JP2003294693A - 糖検出装置及び糖検出方法 - Google Patents

糖検出装置及び糖検出方法

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JP2003294693A JP2002099155A JP2002099155A JP2003294693A JP 2003294693 A JP2003294693 A JP 2003294693A JP 2002099155 A JP2002099155 A JP 2002099155A JP 2002099155 A JP2002099155 A JP 2002099155A JP 2003294693 A JP2003294693 A JP 2003294693A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間使用しても高感度を維持す
ることができ、安定性の高い測定値が得られ、洗浄の容
易な糖検出装置、及び長期間実施しても高感度を維持す
ることができ、安定性の高い測定値が得られる糖検出方
法を提供すること。 【解決手段】 Ti/Ni合金を備えて成る作用
電極、対電極及び参照電極を有して成るセル部と、前記
作用電極上での糖の酸化により前記作用電極と対電極と
の間に流れる電流を測定する電流測定部とを有して成る
ことを特徴とする糖検出装置、及びこの糖検出装置を用
いた糖検出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、糖検出検出装置
に関し、さらに詳しくは、長期間使用しても高感度を維
持し、安定性の高い測定値が得られる糖検出装置、及び
長期間実施しても高感度を維持し、安定性の高い測定値
が得られる糖検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】糖分析は、幅広い分野で実施されてお
り、例えば医療分野においては、血液中の糖濃度、つま
り血糖値の測定に実施されている。
【0003】血糖値測定においては、従来は指先から血
液を採取し、その血液試料溶液ごとに直接血糖値を測定
する方法が採られていたが、この方法では連続的な測定
をすることができず、また患者に苦痛を与えるという欠
点があった。
【0004】そこで電極を用いた電流測定を利用した糖
検出装置が開発された。この糖検出装置においては、唾
液等を試料として用い、試料溶液に電極を浸して、唾液
中の糖がその電極上で反応することにより発生する電流
を測定し、唾液中の糖濃度と血液中の糖濃度との関係か
ら血糖値を求める。
【0005】従来のこのタイプの糖検出装置において
は、電極として酵素電極が使用されていた。この酵素電
極を使用した糖検出装置では、例えば白金電極上にグル
コースオキシダーゼ及びペルオキシダーゼから成る酵素
膜を形成させ、これらの酵素により糖を酸化させ、その
ときに発生する電流を測定する。この糖検出装置によれ
ば、試料溶液に電極を浸しながら連続測定をすることが
可能であり、また採血の必要がないので、患者に苦痛を
与えることがない。
【0006】しかしこの従来の糖検出装置は、酵素を使
用しているので、時間の経過とともに酵素の失活が起こ
ることにより感度が低下し、長期間使用することができ
ないという欠点があった。
【0007】またこの従来の糖検出装置は、試料溶液に
蛋白質又は脂質等の不純物が含有されていると、電極に
蛋白質等が付着することにより測定値が大きくバラつ
き、安定した測定ができないという欠点を有していた。
【0008】この従来の糖検出装置では、そのように電
極が汚れた場合においても、電極上に形成された酵素膜
が、機械的な作用により損傷を受けやすいことから、洗
浄が困難であるという欠点があった
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、従来の糖
検出装置の前記欠点を解消することを目的とする。すな
わちこの発明の目的は、長期間使用しても高感度を維持
することができ、安定性の高い測定値が得られ、洗浄の
容易な糖検出装置、及び長期間実施しても高感度を維持
することができ、安定性の高い測定値が得られる糖検出
方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
のこの発明は、Ti/Ni合金を備えて成る作用電極、
対電極及び参照電極を有して成るセル部と、前記作用電
