JP2002346374A - 気体処理装置 - Google Patents

気体処理装置

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JP2002346374A
JP2002346374A JP2001153824A JP2001153824A JP2002346374A JP 2002346374 A JP2002346374 A JP 2002346374A JP 2001153824 A JP2001153824 A JP 2001153824A JP 2001153824 A JP2001153824 A JP 2001153824A JP 2002346374 A JP2002346374 A JP 2002346374A
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gas
discharge
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functional
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Application number
JP2001153824A
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English (en)
Inventor
Toshio Tanaka
利夫 田中
Kenkichi Kagawa
謙吉 香川
Kanji Mogi
完治 茂木
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】中間生成物の排出を防止する。 【解決手段】被処理成分を含む気体が流れる気体通路
(13)と、気体通路(13)に配置されて低温プラズマを
発生させるために放電を行う放電電極(21)と、機能性
部材(23)と、機能性部材(23)を加熱するヒータ(3
6)とを備える。機能性部材(23)は、放電電極(21)
の放電によって処理された気体に残存する被処理成分を
処理するために気体通路(13)に配置され、燃焼酸化触
媒を含む機能性材料から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体処理装置に関
し、特に、中間生成物の排出防止対策に係るものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、放電によりプラズマを発生さ
せ、該プラズマ中に発生する活性種を気体中の有害成分
や臭気成分等の被処理成分と反応させ、該被処理成分を
分解除去する気体処理装置が知られている。この種の気
体処理装置では、高圧電源に接続された放電電極と対向
電極とを気体通路に配置し、気体通路にプラズマを発生
させて、プラズマ中の活性種により被処理成分を分解処
理するようにしている。さらに、上記気体処理装置に
は、被処理成分の処理効率を高めるために、被処理成分
との反応を促進させる機能性材料から成る機能性部材を
配置するものがある。これは、プラズマ中に含まれる様
々な活性種を機能性部材へと導入することによって、機
能性材料の触媒的作用等を活用して反応を促進させて被
処理成分を処理するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな処理を行う場合に被処理成分が最後まで分解される
ことなく、中間生成物として残留してしまうことがあ
り、この中間生成物が機能性部材に蓄積される一方、蓄
積された中間生成物が外部に放出されてしまうという問
題があった。
【0004】つまり、気体中の被処理成分は、直ちに完
全分解されるわけではなく、活性種と反応する毎に次々
に組成を変えながら分解される。例えば、トルエン等の
分子量の大きな芳香族炭化水素は、CO2やH2O等に完
全に分解されるまでに、低分子量の炭化水素や、脂肪酸
等の中間生成物を経由する。活性種は、下流側ほど分解
活性が低下すると共に低濃度となるために、中間生成物
の段階で活性種との接触が途絶えたり、分解に大きなエ
ネルギを要する脂肪酸が生起されたりすると、分解反応
がそれ以上進まず、中間生成物の状態で残留することと
なる。中間生成物は、図5に示すように、活性種が低活
性となると共に低濃度となる機能性部材の下流域に吸着
されやすい。この吸着された中間生成物は、有害物質で
あると共に悪臭源であるが、機能性部材を通過した気体
と共に、気体処理装置から排出されてしまうことがある
という問題があった。
【0005】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、中間生成物の排出を防止することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、機能性部材
(23)を高活性化させ、又は機能性部材(23)を着脱自
在にするようにしたものである。
【0007】具体的に、第1の解決手段は、被処理成分
を含む気体が流れる気体通路(13)と、該気体通路(1
3)に配置され、上記被処理成分を処理するために放電
により低温プラズマを発生させる放電手段(20)と、上
記放電手段(20)の放電によって処理された気体に残存
する被処理成分を処理するために上記気体通路(13)に
配置され、燃焼酸化触媒を含む機能性材料から成る機能
性部材(23)と、該機能性部材(23)を加熱する加熱手
段(36)とを備えている。
【0008】また、第2の解決手段は、上記第1の解決
手段において、加熱手段は、機能性部材(23)に一体に
設けられたヒータ(36)である。
【0009】また、第3の解決手段は、上記第1の解決
手段において、加熱手段は、気体通路(13)における機
能性部材(23)の上流側に配置されたヒータ(36)であ
る。
【0010】また、第4の解決手段は、上記第3の解決
手段において、気体中の被処理成分を吸着する吸着部
(42)と、該吸着部(42)で吸着した被処理成分が脱離
する脱離部(43)とを備える吸着構造体(41)が設けら
れ、上記吸着構造体(41)の脱離部(43)は、気体通路
(13)におけるヒータ(36)の下流側で且つ機能性部材
(23)の上流側に位置するように配置され、上記ヒータ
(36)は、上記吸着構造体(41)の脱離部(43)に導入
される気体を加熱するように構成されている。
【0011】また、第5の解決手段は、被処理成分を含
