JP2003304760A - 挿し穂または挿し木の発根方法と発根室装置 - Google Patents

挿し穂または挿し木の発根方法と発根室装置

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JP2003304760A
JP2003304760A JP2002113839A JP2002113839A JP2003304760A JP 2003304760 A JP2003304760 A JP 2003304760A JP 2002113839 A JP2002113839 A JP 2002113839A JP 2002113839 A JP2002113839 A JP 2002113839A JP 2003304760 A JP2003304760 A JP 2003304760A
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rooting
chamber
water
pot
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JP2002113839A
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Hirokazu Hirano
博和 平野
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DAIWA JITSUGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 挿し穂または挿し木から、発根した苗を作る
ために確実に且つ効率よく発根させることのできる新し
い発根方法、ならびに該方法を実施するのに適した発根
室装置を提供する。 【解決手段】 挿し穂(木)を、冷蔵庫内で1℃〜5℃の
温度で6日間〜21日間保持することによって挿し穂
(木)を低温処理し、次いで水揚げ処理し、さらに挿し
穂(木)の下端部を発根剤水溶液に浸漬して発根促進処
理を行い、有孔底部をもつ鉢に、その下端を下にして立
てた状態で挿し入れ、水を溜めた受け皿内に定置し、受
け皿内から鉢の底部孔を通して鉢内に侵入した水の中に
挿し穂(木)の下端を鉢内で浸漬させ、15℃〜30℃の温
度と80〜90%の相対湿度をもつ空気雰囲気の密閉された
6面の箱型の室の内で800〜1200ルックスの照度の白色
光の照射下に1日あたり8〜15時間にわたり4日間〜6日
間保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キク、カーネーシ
ョンのような切り花用草植物、あるいはウメ、モモのよ
うな花木の茎または枝から切り取り得られた挿し穂また
は挿し木を発根させ、発根した苗を作るに当って、前記
の挿し穂または挿し木を確実に且つ効率よく発根させる
のに適する新しい発根方法に関する。また、本発明は、
そのような新しい発根方法を実施するのに適した発根室
装置にも関する。
【0002】
【従来の技術】キク、カーネーション等の切り花用の草
植物の栽培は、労力軽減のために、従来からの栽培技術
として、挿し穂または挿し木を苗床で発根させてから、
圃場に定植する方法があり、また近年では、挿し穂また
は挿し木を発根させないで直接に圃場に定植する、直挿
し方法が主流になりつつある。しかし、この直挿しの方
法の場合、定植直後に、プラスチックフィルムをトンネ
ル状に組込んだ囲い用組立体(ポリマルチと言う)で苗
床を覆い、その囲い用組立体の内部の温度、湿度を保持
して発根を促し、苗が活着するまでの(夏5日〜冬12
日)間、苗の養生管理を注意深く行なわなければならな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】挿し穂または挿し木の
直挿し方法の後に、ポリマルチで苗床を覆う方法の場
合、栽培者の各個人の技術差により、失敗例も数多く、
また失敗時には植え代え用の挿し穂または挿し木の手当
てに苦労するのが現況である。又、苗の活着後にも、水
