JP2003299933A - ストリーマ放電形成方法、ストリーマ放電装置、及び空気浄化装置 - Google Patents

ストリーマ放電形成方法、ストリーマ放電装置、及び空気浄化装置

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JP2003299933A
JP2003299933A JP2002178822A JP2002178822A JP2003299933A JP 2003299933 A JP2003299933 A JP 2003299933A JP 2002178822 A JP2002178822 A JP 2002178822A JP 2002178822 A JP2002178822 A JP 2002178822A JP 2003299933 A JP2003299933 A JP 2003299933A
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air
temperature
discharge
streamer discharge
treated
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Application number
JP2002178822A
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English (en)
Inventor
Toshio Tanaka
利夫 田中
Kanji Mogi
完治 茂木
Kenkichi Kagawa
謙吉 香川
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストリーマ放電を安定して行わせるととも
に、そのような装置を安価に提供する。 【解決手段】 互いに対向する第1電極(21)及び第2電
極(22)と、両電極(21,22)にストリーマ放電電圧を印加
する電源(24)と、放電空間(D)の温度を室温よりも高く
調整する温度調整装置(25)とを備え、室温よりも高い温
度雰囲気の放電空間(D)にストリーマ放電を生起させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ストリーマ放電
形成方法、ストリーマ放電装置、及び空気浄化装置の改
良に関し、特にストリーマ放電の安定化対策に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】空気中の有害ガスや悪臭を除去する方法
として、近年、放電を利用した脱臭方法が用いられるよ
うになっている。この方法は、放電空間において発生す
る高エネルギー粒子(電子、イオン、ラジカル等)をガ
ス分子と接触させることによって様々な化学反応を誘起
し、ガス分子を分解する方法である。中でも、汎用的で
安価な直流高圧電源を用いるストリーマ放電は、放電空
間の広い領域に亘って強い放電を生起させることのでき
る放電形態であり、他の放電形態に比べると脱臭効果も
高いという特徴を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ストリ
ーマ放電は、そのメカニズム等に関して未だよく解明さ
れていないこともあって、放電を確実に発生させるこ
と、さらには、これを持続させることが難しいという問
題があった。このため、脱臭機器等に搭載した場合、機
器の性能が不安定となり、十分な脱臭を行えないという
問題が生じていた。
【0004】ところで、放電電圧をパルス状に急峻に変
化させると、ストリーマ放電が発生しやすくなることが
知られていることから、ストリーマ放電を用いる装置で
は、立ち上がり速度が速い高電圧パルス電源を使うのが
好適とされる。この高電圧パルス電源の使用により、ス
トリーマ放電を比較的安定に生起させることができるよ
うになるが、それでもなお、安定性・持続性の面で不十
分であった。また、このような電源は著しく高価なもの
であるから、低価格な脱臭機器の実現は困難である。
【0005】この発明はかかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、ストリーマ放電を安
定して行わせるとともに、そのような装置を安価に提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明は、ある特定の放電雰囲気中でストリーマ
放電を行わせるようにしたことを特徴とする。
【0007】具体的には、この発明は、ストリーマ放電
形成方法及びストリーマ放電装置を対象とし、次のよう
な解決手段を講じた。
【0008】すなわち、請求項1から5に記載の発明
は、前者のストリーマ放電形成方法に関するものであ
り、そのうち、請求項1に記載の発明は、放電空間(D)
又は被処理空気の温度が室温よりも高い状態で放電空間
(D)にストリーマ放電を生起させることを特徴とする。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、放電空間(D)又は被処理空気の温度が
50℃以上150℃以下であることを特徴とする。
【0010】請求項3に記載の発明は、放電空間(D)又
は被処理空気の相対湿度が50%以下の状態で放電空間
(D)にストリーマ放電を生起させることを特徴とする。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1、2又
は3に記載の発明において、放電空間(D)に導入される
被処理空気が吸着剤から脱離した臭気物質を含んだ空気
であることを特徴とする。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1、2、
3又は4に記載の発明において、ストリーマ放電が直流
高電圧により行われることを特徴とする。
【0013】請求項6から10に記載の発明は、後者の
ストリーマ放電装置に関するものであり、そのうち、請
求項6に記載の発明は、放電空間(D)にストリーマ放電
を生起させるストリーマ放電装置であって、互いに対向
する第1電極(21)及び第2電極(22)と、上記両電極(21,
22)にストリーマ放電電圧を印加する電源(24)と、放電
空間(D)又は被処理空気の温度を室温よりも高く調整す
る温度調整手段(25)とを備えたことを特徴とする。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の発明において、温度調整手段(25)は、放電空間(D)又
は被処理空気の温度を50℃以上150℃以下に調整す
るようになっていることを特徴とする。
【0015】請求項8に記載の発明は、放電空間(D)に
ストリーマ放電を生起させるストリーマ放電装置であっ
て、互いに対向する第1電極(21)及び第2電極(22)と、
上記両電極(21,22)にストリーマ放電電圧を印加する電
源(24)と、放電空間(D)又は被処理空気の相対湿度を5
0%以下に調整する湿度調整手段(26)とを備えたことを
特徴とする。
【0016】請求項9に記載の発明は、請求項6、7又
は8に記載の発明において、放電空間(D)に導入される
被処理空気が吸着剤から脱離した臭気物質を含んだ空気
であることを特徴とする。
【0017】請求項10に記載の発明は、請求項6、
7、8又は9に記載の発明において、電源(24)は直流高
圧電源であることを特徴とする。
【0018】請求項11に記載の発明は、放電空間(D)
又は被処理空気の温度を室温よりも高い所定温度にまで
上昇させる第1のステップと、第1のステップによって
放電空間(D)又は被処理空気の温度が所定温度に達して
からストリーマ放電を生起させる第2のステップを備え
ていることを特徴とするストリーマ放電形成方法であ
る。
【0019】請求項12に記載の発明は、請求項11に
記載のストリーマ放電形成方法において、第1のステッ
プでは、放電空間(D)又は被処理空気の温度を50℃以
上150℃以下まで上昇させ、第2のステップでは、放
電空間(D)又は被処理空気の温度を50℃以上150℃
以下に維持することを特徴とするストリーマ放電形成方
法である。
【0020】請求項13に記載の発明は、請求項11又
は12に記載のストリーマ放電形成方法において、第2
のステップでは、被処理空気の相対湿度を50%以下に
維持することを特徴とするストリーマ放電形成方法であ
る。
【0021】請求項14に記載の発明は、請求項11、
12、又は13のいずれか1項に記載のストリーマ放電
形成方法において、放電空間(D)に導入される被処理空
気が吸着剤から脱離した臭気物質を含んだ空気であるこ
とを特徴とするストリーマ放電形成方法である。
【0022】請求項15に記載の発明は、請求項11、
12、13又は14のいずれか1項に記載されたストリ
ーマ放電形成方法において、第1のステップでは、放電