む気体が流れる気体通路(13)と、該気体通路(13)に
配置されると共に、放電電極(21)及び対向電極(22)
を有し、被処理成分を処理するために、放電によりプラ
ズマを発生させる第1放電手段(20)と、該第1放電手
段(20)の放電によって処理された気体に残存する被処
理成分を処理するために気体通路(13)に配置され、上
記第1放電手段(20)における対向電極(22)の上流側
に位置する第1機能部(61)と、上記第1放電手段(2
0)における対向電極(22)の下流側に位置する第2機
能部(62)とから成る機能性部材(23)と、上記気体通
路(13)における機能性部材(23)の下流側に配置さ
れ、上記第1機能部(61)を通過して第2機能部(62)
に吸着した被処理成分を処理するために、上記対向電極
(22)への放電によりプラズマを発生させる第2放電手
段(63)とを備えている。
【0012】また、第6の解決手段は、被処理成分を含
む気体が流れる気体通路(13)と、該気体通路(13)に
配置され、上記被処理成分を処理するために放電により
プラズマを発生させる放電手段(20)と、上記放電手段
(20)によって処理された気体に残存する被処理成分を
処理するために上記気体通路(13)に配置される一方、
着脱自在に設けられた機能性部材(23)とを備えてい
る。
【0013】また、第7の解決手段は、上記第6の解決
手段において、機能性部材(23)は、燃焼酸化触媒を含
む機能性材料から成る。
【0014】また、第8の解決手段は、上記第1から第
4及び第7の何れか1つの解決手段において、燃焼酸化
触媒は、マンガンの酸化物と、鉄、セリウム、ユーロピ
ウム、ランタン及び銅のうちの少なくとも1種の酸化物
との混合物か、又はマンガンと、鉄、セリウム、ユーロ
ピウム、ランタン及び銅のうちの少なくとも1種の金属
との複合酸化物かを含んでいる。
【0015】また、第9の解決手段は、上記第1から第
8の何れか1つの解決手段において、機能性部材(23)
は、放電手段(20)又は第1放電手段(20)による放電
空間内に配置されている。
【0016】また、第10の解決手段は、上記第2から
第4の何れか1つの解決手段において、ヒータ(36)
は、間欠的に駆動する。
【0017】すなわち、上記第1の解決手段では、気体
通路(13)に導入された気体中の被処理成分が、放電手
段(20)の放電により発生した低温プラズマにより処理
される。そして、放電により処理された気体に残存する
被処理成分が機能性部材(23)を通過する際に、該機能
性部材(23)の表面に吸着される。一方、加熱手段(3
6)が機能性部材(23)を加熱することにより、燃焼酸
化触媒の触媒活性を高める。つまり、低温プラズマを発
生させるときには、高温度にならず、プラズマの熱を利
用して触媒活性を高めることができないために、加熱手
段(36)で機能性部材(23)を加熱して、燃焼酸化触媒
の触媒活性を高める。触媒活性が高められることによっ
て、機能性部材(23)の表面に吸着した被処理成分が分
解処理される。
【0018】また、上記第2の解決手段では、上記第1
の解決手段において、機能性部材(23)に一体に設けら
れたヒータ(36)が、該機能性部材(23)を加熱する。
【0019】また、上記第3の解決手段では、上記第1
の解決手段において、気体通路(13)に導入された気体
がヒータ(36)により加熱されて機能性部材(23)に導
入される。そして、機能性部材(23)が、ヒータ(36)
により加熱された気体により加熱される。
【0020】また、上記第4の解決手段では、上記第3
の解決手段において、気体中の被処理成分が吸着構造体
(41)の吸着部(42)に吸着される。ヒータ(36)が吸
着構造体(41)の脱離部(43)に導入される気体を加熱
する。吸着構造体(41)の脱離部(43)は、加熱された
空気が導入されることにより加熱され、吸着構造体(4
1)に吸着された被処理成分を脱離させる。該被処理成
分は、ヒータ(36)により加熱された気体と共に、機能
性部材(23)に導入される。そして、機能性部材(23)
が、この気体により加熱される。
【0021】また、上記第5の解決手段では、第1放電
手段(20)が機能性部材(23)の上流域に向かって放電
を行う一方、第2放電手段(63)が機能性部材(23)の
下流域に向かって放電を行う。第1放電手段(20)の放
電により被処理成分の一部が処理された気体が、機能性
部材(23)を通過する。機能性部材(23)を通過する
際、第1放電手段(20)の放電による活性種は、下流側
に行くほど低活性となると共に低濃度となる。機能性部
材(23)は、上流域で高活性であり、下流域で低活性と
なる。したがって、機能性部材(23)における下流域で
ある第2機能部(62)において、被処理成分の一部が中
間生成物の状態で残留して吸着されやすくなる。ところ
が、第2放電手段(63)が機能性部材(23)の第2機能
部(62)に向かって放電を行うので、この第2機能部
(62)において、第2放電手段(63)の放電による高活
性の活性種が機能性部材(23)に吸着された被処理成分
と反応する。この結果、機能性部材(23)において、被
処理成分の処理能力が向上されて、該機能性部材(23)
に吸着された被処理成分が分解処理されるために、中間
生成物の状態で残留しにくくなる。
【0022】また、上記第6の解決手段では、気体通路
(13)に導入された気体中の被処理成分が、放電手段
(20)の放電により発生したプラズマにより処理され
る。そして、この放電によって処理された気体に残存す
る被処理成分が機能性部材(23)に吸着されて蓄積され
る。機能性部材(23)の表面では、吸着した被処理成分
が分解処理される一方、プラズマ中の活性種は、下流側
に行くほど低活性となると共に低濃度となる。機能性部
材(23)は、上流域で高活性であり、下流域で低活性と
なる。したがって、機能性部材(23)の下流域に吸着し
た被処理成分の一部は、中間生成物となって残留してし
まう。そして、中間生成物が蓄積された機能性部材(2
3)を取り外し、中間生成物が蓄積されていない機能性
部材(23)を取り付ける。
【0023】また、上記第7の解決手段では、上記第6
の解決手段において、中間生成物が蓄積された機能性部
材(23)を取り外して加熱すると、燃焼酸化触媒の触媒
活性が高められる。そして、機能性部材(23)に蓄積さ
れた中間生成物が分解処理される。
【0024】また、上記第8の解決手段では、上記第1
