JP2003299606A - 食器洗い乾燥機 - Google Patents

食器洗い乾燥機

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JP2003299606A
JP2003299606A JP2002107448A JP2002107448A JP2003299606A JP 2003299606 A JP2003299606 A JP 2003299606A JP 2002107448 A JP2002107448 A JP 2002107448A JP 2002107448 A JP2002107448 A JP 2002107448A JP 2003299606 A JP2003299606 A JP 2003299606A
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film
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hydrophilic
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Koji Mori
浩治 森
Toshio Nagatomo
敏雄 長友
Hirokazu Yano
矢野  宏和
Keijiro Shigeru
啓二郎 茂
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油汚れが付着し難く、付着しても油汚れを容
易に除去でき、清潔感に富み乾燥効率も良好な食器洗い
乾燥機を提供する。 【構成】 食器洗い乾燥機10の内面壁材に、親水性皮
膜が設けられたステンレス鋼板を使用している。親水性
皮膜としては、下記化学式をもつ複合酸化物皮膜があ
る。親水性皮膜は、アルミニウムイオン又はアルカリ土
類金属,亜鉛,銅から選ばれた1種又は2種以上の二価
金属イオンを含むことができ、更にポリアクリル酸又は
アクリル酸モノマーを含む共重合体を配合しても良い。
親水性皮膜は、好ましくはゾル−ゲル法で形成された膜
厚1μm以下の薄膜である。 化学式:LiaNabc(SiOm)x(ZrOn)y(H2O)z ただし、a,b,c,z:任意数 m,n:1〜4
の任意数 x+y=1

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油汚れが付着し難く、
付着しても油汚れの除去が容易で清潔感に富み、乾燥効
率も優れた食器洗い乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】食器洗い乾燥機は、普及率が年々増大し
ている家電製品である。食器洗い乾燥機10は、ステン
レス鋼板等の金属板で構成される筐体11の前面に開閉
扉12を揺動可能に取り付けている(図1)。上カゴ1
3,下カゴ14を筐体11に収納及び引出し可能にする
ため、レール15が筐体11の側壁内面に固着され、開
閉扉12の揺動に伴って前後進するラッチ16が筐体1
1に組み込まれている。使用済みの食器は、上カゴ1
3,下カゴ14に載せて筐体11に収容した後、開閉扉
12を閉じ、ノズル17から洗浄水が吹き付けられる。
ノズル17は、筐体11の天井内面にも設けられてい
る。洗浄水の吹付けを設定時間継続した後、送風口18
から乾燥空気を筐体11内に送り込むことにより、食器
が洗浄・乾燥される。
【0003】筐体11の内部は、洗浄水が噴霧され乾燥
空気が吹き込まれる非常に厳しい環境に曝される。その
ため、筐体11の大部分を構成する内面壁材には、耐食
性,耐薬品性に優れたステンレス鋼板が使用されてい
る。しかし、ステンレス鋼板の表面は、疎水性で撥水作
用を呈する。疎水性、換言すると親油性のため、付着し
た油汚れを十分に洗浄除去できない。撥水性のため、ス
テンレス鋼板表面に残存する水滴が接触角の大きな液滴
になり、乾燥空気を吹き込んでも液滴が十分に蒸発せず
乾燥時間が長くなる。液滴には油成分の一部も含まれて
おり、強制乾燥で液滴が蒸発した後に水玉模様の滲みが
残り、清潔感が損なわれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】油汚れを容易に除去
し、食器洗い乾燥機の清潔感を維持する上では、ステン