滴の付いたポリマルチを外す作業が大変で且つ、使い捨
ての為、経済的にも問題があり、これらの問題の解決が
望まれていた。
【0004】本発明の目的は、トンネル状のプラスチッ
クフィルム組立体で苗床を覆う手間を省略できて、挿し
穂または挿し木からの発根を確実に且つ効率よく行うこ
とのできる新しい方法を提供するにある。また、本発明
の別の目的は、前記の新しい発根方法を実施するに適す
る発根室装置を提供するにある。
【0005】本発明者は上記の目的を達成するために種
々研究を行った。その結果として、次の知見に到達し
た。すなわち、採取した挿し穂または挿し木を、冷蔵庫
内で1℃〜5℃、好ましくは2℃〜3℃の温度の空気中
に6日間〜21日間、好ましくは7日間〜14日間保存する
ことによって挿し穂または挿し木を低温処理し、次いで
その低温処理された挿し穂または挿し木を、水揚げ処理
し、さらに挿し穂または挿し木の下端部を発根剤水溶液
に浸漬することにより、発根剤を挿し穂または挿し木に
吸収させる発根促進処理を行い、さらに、発根剤吸収に
よる発根促進処をされた挿し穂または挿し木を、有孔底
部をもつ鉢に、その下端を下にして立てた状態で挿し入
れ、立てた状態の挿し穂または挿し木を収容する前記の
鉢を、水を溜めた受け皿内に定置し、受け皿内から鉢の
底部孔を通して鉢内に侵入した水の中に挿し穂または挿
し木の下端を浸漬させ、水でその下端を浸漬されてある
挿し穂または挿し木を立てた状態で収容する鉢を定置、
保持している且つ水を溜めた前記の受け皿を、15〜30
℃、好ましくは18〜23℃の温度と80〜90%の相対湿度を
もつ空気雰囲気を収容している密閉された6面箱型の室
の内に入れて、その中で800〜1200ルックス、好ましく
は1000〜1100ルックスの照度の白色光の照射下に1日あ
たり8〜15時間にわたり照射して4日間〜6日間保持す
る場合に、そのその照射された挿し穂または挿し木の下
端から発根が確実に且つ効率よく行われることを知見し
た。
【0006】従って、第1の本発明においては、切り花
用の草植物または花木の茎または枝を切り取ることによ
って得られた挿し穂または挿し木を、冷蔵庫内で1℃〜
5℃、好ましくは2℃〜3℃の温度の空気中に6日間〜
21日間、好ましくは7日間〜14日間保存することによっ
て挿し穂または挿し木を低温処理し、次いでその低温処
理された挿し穂または挿し木を、水揚げ処理し、さらに
挿し穂または挿し木の下端部を発根剤水溶液に浸漬する
ことにより、発根剤を挿し穂または挿し木に吸収させる
発根促進処理を行い、さらに、発根剤吸収による発根促
進処理をされた挿し穂または挿し木を、有孔底部をもつ
鉢に、その下端を下にして立てた状態で挿し入れ、立て
た状態の挿し穂または挿し木を収容する前記の鉢を、水
を溜めた受け皿内に定置し、受け皿内から鉢の底部孔を
通して鉢内に侵入した水の中に挿し穂または挿し木の下
端を鉢内で浸漬させ、水でその下端が浸漬されてある挿
し穂または挿し木を立てた状態で収容する鉢を定置、保
持している前記の受け皿を、15〜30℃、好ましくは18〜
23℃の温度と80〜90%の相対湿度をもつ空気雰囲気を収
容している密閉された6面の箱型の室の内で上から800〜
1200ルックス、好ましくは1000〜1100ルックスの照度の
白色光の照射下に1日あたり8〜15時間にわたり照射し
て4日間〜6日間保持し、これによって、前記の室内に
保持されて白色光で照射された挿し穂または挿し木の下
端から発根させることから成る、挿し穂のまたは挿し木
発根方法が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明による発根方法で発根に用
いる挿し穂または挿し木は、切り花用の草植物、例えば
キク、カーネーション、ガーベラ、等から切り取り得ら
れたものであることができる。また、挿し木は、花木、
例えばバラ、ウメ、モモ、ブドウ、カキ、ナシ、キュー
イ、ミカンから切り取り得られたものであることもでき
る。用いる挿し穂または挿し木は、得られた植物の種類