空間(D)へ送られる被処理空気を加熱する加熱手段の発
熱量が、第2ステップでの加熱手段の発熱量よりも多く
なっていることを特徴とするストリーマ放電形成方法で
ある。
【0023】請求項16に記載の発明は、請求項15に
記載されたストリーマ放電形成方法において、第1のス
テップでは、加熱手段により加熱されて放電空間(D)へ
送られる被処理空気の流量を、第2のステップにおいて
放電空間(D)へ送られる被処理空気の流量よりも増加さ
せて、放電空間(D)の温度を上昇させることを特徴とす
るストリーマ放電形成方法である。
【0024】請求項17に記載の発明は、請求項11、
12、13、14、15又は16のいずれか1項に記載
されたストリーマ放電形成方法において、放電空間(D)
の温度を検出手段で検出し、検出した温度に基づいて温
度調節運転を行なうことを特徴とするストリーマ放電形
成方法である。
【0025】請求項18に記載の発明は、請求項11、
12、13、14、15、16又は17のいずれか1項
に記載のストリーマ放電形成方法において、電源(24)は
直流高圧電源であることを特徴とするストリーマ放電形
成方法である。
【0026】請求項19に記載の発明は、放電空間(D)
にストリーマ放電を生起させるストリーマ放電装置であ
って、上記放電空間(D)において互いに対向する第1電
極(21)及び第2電極(22)と、ストリーマ放電を生起させ
るために上記両電極(21,22)に電圧を印加する電源(24)
と、上記放電空間(D)へ送られる被処理空気を加熱する
加熱手段と、始動時には上記加熱手段によって放電空間
(D)又は被処理空気の温度を室温よりも高温である所定
の適正温度にまで上昇させると共に、定常運転時には上
記放電空間(D)又は被処理空気の温度が上記適正温度に
保たれるように加熱手段の発熱量を調節する制御手段と
を備えたことを特徴とするストリーマ放電装置である。
【0027】請求項20に記載の発明は、放電空間(D)
にストリーマ放電を生起させるストリーマ放電装置であ
って、上記放電空間(D)において互いに対向する第1電
極(21)及び第2電極(22)と、ストリーマ放電を生起させ
るために上記両電極(21,22)に電圧を印加する電源(24)
と、上記放電空間(D)へ送られる被処理空気を加熱する
加熱手段と、始動時には上記加熱手段によって放電空間
(D)又は被処理空気の温度を室温よりも高温である所定
の適正温度にまで上昇させてから上記両電極(21,22)に
対する電圧の印加を開始させると共に、定常運転持には
上記両電極(21,22)に対して電圧を印加しながら上記放
電空間(D)又は被処理空気の温度が上記適正温度に保た
れるように加熱手段の発熱量を調節する制御手段とを備
えたことを特徴とするストリーマ放電装置である。
【0028】請求項21に記載の発明は、請求項19又
は20に記載のストリーマ放電装置において、制御手段
における適正温度は、50℃以上150℃以下の範囲で
設定されていることを特徴とするストリーマ放電装置で
ある。
【0029】請求項22に記載の発明は、請求項19、
20又は21のいずれか1項に記載のストリーマ放電装
置おいて、定常運転時に被処理空気の相対湿度を50%
以下に調整する湿度調整手段(26)を備えたことを特徴と
するストリーマ放電装置である。
【0030】請求項23に記載の発明は、請求項19、
20、21又は22のいずれか1項に記載されたストリ
ーマ放電装置において、制御手段は、始動時における加
熱手段の発熱量を定常運転時における加熱手段の発熱量
よりも増大させることを特徴とするストリーマ放電装置
である。
【0031】請求項24に記載の発明は、請求項23に
記載されたストリーマ放電装置において、制御手段は、
始動時に放電空間(D)へ送られる被処理空気の流量を、
定常運転時に放電空間(D)へ送られる被処理空気の流量
よりも増加させることを特徴とするストリーマ放電装置
である。
【0032】請求項25に記載の発明は、請求項19、
20、21、22、23又は24のいずれか1項に記載
されたストリーマ放電装置において、放電空間(D)の温
度を検出する検出手段と、検出した温度に基づいて放電
空間の温度制御を行なう温度制御手段を備えたことを特
徴とするストリーマ放電装置である。
【0033】請求項26に記載の発明は、請求項19、
20、21、22、23、24又は25のいずれか1項
に記載のストリーマ放電装置において、電源(24)は、直
流高圧電源であることを特徴とするストリーマ放電装置
である。
【0034】請求項27に記載の発明は、請求項19、
20、21、22、23、24、25又は26のいずれ
か1項に記載されたストリーマ放電装置と、空気中の臭
気物質を吸着可能な吸着剤とを備え、上記吸着剤に被脱
臭空気中の臭気物質を吸着させる吸着動作と、上記スト
リーマ放電装置の加熱手段により加熱された被処理空気
を吸着剤と接触させて該吸着剤から臭気物質を脱離させ
る脱離動作とを行ない、該脱離動作により吸着剤から脱
離した臭気物質を含んだ被処理空気を上記ストリーマ放
電装置の放電空間(D)へ供給することを特徴とする空気
浄化装置である。
【0035】請求項28に記載の発明は、請求項27に
記載された空気浄化装置において、吸着剤は、被脱臭空
気の通路と被処理空気の通路の両方に跨って配置されて
回転するロータ部材に担持される一方、ストリーマ放電
装置の制御手段は、始動時において、上記ロータ部材の
回転を停止させ、又は上記ロータ部材の回転速度を定常
運転時よりも小さくすることを特徴とする空気浄化装置
である。
【0036】−作用−上記の構成により、請求項1から
10に記載の発明では、ストリーマ放電が長時間に亘っ
て安定し、性能劣化の少ない高精度な脱臭・分解機器が
提供される。特に、請求項2、7に記載の発明では、オ
ゾン等の活性種生成を阻害しないから高い脱臭効果が得
られる。また、請求項4、9に記載の発明では、除去ガ
スを濃縮できて効率が良いだけでなく、脱離に使われる
排熱を放熱部の温度調整に使えてさらに効果的である。
さらに、請求項5、10に記載の発明では、ストリーマ
放電を使った高性能な脱臭・分解機器が低価格で実現で
きる。
【0037】請求項11に記載の発明では、第1のステ
ップで予め放電空間を所定の温度にまで上昇させてか
ら、第2のステップでストリーマ放電が開始される。
【0038】請求項12に記載の発明では、放電空間
(D)又は被処理空気の温度を50℃以上150℃以下の
範囲の温度に上昇させる。
【0039】請求項13に記載の発明では、被処理空気
の相対湿度が50%以下に維持される。
【0040】請求項14に記載の発明では、臭気物質を
含んだ被処理空気が放電空間へ導入される。臭気物質
は、放電空間内でストリーマ放電の作用を受けて分解さ
れ、無臭化される。
【0041】請求項15に記載の発明では、被処理空気
を加熱する加熱手段の発熱量は、第2のステップに比較
して第1のステップの方が多くなっている。そのため、
第2のステップで被処理空気に供給される熱量よりも第
1のステップで供給される熱量の方が多くなる。従っ
て、第1のステップでは、被処理空気が速やかに加熱さ
れ、放電空間(D)に送り込まれる。
【0042】請求項16に記載の発明では、放電空間
(D)に送り込まれる被処理空気の流量は、第2のステッ
プに比較して第1のステップの方が多くなるように設定
されている。そのため、第1のステップでは、被処理空
気によって放電空間に大量の熱量が急速に供給される。
【0043】請求項17に記載の発明では、検出手段に
より検出された放電空間の温度情報に基づき、温度調節
運転が行なわれる。
【0044】請求項18に記載の発明では、安価な直流
電源を用いてストリーマ放電が生起される。
【0045】請求項19に記載の発明では、始動時に
は、放電空間(D)又は被処理空気の温度を室温よりも高
温である所定の適正温度にまで上昇させると共に、定常
運転時はこの適正温度を保って運転される。
【0046】請求項20に記載の発明では、放電空間
(D)において互いに対向する第1電極(21)と第2電極(2
2)との間に、電源(24)から電圧が印加されることにより
ストリーマ放電が生起される。始動時に加熱手段は、放
電空間(D)にストリーマ放電が生起される前に放電空間
(D)又は被処理空気の温度を所定の適正温度にまで上昇
させる。また、ストリーマ放電が生起され始めた後に
は、加熱手段が放電空間(D)又は被処理空気の温度を所
定の適正温度に維持する。
【0047】請求項21に記載の発明では、放電空間
(D)又は被処理空気の温度を50℃以上150℃以下の
範囲の温度に上昇させる。
【0048】請求項22に記載の発明では、被処理空気
の相対湿度が50%以下に維持される。
【0049】請求項23に記載の発明では、被処理空気
を加熱する加熱手段の発熱量は、定常運転時に比較して
始動時の方が多くなっている。そのため、定常運転時に
被処理空気に供給される熱量よりも始動時に供給される
