JP2003298148A - Cpp−gmr素子およびそれを用いた磁気記録装置 - Google Patents

Cpp−gmr素子およびそれを用いた磁気記録装置

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JP2003298148A JP2002100738A JP2002100738A JP2003298148A JP 2003298148 A JP2003298148 A JP 2003298148A JP 2002100738 A JP2002100738 A JP 2002100738A JP 2002100738 A JP2002100738 A JP 2002100738A JP 2003298148 A JP2003298148 A JP 2003298148A
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cpp
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antiferromagnetic
gmr element
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JP2002100738A
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Susumu Soeya
進 添谷
Hiromasa Takahashi
宏昌 高橋
Akitomo Itou
顕知 伊藤
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来構造より高出力なスピンバルブタイプのC
PP−GMR素子を提供する。 【解決手段】下部電極上にシード層と、外部磁界に応じ
て磁化方向が自由に変化する自由層と、非磁性中間層
と、Fe膜と、金属強磁性膜と、反強磁性膜と、
上部電極とを順次積層してなる磁性積層膜を含むCPP
−GMR素子であって、前記反強磁性膜をPtMn、C
rMnPt、MnIrのいずれか一つで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はCPP−GMR素子
とおよび上記CPP−GMR素子を使用して情報を読み
書きする磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる「スピンバルブタイプ」のCP
P−GMR素子は、導電性非磁性中間層によって分離さ
れた強磁性膜(1)と強磁性膜(2)を含む適切なる物
質上に形成された積層構造を含有する。代表的なスピン
バルブタイプのCPP−GMR素子の積層構造は〔下部
電極/強磁性膜(1)/非磁性中間層/強磁性膜(2)
/反強磁性膜/上部電極〕である。ここで、最上層が上
部電極、最下層が下部電極であり、以下の積層膜もこの
ように表記する。
【0003】強磁性膜のひとつ、強磁性膜(2)の磁化
方向は、外部印加磁場ゼロのもとで強磁性膜(1)の磁
化方向と垂直な方向に固定されている。この強磁性膜
(2)の磁化方向の固定は、反強磁性膜を隣接させ、反
強磁性膜と強磁性膜(2)との交換結合により、強磁性
膜(2)に一方向異方性エネルギ(交換バイアスまたは
結合磁界とも呼ばれる)を付与することによってなされ
る。そのため、強磁性膜(2)は固定層と呼ばれてお
り、本明細書においても、固定層なる表現を用いること
にする。固定層の代表的な磁化の固定方向は浮上面(媒
体対抗面)と垂直な方向である。一方、強磁性膜(1)
の磁化方向は、外部印加磁場によって自由に回転するこ
とができ、自由層と呼ばれる。
【0004】CPP−GMR素子では、磁性媒体から発
生する磁場を印加磁場として、この磁場に応じて自由層
の磁化方向が自由に回転し、固定層の磁化方向と自由層
の磁化方向のなす角度に変化が生ずる。CPP−GMR
素子は、これら固定層と自由層の磁化方向のなす角度の
変化に応じて電気抵抗が変化することを利用して磁性媒
体からの磁気的信号を電気的信号に変換する磁気抵抗ト
ランスデューサーである。
【0005】実用的なCPP−GMR素子が、例えば、
ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス誌、Vo
l.89、pp.6943−6945、(2001)号
公報に開示されている。この素子は、少なくとも下部電
極上にPdPtMn反強磁性膜、上記反強磁性膜により
磁化方向が固定されるCoFeB膜より構成される固定
層、Cu非磁性中間層、CoFeB膜より構成される自
由層および上部電極を含み、それらを順次積層して構成
された「スピンバルブタイプ」のCPP−GMR素子が
開示されている。同文献によると、そのCPP−GMR
素子の磁気抵抗変化(以下、MR比と呼ぶ)は約2%と
の記載がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】記録密度の十分に高い
磁気記録再生装置を実現するためには、従来構造より高
出力なCPP−GMR素子を実現する必要がある。MR
比はスピン分極率Pが大きいほど大きくなるとされ、高
出力(高MR比)なCPP−GMR素子を得る一手段と
して、スピン分極率Pが1とされているハーフメタルを
強磁性膜(固定層あるいは自由層の強磁性膜)として用
いる方法がある。なお、従来技術のCIP−GMR素
子、CPP−GMR素子あるいは上記文献記載に適用さ
れている、自由層および固定層の金属強磁性膜のスピン
