JP2003294703A - 試料空気中の少なくとも一つの注目物質の存在を検査する方法及び捕捉イオン移動度分析計 - Google Patents

試料空気中の少なくとも一つの注目物質の存在を検査する方法及び捕捉イオン移動度分析計

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】捕捉イオン移動度分析計を提供する。 【解決手段】 捕捉イオン移動度分析計は、正負両方の
プラズマグラムを同時に検出して分析するアルゴリズム
を用いる。両方のスペクトル内のピークの存在を検出
し、両方のスペクトル内の特定ピークの存否を必要とす
る論理フィルタを設定することにより、選択性を改善す
る。選択性は、2つのスペクトル内の2つのピークを探
し出すことで改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、注目材料の痕跡量を検出するイ
オン移動度分析計に関する。
【0002】清浄な乾燥空気流に乗せてイオン移動度分
析計(IMS)へ搬送された試料の検出ならびに同定用
にイオン移動度分析法が最初に実地導入されたのは、1
970年代初頭であった。イオン移動度分析計に関する
従来技術例は、Cohen等への米国特許第3,62
1,240号や、Cohen等への米国特許第3,74
2,213号、或いはWernlund等への米国特許
第3,845,301号に開示されている。初期の文献
や特許に記載されているIMSは、原子質量単位にして
約10違うイオン種間の同定能力を有するものであった
が、これはまた分子形状因子に依存するものであった。
それ以上の選択性は、検知器に流入するガス流内へのド
ープ剤蒸気の付加により達成していた。通常、ドープ剤
は標的材料と一般に存在する大半の非注目材料の中間の
電荷親和性を有する。
【0003】捕捉イオン移動度分析計は1992年に開
発され、Jenkinsに対し発行された米国特許第
5,200,614号に開示されている。この捕捉イオ
ン移動度分析計は、検知器のゼロ電場反応領域において
より長時間のイオン滞留を可能にするものである。この
ことで、検知器内で当初生成されたイオン種とドープ剤
材料との間の電荷転送が促進される。ドープ剤イオンか
らより強い電荷親和性の標的イオンへの続く電荷移動
は、ITMSの検知器チャンバのゼロ電場環境内で同様
に促進される。米国特許第5,491,337号には、
麻薬検知用ドープ剤としてアンモニアを用いることが記
載されている。
【0004】ITMSは、爆発物を陰イオンモードで検
出し麻薬は陽イオンモードで検出すべく首尾よく展開さ
れてきた。動作モードは、検知器の移動領域における電
場方向を切り換えることで切り換え可能である。ITM
Sの検知器と電気的な接続の十分な説明は、米国特許第
5,200,614号に記載されている。手短に言うな
らば、ITMSは爆発物及び/又は麻薬により放出され
或いは残留する蒸気や粒子の痕跡を先ず捕捉することで
動作する。これらの捕捉試料は気化して検知システム内
へ引き込まれ、従来のどんなイオン移動度分析計よりも
約100倍は大きな感度をもつ検知システムによって分
析される。ITMSは、標的蒸気をイオン化させ、そこ
で電場中のイオン移動度を計測する。各標的イオンの移
動度は十分異なるが故に、それぞれを唯一無二に同定す
ることができる。この工程は、完了に3秒もかからな
い。
【0005】手持ち式真空試料採取器を用いて空気採取
するか、或いは捕捉器を用いて検査面をただ払拭するか
して、試料は清潔な紙製試料トラップ上に収集される。
トラップ上に収集された標的材料上のいかなる蒸気或い
は微細な分子も、図1に示した被加熱脱着装置内に試料
トラップを配置することで検知システム内に導き入れら
れる。脱着蒸気は、小型採取ポンプの働きによりITM
S内へ吸引される。脱着ユニットを後にした採取空気
は、半透性のエラストマ膜上に引き込まれ、この膜が標
的蒸気を検知システム内へ浸透させる。塵埃は膜によっ
て排除され、かくして検知器は汚染から護られる。
【0006】膜を通過する試料分子は、小型ポンプによ
り循環する清浄な乾燥空気流として検知器内へ搬入され
る(図1参照)。気化試料を携えた搬送ガスは、陽イオ
ンならびに陰イオンの両方が形成されるイオン化チャン
バを通って前進する。
【0007】検知器の反応器チャンバ内の電場は殆どの
時間帯でゼロであるが、20ms間隔で短いパルスがチ
ャンバ全体に印加される。このパルスを印加した電場
は、ここではイオン化ガス状態の試料をコレクタ電極へ
