JP2003301110A - シリコーンコンパウンド - Google Patents

シリコーンコンパウンド

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JP2003301110A
JP2003301110A JP2002107024A JP2002107024A JP2003301110A JP 2003301110 A JP2003301110 A JP 2003301110A JP 2002107024 A JP2002107024 A JP 2002107024A JP 2002107024 A JP2002107024 A JP 2002107024A JP 2003301110 A JP2003301110 A JP 2003301110A
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carbon nanotubes
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grown carbon
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Hitoshi Katakura
等 片倉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品の除熱等に用いて好適な、優れた熱
伝導特性を備えたシリコーンコンパウンドを提供する。 【解決手段】 一般式が下記化1で表されるオルガノポ
リシロキサンに根元成長カーボンナノチューブが含有さ
れてなることを特徴とする。 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜18の1価の飽和炭素水素基ま
たは1価の不飽和炭化水素基から選択される1種または
2種以上の基である。また、aは、1.8〜2.3であ
る。) 本発明に係るシリコーンコンパウンドは、根元成長カー
ボンナノチューブを含有するため、当該根元成長カーボ
ンナノチューブの独特な構造により任意の方向に対する
熱伝導性が付与され、また、根元成長カーボンナノチュ
ーブ同士の熱伝導が単層ナノチューブの成長方向、すな
わち単層ナノチューブの長手方向において行われること
により、高い熱伝導性が付与される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコーンコンパウ
ンドに関し、特に熱伝導性に優れ電子部品の放熱用とし
て好適な、シリコーンコンパウンドに関する。
【0002】
【従来の技術】現在用いられている電子部品の大半は、
使用中に熱を生じるため、当該電子部品を適切に機能さ
せるためには発生した熱を取り除くことが必要とされ
る。この電子部品の除熱のための手段としては多くの手
段が提案されているが、小さな電子部品、特に集積回路
素子等を含む電子部品においては、通常、例えば特開昭
56−28264号公報や特開昭61−157587号
公報に示されるように熱伝導性グリースや熱伝導性シー
ト等の熱伝導性材料が用いられている。
【0003】一般に、このような集積回路素子を含む電
子部品は、集積回路素子とこれを保護するキャップ部分
とから構成され、当該電子部品の除熱をするために放熱
部品と組み合わせて用いられる。すなわち、図3に示す
ように集積回路素子などの電子部品21と放熱部品23
との間に、これらと直接接触するか又はある種の材料を
通して間接的に接触して熱伝導性材料22が付着され
る。そして、使用中に集積回路素子に生じた熱は、熱伝
導性材料を伝わって直接又は間接的に放熱部分に伝達さ
れ、放熱される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の熱伝
導性材料としては、従来から、特公平6−6715号公
報のようにシリコーンオイルをベースとし、特開平11
−2468985号公報のように酸化亜鉛やアルミナ粉
末を増稠剤として使用したグリース状の放熱用シリコー
ンコンパウンドが知られている。又、近年では、例えば
特開平10−110179号公報にあるように、更に熱
伝導率の向上を達成し得る増稠剤として窒化アルミニウ
ムが開発されている。
【0005】しかしながら、熱伝導率の良いとされる窒
化アルミニウムにおいても、その熱伝導率は250W/