分極率Pは、約0.3程度と、ハーフメタルのスピン分
極率P=1と比べると極めて小さい。
【0007】ハーフメタル強磁性膜としては、Fe
(マグネタイト)膜、CrO(クロマイト)、La
0.7Sr0.3MnO(LSMO、マンガナイト)
などが知られている。ここで、Fe膜、CrO
膜、LSMO膜のキュリー温度(TC)は、それぞれ、
850K、395K、360Kである。実用化のために
はCPP−GMR素子動作温度(約100℃)よりも十
分に高いTCを所有している材料を選択しなけらばなら
ず、本観点から、実用的ハーフメタル強磁性膜は十分に
高いTCを有するFe膜に限られる。そして、F
膜を用いての実用的ハーフメタルFe
適用CPP−GMR素子を実現するためには、いわゆる
「スピンバルブタイプ」のCPP−GMR素子としなけ
ればならない。
【0008】スピンバルブタイプのCPP−GMR素子
を実現するためには、ハーフメタルFe膜を適当
な反強磁性膜でもって固定層化する技術を構築すること
が必須である(Fe膜の保磁力は約80Oe(約
6.4kA/m)であり、自由層に適用するにはやや大
きいことから、固定層に適用することを考えた)。
【0009】Fe膜を反強磁性膜で持って固定層
化するためには、(1)Fe膜に十分に大きな一
方向異方性定数(Ke)〔結合磁界(Hex)〕を付与
できる磁性積層膜構成とすること、(2)Fe
から反強磁性膜への酸素拡散を防止できる磁性積層膜構
成とすること、の2つを同時に満足する必要がある。そ
こで、本発明の目的は、ハーフメタルFe膜を適
当な反強磁性膜でもって固定層化し、これにより、従来
構造より高出力なCPP−GMR素子を提供することに
ある。さらには、上記CPP−GMR素子を用いた磁気
記録再生装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、少なく
とも下部電極上に、シード層と、外部磁界に応じて磁化
方向が自由に変化する自由層と、導電性非磁性中間層
と、マグネタイト膜と、金属強磁性膜と、反強磁性膜
と、上部電極とを順次積層してなる磁性積層膜を含むC
PP−GMR素子であって、前記反強磁性膜がPtM
n、CrMnPt、MnIrのうちのいずれか一つで構
成されることを特徴とするCPP−GMR素子とするこ
とにより達成される。
【0011】また、本発明の目的は、少なくとも、下部
電極上に、シード層と、外部磁界に応じて磁化方向が自
由に変化する自由層と、導電性非磁性中間層と、マグネ
タイト膜と、金属強磁性膜と、Ru膜と、金属強磁性膜
と、反強磁性膜と、上部電極と、を順次積層してなる磁
性積層膜を含むCPP−GMR素子であって、前記反強
磁性膜が、PtMn、CrMnPt、MnIrのうちの
いずれか一つで構成されることを特徴とするCPP−G
MR素子、とすることにより達成される。
【0012】また、本発明の目的は、少なくとも、下部
電極上に、シード層と、外部磁界に応じて磁化方向が自
由に変化する自由層と、導電性非磁性中間層と、マグネ
タイト膜と、金属強磁性膜と、反強磁性膜と、上部電極
と、を順次積層してなる磁性積層膜を含むCPP−GM
R素子であって、前記反強磁性膜が、応力誘起異方性を
利用したCrMnPtであることを特徴とするCPP−
GMR素子、とすることにより達成される。
【0013】また、本発明の目的は、少なくとも、下部
電極上に、シード層と、外部磁界に応じて磁化方向が自
由に変化する自由層と、導電性非磁性中間層と、マグネ
タイト膜と、金属強磁性膜と、Ru膜と、金属強磁性膜
と、反強磁性膜と、上部電極と、を順次積層してなる磁
性積層膜を含むCPP−GMR素子であって、前記反強
磁性膜が、応力誘起異方性を利用したCrMnPtであ
ることを特徴とするCPP−GMR素子、とすることに
より達成される。
【0014】さらに、本発明は、情報を記録する磁気記
録媒体と、前記情報を読み取りまたは書き込みする、上
述したCPP−GMR素子を少なくとも一つ有する磁気
ヘッドと、上記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体上の所定
の位置へ移動させるアクチュエーター手段と、前記磁気
ヘッドが読み取りまたは書き込みする前記情報の送受信
とアクチェータ手段の移動を制御する制御手段とを含
み、構成されることを特徴とする磁気記録再生装置およ
びデイスクアレイ装置とすることによって達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】上述したが、Fe膜を用い
ての実用的ハーフメタルFe膜適用CPP−GM
R素子を実現するためには、スピンバルブタイプのCP
P−GMR素子としなければならない。そのためには、
ハーフメタルFe膜を適当な反強磁性膜でもって
固定層化しなければならない。Fe膜を反強磁性
膜でもって固定層化するためには、(1)Fe
に十分に大きな一方向異方性定数(Ke)を付与できる
磁性積層膜構成とすること、具体的には、結合磁界(H
ex)に換算した場合に、Hex≧300Oe(24k
A/m)を付与できる磁性積層膜構成とすること、
(2)Fe膜から反強磁性膜への酸素拡散を防止
できる磁性積層膜構成とすること、の2つが課題であ
る。以下、本2点を満足できる、ハーフメタルFe
膜適用スピンバルブタイプCPP−GMR素子の実施
例を示す。 (実施例1)図1は、本発明の第1の実施例のCPP−
GMR素子の拡大断面図である(媒体対抗面と平行方向
