粉100重
量%当たり糖を40重量%含んでなる生地においては、
60分フロア後の冷凍前発酵力に対する冷凍保存後発酵
力の比が、0.7以上である。
【0013】本発明における冷凍前発酵力とは、表1に
示す生地を捏上げ後20gに分割し、30℃で一定時間
のフロアをとった後、38℃120分間のガス発生量を
ファーモグラフで測定した値をいう。
【0014】本発明におけるフロア耐性とは、30分フ
ロア生地の冷凍保存後発酵力に対する、90分フロア生
地の冷凍保存後発酵力の比で表され、具体的には、小麦
粉100重量%当たり糖25重量%を含んでなる生地に
おいては、30分フロア生地の冷凍保存後発酵力に対す
る、90分フロア生地の冷凍保存後発酵力の比が0.5
以上、小麦粉100重量%当たり糖30重量%を含んで
なる生地においては、30分フロア生地の冷凍保存後発
酵力に対する、90分フロア生地の冷凍保存後発酵力の
比が0.5以上、小麦粉100重量%当たり糖40重量
%を含んでなる生地においては、30分フロア生地の冷
凍保存後発酵力に対する、90分フロア生地の冷凍保存
後発酵力の比が0.9以上であることをいう。
【0015】本発明における酵母は、高い乾燥耐性を有
する。具体的には、残存発酵力比が、0.8以上である
ことを言う。残存発酵力比とは、乾燥前の酵母の生地発
酵力に対して、乾燥させた酵母の生地発酵力の比のこと
である。この乾燥耐性を評価する際の生地発酵力とは、
表2の配合の生地を捏ね上げ温度29℃でミキシングし
生地を調製した。この生地を85gに分割した後、ファ
ーモグラフにより30℃にて測定し、85分間のガス発
生量を生地発酵力とした。
【0016】
【表2】 本発明において使用する酵母は、上述の特性を満たすも
のであれば既知の酵母でよく、一般的にパンを製造する
のに利用する酵母としては、サッカロミセス・セルビシ
エが多用されているが、他にも、サッカロミセス・ウバ
ウム、サッカロミセス・エクシギューズやトルラスポラ
属等が挙げられる。また、自然界より広くスクリーニン
グを実施し、高い乾燥耐性を有するパン酵母との掛け合
わせにより、または各種突然変異を引き起こすことで、
高い乾燥耐性が付加された酵母を取得できる。更に、高
い冷凍耐性を付加した酵母を取得しでき、同様に、超高
糖生地に高い発酵力を有する酵母を取得できる。これら
の有望な株の掛け合わせることにより、または各種突然
変異を引き起こすことで、目的とする酵母を選ることが
できる。
【0017】酵母の培養方法としては通常のパン酵母に
用いられる方法であれば特に限定はない。例えば、糖蜜
の流加方式にて菌体を作成することができる。糖蜜は他
の資化性糖類に代用でき、また窒素源/燐酸源も限定す
るものではない。さらに成長促進因子も加えても良い。
培養に得られた酵母菌体を集菌、洗浄後、脱水し圧搾酵
母を得る。
【0018】本発明においては、本発明の酵母を用いて
乾燥酵母を得ることが出来る。本発明に言う乾燥酵母と
は、酵母を乾燥させたものを言い、好ましくは、酵母中
の水分が5重量%以下であるものを言う。酵母の乾燥さ
せる方法は、一般的に乾燥酵母を作製する方法であれば
特に限定はない。例えば、以下のようにして乾燥酵母を
得ることができる。圧搾酵母に乾燥酵母当たり1.5重
量%になるようにソルビタン脂肪酸エステルの水エマル
ジョンを添加、混合し、次いでエクストルーダーにより
0.5mmのスクリーンメッシュをパスさせて糸状と
し、流動乾燥機の初期入り口温度44℃の温風により流
動乾燥させ、乾燥終点は水分5%以下になった時点と
し、乾燥酵母を得ることができる。菌体中の水分の測定
は、測定する菌体約1gを精秤し、充分に乾燥した試験
管内において105℃で12時間乾燥を行った後、再度
精秤し、乾燥前と比べて減少した重量を水分量とした。
【0019】以上のようにして得られた本発明乾燥酵母
を、パン生地原料に添加し、ミキシングすることで、パ
ン生地を作ることができる。ここでいうパン生地とは、
小麦粉に代表される穀粉に水を加えて、必要に応じて、
油脂、糖類、食塩、卵、乳製品、およびイーストフー
ド、乳化剤などの添加物も入れて混捏したものを言い、
パイ生地、饅頭生地、ピザ生地等も包含する。糖の種類
には特に限定はないが、砂糖、ブドウ糖、果糖、液糖が
一般的によく用いられる。
【0020】パン類の製法としては特に制限はなく、例
えば、ストレート法、中種法、冷蔵生地法、冷凍生地法
などに用いることができるが、本発明の酵母は、冷凍生
地法によってより効果を発揮することができる。通常の
冷凍生地は、ストレート生地と同様の生地組成を比較的
低温で捏上げ、30〜120分の前発酵、分割成形の後
冷凍保存される。冷凍保存から生地を解凍後、最終発