極上での糖の酸化により前記作用電極と対電極との間に
流れる電流を測定する電流測定部とを有して成ることを
特徴とする糖検出装置であり、前記糖検出装置の好適な
第1の態様として、前記セル部は、先端部に作用電極挿
入孔を有する管状セルと、前記作用電極挿入孔に挿入さ
れ、一端部が前記管状セル外に突出し、その他の部分が
前記管状セル内に収容された状態で前記管状セルに取り
付けられた線状の前記作用電極と、前記管状セル内に収
容された前記対電極及び前記参照電極とを有して成り、
第2の態様は、前記セル部は、前記作用電極、前記対電
極及び前記参照電極を収容することができ、試料溶液導
入部と被処理液排出部とを有するセルを有して成り、第
3の態様として、前記対電極は、前記作用電極及び前記
参照電極を収容することができる内部空間を有する容器
状体であり、その内部空間に試料溶液を導入することの
できる試料溶液導入部、及びその内部空間から処理済み
液を排出することのできる処理済み液排出部を備えて成
る。
【0011】また他の発明は、前記第1の態様に係る糖
検出装置を用いて、その作用電極を、アルカリ性に調整
した試料溶液に浸漬することにより糖を検出することを
特徴とする糖検出方法であり、また他の発明は、前記第
2の態様に係る糖検出装置を用いて、前記試料溶液導入
部から前記樹脂製セル内に、アルカリ性に調整された試
料溶液に導入し、糖を検出することを特徴とする糖検出
方法であり、また他の発明は、前記第3の態様に係る糖
検出装置を用いて、前記試料溶液導入部から前記内部空
間に、アルカリ性に調整された試料溶液に導入し、糖を
検出することを特徴とする糖検出方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明に係る糖検出装置は、T
i/Ni合金を備えて成る作用電極、対電極及び参照電
極を有して成るセル部と、前記作用電極上での糖の酸化
により前記作用電極と対電極との間に流れる電流を測定
する電流測定部とを有して成る。この糖検出装置は、種
々の態様を採ることが可能である。
【0013】図1は、この発明に係る糖検出装置の第1
の態様である糖検出装置1の概念図である。糖検出装置
1は、セル部2と電流測定部3とを有して成る。
【0014】セル部2は、試料溶液に浸漬され、試料溶
液中の糖を酸化反応させることにより、その糖濃度に応
じた電流を発生させる部位である。セル部2は、セル4
と、作用電極5と、対電極6と、参照電極7と、電解液
8とを有して成る。
【0015】セル4は、作用電極5、対電極6、参照電
極7及び電解液8を収容し、セル部2の外殻部を形成す
る部材である。セル4は、管状体であり、その先端部
に、作用電極5を挿入することのできる挿入孔14を有
する。挿入孔14の大きさは、作用電極5の外径に応じ
て決定される。セル4は、その内部と外部との通電を阻
止する必要があるので、絶縁材で形成されている。前記
絶縁材としては、強度、重さ及び安全性等の点から、エ
ポキシ樹脂等の樹脂が好ましい。
【0016】セル4の大きさは、糖の測定が可能である
限り特に制限はなく、目的応じて適宜決定することがで
きる。例えばセル4の直径を20mm前後にすると、使
用しやすく、好適である。
【0017】作用電極5は、線状体であり、セル4の挿
入孔14に挿入され、その一端部がセル4内にあり、他
端部がセル4の外部に突出した状態でセル4に嵌め込ま
れている。
【0018】作用電極5は、試料溶液中の糖を酸化させ
る機能を有する電極である。作用電極5は、その材料が
Ti/Ni合金である。TiNi合金は、アルカリ性溶
液中で糖のOH基を定量的に酸化する機能を有する。し
たがって作用電極5は、その材料がTiNi合金である
ことにより、試料溶液中の糖と接触して、その糖を酸化
させ、その糖濃度に応じた電流を発生させることができ
る。
【0019】前記TiNi合金におけるTi及びNiの
組成は、この合金の前記機能が確保されれば特に制限は
ないが、例えば合金全体に対するTiの含有率が40〜
60質量%であり、Niの含有率が60〜40質量%で
あると、前記機能が効果的に発揮される点で好ましい。
【0020】作用電極5の大きさとしては、試料溶液中
の糖と接触して、糖濃度を測定することのできる大きさ
の電流を発生させることができれば特に制限はなく、例
えばその外径が0.01〜2.0mm、長さが0.1〜
50mmとすることができる。
【0021】作用電極5の、セル4の外部に突出してい