から第4及び第7の何れか1つの解決手段において、燃
焼酸化触媒に含まれるマンガンの酸化物又はマンガンを
含む複合酸化物は、プラズマ中の活性種が吸着されやす
いので、表面に多くの活性種が存在する。この活性種
は、ラジカルのまま存在し、マンガンの酸化物又はマン
ガンを含む複合酸化物の作用によって更に励起されて活
性化された状態で存在する。この結果、触媒活性が著し
く高められる。従って、例えば、100℃程度の低い温
度でも触媒活性を発現し、被処理成分の処理能力が向上
する。
【0025】また、上記第9の解決手段では、上記第1
から第8の何れか1つの解決手段において、放電手段
(20)又は第1放電手段(20)による放電空間におい
て、機能性部材(23)がプラズマ中の活性種を高活性化
させる。
【0026】
【発明の効果】従って、上記第1から第4の解決手段に
よれば、加熱手段(36)で機能性部材(23)を加熱する
ようにしたために、低温プラズマを発生させる場合にお
いて、機能性部材(23)の触媒活性を高めることができ
る。この結果、機能性部材(23)の表面に吸着された被
処理成分を分解処理することができるために、被処理成
分が中間生成物の状態で残留しにくくなり、外部に排出
されるのを防止することができる。
【0027】また、機能性部材(23)の表面に中間生成
物が蓄積されるのを低減させることができるために、被
処理成分の吸着量を増大させることができ、被処理成分
の処理能力を向上させることができる。また、中間生成
物の蓄積量が低減することによって吸着能力を向上させ
ることができるために、中間生成物が排出されるのを抑
制することができる。
【0028】また、上記第2の解決手段によれば、加熱
手段(36)を機能性部材(23)に一体に形成するように
したために、機能性部材(23)を確実に加熱することが
できる。
【0029】また、上記第3の解決手段によれば、加熱
手段(36)を機能性部材(23)の上流側に配置するよう
にしたために、専用のヒータを使用する必要がなく、汎
用の廉価なヒータを使用することができる。
【0030】また、上記第4の解決手段によれば、吸着
構造体(41)の脱離部(43)を加熱するヒータ(36)が
加熱手段を兼用するようにしたために、ヒータ(36)の
熱を効率的に使用することができる。
【0031】また、上記第5の解決手段によれば、機能
性部材(23)の下流側に配置された第2放電手段(63)
から機能性部材(23)の第2機能部(62)に向かって放
電するようにしたために、この放電による高活性の活性
種によって第2機能部(62)に吸着した被処理成分を分
解処理することができる。この結果、被処理成分が中間
生成物として残留しにくくなり、該中間生成物が排出さ
れるのを抑制することができる。
【0032】また、上記第6の解決手段によれば、機能
性部材(23)を着脱自在に設けるようにしたために、中
間生成物が蓄積された機能性部材(23)を取り外すこと
ができ、蓄積されていない機能性部材(23)を取り付け
ることにより、中間生成物が外部に排出されるのを防止
することができる。
【0033】また、上記第7の解決手段によれば、機能
性部材(23)を加熱することにより、機能性材料を再生
することができ、再び使用することができる。
【0034】また、上記第8の解決手段によれば、マン
ガンの酸化物又はマンガンを含む複合酸化物の表面に吸
着した活性種を活性化させることにより、被処理成分の
処理能力を著しく向上させることができるので、被処理
成分が更に中間生成物として残留しにくくなる。また、
例えば、300℃程度の高温に加熱しなくても、十分な
処理能力を発揮するために、加熱量を低減させることが
できるので、ヒータ(36)により機能性部材(23)を加
熱する場合には、消費電力を低減させることができる。
【0035】また、上記第9の解決手段によれば、放電
空間内に機能性部材(23)を配置するようにしたため
に、被処理成分の処理能力を向上させることができると
共に、中間生成物の生成量を低減させることができる。
【0036】また、上記第10の解決手段によれば、ヒ
ータ(36)が間欠的に駆動するようにしたために、無駄
な加熱を防止することができ、更なる省エネ化を図るこ
とができる。
【0037】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0038】本発明の実施形態1は、図1に示すよう
に、空気中の被処理成分である臭気成分又は有害成分を
分解除去して空気を浄化する気体処理装置(1)であ
る。
【0039】該気体処理装置(1)は、ケーシング(1
0)内に気体通路(13)が形成されると共に、該気体通
路(13)に各機能部品が収納されて構成されている。ケ
ーシング(10)内には、機能部品として集塵フィルタ
(11)と放電手段(20)と機能性部材(23)とオゾン分
解触媒(25)と遠心ファン(12)とが収納されている。
【0040】ケーシング(10)の一つの側面(図の左側
の側面)には、気体通路(13)に空気を吸い込むための
空気吸込口(15)が形成され、上面には、気体通路(1
3)から浄化空気を吹き出すための空気吹出口(16)が
形成されている。該空気吹出口(16)は、ケーシング
(10)の上面において、空気吸込口(15)とは反対側の
縁部(図の右側の縁部)に形成されている。空気吸込口
(15)には吸込グリル(15a)が設けられ、空気吹出口
(16)には吹出グリル(16a)が設けられている。
【0041】上記集塵フィルタ(11)は、気体通路(1
3)における吸込グリル(15a)の内側に配置されてい
る。該集塵フィルタ(11)は、吸込空気中に含まれる塵
埃を捕捉するように構成されている。
【0042】上記遠心ファン(12)は、空気吹出口(1
6)の下側に位置して配置されている。遠心ファン(1
2)は、吸い込んだ空気を空気吹出口(16)を通してケ
ーシング(10)の外部に吹き出させるように構成されて
いる。遠心ファン(12)は、ファン用電源(12a)が接
続されている。
【0043】上記放電手段(20)は、放電によりプラズ
マを発生させて、空気中の臭気成分及び有害成分等の被
処理成分を分解処理するためのものであり、放電電極
(21)と対向電極(22)とを備えている。放電電極(2
1)及び対向電極(22)には、高圧電源(24)が接続さ
れている。放電手段(20)は、放電電極(21)が、対向
電極(22)に対し、気体通路(13)における上流側に配