向け前進を強制する。イオンの速度はその寸法と質量に
関係しており、かくしてこの速度を測定することで物質
の同定が可能になる。コレクタと関連電子機器が、一定
流のアナログ情報をITMSからシステムコンピュータ
へ送り、ディジタル変換と分析と同定に供する。
【0008】ITMSは、標準的なイオン移動度分析計
に比べその高いイオン化効率故に高感度を備えている。
加えて、検知器選択性は、検知器以前に採取空気流内で
半透膜を使用することによって高められる。多くの有機
的蒸気が膜を透過し、検知器内で不要応答を招くことが
ある。これらの応答は、検知器内に流入するガス流中に
ドープ剤蒸気の痕跡を加えることで除去される。ドープ
剤は全電荷からの不要イオン奪取を保証すべく慎重に選
択され、かくして麻薬不在時(或いは爆発物が陰イオン
モードにあるとき)にスペクトル上に単一応答ピークを
生成する。これらは順次計測され、陽イオンスペクトル
すなわちプラズマグラムが生成される。同様に、爆発物
検知用には陰イオンモードにおいて陰イオンスペクトル
が生成される。
【0009】既存設備の正電場と負電場間の切り替えモ
ードに要する時間は、約10秒である。この時間は、ド
リフト領域において用いられる非常に高い電圧が放電し
て反転する時間によって決まる。残念ながら、この検知
システムの試料滞留時間は約5〜10秒に過ぎない。こ
れは製品化された脱着器の微粒子試料の脱着特性に起因
するものである。それ故、従来技術の設備を用いて陽イ
オンスペクトルと陰イオンスペクトルの両方を同一試料
から生成することは不可能である。本発明は、同一試料
から陽イオンスペクトルと陰イオンスペクトルを生成す
る必要性に取り組み、便利で洗練された解決法をもたら
すものである。
【0010】これまで、麻薬と爆発物を同時に検知する
検知器システムに対する需要は殆どなかった。しかしな
がら、これは入国荷物の検査などの多少の用途に役立つ
ものである。同一試料から陽イオンスペクトルと陰イオ
ンスペクトルの両方が検出できる利点は、検知能力と選
別能力の両方を改善するものである。例えば、航空機の
乗客と手荷物の日常業務検査時に、テロリストの爆発物
のあらゆる可能性を検知することは重要である。残念な
ことに、陰イオンモードには余り感応しないが、陽イオ
ンモードにおいてより感応する多少の希少爆発物が存在
する。陽イオンスペクトルと陰イオンスペクトルの両方
を監視することで、安全性が改善される。
【0011】麻薬モードすなわち陽イオンモード検査に
おいてドープ剤親和力によってもたらされる電荷親和性
の範囲は、陰イオンモードにおいてもたらされる範囲よ
りも大である。これは、爆発物モードよりも麻薬モード
に抵触する化合物が多いことを意味するものである。残
念なことに、麻薬モードでの陽イオン誤反応は手続き上
爆発物の陽イオン誤反応以上に問題となる。これとは逆
のことが、陰イオン誤反応に当てはまる。(航空機内へ
の爆弾の持ち込みは悲惨な結末を招きかねない。)阻止
部隊は入国する麻薬の90%を既に検査漏れしており、
それ故に些細な陰イオン誤検査は重大な関心事とはなら
ない。簡単に言うならば、麻薬検査がもっと選別能力を
高め、かつ爆発物検査にはもっと高い検知能力(感度)
が望まれる。本発明は、これら両方の要求に取り組むも
のである。
【0012】化学兵器戦用薬品は、強い陽電気を帯びる
か或いは強い陰電気を帯びるかのどちらかである。全て
の領域の化学兵器の脅威向けに設計されたIMSはどれ
も、陽イオンスペクトルと陰イオンスペクトルの両方を
同時検知できねばならない。本発明は、特に化学兵器剤
の検知に適用可能である。
【0013】本発明は、改良された捕捉イオン移動度分
析計及び試料空気中の少なくとも一つの注目物質の存在
を検査する方法に関する。分析計は、注目物質の潜在源
に連通配置した試料トラップを受け入れる脱着器を含
む。試料トラップを横切る空気流を導いて試料トラップ
上の物質を脱着器からイオン化チャンバへ給送すべく、
ポンプが配設してある。イオン化チャンバに隣接させて
ドリフトチャンバが配設してあり、ドリフトチャンバ端
部にイオン化チャンバから離間させてコレクタ電極が配
設してある。順次離間させた複数のグリッド電極が、イ
オン化チャンバとコレクタ電極間のドリフトチャンバ内
に配設してある。
【0014】イオン化チャンバは、試料ガス中の分子を
被爆させてイオン化分子を生成するよう機能する。大半
の時間は、イオン化チャンバ内の電場はゼロである。し
かしながら、短いパルスがチャンバ全体に印加され、イ
オン化ガスはイオン化チャンバからドリフトチャンバ内