熱量の方が多くなる。従って、始動時に被処理空気は、
速やかに加熱され、放電空間(D)に送り込まれる。
【0050】請求項24に記載された発明では、放電空
間(D)に送り込まれる被処理空気の流量は、定常運転時
に比較して始動時の方が多くなるように設定されてい
る。そのため、第1のステップでは、被処理空気によっ
て放電空間に大量の熱量が急速に供給される。
【0051】請求項25に記載の発明では、検出手段に
より検出された放電空間の温度情報に基づき、温度調節
運転が行なわれる。
【0052】請求項26に記載された発明では、安価な
直流電源を用いてストリーマ放電が生起される。
【0053】請求項27に記載の発明では、吸着動作に
より空気浄化装置に吸入された被脱臭空気中に含まれる
臭気物質が吸着剤に吸着される。脱離動作では、加熱手
段で加熱された被処理空気が、吸着剤と接触して吸着剤
を加熱する。加熱された吸着剤は、吸着動作で吸着した
臭気物質を被処理空気中に放出する。臭気物質は、被処
理空気中に濃縮されて放電空間(D)に供給される。臭気
物質は、放電空間(D)でストリーマ放電の作用を受け分
解、脱臭される。
【0054】請求項28に記載の発明では、吸着剤は、
吸着ロータ(27)に担持されている。吸着ロータ(27)は、
被脱臭空気の通路と被処理空気の通路の両方に跨って配
置されており、吸着動作と再生動作を連続して行なう。
被処理空気は、吸着ロータ(27)を透過する際に吸着材を
加熱し、臭気物質を脱離させる。始動時において、制御
手段は、吸着ロータ(27)の回転を止めるか、あるいはそ
の回転速度を定常運転時の回転速度よりも小さくするこ
とで、被処理空気から熱容量の大きい吸着ロータ(27)へ
奪われる熱を抑制する。吸着ロータ(27)を透過した被処
理空気は、充分な熱を持った状態で放電空間(D)へ導入
される。放電空間(D)は、被処理空気により所定の適正
温度にまで加熱される。放電空間(D)が所定温度にまで
加熱されると、制御手段は、ストリーマ放電を生起させ
ると共に、吸着ロータ(27)の回転速度を定常運転時の回
転速度に修正する。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面に基づいて説明する。
【0056】《実施形態1》図1は、被処理空気中の臭
気成分や有害成分を酸化分解等により処理して空気を浄
化する空気浄化装置(1)の概略構成を示し、この空気浄
化装置(1)に、本発明の一実施形態に係る放電装置(A)及
びプラズマ反応器(20)が適用されている。
【0057】図示するように、この空気浄化装置(1) は
ケーシング(10)内に各機能部品が収納された構成であ
り、機能部品として、集塵フィルタ(11)と遠心ファン(1
2)とプラズマ反応器(20)とがケーシング(10)内に収納さ
れている。なお、図1に符号(13)で示しているのは、プ
ラズマ反応器(20)での放電により発生するオゾンを分解
するためのオゾン分解触媒である。
【0058】ケーシング(10)の1つの側面(図1の右側
の側面)には、ケーシング(10)内に空気を吸い込むため
の空気吸込口(15)が形成され、上面には浄化空気を吹き
出すための空気吹出口(16)が形成されている。空気吸込
口(15)には吸込グリル(15a)が設けられ、空気吹出口(1
6)には吹出グリル(16a) が設けられている。また、空気
吸込口(15)には、吸込グリル(15a)の内側に上記集塵フ
ィルタ(11)を配置して、吸込空気中に含まれる塵埃を捕
集するようにしている。
【0059】空気吹出口(16)は、ケーシング(10)の上面
において空気吸込口(15)とは反対側の縁部(図1の左側
の縁部)に形成されている。そして、この空気吹出口(1
6)に対応して上記遠心ファン(12)がケーシング(10)内に
設けられている。この遠心ファン(12)にはファン用電源
(12a) が接続されている。以上の構成において、ケーシ
ング(10)の内部は、空気吸込口(15)と空気吹出口(16)の
間が被処理空気の流通空間となっている。そして、遠心
ファン(12)を起動すると、被処理空気が空気吸込口(15)
の吸込グリル(15a) 及び集塵フィルタ(11)を通してケー
シング(10)内に吸い込まれる。被処理空気は、下記に詳
述するプラズマ反応器(20)での処理後に、空気吹出口(1
6)の吹出グリル(16a)からケーシング(10)の外に吹き出
される。
【0060】図2はプラズマ反応器(20)の概略構成を示
す斜視図である。このプラズマ反応器(20)は、低温プラ
ズマを発生させるための放電電極である第1電極(21)及
び対向電極である第2電極(22)と、これらの電極(21,2
2)の間で第2電極(22)に近接して配置された処理部材(2
3)とを備えている。
【0061】上記第1電極(21)は、電極板としての基板
(21b)と、この基板(21b)にほぼ直交するように固定され
た多数の針電極(21a)とで構成されている。上記基板(21
b)はメッシュ材やパンチングメタル等からなり、その面
直角方向に空気が通過する多数の開口部(21c)を有して
いる。
【0062】また、上記第2電極(22)にもメッシュ材や
パンチングメタル等のように面直角方向に空気が通過す
る多数の開口部(22a)を有する電極板が用いられてい
る。そして、第2電極(22)は、第1電極(21)の基板(21
b)とほぼ平行になり、針電極(21a)に対してほぼ直角に
なるように配置されている。
【0063】上記両電極(21,22)には、直流高圧電源(2
4)が接続されており、第1電極(21)と第2電極(22)との
間でストリーマ放電が生じるようになっている。このス
トリーマ放電により放電空間(D)に低温プラズマが発生
する。そして、この低温プラズマにより、活性種(被処
理空気中に含まれる臭気物質や有害物質等の被処理成分
に作用する因子)として、高速電子、イオン、オゾン、
ヒドロキシラジカル等のラジカルや、その他励起分子
(励起酸素分子、励起窒素分子、励起水分子等)等が生
成され、これら活性種により被処理空気が処理される。
【0064】一方、上記処理部材(23)は、両電極(21,2
2)間の放電空間(D)中に配置されている。この処理部材
(23)は、空気の流れ方向に沿って貫通する多数の小孔(2
3b) を有するハニカム形状の基材(23a)から構成され、
その表面に被処理空気を処理する際の化学反応を促進す
る触媒物質を担持している。この処理部材(23)は、触媒
物質として、例えば、Mn、MnO2、またはMn23
等のマンガン系触媒を30質量%以上40質量%以下含
有するものを用いることができる。この含有量は好適な
範囲を特定したものであるが、触媒物質には、Mn、M
nO2又はMn2 3等を10質量%以上60質量%以下
含有するものを用いてもよい。
【0065】また、上記処理部材(23)の触媒物質は、P
t,Pd,Ni,Ir,Rh,Co,Os,Ru,F
e,Re,Tc,Mn,Au,Ag,Cu,W,Mo,
Crのうちの少なくとも1種を含んだものとしてもよ
い。
【0066】上記処理部材(23)は、基材(23a)の表面に
触媒物質とともに吸着剤も担持している。吸着剤は、被
処理空気中に含まれる臭気物質や有害物質等の被処理成
分を吸着するものであり、例えば活性炭やゼオライト等
が用いられる。なお、吸着剤には、多孔質セラミック
ス、活性炭繊維、モルデナイト、フェリエライト、シリ
カライト等を使用してもよく、これらのうちの少なくと
も1種を用いるとよい。また、上記処理部材(23)は第2
電極(22)の下流側に配置してもよい。
【0067】この発明の特徴として、上記放電空間(D)
には、温度調整手段としての温度調整装置(25)と湿度調
整手段としての湿度調整装置(26)とが接続され、上記温
度調整装置(25)により放電空間(D)又は被処理空間の温
度を室温よりも高く、具体的には、50℃以上150℃
以下に調整するようになっている。このような温度領域
に設定したのは、50℃未満では、低沸点の中間生成物
によって放電が阻害されるのを抑制するためである。つ
まり、比較的分子量の大きな有害ガスを含む被処理空気
が放電空間(D)に入ると、一部は完全に分解されること
なく中間体のままで残存する。それらの一部は粘性のあ
る液状となって電極(21,22)や処理部材(23)の触媒に付
着・蓄積し、やがては放電を阻害するようになる。室温
放電で放電が維持できないのはそのためである。一例と
して、テトラヒドロフラン等が挙げられるが、これらの
物質は比較的沸点が低いので、放電空間(D)の温度を5
0℃以上に保持すれば液状にならずに付着を抑制するこ
とができる。例えば、テトラヒドロフランの沸点は64
℃であり、ストリーマ放電領域内は周辺よりも空気温度
が20℃以上高いことが判っているので、空気温度を5
0℃以上に保持すれば、放電領域の温度は沸点以上にな
って液状で付着することがなくなるものと考えられる。