mK程度であり、また、窒化アルミニウムは、熱伝導率
の結晶異方性が大きく、これに起因してシリコーンオイ
ルと混和した際に結晶方向がランダムな状態で混じり合
ってしまうため、シリコーンコンパウンドの状態では高
い熱伝導率が得られない。すなわち、窒化アルミニウム
自身の熱伝導性は良いものの、シリコーンコンパウンド
としての熱伝導性についてはあまり改善がなされていな
い。
【0006】また、電気伝導性のある金属粒子の場合で
は、結晶異方性はほとんど無く、例えばアルミニウムの
熱伝導率は200W/mK程度、銅の熱伝導率は400
W/mK程度であり、一般的にセラミッスク系の物質よ
りも良好な熱伝導率が得られるが、シリコーンコンパウ
ンドとした場合の熱伝導性については十分な特性が得ら
れていない。
【0007】ところで、近年、カーボンを利用した熱伝
導性材料、製品が開発されており、その一つにカーボン
グラファイトシートが挙げられる。これは、カーボング
ラファイトのシート状単結晶であり、a−b面方向の熱
伝導率が800W/mK程度あり、面内方向において極
めて高い熱伝導率を示す。その一方で厚み方向における
熱伝導率は数W/mKしかなく、顕著な結晶異方性を有
するものである。したがって、集積回路等から発生した
熱を放熱部品に伝える際に要求されるシートの厚み方向
の熱伝導率が悪いため、熱をシートの面内方向に移動さ
せるヒートスプレッダーとしての役割にとどまってい
る。
【0008】また、C60をはじめとするカーボンを中
心とした、新規な構造体物質の研究も盛んに行われてい
る。その中の一つにカーボンナノチューブがあり、様々
な物性評価が行われている。特に、その構造から極めて
高い熱伝導率が期待されており、「PHYSICAL REVIEW B
59 R9015 1999」 によれば実測も行われている。この文
献によれば、カーボンナノチューブの成長方向におい
て、2000W/mKの極めて高い熱伝導率が実測され
ている。また、昭和電工株式会社からは、VGCF(商
品名、昭和電工株式会社製)というカーボンナノチュー
ブを内包したカーボンファイバーが供給されており、こ
の製品も室温において2000W/mK程度の極めて高
い熱伝導率が実測されている。
【0009】しかしながらこれらのカーボンナノチュー
ブは、その構造からカーボングラファイトと同様に半径
方向における熱伝導率が長手方向における熱伝導率に比
べて低く、熱伝導率の結晶異方性がある。このため、カ
ーボンナノチューブもシリコーンオイルに混和した際に
は、カーボンナノチューブの方向がランダムになってし
まうため、シリコーンコンパウンドとした場合の熱伝導
性については十分な特性が得られていない。
【0010】したがって、本発明は上述した従来の実情
に鑑みて創案されたものであり、電子部品の除熱等に用
いて好適な、優れた熱伝導特性を備えたシリコーンコン
パウンドを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成する本
発明に係るシリコーンコンパウンドは、一般式が下記化
2で表されるオルガノポリシロキサンに根元成長カーボ
ンナノチューブが含有されてなることを特徴とするもの
である。
【0012】
【化2】 (式中、Rは炭素数1〜18の1価の飽和炭素水素基ま
たは1価の不飽和炭化水素基から選択される1種または
2種以上の基である。また、aは、1.8〜2.3であ
る。)
【0013】以上のように構成された本発明に係るシリ
コーンコンパウンドは、根元成長カーボンナノチューブ
を含有してなるものである。根元成長カーボンナノチュ
ーブは、いわゆる"ウニ"形と呼ばれる単層ナノチューブ
であり、金属と炭素との化合物の微粒子の表面から放射
状に成長する根元成長モデルにより形成されたものであ
る。本発明においてはこのようなカーボンナノチューブ
を"根元成長カーボンナノチューブ"と称する。この根元
成長カーボンナノチューブは、金属と炭素との化合物の
微粒子から放射状にカーボンナノチューブが形成されて
いるため、その独特な構造により隣接するいずれの根元
成長カーボンナノチューブとも接触することが可能であ
る。これにより、根元成長カーボンナノチューブは任意
の方向に対して熱伝導性を有する。すなわち、根元成長
カーボンナノチューブは、熱伝導方向の自由度が非常に
大きいものとされる。また、根元成長カーボンナノチュ
