JP2003300222A - 薄肉被覆層による樹脂被覆方法及び樹脂被覆装置 - Google Patents

薄肉被覆層による樹脂被覆方法及び樹脂被覆装置

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JP2003300222A
JP2003300222A JP2002107804A JP2002107804A JP2003300222A JP 2003300222 A JP2003300222 A JP 2003300222A JP 2002107804 A JP2002107804 A JP 2002107804A JP 2002107804 A JP2002107804 A JP 2002107804A JP 2003300222 A JP2003300222 A JP 2003300222A
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cavity
temperature
mold
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raw material
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JP2002107804A
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English (en)
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Mikio Fujino
幹男 藤野
Hideki Saito
英樹 斉藤
Nobuo Hori
信夫 堀
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YAMASHIRO SEIKI SEISAKUSHO KK
Sanjo Seiki Seisakusho KK
Original Assignee
YAMASHIRO SEIKI SEISAKUSHO KK
Sanjo Seiki Seisakusho KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の部材の表面を保護し、電気的絶縁を確
保するため、部材の表面に合成樹脂等にコーティング
や、ラミネートしているが、大量生産しにくく、コスト
が高くなり、均一な製品を生産できないことに鑑みて、
部材を均一に被覆すると共に、大量生産にも適した樹脂
被覆方法及び樹脂被覆装置を提供する。 【解決手段】 上型板11と下型板12で形成されるキャビ
ティ部13に出没自在にワーク保持用ピン17、18を設け、
キャビティ部13への突出状態でワーク2を保持させる。
型板11、12に通水路26、27を形成し、バルブ28で冷却水
を、バルブ29で圧力空気を供給し、キャビティ部13を、
冷却水で降温させ、圧力空気で冷却水による降温を停止
する。型板11、12にヒータ32が、型支持板15、16にヒー
タ31が配設され、キャビティ部13を昇温させる。成型原
料の充填完了前に前記ピン17、18を退避させ、さらに充
填してワーク2の全体を被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属板などの薄
肉板材に合成樹脂を薄肉にして被覆する樹脂被覆方法及
び樹脂被覆装置に関し、特にシリコーンゴムなどの熱硬
化性樹脂を射出成型によって被覆する薄肉被覆層による
樹脂被覆方法及び樹脂被覆装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薄肉の金属板の表面を保護したり、IC
カードなどの絶縁を図るために、薄肉の合成樹脂で被覆
したりする場合がある。従来では、樹脂素材を表面に塗
布してコーティングしたり、ラミネート処理を行ったり
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コーテ
ィングやラミネートによって薄肉金属板等のワークの被
覆を行うには、大量のワークを処理することができな
い。また、樹脂素材を塗布してコーティングする場合に
は、コーティングの厚さなどの均一性が充分に確保でき
ず、製品の歩留まりを悪くしてしまうおそれがある。
【0004】近年では、個人の既往症や病歴、血液型な