へ押しやられる。ドリフトチャンバ内のグリッド電極は
第1の選択時間期間に亙って第1の極性でもって動作
し、少なくとも第1種分子をコレクタ電極へ向け案内す
る。コレクタ電極には、信号プロセッサと表示手段が接
続してある。信号プロセッサは、そこに衝突する少なく
とも第1種分子を同定する。表示手段は、コレクタ電極
にて収集され信号プロセッサにより分析された少なくと
も特定のイオン種を同定するための少なくとも一つのプ
ラズマグラムをそこで生成する。
【0015】捕捉イオン移動度分析計はさらに、グリッ
ド電極の極性を素早く反転する切り換え手段を含む。極
性反転は他種イオンをコレクタ電極へ向けて押しやる。
こうして、単一試料トラップから抽出された単一試料空
気は、注目する2つの異種物質について分析することが
でき、すなわち陰モードにおいて検知可能な分子だけで
なく陽モードにてより良好に検知可能な他の分子の保有
可能性をもつ特定の注目物質種の存在をもより正確に査
定すべく分析することができる。
【0016】米国特許第5,200,614号に記載さ
れ図2に図示したITMS検知器の反応領域は、大半が
検知サイクル(電場自由空間)についてのものである。
換言すれば、全内部導体面は同一電位にあり、チャンバ
内には同数の正電荷と負電荷が存在する。全てが同電位
にある限り、内部導体面に如何なる電圧が印加されよう
とも取るに足らないことである。それ故に、電位はチャ
ンバ内のイオンに影響を及ぼすことなく切り換えること
ができる。図3には、イオン移動期間中の既成のITM
S検知器内の様々な位置の電位が図示してある。上側の
曲線は、陽イオンモード期間中の電位を、下側の曲線は
陰イオンモード期間中の電位を示す。図2に示した既成
のITMSでは、イオン粒子の滞留は約20msに亙っ
て積み上げることができ、この期間に反応チャンバ全体
に電場が印加され、注目イオンは第1グリッド電極E1
を介してドリフト領域を下ってコレクタ電極へ押しやら
れる。既成のITMSにあっては、イオンの移動プロセ
スでは通常、最軽量の注目イオンが2又は3msを要
し、最重量の注目イオンが約12msを要する。検知器
から全ての重量イオンが移動し切るのを保証するのにさ
らに数ミリ秒が見込まれ、そこで全プロセスが繰り返さ
れる。かくして、本発明では、この時点でドリフト管に
沿う電場の極性が図3の一方の曲線から他方へ反転切り
換えされる。
【0017】図4に示した電子回路は、極性スイッチを
備えるものである。遷移が短時間で達成され、それによ
って遷移期間中に失われるのが可能な限り少数のイオン
と僅かな時間となることは重要である。図4に示した切
り換え回路は本発明の一実施例であり、正から負へ或い
はその逆の非常に高電圧の切り換えが数ミリ秒以内に行
なえるものである。コレクタ保護グリッドとコレクタ自
身の容量結合に起因する信号増幅回路内で引き起こされ
る過渡的な外乱は、信号を数ミリ秒の非常に短い期間内
に回復させるためには最小限に低減させねばならない。
図4に示すコレクタ電極及び前置増幅器の容量効果は出
来得る限り低く抑えるべきであり、過渡信号の素早い消
失を達成するため1nF未満であることが好ましい。
【0018】正ドリフト状態が存在すると、収集された
イオンは全て陽イオンとなる。続くイオン電流は量子化
器へ供給され、そこでディジタルの時間スペクトルが生
成され、メモリへ記憶させられる。続く陽イオンスペク
トルは、数回の走査の離散郡において集計することがで
きる。このことは、走査郡内で不規則雑音が平均化され
た信号の利点を有する。各走査ごとに極性を切り換える
ことは有益であり、何故ならイオン滞留とイオン混合が
極性切り換え後の後続の走査において変化するからであ
る。
【0019】極性が切り換わると、イオン信号が個別メ
モリ内に記憶され、これにより正負のプラズマグラムが
ほぼ実時間で生成され、その遅れは1秒の何分の一に過
ぎない。このことが、翻って各スペクトルの同時動的分
析を可能にする。
【0020】これまでのイオン移動度分析計では、イオ
ンスペクトル(プラズマグラム)はピーク検出と分析ア
ルゴリズムにかけていた。例えば陰イオンモードでは、
爆発物はスペクトル内の特定のドリフト時間においてス
ペクトル内に1以上のより多くのピークを生成してい
た。ピークはプラズマグラム内で検出され、そこで注目
する爆発物の想定ピーク位置と比較される。この分析方
法は、大半の爆発物を非常に感度良く(ナノグラムレベ
ル以下で)検出し、空港の安全検査に使用したときに通
常迷惑アラームベルの発生率を1%未満におさえる。