の断面)。本実施例の素子は、少なくとも下部電極10
0上に、シード層200と、外部磁界に応じて磁化方向
が自由に変化する自由層300と、導電性非磁性中間層
400と、Fe膜500と、金属強磁性膜600
と、反強磁性膜700と、上部電極800とを順次積層
してなる磁性積層膜を含み、前記反強磁性膜700が、
PtMn、CrMnPt、MnIrのいずれか一つで構
成されることを特徴とする。素子両端部では、バルクハ
ウゼンノイスを抑制するための、例えば、アルミナ絶縁
膜900/CoCrPtハード膜950/アルミナ絶縁
膜900を配置してある。
【0016】本実施例のCPP−GMR素子の代表的な
材料および膜厚は、以下のとおりである。下部電極10
0はRu膜より構成され、膜厚は50nmである。シー
ド層200はAu膜より構成され、膜厚は10nmであ
る。自由層300はNiFe膜より構成され、膜厚は5
nmである。導電性非磁性中間層400はAu膜より構
成され、膜厚は5nmである。Fe膜500の膜
厚は5nmである。金属強磁性膜600はNiFe膜よ
り構成され、膜厚は3nmである。反強磁性膜700
は、PtMn、CrMnPt、MnIrのいずれか一つ
の材料で構成され、膜厚は30nmである。上部電極8
00はRu膜より構成され、膜厚は50nmである。
【0017】実施例1では、固定層にFe膜を採
用している。Fe膜のスピン分極率Pは1であ
り、従来技術のCIP−GMRやCPP−GMR素子の
自由層、固定層に適用されている金属強磁性膜のスピン
分極率P≒0.3に比べると極めて大きい。MR比は、
スピン分極率が大きくなるほど大きくなるとされてお
り、よって、固定層にFe膜を採用することによ
り、従来技術よりも大きなMR比を確保できる。
【0018】次に、固定層の結合磁界Hexについて説
明する。図6に、本発明のFe 膜500/金属強
磁性膜600/反強磁性膜700より構成される磁性積
層膜(交換結合膜)の結合磁界Hexの大きさを示す。
図中、□印は代表的な積層膜構成として例えばFe
(5〜15nm)/NiFe(3nm)/PtMn
(30nm)膜としたときの、▲印は代表的な積層膜構
成として例えばFe (5〜15nm)/NiFe
(3nm)/MnIr(30nm)膜としたときの、○
印は代表的な積層膜構成として例えば、Fe(5
〜15nm)/NiFe(3nm)/CrMnPt(3
0nm)膜としたときの、それぞれ結合磁界Hex対F
膜厚を示す。
【0019】図6を見ると、Fe層の膜厚が5n
mのときには、PtMn膜、MnIr膜、CrMnPt
膜ともに、上述した結合磁界Hexの目標値≧300O
e(24kA/m)をクリアできていることがわかる。
【0020】次に、実施例1では、Fe膜500
と反強磁性膜700との中間に金属強磁性膜600を介
在させている、という特徴を有している。CPP−GM
R素子作成中、CPP−GMR素子はフォトリソ工程等
により、250℃くらいのプロセス熱履歴が何度も加わ
る。これにより、Fe膜500から反強磁性膜7
00への酸素拡散が発生することが懸念される。しかし
ながら、金属強磁性膜600は、Fe膜500か
ら反強磁性膜700への酸素拡散を阻止する役割を果た
すことができるようである。なぜならば、酸素拡散があ
る場合には、図6に示したような大きな結合磁界Hex
は得られないからである。
【0021】以上、Fe膜500/金属強磁性膜
600/反強磁性膜700、とした磁性積層膜とするこ
とにより、(1)Fe膜に大きな結合磁界Hex
を付与できる、(2)Fe膜から反強磁性膜への
酸素拡散を阻止できる、の2点を満足できることから、
ハーフメタルFe膜を固定層化させることに成功
した。 (実施例2)図2は本発明の第2の実施例のCPP−G
MR素子の拡大断面図である(媒体対抗面と平行方向の
断面)。本実施例の素子は、少なくとも下部電極100
上に、シード層200と、外部磁界に応じて磁化方向が
自由に変化する自由層300と、導電性非磁性中間層4
00と、Fe膜500と、金属強磁性膜600
と、Ru膜601と、金属強磁性膜602と、反強磁性
膜700と、上部電極800と、を順次積層してなる磁
性積層膜を含み、前記反強磁性膜700が、PtMn、
CrMnPt、MnIrのいずれか一つで構成されるこ
とを特徴とする。素子両端部では、バルクハウゼンノイ
スを抑制するための、例えばアルミナ絶縁膜900/C
oCrPtハード膜950/アルミナ絶縁膜900を配
置してある。
【0022】本実施例のCPP−GMR素子の代表的な
材料および膜厚は以下のとおりである。下部電極100
はRu膜より構成され、膜厚は50nmである。シード
層200はAu膜より構成され、膜厚は10nmであ
る。自由層300はNiFe膜より構成され、膜厚は5
nmである。導電性非磁性中間層400はAu膜より構
成され、膜厚は5nmである。Fe膜500の膜
厚は5nmである。金属強磁性膜600はNiFe膜よ
り構成され、膜厚は3nmである。Ru膜601の膜厚
は0.8nmである。金属強磁性膜602はNiFe膜
より構成され、膜厚は3nmである。反強磁性膜700
は、PtMn、CrMnPt、MnIrのいずれか一つ
の材料で構成され、膜厚は30nmである。上部電極8
00はRu膜より構成され、膜厚は50nmである。
【0023】実施例2では、固定層にFe膜を採
用している。Fe膜のスピン分極率Pは1であ
り、従来技術のCIP−GMRやCPP−GMR素子の
自由層、固定層に適用されている金属強磁性膜のスピン