どの人体に関する情報を記録したマイクロチップを人体
に埋め込んで、治療の際に利用することが図られてい
る。このマイクロチップは直接人体に埋め込むことがで
きず、合成樹脂で被覆することが行われている。この場
合、被覆材の肉厚は極力薄くすることが望ましく、また
違和感や人体への影響を考慮することが必要となる。こ
のため、斯かるマイクロチップなどでは、シリコーンゴ
ムによって被覆することが考えられる。シリコーンゴム
を薄肉にして被覆することは、コーティングで行われて
いるが、信頼性が低く、歩留まりが悪かった。
【0005】そこで、この発明は、金属板やICカー
ド、マイクロチップなどの薄肉な板状部材を薄肉の合成
樹脂で被覆することができる薄肉被覆層による樹脂被覆
方法及び樹脂被覆装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めの技術的手段として、この発明に係る薄肉被覆層によ
る樹脂被覆方法は、薄肉の板状部材などのワークを適宜
位置に保持させてある金型のキャビティ部内に成型原料
を射出して該キャビティ部内に充填することにより、前
記ワークの全体を合成樹脂で被覆する薄肉被覆層による
樹脂被覆方法において、金型のキャビティ部内の所定位
置にワークを保持させ、型締開始に応じてキャビティ部
温度を調整し、型締めされたキャビティ部内への原料充
填完了前に前記ワークの保持を解除し、原料充填完了後
にキャビティ部温度を原料硬化温度に調整した後、型開
きして成型品を取り出すことを特徴としている。
【0007】例えば、ワークとして薄肉の金属板をキャ
ビティ部内の所定の位置に保持させる。成型原料が適宜
な流動性を保つ状態にキャビティ部温度を調整して、キ
ャビティ部内に成型原料を射出する。キャビティ部内へ
の原料の充填が完了する前に、ワークの保持を解除す
る。さらに原料をキャビティ部内に供給して、ワークを
保持していた部材が存していた部分へ原料を充填して当
該部分にひけなどが生じないようにする。原料の充填が
完了したならば、キャビティ部温度を適宜にして原料を
硬化させる。充分に硬化したならば、型開きして成型品
を取り出す。
【0008】また、請求項2の発明に係る薄肉被覆層に
よる樹脂被覆方法は、薄肉の板状部材などのワークを適
宜位置に保持させてある金型のキャビティ部内に成型原
料を射出して該キャビティ部内に充填することにより、
前記ワークの全体を熱硬化性樹脂で被覆する薄肉被覆層
による樹脂被覆方法において、金型のキャビティ部内の
所定位置にワークを保持させ、型締開始に応じてキャビ
ティ部温度を充填温度まで下降させ、型締めされたキャ
ビティ部内への原料充填完了前に前記ワークの保持を解
除し、原料充填完了後にキャビティ部温度を原料硬化温
度まで上昇させて硬化させた後、型開きして成型品を取
り出すことを特徴としている。
【0009】熱硬化性樹脂を成型原料とする場合には、
原料の射出に先立ってキャビティ部温度を充填温度まで
下げる。また、原料充填完了後にはキャビティ部温度を
上げて原料を硬化させる。熱硬化性樹脂としてシリコー
ンゴムを用いることにより、マイクロチップなどを肉厚
が薄い膜で被覆できると共に、人体に埋め込んだ場合
に、違和感を感ぜず、人体に影響を与えることがない。
【0010】また、請求項3の発明に係る薄肉被覆層に
よる樹脂被覆方法は、前記充填温度と原料硬化温度の調
整を、金型に配設した通水路に冷却水を供給して金型を
冷却し、該通路に圧力空気を吹き込んで冷却水を除去し
て冷却を停止し、金型に配設したヒータを作動させて昇
温させながら行うことを特徴としている。
【0011】前記通水路に冷却水を供給すると、金型が
冷却されてキャビティ部内が降温される。冷却水が通水
路に溜まっている状態で、圧力空気を通水路に吹き込む
と、路内の冷却水が押し出される。このため、金型の冷
却を停止させることができ、金型の温度を調整すること
ができる。また、前記ヒータに通電すれば金型が加熱さ
れてるから、キャビティ部内が昇温される。したがっ
て、冷却水と圧力空気の通水路への供給と、ヒータのオ
ン−オフに応じてキャビティ部内の温度を制御すること
ができる。
【0012】また、請求項4の発明に係る薄肉被覆層に
よる樹脂被覆方法は、型締完了後にキャビティ部内を負
圧にすることを特徴としている。
【0013】キャビティ部内が負圧になれば、成型原料