によって異なるが、1枚〜5枚の葉をもつものが好適であ
る。1本〜100本の挿し穂または挿し木をまとめて使用す
る。
【0008】本発明方法において、冷蔵庫内で行われる
挿し穂または挿し木の低温処理は、植物の種類によって
異なるが、適当と認められる1〜5℃の温度で且つ6〜21
日間の期間行われる。21日間より長い低温処理は好まし
くない。例えば、キクの挿し穂の場合には、2〜3℃の温
度で7〜14日間低温処理するのがよい。この低温処理工
程の後には、挿し穂または挿し木の下端を常温で水のプ
ールに入れて、挿し穂(木)に水を吸い上げさせる水揚
げ処理をする。
【0009】水揚げした挿し穂(木)は、次にその下端
を発根剤、例えばオキシベロン(商品名)の適当な濃度
の水溶液に常温で浸漬することにより、発根剤を挿し穂
(木)に吸収させる発根促進処理を行う。キクの挿し穂
の場合には、オキシベロンの400〜500倍水稀釈溶液を用
いるのが適当である。
【0010】発根促進処理の工程の後、発根剤水溶液か
ら挿し穂(木)を引き上げる。引き上げた挿し穂(木)
を、有孔底部をもつ鉢に、立てた状態で挿し入れて移
す。鉢の大きさにもよるが、鉢1個あたりに、10〜20本
の挿し穂(木)を入れることができる。ここで用いる鉢
は、1枚の合成樹脂板に多数の鉢状くぼみ穴をプレス成
型して作られた所謂、プラグトレーであることができ
る。
【0011】挿し穂(木)を入れられてある鉢は、次
に、そのまま、水を溜めた受け皿に入れられ、定置され
る。受け皿の水プールから、水が鉢の底部孔を通り鉢内
に侵入する。その結果、鉢内の挿し穂(木)の下端が鉢
の底部に入った水の中に浸漬される。挿し穂(木)の下
端を浸漬する水プールの深さは1〜3cmであるのがよい。
この水は、水道水でよく、また井戸水でもよい。
【0012】その後、下端が水に浸されてある挿し穂
(木)を入れた鉢(複数でもよい)を乗せた受け皿を、
そのまま、密閉可能な箱型の室内に入れて保持する。そ
の後、その室を密閉する。この室内に収容された空気雰
囲気を、15〜30℃の温度と80〜90%の相対湿度に調整す
る。該室は発根室として働くことができる。室内に保持
された挿し穂(木)に白色光を照射する。挿し穂(木)
の植物の種類に応じて異なるが、1日当りに8〜15時間、
好ましくはほぼ12時間の照射時間で800〜1200ルックス
の照度で照射下に4〜6日間、鉢内の挿し穂(木)の下端
が水浸漬された状態で挿し穂(木)を発根室内に保持す
ると、挿し穂(木)の下端から発根が行われる。発根室
内の空気は、無風状態であるのがよいが、0.3m/秒の程
度までの風速があっても、不都合がない。
【0013】例えば、キクの挿し穂の場合には、発根室
内の空気は、18〜23℃の温度、80〜90%の湿度をもつの
がよく、また1000ルックス前後の照度の光で1日当りほ
ぼ12時間照明するのがよい。このような条件下では、キ
クの挿し穂は、発根をし、約6日目には根が4〜6mmまで
伸びることができる。その後に、発根した挿し穂は、発
根室から出されて、発根済みのキク苗として圃場に移植
し定植できる。
【0014】前記した第1の本発明による挿し穂または
挿し木の発根方法を実施するのに適する装置として、第
2の本発明によると、次のような発根室装置が提供され
る。すなわち、第2の本発明においては、開閉式の入口
ドア(4)を具えた開閉可能な入口を有する断熱性の正
面側壁(1)、2つの左右側壁(1)、後面側壁(1)なら
びに断熱性の天井壁(2)および床面壁(3)で包囲され
て成る6面の箱型の密閉可能な室を有し;しかも該室
は、空気雰囲気を収容する内部空間(A)をもち、該室
の天井壁(2)の下面に、あるいは該室の上方空間中
に、冷却器(10)、加温器(11)および加湿器(12)を
設けてあり、該室の内の上方空間には、複数の白色光照
明器(8)を取付けた可動式または固定式取付け支持具
(9)が設けてあり、さらに、上段から下段へと配置さ
れた水平な複数の棚板(7)、(7')、(7'')の各々の
下面に取付けた白色光照明器(8)を有する複数の棚板