る部分の長さは、セル部2の先端部を試料溶液に浸漬さ
せたときに、糖濃度を測定することのできる大きさの電
流を発生させることができる程度に試料溶液中の糖を酸
化させることができ、またセル部2の取り扱い上不都合
がなければ特に制限はなく、例えば作用電極5の外径が
1mm前後である場合には、10mm以下とすると、前
記条件が好適に満たされるので好ましい。
【0022】対電極6は、セル4の内部に収容されてい
る。対電極6は、線状体であり、その大きさは、作用電
極5との組み合わせにおいて測定電量が円滑に流れるよ
うに、作用電極の大きさとの関係において適宜決定され
る。
【0023】対電極6の材料としては、作用電極5との
組み合わせにおいて測定電量を支障のないように流すこ
とができれば特に制限はなく、公知の対電極の材料、例
えばSUS316などのステンレス、白金及びカーボン
を使用することができる。
【0024】参照電極7は、セル4の内部に収容されて
いる。対電極6は、線状体であり、その大きさは、作用
電極5の電位を適切に設定することができれば特に制限
はなく、セル部2の諸条件に応じて適宜決定される。
【0025】参照電極7としては、作用電極5の電位を
適切に設定することができれば特に制限はなく、公知の
参照電極、例えば銀塩化銀電極、甘こう電極及び水素電
極を挙げることができる。
【0026】電解液8は、セル4の内部に収容されてい
る。電解液8は、作用電極のセル4内にある部分、対電
極6及び参照電極7を浸漬させている。電解液8として
は、前記糖の酸化に基づいて電流を発生させることがで
きれば特に制限はなく、例えば水酸化ナトリウム水溶
液、水酸化カリウム水溶液、及び水酸化リチウムを挙げ
ることができる。
【0027】電流測定部3は、セル部2で発生した電流
の大きさを測定して、糖濃度を求める部位である。電流
測定部3は、リード線9、リード線10、電源11、電
源12及び電流計13を有して成る。リード線9は、対
電極6と参照電極7とを結ぶ。リード線9には電源11
が、対電極6側が陰極、参照電極7側が陽極となるよう
に設けられている。リード線10は、対電極6と作用電
極5とを結ぶ。リード線10には電源12が、対電極6
側が陰極、作用電極5側が陽極となるように設けられて
いる。またリード線10には、電流計13が設けられて
いる。
【0028】糖検出装置1は、以上の構成を有すること
により次のように作用する。
【0029】糖を含有した試料をアルカリ溶液に混合し
て、試料溶液を調製する。セル部2の先端部を試料溶液
に浸し、作用電極5の、セル4外に突出した部分を試料
溶液に浸漬させる。試料溶液中の糖は作用電極に接触す
る。作用電極5に接触した糖は、TiNi合金の作用に
より酸化される。すると作用電極5の周辺部では、その
酸化反応によって酸素が消費され、対電極6に到達する
酸素量は減少し、対電極6における酸素還元電流は小さ
くなる。その電流の減少量が電流計13により計測され
る。その電流の減少量は、試料溶液中の糖濃度に比例す
る。したがって電流計13によるその計測値に基づいて
試料溶液中の糖濃度を求めることができる。
【0030】このように糖検出装置1は、作用電極5
の、セル4から突出した部分を試料溶液に浸漬するだけ
で、糖濃度を測定することができる。したがって糖検出
装置1によれば、連続的な糖分析を行うことができる。
また糖検出装置1は、TiNi合金を用いた糖反応を利
用するので、酵素電極のような酵素の失活に基づく経時
的な性能劣化の問題が生ずることはなく、長期間にわた
って安定した測定が可能である。
【0031】前記試料としては、前記試料溶液を調製す
ることができれば特に制限はなく、例えば唾液、血液及
び尿等の体液も好適に用いることができる。
【0032】前記試料に含有される糖としては、TiN
i合金により糖を酸化させることができれば特に制限は
ない。前述のようにTiNi合金は、糖の炭素原子に結
合にOH基を酸化させる。このような糖としては、例え
ばグルコース、フラクトース及びマンノース等の単糖、
スクロース、マルトース及びラクトース等の二糖、並び
に三糖以上のオリゴ糖及び多糖を挙げることができる。
【0033】前記試料溶液を調製するときに使用するア
ルカリ溶液としては、TiNi合金により糖を酸化させ
ることができれば特に制限はなく、例えば水酸化ナトリ
ウム水溶液及び水酸化カリウム水溶液を挙げることがで
きる。そのアルカリ溶液の濃度としては、前記糖の酸化
反応を進行させることができれば特に制限はないが、例