特に、上記の温度領域の中でも100℃程度が好まし
い。その理由は、放電装置内の気流の状態等によって放
電空間(D)内に温度ムラが発生するから、局所的に上記
の温度領域を逸脱するケースが発生する可能性がある。
そのような領域を最小限に止めるために装置全体の平均
温度を100℃付近に設定するのが望ましいからであ
る。図3及び図4は上記のことを実証している。すなわ
ち、図3で実線で示すものは100℃の場合のデータで
あり、破線で示すものは25℃の場合のデータである。
このデータによれば、放電電流は、100℃の場合は3
00時間近く放電してもさほど低下しないが、25℃の
場合は50時間程で急激に低下してしまった。また、図
4ではトルエン除去効率が50〜150℃の範囲で好ま
しいことを物語っているデータである。因みに、トルエ
ン除去効率は、入口濃度をCin、出口濃度をCoutとす
ると、1−Cout/Cinで得た値である。
【0068】一方、上記湿度調整装置(26)により放電空
間(D)の相対湿度を50%以下に調整するようになって
いる。このように相対湿度を50%以下に設定したの
は、図5に示すように、湿度の変動に対する放電電流の
変動を小さくするためであり、こうすることで性能を安
定させることができるのである。例えば、±5%の湿度
変動に対して放電電流の変動を10%以内に抑えること
ができる。電流値は脱臭性能と相関するから、性能の変
動が10%以内に抑えられ、機器の十分な安定性を保持
することができる。
【0069】−運転動作− 次に、この空気浄化装置(1) の運転動作について説明す
る。
【0070】この空気浄化装置(1)の運転を開始し、遠
心ファン(12)が起動すると、まず、空気吸込口(15)から
被処理空気が吸い込まれて、この空気に含まれる塵埃が
集塵フィルタ(11)によって捕集される。空気浄化装置
(1)の運転時は、プラズマ反応器(20)の第1電極(21)と
第2電極(22)との間でストリーマ放電が生じており、集
塵フィルタ(11)で塵埃が除去された空気は、両電極(21,
22)の間の放電空間(D)を通過する。この放電空間(D)の
温度は、温度調整装置(25)により50℃以上150℃以
下と室温よりも高く設定されている。また、相対湿度は
50%以下に設定されている。
【0071】ストリーマ放電の放電空間(D)では低温プ
ラズマが長期間に亘って安定して生成されて各種の活性
種が発生している。そして、これらの各種活性種は、処
理部材(23)の触媒と接触することにより、放電空間(D)
を通過する被処理空気中の有害物質や臭気物質と効率良
く反応して、これらの物質を精度良く分解除去する。こ
のため、被処理空気中の有害物質や臭気物質は、プラズ
マと触媒の相乗効果によって素早く分解される。
【0072】具体的には、例えば、触媒に含まれている
Mn、MnO2又はMn23等のマンガン系触媒は、低
温プラズマにより発生したオゾンを酸素と活性酸素に分
解し、オゾンよりも反応性の高い活性酸素が被処理空気
中の有害物質や臭気物質と反応する。また、上述した他
の触媒物質を含ませた場合、これらの触媒物質は活性酸
素を始めとして低温プラズマの各種活性種をさらに励起
して活性をより高くしたり、活性種を活性状態のまま吸
着する働きがある。このため、被処理空気中の有害物質
や臭気物質がプラズマと触媒の相乗効果によって素早く
分解されることになる。特に、放電空間(D)の温度が5
0℃以上150℃以下に調整されていることにより、オ
ゾン等の活性種生成を阻害せずに高い脱臭効果を得るこ
とができる。
【0073】さらに、処理部材(23)には吸着剤も含まれ
ているため、被処理空気中の有害物質や臭気物質が吸着
剤に吸着され、低温プラズマの活性種がこれらの成分に
確実に作用して、分解処理を促進する。つまり、触媒と
吸着剤とを一つの処理部材(23)に含ませるようにしたこ
とによって、より安定した処理が行われる。また、直流
高圧電源(24)の使用によりストリーマ放電による高性能
な脱臭を低価格で実現することができる。
【0074】《実施形態2》図6は別の実施形態を示
す。ここでは、空気浄化装置(2) は、回転式に構成され
た吸着ロータ(27)を備え、吸着ロータ(27)はハニカム状
で通気性を有し、表面に吸着剤を担持している。該吸着
ロータ(27)は、浄化対象である空気が流れる吸着通路(2
8)と、高温の再生空気が流れる再生通路(29)とに跨って
配置されている。そして、吸着ロータ(27)は、吸着通路
(28)側で空気中の有害成分や臭気成分を吸着して空気を
浄化する一方で、再生通路(29)側ではこれらの成分を高
温の再生空気中に放出するように構成されている。再生
通路(29)には、再生空気を加熱するためにヒータ(30)が
設けられている。
【0075】ストリーマ放電装置(A)は、吸着ロータ(2
7)から脱離した有害成分や臭気成分を含む高温の空気が
流通する再生通路(29)に設けられており、放電による低
温プラズマの作用でこれらの成分を分解するように構成
されている。
【0076】放電装置(A) は、第1電極(21)及び第2電
極(22)と、両電極(21,22)に放電電圧を印加する直流高
圧電源(24)(図示せず)とで構成され、両電極(21,22)
の間に触媒と吸着剤を含む処理部材(23)を配置すること
でプラズマ反応器(20)が構成されている。なお、前述の
実施形態と同様に、温度調整装置(25)及び湿度調整装置
(26)でストリーマ放電の放電空間(D)の雰囲気温度を5
0℃以上150℃以下に、相対湿度を50%以下に調整
するようになっている。
【0077】したがって、この実施形態では、前述の実
施形態と同様の作用効果を奏することができるものであ
る。加えて、この実施形態では、放電空間(D)に導入さ
れる被処理空気が吸着剤に一旦吸着させた後加熱により
脱離された空気であるので、除去ガスを濃縮できて効率
が良いだけでなく、脱離に使われる排熱を放熱部の温度
調整に使えてさらに効果的である。
【0078】なお、上記各実施形態では、放電空間(D)
の温度及び相対湿度を温度調整装置(25)及び湿度調整装
置(26)で調整するようにしたが、被処理空気の温度を5
0℃以上150℃以下に、相対湿度を50%以下に調整
し、この調整された被処理空気を放電空間(D)に導入す
るようにしてもよい。この際、被処理空気自体の温度及
び湿度が上述の如き範囲になっている場合には、あえて
温度調整装置(25)及び湿度調整装置(26)で温度及び相対
湿度を調整する必要はないことは言うまでもない。
【0079】《実施形態3》図7は、他の実施形態に係
る空気浄化装置(3)の概略構成を示す。
【0080】空気浄化装置(3)は、各機能部品を収納す
るケーシング(10)を備える。機能部品としては、集塵フ
ィルタ(11)、メインファン(44)、再生用ファン(45)、吸
着ロータ(27)、プラズマ反応器(20)、熱交換モジュール
(46)等が使用されている。
【0081】ケーシング(10)の1つの側面には、ケーシ
ング(10)内に空気を吸い込むための空気吸込口(15)が形
成され、上面には浄化空気を吹き出すための空気吹出口
(16)が形成されている。空気吸込口(15)には、吸込グリ
ル(15a)が設けられ、空気吹出口(16)には、吹出グリル
(16a)が設けられている。また、吸込グリル(15a)の内側
には、上記集塵フィルタ(11)を配置して、吸込空気中に
含まれる塵埃を捕集するようにしている。空気吹出口(1
6)に対応してメインファン(44)がケーシング(10)内に設
置されている。
【0082】ケーシング(10)内には、2系統の空気流路
が形成されている。第1の空気流路である吸着流路(4)
は、空気吸込口(15)から集塵フィルタ(11)と、吸着ロー
タ(27)の吸着領域(27a)を経て空気吹出口(16)に到る空
気流路である。
【0083】第2の空気流路である再生流路(5)は、空
気吸込口(15)から集塵フィルタ(11)と、吸着ロータ(27)
の冷却領域(27b)を経て熱交換モジュール(46)に到る。
熱交換モジュール(46)の下流側から出た再生流路(5)
は、再び吸着ロータ(27)の脱離領域(27c)を経てプラズ
マ反応器(20)へ到る。プラズマ反応器(20)から出た再生
流路(5)は、再び上記熱交換モジュール(46)を経て、吸
着流路(4)の吸着ロータ(27)の下流側に到る。第2の空
気流路の途中、集塵フィルタ(11)の下流付近には、再生
流路(5)に空気を流すための再生用ファン(45)が設置さ
れている。また、脱離領域(27c)の手前には、加熱手段
としてヒータ(30)が設置されている。
【0084】ケーシング内(10)に設置された吸着ロータ
(27)は、ハニカム材を用いて円盤状に形成されており、
表面から裏面に向かって通気性を有している。吸着ロー
タ(27)を構成するハニカム材の表面には、吸着剤が担持
されている。吸着ロータ(27)は、駆動モータ(40)によっ