(7)、(7')、(7'')を支持した縦枠を搭載する車輪
(W)付き台車(6)、および同様な棚板および縦枠を搭
載する複数の台車(6')、(6'')、(6''')等が上記
の入口から入れられて、該室の床面壁(3)の上に乗せ
た状態で、該室の内部空間(A)の中に収容されている
ことを特徴とする、挿し穂または挿し木の発根室装置が
提供される。
【0015】第2の本発明による発根室装置における6面
の箱形の密閉可能な発根室の上面一部を破断した横断面
における透視図解図を図1に示し、その発根室の正面壁
の一部破断した垂直な断面おける透視図解図を図2に示
す。図1、図2では、棚板段(7)等を具えた台車(6)等
が収容された後の発根室を示す。その発根室の箱6面は
プレハブ建物を作るのに常用される断熱材入りまたは断
熱材製のパネルで作ることができる。該発根室の天井
壁、もしくは側壁の上方部の適当個所には、内部の空気
の温度を調節するための冷却器(10)および加温器(1
1)が設けられ、また湿度を調整する加湿器(12)が設
けられる。
【0016】そのような冷却器、加温器、加湿器を制御
できる集中制御ユニット(14)を、正面側壁の下方また
は上方に、または適当な部所に設けることができ、また
室内の空気の風速を調整する風量調節器(13)を設ける
ことができる。また、発根室の全体を基礎台(15)の上
に定置することができる。
【0017】発根室に入れられる上下に配置された水平
な複数の棚板(7)、(7')、(7'')の複数を支持する
縦枠を搭載する台車(6)上で、縦枠は、棚板の4隅を
固定する直立の枠棒4本から成り、それらの縦枠は車輪
(W)4個を有する台車(6)に搭載される。それら棚板
と縦枠と台車とからなる構造全体は、いわゆる商品陳列
用の多段式の棚段の形態を有する。図示の装置では、台
車の4台(6)、(6’)、(6'')、(6''')が示される
が、発根室の大きさに応じて、台車の数を増減できる。
【0018】挿し穂(木)の発根工程を行うに当って
は、入口から発根室内に各々の台車が入れられる。そし
て挿し穂(木)が入れられた鉢を、鉢底部が水のプール
中に浸漬された状態で定置、保持するところの、水を溜
めた受け皿(図示せず)は棚板(7)、(7')、(7'')
の各々の上に載せられて保持される。入口ドア(4)を
閉じることで発根室が密閉され、その中の空気の温度、
湿度が加温器(11)、加湿器(12)により適当に調整さ
れ、また照明器(8)の点燈によって、照明器に下方に
在る挿し穂(木)が適当な照度の光で照射される。
【0019】挿し穂(木)に照射される光の照度は、照
明器の強度と、台車の上で上下に段階として配置された
棚板の間隔(ピッチ)とを調節することによって調整で
きる。上下段の棚板の間の間隔を40〜55cmにするのが汎
用的で便利である。
【0020】次に、図1、図2に図解的に示された発根室
装置の中で本発明の発根方法の発根工程を行った場合の
試験例を記載する。試験例1 成熟した未着花のキク植物から切り取って、4〜5枚の葉
をつけた挿し穂(長さ約8cm)を得た。これらの挿し穂
を冷蔵庫内で2〜3℃の空気中に14日間保持して、挿し穂
の低温処理を行った。その後、冷蔵庫から取出したキク
挿し穂を水に挿し、水揚げした。水揚げされた挿し穂の
下端を、オキシベロン(商品名)の500倍水稀釈液に30
分間浸し、この発根剤を挿し穂に吸収させた。その後
に、引き上げた。
【0021】発根剤による発根促進処理された挿し穂
を、底部が有孔である上方直径10cmの鉢状くぼみ穴50個
を有するプラグトレーに、穴の1個あたり挿し穂が15本
づつ立てた状態で入るように移した。鉢状くぼみ穴(底
部は有孔)に挿し穂を入れられた前記プラグトレーを、
20〜30mmの深さに水道水を溜めた受け皿(四角なバット
形)の中に定置した。
【0022】挿し穂を収容する前記プラグトレーと共に
受け皿を、図1、図2に図示されたように台車に搭載され
た上下段に配置された棚板の各々の上に乗せた。挿し穂
を保持するプラグトレーおよび受け皿を乗せた棚板段を
有する台車を、図1、図2に図解的に示された発根室内に