えば0.01〜2.0Nとすると、前記酸化反応が好適
に進行し、また取り扱いが容易である点で好ましい。
【0034】前記試料溶液を調製するときの試料とアル
カリ溶液との混合比率としては、前記試料溶液におい
て、前記酸化反応に必要なアルカリ性が確保され、検出
可能な電流を発生させることができる糖濃度が確保され
ていれば特に制限はなく、試料の糖濃度等に応じて適宜
決定することができる。
【0035】前記試料溶液における糖濃度としては、電
流計13により検出可能な電流を発生させることができ
れば特に制限はないが、分析精度の点からは100.0
g/l以下であることが好ましい。
【0036】前述のように糖検出装置1は、この発明に
係る糖検出装置の一例であって、この発明に係る糖検出
装置は、糖検出装置1に制限されることはなく、様々な
形態を採ることができる。例えば糖検出装置1におい
て、セル4、作用電極5、対電極6及び参照電極7の形
状は適宜変更することが可能である。
【0037】例えば作用電極については、TiNi合金
で形成されていれば、その形状等は特に制限はなく、例
えば直線状、螺旋状、柱状及び板状であってもよい。ま
た作用電極の取り付け方法も、試料溶液中の糖の酸化反
応を行うことが可能であればどのような方法であっても
よく、糖検出装置1のような、セル4からその一部を突
出させて取り付ける方法に制限されることはない。この
発明に係る作用電極は、公知の三極式の電流測定装置に
おける作用電極と同様に用いることも可能である。
【0038】また糖検出装置1の電流測定部3の構造に
ついても、前述のようにセル部2で発生した電流を測定
することができればどのような構造であってもよく、公
知の電流測定部を使用することができる。
【0039】図2は、この発明に係る糖検出装置の第2
の態様である糖検出装置21の概念図である。糖検出装
置21は、セル部22と電流測定部23とを有して成
る。セル部22は、樹脂製セル24と、作用電極25
と、対電極26と、参照電極27とを有して成る。作用
電極25及び参照電極27は、例えば線状体又は棒状体
であり、それぞれ作用電極5及び参照電極7と同様の材
料を用いることができる。対電極26は、例えば板状体
であり、対電極6と同様の材料を用いることができる。
【0040】樹脂製セル24は、作用電極25、対電極
26及び参照電極27を収容している。また樹脂製セル
24は、その下部に、作用電極25等を収容した空間に
試料溶液を導入することのできる試料溶液導入部28
と、測定が終了して得られた被処理液を排出する被処理
液排出部29とを有する。
【0041】試料溶液導入部28には、ポンプ30を介
して、分岐流路31が接続され、その一端に試料容器3
2が設けられ、他端にアルカリ溶液を収容した溶離液容
器33が設けられている。樹脂製セル24の材料は、セ
ル4の材料と同様である。
【0042】糖検出装置21は、次のように作用する。
ポンプ30を駆動させ、試料容器32から試料を、溶離
液容器33からアルカリ溶液を吸引し、これらを分岐流
路31中で混合して試料溶液とし、これを樹脂製セル2
4の内部空間に送液する。この内部空間において、前記
試料溶液に作用電極25、対電極26及び参照電極27
が接触する。以下、前述と同様にして、糖の酸化反応に
基づく電流が発生し、それを電流測定部23で測定する
ことにより、試料の糖濃度が測定される。樹脂製セル2
4内で測定が終了して得られた処理済み液は、処理済み
液排出部29から樹脂製セル24外に排出される。
【0043】図3は、この発明に係る糖検出装置の第3
の態様である糖検出装置41の概念図である。糖検出装
置41は、セル部42と電流測定部43とを有して成
る。セル部42は、作用電極45と、対電極46と、参
照電極47とを有して成る。作用電極45及び参照電極
47は、例えば線状体又は棒状体であり、それぞれ作用
電極5及び参照電極7と同様の材料を用いることができ
る。
【0044】対電極46は、容器状に形成されており、
内部空間54を有し、内部空間54に作用電極45及び
参照電極47を収容している。また対電極46は、その
下部に、内部空間54に試料溶液を導入することのでき
る試料溶液導入部48と、測定が終了して得られた処理
済み液を排出する処理済み液排出部49とを有する。対
電極46の材料は、対電極6の材料と同様にすることが
でき、例えばSUS316である。
【0045】試料溶液導入部48には、ポンプ50を介