の流れ抵抗が減じて、キャビティ部内に効率よく充填さ
れる。したがって、肉厚が薄い膜によってワークを確実
に被覆することができる。
【0014】また、請求項5の発明に係る薄肉被覆層に
よる樹脂被覆装置は、薄肉の板状部材などのワークを適
宜位置に保持させてある金型のキャビティ部内に成型原
料を射出して該キャビティ部内に充填することにより、
前記ワークの全体を合成樹脂で被覆する薄肉被覆層によ
る樹脂被覆装置において、金型のキャビティ部内の所定
位置にワークを保持するワーク保持手段と、キャビティ
部温度を調整する温度調整手段とを備え、型締開始時
に、前記温度調整手段によってキャビティ部温度を充填
温度に調整し、型締めされたキャビティ部内への原料充
填完了前に前記ワーク保持手段によるワークの保持を解
除し、原料充填完了後にキャビティ部温度を前記温度調
整手段によって原料硬化温度に調整して原料を硬化させ
た後、型開きして成型品を取り出すことを特徴としてい
る。
【0015】前記ワーク保持手段によってキャビティ部
内にワークを保持させて型締を行いながら、前記温度調
整手段でキャビティ部温度を充填温度に調整する。型締
が終了した状態で成型原料をキャビティ部内に供給す
る。充填が完了する前に前記枠保持手段によるワークの
保持を解除する。例えば、ワーク保持手段を適宜本数の
ピンでワークをキャビティ部内に浮かせて保持させた状
態とすると、適宜量の成型原料が充填された状態で、ワ
ークの保持を解除してもワークが当該位置に維持され
る。この状態で、前記ピンをワークから退避させると、
該ピンが存していた部分に原料が充填されていない部分
が形成されることになるから、さらに原料を供給して当
該部分に充填する。これにより、ワークの全体が被覆さ
れる。前記温度調整手段によってキャビティ部温度を調
整して原料を硬化させる。次いで、型開きして成型品と
取り出す。
【0016】また、請求項6の発明に係る薄肉被覆層に
よる樹脂被覆装置は、薄肉の板状部材などのワークを適
宜位置に保持させてある金型のキャビティ部内に成型原
料を射出して該キャビティ部内に充填することにより、
前記ワークの全体を熱硬化性樹脂で被覆する薄肉被覆層
による樹脂被覆装置において、金型のキャビティ部内の
所定位置にワークを保持ワーク保持手段と、キャビティ
部温度を調整する温度調整手段とを備え、型締開始時
に、前記温度調整手段によってキャビティ部温度を充填
温度まで下降させ、型締めされたキャビティ部内への原
料充填完了前に前記ワーク保持手段によるワークの保持
を解除し、原料充填完了後にキャビティ部温度を、前記
温度調整手段によって原料硬化温度まで上昇させて硬化
させた後、型開きして成型品を取り出すことを特徴とし
ている。
【0017】成型原料に熱硬化性樹脂を用いる場合に
は、キャビティ部温度を温度調整手段によって充填温度
まで下げ、流れ中に原料が硬化して流れ不良となること
を防止して、原料を射出する。また、原料充填後にはキ
ャビティ部温度を上げて原料を硬化させる。
【0018】また、請求項7の発明に係る薄肉被覆層に
よる樹脂被覆装置は、前記温度調整手段は、金型に配設
した通水路と、前記通水路に冷却水を供給する冷却水供
給装置と、前記通水路に圧力空気を吹き込むブロワ装置
と、前記金型に配設したヒータと、からなることを特徴
としている。
【0019】通水路に冷却水を供給することによりキャ
ビティ部温度が下げられ、ブロワ装置から圧力空気を吹
き込むと通水路内の冷却水が押し出されてキャビティ部
温度の降下が停止される。前記ヒータに通電すればキャ
ビティ部温度を上げることができる。
【0020】また、請求項8の発明に係る薄肉被覆層に
よる樹脂被覆装置は、前記キャビティ部内を吸引する吸
引装置を設け、型締完了後にキャビティ部内を負圧にす
ることを特徴としている。
【0021】成型原料の射出の際には、キャビティ部内
の負圧によって流れ抵抗を減じて、成型原料が確実にキ
ャビティ部内の狭い部分へも充填させられる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図示した好ましい実施の形
態に基づいて、この発明に係る薄肉被覆層による樹脂被
覆方法及び樹脂被覆装置を具体的に説明する。
【0023】この薄肉被覆層による樹脂被覆方法及び樹
脂被覆装置によって被覆加工された成型品1の一例が、
図6及び図7に示してある。この成型品1は、金属製で