入庫させた。
【0023】次いで、発根室内の空気雰囲気を温度25
℃、湿度90%、照度1500Lx(ルックス)、風速0.5m/秒
にセットした。キク(輪菊、品種・陣馬5,000本、優香
5,000本)の挿し穂をこのように入庫する。発根室内に
保持された挿し穂の様子を観察した。 1日目 入庫時と変化なし。 2日目 下端が気持ち膨らんだ気がする。 3日目 挿し穂下端にカルスの形成状態が挿し穂全数
の60〜70%位に見受けられる。 4日目 挿し穂下端にカルスの形成状態がほぼ100%
になる。尚、キク挿し穂の背丈が入庫時に比較して10〜
15mm位伸びる。温度による蒸れの症状が見られる。 5日目 挿し穂下端がカルスの状態から2〜3mm発根し
た状態になる。 6日目 挿し穂下端の発根状態が5〜6mmまで伸びる。
ここまで根が伸びると定植する時に、根が折れる恐れが
あり、また蒸れの症状が進行している。
【0024】試験例2 試験例1と同様にして採取且つ前処理(低温処理、水揚
げ処理およびオキシベロン処理、ならびにプラグトレー
移植および水を溜めた受け皿内に定置)を受けたキク挿
し穂を、発根室に入庫した。発根室内の空気雰囲気は、
温度23℃、湿度85%、照度1200Lx、風速0.3m/秒にセッ
トした。キク(輪菊、品種・陣馬5,000本、優香5,000
本)の挿し穂を用いた。
【0025】発根室内に保持された挿し穂の様子を観察
した。 1日目 入庫時と変化なし。 2日目 挿し穂の下端が気持ち膨らんだ気がする。 3日目 挿し穂の下端にカルスの形成状態が挿し穂全
数の50%位に見られる。 4日目 挿し穂の下端にカルスの形成状態がほぼ100
%になる。尚、キク苗の背丈が入庫時に比較して10〜15
mm位伸びる。温度による蒸れが若干見られる。 5日目 挿し穂の下端がカルスの状態から2〜3mm発根
した状態になる。
【0026】6日目 挿し穂の下端の発根の状態が4
〜5mmまで伸びる。蒸れが若干進行している。
【0027】試験例3 試験例1と同様にして採取且つ前処理を受けたキク挿し
穂を、発根室に入庫した。発根室内の空気雰囲気を、温
度20℃、湿度80%、照度1000Lx、風速0.1m/秒にセット
した。キク(輪菊、品種・陣馬5,000本、優香5,000本、
スプレー菊5,000本)の挿し穂を用いた。 1日目 入庫時と変化なし。 2日目 挿し穂下端が気持ち膨らんだ気がする。 3日目 挿し穂下端にカルスの形成状態が挿し穂全数
の40〜50%位に見受けられる。 4日目 挿し穂下端にカルスの形成状態がほぼ100%
見受けられる。尚、キク苗の背丈が入庫時に比較して10
〜15mm位伸びる。温度による蒸れの症状が見られない。 5日目 挿し穂下端がカルスの状態から1〜2mm発根し
た状態になる。 6日目 挿し穂の下端の発根の状態が3〜4mmまで伸び
る。温度による蒸れの症状がほとんど見られない。
【0028】試験例4 試験例1と同様にして採取且つ前処理をを受けたキク挿
し穂を、発根室に入庫した。発根室内の空気雰囲気を、
温度17℃、湿度80%、照度1000Lx、風速0.1m/秒にセッ
トした。キク(輪菊、品種・陣馬5,000本、優香5,000
本、スプレー菊5,000本)の挿し穂を入庫した。
【0029】1日目 入庫時と変化なし。 2日目 温度が低い為、挿し穂下端が膨らんでこな
い。(カルスの兆候が見られない) 3日目 挿し穂下端にカルス形成の兆候が見受けられ
る。 4日目 挿し穂下端にカルスの形成状態が30〜40%見
受けられる。なお、キク苗の背丈が入庫時に比較して5
〜8mm位伸びた。設定温度が低い為、蒸れの症状が見ら
れない。 5日目 挿し穂下端にカルスの形成状態が60〜70%見
受けられる。 6日目 挿し穂下端にカルスの形成状態がほぼ100%
になる。但し、4日目にカルスが形成された挿し穂は、
根から4〜5mm発根している。温度が低い為、蒸れの症状
は見られないが、挿し穂の太い・細いが発根に影響し、
バラつきが多い。
【0030】試験例1〜4の結果を見ると、カルスの形
成(発根直前における)、発根状態、発根室内でのキク