【0021】本発明では、新規なアルゴリズムを開発し
て正負のプラズマグラムを両方とも同時に検出ならびに
分析できるようにしてある。両スペクトル内のピークの
存在検出ならびに両スペクトル内のしかるべきピークの
存否を必要とする論理フィルタの設定とにより、選択性
は改善される。両スペクトルにおける一方のスペクトル
から他方のスペクトルへのピーク強度比がまた、干渉成
分が標的化合物に対して同様のピーク位置を有する箇所
のさらなる濾波をもたらす。
【0022】標的化合物の窓内の干渉成分の発見確率が
0.1%である場合、そこで第2の窓内に対応する別異
の又は同じ干渉成分の発見確率は、統計的に百万分の一
である。2つのスペクトル内の2つのピークを探し出す
ことにより、選択性は劇的に改善されるのである。
【0023】国際的な合意により多くの国でプラスチッ
ク爆弾に爆発物にタグを付すのに使用している接触材
は、ジメチルジニトロブタン(DMNB)である。これ
は直ちには陰イオンモード内で応答しないが、陽イオン
モード内で検出される。本発明は、負イオンモードで簡
単に検知されない爆薬添加剤すなわちDMNBだけでな
く、幾つかの爆弾と焼夷弾に対する改善された検知能力
もまたもたらすものである。
【0024】イオン移動度分析計は、これまで医学診断
法での用途を見出せなかった。しかしながら、医師は彼
ら自身の嗅覚により伝染病と疾病を診断してきており、
診断対象臭気が現に存在するのである。IMS及びIT
MS装置は通常はこれらの臭気を検出せず、何故ならド
ープ剤イオン親和力が大半の種すなわち有機化合物の検
知を殊更邪魔するからである。ドープ剤を追加しなけれ
ば、イオン移動度分析計は非常に高い誤陽応答を示すこ
とになる。この新規な改良は、2つのスペクトル内の幾
つかの同定ピークを選択してピーク比選択基準を用いる
ことで、より大きな選択性を可能にするものである。こ
のことで、翻ってドープ剤を用いない検査が可能にな
り、この検査が合理的に低誤り陽応答をもたらす一方
で、検出可能な材料範囲を増大させる。この新規の検知
能力には、医学診断法に応用を見出すべく期待されてい
る。
【0025】使用する半導体スイッチ装置は電圧能力に
おいて制限されていて、それ故に4つの半導体スイッチ
装置40〜43がブリッジ回路構成で配置してある。こ
の理由から、絶縁された出力端を有する高電圧変換器4
5が用いられる。また、スイッチ装置40〜43は、ピ
ーク切り換え電流能力を制限される。それ故に、ワンシ
ョット回路46を介してモード変更をなすべきときに、
高電圧変換器が先ず停止させられる。ユニット47によ
る遅延の後、演算増幅器A1,A2を介する駆動が、閉
成していたスイッチから外され、開成していたスイッチ
に適用される。これは同時になされる。何故ならスイッ
チ設計が「開成」よりも「閉成」についてより長い遅延
が存在するよう保証しているからである。
【0026】同時に、スイッチ状態は変化させられ、高
電圧変換器が再起動され、出力コンデンサを動作電圧ま
で再充電する。
【0027】検知器の反応領域に供給されるパルスを生
成する回路(44,47)は、その供給電圧の極性に依
存するものである。それ故に、この回路は高電圧スイッ
チが状態を切り換えるのと同時に切り換えて前記反応器
からのイオンの追い出しを回避しなければならない。こ
の理由から、高電圧パルス発生器44の制御に調製可能
な遅延回路48が組み入れてある。
【0028】ドリフト電場電極に電圧を供給するこの回
路は、高電圧を分圧する抵抗(R〜R)と、濾波用
コンデンサ(C〜C)を用いている。これらの抵抗
ならびにコンデンサは、その値を密接に比例させ、モー
ド切り換えに直ちに追随して要求されたドリフト電場分
布を維持させねばならない。
【0029】コレクタ保護グリッドEに印加された電
圧は、完全な安定追従モードで切り換えねばならず、ま
た雑音とも無縁でなければならない。このことは、ツェ
ナーダイオードと直列抵抗の複合回路54に並列の大容
量を装荷したダイオードブリッジ(D〜D)を用い
るクランプ回路50によって成就される。このクランプ
は、ドリフト電場抵抗列からの抵抗Rをもってなされ
る。正又は負のクランプ電圧は、コレクタ保護グリッド
へ接続される。
【0030】コレクタ電極32からの出力電流は、ここ
ではモード切り換え期間中に比較的大きな過渡パルスを
含む。低雑音インピーダンス変換増幅器53は、ここで
はその入力端に低容量クランプダイオード装置51,5
2を有し、これらのパルスを分路させ、かくして切り換