置されて構成されている。
【0044】上記放電電極(21)は、平板(28)に設け
られた複数の針状の電極により構成されている。放電電
極(21)は、対向電極(22)に向かって延びるように構
成されている。平板(28)は、気体通路(13)を横断す
るように配置され、空気を通過させるための開口部(2
9)が多数形成されている。
【0045】上記対向電極(22)は、空気を通過させる
ための多数の開口部(33)を有する板状の電極により構
成されている。対向電極(22)は、例えば、メッシュ材
や、パンチングメタルなどにより構成されている。対向
電極(22)は、気体通路(13)を横断するように配置さ
れ、空気が対向電極(22)の面直角方向に通過するよう
に構成されている。
【0046】上記高圧電源(24)は、気体通路(13)の
下側に配置されると共に、両電極(21,22)と接続さ
れ、直流電流を供給するように構成されている。上記放
電手段(20)は、放電電極(21)と対向電極(22)との
間でストリーマ放電を発生させることにより、両電極
(21,22)間の放電空間に低温プラズマを発生させるよ
うに構成されている。低温プラズマには、活性種とし
て、電子、イオン、オゾン、その他ラジカル(ヒドロキ
シラジカル、励起酸素分子、励起窒素分子、励起水分子
など)が含まれる。
【0047】上記機能性部材(23)は、放電手段(20)
の放電により処理された気体に残存する被処理成分を処
理するためのものであり、気体通路(13)において、両
電極(21,22)の間で対向電極(22)に近接して配置さ
れている。つまり、機能性部材(23)が放電空間内に配
置されている。機能性部材(23)は、詳細は図示してい
ないが空気の流れ方向に沿って貫通する多数の小孔を有
するハニカム形状の基材からなり、その表面に燃焼酸化
触媒を含む機能性材料を坦持して構成されている。
【0048】上記燃焼酸化触媒は、例えば、300℃程
度に加熱されることにより、触媒活性を発現させる触媒
である。燃焼酸化触媒は、鉄、コバルト、ニッケル、ル
テニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジ
ウム、白金、銅、銀、金、マンガン、アルミニウム、亜
鉛、セリウム、ケイ素、ランタン、ビスマス、モリブデ
ン、ユーロピウム及びプラセオジウムのうちの1種以上
の金属、該金属の酸化物、該金属を含有する合金の酸化
物、又はこれらの混合物により構成される。
【0049】具体的に、燃焼酸化触媒は、マンガンと鉄
との複合酸化物(MnFe24)により構成されている。低
温プラズマ中の活性種が燃焼酸化触媒の表面に吸着され
ることにより、触媒活性を著しく高めることができる。
つまり、マンガンを含む複合酸化物は、低温プラズマ中
の活性種が吸着されやすいので、表面には多くの活性種
が存在する。この活性種は、ラジカルのまま存在し、上
記複合酸化物の作用により更に励起されて活性化された
状態で存在するために、触媒活性が著しく高められる。
したがって、例えば、100℃程度の低い温度でも触媒
活性を発現させることができる。
【0050】尚、燃焼酸化触媒は、上記複合酸化物とマ
ンガン酸化物(MnO2)との混合物、上記複合酸化物と
鉄酸化物(Fe23)との混合物、上記複合酸化物とマン
ガン酸化物と鉄酸化物との混合物、又はマンガン酸化物
と鉄酸化物との混合物により構成してもよい。
【0051】また、燃焼酸化触媒は、マンガンと鉄とセ
リウムとの複合酸化物(MnCeFe24)により構成しても
よい。マンガン及び鉄にセリウムを添加することによ
り、更に触媒活性を高めることができる。尚、燃焼酸化
触媒は、上記複合酸化物とマンガン酸化物(MnO2)と
の混合物、上記複合酸化物と鉄酸化物(Fe23)との混
合物、上記複合酸化物とセリウム酸化物(CeO2)との
混合物、上記複合酸化物とマンガン酸化物とセリウム酸
化物との混合物、上記複合酸化物と鉄酸化物とセリウム
酸化物との混合物、上記複合酸化物とマンガン酸化物と
鉄酸化物とセリウム酸化物との混合物、又はマンガン酸
化物と鉄酸化物とセリウム酸化物との混合物により構成
してもよい。
【0052】また、燃焼酸化触媒は、マンガンと鉄とユ
ーロピウムとの複合酸化物(MnEuFe 24)により構成し
てもよい。マンガン及び鉄にユーロピウムを添加するこ
とにより、更に触媒活性を高めることができる。尚、燃
焼酸化触媒は、上記複合酸化物とマンガン酸化物(MnO
2)との混合物、上記複合酸化物と鉄酸化物(Fe23
との混合物、上記複合酸化物とユーロピウム酸化物(Eu
23)との混合物、又は上記複合酸化物とマンガン酸化
物と鉄酸化物とユーロピウム酸化物との混合物により構
成してもよい。
【0053】また、燃焼酸化触媒は、マンガンと鉄との
複合酸化物とユーロピウム酸化物との混合物、上記複合
酸化物と鉄酸化物とユーロピウム酸化物との混合物、又
はマンガン酸化物と鉄酸化物とユーロピウム酸化物との
混合物により構成してもよい。
【0054】また、燃焼酸化触媒は、マンガンと銅と鉄
との複合酸化物(MnCuFe24)により構成してもよい。
【0055】上記機能性部材(23)は、該機能性部材
(23)を加熱する加熱手段であるヒータ(36)が一体に
設けられている。該ヒータ(36)は、機能性部材(23)
の長手方向に貫通するように設けられている。ヒータ
(36)は、図示を省略しているが、電力を供給するため
の電源に接続されている。機能性部材(23)は、ヒータ
(36)で加熱されて、燃焼酸化触媒の触媒活性を高める
ことにより、表面に吸着した活性種の活性を高めさせる
ように構成されている。つまり、低温プラズマでは、高
温度にならず、プラズマの熱を利用して燃焼酸化触媒の
活性を高めることができない。したがって、ヒータ(3
6)により機能性部材(23)を加熱することにより触媒
活性を高めるようにしている。
【0056】上記オゾン分解触媒(25)は、気体通路
(13)における対向電極(22)の下流側に設けられ、放
電手段(20)による放電により発生したオゾンを分解す
るように構成されている。
【0057】−運転動作− 上記気体処理装置(1)の運転動作について説明する。
【0058】気体処理装置(1)の運転を開始すると、
遠心ファン(12)が起動し、空気吸込口(15)から気体
通路(13)に空気が吸い込まれ、この空気に含まれる塵
埃が集塵フィルタ(11)によって捕捉される。集塵フィ
ルタ(11)で塵埃が除去された空気は、放電手段(20)