して、分岐流路51が接続され、その一端に試料容器5
2が設けられ、他端にアルカリ溶液を収容した溶離液容
器53が設けられている。
【0046】糖検出装置41は、次のように作用する。
ポンプ50を駆動させ、試料容器52から試料を、溶離
液容器53からアルカリ溶液を吸引し、これらを分岐流
路51中で混合して試料溶液とし、これを対電極46の
内部空間54に送液する。内部空間54において、前記
試料溶液に作用電極45、対電極46及び参照電極47
が接触する。以下、前述と同様にして、糖の酸化反応に
基づく電流が発生し、それを電流測定部43で測定する
ことにより、試料の糖濃度が測定される。対電極46内
で測定が終了して得られた処理済み液は、処理済み液排
出部49から対電極46外に排出される。
【0047】以上のように、この発明に係る糖検出装置
では、作用電極としてTiNi合金を使用する。従来の
作用電極に酵素を使用した糖検出装置では、経時的な酵
素の失活を避けることができないので、その寿命が数ヶ
月と短かったが、この発明に係る糖検出装置で作用電極
として使用するTiNi合金は、酵素のような経時的劣
化が生じないので、この発明に係る糖検出装置は少なく
とも一年間は使用することができる。
【0048】また従来の前記糖検出装置においては、電
極上に形成された酵素膜が、機械的な作用により損傷を
受けやすいことから、洗浄が困難であるという欠点があ
ったが、この発明に係る糖検出装置では、作用電極とし
て使用するTiNi合金の機械的強度が大きいので、洗
浄が容易である。
【0049】この発明に係る糖検出方法は、上記各糖検
出装置を用いて、上記各糖検出装置の説明に基づいて行
うことが可能である。
【0050】
【実施例】以下、実施例によりさらに詳しくこの発明に
係る糖検出装置及び糖検出方法について説明する。
【0051】(1)糖検出装置 図3に示した構造のセル部を有する糖検出装置を使用し
た。作用電極は、Ti50質量%、Ni50質量%から
成るTiNi合金製であり、その直径は1.0mmであ
り、対電極内挿入された部分の長さは5.0mmであ
る。参照電極は、銀塩化銀電極である。
【0052】(2)試料溶液 0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液にグルコースを溶解
し、グルコース濃度が5、10、15及び20g/lで
ある4種類のグルコース溶液を調製した。さらに前記水
酸化ナトリウム水溶液をブランク用溶液とした。これら
の合計5種類の溶液を試料溶液群1とした。前記試料溶
液群1の5種類の溶液に、それぞれアルブミンを、その
濃度が2g/lとなるように溶解し、5種類の新たな溶
液を調製した。これらの5種類の溶液を試料溶液群2と
した。同様にして、アルブミンが5g/lとなるように
溶解された試料溶液群3、及びアルブミンが7g/lと
なるように溶解された試料溶液群4を調製した。
【0053】(3)測定方法 各試料溶液群の各溶液を、前記対電極の試料溶液導入部
から対電極の内部空間に注入して、発生した電流を測定
し、その積分値を求めた。
【0054】(4)結果 図4は、各試料溶液群の各グルコース溶液に対する前記
積分値から、その試料溶液群のブランク溶液に対する前
記積分値を差し引いて得られる値を、そのグルコース濃
度に対してプロットして得られた図である。図4におい
て、折れ線、、及びは、それぞれ試料溶液群
1、試料溶液群2、試料溶液群3及び試料溶液群4から
得られた結果を示す。
【0055】図4からわかるように、この発明に係る糖
検出装置により得られた電流の積分値は、グルコース濃
度と強い相関がある。また図4から、この積分値は、ア
ルブミンの存在によっても大きな影響を受けないことが
わかる。したがってこの実施例の結果から、この発明に
係る糖検出装置及び糖検出方法は、アルブミン等の蛋白
質が多量に含有される唾液や血液などに対しても、好適
に適用することができることがわかる。
【0056】
【発明の効果】この発明に係る糖検出装置及び糖検出方
法によれば、作用電極にTiNi合金を使用するので、
長期間高精度の糖検出が可能であり、また洗浄が容易で
ある。
【0057】この発明に係る糖検出装置及び糖検出方法
は、TiNi合金により酸化することができる糖であれ
ば適用することができる。したがってこの発明に係る糖
検出装置及び糖検出方法によれば、幅広い糖の検出が可
能である。
【0058】この発明に係る糖検出装置及び糖検出方法