えからの素早い復帰を可能にしなければならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】捕捉イオン移動度分析計検知システムの概略断
面図である。
【図2】本発明になる検知器の断面図である。
【図3】イオンドリフト期間中のITMS検知器内の様
々な点における電位を示す図である。
【図4】本発明の切り換え回路を示す電子回路図であ
る。
【符号の説明】
40,41,42,43 スイッチ装置 45 高電圧変換器 46 ワンショット回路 47 遅延ユニット 48 可調整遅延回路 50 クランプ回路 54 複合回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウィリアム.ジェー.マックガン アメリカ合衆国.02767.マサチューセッ ツ州.レインハム.ヒッコリー.ドライ ブ.ノース.28

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一試料空気中の複数の注目物質の存在
    を検査する方法であって、 試料空気をイオン移動度分析計へ導くステップと、 前記イオン移動度分析計を第1の極性で第1の選択時間
    に亙って動作させ、試料空気中の少なくとも第1の注目
    物質の存在を検査するステップと、 前記イオン移動度分析計の極性を選択された遷移時間内
    に反転させるステップと、 前記イオン移動度分析計を第2の極性で第2の選択時間
    に亙って動作させ、試料空気中の少なくとも第2の注目
    物質の存在を検査するステップで、前記第1の選択時間
    の総和と前記遷移時間と前記第2の選択時間が、前記イ
    オン移動度分析計内の単一試料空気の最大許容滞留時間
    未満である前記ステップとを含む、 ことを特徴とする前記方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法であって、 前記第1及び第2の選択時間はそれぞれ約20ms未満
    であり、前記遷移時間は10ms未満である、 ことを特徴とする前記方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の方法であって、 前記第1及び第2の選択時間はそれぞれ約15ms未満
    であり、前記遷移時間は5ms未満である、 ことを特徴とする前記方法。
  4. 【請求項4】 単一試料空気中の複数の注目物質のうち
    の一つの存在の検査方法であって、 試料空気を受け入れる流入口と、前記流入口に連通しそ
    の中で分子をイオン化させるイオン化チャンバと、該イ
    オン化チャンバに隣接するドリフトチャンバと、前記イ
    オン化チャンバから離間させてドリフトチャンバ内の所
    定位置に設けたコレクタ電極と、前記イオン化チャンバ
    と前記コレクタ電極との間に順次間隔を置いて設けた複
    数のグリッド電極とを有する捕捉イオン移動度分析計を
    設けるステップと、 前記イオン化チャンバに試料空気を導くステップと、 前記試料空気中の分子をイオン化させるステップと、 前記グリッド電極を第1の選択時間に亙って第1の極性
    で動作させ、前記試料中の少なくとも第1種イオン化分
    子を前記コレクタ電極に向け導くステップと、 少なくとも特定の第1種イオン化分子を同定する第1の
    プラズマグラムを展開するステップと、 前記グリッド電極の極性を反転させるステップで、該極
    性反転を遷移時間内で行なう前記ステップと、 前記グリッド電極を第2の選択時間に亙って前記反転極
    性で動作させ、試料中の少なくとも第2種イオン化分子
    を前記コレクタ電極に向け導くステップと、 前記コレクタ電極に収集された少なくとも特定の第2種
    イオン化分子を同定する第2のプラズマグラムを展開す
    るステップで、前記第1の選択時間の総和と前記遷移時
    間と前記第2の選択時間が、前記イオン移動度分析計内
    の単一の試料空気の最大許容滞留時間未満である前記ス
    テップとを含む、 ことを特徴とする前記方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の方法であって、 前記第1及び第2の選択時間はそれぞれ約20ms未満
    であり、前記遷移時間は10ms未満である、 ことを特徴とする前記方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の方法であって、 前記第1及び第2の選択時間はそれぞれ約15ms未満