て所定の回転速度で回転する。
【0085】吸着ロータ(27)の上流側と下流側は、吸着
領域(27a)、冷却領域(27b)及び脱離領域(27c)の3つの
領域に仕切られている。吸着ロータ(27)は、それら3つ
の領域に跨って設置されている。吸着ロータ(27)の上流
側と下流側には、それぞれの領域を通過する空気が混じ
り合わないように仕切構造が形成されている。
【0086】吸着領域(27a)では、吸着流路(4)を流れる
被脱臭空気に含まれる臭気成分や有害成分が吸着ロータ
(27)の吸着剤に吸着される。
【0087】脱離領域(27c)では、ヒータ(30)で加熱さ
れた被処理空気が吸着ロータ(27)の吸着剤と接触する。
そして、吸着剤が被処理空気によって加熱され、吸着領
域(27a)で吸着剤に吸着した臭気成分が吸着剤から脱離
する。
【0088】冷却領域(27b)では、再生流路(5)を流れる
被処理空気によって、脱離領域(27c)で加熱された吸着
ロータ(27)が冷却される。
【0089】プラズマ反応器(20)は、ストリーマ放電装
置(19)及び処理部材(23)がチャンバ(32)に収納されて構
成されている。ストリーマ放電装置(19)は、第1電極(2
1)及び第2電極(22)と、両電極(21,22)に放電電圧を印
加する直流高圧電源(図示せず)を備えている。チャン
バ(32)内に対向して設置された第1電極(21)と第2電極
(22)との間の空間が放電空間(D)となる。両電極(21,22)
の間には、触媒と吸着剤を含む処理部材(23)が配置され
ている。チャンバ(32)の流入口付近には、温度センサ(4
8)及び湿度センサ(49)が設置されている。
【0090】温度センサ(48)は、チャンバ(32)内の放電
空間(D)へ流入する被処理空気の温度を検出する。温度
センサ(48)は、検出した温度を電気信号で制御装置(50)
の温度検出装置(51)に出力する。
【0091】湿度センサ(49)は、チャンバ(32)内の放電
空間(D)へ流入する被処理空気の相対湿度を検出する。
湿度センサ(49)は、検出した相対湿度を電気信号で制御
装置(50)の湿度検出装置(図示せず)に出力する。
【0092】上記第1電極(21)は、電極板としての基板
(21b)と、この基板(21b)にほぼ直交するように固定され
た多数の針電極(21a)とで構成されている。上記基板(21
b)はメッシュ材やパンチングメタル等からなり、その面
直角方向に空気が通過する多数の開口部(21c)を有して
いる。
【0093】また、上記第2電極(22)にもメッシュ材や
パンチングメタル等のように面直角方向に空気が通過す
る多数の開口部(22a)を有する電極板が用いられてい
る。そして、第2電極(22)は、第1電極(21)の基板(21
b)とほぼ平行になり、針電極(21a)に対してほぼ直角に
なるように配置されている。
【0094】上記両電極(21,22)には、直流高圧電源が
接続されており、第1電極(21)と第2電極(22)との間で
ストリーマ放電が生じるようになっている。
【0095】上記処理部材(23)は、両電極(21,22)間の
放電空間(D)中に配置されている。この処理部材(23)
は、空気の流れ方向に沿って貫通する多数の小孔(23b)
を有するハニカム材の基材から構成され、その表面に被
処理空気を処理する際の化学反応を促進する触媒物質を
担持している。この処理部材(23)は、触媒物質として、
例えば、Mn、MnO2、またはMn23等のマンガン
系触媒を30質量%以上40質量%以下含有するものを
用いることができる。この含有量は好適な範囲を特定し
たものであるが、触媒物質には、Mn、MnO2又はM
23等を10質量%以上60質量%以下含有するもの
を用いてもよい。
【0096】また、上記処理部材(23)の触媒物質は、P
t,Pd,Ni,Ir,Rh,Co,Os,Ru,F
e,Re,Tc,Mn,Au,Ag,Cu,W,Mo,
Crのうちの少なくとも1種を含んだものとしてもよ
い。
【0097】上記処理部材(23)は、基材の表面に触媒物
質とともに吸着剤も担持している。吸着剤は、被処理空
気中に含まれる臭気物質や有害物質等の被処理成分を吸
着するものであり、例えば活性炭やゼオライト等が用い
られる。なお、吸着剤には、多孔質セラミックス、活性
炭繊維、モルデナイト、フェリエライト、シリカライト
等を使用してもよく、これらのうちの少なくとも1種を
用いるとよい。また、上記処理部材(23)は第2電極(22)
の下流側に配置してもよい。
【0098】熱交換モジュール(46)は、プラズマ反応器
(20)から放出される廃熱を回収して、前記吸着ロータ(2
7)の冷却領域(27b)から脱離領域(27c)へ送られる被処理
空気の加熱に再利用する。
【0099】本実施形態に係る空気浄化装置(3)は、制
御手段として制御装置(50)を備える。該制御装置(50)
は、温度検出装置(51)、ヒータ制御装置(52)、ロータ回
転数制御装置(53)、再生風量制御装置(54)を備える。
【0100】温度検出装置(51)は、温度センサ(48)の出
力信号に基づき、プラズマ反応器(20)の放電空間(D)又
はプラズマ反応器(20)に流入する被処理空気の温度を検
出する。この温度検出装置(51)で検出された温度の値
は、放電空間(D)の温度を近似的に表している。温度検
出装置(51)は、検出した温度情報をヒータ制御装置(5
2)、ロータ回転数制御装置(53)及び再生風量制御装置(5
4)に入力する。ヒータ制御装置(52)は、入力された温度
情報に基づき、ヒータ(30)の温度を制御する。ロータ回
転数制御手段(53)は、入力された温度情報に基づき吸着
ロータ(27)の回転数を制御する。再生風量制御手段(54)
は、入力された温度情報に基づき再生用ファン(45)の能
力を制御し、再生流路(5)を流れる被処理空気の流量を
調節する。
【0101】−運転動作− 次に、この空気浄化装置(3)の運転動作について説明す
る。
【0102】この空気浄化装置(3)のメインスイッチが
入ると、メインファン(44)が作動すると共に、温度検出
装置(51)は、温度センサ(48)で放電空間(D)の温度を検
出する。 温度検出装置(51)は、検出した温度に関する
情報をヒータ制御装置(52)、ロータ回転数制御装置(53)
及び再生風量制御装置(54)に入力する。
【0103】ヒータ制御装置(52)は、放電空間(D)の温
度が50℃未満である場合、ヒータ(30)の発熱量を定常
運転時に比較して大きい状態で作動させる。ロータ回転
数制御装置(53)は、放電空間(D)の温度が50℃未満で
ある場合、駆動モータ(47)を停止状態に保持する。再生
風量制御装置(54)は、放電空間の温度が50℃未満であ
る場合、被処理空気の流量が定常運転時に比較して多く
なるように再生用ファン(45)を制御する。
【0104】このように空気浄化装置(3)の始動時にお
いて、ヒータ(30)の発熱量及び被処理空理の流量は、定
常運転時に比較して大きい状態で作動する。従って、ヒ
ータ(30)によって充分に加熱された被処理空気は、急速
に放電空間(D)に送り込まれる。この時点で吸着ロータ
(27)は、まだ回転していない。従って、ヒータ(30)で加
熱された被処理空気は、脱離領域(27c)に位置する吸着
ロータ(27)の一部のみを透過してプラズマ反応器(20)へ
送り込まれる。そのため、吸着ロータ(27)が回転してい
る状態に比べて、熱容量の大きい吸着ロータ(27)が被処
理空気から奪う熱量を最小限にとどめることができる。
【0105】尚、この場合、吸着ロータ(27)の回転速度
を定常運転時よりも遅くすることにより、吸着ロータ(2
7)が被処理空気から奪う熱量を削減するようにしてもよ
い。
【0106】温度検出装置(51)は、放電空間(D)の温度
が50℃以上150℃以下の最適温度に上昇したことを
検知すると、ロータ回転数制御装置(53)、ヒータ制御装
置(52)及び再生風量制御装置(53)にその旨の信号を入力
する。
【0107】該信号を受けたロータ回転数制御装置(53)
は、駆動モータ(40)に電流の供給を開始する。駆動モー
タ(40)の動力は、駆動ベルト等適当な動力伝達手段によ
って吸着ロータ(27)に伝達される。ヒータ制御装置(52)
は、ヒータ(30)の発熱量を削減して定常運転時の発熱量
とする。再生風量制御装置(54)は、再生用ファン(45)の
出力を低下させて、プラズマ反応器(20)に送り込まれる
被処理空気の風量を定常運転時の風量とする。このよう
に、ヒータ(30)の発熱量、吸着ロータ(27)の回転数、及
び被処理空気の風量が適切に制御されて定常運転が開始
される。
【0108】定常運転では、メインファン(44)により空
気吸込口(15)から空気が吸い込まれる。この空気は、集
塵フィルタ(11)によって塵埃が除去される。除塵された
空気は、吸着流路(4)と再生流路(5)に分かれて空気浄化
装置(3)内を流れてゆく。
