JP2003296715A - 指掌紋採取画像自動濃度調整方法及びそれを用いた指掌紋採取装置 - Google Patents

指掌紋採取画像自動濃度調整方法及びそれを用いた指掌紋採取装置

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JP2003296715A
JP2003296715A JP2002095485A JP2002095485A JP2003296715A JP 2003296715 A JP2003296715 A JP 2003296715A JP 2002095485 A JP2002095485 A JP 2002095485A JP 2002095485 A JP2002095485 A JP 2002095485A JP 2003296715 A JP2003296715 A JP 2003296715A
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Yasuyuki Ishigai
保行 石貝
Yoshitaka Unno
義貴 海野
Yasuhiro Mishiro
康広 三代
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経年変化や周囲温度により光源の光量が変化
した場合でも一定した良好な指掌紋画像を容易に得るこ
とを可能とする指掌紋採取画像自動濃度調整方法を提供
する。 【解決手段】 光源4、光学面2および撮像手段5を有
し、光学面に指3などが置かれることで生じる光学面で
の反射光量の変化として与えられる指掌紋像を撮像手段
で撮像するようになっている指掌紋採取装置における指
掌紋採取画像自動濃度調整方法であり、光学面に指掌紋
採取対象の指や掌が置かれていない状態で撮像を行な
い、これで得られた画像について、所定の基準による輝
度状態を輝度検出回路11などで求め、この輝度状態を
予め設定してある基準輝度状態(平均輝度基準値16、
頻度分布基準値18)と比較し、その結果に基づいて撮
像手段の露光時間を制御することで指掌紋画像の濃度を
最適化できるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、指掌紋採取装置に
おける採取画像自動濃度調整方法及びそれを用いた指掌
紋採取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6に従来の指掌紋採取装置のシステム
構成をブロック図で示す。光源4から照射される光がプ
リズム1の光学面2で全反射して撮像手段であるCCD
カメラ5に入射するように、光源4、プリズム1、CC
Dカメラ5が配置されている。したがってプリズム1に
採取対象となる指または掌が置かれていない場合、光源
から照射された光はプリズム1の光学面2で全反射され
CCDカメラ5に入射する。一方、プリズム1の光学面
2に例えば指3が置かれると、指紋の隆線部分は光学面
2に接触し、指紋の谷部分は光学面2に接触しない。そ
して光学面2に接触する隆線部分については、光の散乱
が生じるために部分反射光がCCDカメラ5に入射し、
光学面2に接触しない谷部分については光の散乱を生じ
ずに全反射光がCCDカメラ5に入射することになり、
これにより濃淡を生じて指紋像が得られる。
【0003】このような指掌紋採取装置において、指紋
や掌紋の画像を採取すると、入射光量が多すぎる場合は
採取した指掌紋画像で隆線部分が薄くなる。一方、入射
光量が不足の場合は採取した指掌紋画像で谷部分や背景
が濃くなり、汚れなどが写ってしまう。つまりCCDカ
メラ5への入射光量を適切にすることが良好な指掌紋画
像を一定して得る上で重要になる。しかるに光源4は経
年変化や周囲温度の変化により光量が変化する。このた
め、一定した良好な指掌紋画像を得られるようにするに
は光源4の光量に応じた調整が必要となる。
【0004】指掌紋画像の濃度調整に関しては例えば特
開平8−272953号公報に、手動によりそれを調整
する方法が開示されている。特開平8−272953号
公報の「指掌紋押捺装置」は、入力操作部からの濃度を
上げるか下げるかの濃度調整入力毎に、多値画像信号を
画素対応に画素値が閾値を超えている場合のみ、その画
素値に対して所定値を加算または減算する処理を最適な
濃度になるまで手動による濃度調整入力で繰り返し行な
うものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の指
掌紋採取装置には、CCDカメラへの入射光量を適切に
することが重要であるのに、光源の光量が経年変化や周
囲温度の変化により変化し、これにより採取した指掌紋
画像の濃度が採取時ごとに異なってしまうという問題が
あった。また特開平8−272953号公報の「指掌紋
押捺装置」におけるように、手動で指掌紋画像の濃度調