    であり、前記遷移時間は5ms未満である、 ことを特徴とする前記方法。
  7. 【請求項7】 捕捉イオン移動度分析計であって、 試料空気を受け入れる流入口と、 前記流入口に連通しその中で分子をイオン化させるイオ
    ン化チャンバと、 該イオン化チャンバに隣接するドリフトチャンバと、 前記イオン化チャンバから離間させてドリフトチャンバ
    内所定位置に設けたコレクタ電極と、 前記イオン化チャンバと前記コレクタ電極との間に順次
    間隔を置いて設けられ、前記ドリフトチャンバ内に電場
    を生成する複数のグリッド電極と、 前記グリッド電極の極性を反転する切り換え手段で、十
    分素早く動作して少なくとも一つの注目物質について陽
    モードと陰モードの両方で試料空気を検査する前記切り
    換え手段とを備える、 ことを特徴とする前記捕捉イオン移動度分析計。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の捕捉イオン移動度分析計
    であって、 前記切り換え手段は前記グリッド電極の極性を約10m
    s内で反転させる、 ことを特徴とする前記分析計。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の捕捉イオン移動度分析計
    であって、 前記切り換え手段は前記グリッド電極の極性を約5ms
    内で反転させる、 ことを特徴とする前記分析計。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の捕捉イオン移動度分析
    計であって、 前記切り換え手段が、前記高電圧パルス発生手段に対し
    前記高電圧源を作動的に結合し、それによって前記高電
    圧源内での可変遅延の適用を可能にする可変遅延手段を
    さらに備える、 ことを特徴とする前記分析計。
  11. 【請求項11】 請求項7記載の捕捉イオン移動度分析
    計であって、 前記コレクタ電極に接続され、該コレクタ電極に衝突す
    るイオンの同定を指示する信号を処理する信号処理手段
    と、 該信号処理手段に接続され、前記グリッド電極の正負の
    極性期間の両方において、前記コレクタ電極からの出力
    のプラズマグラムを生成する表示手段とをさらに備え
    る、 ことを特徴とする前記分析計。
  12. 【請求項12】 請求項7記載の捕捉イオン移動度分析
    計であって、 前記切り換え手段が、ピーク切り換え電流能力を制限し
    たブリッジ回路構成をなし、開成時よりも閉成時により
    長い遅延を有する複数の半導体スイッチ装置を備える、 ことを特徴とする前記分析計。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の捕捉イオン移動度分
    析計であって、 前記切換手段が前記ブリッジ回路に結合され、絶縁出力
    端を有する高電圧変換器をさらに備える、 ことを特徴とする前記分析計。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の捕捉イオン移動度分
    析計であって、 前記切り換え手段が、前記高電圧源と前記高電圧変換器
    との間に結合され、正電圧と負電圧との間でモード変更
    をすべきときに前記高電圧変換器を停止させる電圧極性
    切り換え手段をさらに備え、該電圧極性切り換え手段
    が、閉成している半導体スイッチ装置から駆動電圧を取
    り除くとともに開成している前記半導体スイッチ装置に
    対し遅延付きで前記電圧を印加し、かつ前記高電圧変換
    器をほぼ同時に再動作させ、前記ブリッジ回路から正負
    の高電圧出力を交互にもたらす遅延手段を備える、 ことを特徴とする前記分析計。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の捕捉イオン移動度分
    析計であって、 前記切り換え手段が、前記ブリッジ回路ならびに前記高
    電圧源からの入力端を有し、正負の高電圧切り換えに応
    答して出力を生成し、前記グリッド電極にはドリフト電
    場供給電圧を前記イオン化チャンバには制御電圧を供給
    し、該電圧が正負の高電圧間で交互に切り換わるする高
    電圧パルス発生器をさらに備える、 ことを特徴とする前記分析計。
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