苗の背丈の伸長、蒸れの状態等について、試験例3の結
果が最も適している。
【0031】圃場での実験例1 試験例3で発根させたキク挿し穂を入庫してから4日目
〜5日目のキク苗の各3,000本を、発根室から取出した。
100坪の圃場に合計9,000本を、直挿し方法でポリマルチ
のべたがけを省略して定植した。その生育状態を出荷ま
で定期的に観察した(平成13年9月12日〜平成13年12月1
1日)。 1.定植後 2〜3日でほぼ100%活着する(背丈8cm〜10
cm)。 2.定植20日後 25cm〜28cmに成長する。 3.定植35日後 40cm〜43cmに成長する。 4.定植50日後 58cm〜60cmに成長する。 5.定植65日後 72cm〜75cmに成長する。 6.定植80日後 87cm〜90cmに成長する。 7.定植90日後 1m前後に成長し、開花4分咲き状態
のものから逐次に出荷する。草丈、花のボリュームとも
秀品が多い。
【0032】実験の結果として、この時期に、定植から
90日で出荷できる事は、発根室内の一定温度で、キク苗
の背丈が10〜15mm位伸長し、初期成育に大きく作用して
いると思われる。
【0033】
【発明の効果】本発明によると、次の効果が得られる。 (1) 1坪の発根室で、約3万本の苗が1度に生産出来て
経済的である。 (2) 年間を通して、発根苗を短期間(4〜5日)で安定
的に確保できる。 (3) 本発明で発根された苗は、直挿し方法で、初心者
でも安心して栽培ができる。
【0034】(4) ポリマルチのべたがけ設置が不要に
なり、労力、経費の節減に貢献できる。
【0035】(5) ポリマルチのべたがけ設置が不要に
なり、圃場に殺菌剤を入れなくても良くなり、圃場が荒
廃するのが防止できる。 (6) 発根された苗の定植後の成長が速く、栽培期間が
短縮できる為、年間4作(従来3作)の生産が可能にな
り、収益力の大幅向上につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、前処理された挿し穂(木)を入れた鉢を定
置した受け皿(図示せず)を棚板上に乗せた台車を入
庫、収容した後の状態における本発明の発根室装置の天
井面を破断した横断面の透視図解図である。
【図2】は、図1の場合と同様な台車を入庫、収容した
後の状態における本発明の発根室装置の正面側壁を一部
破断した垂直断面の透視図解図である。
【符号の説明】
1 発根室の4方側面壁 2 発根室の天井壁 3 発根室の床面壁 A 発根室の内部空間 4 入口ドア 5 ドア取手 6 多段式棚板を搭載の台車 W 台車車輪 7 多段式の棚板 8 照明器 8' 照明器調節ユニット 9 照明器の取付用支持具 10 冷却器 11 加温器 12 加湿器 13 風速調節器 14 集中制御ユニット 15 基礎台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01G 9/24 A01G 9/24 R 31/02 31/02 A01N 25/00 102 A01N 25/00 102 43/36 43/36 A Fターム(参考) 2B029 AA01 AB03 AB06 AB09 FA07 FA09 FA15 GA05 KB03 MA01 MA06 MA08 SF08 2B314 MA02 MA30 MA38 MA39 MA40 MA57 MA58 NA06 NA14 ND06 ND32 PB02 PD37 PD41 PD63 4H011 AB03 BA01 BB09 BC18 DA13

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切り花用の草植物または花木の茎または
    枝を切り取ることによって得られた挿し穂または挿し木
    を、冷蔵庫内で1℃〜5℃、好ましくは2℃〜3℃の温
    度の空気中に6日間〜21日間、好ましくは7日間〜14日
    間保存することによって挿し穂または挿し木を低温処理
    し、次いでその低温処理された挿し穂または挿し木を、