ーブ同士の熱伝導は、極めて高い熱伝導率が得られる単
層ナノチューブの成長方向、すなわち単層ナノチューブ
の長手方向において行われる。
【0014】そこで、本発明は、このような根元成長カ
ーボンナノチューブが有する独特な構造、及びこれより
得られる熱伝導方向の自由度の大きさに着目し、これを
利用したものであり、根元成長カーボンナノチューブを
シリコーンコンパウンドに熱伝導性を付与する材料とし
て用いることにより、放熱用のシリコーンコンパウンド
として十分な熱伝導率を有するシリコーンコンパウンド
を実現するものである。すなわち、本発明に係るシリコ
ーンコンパウンドは、根元成長カーボンナノチューブを
含有するため、当該根元成長カーボンナノチューブの独
特な構造により任意の方向に対する熱伝導性が付与さ
れ、また、根元成長カーボンナノチューブ同士の熱伝導
が単層ナノチューブの成長方向、すなわち単層ナノチュ
ーブの長手方向において行われることにより、高い熱伝
導性が付与される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に係るシリコーンコンパウンドは、電子部
品等の除熱、すなわち放熱用に用いて好適なシリコーン
コンパウンドであり、一般式が下記化3で表されるオル
ガノポリシロキサンに根元成長カーボンナノチューブが
含有されてなることを特徴とするものである。
【0016】
【化3】 (式中、Rは炭素数1〜18の1価の飽和炭素水素基ま
たは1価の不飽和炭化水素基から選択される1種または
2種以上の基である。また、aは、1.8〜2.3であ
る。)
【0017】本発明においては、ベースとなる液状シリ
コーンとして一般式が上記化3で表されるオルガノポリ
シロキサンを用いる。オルガノポリシロキサンは常温で
液体状態を呈するため、シリコーンコンパウンドを構成
する液状シリコーンとして好適である。そして、上記化
3で表されるオルガノポリシロキサンは、シリコーンコ
ンパウンドを構成可能な他の液状シリコーンと比較し
て、耐熱性、安定性、電気絶縁性等の点で優れた特性を
有するため、これを用いてシリコーンコンパウンドを構
成することにより、耐熱性、安定性、電気絶縁性等に優
れたシリコーンコンパウンドを構成することができる。
【0018】また、上記化3において、Rは上述したよ
うに炭素数1〜18の1価の飽和炭素水素基または1価
の不飽和炭化水素基から選択される1種または2種以上
の基であるが、このような基としては、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、
デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基などの飽和炭化水素基、ビニル基、
フェニル基、クロロフェニル基などの不飽和炭化水素基
が挙げられるが、その中でも特にメチル基、フェニル
基、及び炭素数6〜14のアルキル基が好ましい。
【0019】このようなオルガノポリシロキサンは、シ
リコーンコンパウンドとして要求される稠度及び熱伝導
性の観点から、25℃における粘度が50cs〜50
0,000csであることが必要であり、特に100c
s〜100,000csであることが好ましい。粘度が
50cs未満である場合には、シリコーンコンパウンド
におけるオイル分離性が大きくなってしまう。また、粘
度が500,000csよりも大きい場合には、シリコ
ーンコンパウンドとした場合に粘稠になりすぎるため基
材に対する塗布作業性が悪くなる。
【0020】本発明においては、シリコーンコンパウン
ドに熱伝導性を付与する材料として根元成長カーボンナ
ノチューブを用いる。本発明において、根元成長カーボ
ンナノチューブとは、いわゆる"ウニ"形と呼ばれる単層
ナノチューブであり、金属と炭素との化合物の微粒子の
表面から放射状に成長する根元成長モデルにより形成さ
れたものである。この根元成長カーボンナノチューブ
は、図1に示すように、金属と炭素との化合物の微粒子
1から放射状に単層ナノチューブが2形成されている。
このような根元成長カーボンナノチューブは、例えば、
以下のようにして形成することができる。
【0021】まず、アーク放電によって蒸発した触媒金
属と炭素との蒸気をヘリウムガス分子と衝突させる。触
媒金属と炭素との蒸気がヘリウムガス分子と衝突すると
冷却されて過飽和状態になることにより凝縮が生じ、触