薄肉の板状部材としてのワーク2の全体を、シリコーン
ゴムによる被覆層3で覆ってある。ワーク2は薄肉の鋼
板製で、20mm×40mmのほぼ矩形に形成され、肉厚が 0.3
mmのものが用いられている。これに、0.35mmの肉厚でシ
リコーンゴムにより被覆層3が形成されて成型品1とさ
れている。したがって、成型品1の肉厚は約 1.0mmとな
る。また、一端部には膨出部1aが形成され、この膨出部
1aに吊り下げ紐が挿通される透孔1bが形成されている。
なお、図6及び図7は成型後の成型品1を示しており、
金型のゲートとなる部分1cを中心に点対称の位置に一対
の成型品1が形成されている。
【0024】図1〜図4は、この樹脂被覆装置10を示し
ており、図1は構成を説明するための概略図、図2は概
略正面図、図3は概略側面図、図4は概略平面図であ
る。この樹脂被覆装置10は、上型板11と下型板12との間
に形成されたキャビティ部13にワーク2を保持させ、キ
ャビティ部13に、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、尿
素樹脂、メラミン樹脂その他の熱硬化性合成樹脂原料を
成型原料として充填して、ワーク2を被覆するものであ
る。金型を構成する上型板11は上型支持板15に、下型板
12は下型支持板16に、それぞれ取り付けられている。
【0025】前記上型板11と上型支持板15とのそれぞれ
に形成されたガイド孔11a 、15a を貫通すると共に、こ
れら上型板11と上型支持板15に対して摺動可能にワーク
保持用上ピン17が設けられている。また、前記下型板12
と下型支持板16とのそれぞれに形成されたガイド孔12a
、16a を貫通すると共に、これら下型板12と下型支持
板16に対して摺動可能にワーク保持用下ピン18が設けら
れている。これら、ワーク保持用ピン17、18は、いずれ
もその摺動によって先端部がキャビティ部13に出没可能
とされている。これらワーク保持用ピン17、18の基端部
が、それぞれ上型支持板15と下型支持板16から突出して
おり、該突出した部分が保持ピン駆動板19、20に固定さ
れている。
【0026】前記保持ピン駆動板19、20のそれぞれは、
油圧シリンダなどの駆動用アクチュエータ21、22に連繋
させてあり、これら駆動用アクチュエータ21、22の作動
によって保持ピン駆動板19、20が昇降する。この保持ピ
ン駆動板19、20の昇降により、前記ワーク保持用ピン1
7、18が摺動し、その先端部がキャビティ部13に出没す
るようにしてある。これらワーク保持用ピン17、18がキ
ャビティ部13内に突出した状態で、これらの先端部でワ
ーク2が挟持されて保持されるようにしてある。なお、
ワーク2の下面の適宜位置に、図1及び図6に示すよう
に、ノック穴2aを形成し、このノック穴2aにワーク保持
用ピン18の先端が係合するようにしてあれば、ワーク2
をキャビティ部13の所定の位置に対して簡便で、確実に
位置決めできて好ましい。なお、この実施形態では、図
6に示すように、4個所にノック穴2aが形成されてお
り、ワーク保持用上ピン17とワーク保持用下ピン18は、
それぞれ4本ずつでワーク2を挟持して保持するように
してある。
【0027】前記上型板11と上型支持板15、駆動用アク
チュエータ21は上側取付板23に取り付けられ、下型板12
と下型支持板16、駆動用アクチュエータ22は下側取付板
24に取り付けられている。
【0028】前記上型板11と下型板12のそれぞれには、
通水路26、27が形成されており、この通水路26、27に、
水用バルブ28を介して図示しない冷却水供給装置と、空
気用バルブ29を介して図示しないブロワ装置とが接続さ
れている。したがって、水用バルブ28が開放された場合
には通水路26、27には冷却水が供給され、空気用バルブ
29が開放された場合には通水路26、27には圧力給気が供
給される。圧力空気が供給された場合には、通水路26、
27に供給された冷却水が空気圧で押し出されるようにし
てある。これら通水路26、27は、図4に示すように、キ
ャビティ部13を囲む状態に配設されており、キャビティ
部13内を効率的に冷却できるようにしてある。
【0029】また、前記上型支持板15と下型支持板16の
適宜位置にはヒータ31が配設されており、該ヒータ31の