分極率P≒0.3に比べると極めて大きい。MR比は、
スピン分極率が大きくなるほど大きくなるとされてお
り、よって、固定層にFe膜を採用することによ
り、従来技術よりも大きなMR比を確保できる。
【0024】図6は、Fe膜500/金属強磁性
膜600/反強磁性膜700より構成される磁性積層膜
(交換結合膜)の結合磁界Hexの大きさである。図
中、□印はFe(5−15nm)/NiFe(3
nm)/PtMn(30nm)膜としたときの、▲印は
Fe(5−15nm)/NiFe(3nm)/M
nIr(30nm)膜としたときの、○印はFe
(5−15nm)/NiFe(3nm)/CrMnPt
(30nm)膜としたときの、結合磁界Hex対Fe
膜厚であることは既に述べた。
【0025】ここで、図6によればFe膜厚5n
mのときには、PtMn膜、MnIr膜、およびCrM
nPt膜の結合磁界Hexは、それぞれ、約700Oe
〔56kA/m〕、400Oe〔32kA/m〕、30
0Oe〔24kA/m〕であるのが確認できる。
【0026】実施例2では、実施例1の固定層化技術:
Fe膜500/金属強磁性膜600/反強磁性膜
700積層構造から、いわゆる「積層フェリ」固定層化
技術:Fe膜500/金属強磁性膜600/Ru
膜601/金属強磁性膜602/反強磁性膜700積層
構造に技術を展開し、積層フェリでもって、Fe
膜に結合磁界Hexを付与している。なお、積層フェリ
の詳細については、例えば、ジャーナル・オブ・アプラ
イド・フィジックス誌、Vol.87、pp.5055
−5057、(2000)号公報に開示されている。
【0027】実施例1の(a)Fe(5nm)/
NiFe(3nm)/PtMn(30nm)磁性積層膜
(Hex約700Oe、56kA/m)、(b)Fe
(5nm)/NiFe(3nm)/MnIr(30
nm)磁性積層膜(Hex約400Oe、32kA/
m)、(c)Fe(5nm)/NiFe(3n
m)/CrMnPt(30nm)磁性積層膜(Hex約
300Oe、24kA/m)を、いわゆる「積層フェ
リ」に展開した場合、例えば(a´)Fe(5n
m)/NiFe(3nm)/Ru(0.8nm)/Ni
Fe(3nm)/PtMn(30nm)積層膜構成で結
合磁界Hex約1400Oe〔112kA/m〕、(b
´)Fe(5nm)/NiFe(3nm)/Ru
(0.8nm)/NiFe(3nm)/MnIr(30
nm)積層膜構成で結合磁界Hex約1100Oe〔8
8kA/m〕、(c´)Fe(5nm)/NiF
e(3nm)/Ru(0.8nm)/NiFe(3n
m)/CrMnPt(30nm)積層膜構成で結合磁界
Hex約1000Oe〔80kA/m〕、という極めて
大きな結合磁界Hexを得ることができた。これらの値
は、いずれも上述した結合磁界Hexの目標値≧300
Oe(24kA/m)を大きくクリアしている。
【0028】次に、実施例2ではFe膜500と
Ru膜601との中間に金属強磁性膜600を介在させ
ている、という特徴を有している。CPP−GMR素子
作成中、CPP−GMR素子はフォトリソ工程等によ
り、250℃くらいのプロセス熱履歴が何度も加わる。
これにより、Fe膜500から、Ru膜601、
さらには金属強磁性膜602、さらには反強磁性膜70
0への酸素拡散が発生することが懸念される。しかしな
がら、金属強磁性膜600は、Fe膜500から
反強磁性膜700までへの酸素拡散を阻止する役割を果
たすことができているようである。なぜならば、酸素拡
散がある場合には、上記(a´)〜(c´)に記載した
ような極めて大きな結合磁界Hexは得られないからで
ある。
【0029】以上、Fe膜500/金属強磁性膜
600/Ru膜601/金属強磁性膜602/反強磁性
膜700積層構造とすることにより、(1)Fe
膜に大きな結合磁界Hexを付与できる、(2)Fe
膜から反強磁性膜への酸素拡散を阻止できる、の2
点を満足できることから、ハーフメタルFe膜を
固定層化させることに成功した。 (実施例3)図3は、本発明の第3の実施例のCPP−
GMR素子の拡大断面図である(媒体対抗面と平行方向
の断面)。本実施例の素子は、少なくとも下部電極10
0上に、シード層200と、外部磁界に応じて磁化方向
が自由に変化する自由層300と、導電性非磁性中間層
400と、Fe膜500と、金属強磁性膜600
と、反強磁性膜750と、上部電極800と、を順次積
層してなる磁性積層膜を含み、前記反強磁性膜750
が、応力誘起異方性を利用したCrMnPtで構成され
ることを特徴とする。素子両端部では、バルクハウゼン
ノイスを抑制するための、例えば、アルミナ絶縁膜90
0/CoCrPtハード膜950/アルミナ絶縁膜90
0を配置してある。
【0030】本実施例のCPP−GMR素子の代表的な
材料および膜厚は以下のとおりである。下部電極100
はRu膜より構成され、膜厚は50nmである。シード
層200はAu膜より構成され、膜厚は10nmであ
る。自由層300はNiFe膜より構成され、膜厚は5
nmである。導電性非磁性中間層400はAu膜より構
成され、膜厚は5nmである。Fe膜500の膜
厚は5nmである。金属強磁性膜600はNiFe膜よ
り構成され、膜厚は3nmである。反強磁性膜750
は、応力誘起異方性を利用したCrMnPtで構成さ
れ、膜厚は30nmである。上部電極800はRu膜よ
り構成され、膜厚は50nmである。
【0031】本実施例では、固定層にFe膜を採
用している。Fe膜のスピン分極率Pは1であ
り、従来技術のCIP−GMRやCPP−GMR素子の