整を行なう手法はあったものの、この手動濃度調整手法
には、指掌紋の採取ごとに必要となる濃度調整に時間が
かかることから採取時間が長くなってしまうという問題
があり、また調整の基準が調整する人の視覚の個人差に
より変わってしまい、良好な指掌紋画像を一定して得る
ことが容易でないといった問題があった。
【0006】したがって本発明の目的は、経年変化や周
囲温度により光源の光量が変化した場合でも一定した良
好な指掌紋画像を容易に得ることを可能とする指掌紋採
取画像自動濃度調整方法及びそれを用いた指掌紋採取装
置の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的のために本発明
では、光源と、この光源から照射される照明光を全反射
可能に形成された光学面と、この光学面を前記光源で照
明されている側の面について撮像する撮像手段を有し、
前記光学面に前記光源で照明されている側の反対から指
掌紋の採取対象となる指または掌が置かれることで生じ
る前記光学面での反射光量の変化として与えられる指掌
紋像を前記撮像手段で撮像するようになっている指掌紋
採取装置における指掌紋採取画像自動濃度調整方法とし
て、前記光学面に指掌紋採取対象の指や掌が置かれてい
ない状態で撮像を行ない、これで得られた画像につい
て、所定の基準による輝度状態を求め、この輝度状態を
予め設定してある基準輝度状態と比較し、その結果に基
づいて前記撮像手段の露光時間を制御することで指掌紋
画像の濃度を最適化できるようにされてなる指掌紋採取
画像自動濃度調整方法を提供する。
【0008】また本発明では、上記のような指掌紋採取
画像自動濃度調整方法について、輝度状態として、平均
輝度または輝度頻度分布を用いるか、あるいは平均輝度
及び輝度頻度分布を用いるようにしている。
【0009】また本発明では、上記のような指掌紋採取
画像自動濃度調整方法について、平均輝度は、画像中の
指定領域における平均輝度とし、輝度頻度分布は、指定
範囲の輝度を有する画素の合計画素数として求めるよう
にしている。
【0010】また本発明では、上記のような指掌紋採取
画像自動濃度調整方法について、基準輝度状態は、所定
の条件を満たす指掌紋について複数のサンプル画像を撮
影し、この複数のサンプル画像について指掌紋の隆線部
分と谷部分のコントラストが最大となる照明条件におけ
る輝度状態に基づいて定めるようにしている。
【0011】そしてさらに本発明では上記目的のため
に、上記のごとき指掌紋採取画像自動濃度調整方法を用
いた指掌紋採取装置として、光学面に指掌紋採取対象の
指や掌が置かれていない状態で撮像した画像について所
定の基準による輝度状態を求める手段と、前記輝度状態
を予め定めてある輝度状態基準値と比較する手段と、前
記手段による比較結果に基づいて前記撮像手段の露光時
間を制御する手段とを備えてなる指掌紋採取装置を提供
する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1に、一実施形態による指掌紋採取装置の構成
をブロック図で示す。この指掌紋採取装置は、光学系と
処理系から構成されている。光学系は、光源4、プリズ
ム1、及び電子的な撮像手段であるCCDカメラ5から
なり、そのCCDカメラ5には電子シャッター6が設け
られている。処理系は、CCDカメラ5から出力される
アナログ画像データをデジタル画像データに変換するA
/D変換器7、A/D変換器7から出力されるデジタル
画像データから採取画像の輝度を検出する輝度検出回路
11、A/D変換器7から出力されるデジタル画像デー
タを記憶するメモリ9、電子シャッター6の露光時間
(シャッタースピード)を制御する露光時間制御回路1
2、メモリ9へのデジタル画像データの書込みを制御す
る書込み制御回路10、及び所定の各種処理を行なうC
PU8からなる。
【0013】そのCPU8においては、輝度検出回路1
1から出力される輝度データから輝度の頻度分布を作成
し、指定範囲の輝度を有する画素の合計画素数を算出す
る頻度分布算出13、輝度検出回路11から出力される
輝度データから画像中の指定領域について平均輝度を求
める平均輝度検出14、平均輝度検出14で求めた平均
輝度とあらかじめ設定されている平均輝度基準値16と
を比較する平均輝度比較15、平均輝度比較15の出力
と頻度分布算出13の出力及びあらかじめ設定されてい
る頻度分布基準値(輝度頻度分布基準値)18とから頻
度分布の比較を行なう頻度分布比較17の各処理がなさ
れる。
【0014】次に、このような構成の指掌紋採取装置に
おける指掌紋採取画像の自動濃度調整処理について説明
する。まずその概略について説明する。自動濃度調整の
ためにはプリズム1の光学面2に採取対象物がない状態
での撮像を行なう。そしてこの撮像におけるCCDカメ