作動によって、これら支持板15、16を加熱して上型板1
1、下型板12を加熱し、キャビティ部13を加熱するよう
にしてある。また、図3に示すように、上型板11と下型
板12とにもヒータ32が配設されており、該ヒータ31の作
動によってこれら上型板11と下型板12とを加熱してキャ
ビティ部13を加熱するようにしてあると共に、キャビテ
ィ部13に連通したランナ11b の温度調節が行われる。こ
れらヒータ31、32のオン−オフによってキャビティ部13
の温度調節が行われる。
【0030】また、キャビティ部13には、図4に示すよ
うに、真空ポート33を連通させてあり、この真空ポート
33に真空ポンプなど図示しない吸引装置が接続されてい
る。すなわち、この吸引装置の作動によって空気が吸引
されてキャビティ部13内が負圧となるようにしてある。
【0031】以上により構成されたこの発明の実施形態
に係る薄肉被覆層による樹脂被覆装置10によって、図6
に示す成型品1を成型する動作を、図5に示すタイムチ
ャートを参照して説明する。
【0032】キャビティ部13の所定の位置にワーク2を
セットし、駆動用アクチュエータ22を作動させて保持ピ
ン駆動板20を上昇させる。これにより、ワーク保持用下
ピン18が下方からキャビティ部13内に突出し、その先端
部がノック穴2aに係合してワーク2が位置決めされる。
また、前記駆動用アクチュエータ21を作動させて保持ピ
ン駆動板19を下降させる。これにより、ワーク保持用上
ピン17がキャビティ部13内に上方から突出した状態とな
る。
【0033】図示しない計量装置によって成型原料が計
量され計量が完了すると、図示しない型締シリンダが作
動して型締が開始される。型締の開始とほぼ同時にキャ
ビティ部13の降温を開始し、型締動作の途中でキャビテ
ィ部13の温度が充填温度となるよう調整する。この調整
は、前記水用バルブ28を開放して通水路26、27に冷却水
を供給させる動作と、水用バルブ28を閉成し前記空気用
バルブ29を開放して圧力空気を供給するエアブローとを
適宜に組み合わせることによって行う。すなわち、通水
路26、27に冷却水を供給するとキャビティ部13は冷却さ
れて降温し、冷却水の供給を停止して圧力空気を吹き込
むと、通水路26、27の溜まった冷却水が押し出されて、
キャビティ部13の降温が停止するから、これらの動作を
組み合わせれば所望の温度に調整できる。そして、キャ
ビティ部13の温度が充填温度にあれば、成型原料は流動
性を失わず、キャビティ部13内へ支障なく供給される。
【0034】型締が終了すると、キャビティ部13内に突
出した状態にある前記ワーク保持用上ピン17がワーク2
に当接する。この状態でワーク2はワーク保持用ピン1
7、18に挟持されてキャビティ部13内で浮いた状態に保
持される。このため、ワーク2とキャビティ部13の内壁
面との間に間隙が形成された状態が維持される。
【0035】また、型締が終了した状態で、図示しない
真空装置を作動させてキャビティ部13内を負圧にする。
キャビティ部13が適宜に減圧された状態で成型原料を射
出し、キャビティ部13へ充填を開始する。このとき、必
要に応じて前記ヒータ31、32を作動させて、キャビティ
部13の温度が充填温度に維持されるように調整する。
【0036】成型原料がキャビティ部13に適宜な量の成
型原料が充填されたならば、前記駆動用アクチュエータ
21、22を作動させて、保持ピン駆動板19を上昇させ、保
持ピン駆動板20を下降させる。これにより、ワーク保持
用上ピン17が上昇し、ワーク保持用下ピン18が下降し
て、それぞれの先端部がキャビティ部13から退避する。
このとき、ワーク2をキャビティ部13内の所定の位置に
維持させるのに充分な成型原料が充填されている。ワー
ク保持用ピン17、18が退避すると、これらワーク保持用
ピン17、18が存していた部分には成型原料が充填されて
いない部分が生じる。このため、さらに成型原料を射出
し、キャビティ部13に供給する。これにより、ワーク保
持用ピン17、18が位置していた部分にも成型原料が充填
されて、ワーク2の全体が成型原料で覆われた状態とな
り、成型原料の充填を終了する。
【0037】前記ヒータ31、32の温度をさらに上昇させ
て、キャビティ部13を熱硬化性樹脂が硬化する温度まで
昇温させる。これにより、一定時間が経過すると成型原
料が硬化して成型品が完成する。次いで型開きを行って