自由層、固定層に適用されている金属強磁性膜のスピン
分極率P≒0.3に比べると極めて大きい。MR比は、
スピン分極率が大きくなるほど大きくなるとされてお
り、よって、固定層にFe膜を採用することによ
り、従来技術よりも大きなMR比を確保できる。
【0032】次に、固定層の結合磁界Hexについて説
明する。図7に、本発明のFe 膜500/金属強
磁性膜600/反強磁性膜750より構成される磁性積
層膜(交換結合膜)の結合磁界Hexの大きさを示す。
本実施例では、反強磁性膜750として、応力誘起異方
性を利用したCrMnPt膜を採用しているところが大
きな特徴である。
【0033】CrMnPt膜への応力誘起異方性の付与
は以下のように行った。まず、Fe 膜500/金
属強磁性膜600/反強磁性膜(CrMnPt)750
磁性積層膜を製膜する。ついで、この上方にNiO膜を
製膜する。NiO膜製膜後、230℃の熱処理を行う。
熱処理後、Fe膜500/金属強磁性膜600/
反強磁性膜(CrMnPt)750磁性積層膜の上方に
形成されているNiO膜をイオンミリングにより除去
し、Fe膜500/金属強磁性膜600/反強磁
性膜(CrMnPt)750磁性積層膜に戻す。
【0034】本発明者らによって形成されたNiO膜
は、230℃の熱処理前後で約1.8GPaの大きな圧
縮応力を開放することが認められた。Fe膜50
0/金属強磁性膜600/反強磁性膜(CrMnPt)
750/NiO膜形成後、230℃の熱処理を行うと、
NiO膜熱処理前後での約1.8GPaの大きな圧縮応
力の開放の応力がCrMnPt膜に伝わり、CrMnP
t膜の結晶格子を歪ませることができた。これにより、
CrMnPt膜に応力誘起異方性を付与することができ
た。
【0035】図7は、反強磁性膜750として、応力誘
起異方性を利用したCrMnPt膜を採用し、例えば代
表的な積層膜構成、Fe(5〜15nm)/Ni
Fe(3nm)/CrMnPt(30nm)膜としたと
きの、結合磁界Hex対Fe 膜厚依存性を示す。
図7を見ると、Fe膜厚5nmのときには、結合
磁界Hex約700Oe〔56kA/m〕という値が得
られており、応力誘起異方性を利用していない結合磁界
Hex約300Oe〔24kA/m〕(図6○印、Fe
膜厚5nmのとき)に比べ、飛躍的に向上してい
ることがわかる。また、上述した結合磁界Hexの目標
値≧300Oe(24kA/m)を大きくクリアできて
いることがわかる。
【0036】なお、CrMnPtに応力誘起異方性が付
与されているか否かは、断面TEM観察などによりc/
a比を測定することにより判別される(CrMnPtの
結晶構造は体心正方晶bctで、a、cは格子定数)。
応力誘起異方性が付与されていない実施例1のCrMn
Ptのc/a比は、おおよそ、1.011〜1.029
の範囲にあり、応力誘起異方性が付与されている本実施
例のCrMnPtのc/a比は、おおよそ、1.031
〜1.045の範囲にある。
【0037】次に、補足としてCrMnPtへの応力誘
起異方性付与による結合磁界Hexの向上化技術を詳述
した。CrMnPtへの応力誘起異方性付与による結合
磁界Hexの向上化技術を簡単に説明するため、金属強
磁性膜600と反強磁性膜(CrMnPt)750との
結合磁界Hexを用いて説明する。
【0038】図8は、例えば、金属強磁性膜600とし
てNiFe(3nm)/CoFe(3nm)2層膜、反
強磁性膜750としてCrMnPt(30nm)膜を選
択したときの磁化曲線を示す。ここで、同図(a)はN
iFe(3nm)/CoFe(3nm)/CrMnPt
(30nm)膜とした標準試料、同図(b)は上記標準
試料の上方に、NiO(50nm)膜を形成後、230
℃の熱処理を行ったNiFe(3nm)/CoFe(3
nm)/CrMnPt(30nm)//NiO(50n
m)膜(NiOキャップ層付き試料)、同図(c)はN
iFe(3nm)/CoFe(3nm)/CrMnPt
(30nm)//NiO(50nm)膜の上方に形成さ
れているNiO(50nm)をイオンミリングにより除
去し、NiFe(3nm)/CoFe(3nm)/Cr
MnPt(30nm)膜に戻した試料(NiOミリング
後の試料)である。
【0039】応力誘起異方性付与前の(a)の標準試料
では結合磁界Hexは約218Oe〔17.4kA/
m〕であるが、応力誘起異方性付与後の(c)のNiO
ミリング後の試料での結合磁界Hexは約498Oe
〔39.84kA/m〕まで向上していることが確認で
きる。
【0040】図9は上記(a)の標準試料および(c)
のNiOミリング後の試料のブロッキング温度TBを調
べた結果である。CrMnPtへ応力誘起異方性を付与
することにより、ブロッキング温度TBの低下が懸念さ
れたが、応力誘起異方性付与前の(a)の標準試料、お
よび応力誘起異方性付与後の(c)のNiOミリング後
の試料、ともに高いブロッキング温度TB約300℃を
示しており、ブロッキング温度TBの低下がないことを
確認した。
【0041】次に、本実施例ではFe膜500と
反強磁性膜750との中間に金属強磁性膜600を介在
させている、という特徴を有している。CPP−GMR
素子作成中、CPP−GMR素子はフォトリソ工程等に
より、250℃くらいのプロセス熱履歴が何度も加わ
る。これにより、Fe膜500から反強磁性膜7
50への酸素拡散が発生することが懸念される。しかし
ながら、金属強磁性膜600は、Fe膜500か
ら反強磁性膜750への酸素拡散を阻止する役割を果た