【0109】吸着流路(4)に流れ込んだ空気は、被脱臭
空気として吸着領域(27a)で吸着ロータ(27)を透過す
る。吸着ロータ(27)を透過する際、被脱臭空気に含まれ
る臭気成分や有害物質は、吸着ロータ(27)の吸着剤に吸
着される。臭気成分等が吸着除去された空気は、浄化空
気となって空気吹出口(16)に向かって流される。
【0110】再生流路(5)に流れ込んだ空気は、冷却領
域(27b)で吸着ロータ(27)を透過する。吸着ロータ(27)
を透過する際、この空気は、吸着ロータ(27)から吸熱す
る。脱離領域(27c)で加熱されて冷却領域(27b)へ異動し
てきた吸着ロータ(27)は、再生流路(5)を流れる空気に
よって冷却される。冷却領域(27b)の下流側へ流れ出た
空気は、熱交換モジュール(46)へ流入し、プラズマ反応
器(20)から流出した空気によって予備的に加熱される。
【0111】熱交換モジュール(46)を出た空気は、ヒー
タ(30)で100℃程度に加熱されて、脱離領域(27c)で
吸着ロータ(27)を透過する。吸着ロータ(27)の吸着剤
は、ヒータ(30)からの空気によって加熱され、臭気成分
や有害物質が吸着剤から脱離する。吸着剤から脱離した
臭気成分等を含んだ空気は、被処理空気としてプラズマ
反応器(20)に流れ込む。
【0112】空気浄化装置(3)の運転時は、プラズマ反
応器(20)の第1電極(21)と第2電極(22)との間でストリ
ーマ放電が生じている。吸着ロータ(27)で臭気物質等を
含んだ被処理空気は、両電極(21,22)の間の放電空間(D)
を通過する。この放電空間(D)の温度は、ヒータ制御装
置(52)により50℃以上150℃以下と室温よりも高く
設定されている。また、相対湿度は50%以下に設定さ
れている。
【0113】ストリーマ放電の放電空間(D)では低温プ
ラズマが長期間に亘って安定して生成されることによ
り、オゾン等各種の活性種が発生している。そして、こ
れらの各種活性種は、処理部材(23)の触媒と接触するこ
とにより、放電空間(D)を通過する被処理空気中の有害
物質や臭気物質と効率良く反応して、これらの物質を分
解除去する。このため、被処理空気中の有害物質や臭気
物質は、プラズマと触媒の相乗効果によって素早く分解
される。
【0114】具体的には、例えば、触媒に含まれている
Mn、MnO2又はMn23等のマンガン系触媒は、低
温プラズマにより発生したオゾンを酸素と活性酸素に分
解し、オゾンよりも反応性の高い活性酸素が被処理空気
中の有害物質や臭気物質と反応する。また、上述した他
の触媒物質を含ませた場合、これらの触媒物質は活性酸
素を始めとして低温プラズマの各種活性種をさらに励起
して活性をより高くしたり、活性種を活性状態のまま吸
着する働きがある。
【0115】このため、被処理空気中の有害物質や臭気
物質がプラズマと触媒の相乗効果によって素早く分解さ
れることになる。特に、放電空間(D)の温度が50℃以
上150℃以下に調整されていることにより、オゾン等
の活性種生成を阻害せずに高い脱臭効果を得ることがで
きる。
【0116】ここで、ストリーマ放電を安定的に持続さ
せるためには、放電空間(D)及び放電電極(21,22)の温度
を適正に制御することが有効である。つまり、放電空間
(D)等の温度が室温程度と低い場合に放電を開始する
と、被処理空気中に含まれる臭気成分のうち比較的分子
量の大きいものは、二酸化炭素や水にまで完全に分解さ
れないことがある。完全に分解されずに放電空間(D)に
残留する中間分解物質は、低温下でタール状の性状を有
するものが多い。これらタール状の中間分解物質は、放
電電極(21,22)の表面に付着して放電能力を低下させて
しまう。中間分解物質の電極等への付着を防止するため
には、電極(21,22)の温度を中間分解物質の沸点以上に
上げてやることが効果的である。
【0117】特に、ストリーマ放電装置の始動時には、
放電空間(D)や放電電極(21,22)が室温程度にまで下がっ
ている。従って、この状態で、ストリーマ放電が始まる
と、温度の上がり切っていない放電電極(21,22)に大量
の中間分解物質が付着してしまい著しく放電能力が低下
してしまう。従って、ストリーマ放電が始まる時点で放
電空間(D)や放電電極(21,22)が所定の温度に昇温されて
いることが望ましい。
【0118】そこで、本実施形態では、空気清浄機の始
動時において、ストリーマ放電を開始する前に放電空間
(D)や放電電極(21,22)を所定の温度にまで昇温してい
る。そのため、ストリーマ放電が開始され臭気成分等が
分解された際、中間分解物質が生成されたとしても、放
電空間(D)の温度が中間分解物質の沸点以上となってい
るため、それら中間分解物質が電極(21,22)や処理部材
(23)に付着することもない。
【0119】さらに、処理部材(23)には吸着剤も含まれ
ているため、被処理空気中の有害物質や臭気物質が吸着
剤に吸着され、低温プラズマの活性種がこれらの成分に
確実に作用して、分解処理を促進する。つまり、触媒と
吸着剤とを一つの処理部材(23)に含ませるようにしたこ
とによって、より安定した処理が行われる。
【0120】このように、所定の最適温度に温度調整さ
れたプラズマ反応器(20)で分解された臭気成分等は、プ
ラズマ反応器(20)を出て前記熱交換モジュール(46)に流
れ込む。
【0121】熱交換モジュール(46)では、浄化空気が前
記被処理空気に対して放熱する。放熱後の浄化空気は、
吸着ロータ(27)の吸着領域(27a)の下流側で、第1の空
気流路を流れる浄化空気と合流し、空気吹出口(16)から
ケーシング(10)外へ放出される。
【0122】《変形例》本実施形態に係る空気浄化装置
(3)の変形例として、始動時に放電空間(D)又は被処理空
気を加熱する暖気運転用ヒータ(31)を用いることも可能
である。
【0123】図8に示すように、暖気運転用ヒータ(31)
は、第2の空気流路のプラズマ反応器(20)の入り口付近
に設置するのが好ましい。この暖気運転用ヒータ(31)を
備えることにより、空気浄化装置(3)の始動時におい
て、暖気運転用ヒータ(31)で加熱された被処理空気は、
吸着ロータ(27)を透過することなく放電空間に送り込ま
れるため、吸着ロータ(27)に熱を奪われることなく効率
的に放電空間(D)を加熱することができる。そのため、
より短い時間で定常運転に移行することができる。
【0124】また、始動時に放電空間(D)の温度上昇を
待たずに、放電を開始することもできる。この場合、始
動時からヒータ(30)の能力を高く設定し、放電空間(D)
の温度がが速やかに上昇するようにすることにより、始
動時から放電を始めても長期間、安定した放電を得るこ
とができる。
【0125】熱交換モジュール(46)内の廃熱流路側に、
Pt触媒などオゾン分解作用を有する触媒を担持させる
ことも可能である。このようにオゾン分解触媒を担持さ
せることにより、プラズマ反応器(20)から臭気成分と反
応せずに流出してきたオゾンガスを酸素に分解すること
ができる。そのため、空気吹出口(16)からオゾンガスの
放出が防止でき、安全性を向上させることができる。
【0126】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1から10
に係る発明によれば、放電空間(D)又は被処理空気の温
度を室温よりも高く調整したり、あるいは放電空間(D)
又は被処理空気の相対湿度を50%以下に調整するの
で、ストリーマ放電を長時間に亘って安定させることが
でき、性能劣化の少ない高精度な脱臭・分解機器を提供
することができる。特に、請求項2、7に記載の発明で
は、ストリーマ放電を50℃以上150℃以下の雰囲気
中で行わせるので、オゾン等の活性種生成を阻害せずに
高い脱臭効果を得ることができる。また、請求項4、9
に記載の発明では、放電空間(D)に導入される被処理空
気を吸着剤に一旦吸着させた後加熱により脱離されるの
で、さらに効率良く脱臭することができる。さらに、請
求項5、10に記載の発明では、ストリーマ放電を直流
高圧電源(24)で行わせるので、高性能な脱臭・分解機器
を低価格で実現できる。
【0127】請求項11に記載の発明によれば、第1の
ステップで予め放電空間を所定の温度にまで上昇させて
から、第2のステップでストリーマ放電が開始されるた
め、安定したストリーマ放電を維持することができる。
【0128】請求項12に記載の発明によれば、放電空
間(D)又は被処理空気の温度を50℃以上150℃以下
の範囲の温度に上昇させ、その温度を維持した状態でス
トリーマ放電を行なうことにより、安定したストリーマ
放電を維持することができる。
【0129】請求項13に記載の発明によれば、被処理
空気の相対湿度が50%以下に維持されることにより、
湿度の変動に対する放電電流の変動を小さく抑えること
ができる。従って、安定したストリーマ放電を維持する