レス鋼板の表面を親水化することが効果的である。ステ
ンレス鋼板表面の親水化には、界面活性剤の塗布,吸水
性樹脂塗膜の形成,親水性光触媒の塗布,ホウロウ引
き,セラミックスの溶射,シリカ膜の形成等が考えられ
る。界面活性剤の塗布によってステンレス鋼板表面に高
い親水性を付与できるが、界面活性剤自体が水溶性であ
るため親水化作用が短時間で消失する。吸水性樹脂塗膜
も高い親水性を付与できるが、筐体11内に噴霧される
アルカリ性洗剤で吸水性樹脂が劣化してしまう。光触媒
反応によって吸水性を維持する方法では、筐体11の内
部にブラックライト等の光源を設ける必要があり、アル
カリ性洗剤水溶液や温水の高圧噴霧が予定されている筐
体11内部における光源の取回し等が難しくなる。ホウ
ロウ引き,セラミックス溶射,シリカ膜等による親水性
向上は、ステンレス鋼板を内面壁材に成型加工した後で
ポストコートすることが要求されるため製造コストが高
く、何れも衝撃に弱い皮膜である。しかも、シリカ膜
は、アルカリ性洗剤によって劣化する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題を解消すべく案出されたものであり、成分系が特定さ
れた親水性皮膜をゾル−ゲル法でステンレス鋼板表面に
形成することにより、油汚れが付着し難く、油汚れが付
着しても容易に除去でき、清潔感に富み、乾燥効率も優
れた食器洗い乾燥機を提供することを目的とする。
【0006】本発明の食器洗い乾燥機は、その目的を達
成するため、親水性皮膜が設けられたステンレス鋼板で
内面壁材を構成している。親水性皮膜としては、次の化
学式をもつ複合酸化物皮膜がある。 化学式:LiaNabc(SiOm)x(ZrOn)y(H2O)z ただし、a,b,c,z:任意数 m,n:1〜4
の任意数 x+y=1 親水性皮膜は、アルミニウムイオン又はアルカリ土類金
属,亜鉛,銅から選ばれた1種又は2種以上の二価金属
イオンを含むことができ、更にポリアクリル酸又はアク
リル酸モノマーを含む共重合体を配合しても良い。親水
性皮膜は、好ましくはゾル−ゲル法で形成された膜厚1
μm以下の薄膜である。基材に使用するステンレス鋼板
に一方向の研磨目をつけ、この研磨目を食器洗い乾燥機
の上下方向に合わせて内面壁を形成することが好まし
い。
【0007】
【作用】本発明者等は、食器洗い乾燥機の内面壁材に要
求される特性を得るため、ステンレス鋼板の表面処理を
種々調査・検討した。その結果、ステンレス鋼板の表面
に親水性皮膜を形成すると、油汚れが付着し難く、付着
した油汚れも容易に除去できる表面に改質されることを
見出した。表面が親水化されたステンレス鋼板で内面壁
材を構成すると、内面壁材に付着した水分が大きな液滴
にならず水分の蒸発が比較的短時間で完了する。しか
も、内面壁材に付着した水滴に油成分の一部が含まれて
いても、水滴蒸発後に水玉状の滲みが残らず、良好な清
潔感が維持される。更に、一方向の研磨目をつけたステ
ンレス鋼板を用い、食器洗い乾燥機の上下方向に研磨目
を合わせて内面壁を形成すると、親水性表面にある水膜
の自重による流下が研磨目に沿って進行するため、水の
蒸発が促進され、水玉状の滲みも残りにくくなる。
【0008】
【実施の形態】親水性皮膜が形成されるステンレス鋼板
は、特に鋼種に制約を受けることなく、オーステナイト
系,フェライト系,オーステナイト・フェライト系,マ
ルテンサイト系等、各種ステンレス鋼板を使用できる。
親水性皮膜の形成に先立って、常法に従った研磨,脱
脂,酸洗等の前処理がステンレス鋼板に適宜施される。
更に、リン酸塩処理,クロメート処理,Crフリー処理
等の塗装前処理を施すことも可能である。
【0009】親水性皮膜は、液体状塗料の塗布・焼付け
によって形成された塗膜が好適である。そのため、皮膜
成分の原料は、水性溶媒に溶解又は分散させて使用され
る。塗布・焼付けで形成される親水性皮膜は、次の化学
式をもっている。化学式中のH2Oは、水和反応により
固体化している結晶水等を示す。 化学式:LiaNabc(SiOm)x(ZrOn)y(H2O)z ただし、a,b,c,z:任意数 m,n:1〜4
の任意数 x+y=1
【0010】上掲の化学式で表される複合酸化物は非晶
質であり、外部の水分子を引き付ける作用のあるアルカ
リ金属イオン及びH2Oで優れた親水性が発現される。