すことができるようである。なぜならば、酸素拡散があ
る場合には、図7に示したような大きな結合磁界Hex
は得られないからである。
【0042】以上、反強磁性膜750として応力誘起異
方性を利用したCrMnPt膜を採用し、Fe
500/金属強磁性膜600/反強磁性膜750とした
磁性積層膜とすることにより、(1)Fe膜に大
きな結合磁界Hexを付与できる、(2)Fe
から反強磁性膜への酸素拡散を阻止できる、の2点を満
足できることから、ハーフメタルFe膜を固定層
化させることに成功した。 (実施例4)図4は、本発明の第4の実施例のCPP−
GMR素子の拡大断面図である(媒体対抗面と平行方向
の断面)。本実施例の素子は、少なくとも下部電極10
0上に、シード層200と、外部磁界に応じて磁化方向
が自由に変化する自由層300と、導電性非磁性中間層
400と、Fe膜500と、金属強磁性膜600
と、Ru膜601と、金属強磁性膜602と、反強磁性
膜750と、上部電極800と、を順次積層してなる磁
性積層膜を含むCPP−GMR素子であって、前記反強
磁性膜750が、応力誘起異方性を利用したCrMnP
tで構成されることを特徴とする。また、素子両端部で
は、バルクハウゼンノイスを抑制するための、例えば、
アルミナ絶縁膜900/CoCrPtハード膜950/
アルミナ絶縁膜900を配置してある。
【0043】本実施例のCPP−GMR素子の代表的な
材料、膜厚は、以下のとおりである。下部電極100は
Ru膜より構成され、膜厚は50nmである。シード層
200はAu膜より構成され、膜厚は10nmである。
自由層300はNiFe膜より構成され、膜厚は5nm
である。非磁性中間層400はAu膜より構成され、膜
厚は5nmである。Fe膜500の膜厚は5nm
である。金属強磁性膜600はNiFe膜より構成さ
れ、膜厚は3nmである。Ru膜601の膜厚は0.8
nmである。金属強磁性膜602はNiFe膜より構成
され、膜厚は3nmである。反強磁性膜750は、応力
誘起異方性を利用したCrMnPtで構成され、膜厚は
30nmである。上部電極800はRu膜より構成さ
れ、膜厚は50nmである。
【0044】本実施例では固定層にFe膜を採用
している。Fe膜のスピン分極率Pは1であり、
従来技術のCIP−GMRやCPP−GMR素子の自由
層、固定層に適用されている金属強磁性膜のスピン分極
率P≒0.3に比べると極めて大きい。MR比は、スピ
ン分極率が大きくなるほど大きくなるとされており、よ
って、固定層にFe膜を採用することにより、従
来技術よりも大きなMR比を確保できる。
【0045】次に、固定層の結合磁界Hexについて説
明する。実施例3に関して説明したが、図7はFe
膜500/金属強磁性膜600/反強磁性膜(CrM
nPt)750より構成される磁性積層膜(交換結合
膜)の結合磁界Hexの大きさである。Fe膜厚
5nmのときには、結合磁界Hex約700Oe〔56
kA/m〕であるのが確認できる。本実施例では、実施
例3の固定層化技術:Fe膜500/金属強磁性
膜600/反強磁性膜(CrMnPt)750積層構造
から、いわゆる「積層フェリ」固定層化技術:Fe
膜500/金属強磁性膜600/Ru膜601/金属
強磁性膜602/反強磁性膜(CrMnPt)750積
層構造に技術を展開し、積層フェリでもってFe
膜に結合磁界Hexを付与してある。なお、積層フェリ
の詳細については、例えば、ジャーナル・オブ・アプラ
イド・フィジックス誌、Vol.87、pp.5055
−5057、(2000)号公報に開示されている。
【0046】実施例3の、Fe(5nm)/Ni
Fe(3nm)/CrMnPt(30nm)磁性積層膜
(Hex約700Oe、56kA/m)を、いわゆる
「積層フェリ」に展開した場合には、例えばFe
(5nm)/NiFe(3nm)/Ru(0.8nm)
/NiFe(3nm)/CrMnPt(30nm)積層
膜構成で結合磁界Hex約1400Oe〔112kA/
m〕という極めて大きな結合磁界Hexを得ることがで
きた。この値は、上述した結合磁界Hexの目標値≧3
00Oe(24kA/m)を大きくクリアしている。
【0047】次に、本実施例ではFe膜500と
Ru膜601との中間に金属強磁性膜600を介在させ
ている、という特徴を有している。CPP−GMR素子
作成中、CPP−GMR素子はフォトリソ工程等によ
り、250℃くらいのプロセス熱履歴が何度も加わる。
これにより、Fe膜500から、Ru膜601、
さらには金属強磁性膜602、さらには反強磁性膜70
0への酸素拡散が発生することが懸念される。しかしな
がら、金属強磁性膜600は、Fe膜500から
反強磁性膜700までへの酸素拡散を阻止する役割を果
たすことができているようである。なぜならば、酸素拡
散がある場合には、上述したような極めて大きな結合磁
界Hexは得られないからである。
【0048】以上、反強磁性膜750として応力誘起異
方性を利用したCrMnPt膜を採用し、Fe
500/金属強磁性膜600/Ru膜601/金属強磁
性膜602/反強磁性膜750積層構造とすることによ
り、(1)Fe膜に大きな結合磁界Hexを付与
できる、(2)Fe膜から反強磁性膜への酸素拡
散を阻止できる、の2点を満足できることから、ハーフ
メタルFe膜を固定層化させることに成功した。 (実施例5)図5は、本発明によるCPP−GMR素子
を用いた一実施例の磁気デイスク装置を示す図である。
磁気記録装置としての磁気デイスク装置に本発明による