媒金属と炭素との化合物の微粒子1が形成される。この
ようにして形成された微粒子1は対流に乗って上昇しな
がらさらに冷却される。そして、この温度低下のために
炭素の溶解度が低下し、炭素が微粒子1の表面に析出す
る。このとき、単層ナノチューブ2の核となるものが微
粒子1の表面に形成され、この後、単層ナノチューブ2
はこの核を中心として放射状に成長する。以上のように
して図1に示すような根元成長カーボンナノチューブを
形成することができる。
【0022】このように形成された根元成長カーボンナ
ノチューブは、複数の根元成長カーボンナノチューブが
集まっている場合、その独特な構造により隣接するいず
れの方向の根元成長カーボンナノチューブとも接触する
ことが可能である。すなわち、根元成長カーボンナノチ
ューブは、上述した微粒子を中心として放射状に形成さ
れた単層ナノチューブ2により隣接するいずれの根元成
長カーボンナノチューブにも接触することができる。こ
れにより、根元成長カーボンナノチューブは、周囲の任
意の方向に位置する根元成長カーボンナノチューブとも
接触することができるため、任意の方向に対して熱伝導
性を有する。すなわち、根元成長カーボンナノチューブ
は、熱伝導方向の自由度が非常に大きいものである。そ
して、根元成長カーボンナノチューブ同士の熱伝導は、
極めて高い熱伝導率が得られる単層ナノチューブの成長
方向、すなわち単層ナノチューブの長手方向において行
われる。
【0023】本発明にかかるシリコーンコンパウンド
は、シリコーンコンパウンドに熱伝導率を付与する材料
としてこのような根元成長カーボンナノチューブを用い
る。これにより、本発明に係るシリコーンコンパウンド
は、根元成長カーボンナノチューブの有する独特な構造
により任意の方向に対する熱伝導性が付与される。ま
た、根元成長カーボンナノチューブ同士の熱伝導が単層
ナノチューブの成長方向、すなわち単層ナノチューブの
長手方向において行われることにより、高い熱伝導性が
付与される。したがって、本発明に係るシリコーンコン
パウンドでは、任意の方向に対する熱伝導を実現するこ
とが可能であり、且つ高い熱伝導率を実現することが可
能である。
【0024】また、本発明においては、上記化3で表さ
れるオルガノポリシロキサン100重量部に対して根元
成長カーボンナノチューブを100重量部〜900重量
部含有させることが好ましい。オルガノポリシロキサン
に含有させる根元成長カーボンナノチューブの量が少な
すぎる場合には、良好な熱伝導性を得られない虞があ
る。また、オルガノポリシロキサンに含有させる根元成
長カーボンナノチューブの量が多すぎる場合には、オル
ガノポリシロキサン中における根元成長カーボンナノチ
ューブの均一な分散ができなくなり、熱抵抗にばらつき
が生じる。その結果、熱抵抗の高い部分が発生してしま
い、これに起因して熱伝導性が低下してしまう。したが
って、上記化3で表されるオルガノポリシロキサン10
0重量部に対して根元成長カーボンナノチューブを10
0重量部〜900重量部含有させることにより、良好な
熱伝導性を得ることができる。
【0025】以上のようなシリコーンコンパウンドは、
次にようにして作製することができる。まず、上述した
化3で表されるオルガノポリシロキサンと、根元成長カ
ーボンナノチューブとを所定量だけ計り取り、プラネタ
リーミキサー等の混合機に投入して良く混合する。この
とき、オルガノポリシロキサン100重量部に対する根
元成長カーボンナノチューブの割合は、100重量部〜
900重量部とする。また、このとき、必要に応じて酸
化防止剤等の第三成分を添加しても良い。オルガノポリ
シロキサンと根元成長カーボンナノチューブとの混合
は、例えば所定のの加圧下もしくは減圧下において所定
の温度に加熱しながら行い、さらに、三本ロールなどの
混練り機で十分に混練りすることによっても行うことが
できる。以上により、本発明に係るシリコーンコンパウ
ンドを得ることができる。
【0026】
【実施例】以下では、具体的な実施結果に基づいて本発
明をさらに詳細に説明する。
【0027】[実施例1]実施例1では、以下のように
して本発明に係るシリコーンコンパウンドを作製した。
まず、ベースオイルとしてオルガノポリシロキサンであ
るジメチルポリシロキサンを用意し、これを100重量
部計り取った。ここで、ジメチルポリシロキサンは、2