化学式を構成するSiOmのソースとなるケイ素酸化物
原料としては、各種ケイ酸アルカリの水溶液,コロイダ
ルシリカ(シリカゾル),ケイ酸エチルに代表される各
種ケイ酸アルコキシド等が好適である。アルコキシドを
使用する場合、水及び酸又はアルカリ触媒の存在下で一
旦加水分解させたゾルを用いると、良質の親水性皮膜を
形成できる。親水性皮膜全体に占めるケイ素酸化物の割
合が1質量%以上で十分な親水性が発現されるが、90
質量%を超える過剰量のケイ素酸化物が含まれると皮膜
強度が低下しがちである。
【0011】化学式を構成するZrOnのソースとなる
ジルコニウム酸化物原料としては、オキシ塩化ジルコニ
ウム又はオキシ硝酸ジルコニウムの水溶液,ジルコニウ
ムテトラブトキシドのようなアルコキシドの加水分解
物,ジルコニアゾル等が好適である。親水性皮膜全体に
占めるジルコニウム酸化物の割合が1質量%以上で十分
な皮膜強度を得られるが、90質量%を超える過剰量の
ジルコニウム酸化物が含まれると親水性が低下しがちで
ある。
【0012】化学式を構成するLiaNabcのソース
となるLi,Na,K等のアルカリ金属イオン源には、
硝酸塩,塩化物,有機酸塩等の水溶性塩類を使用でき
る。アルカリ金属イオンは、親水性皮膜全体に占める割
合が0.1質量%以上になると親水性が発現されるが、
10質量%を超える過剰量が含まれると十分な皮膜強度
が得られない。Li,Na,Kは単独又は2種以上が共
存する何れでもよく、Li,Na,K間の比率に特段の
制約もない。
【0013】化学式を構成するH2Oは、容易に蒸発す
る液相ではなく、化学的な水和反応によって結合した結
晶水等である。このH2Oは、各成分を溶解又は分散さ
せた水性溶媒,アルコキシドの加水分解に使用した水,
空気中の水分等から補給される。親水性皮膜に占めるH
2Oの割合は、1〜70質量%の範囲が好ましい。親水
性皮膜にアルミニウムイオンが含まれると、皮膜強度及
び耐久性が向上する。アルミニウムイオンの効果は0.
1質量%以上でみられるが、10質量%を超える過剰量
のアルミニウムイオンは皮膜の親水性に悪影響を及ぼ
す。アルミニウムイオンソースには、硝酸塩,塩化物等
の水溶性塩類,アルミニウムイソプロポキシドに代表さ
れるアルコキシドの加水分解物,アルミナゾル等があ
る。
【0014】皮膜強度及び耐久性は、Mg,Ca,S
r,Ba等のアルカリ土類金属やZn,Cu等を硝酸
塩,塩化物等の水溶性塩類として0.1〜10質量%配
合することによっても向上する。皮膜強度,耐久性の向
上は、ケイ酸酸化物,ジルコニウム酸化物又はこれらの
複合酸化物とアルカリイオン及びH2Oからなるネット
ワーク構造が金属成分で架橋されることに起因するもの
と考えられる。更に、ポリアクリル酸又はアクリル酸モ
ノマーを含む共重合体を親水性皮膜に配合すると、金属
板表面に対する親水性皮膜の接着性が改善される。接着
性改善効果は1質量%以上のポリアクリル酸又はアクリ
ル酸モノマーを含む共重合体でみられるが、10質量%
を超える過剰量を配合すると皮膜強度が低下する虞があ
る。
【0015】以上の各原料を秤量し、各種溶媒を用いて
所定組成の親水性コーティング液を調製する。水以外
に、水と相溶性のあるアルコール類,ケトン類等の有機
溶媒も使用可能である。親水性コーティング液の調製に
際し、沈殿,分離等の液組成の不安定化を防止するた
め、酸又はアルカリ添加によるpH調整や水分量の調整
が必要に応じて採用される。親水性コーティング液中の
固形分濃度は、特に制約されるものではないが、0.1
〜10質量%の範囲が好ましい。
【0016】親水性コーティング液を金属板表面にロー
ルコート法,カーテンフロー法,スプレー法等で塗布し
た後、加熱・焼付けによって親水性皮膜が形成される。
親水性コーティング液の塗布量は、親水性皮膜の膜厚が
1μm以下(好ましくは、0.5μm以下)となるよう
に定められる。1μmを超える厚膜の親水性皮膜を形成
すると、ステンレス鋼板を食器洗い乾燥機の内面壁材に
成形加工する際、親水性皮膜が脱落する虞がある。ま
た、膜厚0.5μm以下であれば、無被覆金属板と同様
な溶接性が確保される。親水性皮膜を積層する場合、親
水性コーティング液の塗布,加熱・焼付けを繰り返す。
【0017】加熱・焼付けは、100〜300℃の温度
域が好ましい。100℃未満の焼付け温度では、親水性