CPP−GMR素子を適用した概要を示すものである。
ここで、本発明のCPP−GMR素子は、例えば磁気テ
ープ装置あるいは光磁気デイスク装置などのような他の
磁気記録装置にも適用することが可能である。
【0049】図示した磁気デイスク装置は、同心円状の
トラックとよばれる記録領域にデータを記録するため
の、デイスク状に形成された磁気記録媒体としての磁気
デイスク10と、本発明によるCPP−GMR素子から
なり、上記データの読み取り、書き込みを実施するため
の磁気ヘッド18と、上記磁気ヘッド18を支え磁気デ
イスク10上の所定位置へ移動させるアクチュエーター
手段と、磁気ヘッド18が読み取り、書き込みするデー
タの送受信およびアクチェータ手段の移動などを制御す
る制御手段とを含む。
【0050】さらに、構成と動作について以下に説明す
る。少なくとも一枚の回転可能な磁気デイスク10が回
転軸12によって支持され、駆動用モーター14によっ
て回転させられる。少なくとも一個のスライダ16が、
磁気デイスク10上に設置され、上記スライダ16は、
一個以上設けられており、読み取り、書き込みするため
の磁気ヘッド18を支持している。
【0051】磁気デイスク10が回転すると同時に、ス
ライダ16がデイスク表面を移動することによって、目
的とするデータが記録されている所定位置へアクセスさ
れる。スライダ16は、ジンバル20によってアーム2
2に取り付けられる。ジンバル20はわずかな弾力性を
有し、スライダ16を磁気デイスク10に密着させる。
アーム22はアクチュエーター24に取り付けられる。
【0052】アクチュエーター24としてはボイスコイ
ルモーター(以下、VCMと称す。)がある。VCMは
固定された磁界中に置かれた移動可能なコイルからな
り、コイルの移動方向および移動速度等は、制御手段2
6からライン30を介して与えられる電気信号によって
制御される。したがって、本実施例によるアクチュエー
ター手段は、例えば、スライダ16とジンバル20とア
ーム22とアクチュエーター24とライン30を含み構
成されるものである。
【0053】磁気デイスクの動作中、磁気デイスク10
の回転によってスライダ16とデイスク表面の間に空気
流によるエアベアリングが生じ、それがスライダ16を
磁気デイスク10の表面から浮上させる。したがって、
磁気デイスク装置の動作中、本エアベアリングはジンバ
ル20のわずかな弾性力とバランスをとり、スライダ1
6は磁気デイスク表面にふれずに、かつ磁気デイスク1
0と一定間隔を保って浮上するように維持される。
【0054】通常、制御手段26はロジック回路、メモ
リ、およびマイクロプロセッサなどから構成される。そ
して、制御手段26は、各ラインを介して制御信号を送
受信し、かつ磁気デイスク装置の種々の構成手段を制御
する。例えば、モーター14はライン28を介し伝達さ
れるモーター駆動信号によって制御される。
【0055】アクチュエーター24はライン30を介し
たヘッド位置制御信号およびシーク制御信号等によっ
て、その関連する磁気デイスク10上の目的とするデー
タートラックへ選択されたスライダ16を最適に移動、
位置決めするように制御される。
【0056】そして、制御信号26は、磁気ヘッド18
が磁気デイスク10のデータを読み取り変換した電気信
号を、ライン32を介して受信し解読する。また、磁気
デイスク10にデータとして書き込むための電気信号
を、ライン32を介して磁気ヘッド18に送信する。す
なわち、制御手段26は、磁気ヘッド18が読み取りま
たは書き込みする情報の送受信を制御している。
【0057】なお、上記の読み取り、書き込み信号は、
磁気ヘッド18から直接伝達される手段も可能である。
また、制御信号として例えばアクセス制御信号およびク
ロック信号などがある。さらに、磁気デイスク装置は複
数の磁気デイスクやアクチュエーター等を有し、上記ア
クチュエーターが複数の磁気ヘッドを有してもよい。
【0058】さらに、本発明にかかわる反強磁性膜は、
CrMnPt膜と同程度の結合磁界Hexを付与できる
PdPtMn膜や、MnIr膜と同程度の結合磁界He
xを付与できるMnRh膜で構成してもよい。
【0059】さらに、本発明にかかわる導電性非磁性金
属膜としては、上述したAu膜の他、Pt、Pd、R
h、Ir、Ag、Cu膜などの化学的に貴な元素で構成
してもよく、これらの2元以上の合金で構成してもよ
い。また、導電性非磁性金属膜として、このような化学
的に貴な元素から構成される膜は、Fe膜と化学
的に反応しにくく、導電性非磁性金属膜/Fe
界面のFe膜のハーフメタル特性をFe
内部と同じような状態に保てる、という利点がある。
【0060】さらに、本発明の金属強磁性膜は、上述し
たNiFe膜の他、Co、CoFe膜など、他の強磁性
膜としてもよいことはいうまでもない。
【0061】
【発明の効果】以上、詳述したように、(1)Fe
膜に十分に大きな一方向異方性定数(Ke)〔結合磁
界(Hex)〕を付与できる磁性積層膜構成とする、
(2)Fe膜から反強磁性膜への酸素拡散を防止
できる磁性積層膜構成とする、の2つを同時に満足でき
る、ハーフメタルFe膜適用のスピンバルブタイ
プCPP−GMR素子を実現できた。したがって、従来
構造よりも高出力なCPP−GMRヘッド、さらには高
密度磁気記録再生装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のCPP−GMR素子の拡大
断面図。