成型品を取り出す。
【0038】以上に説明した実施形態では、成型加工に
熱硬化性樹脂を原料としたものについて説明したが、キ
ャビティ部の温度を冷却水の供給とエアブロー、ヒータ
の作動とを適宜に組み合わせて制御することにより、熱
可塑性樹脂を成型原料とすることもできる。また、ワー
ク2にほぼ矩形の薄肉金属板を用いたものとして説明し
たが、ICカードやマイクロチップなどをワークとして
用いることもでき、形状も成型品の用途に応じた形状の
ものとすることができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る薄
肉被覆層による樹脂被覆方法、または樹脂被覆装置によ
れば、ワークをインサートした状態で成型品の成型加工
を行うことができる。
【0040】また、請求項2の発明に係る薄肉被覆層に
よる樹脂被覆方法、または請求項6の発明に係る樹脂被
覆装置によれば、ワークを熱硬化性樹脂によって容易に
被覆することができると共に、被覆層を極力薄くするこ
とができる。
【0041】また、請求項3の発明に係る薄肉被覆層に
よる樹脂被覆方法、または請求項7の発明に係る樹脂被
覆装置によれば、キャビティ部の温度を簡便に、しかも
確実に所望の温度に調整することができるから、被覆層
の肉厚を極力薄くすることができる。
【0042】また、請求項4の発明に係る薄肉被覆層に
よる樹脂被覆方法、または請求項8の発明に係る樹脂被
覆装置によれば、成型原料のキャビティ部への充填を確
実に行うことができる。したがって、被覆層を極力薄く
して成型加工をすることができる。しかも、成型原料が
確実に充填されるからひけなどを生じることがなく、歩
留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る薄肉被覆層による樹脂被覆装置
の構成を説明するための概略図である。
【図2】この発明に係る薄肉被覆層による樹脂被覆装置
の概略正面図で、一部を切断して示してある。
【図3】図2に示す樹脂被覆装置の概略側面図で、一部
を切断して示してある。
【図4】図2に示す樹脂被覆装置の概略平面図で、一部
を切断して示してある。
【図5】この発明に係る薄肉被覆層による樹脂被覆方法
を説明するタイムチャートである。
【図6】この発明に係る樹脂被覆装置によって加工した
成型品の一例を示す平面図である。
【図7】図6に示す成型品の正面図で、拡大して示して
ある。
【符号の説明】
1 成型品 2 ワーク(板状部材) 2a ノック穴 3 被覆層 10 樹脂被覆装置 11 上型板 11a ガイド孔 12 下型板 12a ガイド孔 13 キャビティ部 15 上型支持板 15a ガイド孔 16 下型支持板 16a ガイド孔 17 ワーク保持用上ピン(ワーク保持手段) 18 ワーク保持用下ピン(ワーク保持手段) 19 保持ピン駆動板 20 保持ピン駆動板 21 駆動用アクチュエータ 22 駆動用アクチュエータ 26 通水路 27 通水路 28 水用バルブ 29 空気用バルブ 31 ヒータ 32 ヒータ 33 真空ポート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:20 B29K 105:20 B29L 31:34 B29L 31:34 (72)発明者 堀 信夫 埼玉県川口市中青木2−18−21 株式会社 山城精機製作所内 Fターム(参考) 4F202 AA36 AD08 AG01 AG03 AK02 AK05 AK09 AR06 CA11 CB01 CB12 CB17 CK11 CL02 CN01 CN05 CN13 CN18 CN21 CN27 CQ03 CQ07 4F206 AA36 AD08 AG01 AG03 AH37 AR065 AR07 JA07 JB12 JB17 JF05 JF35 JL02 JM04 JM05 JN11 JN25 JQ06 JQ81

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉の板状部材などのワークを適宜位置
    に保持させてある金型のキャビティ部内に成型原料を射
    出して該キャビティ部内に充填することにより、前記ワ
    ークの全体を合成樹脂で被覆する薄肉被覆層による樹脂
    被覆方法において、 金型のキャビティ部内の所定位置にワークを保持させ、 型締開始に応じてキャビティ部温度を調整し、 型締めされたキャビティ部内への原料充填完了前に前記