の平板(28)に形成される開口部(29)を通過する。こ
のとき、放電電極(21)と対向電極(22)との間でスト
リーマ放電が発生しており、機能性部材(23)のヒータ
(36)に電力が供給されて、機能性部材(23)が加熱さ
れている。機能性部材(23)がヒータ(36)により加熱
されることにより、燃焼酸化触媒の触媒活性が高められ
ている。
【0059】上記放電電極(21)を通過した空気は、両
電極(21,22)の間の放電空間を通過する。空気が放電
空間を通過する際に、ストリーマ放電の作用によって生
起された低温プラズマ中の各種の活性種が、空気中の臭
気成分や有害成分等の被処理成分と反応して、これらを
分解処理する。そして、放電により処理された空気中に
残存する被処理成分が機能性部材(23)を通過する。
【0060】このとき、被処理成分が、機能性部材(2
3)の表面に吸着される。機能性部材(23)は、触媒活
性が高められていると共に、表面には低温プラズマの各
種の活性種がラジカルのまま高活性化された状態で存在
するために、表面に吸着した被処理成分が分解除去され
る。したがって、被処理成分が中間生成物の状態で残留
することがなくなる。
【0061】そして、被処理成分が分解処理された空気
がオゾン分解触媒(25)を通過する。このとき、空気に
含まれるオゾンが還元されて酸素となり、浄化空気とな
る。浄化空気は、遠心ファン(12)により、空気吹出口
(16)からケーシング(10)の外部に吹き出される。
【0062】−実施形態1の効果− 本実施形態1によれば、ヒータ(36)で機能性部材(2
3)を加熱するようにしたために、低温プラズマを発生
させる場合において、機能性部材(23)の触媒活性を高
めることができる。この結果、機能性部材(23)の表面
に吸着された被処理成分を分解処理することができるた
めに、被処理成分が中間生成物の状態で残留しにくくな
り、外部に排出されるのを防止することができる。
【0063】また、機能性部材(23)の表面に中間生成
物が蓄積されるのを低減させることができるために、被
処理成分の吸着量を増大させることができ、被処理成分
の処理能力を向上させることができる。また、中間生成
物の蓄積量が低減することによって吸着能力を向上させ
ることができるために、中間生成物が排出されるのを抑
制することができる。
【0064】また、ヒータ(36)を機能性部材(23)に
一体に形成するようにしたために、機能性部材(23)を
確実に加熱することができる。
【0065】また、マンガンの酸化物又はマンガンを含
む複合酸化物の表面に吸着した活性種を活性化させるこ
とにより、被処理成分の処理能力を著しく向上させるこ
とができるので、被処理成分が更に中間生成物として残
留しにくくなる。また、例えば、300℃程度の高温に
加熱しなくても、十分な処理能力を発揮するために、加
熱量を低減させることができるので、消費電力を低減さ
せることができる。
【0066】また、放電空間内に機能性部材(23)を配
置するようにしたために、被処理成分の処理能力を向上
させることができる。
【0067】
【発明の実施の形態2】実施形態2の気体処理装置
(1)は、図2に示すように、実施形態1と異なり、機
能性部材(23)の加熱手段であるヒータ(36)が、気体
通路(13)における機能性部材(23)の上流側に配置さ
れている。
【0068】上記ヒータ(36)は、気体通路(13)にお
ける集塵フィルタ(11)と放電電極(21)との間に配置
されている。上記ヒータ(36)は、図示しない電源が接
続されている。
【0069】尚、上記機能性部材(23)は、ヒータ(3
6)が省略されている。
【0070】−運転動作− 気体処理装置(1)の運転を開始すると、遠心ファン(1
2)が起動し、空気吸込口(15)から気体通路(13)に
空気が吸い込まれる。この空気は、集塵フィルタ(11)
で塵埃が除去され、ヒータ(36)を通過する際に加熱さ
れる。ヒータ(36)により加熱された空気は、放電電極
(21)を通過し、放電空間において、ストリーマ放電の
作用によって生起された低温プラズマ中の各種の活性種
により、被処理成分の一部が分解される。そして、被処
理成分の一部が分解された加熱空気が、機能性部材(2
3)を通過する際に、該機能性部材(23)を加熱する。
この結果、燃焼酸化触媒の触媒活性が高められる。
【0071】機能性部材(23)は、触媒活性が高められ
ていると共に、表面には低温プラズマの各種活性種がラ
ジカルのまま高活性化された状態で存在するために、機
能性部材(23)を通過する際に、該機能性部材(23)の
表面に吸着した被処理成分が分解除去される。したがっ
て、被処理成分が中間生成物の状態で残留することがな
くなる。
【0072】被処理成分が分解処理された空気は、オゾ
ン分解触媒(25)を通過して浄化空気となり、遠心ファ
ン(12)により、空気吹出口(16)からケーシング(1
0)の外部に吹き出される。
【0073】−実施形態2の効果− 本実施形態2によれば、ヒータ(36)を機能性部材(2
3)の上流側に配置するようにしたために、専用のヒー
タを使用する必要がなく、汎用の廉価なヒータを使用す
ることができる。
【0074】その他の構成、作用及び効果は実施形態1
と同様である。
【0075】
【発明の実施の形態3】実施形態3の気体処理装置
(1)は、図3に示すように、気体通路(13)が上下2
段に区画形成されると共に、気体通路(13)を横断する
ように吸着構造体である吸着ロータ(41)が設けられて
いる。
【0076】上記気体通路(13)は、ケーシング(10)
のほぼ中央部を横方向に貫通する吸着空気通路(47)
と、該吸着空気通路(47)の下側に形成され、ケーシン
グ(10)を横方向に貫通する脱離空気通路(50)とによ
り構成されている。
【0077】ケーシング(10)の一方の側面(17)に
は、吸着空気通路(47)に空気を導入するための吸着空
気吸込口(48)と、該吸着空気吸込口(48)の下側に形
成され、脱離空気通路(50)の空気を吹き出すための脱
離空気吹出口(52)とが形成されている。上記側面(1
7)と対向するもう一方の側面(18)には、吸着空気通
路(47)の空気を吹き出すための吸着空気吹出口(49)
と、該吸着空気吹出口(49)の下側に形成され、脱離空
気通路(50)に空気を吸い込むための脱離空気吸込口
(51)とが形成されている。
【0078】上記吸着ロータ(41)は、吸着部(42)と