5℃における粘度が500csであるものを使用した。
次に、根元成長カーボンナノチューブを用意し、これを
100重量部計り取った。そして、これらをホモジナイ
ザーを用いて30分間撹拌することにより、十分混合を
行って実施例1に係るシリコーンコンパウンドを得た。
【0028】[実施例2]実施例2では、根元成長カー
ボンナノチューブの混合量を500重量部としたこと以
外は、実施例1と同様にしてシリコーンコンパウンドを
作製し、実施例2に係るシリコーンコンパウンドを得
た。
【0029】[実施例3]実施例3では、根元成長カー
ボンナノチューブの混合量を900重量部としたこと以
外は、実施例1と同様にしてシリコーンコンパウンドを
作製し、実施例3に係るシリコーンコンパウンドを得
た。
【0030】[実施例4]実施例4では、ベースオイル
として25℃における粘度が100csであるジメチル
ポリシロキサンを使用したこと以外は、実施例3と同様
にしてシリコーンコンパウンドを作製し、実施例4に係
るシリコーンコンパウンドを得た。
【0031】[実施例5]実施例5では、ベースオイル
として25℃における粘度が50,000csであるジ
メチルポリシロキサンを使用したこと以外は、実施例3
と同様にしてシリコーンコンパウンドを作製し、実施例
5に係るシリコーンコンパウンドを得た。
【0032】[実施例6]実施例6では、ベースオイル
として25℃における粘度が100,000csである
ジメチルポリシロキサンを使用したこと以外は、実施例
3と同様にしてシリコーンコンパウンドを作製し、実施
例5に係るシリコーンコンパウンドを得た。
【0033】[比較例]比較例では、根元成長カーボン
ナノチューブの代わりに直線形のカーボンナノチューブ
を100重量混合したこと以外は、実施例2と同様にし
てシリコーンコンパウンドを作製し、比較例に係るシリ
コーンコンパウンドを得た。
【0034】以上のようにして作製した、実施例1乃至
実施例6、及び比較例に係るシリコーンコンパウンドに
ついて熱伝導率を測定した。熱伝導率は、次のようにし
て測定した。
【0035】熱伝導率測定 まず、電子部品としてデュアルダイオード11、放熱部
品としてヒートシンク13を用意した。そして、これら
を図2に示すようにデュアルダイオード11、シリコー
ンコンパウンド12、ヒートシンク13の順で積層配置
した。デュアルダイオード13には、D20LC20
(商品名、ヒューレット・パッカード社製)を用いた。
また、デュアルダイオード11には、電源14としてE
3631A(商品名、ヒューレッド・パッカード社製)
を接続した。そして、実施例1乃至実施例6、及び比較
例に係るシリコーンコンパウンドのそれぞれの厚みを測
定した。
【0036】次いで、電源14よりデュアルダイオード
11に直流電流を通電させた。そして、デュアルダイオ
ード11及びヒートシンク13が熱平衡に達した後、デ
ュアルダイオード11とヒートシンク13との温度差を
放射温度計THI−500(商品名、TASCO社製)
を用いて測定した。
【0037】そして、デュアルダイオード11とヒート
シンク13との温度差とシリコーンコンパウンドの厚み
から熱伝導率を算出した。その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1の結果より、根元成長カーボンナノチ
ューブを含有させて形成した実施例1乃至実施例6の本
発明に係るシリコーンコンパウンドは、直線形のカーボ
ンナノチューブを含有させた比較例に係るシリコーンコ
ンパウンドと比べて良好な熱伝導率が得られていること
が判る。これより、根元成長カーボンナノチューブを含
有させてシリコーンコンパウンドを構成することによ
り、直線形のカーボンナノチューブを含有させた場合よ
りも優れた熱伝導率を有するシリコーンコンパウンドを
実現できるといえる。
【0040】また、実施例1乃至実施例6の結果より、
根元成長カーボンナノチューブの混合量をジメチルポリ
シロキサン100重量部に対して100重量部〜900
重量部とすることにより良好な熱伝導率が得られること
が判る。
【0041】また、実施例1乃至実施例6の結果より、
ジメチルポリシロキサンの粘度が100cs〜100,
000の範囲において良好な熱伝導率が得られることが
判る。
【0042】そして、実施例2と実施例3の結果から、