ラ5からのアナログデータをA/D変換器7でデジタル
データに変換し、このデジタルデータから輝度検出回路
11で輝度データを検出する。CPU8では、この輝度
検出回路11からの出力を受けて、画像中の指定領域に
ついて平均輝度を求める平均輝度検出14と指定範囲の
輝度を有する画素の合計画素数を求める頻度分布算出1
3を行なうとともに、その結果を平均輝度基準値16及
び頻度分布基準値18と比較する平均輝度比較15と頻
度分布比較17を行ない、そしてその結果に基づいて、
画像中の指定領域における平均輝度が平均輝度基準値1
6以上で、かつ指定範囲の輝度の合計画素数が頻度分布
基準値18と一致するように、一定時間間隔でCCDカ
メラ5の電子シャッター6の露光時間を制御する。すな
わち光学面2に採取対象の指や掌が置かれていない状態
で撮像を行ない、これで得られた画像について、所定の
基準による輝度状態を求め、この輝度状態を予め設定し
てある基準輝度状態と比較し、その結果に基づいて電子
シャッター6の露光時間を制御することで指掌紋画像の
濃度を最適化するようにしているものである。そして露
光時間制御のパラメータとなる輝度状態として、本実施
形態では画像中の指定領域における平均輝度と指定範囲
の輝度を有する画素の合計画素数による輝度頻度分布を
組み合わせて用いているものである。
【0015】以下では自動濃度調整処理の詳細について
説明する。本実施形態では、撮影画像の1画素の輝度デ
ータを8ビットのデータとして扱い、輝度は10進数の
0〜255の数値データとして表現し、最も暗い値が0
で、最も明るい値が255としている。
【0016】図2は、指紋や掌紋を採取可能な状態にお
いてプリズム1の光学面2に採取対象物がない状態で撮
影した画像における輝度頻度分布の例を示す。この例で
は画像が全面で明るいために輝度200以上に集中し
て、輝度分布のピークが輝度255となっている。
【0017】図3は、プリズム1の光学面2に採取対象
物がない状態で撮影した画像における輝度頻度分布を示
しており、画像が全体的に「a:やや暗いとき」、
「b:暗いとき」及び「c:明るいとき」の3段階につ
いての例を示す。「明るいとき」は、輝度分布のピーク
が輝度255(最も明るい)となり、平均輝度が255
に近い値となる。「やや暗いとき」及び「暗いとき」
は、輝度分布のピークが輝度0側に移動し、平均輝度も
低い値となる。この例における「やや暗いとき」及び
「暗いとき」は、撮影した画像の背景が暗くなり、指紋
や掌紋の濃度のコントラストが悪化するため実用範囲で
はない。
【0018】図4は、指紋や掌紋を採取した際にコント
ラストの良い画像が得られる条件、つまり平均輝度が2
40以上であるような条件においてプリズム1の光学面
2に採取対象物がない状態で撮影した画像について、
「d0:明るいとき」、「d1:やや明るいとき」、
「d2:やや暗いとき」、「d3:暗いとき」の4段階
の輝度頻度分布の例を示す。「d0:明るいとき」は、
輝度255の値が多くなり、輝度240〜254までの
分布は少なく、「d1:やや明るいとき」、「d2:や
や暗いとき」、「d3:暗いとき」と暗くなるに従い、
輝度240〜254までの分布が多くなる。このよう
に、平均輝度が240以上である条件においても、微妙
な明るさの変化があり、それが輝度240〜254の範
囲での輝度頻度分布の変化として反映される。
【0019】自動濃度調整は、以上のような分析を前提
にして、プリズム1の光学面2に採取対象物がない状態
で撮影した画像の指定領域における平均輝度と、指定範
囲、例えば輝度240〜254の範囲の輝度を有する画
素の合計画素数をパラメータとして、CCDカメラ5の
電子シャッター6の露光時間を制御することで行なう。
【0020】本発明による自動濃度調整方法における制
御の基準となる平均輝度基準値16及び頻度分布基準値
18は、複数台の指掌紋採取装置の事前検証により、所
定の条件を満たす指紋や掌紋、つまり多汗症や乾燥肌で
はない平均的な湿り気の手を持つ人の指紋や掌紋を採取
して最も良いコントラストが得られる条件を求め、この
条件においてプリズム1の光学面2に採取対象物がない
状態で撮影した画像における平均輝度と輝度頻度分布か
ら求める。
【0021】本実施形態では、平均輝度基準値16は
「240」とする。また、頻度分布基準値18は、指定
範囲として輝度240〜254の範囲を選択し、この輝
度範囲における合計画素数として所定の値を設定する。
ただその合計画素数は、光源4の微小な光量変化で大き
く変化する傾向があるため、基準として設定する値に、
ある一定の幅を持たせて自動濃度調整の制御系の安定性
を確保する。
【0022】図5に自動濃度調整における一連の処理手
順を示す。図5のステップ101及びステップ102に
おいて、プリズム1の光学面2に採取対象物がない状態
で画像を採取し、図1の平均輝度検出14により平均輝