ことができる。
【0130】請求項14に記載の発明によれば、吸着剤
に吸着された臭気物質を吸着剤から脱離させる際に使わ
れた熱が、有効に利用される。
【0131】請求項15に記載の発明によれば、被処理
空気を加熱する加熱手段の発熱量は、第2のステップに
比較して第1のステップの方が多くなっているため、始
動時に被処理空気が速やかに加熱され、放電空間(D)に
送り込まれ放電空間も速やかに加熱される。従って、始
動後、短い時間で定常運転に移行することができる。
【0132】請求項16に記載の発明によれば、放電空
間(D)に送り込まれる被処理空気の流量は、第2のステ
ップに比較して第1のステップの方が多くなるように設
定されている。そのため、第1のステップでは、被処理
空気によって放電空間に大量の熱量が急速に供給され
る。そのため、更に短い時間で定常運転に移行すること
ができる。
【0133】請求項17に記載の発明によれば、検出手
段により検出された放電空間の温度情報に基づき、温度
調節運転が行なわれるため、放電空間(D)の温度を正確
に適正範囲に調整することができる。
【0134】請求項18に記載の発明によれば、安価な
直流電源を使用するため、ストリーマ放電を使った高性
能な脱臭・分解機器が低価格で実現できる。
【0135】請求項19に記載の発明によれば、始動時
に加熱手段によって放電空間(D)又は被処理空気を措定
の温度に上昇させると共に、定常運転時には、上記適正
温度が保たれる。そのため、始動時から安定した放電を
維持することができる。
【0136】請求項20に記載の発明によれば、始動時
に加熱手段は、放電空間(D)にストリーマ放電が生起さ
れる前に放電空間(D)又は被処理空気の温度を所定の適
正温度にまで上昇させる。そのため、安定したストリー
マ放電を維持することができる。
【0137】請求項21に記載の発明によれば、放電空
間(D)又は被処理空気の温度を50℃以上150℃以下
の範囲の温度に上昇させ、その温度を維持した状態でス
トリーマ放電を行なうことにより、安定したストリーマ
放電を維持することができる。
【0138】請求項22に記載の発明によれば、被処理
空気の相対湿度が50%以下に維持されることにより、
安定したストリーマ放電を維持することができる。
【0139】請求項23に記載の発明によれば、被処理
空気を加熱する加熱手段の発熱量は、定常運転時に比較
して始動時の方が多くなっている。そのため、始動時に
被処理空気は、速やかに加熱され、放電空間(D)も速や
かに加熱される。従って、始動後、短い時間で定常運転
に移行することができる。
【0140】請求項24に記載の発明によれば、放電空
間(D)に送り込まれる被処理空気の流量は、定常運転時
に比較して始動時の方が多くなるように設定されてい
る。そのため、第1のステップでは、被処理空気によっ
て放電空間に大量の熱量が急速に供給され、放電空間
(D)が速やかに加熱される。従って、始動後、短い時間
で定常運転に移行することができる。
【0141】請求項25に記載の発明によれば、検出手
段により検出された放電空間の温度情報に基づき、温度
調節運転が行なわれる。従って、放電空間(D)の温度を
正確に適正範囲に調整することができる。
【0142】請求項26に記載の発明によれば、安価な
直流電源を使用するため、ストリーマ放電を使った高性
能な脱臭・分解機器が低価格で実現できる。
【0143】請求項27に記載の発明によれば、吸着動
作と脱離動作で濃縮された臭気物質は、放電空間(D)で
ストリーマ放電の作用を受けて効果的に分解され、脱臭
される。従って、高性能な空気清浄機を実現することが
できる。
【0144】請求項28に記載された発明では、始動時
において、制御手段は、ロータ部材の回転を止めるか、
あるいはその回転速度を定常運転時の回転速度よりも小
さくすることで、被処理空気から熱容量の大きいロータ
部材へ奪われる熱を抑制する。そのため、放電空間(D)
を速やかに所定の適正温度にまで加熱することがで
き、、始動後、短い時間で定常運転に移行可能な空気清
浄機を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るストリーマ放電装
置とプラズマ反応器を適用した空気浄化装置の断面構成
図である。
【図2】プラズマ反応器の概略構成を示す斜視図であ
る。
【図3】放電空間の温度が100℃と25℃における放
電電流と放電時間の関係を示すデータである。
【図4】トルエン除去効率と放電部温度との関係を示す
データである。
【図5】放電電流と相対湿度との関係を示すデータであ
る。
【図6】別の実施形態に係る空気浄化装置の概略構成図
である。
【図7】別の実施形態に係る空気浄化装置の概略図であ
る。
【図8】別の実施形態に係る空気浄化装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
(21) 第1電極 (22) 第2電極 (24) 直流高圧電源 (50) 制御装置 (51) 温度検出装置 (52) ヒータ制御装置 (53) ロータ回転数制御装置 (54) 再生風量制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 9/16 A61L 9/16 D Z B01J 19/08 B01J 19/08 E (72)発明者 香川 謙吉 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 Fターム(参考) 4C002 BB04 CC10 DD03 DD05 EE10 FF01 HH10 4C080 AA05 AA07 AA09 BB02 CC01 HH05 JJ03 KK08 LL02 LL10 MM02 MM04 MM06 MM07 NN01 QQ01 QQ11 QQ12 4G075 AA03 AA37 AA63 AA65 BA05 BB04 BB05 CA02 CA15 CA47 CA54 DA02 DA18 EB01 EC21 ED04 FA08

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電空間(D)又は被処理空気の温度が室
    温よりも高い状態で放電空間(D)にストリーマ放電を生
    起させることを特徴とするストリーマ放電形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のストリーマ放電形成方
    法において、 放電空間(D)又は被処理空気の温度が50℃以上150
    ℃以下であることを特徴とするストリーマ放電形成方
    法。
  3. 【請求項3】 放電空間(D)又は被処理空気の相対湿度
    が50%以下の状態で放電空間(D)にストリーマ放電を
    生起させることを特徴とするストリーマ放電形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3に記載のストリーマ
    放電形成方法において、 放電空間(D)に導入される被処理空気が吸着剤から脱離
    した臭気物質を含んだ空気であることを特徴とするスト
    リーマ放電形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4に記載のストリ
    ーマ放電形成方法において、 ストリーマ放電が直流高電圧により行われることを特徴
    とするストリーマ放電形成方法。
  6. 【請求項6】 放電空間(D)にストリーマ放電を生起さ
    せるストリーマ放電装置であって、 互いに対向する第1電極(21)及び第2電極(22)と、 上記両電極(21,22)にストリーマ放電電圧を印加する電
    源(24)と、 放電空間(D)又は被処理空気の温度を室温よりも高く調
    整する温度調整手段(25)とを備えたことを特徴とするス
    トリーマ放電装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のストリーマ放電装置に
    おいて、 温度調整手段(25)は、放電空間(D)又は被処理空気の温
    度を50℃以上150℃以下に調整するようになってい
    ることを特徴とするストリーマ放電装置。
  8. 【請求項8】 放電空間(D)にストリーマ放電を生起さ
    せるストリーマ放電装置であって、 互いに対向する第1電極(21)及び第2電極(22)と、 上記両電極(21,22)にストリーマ放電電圧を印加する電
    源(24)と、 放電空間(D)又は被処理空気の相対湿度を50%以下に
    調整する湿度調整手段(26)とを備えたことを特徴とする
    ストリーマ放電装置。
  9. 【請求項9】 請求項6、7又は8に記載のストリーマ
    放電装置において、 放電空間(D)に導入される被処理空気が吸着剤から脱離
    した臭気物質を含んだ空気であることを特徴とするスト