    ワークの保持を解除し、 原料充填完了後にキャビティ部温度を原料硬化温度に調
    整した後、型開きして成型品を取り出すことを特徴とす
    る薄肉被覆層による樹脂被覆方法。
  2. 【請求項2】 薄肉の板状部材などのワークを適宜位置
    に保持させてある金型のキャビティ部内に成型原料を射
    出して該キャビティ部内に充填することにより、前記ワ
    ークの全体を熱硬化性樹脂で被覆する薄肉被覆層による
    樹脂被覆方法において、 金型のキャビティ部内の所定位置にワークを保持させ、 型締開始に応じてキャビティ部温度を充填温度まで下降
    させ、 型締めされたキャビティ部内への原料充填完了前に前記
    ワークの保持を解除し、 原料充填完了後にキャビティ部温度を原料硬化温度まで
    上昇させて硬化させた後、型開きして成型品を取り出す
    ことを特徴とする薄肉被覆層による樹脂被覆方法。
  3. 【請求項3】 前記充填温度と原料硬化温度の調整を、
    金型に配設した通水路に冷却水を供給して金型を冷却
    し、該通路に圧力空気を吹き込んで冷却水を除去して冷
    却を停止し、金型に配設したヒータを作動させて昇温さ
    せながら行うことを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の薄肉被覆層による樹脂被覆方法。
  4. 【請求項4】 型締完了後にキャビティ部内を負圧にす
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか
    に記載の薄肉被覆層による樹脂被覆方法。
  5. 【請求項5】 薄肉の板状部材などのワークを適宜位置
    に保持させてある金型のキャビティ部内に成型原料を射
    出して該キャビティ部内に充填することにより、前記ワ
    ークの全体を合成樹脂で被覆する薄肉被覆層による樹脂
    被覆装置において、 金型のキャビティ部内の所定位置にワークを保持するワ
    ーク保持手段と、 キャビティ部温度を調整する温度調整手段とを備え、 型締開始時に、前記温度調整手段によってキャビティ部
    温度を充填温度に調整し、 型締めされたキャビティ部内への原料充填完了前に前記
    ワーク保持手段によるワークの保持を解除し、 原料充填完了後にキャビティ部温度を前記温度調整手段
    によって原料硬化温度に調整した後、型開きして成型品
    を取り出すことを特徴とする薄肉被覆層による樹脂被覆
    装置。
  6. 【請求項6】 薄肉の板状部材などのワークを適宜位置
    に保持させてある金型のキャビティ部内に成型原料を射
    出して該キャビティ部内に充填することにより、前記ワ
    ークの全体を熱硬化性樹脂で被覆する薄肉被覆層による
    樹脂被覆装置において、 金型のキャビティ部内の所定位置にワークを保持ワーク
    保持手段と、 キャビティ部温度を調整する温度調整手段とを備え、 型締開始時に、前記温度調整手段によってキャビティ部
    温度を充填温度まで下降させ、 型締めされたキャビティ部内への原料充填完了前に前記
    ワーク保持手段によるワークの保持を解除し、 原料充填完了後にキャビティ部温度を、前記温度調整手
    段によって原料硬化温度まで上昇させて硬化させた後、
    型開きして成型品を取り出すことを特徴とする薄肉被覆
    層による樹脂被覆装置。
  7. 【請求項7】 前記温度調整手段は、金型に配設した通
    水路と、前記通水路に冷却水を供給する冷却水供給装置
    と、前記通水路に圧力空気を吹き込むブロワ装置と、前
    記金型に配設したヒータと、からなることを特徴とする
    請求項5または請求項6に記載の薄肉被覆層による樹脂
    被覆装置。
  8. 【請求項8】 前記キャビティ部内を吸引する吸引装置
    を設け、型締完了後にキャビティ部内を負圧にすること
    を特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれかに記載
    の薄肉被覆層による樹脂被覆装置。
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