度を求め、また頻度分布算出13により指定範囲の輝度
240〜254を有する画素の合計画素数Σ(240−
254)を算出する。次いで、ステップ103におい
て、平均輝度検出14で求めた平均輝度が平均輝度基準
値「240」より大きいか否かを判定する。その結果が
否定的であった場合には、画像が「暗すぎる」と判断し
て、ステップ104に進む。ステップ104においは下
記式により露光時間の設定条件を求める。 (露光時間設定値)=現在の(露光時間設定値)+(2
55−平均輝度)×syoklow syoklow:「暗すぎる」場合の露光時間変更幅の規定定数 それからこれで求まった条件による露光時間の設定を行
ない(ステップ113)、その露光時間条件で再度ステ
ップ101〜ステップ103の処理を行なう。この一連
の処理は、ステップ103の結果が肯定的になるまで繰
り返して行なう。ここまでは、平均輝度に基づく調整で
あり、この調整に続いて輝度頻度分布に基づく調整を行
なう。
【0023】ステップ103における結果が肯定的であ
った場合、あるいは上記のような平均輝度に基づく調整
によりステップ103における結果が肯定的になった場
合には、ステップ105、107,109,111にお
いて、指定範囲の輝度240〜254を有する画素の合
計画素数Σ(240−254)と、(目標Σ)、(閾値
大)、(閾値小)による計算式の数値を比較して、平均
輝度比較15、頻度分布比較17、露光時間制御回路1
2により(露光時間設定値)を決定する。ここで、(目
標Σ)は頻度分布基準値18の中心値であり、(閾値
大)及び(閾値小)は(目標Σ)からの差の大きさを判
定する判定値であり、(目標Σ)、(閾値大)及び(閾
値小)は何れも複数台の装置の事前検証により求めるも
のとする。
【0024】ステップ105においては、輝度240〜
254の合計画素数値が(目標Σ)−(閾値大)=Aよ
り小さいか否かを判定し、肯定的な場合には、輝度が
「明るい」と判断してステップ106において、平均輝
度比較15、頻度分布比較17、露光時間制御回路12
により(露光時間設定値)を下記式により設定する。こ
こで、「輝度240〜254の合計画素数値」は、指定
範囲の輝度についての輝度頻度分布に関するものであ
り、面積的なものを表しており、したがってそれが小さ
いほど狭い輝度範囲に画素が集中する、つまり明るいこ
とを意味することになる。 (露光時間設定値)=現在の(露光時間設定値)−(t
1) (t1):「明るい」場合の露光時間変更幅定数
【0025】ステップ105において否定的であった場
合にはステップ107において、輝度240〜254の
合計画素数値が(目標Σ)−(閾値小)=Bより小さい
か否かを判定し、肯定的な場合には、輝度が「やや明る
い」と判断してステップ108において、平均輝度比較
15、頻度分布比較17、露光時間制御回路12により
(露光時間設定値)を下記式により設定する。 (露光時間設定値)=現在の(露光時間設定値)−(t
2) (t2):「やや明るい」場合の露光時間変更幅定数
【0026】ステップ107において否定的であった場
合にはステップ109において、輝度240〜254の
合計画素数値が(目標Σ)+(閾値大)=Cより大きい
か否かを判定し、肯定的な場合には、輝度が「暗い」と
判断してステップ110において、平均輝度比較15、
頻度分布比較17、露光時間制御回路12により(露光
時間設定値)を下記式により設定する。 (露光時間設定値)=現在の(露光時間設定値)+(t
3) (t3):「暗い」場合の露光時間変更幅定数
【0027】ステップ109において否定的であった場
合にはステップ111において、輝度240〜254の
合計画素数値が(目標Σ)+(閾値小)=Dより多いか
否かを判定し、肯定的であった場合には、輝度が「やや
暗い」と判断してステップ112において、平均輝度比
較15、頻度分布比較17、露光時間制御回路12によ
り(露光時間設定値)を下記式により設定する。 (露光時間設定値)=現在の(露光時間設定値)+(t
4) (t4):「やや暗い」場合の露光時間変更幅定数平均
輝度が基準値240以上であり、輝度240〜254の
合計画素数値が(目標Σ)−(閾値小)=Bより大き
く、(目標Σ)+(閾値小)=Dより小さい場合は、適
正値と判断し露光時間は変更せず前回値を維持する。
【0028】以上の処理による自動濃度調整を指掌紋採
取装置の電源を投入してから採取開始までの間と、指掌
紋採取装置が待機状態のときに、一定周期で実行するこ
とにより、指掌紋採取装置の光源4における周囲温度や
経年変化による光量の変化、あるいはCCDカメラ5の
感度の変化があっても、これらに影響されることなく、
一定の濃度の指掌紋画像を安定的に得ることが可能とな
る。また以上のような輝度状態に基づいて光源の明るさ
を求め、これに応じて露光時間を設定する本発明の方法