    リーマ放電装置。
  10. 【請求項10】 請求項6、7、8又は9に記載のスト
    リーマ放電装置において、 電源(24)は直流高圧電源であることを特徴とするストリ
    ーマ放電装置。
  11. 【請求項11】 放電空間(D)又は被処理空気の温度を
    室温よりも高い所定温度にまで上昇させる第1のステッ
    プと、 第1のステップによって放電空間(D)又は被処理空気の
    温度が所定温度に達してからストリーマ放電を生起させ
    る第2のステップとを備えていることを特徴とするスト
    リーマ放電形成方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のストリーマ放電形
    成方法において、 第1のステップでは、放電空間(D)又は被処理空気の温
    度を50℃以上150℃以下まで上昇させ、 第2のステップでは、放電空間(D)又は被処理空気の温
    度を50℃以上150℃以下に維持することを特徴とす
    るストリーマ放電形成方法。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12に記載のストリー
    マ放電形成方法において、 第2のステップでは、被処理空気の相対湿度を50%以
    下に維持することを特徴とするストリーマ放電形成方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項11、12、又は13のいずれ
    か1項に記載のストリーマ放電形成方法において、 放電空間(D)に導入される被処理空気が吸着剤から脱離
    した臭気物質を含んだ空気であることを特徴とするスト
    リーマ放電形成方法。
  15. 【請求項15】 請求項11、12、13又は14のい
    ずれか1項に記載されたストリーマ放電形成方法におい
    て、 第1のステップでは、放電空間(D)へ送られる被処理空
    気を加熱する加熱手段の発熱量が、第2ステップでの加
    熱手段の発熱量よりも多くなっていることを特徴とする
    ストリーマ放電形成方法。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載されたストリーマ放
    電形成方法において、 第1のステップでは、加熱手段により加熱されて放電空
    間(D)へ送られる被処理空気の流量を、第2のステップ
    において放電空間(D)へ送られる被処理空気の流量より
    も増加させて、放電空間(D)の温度を上昇させることを
    特徴とするストリーマ放電形成方法。
  17. 【請求項17】 請求項11、12、13、14、15
    又は16のいずれか1項に記載されたストリーマ放電形
    成方法において、 放電空間(D)の温度を検出手段で検出し、検出した温度
    に基づいて温度調節運転を行なうことを特徴とするスト
    リーマ放電形成方法。
  18. 【請求項18】 請求項11、12、13、14、1
    5、16又は17のいずれか1項に記載のストリーマ放
    電形成方法において、 電源(24)は、直流高圧電源であることを特徴とするスト
    リーマ放電形成方法。
  19. 【請求項19】 放電空間(D)にストリーマ放電を生起
    させるストリーマ放電装置であって、 上記放電空間(D)において互いに対向する第1電極(21)
    及び第2電極(22)と、 ストリーマ放電を生起させるために上記両電極(21,22)
    に電圧を印加する電源(24)と、 上記放電空間(D)へ送られる被処理空気を加熱する加熱
    手段と、 始動時には上記加熱手段によって放電空間(D)又は被処
    理空気の温度を室温よりも高温である所定の適正温度に
    まで上昇させると共に、定常運転時には上記放電空間
    (D)又は被処理空気の温度が上記適正温度に保たれるよ
    うに加熱手段の発熱量を調節する制御手段とを備えたこ
    とを特徴とするストリーマ放電装置。
  20. 【請求項20】 放電空間(D)にストリーマ放電を生起
    させるストリーマ放電装置であって、 上記放電空間(D)において互いに対向する第1電極(21)
    及び第2電極(22)と、 ストリーマ放電を生起させるために上記両電極(21,22)
    に電圧を印加する電源(24)と、 上記放電空間(D)へ送られる被処理空気を加熱する加熱
    手段と、 始動時には上記加熱手段によって放電空間(D)又は被処
    理空気の温度を室温よりも高温である所定の適正温度に
    まで上昇させてから上記両電極(21,22)に対する電圧の
    印加を開始させると共に、定常運転時には上記両電極(2
    1,22)に対して電圧を印加しながら上記放電空間(D)又は
    被処理空気の温度が上記適正温度に保たれるように加熱
    手段の発熱量を調節する制御手段とを備えたことを特徴
    とするストリーマ放電装置。
  21. 【請求項21】 請求項19、又は20に記載のストリ
    ーマ放電装置において、 制御手段における適正温度は、50℃以上150℃以下
    の範囲で設定されていることを特徴とするストリーマ放
    電装置。
  22. 【請求項22】 請求項19、20又は21のいずれか
    1項に記載のストリーマ放電装置において、 定常運転時に被処理空気の相対湿度を50%以下に調整
    する湿度調整手段(26)を備えたことを特徴とするストリ
    ーマ放電装置。
  23. 【請求項23】 請求項19、20、21又は22のい
    ずれか1項に記載されたストリーマ放電装置において、 制御手段は、始動時における加熱手段の発熱量を定常運
    転時における加熱手段の発熱量よりも増大させることを
    特徴とするストリーマ放電装置。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載されたストリーマ放
    電装置において、 制御手段は、始動時に放電空間(D)へ送られる被処理空
    気の流量を、定常運転時に放電空間(D)へ送られる被処
    理空気の流量よりも増加させることを特徴とするストリ
    ーマ放電装置。
  25. 【請求項25】 請求項19、20、21、22、23
    又は24のいずれか1項に記載されたストリーマ放電装
    置において、 放電空間(D)の温度を検出する検出手段と、該検出した
    温度に基づいて放電空間の温度制御を行なう温度制御手
    段とを備えたことを特徴とするストリーマ放電装置。
  26. 【請求項26】 請求項19、20、21、22、2
    3、24又は25のいずれか1項に記載のストリーマ放
    電装置において、 電源(24)は、直流高圧電源であることを特徴とするスト
    リーマ放電装置。
  27. 【請求項27】 請求項19、20、21、22、2
    3、24、25又は26のいずれか1項に記載されたス
    トリーマ放電装置と、 空気中の臭気物質を吸着可能な吸着剤とを備え、 上記吸着剤に被脱臭空気中の臭気物質を吸着させる吸着
    動作と、加熱手段により加熱された被処理空気を吸着剤
    と接触させて該吸着剤から臭気物質を脱離させる脱離動
    作とを行ない、 該脱離動作により吸着剤から脱離した臭気物質を含んだ
    被処理空気を上記ストリーマ放電装置の放電空間(D)へ
    供給することを特徴とする空気浄化装置。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載された空気浄化装置
    において、 吸着剤は、被脱臭空気の通路と被処理空気の通路の両方
    に跨って配置されて回転する吸着ロータ(27)に担持され
    る一方、 ストリーマ放電装置の制御手段は、始動時において、上
    記吸着ロータ(27)の回転を停止させ、又は上記吸着ロー
    タ(27)の回転速度を定常運転時よりも小さくすることを
    特徴とする空気浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102534187B1 (ko) * 2022-12-19 2023-05-18 (주)아하 안정적인 스트리머 방전을 위한 그물형 방전 모듈 및 이를 포함하는 공기 살균기

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KR102534187B1 (ko) * 2022-12-19 2023-05-18 (주)아하 안정적인 스트리머 방전을 위한 그물형 방전 모듈 및 이를 포함하는 공기 살균기

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