酵、焼成される。これらの生地およびパンの製造に関し
ては過去様々な資料が知られており、それらを適宜参考
にすることが出来る。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げるが、本発明は
何らこれらによって限定されるものではない。
【0022】(実施例1)本発明酵母D66785(F
ERM BP−7687)について、乾燥耐性を検討し
た。本発明酵母と、比較対照として市販の冷凍耐性酵母
FD−I(オリエンタル酵母工業株式会社製、以下O
社)、冷凍耐性酵母FD−II(O社製)とYF(日本
たばこ産業株式会社製、以下J社製)から、乾燥酵母を
作製し、その乾燥耐性を比較した。各々の圧搾酵母につ
いて乾燥酵母当たり1.5重量%になるようにソルビタ
ン脂肪酸エステルの水エマルジョンを添加、混合し、次
いでエクストルーダーにより0.5mmのスクリーンメ
ッシュをパスさせて糸状とし、流動乾燥機の初期入り口
温度44℃の温風により流動乾燥させ、乾燥終点は水分
5%以下になった時点とし、それぞれの乾燥酵母を得
た。
【0023】小麦粉100gに対して、調製された乾燥
酵母を1g、蔗糖5g、食塩2g、水63mlを捏ね上
げ温度29℃でミキシングし生地を調製した。この生地
を85gに分割した後、ファーモグラフにより30℃に
て測定し、85分間のガス発生量を乾燥後の酵母の生地
発酵力とした。また、乾燥前の酵母の発酵力について
は、小麦粉100gに対して、圧搾酵母2gを混ぜる他
は、乾燥後の酵母の生地発酵力と同様の生地組成・方法
にて測定した。乾燥前・後の発酵力を用いて、数1より
残存発酵力比を算出し、比較した結果を表3に示す。市
販の冷凍耐性圧搾酵母の残存発酵力比が0.2以下であ
るのに対して、本発明乾燥酵母の残存発酵力比が0.8
以上であった。
【0024】
【表3】 (実施例2)本発明酵母D66785(FERM BP
−7687)について、25重量%糖添加生地での、6
0分フロア後の4週間冷凍保存後の発酵力を測定した。
表1に示す配合で、生地を捏上げ、20gに分割した後
60分フロアをとり、その後、−20℃で4週間冷凍保
存した後、25℃30分で解凍し38℃120分間のガ
ス発生量をファーモグラフにて測定し、4週間冷凍保存
後の発酵力とした。対照例として、市販乾燥酵母Saf-in
stant (Gold) (Lesaffre et Cie社製、以下S社製) 、F
ermipan Brown (DSM, N.V.社製、以下D社製)を用い
て、同様に4週間冷凍保存後の発酵力を測定した。その
結果を表4に示す。
【0025】
【表4】 表4で示したように、25重量%糖添加生地において、
60分フロア後の4週間冷凍後の発酵力が、市販乾燥酵
母が、126ml以下であるのに対し、本発明乾燥酵母
は165mlで、優れた冷凍後の発酵力を示した。更
に、冷凍前発酵力に対する冷凍保存後発酵力の比が、
0.74であった。また、冷凍保存期間を1週間、2週
間、4週間にして冷凍保存後の発酵力を測定したとこ
ろ、25重量%糖添加生地、60分フロア後の条件で
は、図1から明らかなように、1週、2週、4週のいず
れの冷凍期間においても、市販乾燥酵母に対して本発明
乾燥酵母D66785は優れた冷凍後の発酵力を示し
た。
【0026】(実施例3)本発明酵母D66785(F
ERM BP−7687)について、30重量%糖添加
生地において、60分フロア後の4週間冷凍保存後の発
酵力を実施例2と同様に測定した。対照例として、市販
乾燥酵母Saf-instant (Gold) (S社製)、Fermipan Brow
n (D社製)を用いて、同様に発酵力を測定した。その結
果を表5に示す。
【0027】
【表5】 表5で示したように、30重量%糖添加生地における、
60分フロア後の4週間冷凍後の発酵力が、市販乾燥酵
母が、119ml以下であるのに対し、本発明乾燥酵母
は、150mlで、優れた冷凍保存後の発酵力を示し
た。更に、冷凍前発酵力に対する冷凍保存後発酵力の比
が、0.72であった。また、冷凍保存期間を1週間、
2週間、4週間にして冷凍保存後の発酵力を測定したと
ころ、30重量%糖添加生地における、60分フロア後
の条件では、図2から明らかなように、1週、2週、4
週のいずれの冷凍期間においても、市販乾燥酵母に対
し、本発明乾燥酵母は優れた冷凍後の発酵力を示した。
【0028】(実施例4)本発明酵母D66785(F
ERM BP−7687)について、40重量%糖添加
生地での、60分フロア後の4週間冷凍保存後の発酵力
を実施例2と同様に測定した。対照例として、市販乾燥