脱離部(43)とを備え、吸着空気通路(47)と脱離空気
通路(50)とを横断するように配置されている。吸着部
(42)が吸着空気通路(47)に配置され、脱離部(43)
が脱離空気通路(50)に配置されている。吸着ロータ
(41)は、駆動モータ(44)が接続され、ゆっくり回転
するように構成されている。
【0079】上記吸着空気通路(47)は、吸着ロータ
(41)の上流側、つまり吸着空気吸込口(48)側に吸着
集塵フィルタ(11a)が設けられ、吸着ロータ(41)の
下流側に吸着ファン(12a)が設けられている。吸着集
塵フィルタ(11a)は、吸着空気通路(47)に導入され
た空気中の塵埃を捕捉するように構成されている。吸着
ファン(12a)は、外部の空気を吸着空気通路(47)に
吸い込ませると共に、吸着ロータ(41)を通過した空気
を外部に吹き出させるように構成されている。
【0080】上記脱離空気通路(50)は、吸着ロータ
(41)の上流側、つまり脱離空気吸込口(51)側に、脱
離集塵フィルタ(11b)と加熱手段であるヒータ(36)
とが設けられている。脱離集塵フィルタ(11b)は、脱
離空気通路(50)に導入された空気中の塵埃を捕捉する
ように構成されている。ヒータ(36)は、脱離空気通路
(50)における脱離集塵フィルタ(11b)の下流側に配
置されており、電源(37)が接続されている。
【0081】ヒータ(36)は、吸着ロータ(41)に導入
される空気を加熱するように構成されている。ヒータ
(36)により加熱され、吸着ロータ(41)を通過した空
気が、機能性部材(23)に導入されて、該機能性部材
(23)を加熱するように構成されている。
【0082】上記脱離空気通路(50)は、吸着ロータ
(41)の下流側に、放電手段(20)と機能性部材(23)
と脱離ファン(12b)とが設けられている。放電手段(2
0)の放電電極(21)が、対向電極(22)に対し、脱離
空気通路(50)における上流側に位置するように配置さ
れている。両電極(21,22)と接続された高圧電源(2
4)は、脱離空気通路(50)の下側に配置されている。
【0083】上記機能性部材(23)は、脱離空気通路
(50)において、両電極(21,22)の間で対向電極(2
2)に近接して配置されている。
【0084】上記脱離ファン(12b)は、脱離空気通路
(50)において、対向電極(22)の下流側に配置されて
いる。脱離ファン(12b)は、外部の空気を脱離空気通
路(50)に吸い込ませると共に、脱離空気通路(50)の
浄化空気を脱離空気吹出口(52)から外部に吹き出させ
るように構成されている。
【0085】−運転動作− 気体処理装置(1)の運転を開始すると、吸着空気通路
(47)の吸着ファン(12a)と脱離空気通路(50)の脱
離ファン(12b)とが起動すると共に、吸着ロータ(4
1)の駆動モータ(44)が駆動し、吸着ロータ(41)が
回転する。
【0086】吸着ファン(12a)が起動すると、吸着空
気吸込口(48)から吸着空気通路(47)に空気が吸い込
まれる。吸着空気通路(47)に吸い込まれた空気は、吸
着集塵フィルタ(11a)で空気中に含まれる塵埃が捕捉
されて、吸着ロータ(41)の吸着部(42)に導入され
る。吸着ロータ(41)の吸着部(42)では、空気中の臭
気成分や有害成分等の被処理成分が吸着される。この被
処理成分が吸着除去された空気は、吸着空気吹出口(4
9)から外部に吹き出される。
【0087】脱離ファン(12b)が起動すると、脱離空
気吸込口(51)から脱離空気通路(50)に空気が吸い込
まれる。脱離空気通路(50)に吸い込まれた空気は、脱
離集塵フィルタ(11b)で空気中に含まれる塵埃が捕捉
されて、ヒータ(36)を通過する際に加熱される。ヒー
タ(36)により加熱された空気は、吸着ロータ(41)の
脱離部(43)に導入される。吸着ロータ(41)の脱離部
(43)は、加熱された空気が導入されることにより加熱
され、吸着ロータ(41)に吸着された被処理成分を脱離
させる。
【0088】脱離部(43)で脱離された被処理成分は、
加熱された空気と共に放電電極(21)を通過して、放電
空間に導入される。放電空間において、ストリーマ放電
の作用によって生起されたプラズマ中の各種の活性種
が、被処理成分の一部を分解する。そして、被処理成分
の一部が分解された加熱空気が、機能性部材(23)を通
過する際に、機能性部材(23)を加熱する。この結果、
燃焼酸化触媒の触媒活性が高められる。
【0089】機能性部材(23)は、触媒活性が高められ
ていると共に、表面には低温プラズマの各種活性種がラ
ジカルのまま高活性化された状態で存在するために、機
能性部材(23)を通過する際に、該機能性部材(23)の
表面に吸着した被処理成分が分解除去される。したがっ
て、被処理成分が中間生成物の状態で残留することがな
くなる。
【0090】そして、被処理成分が分解されて浄化され
た空気が脱離空気吹出口(52)から外部に吹き出され
る。
【0091】−実施形態3の効果− 本実施形態3によれば、吸着ロータ(41)の脱離部(4
3)を加熱するヒータ(36)が機能性部材(23)の加熱
手段を兼用するようにしたために、ヒータ(36)の熱を
効率的に使用することができる。
【0092】その他の構成、作用及び効果は実施形態2
と同様である。
【0093】
【発明の実施の形態4】実施形態4の気体処理装置
(1)は、実施形態1と異なり、機能性部材(23)が第
1機能部(61)と第2機能部(62)とにより構成されて
いる。そして、気体通路(13)には、第1放電手段(2
1)が配置される一方、気体通路(13)における機能性
部材(23)の下流側には、第2放電手段(63)が設けら
れている。
【0094】上記第1放電手段(20)は、放電によりプ
ラズマを発生させて、空気中の臭気成分及び有害成分等
の被処理成分を分解処理するためのものであり、放電電
極(21)と対向電極(22)とを備えている。第1放電電
極(21)及び対向電極(22)には、高圧電源(24)が接
続されている。第1放電手段(20)は、第1放電電極
(21)が、対向電極(22)に対し、気体通路(13)にお
ける上流側に位置するように構成されている。第1放電
電極(21)は、平板(28)に設けられた複数の針状の電
極により構成されている。第1放電電極(21)は、対向
電極(22)に向かって延びるように構成されている。
【0095】上記第2放電手段(63)は、気体通路(1