皮膜が十分に生成されず、皮膜強度が低下する。逆に、
300℃を超える焼付け温度では、金属板表面に酸化皮
膜が形成されやすく、金属板表面に対する親水性皮膜の
密着性が低下する虞がある。親水性皮膜が形成されたス
テンレス鋼板は、油汚れが付着しても濡れ雑巾で容易に
除去でき、清潔感に富む食器洗い乾燥機となる。また、
内面壁材に付着している水分が大きな液滴にならないた
め、水分蒸発に適した内部環境となり乾燥効率も向上す
る。更には、無被覆金属板と同様な溶接性を呈すること
から、食器洗い乾燥機の設計自由度が高くなる。
【0018】
【実施例】テトラエトキシシラン:10gにエタノー
ル:80g,ブトキシエタノール:9g,1質量%硝酸
水溶液:1gを加え、60℃で24時間攪拌しながら加
水分解反応を進行させ、シリカゾル液を調製した。ま
た、オキシ硝酸ジルコニウム:1g,硝酸アルミニウ
ム:0.1g,硝酸亜鉛:0.1g,硝酸リチウム:1
g,ポリアクリル酸:1gを水に溶解し、水溶液:10
0gを調製した。シリカゾル液50gを水溶液50gに
混合し、硝酸でpH1に調整した親水性コーティング液
を得た。この親水性コーティング液は、固形分濃度が約
5質量%であり、200℃に加熱したときの化学組成
(換言すると、親水性皮膜の化学組成)はSiO2:5
8質量%,ZrO2:11質量%,Al23:0.4質量
%,ZnO:0.8質量%,Li2O:4質量%,H
2O:7質量%,ポリアクリル酸:19質量%であっ
た。200℃加熱後も水分の蒸発がないことから、H2
Oは水和反応で親水性皮膜中に固化していると考えられ
る。
【0019】〔本発明例1〕板厚0.5mmのSUS4
30ステンレス鋼板を脱脂・乾燥した後、親水性コーテ
ィング液を塗布し、210℃で60秒焼付け、水冷する
ことにより乾燥膜厚0.2μmの親水性皮膜をステンレ
ス鋼板表面に形成した。親水性皮膜が形成されたステン
レス鋼板の対水接触角を20℃で測定したところ、対水
接触角が21度と非常に高い親水性表面であることが判
った。なお、親水性皮膜形成前のステンレス鋼板では、
対水接触角が76度であった。
【0020】〔本発明例2〕板厚0.3mmのSUS4
30ステンレス鋼板を脱脂・乾燥した後、親水性コーテ
ィング液を塗布し、250℃で40秒焼付け、水冷する
ことにより乾燥膜厚0.3μmの親水性皮膜をステンレ
ス鋼板表面に形成した。親水性皮膜が形成されたステン
レス鋼板の対水接触角を20℃で測定したところ、対水
接触角が20度と非常に高い親水性表面であることが判
った。なお、親水性皮膜形成前のステンレス鋼板では、
対水接触角が82度であった。
【0021】〔本発明例3〕板厚0.3mmのSUS4
30ステンレス鋼板をヘアライン研磨仕上げして一方向
の研磨目をつけた後、脱脂・乾燥を経て親水性コーティ
ング液を塗布し、250℃で40秒焼付け、水冷するこ
とにより乾燥膜厚0.3μmの親水性皮膜をステンレス
鋼板表面に形成した。親水性皮膜が形成されたステンレ
ス鋼板の対水接触角を20℃で測定したところ、対水接
触角が16度と非常に高い親水性表面であることが判っ
た。因みに、ヘアライン研磨仕上げしないステンレス鋼
板の対水接触角を同様に測定した場合、対水接触角が7
6度であった。
【0022】〔比較例〕板厚0.3mmのSUS430
ステンレス鋼板を脱脂・乾燥した後、熱硬化型ポリエス
テル樹脂塗料を塗布し、210℃で60秒焼付け、水冷
することにより乾燥膜厚3μmの樹脂塗膜を形成した。
樹脂塗膜が形成されたステンレス鋼板の対水接触角を2
0℃で測定したところ、対水接触角が89度と高い疎水
性表面であった。
【0023】親水性皮膜又は樹脂塗膜が形成された各ス
テンレス鋼板を食器洗い乾燥機の内面壁材形状に成形加
工し、食器洗い乾燥機に組み込んだ。カレーライス,中
華風サラダ,ミートボール,ビールの献立で使用した大
皿4枚,中皿2枚,小皿4枚,コップ4個,スプーン4
本,フォーク4本を上カゴ13,下カゴ14に移して食
器洗い乾燥機にセットした。食器洗い乾燥機の専用洗剤
(ベンカイザー株式会社製フィニッシュ)を用い、洗い
29分→水濯ぎ7分→加熱濯ぎ31分→温風乾燥14分
又は7分→送風1分の計82分コースで食器を洗浄・乾
燥した。
【0024】洗浄・乾燥後の食器を食器洗い乾燥機から
取り出し,食器洗い乾燥機の内面壁材を観察した。その