とすることにより、従来の指掌紋採取装置におけるハー
ドウエア構成に新たな要素を特に付加することなく、ソ
フトウエア要素の付加だけで自動濃度調整を行なうこと
が可能となる。
【0029】以上の実施形態では、平均輝度による調整
と輝度頻度分布による調整を組み合わせて用いていた。
このように二種の調整を併用することで、光源の光量の
変化幅が大きい場合でも対応でき、しかもより高精度な
調整が可能となる。しかし必ずしもこのように二種の調
整をともに用いることは本発明において不可欠ではな
く、何れか一方だけを用いる構成とすることも可能であ
る。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、指
掌紋の画像を採取する場合に、採取画像の濃度を一定に
し、経年変化や周囲温度が変化で光源の光量が変化した
場合であっても、常に良好な指掌紋画像を採取すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による指掌紋採取装置の構
成を示すブロック図である。
【図2】自動濃度調整用の基準となる頻度分布の例を示
す図である。
【図3】背景画像が暗い場合と明るい場合の頻度分布の
例を示す図である。
【図4】明るさによる頻度分布の違いの例を示す図であ
る。
【図5】自動濃度調整における一連の処理手順を示す図
である。
【図6】従来の指掌紋採取装置のシステム構成を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 プリズム 2 光学面 3 指 4 光源 5 CCDカメラ(撮像手段)
フロントページの続き (72)発明者 三代 康広 茨城県日立市幸町3丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4C038 FF01 FF05 FG01 5B047 AA25 AB02 BA02 BB04 BC04 BC14 CA04 CB22 DC04 DC06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、この光源から照射される照明光
    を全反射可能に形成された光学面と、この光学面を前記
    光源で照明されている側の面について撮像する撮像手段
    を有し、前記光学面に前記光源で照明されている側の反
    対から指掌紋の採取対象となる指または掌が置かれるこ
    とで生じる前記光学面での反射光量の変化として与えら
    れる指掌紋像を前記撮像手段で撮像するようになってい
    る指掌紋採取装置における指掌紋採取画像自動濃度調整
    方法であって、 前記光学面に指掌紋採取対象の指や掌が置かれていない
    状態で撮像を行ない、これで得られた画像について、所
    定の基準による輝度状態を求め、この輝度状態を予め設
    定してある基準輝度状態と比較し、その結果に基づいて
    前記撮像手段の露光時間を制御することで指掌紋画像の
    濃度を最適化できるようにされてなる指掌紋採取画像自
    動濃度調整方法。
  2. 【請求項2】 輝度状態として、平均輝度または輝度頻
    度分布を用いるか、あるいは平均輝度及び輝度頻度分布
    を用いるようにした請求項1に記載の指掌紋採取画像自
    動濃度調整方法。
  3. 【請求項3】 平均輝度は、画像中の指定領域における
    平均輝度とし、輝度頻度分布は、指定範囲の輝度を有す
    る画素の合計画素数として求めるようにした請求項2に
    記載の指掌紋採取画像自動濃度調整方法。
  4. 【請求項4】 基準輝度状態は、所定の条件を満たす指
    掌紋について複数のサンプル画像を撮影し、この複数の
    サンプル画像について指掌紋の隆線部分と谷部分のコン
    トラストが最大となる照明条件における輝度状態に基づ
    いて定めるようにした請求項1〜請求項3の何れか1項
    に記載の指掌紋採取画像自動濃度調整方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載
    の指掌紋採取画像自動濃度調整方法を用いた指掌紋採取
    装置であって、光学面に指掌紋採取対象の指や掌が置か
    れていない状態で撮像した画像について所定の基準によ
    る輝度状態を求める手段と、前記輝度状態を予め定めて
    ある輝度状態基準値と比較する手段と、前記手段による
    比較結果に基づいて前記撮像手段の露光時間を制御する
    手段とを備えてなる指掌紋採取装置。
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Cited By (6)

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