    水揚げ処理し、さらに挿し穂または挿し木の下端部を発
    根剤水溶液に浸漬することにより、発根剤を挿し穂また
    は挿し木に吸収させる発根促進処理を行い、さらに、発
    根剤吸収による発根促進処理をされた挿し穂または挿し
    木を、有孔底部をもつ鉢に挿し穂または挿し木の下端を
    下にして立てた状態で挿し入れ、立てた状態の挿し穂ま
    たは挿し木を収容する前記の鉢を、水を溜めた受け皿内
    に定置し、受け皿内から鉢の底部孔を通して鉢内に侵入
    した水の中に挿し穂または挿し木の下端を鉢内で浸漬さ
    せ、水でその下端が浸漬されてある挿し穂または挿し木
    を立てた状態で収容する鉢を定置、保持している且つ水
    を溜めた前記の受け皿を、15〜30℃、好ましくは18〜23
    ℃の温度と80〜90%の相対湿度をもつ空気雰囲気を収容
    している密閉された6面の箱型の室の内で上から800〜1
    200ルックス、好ましくは1000〜1100ルックスの照度の
    白色光の照射下に1日あたり8〜15時間にわたり照射して
    4日間〜6日間保持し、これによって、前記の室内に保持
    されて白色光で照射された挿し穂または挿し木の下端か
    ら発根を行わせることから成る、挿し穂または挿し木の
    発根方法。
  2. 【請求項2】 切り花用の草植物がキクまたはカーネー
    ションであり、また花木はバラ、ウメ、モモ、ブドウ、
    カキ、ナシ、キューイまたはミカンである、請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 発根剤はオキシベロン(商品名)であ
    り、発根剤水溶液としてはオキシベロンの400〜500倍水
    稀釈液を用いる、請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 開閉式の入口ドア(4)を具えた開閉可
    能な入口を有する断熱性の正面側壁(1)、2つの左右
    側壁(1)、後面側壁(1)ならびに断熱性の天井壁
    (2)および床面壁(3)で包囲されて成る6面の箱型の
    密閉可能な室を有し;しかも該室は、空気雰囲気を収容
    する内部空間(A)をもち、該室の天井壁(2)の下面に
    あるいは該室の上方空間中に、冷却器(10)、加温器
    (11)および加湿器(12)を設けてあり、該室の内の上
    方空間には、複数の白色光照明器(8)を取付けた可動
    式または固定式取付け支持具(9)が設けてあり、さら
    に、上段から下段へと配置された水平な複数の棚板
    (7)、(7')、(7'')の各々の下面に取付けた白色光
    照明器(8)を有する複数の棚板(7)、(7')、
    (7'')を支持した縦枠を搭載する車輪(W)付き台車
    (6)、および同様な棚板及び縦枠を搭載する複数の台
    車(6')、(6'')、(6''')等が上記の入口から入れ
    られて該室の床面壁(3)の上に乗せて、該室の内部空
    間(A)の中に収容されていることを特徴とする、挿し
    穂または挿し木の発根室装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014108057A (ja) * 2012-11-30 2014-06-12 Sumitomo Forestry Co Ltd スギ挿し木苗の効率的製造方法
US20180177143A1 (en) * 2013-02-01 2018-06-28 University Of Guelph Soilless pre-vegetated mat and process for production thereof
CN111528072A (zh) * 2020-06-08 2020-08-14 武汉市农业科学院 一种猕猴桃播种育苗方法

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