3)における上流側に位置する対向電極(22)に向かっ
て放電してプラズマを発生させるように構成されてい
る。第2放電手段(63)は、第2放電電極(64)を備え
ている。該第2放電電極(64)は、第1放電電極(21)
が接続された高圧電源(24)に接続されている。第2放
電電極(64)は、第1放電電極(21)と同様に針状の電
極により構成されている。第2放電電極(64)は、上流
側に向かって延びるように配置されている。
【0096】上記第1機能部(61)が、第1放電手段
(20)における対向電極(22)の上流側に配置され、第
2機能部(62)が、第1放電手段(20)における対向電
極(22)の下流側に配置されている。
【0097】機能性部材(23)では、第1放電手段(2
0)の放電による活性種は、上流域ほど高活性であり、
下流側に行くほど低活性となると共に低濃度となるため
に、気体中の被処理成分から生成された中間生成物が、
機能性部材(23)の下流域に蓄積されやすい。そこで、
機能性部材(23)の下流側に第2放電手段(63)を設
け、該第2放電手段(63)が機能性部材(23)の第2機
能部(62)に放電を行うことにより、第2放電手段(6
3)の放電による高活性の活性種によって、第2機能部
(62)の表面に吸着した被処理成分を処理する構成とし
ている。
【0098】上記第1機能部(61)と第2機能部(62)
とは、同様に構成されている。両機能部(61,62)は、
空気の流れ方向に沿って貫通する多数の小孔を有するハ
ニカム形状の基材からなり、その表面にマンガン酸化物
等の触媒を含む機能性材料を坦持して構成されている。
【0099】上記第1機能部(61)は、第1放電手段
(20)の放電により発生した活性種を吸着し、励起させ
て活性化させるものであり、放電によって処理された気
体に残存する被処理成分を表面に吸着させて分解処理す
るように構成されている。
【0100】上記第2機能部(62)は、第2放電手段
(63)の放電により発生した活性種を吸着し、励起させ
て活性化させるものであり、第1機能部(61)を通過し
た被処理成分を表面に吸着させて分解処理するように構
成されている。
【0101】尚、機能性部材(23)は、ヒータ(36)が
省略されている。
【0102】−運転動作− 気体処理装置(1)の運転を開始すると、遠心ファン(1
2)が起動し、空気吸込口(15)から気体通路(13)に
空気が吸い込まれる。この空気は、集塵フィルタ(11)
で塵埃が除去され、第1放電手段(20)による放電空間
に導入される。この放電空間において、放電の作用によ
って生起されたプラズマ中の活性種が、空気中の被処理
成分の一部を分解する。そして、この空気は、機能性部
材(23)を通過する。
【0103】空気が機能性部材(23)を通過する際に、
該空気に残存する被処理成分が機能性部材(23)の表面
に吸着される。機能性部材(23)の表面において、第1
放電手段(20)の放電による活性種が被処理成分を分解
処理する。このとき、第1放電手段(20)の放電による
活性種は、下流側に行くほど低活性となると共に低濃度
となるが、第2放電手段(63)の放電による活性種が、
機能性部材(23)の第2機能部(62)において被処理成
分と反応するために、被処理成分が分解処理され、中間
生成物の生成が抑制される。
【0104】そして、被処理成分が分解処理された浄化
空気が遠心ファン(12)により、空気吹出口(16)から
ケーシング(10)の外部に吹き出される。
【0105】−実施形態4の効果− 本実施形態4によれば、機能性部材(23)の下流側に配
置された第2放電電極(61)から機能性部材(23)の第
2機能部(62)に向かって放電するようにしたために、
この放電による高活性の活性種によって第2機能部(6
2)に吸着した被処理成分を分解処理することができ
る。この結果、被処理成分が中間生成物として残留しに
くくなり、該中間生成物が排出されるのを抑制すること
ができる。
【0106】その他の構成、作用及び効果は実施形態1
と同様である。
【0107】<発明のその他の実施の形態>上記各実施
形態について、放電手段(20)の放電電極(21)又は第
1放電手段(20)の第1放電電極(21)は、面状の電極
により構成してもよく、また、線状の電極により構成し
てもよい。
【0108】また、上記各実施形態について、高圧電源
(24)は、パルス電流を供給するように構成してもよ
い。
【0109】また、上記実施形態1,2及び3につい
て、ヒータ(36)は、間欠的に駆動するように構成して
もよい。この場合において、機能性部材(23)の下流側
に臭いセンサを設け、臭いセンサが被処理成分や中間生
成物を検知したときのみヒータ(36)を駆動させるよう
に構成するのが好ましい。また、タイマを設けることに
より、タイマによりヒータ(36)を間欠的に駆動させる
ようにしてもよい。このような構成にすることにより、
更なる省エネ化を図ることができる。
【0110】また、上記各実施形態に限られず、機能性
部材(23)は、脱着可能に構成してもよい。このように
機能性部材(23)を脱着可能に構成することにより、中
間生成物が蓄積された機能性部材(23)を新品と交換す
ることができ、中間生成物が気体処理装置(1)の外部
に吹き出されるのを防止することができる。また、この
場合において、機能性部材(23)は、燃焼酸化触媒を含
む機能性材料により構成してもよい。このような構成に
することにより、機能性部材(23)を取り外したとき
に、該機能性部材(23)を加熱することにより機能性材
料を再生することができ、機能性部材(23)を再度使用
することができる。
【0111】また、上記実施形態4について、被処理成
分や中間生成物を特定できる場合等には、第1機能部
(61)と第2機能部(62)との組成を変えるようにして
もよい。このような構成にすることにより、個々の処理
効率を高めることができる。また、機能性部材(23)
は、吸着材により構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る気体処理装置の全体構成を示
す断面図である。
【図2】実施形態2におけるヒータの配置を示す部分拡
大図である。
【図3】実施形態3に係る気体処理装置の全体構成を示
す断面図である。
【図4】実施形態4における機能性部材の構成を示す部
分拡大図である。
【図5】従来の気体処理装置における機能性部材での中
間生成物の蓄積及び放出を示す図である。