酵母Saf-instant (Gold) (S社製) 、Fermipan Brown
(D社製)を用いて、同様に発酵力を測定した。その結果
を表6に示す。
【0029】
【表6】 表6で示したように、40重量%糖添加生地における、
60分フロア後の4週間冷凍後の発酵力が、一般市販乾
燥酵母が、60ml以下であるのに対し、本発明乾燥酵
母は、133mlで、優れた冷凍保存後の発酵力を示し
た。更に、冷凍前発酵力に対する冷凍保存後の発酵力の
比が、0.76であった。また、冷凍保存期間を1週
間、2週間、4週間にして冷凍保存後の発酵力を測定し
たところ、40重量%糖添加生地における、60分フロ
ア後の条件では、図3から明らかなように、1週、2
週、4週のいずれの冷凍期間においても、市販乾燥酵母
に対し、本発明乾燥酵母は優れた冷凍後の発酵力を示し
た。
【0030】(実施例5)本発明酵母D66785(F
ERM BP−7687)について、25重量%糖添加
生地、30重量%糖添加生地、及び40重量%糖添加生
地での、4週間冷凍保存後のフロア耐性を測定した。表
1の配合の生地を捏上げた後、20gに分割し、30分
フロアをとった後、一定期間冷凍保存したものを25℃
30分解凍後、38℃120分間のガス発生量を30分
フロア生地の発酵力とした。同様に90分フロア生地の
38℃120分間のガス発生量を90分フロア生地の発
酵力とし、30分フロア生地の発酵力に対する90分フ
ロア生地の発酵力の比(%)をフロア耐性とした。その
結果を表7に示す。
【0031】
【表7】 表7で示したように、25重量%糖添加生地の冷凍保存
した際の、30分フロア生地の発酵力に対する、90分
フロア生地の発酵力の比が、冷凍期間1週、2週及び4
週目で、0.5以上のフロア耐性を示した。また、30
重量%糖添加生地の冷凍保存した際の、30分フロア生
地の発酵力に対する、90分フロア生地の発酵力の比
が、冷凍期間1週、2週及び4週目で、0.5以上のフ
ロア耐性を示した。更に、40重量%糖添加生地の冷凍
保存した際の、30分フロア生地の発酵力に対する、9
0分フロア生地の発酵力の比が、冷凍期間1週、2週及
び4週目で、0.9以上のフロア耐性を示した。
【0032】
【発明の効果】これまでに開発された乾燥酵母は糖を2
5重量%以上含む生地において、高い冷凍耐性と、フロ
ア耐性を示すものはなく、本発明の乾燥酵母は、特に糖
濃度が25重量%から40重量%の超高糖の生地におい
て、高い発酵力と、冷凍耐性、フロア耐性を示し、更
に、高い乾燥耐性を示すことにより、簡便で、長期の保
存が可能な乾燥酵母を用いての、冷凍生地製パンに適用
でき、特に菓子パンなど高糖用生地を用いたパンで優れ
た製パン能力を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、糖濃度25重量%の生地(フロアタイ
ム60分)における本発明の乾燥酵母と市販の乾燥酵母
の冷凍耐性を比較したグラフである。グラフ中、黒四角
は本発明の乾燥酵母、黒三角は市販の乾燥酵母Saf-inst
ant (Gold)、白四角は市販の乾燥酵母Fermipan Brownの
結果を示す。また、縦軸には、各酵母の各冷凍期間保存
後のガス発生量を示す。
【図2】図2は、糖濃度30重量%の生地(フロアタイ
ム60分)における本発明の乾燥酵母と市販の乾燥酵母
の冷凍耐性を比較したグラフである。グラフ中、黒四角
は本発明の乾燥酵母、黒三角は市販の乾燥酵母Saf-inst
ant (Gold)、白四角は市販の乾燥酵母Fermipan Brownの
結果を示す。また、縦軸には、各酵母の各冷凍期間保存
後のガス発生量を示す。
【図3】図3は、糖濃度40重量%の生地(フロアタイ
ム60分)における本発明の乾燥酵母と市販の乾燥酵母
の冷凍耐性を比較したグラフである。グラフ中、黒四角
は本発明の乾燥酵母、黒三角は市販の乾燥酵母Saf-inst
ant (Gold)、白四角は市販の乾燥酵母Fermipan Brownの
結果を示す。また、縦軸には、各酵母の各冷凍期間保存
後のガス発生量を示す。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超高糖生地において、冷凍耐性及び/又
    はフロア耐性を有し、且つ乾燥耐性を有する酵母。
  2. 【請求項2】 小麦粉100重量%当たり糖25重量%
    を含んでなる生地において、乾燥酵母の発酵力が、60
    分フロア後4週間冷凍保存後で、生地20g当たり12
    0分で130ml以上であることを特徴とする請求項1
    記載の酵母。
  3. 【請求項3】 乾燥酵母の冷凍保存前発酵力に対する冷