結果、本発明に従って親水性皮膜を設けたステンレス鋼
板から作られた内面壁材は、洗浄・乾燥前と同様に美麗
な外観を維持していた。温風乾燥7分のコースでも、内
面壁材は完全に乾燥していた。更に、一方向のヘアライ
ン研磨目をつけた表面に親水性皮膜を設けたステンレス
鋼板(本発明例3)を用い、食器洗い乾燥機の上下方向
に研磨目を合わせて内壁面とした食器洗い乾燥機では、
温風乾燥コース途中の5分の時点でも内面壁材が完全に
乾燥していた。
【0025】比較例及び無垢のステンレス鋼板から作ら
れた内面壁材には、油分に起因すると考えられる汚れが
検出された。温風乾燥7分のコースでは、何れの内面壁
材にも水滴が残存しており、乾燥が不十分であった。更
に、本発明例1〜3のステンレス鋼板を内面壁材に使用
した食器洗い乾燥機において、洗いモードのみで100
0時間連続運転した後、上述のカレーライス/82分コ
ースを実施した。この場合にも、洗浄・乾燥前と同様に
美麗な外観を内面壁材が維持しており、親水性皮膜に異
常が検出されなかった。
【0026】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の食器洗
い乾燥機は、親水性皮膜を設けたステンレス鋼板を内面
壁材に使用しているので、油汚れが付着し難く、付着し
た油汚れも容易に除去でき、内面壁材に付着した水分の
蒸発も促進される。内面壁材に付着した水分に油分が含
まれていても、水分蒸発後に水玉状の滲みが残らない。
そのため、長期間にわたって清潔感に富み乾燥効率も良
好な食器洗い乾燥機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 食器洗い乾燥機の概略図
【符号の説明】
10:食器洗い乾燥機 11:筐体 12:開閉扉
13:上カゴ 14:下カゴ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長友 敏雄 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社技術研究所内 (72)発明者 矢野 宏和 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社技術研究所内 (72)発明者 茂 啓二郎 東京都千代田区六番町6番地28 住友大阪 セメント株式会社内 Fターム(参考) 3B082 BA00 BA01 4K022 AA02 AA41 BA15 BA20 BA26 DA09 DB01 EA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性皮膜が設けられたステンレス鋼板
    で内面壁材が構成されていることを特徴とする食器洗い
    乾燥機。
  2. 【請求項2】 親水性皮膜が次の化学式をもつ請求項1
    記載の食器洗い乾燥機。 化学式:LiaNabc(SiOm)x(ZrOn)y(H2O)z ただし、a,b,c,z:任意数 m,n:1〜4
    の任意数 x+y=1
  3. 【請求項3】 請求項2記載の親水性皮膜がアルミニウ
    ムイオン又はアルカリ土類金属,亜鉛,銅から選ばれた
    1種又は2種以上の二価金属イオンを含む食器洗い乾燥
    機。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の親水性皮膜に更にポリア
    クリル酸又はアクリル酸モノマーを含む共重合体が配合
    されている食器洗い乾燥機。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のステンレス鋼板に一方向
    の研磨目がつけられ、研磨目方向が食器洗い乾燥機の上
    下方向と平行になっている食器洗い乾燥機。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5何れかに記載の親水性皮膜
    がゾル−ゲル法で形成された膜厚1μm以下の薄膜であ
    る食器洗い乾燥機。
JP2002107448A 2002-04-10 2002-04-10 食器洗い乾燥機 Withdrawn JP2003299606A (ja)

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