【符号の説明】
(13) 気体通路 (20) 放電手段(第1放電手段) (21) 放電電極(第1放電電極) (22) 対向電極 (23) 機能性部材 (24) 高圧電源 (36) ヒータ (41) 吸着ロータ (42) 吸着部 (43) 脱離部 (61) 第1機能部 (62) 第2機能部 (63) 第2放電手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/32 B01D 53/32 53/86 G21F 9/02 Z // G21F 9/02 B01D 53/36 B (72)発明者 茂木 完治 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 Fターム(参考) 4C080 AA07 AA09 BB02 CC01 HH05 JJ01 KK02 LL01 MM01 QQ12 QQ17 4D012 CA10 CC04 CD05 CH05 4D048 AA12 AA21 AA22 AB01 AB03 BA03Y BA06Y BA16Y BA18Y BA19Y BA22Y BA26Y BA28X BA30Y BA31Y BA32Y BA33Y BA34Y BA35Y BA36X BA37Y BA38Y BA41Y BA42X CC53 CC61 CD01 CD05 EA03 4G075 AA03 AA37 BA01 BA05 BD05 CA02 CA47 CA54 DA01 EA05 EA06 EB42 EC21

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理成分を含む気体が流れる気体通路
    (13)と、 該気体通路(13)に配置され、上記被処理成分を処理す
    るために放電により低温プラズマを発生させる放電手段
    (20)と、 上記放電手段(20)の放電によって処理された気体に残
    存する被処理成分を処理するために上記気体通路(13)
    に配置され、燃焼酸化触媒を含む機能性材料から成る機
    能性部材(23)と、 該機能性部材(23)を加熱する加熱手段(36)とを備え
    ていることを特徴とする気体処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 加熱手段は、機能性部材(23)に一体に設けられたヒー
    タ(36)であることを特徴とする気体処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 加熱手段は、気体通路(13)における機能性部材(23)
    の上流側に配置されたヒータ(36)であることを特徴と
    する気体処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 気体中の被処理成分を吸着する吸着部(42)と、該吸着
    部(42)で吸着した被処理成分が脱離する脱離部(43)
    とを備える吸着構造体(41)が設けられ、 上記吸着構造体(41)の脱離部(43)は、気体通路(1
    3)におけるヒータ(36)の下流側で且つ機能性部材(2
    3)の上流側に位置するように配置され、 上記ヒータ(36)は、上記吸着構造体(41)の脱離部
    (43)に導入される気体を加熱するように構成されてい
    ることを特徴とする気体処理装置。
  5. 【請求項5】 被処理成分を含む気体が流れる気体通路
    (13)と、 該気体通路(13)に配置されると共に、放電電極(21)
    及び対向電極(22)を有し、被処理成分を処理するため
    に、放電によりプラズマを発生させる第1放電手段(2
    0)と、 該第1放電手段(20)の放電によって処理された気体に
    残存する被処理成分を処理するために気体通路(13)に
    配置され、上記第1放電手段(20)における対向電極
    (22)の上流側に位置する第1機能部(61)と、上記第
    1放電手段(20)における対向電極(22)の下流側に位
    置する第2機能部(62)とから成る機能性部材(23)
    と、 上記気体通路(13)における機能性部材(23)の下流側
    に配置され、上記第1機能部(61)を通過して第2機能
    部(62)に吸着した被処理成分を処理するために、上記
    対向電極(22)への放電によりプラズマを発生させる第
    2放電手段(63)とを備えていることを特徴とする気体
    処理装置。
  6. 【請求項6】 被処理成分を含む気体が流れる気体通路
    (13)と、 該気体通路(13)に配置され、上記被処理成分を処理す
    るために放電によりプラズマを発生させる放電手段(2
    0)と、 上記放電手段(20)によって処理された気体に残存する
    被処理成分を処理するために上記気体通路(13)に配置
    される一方、着脱自在に設けられた機能性部材(23)と
    を備えていることを特徴とする気体処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 機能性部材(23)は、燃焼酸化触媒を含む機能性材料か
    ら成ることを特徴とする気体処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から4及び7の何れか1項にお
    いて、 燃焼酸化触媒は、マンガンの酸化物と、鉄、セリウム、
    ユーロピウム、ランタン及び銅のうちの少なくとも1種
    の酸化物との混合物か、又はマンガンと、鉄、セリウ
    ム、ユーロピウム、ランタン及び銅のうちの少なくとも
    1種の金属との複合酸化物かを含んでいることを特徴と
    する気体処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から8の何れか1項において、 機能性部材(23)は、放電手段(20)又は第1放電手段
    (20)による放電空間内に配置されていることを特徴と
    する気体処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項2から4の何れか1項におい
    て、 ヒータ(36)は、間欠的に駆動することを特徴とする気
    体処理装置。
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