    凍保存後発酵力の比が、小麦粉100重量%当たり糖2
    5重量%を含んでなる生地における60分フロア後4週
    間冷凍保存後で、0.7以上であることを特徴とする請
    求項2記載の酵母。
  4. 【請求項4】 小麦粉100重量%当たり糖30重量%
    を含んでなる生地において、乾燥酵母の発酵力が、60
    分フロア後4週間冷凍保存後で、生地20g当たり12
    0分で120ml以上であることを特徴とする請求項1
    記載の酵母。
  5. 【請求項5】 乾燥酵母の冷凍保存前発酵力に対する冷
    凍保存後発酵力の比が、小麦粉100重量%当たり糖3
    0重量%を含んでなる生地における60分フロア後4週
    間冷凍保存後で、0.7以上であることを特徴とする請
    求項4記載の酵母。
  6. 【請求項6】 小麦粉100重量%当たり糖40重量%
    を含んでなる生地において、乾燥酵母の発酵力が、60
    分フロア後4週間冷凍保存後で、生地20g当たり12
    0分で70ml以上であることを特徴とする請求項1記
    載の酵母。
  7. 【請求項7】 乾燥酵母の冷凍保存前発酵力に対する冷
    凍保存後発酵力の比が、小麦粉100重量%当たり糖4
    0重量%を含んでなる生地における60分フロア後4週
    間冷凍保存後で、0.7以上であることを特徴とする請
    求項6記載の酵母。
  8. 【請求項8】 小麦粉100重量%当たり糖25重量%
    を含んでなる生地を4週間冷凍保存する際、乾燥酵母の
    30分フロア生地の発酵力に対する、90分フロア生地
    の発酵力の比が、0.5以上であることを特徴とする請
    求項2記載の酵母。
  9. 【請求項9】 小麦粉100重量%当たり糖30重量%
    を含んでなる生地を4週間冷凍保存する際、乾燥酵母の
    30分フロア生地の発酵力に対する、90分フロア生地
    の発酵力の比が、0.5以上であることを特徴とする請
    求項4記載の酵母。
  10. 【請求項10】 小麦粉100重量%当たり糖40重量
    %を含んでなる生地を4週間冷凍保存する際、乾燥酵母
    の30分フロア生地の発酵力に対する、90分フロア生
    地の発酵力の比が、0.9以上であることを特徴とする
    請求項6記載の酵母。
  11. 【請求項11】 酵母の乾燥前発酵力と乾燥後発酵力を
    用いて表される残存発酵力比が0.8以上であることを
    特徴とする請求項1〜10何れかに記載の酵母。
  12. 【請求項12】 酵母がサッカロミセス.セルビシエ
    D66785(FERM BP−7687)であること
    を特徴とする請求項1〜11何れかに記載の酵母。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12記載の何れかに記載の
    酵母から得られることを特徴とする乾燥酵母。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の乾燥酵母を生地原
    料に添加することを特徴とするパン生地。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載のパン生地を用いて
    なるパン類。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007099749A1 (en) 2006-02-28 2007-09-07 Suntory Limited Gene encoding trehalose-6-phosphate phosphatase and use thereof
WO2007099751A1 (en) 2006-02-28 2007-09-07 Suntory Limited Gene encoding glycogen synthase and use thereof
KR102020830B1 (ko) * 2018-12-28 2019-09-11 에스피씨 주식회사 다양한 당 농도에서 우수한 발효 특징 및 저온 감수성을 가진 신규 제빵용 효모

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KR102020830B1 (ko) * 2018-12-28 2019-09-11 에스피씨 주식회사 다양한 당 농도에서 우수한 발효 특징 및 저온 감수성을 가진 신규 제빵용 효모

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