【図2】本発明の一実施例のCPP−GMR素子の拡大
断面図。
【図3】本発明の一実施例のCPP−GMR素子の拡大
断面図。
【図4】本発明の一実施例のCPP−GMR素子の拡大
断面図。
【図5】本発明の実施例による磁気デイスク装置の概略
構成図。
【図6】本発明の実施例による磁性積層膜の結合磁界H
exとFe膜厚の関係を示すグラフ。
【図7】本発明の実施例による磁性積層膜の結合磁界H
exとFe膜厚の関係を示すグラフ。
【図8】本発明の実施例によるNiFe/CoFe/C
rMnPt膜の結合磁界Hexの大きさを示すグラフ。
【図9】本発明の実施例によるNiFe/CoFe/C
rMnPt膜のブロッキング温度TBの大きさを示す実
験グラフ。
【符号の説明】
10…磁気デイスク、12…回転軸、14…モーター、
16…スライダ、18…磁気ヘッド、20…ジンバル、
22…アーム、24…アクチュエーター、26…制御手
段、28,30,32…ライン、100…下部電極、2
00…シード層、300…自由層、400…非磁性中間
層、500…Fe膜(マグネタイト膜)、600
…金属強磁性膜、……601…Ru膜、602…金属強
磁性膜、700…反強磁性膜、750…応力誘起異方性
を利用したCrMnPt反強磁性膜、800…上部電
極、900…アルミナ膜、950…ハード膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 顕知 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5D034 BA03 BA04 BA05 BA09 BA12 CA04 CA08 5E049 AA01 AA09 AC05 BA06 CB02 DB12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、下部電極上にシード層と、外
    部磁界に応じて磁化方向が自由に変化する自由層と、導
    電性非磁性中間層と、マグネタイト膜と、金属強磁性膜
    と、反強磁性膜と、上部電極とを順次積層してなる磁性
    積層膜を含むCPP−GMR素子であって、前記反強磁
    性膜がPtMn、CrMnPt、MnIrのうちいずれ
    か一つで構成されることを特徴とするCPP−GMR素
    子。
  2. 【請求項2】少なくとも、下部電極上にシード層と、外
    部磁界に応じて磁化方向が自由に変化する自由層と、導
    電性非磁性中間層と、マグネタイト膜と、金属強磁性膜
    と、Ru膜と、金属強磁性膜と、反強磁性膜と、上部電
    極とを順次積層してなる磁性積層膜を含むCPP−GM
    R素子であって、前記反強磁性膜がPtMn、CrMn
    Pt、MnIrのうちいずれか一つで構成されることを
    特徴とするCPP−GMR素子。
  3. 【請求項3】少なくとも、下部電極上にシード層と、外
    部磁界に応じて磁化方向が自由に変化する自由層と、導
    電性非磁性中間層と、マグネタイト膜と、金属強磁性膜
    と、反強磁性膜と、上部電極とを順次積層してなる磁性
    積層膜を含むCPP−GMR素子であって、前記反強磁
    性膜が応力誘起異方性を利用したCrMnPtであるこ
    とを特徴とするCPP−GMR素子。
  4. 【請求項4】少なくとも、下部電極上にシード層と、外
    部磁界に応じて磁化方向が自由に変化する自由層と、導
    電性非磁性中間層と、マグネタイト膜と、金属強磁性膜
    と、Ru膜と、金属強磁性膜と、反強磁性膜と、上部電
    極とを順次積層してなる磁性積層膜を含むCPP−GM
    R素子であって、前記反強磁性膜が応力誘起異方性を利
    用したCrMnPtであることを特徴とするCPP−G
    MR素子。
  5. 【請求項5】情報を記録する磁気記録媒体と、前記情報
    を読み取りまたは書き込みする、請求項1から請求項4
    のいずれか記載のCPP−GMR素子を少なくとも一つ
    有する磁気ヘッドと、上記磁気ヘッドを前記磁気記録媒
    体上の所定の位置へ移動させるアクチュエーター手段
    と、前記磁気ヘッドが読み取りまたは書き込みする前記
    情報の送受信とアクチェータ手段の移動を制御する制御
    手段とを含み、構成されることを特徴とする磁気記録再
    生装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の磁気記録再生装置を有する
    デイスクアレイ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7466525B2 (en) 2004-09-03 2008-12-16 Tdk Corporation Magnetic sensing element including laminated film composed of half-metal and NiFe alloy as free layer
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US8427247B2 (en) 2009-10-05 2013-04-23 Samsung Electronics Co, Ltd. Oscillators and methods of operating the same

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