ジメチルポリシロキサンの粘度が500csの場合、実
施例2の根元成長カーボンナノチューブの混合量が50
0重量部の時に熱伝導率が最大となり、実施例3の根元
成長カーボンナノチューブの混合量が900重量部の時
は良好な値を示しているものの実施例2と比較すると若
干熱伝導率が低下している。これは、根元成長カーボン
ナノチューブの混合量が増えたことにより根元成長カー
ボンナノチューブが分散し難くなり、熱抵抗に多少のば
らつきが生じたためと考えられる。
【0043】
【発明の効果】本発明に係るシリコーンコンパウンド
は、一般式が下記化4で表されるオルガノポリシロキサ
ンに根元成長カーボンナノチューブが含有されてなるも
のである。
【0044】
【化4】 (式中、Rは炭素数1〜18の1価の飽和炭素水素基ま
たは1価の不飽和炭化水素基から選択される1種または
2種以上の基である。また、aは、1.8〜2.3であ
る。)
【0045】以上のように構成された本発明に係るシリ
コーンコンパウンドは、上記化4で現される根元成長カ
ーボンナノチューブを含有して構成されるため、当該根
元成長カーボンナノチューブの有する任意の方向に対す
る熱伝導性と、良好な熱伝導性とにより優れた熱伝導特
性を備えたシリコーンコンパウンドを実現することが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】根元成長カーボンナノチューブの一構造例を示
す断面図である。
【図2】実施例及び比較例に係るシリコーンコンパウン
ドの熱伝導率を測定する際の構成を示す概略構成図であ
る。
【図3】熱伝導性材料を介して電子部品に放熱部品を組
み付けた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 微粒子 2 単層ナノチューブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式が下記化1で表されるオルガノポ
    リシロキサンに根元成長カーボンナノチューブが含有さ
    れてなることを特徴とするシリコーンコンパウンド。 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜18の1価の飽和炭素水素基ま
    たは1価の不飽和炭化水素基から選択される1種または
    2種以上の基である。また、aは、1.8〜2.3であ
    る。)
  2. 【請求項2】 上記オルガノポリシロキサン100重量
    部に対して、根元成長カーボンナノチューブが100重
    量部〜900重量部含有されてなることを特徴とする請
    求項1記載のシリコーンコンパウンド。
  3. 【請求項3】 上記一般式RaSiO(4−a)/2
    おけるRが、メチル基、フェニル基、及び炭素数6〜1
    4のアルキル基から選択される少なくとも1種の基であ
    ることを特徴とする請求項1記載のシリコーンコンパウ
    ンド。
JP2002107024A 2002-04-09 2002-04-09 シリコーンコンパウンド Pending JP2003301110A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100686612B1 (ko) 2005-04-14 2007-02-26 주식회사 이엠씨플러스 탄소나노튜브를 포함하는 도전성 실리콘 수지 조성물
WO2008025962A1 (en) * 2006-08-31 2008-03-06 Cambridge Enterprise Limited Nanomaterial polymer compositions and uses thereof
JP2009123920A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Gyoseiin Genshino Iinkai Kakuno Kenkyusho 太陽エネルギー電池放熱構成
US8323789B2 (en) 2006-08-31 2012-12-04 Cambridge Enterprise Limited Nanomaterial polymer compositions and uses thereof

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