は、試料に蛋白質等の不純物が混在していても、その測
定値に大きな影響が現れないので、これらの不純物が存
在する唾液及び血液等における糖検出にも好適に適用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明に係る糖検出装置の一具体例
である糖検出装置1の概念図である。
【図2】図2は、この発明に係る糖検出装置の一具体例
である糖検出装置21の概念図である。
【図3】図3は、この発明に係る糖検出装置の一具体例
である糖検出装置41の概念図である。
【図4】図4は、各試料溶液群の各グルコース溶液に対
する前記積分値から、その試料溶液群のブランク溶液に
対する前記積分値を差し引いて得られる値を、そのグル
コース濃度に対してプロットして得られた図である。
【符号の説明】
1・・糖検出装置、2・・セル部、3・・電流測定部、
4・・セル、5・・作用電極、6・・対電極、7・・参
照電極、8・・電解液、9・・リード線、10・・リー
ド線、11・・電源、12・・電源、13・・電流計、
14・・挿入孔、21・・糖検出装置、22・・セル
部、23・・電流測定部、24・・樹脂製セル24、2
5・・作用電極、26・・対電極、27・・参照電極、
28・・試料溶液導入部、29・・被処理液排出部、3
0・・ポンプ、31・・分岐流路、32・・試料容器、
33・・溶離液容器、41・・糖検出装置、42・・セ
ル部、43・・電流測定部、45・・作用電極、46・
・対電極、47・・参照電極、48・・試料溶液導入
部、49・・処理済み液排出部、50・・ポンプ、51
・・分岐流路、52・・試料容器、53・・溶離液容
器、54・・内部空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小西 義昭 東京都渋谷区恵比寿3−43−2 日機装株 式会社内 Fターム(参考) 2G045 CA25 CB07 DA31 FB05 GC20 JA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ti/Ni合金を備えて成る作用電極、
    対電極及び参照電極を有して成るセル部と、前記作用電
    極上での糖の酸化により前記作用電極と対電極との間に
    流れる電流を測定する電流測定部とを有して成ることを
    特徴とする糖検出装置。
  2. 【請求項2】 前記セル部は、先端部に作用電極挿入孔
    を有する管状セルと、前記作用電極挿入孔に挿入され、
    一端部が前記管状セル外に突出し、その他の部分が前記
    管状セル内に収容された状態で前記管状セルに取り付け
    られた線状の前記作用電極と、前記管状セル内に収容さ
    れた前記対電極及び前記参照電極とを有して成る請求項
    1に記載の糖検出装置。
  3. 【請求項3】 前記セル部は、前記作用電極、前記対電
    極及び前記参照電極を収容することができ、試料溶液導
    入部と処理済み液排出部とを有するセルを有して成る請
    求項1に記載の糖検出装置。
  4. 【請求項4】 前記対電極は、前記作用電極及び前記参
    照電極を収容することができる内部空間を有する容器状
    体であり、その内部空間に試料溶液を導入することので
    きる試料溶液導入部、及びその内部空間から処理済み液
    を排出することのできる処理済み液排出部を備えて成る
    請求項1に記載の糖検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の糖検出装置を用いて、
    その作用電極を、アルカリ性に調整した試料溶液に浸漬
    することにより糖を検出することを特徴とする糖検出方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の糖検出装置を用いて、
    前記試料溶液導入部から前記樹脂製セル内に、アルカリ
    性に調整された試料溶液に導入し、糖を検出することを
    特徴とする糖検出方法。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の糖検出装置を用いて、
    前記試料溶液導入部から前記内部空間に、アルカリ性に
    調整された試料溶液に導入し、糖を検出することを特徴
    とする糖検出方法。
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